JPH0626573U - 冷蔵、乾燥装置付き家具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に有益でない保存料や防腐剤などを含有
せず、変質しやすい化粧品や薬品などを低温保存する冷
蔵庫を家具のキャビネット内に設置して冷蔵性能と、該
冷蔵のために発生した熱を最も有効に物品の乾燥性能に
して利用することである。 【構成】 家具のキャビネット１Ａ内を隔壁１',１"に
よつて冷蔵装置室７と乾燥収納室８に区画してその境界
にファン１１を設置して冷蔵装置室７内の冷蔵庫９に化
粧品や薬品を低温保存し、該冷蔵庫９の冷凍サイクルか
らの排熱を、乾燥収納室８内へ送風することにより、該
室内のタオルその他の物品を常に乾燥状態に保持するも
のである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、冷蔵、乾燥装置付き家具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、各種化粧品中の合成保存料や防腐剤等は人の肌に好ましくないことが指 摘されてこれらを含有しない化粧品の使用が普及している。ところがこの種の化 粧品は管理が良くないと常温では使用の都度、外気に触れて細菌が繁殖し品質が 低下したり変色、変質を招くことから冷蔵装置を具備する洗面化粧台あるいは鏡 台等の家具の考案が開示されている。 冷蔵装置を付設した化粧品などを収納する家具の考案の例として(１)、実用新 案出願公開平成２―２８０６４号の「冷蔵装置つき化粧用鏡台」や(２)、特許出願 公開平成２―２６４６０８号の「鏡ユニット」がある。 該(１)、の考案は、鏡台の収納部の１部に冷蔵部として、ペルチエ素子を使用 した冷蔵装置を組み込んだ構成で、該冷蔵部の背面から放熱ファンによつて放熱 するようにした構成である。該(２)、の考案は化粧台や洗面台の上に設けた鏡に 隣接して化粧品等を収納する冷蔵庫を一体的に設けて各種化粧品や薬品を低温保 存して使用時の爽冷感を維持したり、変質を防止し、該冷蔵庫の冷媒の放熱用凝 縮器を鏡の裏面に、曇り止め用ヒータとして配設した構成である。

【０００３】 上記(２)、の考案は、冷媒の熱を放散する凝縮器を鏡の裏面に設けて鏡の曇り を防止するものであるから比較的に効率の良い装置であるが、(１)、の考案は、 冷蔵のために発生した熱を放熱ファンで排出してしまうだけで貴重なエネルギー の利用効率が良くないものである。該(２)、の考案も鏡の面積に応じた放熱面積 を必要とし、且つ放熱温度も鏡の曇り防止に適した範囲に調整しなければならず 、実施に際しては困難な利用方法と言える。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 考案が解決しようとする問題点は、洗面化粧台や鏡ユニットなどに設けられて 化粧品や家庭用薬品などを冷蔵保存する冷蔵装置の排熱を有効に乾燥に利用した 家具が無かったことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、洗面化粧台、ユニット鏡などの家具のキャビネット内に冷蔵装置室 と乾燥収納室を分離、区画して設け、該冷蔵装置室と乾燥収納室の境界にはファ ンを設けて冷蔵装置室内の冷蔵庫の熱交換によつて発生した排熱を乾燥収納室内 を経て外部へ放散するようにしたことを特徴とする。化粧品等の低温保存用の冷 蔵装置の排熱を、収納室内の乾燥に利用するという目的を簡単な構成で実現でき た。

【０００６】

【作用】

洗面化粧台等の家具に冷蔵装置室と乾燥収納室を区画して設け、ファンによつ て外気を吸込んで冷蔵装置室内へ導き、冷蔵庫の熱交換による排熱を乾燥収納室 内へ送り込んで該乾燥収納室内の物品を乾燥したのち、外部へ放散する作用をす る。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案家具の１実施例である洗面台１の外観斜視図、図２は、同要部 縦断側面図、図３は、図２のＡ―Ａ'断面図であつて、洗面台１は通常、棚、照 明などを付設した鏡を上位に設けて組み合わせて洗面化粧台として設置されるも ので、上面に洗面ボウル２、蛇口３、給水、給湯栓４,５を有し下部はキャビネ ット１Ａで、内部を隔壁１',１"で区画して収納部６、冷蔵装置室７、乾燥収納 室８に分離し、冷蔵装置室７には背面に熱交換部１０を有する冷蔵庫９を設けて 化粧品、薬品等を収納し、該熱交換部の熱交換により化粧品、薬品等を温度調節 器によつて設定した所定の温度に低温保存する。隔壁１"の上部には、冷蔵装置 の作動と同期して作動するファン１１を乾燥収納室へ向けて設置している。冷蔵 装置の冷凍サイクルを作動させるスイッチや各種制御器は、キャビネット１Ａの 上端前板１３あるいは天板の立上り面１４など使用者の操作が容易な箇所に適宜 設置すればよい。

【０００８】 なお、該乾燥収納室８は、主として浴用の各種タオルやガーゼあるいは乳児用 下着などを収容しておくものとし、図示よりも広い構成としてもよい。図中、６ aは収納部６の扉、７aは冷蔵庫９の扉、８aは乾燥収納室８の扉を示し、１２は 通気用窓である。該通気用窓は複数を正面扉に設けても良いし、正面と側面に別 けて設けても良い。 図４は、本考案の冷蔵、乾燥装置をドレッサーに実施した例を示す斜視図で、 上部の扉６,６で閉鎖したキャビネット内に衣服を収納し、その下部の扉７aの内 部に冷蔵庫を設置し、通気窓１２を有する扉８aの内部は乾燥収納室である。

【０００９】 図２,図３に示す矢印は、ファン１１の作動時の空気の流れを示し、冷蔵装置 室下端から吸い込んだ外気で熱交換部１０によつて発生した排熱を乾燥収納室８ 内へ送り込み、該室内のタオルなどを乾燥状態に保存する。 タオルなどは洗濯、消毒、乾燥などして清潔に収納室６内などに保存している つもりでも、常温で保存すると多少とも空気中の湿気を帯びるによつて乾燥の度 合が低下してフワフワした感触が少なくなり、また、冷たい感触となつて浴後あ るいは洗顔後の使用感が悪くなつていた。ところが、上記の排熱を送り込むこと によつて乾燥収納室内は常に乾燥状態が保持されて収納したタオルその他の物品 は清潔、乾燥度合に変化を来たさなくなつた。

【００１０】

【考案の効果】

上記に説明したように本考案の冷蔵、乾燥装置付き家具は、キャビネット内を 隔壁で区画してその境界にファンを設置しただけで冷蔵装置室と乾燥収納室を構 成でき、該冷蔵装置室内の冷蔵庫は保存料や防腐剤など人体に有益でない物質を 含有しない化粧品や薬品を常に所定の低温に保存してその品質の変化や低下を防 止し、長期使用に堪えるようになり、しかも冷凍サイクルの排熱をファンによつ て隣接する乾燥収納室内へ送り込むようにしたので、従来は別途乾燥器などで乾 燥していたのがその必要無く、該乾燥収納室内のタオルその他の物品が常に乾燥 状態を保持し、使用の感触が常に良く、しかもエネルギーが無駄なく有効に利用 できることとなつた。また、該ファンも１個で冷蔵装置室内の排熱用と乾燥用熱 風の送風の両用に供するので部品点数が少なく、製作、取付けコストも低く、家 具の価格も低廉にできる等の実用的価値の高い考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷蔵、乾燥装置付き家具の斜視図である。

【図２】冷蔵、乾燥装置付き家具の縦断側面図である。

【図３】冷蔵、乾燥装置付き家具の要部縦断正面図であ
る。

【図４】考案の他の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

１ 洗面台 １',１" 隔壁 １Ａ キャビネット ６ 収納室 ７ 冷蔵装置室 ８ 乾燥収納室 ９ 冷蔵庫 １０ 熱交換部 １１ ファン １２ 通気窓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビネット内を隔壁によつて冷蔵装置
   室と乾燥収納室に区分してその境界にファンを設け、該
   冷蔵装置室内に設置されて化粧品、薬品等を低温保存す
   る冷蔵庫からの排熱を、該ファンによつて乾燥収納室内
   へ送風して該乾燥収納室内のタオルその他の物品を常に
   乾燥状態に保持するようにしたことを特徴とする冷蔵、
   乾燥装置付き家具。