JPH06262173A - 回収率が改善された表流水の膜浄化方法及びその装置の運転方法 - Google Patents

回収率が改善された表流水の膜浄化方法及びその装置の運転方法

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JPH06262173A
JPH06262173A JP8141393A JP8141393A JPH06262173A JP H06262173 A JPH06262173 A JP H06262173A JP 8141393 A JP8141393 A JP 8141393A JP 8141393 A JP8141393 A JP 8141393A JP H06262173 A JPH06262173 A JP H06262173A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 限外または精密瀘過膜モジュールによる表流
水の浄化において、透過水の回収率が改善された浄化方
法およびその装置の運転方法を提供する。 【構成】 沈砂池で処理した表流水を限外または精密濾
過膜モジュールを用いてクロスフロー全量濾過により浄
化する方法において、前記濾過膜モジュールは該濾過膜
モジュールからの透過水または別途供給される清浄水に
より圧力制御またはあらかじめ定められた周期で所定圧
で間欠的な逆洗を行い、前記逆洗により排出される洗浄
水を前記沈砂池に戻すか、または濃縮槽に貯留して沈降
する濃縮泥と上澄水とに分離して前記上澄水を原水供給
源に戻し、前記洗浄水または上澄水を表流水の原水とと
もに前記濾過膜モジュールにより処理することを特徴と
する表流水の膜浄化方法、およびこの方法を実施する装
置の運転方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川水や湖沼水等の表
流水の浄化方法及びその装置の運転方法に関するもので
あり、特に中空糸型限外または精密瀘過膜モジュールを
利用した表流水の浄化方法およびその装置の運転方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川水や湖沼水等の表流水から水
道水を得るための浄水処理システムとしては、凝集−沈
澱−砂濾過−塩素滅菌工程を経るのが一般的である。こ
のような工程を実現するためには、凝集池、沈澱池、砂
濾過池、塩素滅菌設備が必要であり、大きな設置スペー
スを要するという問題点がある。加えて、近年河川等の
水源の汚濁が進んでいるため、これに対する新しい高度
浄水処理システムの開発が求められ、上記工程に活性炭
処理システムやオゾン処理システムを付加することが提
案されている。
【0003】しかしながら、従来の浄水処理システムに
上述した活性炭処理システムやオゾン処理システムを付
加することは、設置スペースの更なる増加を招き、複雑
な計測制御技術をも必要とする新たな問題点が生ずる。
【0004】これに対し、限外または精密濾過膜と呼ば
れる新しい材料の利用技術が多方面にわたって提案され
ており、その一例として中空糸型限外または精密濾過膜
モジュールを使用した浄水処理システムの実用化が検討
されている。
【0005】その一例を図2を参照して説明する。図2
において、逆止弁20を経て導入された河川水等の原水
は、ポンプ21により昇圧されて中空糸型限外濾過膜モ
ジュール(以下、UFモジュールと呼ぶことがある)2
2に供給される。UFモジュール22は、簡単に言え
ば、中空糸状の限外濾過膜を多数集合させたものであ
り、この中空糸膜の内側に濁質成分を含む原水を供給す
ると、濁質成分を除去された透過水が中空糸膜外に得ら
れる。このようにして、UFモジュール22では、限外
濾過膜の濾過作用により濁質成分を除去した透過水を、
透過水自動弁23を通して次段の処理施設に供給する。
【0006】ところで、UFモジュール22内では中空
糸膜の内側表面に透過されない濁質成分が蓄積し、詰ま
って処理能力の低下、ひいては運転停止の原因となるの
で、これを排出する処理が必要である。これは、UFモ
ジュール22の中空糸膜に供給する水流を高速とするこ
とで実現されている。すなわち、中空糸膜の内表面に糸
の長さ方向と平行に高速の水流(クロスフロー)を与え
ることで中空糸膜の内表面に付着している濁質成分を、
いわばはぎとるものである。
【0007】このため、UFモジュール22内における
中空糸膜の内側に連通する出口には、濁質成分を大量に
含んだ濃縮水を濃縮水排出自動弁24を通してその一部
を常時排出する経路25と、高速の水流を得るためにU
Fモジュール22に供給された原水をポンプ21のサク
ション側に戻すための循環経路26が接続される。ポン
プ21のサクション側に戻される循環流量は、逆止弁2
0を経て供給される原水の流量に比べて通常10倍程度
以上とはるかに多い。このようにしてUFモジュール2
2からポンプ21のサクション側に原水を戻す処理方式
はクロスフロー方式と呼ばれている。
【0008】このようなクロスフローのため、ポンプ2
1の容量は、同程度の処理能力を持つ従来の凝集ー沈澱
ー砂濾過による浄水処理システムにおけるポンプの容量
に比べてはるかに大きく、従って電力消費量も従来方式
のポンプの電力消費量に比べてはるかに多く、ランニン
グコストが高くなるという問題点がある。加えて、濃縮
水の排出は連続して行われており、例えば原水の流入量
を1としたとき、透過水を0.3得る場合は、濃縮水の
割合は0.7となり、水の大部分を捨てていることにな
るので、回収率は30%と悪いという問題点もある。な
お、ここでは透過水の流量をP、濃縮水の排出流量をC
とすると、回収率は100×P/(P+C)(%)で表
される。また、このように低い回収率により処理した場
合の濃縮水は、一般に濁度が比較的小さいため、かかる
濃縮水の排水汚泥処理に要するランニングコストが高く
なるという問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これに対して本発明者
等は先に図3に示す表流水の膜浄化方法および膜浄化装
置の運転方法を提案した(特願平4−215443
号)。図3において、逆止弁30、ポンプ31、UFモ
ジュール32、透過水自動弁33、洗浄水排出自動弁3
4の構成に加えて、透過水を蓄積するための透過水タン
ク37、蓄積された透過水をUFモジュール32の出口
側に戻して逆洗を行うためのポンプ38、逆洗自動弁3
9とを設けている。この処理システムの通常運転に際し
ては、透過水自動弁33を開、洗浄水排出自動弁34、
逆洗自動弁39は共に閉とし、ポンプ38を停止状態に
おく。このようにして、逆止弁30を経て導入された河
川水等の原水は、ポンプ31により昇圧されてUFモジ
ュール32に供給される。UFモジュール32では、限
外濾過膜の濾過作用により濁質成分を除去した透過水
を、透過水自動弁33を通して透過水タンク37に蓄積
する。なお、この通常運転の間、循環経路36を通して
原水の流入量に対してゼロを越え6倍以下程度の量のク
ロスフローが行われるが、透過水量は原水量に等しい。
逆洗は、例えば30分ないし1時間程度の定時間間隔で
30〜60秒の間行われる。この場合、原水の供給を停
止すると共に透過水自動弁33を閉、洗浄水排出自動弁
34、逆洗自動弁39は共に開とし、ポンプ33を停止
状態、ポンプ38を運転する。このようにして、透過水
タンク37に蓄積された透過水の一部を利用してUFモ
ジュール32に対する逆洗が行われ、逆洗により中空糸
膜の内表面からはぎとられた濁質成分を含む洗浄水は洗
浄水排出自動弁34を通して系外に排出される。また逆
洗水量は洗浄水排出水量に等しくなる。
【0010】前記提案によれば限外または精密濾過膜モ
ジュールを利用した表流水の浄化処理システムにおい
て、全量濾過に近い回収率が得られ、またランニングコ
ストの低減化が図れることを明らかにした。しかし前記
提案の浄化システムにおいても、逆洗の洗浄水は濃縮水
として系外に排出され、比較的少量ではあるもののその
排出分に含まれる原水が失われ、回収率向上の余地が残
されていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
対し鋭意検討した結果、逆洗による汚泥を含んだ洗浄水
を貯留する濃縮槽を設け、貯留中に洗浄水を濃縮泥と上
澄水に沈降分離させ、上澄水を処理すべき表流水の原水
供給源あるいはクロスフロ−濾過の循環経路内に移送し
て濾過膜モジュールにより原水とともに処理することに
より、透過水の回収率を一層向上させることができると
の知見を得て、本発明を完成させることが出来た。
【0012】すなわち本発明は、沈砂池で処理した表流
水を限外または精密濾過膜モジュールを用いてクロスフ
ロー全量濾過により浄化する方法において、前記濾過膜
モジュールは該濾過膜モジュールからの透過水または別
途供給される清浄水により圧力制御またはあらかじめ定
められた周期で所定圧で間欠的な逆洗を行い、前記逆洗
により排出される洗浄水を前記沈砂池に戻すか、または
濃縮槽に貯留して沈降する濃縮泥と上澄水とに分離して
前記上澄水を原水供給源に戻し、前記洗浄水または上澄
水を表流水の原水とともに前記濾過膜モジュールにより
処理することを特徴とする表流水の膜浄化方法である。
【0013】また本発明によれば、中空糸型限外または
精密濾過膜モジュールを用い、沈砂池で処理した原水を
昇圧するポンプのサクションラインに非透過水を還流さ
せるクロスフロー濾過により表流水を浄化する膜浄化装
置の運転方法において、前記濾過膜モジュールの透過水
の出口経路には透過水自動弁を設けると共に、該透過水
自動弁の下流側に前記透過水を貯留するタンクを設け、
前記タンクに貯留する透過水を前記濾過膜モジュールの
前記透過水の出口に戻す逆洗用ポンプ及び逆洗自動弁を
有する経路を設け、前記濾過膜モジュールには洗浄水排
出自動弁を有する洗浄水の排出経路およびその下流に濃
縮槽を設けるかまたは前記排出経路より前記沈砂池に戻
す経路を設け、通常運転においては前記透過水自動弁を
開、前記逆洗自動弁、前記洗浄水排出自動弁は閉として
クロスフロー全量濾過を行いながら前記濾過膜モジュー
ルからの透過水を前記タンクに貯留し、前記濾過膜モジ
ュールの逆洗に際しては前記透過水自動弁を閉、前記逆
洗自動弁、前記洗浄水排出自動弁は開とすると共に、前
記原水流入を止め、前記タンクに貯留された透過水を膜
の透過側から原水側へ逆方向に所定圧で前記濾過膜モジ
ュールに供給することにより前記濾過膜モジュールの逆
洗を行い、排出される洗浄水を沈砂池に戻すか、または
前記排出経路により前記濃縮槽に導いて貯留し濃縮槽の
上澄水を連続または不連続に原水供給源に移送するとと
もに沈降した濃縮泥を系外に排出することを特徴とする
表流水の浄化装置の運転方法が提供される。
【0014】なお、前記濾過膜モジュールは逆洗浄が可
能であれば、その形態を限定されるものではないが、モ
ジュール体積当りの膜面積が大きい中空糸型瀘過膜モジ
ュールが好ましい。また前記濾過膜モジュールの膜材質
としては、高分子材料、セラミックス、焼結金属などが
考えられるが、高分子材料の場合、親水性の高分子材料
が望ましく、特に酢酸セルロースであるのが最適であ
る。また中空糸型濾過膜モジュールの場合のクロスフロ
ー濾過は、膜の内側に原水を供給する内圧方式が好まし
い。
【0015】また、前記逆洗時の前記所定圧は,前記通
常運転時の運転圧の実質上1.0倍以上3倍以下とする
ことが望ましい。さらに好ましくは、1.3倍以上であ
る。
【0016】逆洗に用いられる水は、膜透過水であって
もよく、あるいはまた最終的に得られる水道水等の清浄
水を別途供給してもよいが、前者であることが好まし
い。逆洗はあらかじめ定められた周期による時間制御で
も圧力制御であってもよく、圧力制御の場合は運転圧の
実質上1.3倍以上で動作する様にすればよい。
【0017】また、逆洗効果を上げること、および濾過
膜の耐久性を向上することを目的として、逆洗に用いら
れる水に少量の酸化剤を添加し、濾過膜に付着した有機
物の分解および微生物の殺菌を行うことが可能である。
使用する酸化剤は塩素、次亜塩素酸ナトリウム、オゾン
などが好ましい。
【0018】本発明においては透過水の流量をP、濃縮
泥とともに排出される水量をCとすると、回収率は10
0×P/(P+C)(%)で表され、本発明によれば、
回収率95%以上99%以下で運転することが可能であ
る。なお、洗浄水を沈砂池に戻す場合は沈砂池の清掃頻
度を増す必要があるが、通常運転時の回収率は約100
%となる。
【0019】本発明において、濾過膜モジュ−ルの逆洗
時に排出される洗浄水を濃縮槽に貯留して濃縮泥を沈降
させる場合、この沈降速度をさらに高めるため濃縮槽に
ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、ミ
ョウバンなどの凝集剤を添加するのが望ましい。
【0020】
【作用】本発明において、前述の課題は逆洗による洗浄
水を沈砂池に戻すか、または洗浄水を貯留する濃縮槽を
設け、洗浄水から濃縮泥を沈降させて上澄水を分離し、
これを濾過膜モジュールで浄化する原水供給源に移送す
ると共に、沈降した濃縮泥を濃縮槽底部から適宜系外に
排出させることにより解決される。すなわち逆洗による
洗浄水をそのまま系外に排出せず沈砂池に戻すか、ある
いは濃縮槽により濃縮した濃縮泥のみを系外に排出し、
上澄水を原水と共に中空糸型濾過膜モジュールで処理す
ることにより、原水からの透過水の回収率が一層向上す
ることこととなる。濾過膜モジュ−ルを用いて、表流水
のクロスフロ−全量濾過を行うと表流水の濁質成分が膜
表面に蓄積し、汚泥のケ−ク層を形成する。このケ−ク
層は一定の濾過圧力の下で、圧密化が起こり、コンパク
トな層をなしているため、逆洗により膜面から脱離する
ケ−クはこのコンパクト性を保ち、比較的大きなフロッ
ク状の汚泥として排出される。この大きなフロック状の
汚泥は濃縮槽における沈降性に優れており、従ってより
少量の濃縮泥を濃縮槽底部から系外へ排出すればよく、
高い回収率が期待できる。さらに、優れた沈降性はより
多くの清澄な上澄液を生み出すことができ、この上澄水
が原水に移送されると、原水の濁質濃度が低下し、膜処
理能力を高めることができる。同様のことは、洗浄水を
沈砂池に戻す場合にも当てはまる。
【0021】
【実施例】以下にUFモジュールを用いた場合の本発明
の一実施例について、図面を参照して説明するが、精密
濾過膜モジュールを用いても同様に行うことが出来る。
図1は本発明による浄化方法を実施するための構成を示
す模式図であり、沈砂池1、逆止弁10、ポンプ11、
UFモジュール12、非透過水の循環経路16、透過水
自動弁13、洗浄水排出自動弁14、洗浄水排出経路1
5、濃縮槽2、濃縮槽に沈降した濃縮泥3、濃縮槽の上
澄水4、上澄水移送ポンプ5およびその上澄水移送経路
6、濃縮泥排出経路7、透過水を蓄積するための透過水
タンク17、蓄積された透過水をUFモジュール12の
出口側に戻して逆洗を行うためのポンプ18、逆洗自動
弁19とを設けている。
【0022】この処理システムの運転も一部を除き図3
で説明したものと同様であり、次のようにして行われ
る。通常運転に際しては、透過水自動弁13を開、洗浄
水排出自動弁14、逆洗自動弁19は共に閉とし、ポン
プ18を停止状態におく。このようにして、沈砂池1、
逆止弁10を経て導入された河川水等の原水は、ポンプ
11により昇圧されてUFモジュール12に供給され
る。UFモジュール12では、限外濾過膜の濾過作用に
より濁質成分を除去した透過水を透過水自動弁13を通
して透過水タンク17に蓄積する。なお、この通常運転
の間、循環経路16を通して原水の流入量に対して好ま
しくはゼロを越え6倍以下程度の量のクロスフローが行
われるが、この間の透過水量は原水量に等しい。
【0023】逆洗は、例えば30分ないし1時間程度の
定時間間隔で30〜60秒の間行われる。この場合、原
水の供給を停止すると共に透過水自動弁13を閉、洗浄
水排出自動弁14、逆洗自動弁19は共に開とし、ポン
プ11を停止状態、ポンプ18を運転する。このように
して、透過水タンク17に蓄積された透過水の一部を利
用してUFモジュール12に対する逆洗が行われ、逆洗
により中空糸膜の内表面からはぎ取られた濁質成分を含
む洗浄水は洗浄水排出経路15により洗浄水排出自動弁
14を通して濃縮槽2に貯留される。なお、透過水の一
部を用いる代わりに水道水など別の清浄水を逆洗のため
に用いても構わない。
【0024】濃縮槽2に貯留された洗浄水においては、
時間の経過とともに洗浄水中に含まれる濁質成分が濃縮
泥3として濃縮槽2の底部に沈降し、上部に上澄水4が
形成される。前記濁質成分は中空糸状に形成された濾過
膜に堆積したものがはぎ取られたものであり、比較的圧
密化されており、また本発明においては原水にポリ塩化
アルミニウム(PAC)などの凝集剤を用いる必要がな
いので、濁質成分は洗浄水を濃縮槽2に貯留して静置す
るだけで容易に沈降する。このようにして形成される上
澄水4は濃縮槽2の液面計などにより制御されて連続ま
たは不連続に上澄水移送経路6に設置された上澄水移送
ポンプ5により沈砂池1に移送され、原水に加えられて
濾過膜モジュール12により再び膜浄化されることとな
る。一方、濃縮槽2の底部に沈降した濃縮泥3も連続ま
たは不連続に濃縮泥排出経路7により適宜系外に排出さ
れる。
【0025】なお、図1では洗浄水排出経路15は循環
経路16に分岐して取り付けられているが、これとは異
なりポンプ11とUFモジュール12の間に取り付けて
も良い。これにより、逆洗時におけるモジュール内の原
水側の水流方向がクロスフロー時とは逆方向になるた
め、濾過膜からはぎ取られた濁質成分の除去がよりスム
ーズに行われるので、逆洗効果が高められる。
【0026】濃縮槽2を用いないで洗浄水を沈砂池に戻
す場合には、部分的に洗浄水移送経路8を用いる。なお
図1において、この場合に必要な3個の弁9を設けてい
る。 (実施例1)次に、上記の本発明による膜浄化方法およ
び、その装置の運転方法に基づき表流水の浄化を実施し
た結果について述べる。表流水は兵庫県揖保川、河川水
であり、使用した濾過膜モジュ−ルは膜材質が酢酸セル
ロ−スの限外濾過中空糸膜モジュ−ルであり、膜面積は
0.14m2であった。本浄化処理システムのクロスフ
ロ−全量濾過時の濾過圧力は0.5kg/cm2、クロ
スフロ−速度は0.17m/sであり、逆洗時の逆洗圧
力は1.0kg/cm2、逆洗流量は1.0リットル/
hrであった。逆洗は濾過時間30分間に1回の頻度で
45秒間行った。逆洗後の洗浄排水(排水量=1.0リ
ットル)を濃縮沈澱用沈降管(底面積48cm2×高さ
70cm)に供給し、一定時間(10分間、30分間お
よび2時間)静置した後、排水の液面から1cm以内の
排水50ミリリットルおよび沈降管の底部から1cm以
内の排水(50ミリリットル)をサンプリングした。サ
ンプリング液中の凝集した濁質成分を超音波により15
分間処理して分解し、この液の濁度を分光光度計(波長
260nmおよび550nm)を用いて測定し、評価し
た。
【0027】(比較例1)循環経路内に供給された原水
の沈降試験を、実施例1と同様に行った。
【0028】実施例1および比較例1の結果を表−1に
示す。表−1の比較より、本発明の膜浄化方法により得
られる洗浄排水は凝集した濁質成分を多く含むため、原
水に比べ著しく濁質成分の沈降性が高く、濃縮槽でより
清澄な上澄水とより濃厚な濃縮泥を得ることができる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上UFモジュールを例にして説明した
ように、本発明による浄化方法およびその装置の運転方
法によれば、実質的に全量濾過に近い方式で中空糸型濾
過膜モジュールが運転され、また逆洗で生じる濁質を含
む洗浄水から濃縮槽を用いて上澄水を回収するので、原
水からの透過水の回収率を95〜99%に高めることが
可能である。しかも洗浄排水の上澄水を回収するので、
膜の逆洗に要する洗浄水量を多くすることができ、従っ
て膜の透水性能を高めることができ、結果として濾過膜
の流量低下が小さくなり、長時間の運転が可能となる。
また、膜洗浄排水の濃縮泥は沈降性に優れたコンパクト
は汚泥であるため、汚泥処理に必要なコストを著しく減
少させることができる。さらに使用するUFモジュール
または精密濾過膜モジュールに対するクロスフロー量
(循環量)も従来方式に比べてはるかに少なくて済むの
で、原水供給とクロスフローを行うためのポンプも大容
量のものを必要としない小型でよく、ポンプの電力消費
量を大幅に減らすことが出来る。これにより従来の大循
環量によるクロスフローに比し、ランニングコストが小
さくて済む。洗浄水を沈砂池に戻す場合も同様のことが
いえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による浄化方法を実施するための浄化
装置の構成を示す模式図である。
【図2】 UFモジュール利用による従来の浄化方法を
実施するための構成を示す模式図である。
【図3】 UFモジュール利用による従来の浄化方法を
実施するための構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 沈砂池 2 濃縮槽 3 濃縮泥 4 上澄水 5 上澄水移送ポンプ 6 上澄水移送経路 7 濃縮泥排出経路 8 洗浄水移送経路 10 逆止弁 11 ポンプ 12 UFモジュール 13 透過水自動弁 14 洗浄水排出自動弁 15 洗浄水排出経路 16 循環経路 17 透過水タンク 18 ポンプ 19 逆洗自動弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沈砂池で処理した表流水を限外または精
    密濾過膜モジュールを用いてクロスフロー全量濾過によ
    り浄化する方法において、前記濾過膜モジュールは該濾
    過膜モジュールからの透過水または別途供給される清浄
    水により圧力制御またはあらかじめ定められた周期で所
    定圧で間欠的な逆洗を行い、前記逆洗により排出される
    洗浄水を前記沈砂池に戻すか、または濃縮槽に貯留して
    沈降する濃縮泥と上澄水とに分離して前記上澄水を原水
    供給源に戻し、前記洗浄水または上澄水を表流水の原水
    とともに前記濾過膜モジュールにより処理することを特
    徴とする表流水の膜浄化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表流水の膜浄化方法にお
    いて、前記濾過膜モジュールは中空糸型瀘過膜モジュー
    ルであることを特徴とする表流水の膜浄化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の表流水の膜浄化方法にお
    いて、前記濃縮槽に凝集剤を添加することを特徴とする
    表流水の膜浄化方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の表流水の膜浄化方法にお
    いて、前記中空糸型瀘過膜モジュールを用いたクロスフ
    ロ−濾過は、内圧方式であることを特徴とする表流水の
    膜浄化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の表流水の膜浄化
    方法において、前記濾過膜モジュールは、その膜材質が
    酢酸セルロースであることを特徴とする表流水の膜浄化
    方法。
  6. 【請求項6】 中空糸型限外または精密濾過膜モジュー
    ルを用い、沈砂池で処理した原水を昇圧するポンプのサ
    クションラインに非透過水を還流させるクロスフロー濾
    過により表流水を浄化する膜浄化装置の運転方法におい
    て、前記濾過膜モジュールの透過水の出口経路には透過
    水自動弁を設けると共に、該透過水自動弁の下流側に前
    記透過水を貯留するタンクを設け、前記タンクに貯留す
    る透過水を前記濾過膜モジュールの前記透過水の出口に
    戻す逆洗用ポンプ及び逆洗自動弁を有する経路を設け、
    前記濾過膜モジュールには洗浄水排出自動弁を有する洗
    浄水の排出経路およびその下流に濃縮槽を設けるかまた
    は前記排出経路より前記沈砂池に戻す経路を設け、通常
    運転においては前記透過水自動弁を開、前記逆洗自動
    弁、前記洗浄水排出自動弁は閉としてクロスフロー全量
    濾過を行いながら前記濾過膜モジュールからの透過水を
    前記タンクに貯留し、前記濾過膜モジュールの逆洗に際
    しては前記透過水自動弁を閉、前記逆洗自動弁、前記洗
    浄水排出自動弁は開とすると共に、前記原水流入を止
    め、前記タンクに貯留された透過水を膜の透過側から原
    水側へ逆方向に所定圧で前記濾過膜モジュールに供給す
    ることにより前記濾過膜モジュールの逆洗を行い、排出
    される洗浄水を沈砂池に戻すか、または前記排出経路に
    より前記濃縮槽に導いて貯留し濃縮槽の上澄水を連続ま
    たは不連続に原水供給源に移送するとともに沈降した濃
    縮泥を系外に排出することを特徴とする表流水の浄化装
    置の運転方法。
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