JPH06259087A - 共鳴音・残響音発生装置 - Google Patents

共鳴音・残響音発生装置

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JPH06259087A
JPH06259087A JP5066067A JP6606793A JPH06259087A JP H06259087 A JPH06259087 A JP H06259087A JP 5066067 A JP5066067 A JP 5066067A JP 6606793 A JP6606793 A JP 6606793A JP H06259087 A JPH06259087 A JP H06259087A
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利文 国本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】実際のホールなどでの残響のような自然な共鳴
音・残響音を発生することができ、また入力信号が0に
なっても共鳴音・残響音を制御することができる共鳴音
・残響音発生装置を提供することを目的とする。 【構成】くし形フィルタのループ回路中に、入力信号を
時間軸方向に散乱させるための全帯域通過型フィルタを
設ける。また、くし形フィルタ内のローパスフィルタの
カットオフ周波数を、ループ回路内の遅延回路の遅延時
間に基づいて決定する。さらに、共鳴音・残響音の出力
レベルを検出し、その出力レベルに基づいて共鳴音・残
響音のレベルを制御する。共鳴音・残響音のレベルの制
御は、くし形フィルタのループ回路を循環するループ信
号のレベルを制御することにより行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、より自然な共鳴音お
よび残響音を発生することができる共鳴音・残響音発生
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、いわゆるコムフィルタ(くし
形フィルタ)を用いて共鳴音や残響音を発生する装置が
知られている。コムフィルタとは、遅延回路とフィルタ
とを有するループ回路を備えたフィルタであり、周波数
特性にくしの歯のようなディップ(谷)が多数現れるよ
うなフィルタである。
【0003】図7は、従来型の共鳴音・残響音発生装置
の一例を示す。この図の装置は、4つのコムフィルタ7
1,72,73,74、加算器75,76,77、およ
びオールパスフィルタ(APF)78を備えている。コ
ムフィルタ71は、加算器701、遅延回路702、乗
算器703、およびローパスフィルタ(LPF)704
を備えている。これら各部701〜704はループ回路
705を構成している。
【0004】入力楽音信号は、各コムフィルタ71〜7
4に入力する。コムフィルタ72,73,74の構成お
よび動作はコムフィルタ71と同様である。ただし、遅
延回路702の遅延時間、乗算器703の乗数、および
LPF704のカットオフ周波数などは、適宜変更され
る。以下ではコムフィルタ71について説明し、他のコ
ムフィルタについては説明を省略する。
【0005】コムフィルタ71に入力した楽音信号は、
まず加算器701に入力する。加算器701の出力は、
遅延回路702に入力し、所定の遅延時間の後、乗算器
703に出力される。乗算器703は、ループ回路70
5のループゲインを規定するためのものであり、所定の
定数を乗算する。乗算器703の出力はLPF704に
入力する。LPF704は、入力信号の高周波部分をカ
ットし、その出力を加算器701に入力する。加算器7
01は、入力楽音信号とLPF704の出力とを加算す
る。
【0006】遅延回路702の適当な位置にタップが設
けられており、そこからコムフィルタ71の出力が取り
出される。各コムフィルタ71〜74の出力は、加算器
75〜77によって加算され、その加算結果はAPF7
8に入力する。APF78は、入力信号を時間方向に散
乱して、最終的な共鳴音・残響音信号として出力する。
【0007】図8は、1つのコムフィルタ(例えば、コ
ムフィルタ71)のインパルス応答を示す。横軸が時
間、縦軸がレベルを示す。81は最初にコムフィルタへ
入力したインパルスを示す。入力したインパルスは、ル
ープ回路705を順次ループする。ループしているイン
パルスが、遅延回路702のタップの位置に至ったとき
出力が検出されるから、インパルス応答は図8の付番8
2、83、84、…のようなパルス列となる。
【0008】特に、時間が経過するにつれて、ループゲ
イン(乗算器703の乗数)にしたがってパルスの高さ
(レベル)が段々小さくなっていく。また、LPF70
4の効果が累積し、パルスの形状が段々丸くなってい
く。
【0009】標準的な従来型の共鳴音・残響音発生装置
では、図7の装置のように、こうしたコムフィルタを複
数パラレルに接続することにより、多系列効果による複
雑な余韻を得るとともに、最後または最初にAPF(た
だし、遅延の段数は数10から数100段程度)を挿入
し、これによるパルスの散乱を付加するようにしてい
る。APFは、その基本的な性質として、周波数スペク
トルに変形を加えずに時間方向のインパルス応答の散乱
効果を得ることができる。
【0010】図9は、APFの回路例を示す。このAP
Fは、加算器91,93、遅延回路92、および乗算器
94,95を備えている。入力信号は、加算器91およ
び乗算器95に入力する。加算器91の出力は、遅延回
路92に入力し、所定の遅延時間の後に加算器93に入
力する。乗算器95は、入力信号に所定の乗数を乗算
し、乗算結果を加算器93に入力する。加算器93は、
遅延回路92の出力から乗算器95の出力を減算する。
加算器93の出力は、APFの出力となるとともに、乗
算器94に入力する。乗算器94は、入力に所定の乗数
を乗算し、乗算結果を加算器91に入力する。
【0011】一方、発生した共鳴音や残響音のレベルを
制御する技術として、従来は、入力信号のレベルに応じ
て共鳴音や残響音のレベルを制御するものが知られてい
る。
【0012】図10は、従来より用いられている残響音
のレベル制御を行う装置の一例である。入力信号は、残
響回路96に入力し、残響回路96は入力信号に応じて
残響音を発生出力する。発生した残響音は、レベル制御
用の乗算器97Wに入力する。また、元の入力信号は、
レベル制御用の乗算器97Dに入力する。乗算器97
D,97Wからの出力は、加算器98で加算される。そ
の加算結果は、残響音が付加された楽音信号として出力
される。
【0013】レベル制御用の乗算器97D,97Wの乗
数は、以下のように決定される。まず、入力信号のレベ
ルをレベル検出回路99で検出する。その入力信号レベ
ルは、制御回路100に入力する。制御回路100は、
検出した入力信号レベルに応じて、レベル制御用の乗算
器97D,97Wの乗数を決定し出力する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の図7
の共鳴音・残響音発生装置では、時間とともにパルスの
スペクトルが低域のみになっていく効果は得られるが、
パルスの散乱の具合は常に一定である。
【0015】しかし、実際のホールなどでの残響では時
間が経過するにつれ壁の吸収によって高域の成分が失わ
れていくだけでなく、さまざまな反射によってパルスの
時間方向の分散がどんどん増していくため、当然のこと
であるがきわめて自然な余韻が得られる。
【0016】これに対し、上述したように、図7のよう
な従来の共鳴音・残響音発生装置ではパルスの散乱の具
合が常に一定であるため、実際のホールなどでの残響の
ような自然な余韻は得られないという問題点があった。
【0017】また、図8のような散乱を行なうので、遅
延回路702の遅延時間おきに信号が出力されることと
なり、この遅延時間で決定される周期の周波数が強調さ
れてしまうという問題点があった。
【0018】さらに、図10のような方式により入力信
号のレベルに応じて共鳴音・残響音の制御を行っている
ため、入力信号のレベルが0になってしまった後の共鳴
音・残響音の制御ができない。実際のホールなどでの演
奏を考慮すると、入力音が0になっても微かな共鳴音や
残響音が残り、これにより自然な余韻が得られるが、上
記方式ではそのような自然な余韻が得られない。
【0019】この発明の第1の目的は、実際のホールな
どでの残響のような自然な共鳴音・残響音を発生するこ
とのできる共鳴音・残響音発生装置を提供することにあ
る。
【0020】また、この発明の第2の目的は、入力信号
が0になっても共鳴音・残響音を制御できる共鳴音・残
響音発生装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明は、遅延手段とフィルタ手段とを有するル
ープ回路を備えたくし形フィルタを用いた共鳴音・残響
音発生装置において、上記ループ回路中に、入力信号を
時間軸方向に散乱させるための全帯域通過型フィルタ手
段を設けたことを特徴とする。
【0022】また、遅延手段とローパスフィルタ手段と
を有するループ回路を備えたくし形フィルタを用いた共
鳴音・残響音発生装置において、上記くし形フィルタ内
のローパスフィルタ手段のカットオフ周波数を、上記遅
延手段の遅延時間に基づいて、決定することを特徴とす
る。
【0023】さらに、入力楽音信号に応じて共鳴音・残
響音を発生する発生手段を備えた共鳴音・残響音発生装
置において、上記発生手段の出力レベルを検出するレベ
ル検出手段と、該レベル検出手段により検出した出力レ
ベルに基づいて共鳴音・残響音のレベルを制御する制御
手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】また、遅延手段とフィルタ手段とを有する
ループ回路を備えたくし形フィルタを用いた共鳴音・残
響音発生装置において、上記ループ回路を循環するルー
プ信号のレベルを制御することにより、共鳴音・残響音
のレベルを制御する制御手段を備えたことを特徴とす
る。
【0025】
【作用】くし形フィルタのループ回路中に、入力信号を
時間軸方向に散乱させるための全帯域通過型フィルタ手
段を設ければ、ループ回路を循環する信号が時間軸方向
に散乱され、より自然な共鳴音・残響音が得られる。
【0026】また、くし形フィルタ内の遅延手段の遅延
時間に基づいてローパスフィルタのカットオフ周波数を
決定すれば、空気中を長く伝搬した音について高い周波
数成分が減衰することをシミュレートできる。
【0027】さらに、発生した共鳴音・残響音の出力レ
ベルに基づいて共鳴音・残響音のレベルを制御するよう
にすれば、入力信号が0になった後でも共鳴音・残響音
のレベルを制御することができ、特に微小なレベルで所
望のレベル制御を行なうことができる。特に、共鳴音・
残響音のレベル制御はくし形フィルタのループ回路を循
環するループ信号のレベルを制御することにより、行な
うとよい。
【0028】
【実施例】以下、図面を用いて、この発明の実施例を説
明する。
【0029】図1は、この発明の第1の実施例に係る共
鳴音・残響音発生装置のブロック構成を示す。この図の
装置は、4つのコムフィルタ11,12,13,14、
加算器15,16,17、およびAPF18を備えてい
る。コムフィルタ11は、加算器101、遅延回路10
2、APF103、乗算器104、およびLPF105
を備えている。これら各部101〜105はループ回路
106を構成している。図7のコムフィルタ71に比
べ、ループ回路中にAPF103を設けていることが特
徴である。
【0030】入力楽音信号は、各コムフィルタ11〜1
4に入力する。コムフィルタ12,13,14の構成お
よび動作はコムフィルタ11と同様である。ただし、遅
延回路702の遅延時間、APF103のパラメータ、
乗算器704の乗数、およびLPF705のカットオフ
周波数などは、適宜変更される。以下ではコムフィルタ
11について説明し、他のコムフィルタについては説明
を省略する。
【0031】コムフィルタ11のループ回路を構成する
加算器101、遅延回路102、乗算器104、および
LPF105は、図7のコムフィルタ71の加算器70
1、遅延回路702、乗算器703、およびLPF70
4と同様に動作する。コムフィルタ11ではループ回路
106中にAPF103が設けられているため、ループ
回路を循環する信号は時間方向に散乱される。
【0032】図2は、コムフィルタ11のインパルス応
答を示す。横軸が時間、縦軸がレベルを示す。21は最
初にコムフィルタ11へ入力したインパルスを示す。入
力したインパルスは、ループ回路106を順次ループす
る。ループしているインパルスが、遅延回路102のタ
ップの位置に至ったとき出力が検出される。LPF10
5と乗算器104の作用により、図7,8で説明したよ
うに、時間が経過するにつれてパルスの高さ(レベル)
が小さく、またパルスの形状が丸くなっていく。
【0033】さらに、ループ回路106内のAPF10
3は、信号が1巡1巡するごとにパルスを時間方向に散
乱させる。このため、時間が経過するほどパルスが散乱
し、その形状は明確な形が分からないほどになる。
【0034】ここで、APF103は、図9で説明した
ようなものを用いればよい。内部の遅延回路の段数は、
ループ内にある遅延回路102の段数の数パーセントか
ら数10パーセント程度とするとよい。
【0035】再び図1を参照して、各コムフィルタ11
〜14の出力は、加算器15〜17によって加算され、
その加算結果はAPF18に入力する。APF18は、
入力信号を時間方向に散乱して、最終的な共鳴音・残響
音信号として出力する。
【0036】図7で説明したような従来技術では、ホー
ル内で発生した楽音が一方のホールの壁で反射され、さ
らにその反射が他方の壁で反射されるというような、1
つの反射経路しかシミュレートできなかった。これに対
し、上記実施例によれば、ホール内で発生した楽音が一
方のホールの壁で反射され、さらにその反射が他方の壁
で反射される際に、あらゆる方向に分散され、少しずれ
た反射経路もシミュレートできることとなる。これは、
複雑な壁を備えたホールなどをシミュレートして共鳴音
や残響音を発生する場合、実際の自然現象に沿ってお
り、より自然な共鳴音・残響音を得ることができる。ま
た、構成上もAPFをループ回路中に設けるだけでよく
簡易である。
【0037】さらに、ループ回路106を循環する信号
は、APF103により時間的に分散されるので、図
7,8で説明したようなループ回路中の遅延回路の遅延
時間を周期とする周波数が強調されるようなことはな
い。
【0038】次に、上記第1の実施例の変形例を説明す
る。
【0039】図1では、APF103を図9の構成のも
のとして説明したが、図3の構成のAPFとしてもよ
い。図3のAPFは、図9と同様のものであり、付番3
1〜35の各部は図9の付番91〜95と対応してい
る。
【0040】ただし、図3のAPFでは、遅延回路32
の遅延時間をLFO36の出力に応じて変調している。
LFO36は、例えば、波形37のような低周波信号を
出力する。なお、この波形に限らず他の波形を用いても
よいし、ノイズにより遅延時間を変調するようにしても
よい。
【0041】このように、遅延回路32の遅延時間を変
調することにより、図1のAPF103による分散の間
隔が変更され、より自然な共鳴音・残響音が得られる。
【0042】なお、図3のAPFを用いる場合、各コム
フィルタで、異なる位相かつ異なる周波数のLFOにし
てもよいし、位相だけ異ならせて同じ周波数のLFOを
用いてもよい。また、図1のループ回路内の遅延回路1
02の遅延時間長に応じてLFO36の周波数をスケー
リングし、長い遅延時間長のときはLFO36の周波数
を低くするというようにしてもよい。このように、コム
フィルタのループ回路を循環して遅延されるたびに分散
の度合いを異ならせてよい。
【0043】次に、この発明の第2の実施例を説明す
る。この実施例の装置は、図1と同じ構成とする。ただ
し、コムフィルタ11〜14内のLPF105のカット
オフ周波数は、遅延回路102の遅延時間に応じてスケ
ーリングされている。
【0044】このコムフィルタ内の遅延回路102は、
空気中を伝搬する音を意味しているが、実際には空気中
を伝搬する音は空気との摩擦により減衰する。特に、周
波数が高い音ほど、より減衰される。そのため、この現
象をシミュレートするために、従来の装置ではコムフィ
ルタ内にLPF105を設けていた。そして、LPF1
05のカットオフ周波数は、試行錯誤の結果、設定され
ていた。
【0045】ところで、厳密には、コムフィルタ内の遅
延回路102の遅延時間が長い(音が空気中を長く伝搬
することに対応している)ほど、高い周波数成分の減衰
は大きくなる。そこで、この実施例では、コムフィルタ
内の遅延回路102の遅延時間に応じてLPF105の
カットオフ周波数を変更するようにしている。
【0046】具体的には、以下のようにカットオフ周波
数を決定する。
【0047】まず、N個のコムフィルタがあるとする
と、その中の遅延回路の数もN個である。そのN個の遅
延回路の遅延時間長の平均(相乗平均)Laを、下記の
数式1により、計算する。Ln(n=1,2,…N)
は、各遅延回路の遅延時間長を示す。
【0048】
【数1】
【0049】各コムフィルタ内のLPF105のカット
オフ周波数fnは、下記の数式2により得る。fcおよ
びSfcは所定の定数である。fcは、Ln/La=1
のときのカットオフ周波数の値に相当する。
【0050】
【数2】
【0051】定数Sfcを変更することにより、種々の
スケーリングが実現できる。まず、Sfc=0ではfn
=fcとなり、スケーリングなしとなる。Sfc<0で
は、Ln/Laが増加するとfnが減少することとな
り、上述した物理現象に沿うこととなる。通常はSfc
<0、例えばSfc=−1などとする。Sfc>0で
は、Ln/Laが増加するとfnが増加することとな
り、上述した物理現象とは逆のスケーリングがなされ
る。
【0052】さらに、同様に、コムフィルタ内の乗算器
104の乗数Gn(n=1,2,…N)を下記数式3で
計算した値に設定するようにしてもよい。G0は所定の
定数である。
【0053】
【数3】
【0054】これにより、遅延回路102の遅延時間長
が長いとき早く減衰するというようにできる。
【0055】次に、この発明の第3の実施例を説明す
る。これは、入力信号が0になっても、共鳴音や残響音
の制御を行なうことのできる装置である。
【0056】図4は、第3の実施例の装置のブロック構
成を示す。この装置は、遅延回路401、コムフィルタ
402−1〜402−N、加算器403L,403R、
APF404L,404R、乗算器405L,405
R、加算器406L,406R、乗算器407L,40
7R、加算器408、レベル検出部409、および制御
部410を備えている。
【0057】コムフィルタ402−1は、乗算器42
1、加算器422、遅延回路423、APF425、乗
算器426、LPF427、および乗算器424L,4
24Rを備えている。コムフィルタ402−2〜402
−Nの構成および動作はコムフィルタ402−1と同様
であるので省略する。
【0058】図5は、レベル検出部409および制御部
410の詳細を示す。レベル検出部409は、全波整流
器501およびLPF502を備えている。制御部41
0は、別途設けられているメモリ上の係数テーブル50
3を参照するようになっている。
【0059】図4〜図6を参照して、この実施例の動作
を説明する。図4において、コムフィルタ402−1〜
402−N、加算器403L,403R、およびAPF
404L,404Rは、入力信号に応じて残響音を発生
する回路であり、図1に示したものと同様のものであ
る。
【0060】ただし、図4のコムフィルタ402−1で
は、乗算器421により入力信号のレベルを調整してい
る。また、遅延回路423からは、2か所のタップから
左側出力および右側出力を取り出し、乗算器424L,
424Rでレベル調整して出力するようになっている。
fd1は、ループ回路のゲインを調節するための乗算器
426の乗数を示す。
【0061】入力信号は、初期反射音形成用の遅延回路
401を経て、コムフィルタ402−1〜402−Nに
入力する。そして、図1で説明したのと同様にして、A
PF404L,404Rまでで、左側および右側の残響
音を発生する。これら残響音信号は、乗算器405L,
405Rにてレベル調整され、それぞれ加算器406
L,406Rに入力する。
【0062】また、元の入力信号は、乗算器407L,
407Rにてレベル調整され、それぞれ加算器406
L,406Rに入力する。加算器406L,406R
は、乗算器405L,405Rの出力および乗算器40
7L,407Rの出力を加算して、残響音が付加された
楽音信号として出力する。
【0063】この実施例において、残響音のレベルの制
御は、コムフィルタ402−1内の乗算器426の乗数
fd1(他のコムフィルタでは乗数fd2,fd3,f
d4,…)を制御することにより行なう。まず、APF
404L,404Rからの残響音出力を取り出し、加算
器408で加算する。加算結果は、レベル検出部409
に入力する。
【0064】図5を参照して、レベル検出部409への
入力(残響音レベルを表す)は、全波整流器501で全
波整流され、LPF502で平均化される。LPF50
2の出力は、平均的な残響音レベルを示す信号となる。
【0065】制御部410は、LPF502の出力を定
期的にスキャンして、得られた残響音レベルと所定のス
レッショルド値SH1,SH2,SH3とを比較する。
残響音レベルがスレッショルド値SH1以下でSH2よ
り大きいときは、係数テーブル503の乗数データ51
1を読出し、乗数fd1,fd2,fd3,…として出
力する。同様に、残響音レベルがスレッショルド値SH
2以下でSH3より大きいときは乗数データ512を、
スレッショルド値SH3以下のときは乗数データ513
を、それぞれ読出して、乗数fd1,fd2,fd3,
…として出力する。
【0066】図6は、時間経過とともに変化する残響音
レベルを示すグラフである。従来方式では、入力信号に
応じて残響音レベルを制御していたので、入力レベルが
0になると、それ以後は規定のカーブで減衰させていく
しかなかった。図6の点線61は、従来方式による残響
音レベルの変化を示す。
【0067】これに対し、この実施例によれば、残響音
レベルがスレッショルド値SH1以下でSH2より大き
いときは、そのようなレベルの残響音に応じた乗数fd
1,fd2,…で残響音のレベルを制御し、さらにレベ
ルが下がっていくとそれに応じた乗数で残響音レベルを
制御する。したがって、図6の実線62に示すような、
微小なレベルにおける制御が可能である。
【0068】また、各コムフィルタ402−1〜402
−N内の乗算器426のそれぞれの係数fd1,fd
2,…を変化させて、残響音レベルを制御しているの
で、レベルが微小のときも適正な制御を行なうことがで
きる。
【0069】なお、この実施例では、左側残響音と右側
残響音とを加算してレベル検出しているが、右側のみあ
るいは左側のみの残響音からレベル検出してもよい。ま
た、最終段の残響音レベルを検出しているが、最終段で
なくともよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、コムフィルタ(くし形フィルタ)のループ回路中に
オールパスフィルタなどの入力信号を時間軸方向に散乱
させるフィルタを設けているので、時間が経過するほど
残響音が散乱され、実際のホールなどでの残響のような
自然な共鳴音・残響音を発生することができる。
【0071】また、コムフィルタ内のローパスフィルタ
手段のカットオフ周波数を遅延手段の遅延時間に基づい
て決定するようにしたので、空気中を長く伝搬した音に
ついて高い周波数成分が減衰することをシミュレートで
き、そのため、より自然な共鳴音・残響音を発生するこ
とができる。
【0072】さらに、発生した残響音のレベルに応じて
コムフィルタ内のループゲインを制御して、残響音レベ
ルを制御するようにしているので、入力信号が0になっ
た後でも共鳴音・残響音のレベルを制御することがで
き、特に微小なレベルで所望のレベル制御を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る共鳴音・残響音
発生装置のブロック構成図
【図2】コムフィルタのインパルス応答を示すグラフ
【図3】第1の実施例の変形例で用いたAPFのブロッ
ク構成図
【図4】第3の実施例に係る共鳴音・残響音発生装置の
ブロック構成図
【図5】レベル検出部および制御部の詳細を示すブロッ
ク構成図
【図6】時間経過とともに変化する残響音レベルを示す
グラフ
【図7】従来型の共鳴音・残響音発生装置のブロック構
成図
【図8】コムフィルタのインパルス応答を示すグラフ
【図9】APFのブロック構成図
【図10】従来型の残響音レベル制御を行う装置のブロ
ック構成図
【符号の説明】
11,12,13,14…コムフィルタ、15,16,
17…加算器、18…オールパスフィルタ(APF)、
101…加算器、102…遅延回路、103…APF、
104…乗算器、105…LPF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03H 21/00 7037−5J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遅延手段とフィルタ手段とを有するループ
    回路を備えたくし形フィルタを用いた共鳴音・残響音発
    生装置において、 上記ループ回路中に、入力信号を時間軸方向に散乱させ
    るための全帯域通過型フィルタ手段を設けたことを特徴
    とする共鳴音・残響音発生装置。
  2. 【請求項2】遅延手段とローパスフィルタ手段とを有す
    るループ回路を備えたくし形フィルタを用いた共鳴音・
    残響音発生装置において、 上記くし形フィルタ内のローパスフィルタ手段のカット
    オフ周波数を、上記遅延手段の遅延時間に基づいて、決
    定することを特徴とする共鳴音・残響音発生装置。
  3. 【請求項3】入力楽音信号に応じて共鳴音・残響音を発
    生する発生手段を備えた共鳴音・残響音発生装置におい
    て、 上記発生手段の出力レベルを検出するレベル検出手段
    と、該レベル検出手段により検出した出力レベルに基づ
    いて共鳴音・残響音のレベルを制御する制御手段とを備
    えたことを特徴とする共鳴音・残響音発生装置。
  4. 【請求項4】遅延手段とフィルタ手段とを有するループ
    回路を備えたくし形フィルタを用いた共鳴音・残響音発
    生装置において、 上記ループ回路を循環するループ信号のレベルを制御す
    ることにより、共鳴音・残響音のレベルを制御する制御
    手段を備えたことを特徴とする共鳴音・残響音発生装
    置。
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