JPH06256677A - 分散性キナクリドンの製造法 - Google Patents

分散性キナクリドンの製造法

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JPH06256677A JP5344689A JP34468993A JPH06256677A JP H06256677 A JPH06256677 A JP H06256677A JP 5344689 A JP5344689 A JP 5344689A JP 34468993 A JP34468993 A JP 34468993A JP H06256677 A JPH06256677 A JP H06256677A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)粗キナクリドンの水性スラリを製造
し、(b)水性スラリを、キナクリドン顔料に対して
0.3−2.9重量部の少なくとも1種のC7−C12
香族カルボン酸のC1−C12アルキルエステルと、70
℃−200℃の温度で十分に混合し、(c)段階(b)
で用いたアルキルエステルを加水分解し、(d)キナク
リドン顔料を集める段階を含む、キナクリドン顔料のコ
ンディショニングの方法に関する。 【効果】 簡単で安価な方法により分散性の優れたキナ
クリドン顔料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明はキナクリドン、キナクリドン誘
導体及びその固溶体のための新規仕上げ法、及び例えば
繊維、プラスチック、塗料及び印刷インキなどの顔料着
色のためのその利用に関する。さらに特定すると本発明
は低濃度の有機エステル中におけるキナクリドン、キナ
クリドン誘導体及びその固溶体の熱処理に関する。
【0002】キナクリドンの製造法は周知である。例え
ばS.S.Labana及びL.L.Labana,
“Quinacrodones” 於 Chemica
Reviews67,1−18(1967);米
国特許第3,256,285号及び米国特許第3,31
7,539号)。そのような方法で最初に形成されたキ
ナクリドンは多くの場合粗キナクリドンと呼ばれ、顔料
として用いるには一般に不適切であり、優れた顔料品質
を与えるような方法で粒径、粒形及び/又は結晶構造を
改良する1段階又はそれ以上の追加の仕上げ段階を行わ
なければならない。顔料品質は化学構造のみでなく結晶
形、結晶態種及び顔料結晶の表面の性質にも依存するこ
とは周知である。例えばK.Merkle and
H.Schaefer,“Surface Treat
ment of Organic Pigments”
Pigment Handbook,Vol.I
II(New York:John Wiley &
Sons,Inc.,1973),頁157;R.B.
Mckay,“The Development of
Organic Pigments with Par
ticular Reference to Phys
ical Form and Consequent
Behavior in Use“ 於 Rev.Pr
og.Coloraion10,25−32(197
9);及びR.B.Kckay,“Control o
f the application perform
anceof classical organoc
pigments” 於 JOCCA,89−93(1
989)を参照。ジアントラキノニル顔料(キナクリド
ンと異なり結晶形を1つしか持たない)などのいくつか
の顔料は仕上げ段階を行って、又は行わずに顔料形態で
得ることができる。例えば米国特許第4,969,95
4号及び第5,078,794号。しかしキナクリドン
及びフタロシアニンなどの顔料の場合はそうではない。
【0003】当該技術における熟練者には多くの適した
コンディショニングの方法が既知であるが、最も普通に
用いられる方法に乾燥粗キナクリドンの粉砕が含まれ、
最も普通の場合それは望ましくない程大量の無機塩の存
在下で行われ、無機塩をその後除去しなければならな
い。顔料キナクリドンは、最初に乾燥粗材料を予備粉砕
し、その後粉砕材料を有機液体で処理することによって
も得ることができる。他の方法は予備粉砕段階及びその
後の水及び少量の有機液体を用いたもう1回の粉砕段階
を含む。顔料キナクリドンは大量の溶剤中における粗プ
レスケーキの熱処理によっても得ることができる。顔料
の性質をさらに向上させるために、粉砕又は溶剤処理段
階の間に添加剤が加えられる。
【0004】顔料のコンディショニングに有機溶剤を用
いる場合、“湿潤(wettingout)”として知
られる過程によりプレスケーキ中に存在する水及び粉末
中に存在する空気が溶剤に置換される。物理的性質の差
のために、異なる種類の顔料は湿潤過程に異なる反応を
示す。例えばそれぞれT.B.Reeve andW.
L.Dills,“Pigment Dispersi
ons andRheology in Plasti
cs,”及びT.A.Langstroth,“Pig
ment Flushing” 於 Pigment
Handbook,Vol.III(New Yor
k:John Wiley & Sons,Inc.,
1973),頁441−446ならびに447−455
を参照。多くの場合界面活性剤を用いることにより湿潤
過程を助けることが必要であるが、この場合も顔料の差
が界面活性剤の選択に影響する。従って有機溶剤を用い
たキナクリドン顔料の仕上げに関する多くの方法が報告
されてきた。
【0005】例えば米国特許第2,857,400号
は、粗顔料を乾燥状態で粉砕し、その後有機液体中で撹
拌する方法を開示している。米国特許第3,017,4
14号は、粗顔料をボールミル中で予備粉砕し、その後
少量の界面活性剤の存在下で水とある特定の有機液体の
乳液で処理する方法を開示している。米国特許第4,0
94,699号は、界面活性剤を含むアルカリ性水溶液
を用いた予備粉砕粗キニクリドンの処理を開示してい
る。米国特許第4,298,398号は、ある種の第4
アンモニウム化合物を含むアルカリ性水溶液中で予備粉
砕粗キナクリドンを処理する類似の方法を開示してい
る。米国特許第3,287,147号は、微粉砕又は結
晶形態で粗キナクリドンを製造し(例えば酸ペースト化
又はボールミル粉砕により)、その後中性の水性ペース
トに変換し、それを特殊な装置を用いて加圧下で150
℃−300℃に加熱する方法を開示している。米国特許
第4,455,173号は、粗キナクリドン顔料を酸ペ
ースト化又はボールミル粉砕し、その後好ましくは2−
フタルイミドメチルキナクリドン粒径成長阻害剤の存在
下の有機液体中で粉砕する方法を開示している。米国特
許第5,084,100号は、硫酸アルミニウム及びア
ルカンジカルボン酸のエステルの存在下で粗キナクリド
ンをボールミル粉砕する方法を開示している。米国特許
第4,541,872号は、少量の溶剤の存在下、場合
により粒径成長促進剤又は阻害剤の存在下の予備粉砕粗
キナクリドンを希塩基水溶液、塩基性塩水溶液又は塩基
及び塩の水溶液中でボールミル粉砕する方法を開示して
いる。これらの方法は所望の結果を与えるが、一般に時
間がかかり、比較的高価である。
【0006】粗キナクリドンは有機溶剤を用いてコンデ
ィショニングし、分散性顔料とすることもできる。例え
ば米国特許第4,895,948号は、粗キナクリドン
を塩基を含むアルコール中でボールミル粉砕する1段階
仕上げ法を開示している。米国特許第5,084,57
3号も必須成分としてある種の長鎖チオール化合物及び
塩基を含む加熱極性有機溶剤中で2,9−ジクロロキナ
クリドンを撹拌する1段階仕上げ法を開示している。米
国特許第5,095,056号は、安息香酸メチルなど
のエステルを含む大量の極性溶剤を用い、50℃以上の
温度で2,9−ジクロロキナクリドンをコンディショニ
ングする方法を開示している。塩基及び他のそのような
添加化合物は必要としないが、極性溶剤が顔料の重量の
約3−20倍の量で用いられる。水は許容することがで
きるが好ましくはない。同様に米国特許第3,256,
285号は、80−150℃の温度にて大量の有機溶剤
(顔料の量の4−10倍)中でキナクリドンの水性ペー
ストを仕上げる方法を開示している。米国特許第3,2
56,285号に従い、高沸点又は水−非混和性溶剤
(例えば安息香酸メチル及びサリチル酸メチルなど)を
用いる場合、プレスケーキを低沸点有機溶剤で洗浄しな
ければならず、従ってかなりの量の有機液体の廃棄が必
要である。対照的に本発明は特殊な添加剤を必要とせ
ず、有機溶剤として芳香族エステルをキナクリドンの量
の0.6倍という少量で用いた場合に満足できる結果を
与える。
【0007】既知の方法の欠点を避けながら高品質のキ
ナクリドン顔料を得ることが本発明の目的であった。予
想に反して本発明はそのようなキナクリドン顔料を製造
する有利な方法を与える。第1に本発明の仕上げ法を行
う前に粗キナクリドンを乾燥及び粉砕する必要がなく、
それにより製造時間及び経費が減少する。さらに方法で
用いられる有機溶剤はエステルであり、それは構成する
カルボン酸とアルコール成分に加水分解することができ
る。加水分解産物は水溶性なので、本発明に従って製造
した顔料は有機溶剤で洗浄する必要がない。少量の有機
エステル溶剤を必要とするだけなので、本発明の方法は
溶剤の回収又は再循環の必要を避けることができ、環境
中に放出される有機材料の量が減少する。最後に、添加
剤を用いずとも高品質の顔料を得ることができる。
【0008】
【発明の概略】本発明は、(a)粗キナクリドンの水性
スラリを製造し、(b)該水性スラリを、キナクリドン
顔料に対して0.3−2.9重量部(好ましくは0.5
−2.5重量部、より好ましくは0.5−1.5重量
部)の少なくとも1種のC7−C12芳香族カルボン酸の
1−C12アルキルエステルと、70℃−200℃の温
度で十分に混合し、(c)段階(b)で用いたアルキル
エステルを加水分解し、(d)キナクリドン顔料を集め
る段階を含む、キナクリドン顔料のコンディショニング
(conditioning)の方法に関する。
【0009】さらに本発明は繊維、プラスチック、塗
料、印刷インキなどの顔料着色におけるそのような顔料
の利用に関する。
【0010】本発明の仕上げ法により製造されたキナク
リドン(これは非置換キナクリドン、キナクリドン誘導
体及びその固溶体を意味する)は用いられた特定の条件
に依存して不透明から半不透明の範囲である。顔料は優
れた光−堅牢性を有し、非ブリード性であり、優れた分
散性及び流動学的性質を有する。
【0011】本明細書で用いられる“粗キナクリドン”
は、化学合成の後に最初に集められたがまだ顔料性の向
上のためのコンディショニングをされていないキナクリ
ドン及びキナクリドン誘導体を言う。粗キナクリドンは
非コンディショニングプレスケーキが好ましいが、粒径
は操作されたが(例えば酸ペースト化、ボールミル粉砕
及び予備粉砕により)顔料形態とするためにはさらに追
加のコンディショニングをしなければならない材料も含
むことができる。本明細書で用いられる“粗キナクリド
ン”という用語は各キナクリドンの原料の混合物を用い
た化学合成の間にその場で製造された、又は各キナクリ
ドン成分の化学合成の後に粗成分の混合物を溶解し、そ
の後得られた固溶体を沈澱させることにより(しかしコ
ンディショニングはしない)製造されたキナクリドン固
溶体も言う。
【0012】適したキナクリドン誘導体は、式
【0013】
【化1】
【0014】[式中、R及びR’は独立してハロゲン、
1−C12−アルキル、C1−C6アルコキシ、C5−C7
シクロアルキル、C5−C7シクロアルコキシ、C6−C
10アリール、C6−C10アリールオキシ、C7−C16アラ
ルキル又はC7−C16アラルコキシであるか、又は環縮
合芳香族又は複素芳香族環を示すことができる]を有す
る化合物を含む。本明細書で用いられる“C1−C12
ルキル”という用語は炭素数が1−12の直鎖状もしく
は分枝鎖状脂肪族炭化水素基を言う。C1−C12アルキ
ルの例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル及びこれらの異性体である。“C
1−C6アルコキシ”という用語は炭素数が1−6の直鎖
状もしくは分枝鎖状アルキルオキシ基を言う。C1−C6
アルコキシの例はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ及びこれらの
異性体である。“C5−C7シクロアルキル”という用語
は炭素数が5−7の環状脂肪族炭化水素基を言う。C5
−C7シクロアルキルの例はシクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチルである。“C5−C7シクロアル
コキシ”という用語は炭素数が5−7のシクロアルキル
オキシ基を言う。C5−C7シクロアルコキシの例はシク
ロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及びシクロヘ
プチルオキシである。“C6−C10アリール”という用
語はフェニル及び1−又は2−ナフチルを言う。本明細
書で用いられる“アリール”という用語は本明細書で定
義されるアルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ及び
ニトロで置換されたフェニル及びナフチル基も言う。
“C6−C10アリールオキシ”という用語はフェノキシ
及び1−又は2−ナフトキシを言い、その場合アリール
部分は場合により“アリール”に関して上記で記載した
通りに置換されていることができる。“C1−C16アラ
ルキル”という用語はC6−C10アリールで置換され、
炭素数の合計が7−16であるC1−C6アルキルを言
う。C7−C16アラルキルの例はベンジル、フェネチル
及びナフチルメチルである。“C7−C16アラルコキ
シ”という用語はC6−C10アリールで置換され、炭素
数の合計が7−16であるC1−C6アルコキシを言う。
7−C16アラルコキシの例はベンジルオキシである。
ハロゲンの例はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。
適したキナクリドン誘導体の例には2,9−ジクロロキ
ナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン及び2,9
−ジメトキシキナクリドンが含まれ、2,9−ジクロロ
キナクリドン及び2,9−ジメチルキナクリドンが好ま
しい。
【0015】固溶体は2種類又はそれ以上の化合物の分
子が同一の結晶格子中に入り、通常(しかし必ずではな
い)結晶格子が成分の1つの特性を示す組成物である。
得られる結晶固体のX−線パターンは特徴的であり、同
一の成分の同一の割合の物理的混合物のパターンとは明
らかに区別できる。本発明の適した固溶体は2種類か又
はそれ以上(好ましくは2種類)のキナクリドンを含
み、その1つは非置換キナクリドンである。適したキナ
クリドン固溶体の例には99−1重量%の2,9−ジク
ロロキナクリドン及び1−99重量%の非置換キナクリ
ドンを含む組成物が含まれ、80−50重量%の2,9
−ジクロロキナクリドン及び20−50重量%の非置換
キナクリドンを含む固溶体が好ましい。
【0016】キナクリドンの固溶体は、当該技術におい
て既知の数通りの方法のいずれによっても製造すること
ができる。例えば米国特許第3,160,510号、第
3,298,847号、第3,607,336号、第
3,681,100号、第4,099,980号及び第
4,895,949号。適した方法には(1)各キナク
リドンの合成中間体を酸化の前又は後に強酸又は高沸点
溶剤中で閉環し、その後沈澱させ、それにより固溶体を
その場生成する、(2)各粗顔料成分を硫酸などの無機
強酸に溶解し、その後沈澱させる、及び(3)粗キナク
リドン成分をある特定の条件下で粉砕する方法が含まれ
る。本発明はこれらの方法のいずれかによって製造され
た粗材料から顔料固溶体を製造する方法を示す。
【0017】粗キナクリドンの特定の形態は重要ではな
いが、プレスケーキが一般に好ましい。約4−約70重
量%(好ましくは4−40重量%)の顔料を含み、残り
が基本的に水のみであるプレスケーキが特に好ましい。
基本的に無水の粗キナクリドンはスラリ化段階で再び水
を加えなければならないのであまり好ましくないが、そ
れも適している。比較的大量の水を含む粗キナクリドン
ももちろん、特に含まれる体積及び重量が加わることで
取り扱いが妨げられない場合に適している。粒径は変え
られたがまださらにコンディショニングが必要な形態の
粗キナクリドンの使用も可能である。
【0018】本発明の方法を行う場合、好ましくはプレ
スケーキの形態の粗キナクリドンを、撹拌を容易にする
のに十分な量の水中で最初にスラリ化する。水の正確な
必要量はその含水量を含む特定のキナクリドンの性質に
幾分依存する。しかし一般に粗材料中に含まれる顔料の
量に基づいて約4−約20重量部(好ましくは6−15
重量部)の水を用いるのが適していることがわかり、水
の量は粗材料中にすでに存在する水も含む。
【0019】粗材料中に含まれるキナクリドン顔料種に
基づいて約0.3−約2.9重量部(好ましくは0.5
−2.5重量部、より好ましくは0.5−1.5重量
部)の所望の芳香族エステル溶剤をその後水性スラリに
加える。より大量の溶剤を用いることもできるが、本発
明にて特定される少量の使用により溶剤の回収又は再循
環に伴う経費が減少し、環境中に放出される有機材料の
量が減少する。適した有機仕上げ溶剤にはC1−C12
香族モノカルボン酸及び/又はジカルボン酸のC1−C
12アルキルエステルが含まれる。適した芳香族モノカル
ボン酸には安息香酸及びナフトエ酸及びそれらの異性
体、ならびに芳香環−置換誘導体が含まれ、その場合置
換基は例えばアルキル、アルコキシ、アルカノイル、ハ
ロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、ビニル及びアリ
ル基であることができる。適した芳香族ジカルボン酸に
はフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタル
酸及びそれらの異性体、ならびに芳香環−置換誘導体が
含まれる。適したC1−C12アルキル基にはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、及びそれらの異性体が含まれる。ジカルボン酸のエ
ステルは2個の異なるアルキル基を含むことができる
が、同一のアルキル基を有するエステルが好ましい。特
に好ましい溶剤には安息香酸メチル、サリチル酸ジメチ
ル及びフタル酸ジメチルが含まれる。もちろんそれらの
エステルの混合物も適している。芳香族トリカルボン酸
及びテトラカルボン酸のエステルは適しているが、あま
り好ましくない。他方、脂肪族モノカルボン酸及びジカ
ルボン酸のエステルは仕上げ法にあまり適していない。
【0020】得られた水−溶剤スラリを十分に混合する
(例えば約70℃−約200℃、好ましくは80−14
5℃の温度で激しく撹拌することにより)。本発明の方
法を行うのに適した装置にはステンレススチール加圧容
器及び他のそのような装置が含まれる。小規模の製造の
場合、実験室用Parr反応器又は他のそのような装置
が適している。一般に約70℃以下の温度は、分散があ
まり容易でない顔料を与える傾向があるためにあまり好
ましくない。他方、特定した範囲以上の温度は、色の弱
い“過剰結晶化(overcrystallize
d)”粒子を与える傾向がある(しかしいくらか分散性
の向上も生ずる)。本発明のエステルを用いてコンディ
ショニングしたキナクリドンの透過型電子顕微鏡(tr
ansmission electron micro
scopy)による物理的分析は、温度が粒径に影響を
与えることを示している。従って例えば特定された範囲
の高温部分の温度におけるコンディショニングは、より
低温におけるコンディショニングの場合より視覚で大き
な粒子及びより不透明な顔料を与える。透過型電子顕微
鏡は、本発明のコンディショニングが化学合成の間に形
成された凝集物を破壊し、それによりキナクリドンの分
散性を向上させるように作用することも示している。
【0021】仕上げは粒子が最適顔料値(pigmen
tary value)を得るのに十分な長さの時間で
行わなければならない。約2時間が十分であるが約4−
約8時間が好ましい。もっと長時間(例えば約20時間
か又はそれ以上)は一般にほんの少しの分散性の向上及
び不透明度における少しの変化しか与えない。
【0022】理論的にはエステル溶剤を物理的分離法に
より除去することが可能であるが、純粋に物理的な方法
で溶剤のすべて(基本的にすべて)を除去するのは実際
には困難であることが見いだされた。従って顔料を集め
る前にエステルを加水分解するのが特に有利であること
がわかった。例えば加水分解は、溶剤−含有仕上げ顔料
を水酸化ナトリウム又はカリウム水溶液などの強アルカ
リ性溶液(好ましくは水溶液)と共に加熱することによ
り行うことができる。特に好ましい加水分解法は、溶剤
−含有顔料を約4−約10%の水酸化ナトリウム水溶液
(例えば水性仕上げ混合物に50%の水酸化ナトリウム
水溶液を直接加えることにより製造)中で、約85℃に
て約2時間加熱することを含む。当該技術において既知
の他の加水分解法ももちろん適している。加水分解の間
に形成されるカルボン酸塩及びアルコール副生成物は、
例えば分離段階の間に除去することができる。
【0023】仕上げられた顔料は当該技術において既知
の方法により、好ましくは濾過により集められ、乾燥さ
れる。遠心などの当該技術において既知の他の収集法は
適しているが一般にあまり好ましくない。顔料を濾過に
より集める場合、加水分解副生成物は顔料フィルターケ
ークを好ましくは水で洗浄する場合に容易に除去するこ
とができる。一般にあまり好ましくはないが最初にカル
ボン酸塩及び/又はアルコール副生成物を除去せずに、
又は付随するカルボン酸塩及び/又はアルコールの化学
沈澱後に顔料を集めることもできる。例えば多くの場合
金属カルボン酸塩は顔料性を向上させる有利な表面性を
与えることができる。
【0024】その光安定性及び移染性の故に本発明に従
って製造されたキナクリドン顔料は多くの異なる顔料用
途に適している。例えば本発明に従って製造された顔料
は非常に光堅牢性の高い顔料着色系のための着色剤とし
て(又は2又はそれ以上の着色剤の1つとして)用いる
ことができる。例として他の材料との顔料着色混合物、
顔料組成物、塗料、印刷インキ、着色紙又は着色巨大分
子材料が含まれる。“他の材料との混合物”という用語
は例えば無機白色顔料、例えば二酸化チタン(ルチル)
又はセメント、あるいは他の無機顔料との混合物を含む
と理解される。顔料組成物の例には有機液体を用いたフ
ラッシペースト又は水、分散剤及び場合により防腐剤を
用いたペースト及び分散液が含まれる。本発明の顔料を
用いることができる塗料の例には、例えば物理的又は酸
化的乾燥ラッカー、焼き付けエナメル、反応性塗料、2
成分塗料、溶剤−又は水−ベース塗料、防水性塗膜のた
めのエマルションペイント、水性塗料が含まれる。印刷
インキには、紙、布及びブリキ板印刷で用いられること
が既知のインキが含まれる。適した巨大分子物質には、
ゴムなどの天然起源のもの、アセチルセルロース、セル
ロースブチレート又はビスコースなどの化学的修飾によ
り得られるもの、又はポリマー、付加重合生成物及び重
縮合生成物などの合成により製造されたものが含まれ
る。合成により製造された巨大分子物質の例にはポリビ
ニルクロリド、ポリビニルアセテート及びポリビニルプ
ロピオネートなどのプラスチック材料、ポリエチレン及
びポリプロピレンなどのポリオレフィン、高分子量ポリ
アミド、アクリレート、メタクリレート、アクリロニト
リル、アクリルアミド、ブタジエン又はスチレンのポリ
マー及びコポリマー、ポリウレタン、ならびにポリカー
ボネートが含まれる。本発明のキナクリドン顔料で顔料
着色される材料はいずれの所望の形又は形態を有するこ
ともできる。
【0025】本発明に従って製造された顔料は耐水性、
耐油性、耐酸性、耐石灰性、耐アルカリ性、耐溶剤性、
上塗り堅牢性、噴霧上塗り堅牢性、昇華堅牢性、耐熱性
及び耐加硫性が高く、さらに非常に優れた着色収率を与
え、容易に分散することができる(例えばポリビニルク
ロリド及びABSなどのプラスチック材料において)。
【0026】以下の実施例は本発明の顔料の製造及び利
用に関する詳細をさらに例示するものである。前記の開
示において示されている本発明はこれらの実施例により
その精神又は範囲において制限されてはならない。当該
技術における熟練者は以下の製造法の条件及び過程に関
する既知の変更を用いてこれらの顔料を製造できること
を容易に理解できるであろう。他に記載がなければすべ
ての温度は度摂氏であり、すべての部及びパーセンテー
ジは重量による。
【0027】
【実施例】実施例に従って製造された顔料はZeiss
EM 109装置を用い、透過型電子顕微鏡により分
析した。データは以下の条件下で集めた: 加速電圧:80kV 倍率 :1.0マイクロメーター 0.5マイクロメーター 0.2マイクロメーター 色相及び彩度の差はApplied Color Sy
stem Spectral Sensor(Hunt
Associated Laboratories,
Fairfax,Virginia)又はMacBet
h XenonFlash(MacBeth Divi
sion of Kollmorgan,Newbur
gh,New York)を用いて測定した。
【0028】顔料の分散性はポリビニルクロリド(“P
VC”)中、又は181.0gのGEON 121ポリ
ビニルクロリド(B.F.Goodrich Chem
ical Co.より)、107.3gのジイソオクチ
ルフタレート、9.0gのPARAPLEXRG−62
可塑剤(C.P.Hall Co.より;PARAPL
EXはRohm and Haas Companyの
登録商標である)、3.6gのMARKRLL安定剤
(Witco Corporation)、及びジイソ
オクチルフタレート中の25%の酸化チタンペースト1
2.3gを含むPVC−ベースプラスチゾル中で決定し
た。本発明に従って製造した顔料を市販のキナクリドン
顔料と比較した。例えば2,9−ジクロロキナクリドン
はQUINDORMagenta RV−6843(M
iles Inc.から入手可能)と比較し、2,9−
ジメチルキナクリドンはQUINDORMagenta
RV−6832(Miles Inc.から入手可
能)と比較し、実施例3の固溶体はQUINDORMa
genta RV−6853(Miles Inc.か
ら入手可能)と比較した。
【0029】PVC中の分散性は、以下の方法に従った
ホットミル及びコールドミル着色の比較により評価し
た。調べる各飼料につき、柔軟性PVCの50gを、ニ
ップの厚さが25ミル(約0.6mm)の熱(155
℃)2本ロール機に加え、均一になるまで熔融させた。
試験顔料又は比較顔料の0.050gを約10秒かけて
ニップ中に散布し、その後熔融した材料を切断して5分
間ミル上で巻いた。その後顔料着色されたシートをミル
から取り出し、清潔で平らな表面上に置き、冷却した。
得られたシートから切断し、室温に冷却された片を評価
のための“ホットミル”試料として用いた。まだ熱い時
に同一のシートから切断した試料をニップの熱さが21
ミル(約0.5mm)の冷(24℃)の2本ロール機上
に置き、その後折り畳み、7回ミルを通過させた。冷間
圧延のシートを再度ホットミル中で滑らかになるまで熔
融した。得られたシートから切断した試料を評価のため
の“コールドミル”試料として用いた。ホットミル及び
コールドミル着色の間の差に基づく1−5の尺度を用い
て着色を評価し、その場合1は低い分散性(着色におけ
る大きな差により証明)を示し、5は優れた分散性(基
本的に着色に差がないことにより証明)を示す。
【0030】プラスチゾル中の分散性は、15mgの試
験顔料又は比較顔料を3000mgのブラスチゾルと手
動混合し、得られた分散液を紙で裏打ちした箔上に引き
出し、均一なフィルムを形成し、フィルムを炉で硬化す
ることにより評価した。分散性は1−5の尺度で評価
し、この場合1は試験化合物の着色の失敗を示し、5は
非常に優れた着色を示す。
【0031】実施例1 粗2,9−ジクロロキナクリドンプレスケーキ(82.
6g、濃度が100%の顔料の20gに相当する)を2
20gの水及び20gの安息香酸メチル中でスラリ化し
た(顔料に対する溶剤の比率1.0:1)。スラリを実
験室用Parr反応器中で85−90℃に8時間加熱し
た。その後30gの水酸化ナトリウム50%水溶液を用
い、8−90℃にて安息香酸メチルを2時間加水分解し
た。得られたスラリを濾過し、生成物を単離し、表1に
示す通りPVC中の優れた分散性を有するマゼンタ色
(すなわち赤−紫)の顔料を得た。
【0032】
【表1】表1 PVC中の分散性試験試料 分散性 実施例1 2−3 QUINDO Magenta RV−6843 1−2実施例2 粗2,9−ジメチルキナクリドン(174.3g、濃度
が100%の顔料30gに相当する)を180gの水及
び24gの安息香酸メチル中でスラリ化した(顔料に対
する溶剤の比率0.8:1)。スラリを実験室用Par
r反応器中で140−145℃に8時間加熱した。その
後36gの水酸化ナトリウム50%水溶液を用い、85
−90℃にて安息香酸メチルを2時間加水分解した。濾
過後、プレスケーキを乾燥し、粉砕して表2に示す通り
PVC中の優れた分散性を有するマゼンタ色の顔料を得
た。
【0033】
【表2】表2 PVC中の分散性試験試料 分散性 実施例2 2−3 QUINDO Magenta RV−6832 1−2実施例3 2,9−ジクロロキナクリドン及びキナクリドンの固溶
体プレスケーキ(80:20重量比;105.3g、濃
度が100%の顔料20gに相当する)を240gの水
及び20gの安息香酸メチル中でスラリ化し(顔料に対
する溶剤の比率1.0:1)、85−90℃で8時間加
熱した。その後30gの水酸化ナトリウム50%水溶液
を用いて85−90℃で2時間、安息香酸メチルを加水
分解した。その後スラリを濾過し、プレスケーキを乾燥
し、表3に示す通り上記のプラスチゾル中で非常に優れ
た分散性を有するマゼンタ色の顔料を得た。
【0034】
【表3】表3 プラスチゾル中の分散性試験試料 分散性 実施例3 4−5 QUINDO Magenta RV−6853 4実施例4 粗2,9−ジクロロキナクリドンプレスケーキ(97.
4g、濃度が100%の顔料30gに相当する)を18
0gの水及び18gのサリチル酸メチル中でスラリ化し
た(顔料に対する溶剤の比率0.6:1)。スラリを1
40−145℃に8時間加熱した。その後30gの水酸
化ナトウリム50%水溶液を用い、85−90℃で2時
間、サリチル酸メチルを加水分解した。スラリを濾過
し、生成物を単離し、表4に示す通り上記のプラスチゾ
ル中で非常に優れた分散性を有する非常に不透明なマゼ
ンタ色の顔料を得た。
【0035】
【表4】表4 プラスチゾル中の分散性試験試料 分散性 実施例4 4−5 QUINDO Magenta RV−6843 1−2実施例5 安息香酸メチルの代わりに28.9gのフタル酸ジメチ
ルを用い(顔料に対する溶剤の比率1.45:1)、加
水分解に43.0gの水酸化ナトリウム50%水溶液を
用いる以外は実施例1を繰り返し、マゼンタ色の2,9
−ジクロロキナクリドン顔料を得た。
【0036】実施例6 粗キナクリドンプレスケーキ(128.9g、濃度が1
00%の顔料30gに相当する)を240gの水及び3
0gの安息香酸メチル中でスラリ化した(顔料に対する
溶剤の比率1.0:1)。スラリを140−145℃に
8時間加熱した。その後39gの水酸化ナトリウム50
%水溶液を用い、85−90℃で2時間、安息香酸メチ
ルを加水分解した。得られたスラリを濾過し、生成物を
単離し、紫色のキナクリドン顔料を得た。
【0037】実施例7 2,9−ジクロロキナクリドン及び2,9−ジメトキシ
キナクリドンの固溶体プレスケーキ(25:75重量
比;84.7g、濃度が100%の顔料26gに相当す
る)を286gの水中でスラリ化し、均一なスラリを得
た。フタル酸ジメチル(32g)を加え(顔料に対する
溶剤の比率1.23:1)、得られたスラリを115−
120℃にて8時間加熱した。その後47gの水酸化ナ
トリウム50%水溶液を用い、85−90℃でフタル酸
ジメチルを加水分解した。その後スラリを濾過し、生成
物を乾燥して強い青−紫色の顔料を得た。
【0038】実施例8 粗2,9−ジクロロキナクリドン(82.6g、濃度が
100%の顔料20gに相当する)を211.5gの水
及び50gの安息香酸メチル中でスラリ化した(顔料に
対する溶剤の比率2.5:1)。スラリを85−90℃
に8時間加熱した。その後75gの水酸化ナトリウム5
0%水溶液を用い、85−90℃で2時間、安息香酸メ
チルを加水分解した。得られたスラリを濾過し、生成物
を単離し、表5に示す通りプラスチゾル中で優れた分散
性を有するマゼンタ色の顔料を得た。
【0039】
【表5】表5 プラスチゾル中の分散性試験試料 分散性 実施例8 4 QUINDO Magenta RV−6843 1−2実施例9−12 適用 種々の顔料材料の製造を適用実施例9−12に記載す
る。
【0040】実施例9 エナメル塗料の製造 微粉砕した8gの実施例1の2,9−ジクロロキナクリ
ドン顔料の試料を、以下の組成を有する焼き付けエナメ
ル92gに分散する: 33% アルキド樹脂(AROPLAZR1453−X
−50アルキド樹脂、Reichhold Chemi
cals,Inc.,White Plains,Ne
w York) 15% メラミン樹脂(例えばRESIMENERBM
−7505メラミン樹脂、Monsanto Comp
any,St.Louis,Missouri) 5% グリコールモノメチルエステル 34% キシレン 13% ブタノール 分散の完了後、顔料着色された塗料を金属箔に適用し、
その後130℃で30分間焼き付け、マゼンタ色(すな
わち赤−紫)の皮膜を得る。
【0041】他の適したアルキド樹脂は合成又は植物脂
肪酸、例えばココナツ油、ひまし油、レシネン油(re
cinene oil)、アマニ油などに基づく製品で
ある。
【0042】実施例10 熱可塑性フィルムの製造 実施例1の2,9−ジクロロキナクリドン顔料の試料
0.1gを、練りロール機中で65gの安定化ポリビニ
ルクロリド及び35gのジイソオクチルフタレート中に
160℃にて分散した。非常に優れた光及びマイグレー
ション堅牢性を有するマゼンタ色のフィルムを得た。実
施例1の顔料は優れた分散性を示した。
【0043】実施例2の2,9−ジメチルキナクリドン
を用い、同様にしてマゼンタ色のフィルムを製造した。
顔料は優れた色及び強度、ならびにプラスチック中にお
ける優れた分散性を示した。
【0044】カプロラクタム又はアジピン酸とヘキサメ
チレンジアミンの合成ポリアミド、あるいはテレフタル
酸とエチレングリコールのポリエステル縮合物は、28
0−300℃で同様の方法にて(必要な場合は窒素の大
気中で)着色することができる。
【0045】実施例11 印刷インキの製造 35gの実施例1の顔料、65gのアマニ油及び1gの
ドライヤー(ナフテン酸コバルト、ホワイトスピリット
中の濃度50%)を粉砕することにより印刷インキを製
造する。紙上へのオフセット印刷に用いると、印刷イン
クはマゼンタ色のオフセット印刷を与える。
【0046】実施例12 金属塗料の製造 12gのキシレン中の6gの実施例1の顔料、4.1g
の酢酸ブチル、0.7gのブタノール及び2:1酢酸ブ
チル/キシレン中のセルロースアセトブチレートの20
%溶液22.5gの混合物を、直径が2−3mmのガラ
スビーズを含むシェーカー中で30分間撹拌することに
より分散する。その後この分散液に10gの飽和ポリエ
ステル樹脂(Huls AmericaからDYNAP
OLRH700として入手可能)、7.3gのメラミン
樹脂、8.7gの2:1酢酸ブチル/キシレン中のセル
ロースアセトブチレートの20%溶液8.7g、18g
の酢酸ブチル、1.6gのブタノール及び9.7gのキ
シレンを加え、さらに5分間震盪を続ける。
【0047】その後キシレン中のアルミニウムペースト
(60%固体;Silberline Manufac
turing Co.,Inc.からSPARKLE
SILVERRARとして入手可能)の分散液(約2:
1)を、アルミニウムに対する顔料の比率が約80:1
2から1:99となる量で加えることにより、金属塗料
を製造する。その後これらの金属塗料をパネルに適用
し、乾燥後にアクリレート/メラミン樹脂に基づく透明
塗料(紫外線吸収剤などの追加の添加剤を含むことがで
きる)を塗布し、明るいマゼンタ色の金属塗料を得る。
【0048】本発明の主たる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0049】1.(a)粗キナクリドンの水性スラリを
製造し、(b)水性スラリを、キナクリドン顔料に対し
て0.3−2.9重量部の少なくとも1種のC7−C12
芳香族カルボン酸のC1−C12アルキルエステルと、7
0℃−200℃の温度で十分に混合し、(c)段階
(b)で用いたアルキルエステルを加水分解し、(d)
キナクリドン顔料を集めることを特徴とするキナクリド
ン顔料のコンディショニングの方法。
【0050】2.キナクリドンが2,9−ジクロロキナ
クリドン又は2,9−ジメチルキナクリドンであること
を特徴とする上記1項に記載の方法。
【0051】3.キナクリドンが非置換キナクリドンと
キナクリドン誘導体の固溶体、又は2種のキナクリドン
誘導体の固溶体であることを特徴とする上記1項に記載
の方法。
【0052】4.固溶体が99−1重量%の2,9−ジ
クロロキナクリドン及び1−99重量%の非置換キナク
リドンを含む組成物であることを特徴とする上記3項に
記載の方法。
【0053】5.固溶体が80−50重量%の2,9−
ジクロロキナクリドン及び20−50重量%の非置換キ
ナクリドンを含む組成物であることを特徴とする上記3
項に記載の方法。
【0054】6.粗キナクリドンが4−70重量%のキ
ナクリドン顔料を含み、残りが基本的に水であるプレス
ケーキとして用いられることを特徴とする上記1項に記
載の方法。
【0055】7.粗キナクリドンが4−40重量%のキ
ナクリドン顔料を含み、残りが基本的に水であるプレス
ケーキとして用いられることを特徴とする上記1項に記
載の方法。
【0056】8.水性スラリを製造する前に粗キナクリ
ドンの粒径が変えられていることを特徴とする上記1項
に記載の方法。
【0057】9.粗キナクリドンが段階(a)にてキナ
クリドン顔料の量に対して4−20重量部の水を用いて
スラリ化され、水の該量が粗キナクリドン中にすでに存
在する水も含むことを特徴とする上記1項に記載の方
法。
【0058】10.エステルが安息香酸メチル、フタル
酸ジメチル又はサリチル酸メチル、あるいはこれらの混
合物であることを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0059】11.キナクリドンに対して0.5−2.
5重量部のエステルが段階(b)で用いられることを特
徴とする上記1項に記載の方法。
【0060】12.キナクリドンに対して0.5−1.
5重量部のエステルが段階(b)で用いられることを特
徴とする上記1項に記載の方法。
【0061】13.段階(b)が80℃−140℃の温
度で行われることを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0062】14.段階(b)が2−20時間行われる
ことを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0063】15.段階(b)が4−8時間行われるこ
とを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0064】16.段階(c)にてアルキルエステルが
強アルカリ性溶液を用いて加水分解されることを特徴と
する上記1項に記載の方法。
【0065】17.段階(c)にてアルキルエステルが
85℃に加熱された4−10%の水酸化ナトリウム水溶
液を用いて2時間加水分解されることを特徴とする上記
1項に記載の方法。
【0066】18.キナクリドン顔料を濾過により集め
ることを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0067】19.上記1項に記載の方法によりコンデ
ィショニングされたキナクリドン顔料。
【0068】20.着色剤を含み、該着色剤が上記1項
に記載の方法によりコンディショニングされたキナクリ
ドン顔料を含むことを特徴とする着色された巨大分子材
料。
【0069】21.着色剤を含み、該着色剤が上記1項
に記載の方法によりコンディショニングされたキナクリ
ドン顔料を含むことを特徴とする印刷インキ。
【0070】22.着色剤を含み、該着色剤が上記1項
に記載の方法によりコンディショニングされたキナクリ
ドン顔料を含むことを特徴とする塗料。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)粗キナクリドンの水性スラリを製
    造し、(b)該水性スラリを、キナクリドン顔料に対し
    て0.3−2.9重量部の少なくとも1種のC7−C12
    芳香族カルボン酸のC1−C12アルキルエステルと、7
    0℃−200℃の温度で十分に混合し、(c)段階
    (b)で用いたアルキルエステルを加水分解し、(d)
    キナクリドン顔料を集めることを特徴とするキナクリド
    ン顔料のコンディショニングの方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法によりコンディシ
    ョニングされたキナクリドン顔料。
  3. 【請求項3】 着色剤を含み、該着色剤が請求項1に記
    載の方法によりコンディショニングされたキナクリドン
    顔料を含むことを特徴とする着色された巨大分子材料。
  4. 【請求項4】 着色剤を含み、該着色剤が請求項1に記
    載の方法によりコンディショニングされたキナクリドン
    顔料を含むことを特徴とする印刷インキ。
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