JPH06256634A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH06256634A
JPH06256634A JP4782493A JP4782493A JPH06256634A JP H06256634 A JPH06256634 A JP H06256634A JP 4782493 A JP4782493 A JP 4782493A JP 4782493 A JP4782493 A JP 4782493A JP H06256634 A JPH06256634 A JP H06256634A
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JP
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curable composition
compound
molecule
groups
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Application number
JP4782493A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Hashimoto
和昌 橋本
Koji Noda
浩二 野田
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Masakazu Isurugi
正和 石動
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チキソトロピー性が小さく、かつ粘度が低く
て、取扱が容易であり、速硬化性であり、かつ深部硬化
性に優れているばかりでなく、充分な機械的特性を有す
る硬化物となる硬化性組成物を提供する。 【構成】硬化性組成物の主成分は、(A)分子中に少な
くとも1個のアルケニル基を有し、数平均分子量が50
0〜50,000であるポリオキシプロピレン系重合
体、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を
有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)疎水
性シリカ微粉末、及び(E)貯蔵安定性改良剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロシリル化反応に
よって硬化する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硬化してゴム状物質を生成する硬化性液
状組成物としては、従来から各種のものが開発されてい
る。例えば、特開平 3-95266号公報で開示されたヒドロ
シリル化反応を利用した硬化性組成物は、速硬化性であ
り、かつ深部硬化性に優れていることが知られている。
然しながら、この硬化性組成物では機械的特性が充分に
得られず、補強剤により機械的特性を向上させようとす
ると粘度が上昇し、取扱いが難しくなるという問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、取扱いが容
易で、速硬化性であり、かつ深部硬化性に優れ、充分な
機械的特性を有する硬化性組成物を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の硬化性組成物
は、下記の5成分である(A)〜(E)を主成分とする
するものである。(A)分子中に少なくとも1個のアル
ケニル基を有し、数平均分子量が500〜50,000
であるポリオキシプロピレン系重合体、(B)分子中に
少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、
(C)ヒドロシリル化触媒、(D)疎水性シリカ微粉
末、及び(E)貯蔵安定性改良剤。
【0005】本発明の(A)成分である分子中に少なく
とも1個のアルケニル基を有するポリオキシプロピレン
系重合体は、主鎖が主としてオキシプロピレンからなる
重合体であって、線状でも枝分れでもよく、数平均分子
量が500〜50,000であるのが好ましく、1,0
00〜20,000であるのが特に好ましい。数平均分
子量が500未満であると、本発明の組成物を硬化物と
した場合に充分な機械的特性が得られない。然し、分子
量があまり大き過ぎると硬化が不充分となり、充分な機
械的特性が得られない。更に、平均分子量が6,000
以上のものにおいて、分散度(Mw /Mn )が1.5以
下であるものが、硬化前においては粘度が低く取扱いが
容易であり、硬化後においては良好なゴム状弾性挙動を
示す等の点から好ましい。このポリオキシプロピレン系
重合体が有するアルケニル基としては、特に制限はない
が、式(I): H2 C=C(−R1 )− (I) (式中、R1 は水素又はメチル基)で示されるアルケニ
ル基が好適である。
【0006】本発明の(A)成分である分子中に少なく
とも1個のアルケニル基を有するポリオキシプロピレン
系重合体としては、具体的には、次のような式で示され
る重合体を挙げることができる。まず、次の式(II)
で示される重合体がある。 [H2 C=C(−R1 )−R2 −O]a 3 (II)
【0007】(式中、R1 は水素又はメチル基、R2
炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基で1個以上のエ
ーテル基が含まれていてもよく、R3 はポリオキシプロ
ピレン系重合体であり、aは正の整数である。)このR
2 としては、具体的には、−CH2 −、−CH2 CH2
−、−CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3
CH2 −、−CH2 CH2 CH2 CH2 −、−CH2
2 OCH2 CH2 −、−CH2 CH2 OCH2 CH2
CH2 −を挙げることができるが、合成上の容易さから
は−CH2 −が好ましい。次に、次の式(III)で示
されるエステル結合を有する重合体がある。 [H2 C=C(−R1 )−R2 −O−C(=O)]a 3 (III) (式中、R1 、R2 、R3 、及びaは前記と同様であ
る。)また、次の式(IV)で示される重合体がある。 [H2 C=C(−R1 )]a 3 (IV) (式中、R1 、R3 、及びaは前記と同様である。)更
に、次の式(V)で示されるカーボネート結合を有する
重合体がある。 [H2 C=C(−R1 )−R2 −OC(=O)O]a 3 (V) (式中、R1 、R2 、R3 、及びaは前記と同様であ
る。)
【0008】本発明の(A)成分としてポリオキシプロ
ピレン系重合体にアルケニル基を導入する方法について
は、種々提案されている方法を用いることができるが、
例えば、末端、主鎖あるいは側鎖に水酸基、アルコキシ
ド基等の官能基を有するポリオキシプロピレン系重合体
に、上記の官能基に対して反応性を示す活性基及びアル
ケニル基を有する有機化合物を反応させることによっ
て、アルケニル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入する
ことができる。
【0009】上記の官能基に対して反応性を示す活性基
及びアルケニル基を有する有機化合物としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライ
ド、アクリル酸ブロマイド等のC2 〜C20の不飽和脂肪
酸、酸ハライド、酸無水物や、アリルクロロホルメー
ト、アリルブロモホルメート等のC3 〜C20の不飽和脂
肪酸置換炭酸ハライド、アリルクロライド、アリルブロ
マイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ク
ロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼ
ン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロ
メトキシ)ベンゼン、1-ブテニル(クロロメチル)エー
テル、1-ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリ
ルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0010】ポリオキシプロピレン系重合体は、オキシ
プロピレンの通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニ
オン重合)やこの重合体を原料とした鎖延長反応方法に
よって得ることができる。また、高分子量で分子量分布
が狭く官能基を有するポリオキシプロピレン系重合体
は、特開昭 61-197631号公報、特開昭 61-215622号公
報、特開昭 61-215623号公報、特開昭 61-218632号公
報、特公昭46-27250号公報及び特公昭59-15336号公報等
に記載された方法によって得ることができる。
【0011】本発明の(B)成分である分子中に少なく
とも2個のヒドロシリル基を有する化合物としては、特
に制限はないが、ヒドロシリル基を含む基を具体的に例
示すると次のような基が挙げられる。
【0012】例えば、−Si(H)n (CH3 3-n
−Si(H)n (C2 5 3-n 、−Si(H)n (C
4 6 3-n 、[n=1〜3]、−SiH3 (C
6 12)等の珪素原子1個だけを含有するヒドロシリル
基、−Si(CH3 2 Si(CH2 2 H、−Si
(CH3 2 CH2 CH2 Si(CH3 2 H、−Si
(CH3 2 SiCH3 2 、−Si(CH3 2 −P
h−Si(CH3 2 H[Phはp-フェニレン基]、−
Si(CH3 2 NHSi(CH3 2 H、−Si(C
3 2 N[Si(CH3 2 H]2 、−Si(C
3 2 OC(CH3 )=NSi(CH3 2 H、−S
i(CH3 2 N=C(CH3 )OSi(CH3 2
等の珪素原子を2個含む基、−(−SiR2 −O−)m
−(−SiR2 −O−)n
【0013】[式中、RはH、−OSi(CH3 3
び炭素原子数が1〜10の有機基から選ばれる基であ
り、各々のRは同じでも異なっていてもよく、m及びn
は正の整数で、かつ2≦m+n≦50である。]、 −SiR[(−O−SiHR−)m −R][−(−O−
SiHR−)n R] [式中、R、m及びnは上記と同じである。] −SiR[(−O−SiHR−)m −(−O−SiR2
−)p R][(−O−SiHR−)n −(−O−SiR
2 −)q R] [式中、Rは上記と同じ、mは正の整数、n、p及びq
は0又は正の整数で、かつ1≦m+n+p+q≦50で
ある。]
【0014】
【化1】 [式中、Rは上記と同じ、mは正の整数、nは0又は正
の整数で、かつ2≦m+n≦50である。]等で示され
る鎖状、枝分れ状、環状の各種の多価ハイドロジェンシ
ロキサンから誘導された基等が挙げられる。
【0015】これらの各種のヒドロシリル基のうち、本
発明のヒドロシリル基含有化合物の(A)成分に対する
相溶性を損なう可能性が少ないという点から、ヒドロシ
リル基を構成する基の部分の分子量は500以下である
ことが望ましく、更にヒドロシリル基の反応性も考慮す
ると、次に挙げる基が好ましい。
【0016】
【化2】 [式中、pは正の整数、qは0又は正の整数で、かつ2
≦p+q≦4である。]
【0017】
【化3】
【0018】本発明の(B)成分化合物において、同一
分子中にヒドロシリル基含有基が2個以上存在する場合
には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
(B)成分中に含まれるトータルのヒドロシリル基の個
数については、少なくとも1分子中に2個あればよい
が、2〜15個であることが好ましく、3〜12個であ
ることが特に好ましい。本発明のヒドロシリル基含有化
合物[(B)成分]をヒドロシリル化触媒の存在下で、
アルケニル基を有する重合体[(A)成分]と混合して
ヒドロシリル化反応によって硬化させる場合には、該ヒ
ドロシリル基の個数が2より少ないと硬化不良を起こす
場合が多い。また、該ヒドロシリル基の個数が15より
多くなると(B)成分の安定性が悪くなり、そのうえ硬
化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存して、ボ
イドやクラックの原因となる。
【0019】本発明の(B)成分のヒドロシリル基含有
化合物としては特に制限はないが、低分子量のものから
重合体に至る各種の化合物を用いることができる。これ
らを具体的に例示する。式(VI)
【0020】
【化4】
【0021】[式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基であり、R1 、R2 及びR3 は式(II)
におけるR1 、R2 及びR3 とそれぞれ同じで、aは整
数である。]で表わされるエーテル結合を有する化合
物、式(VII)
【0022】
【化5】
【0023】[式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基であり、R1 、R2 及びR3 は式(II
I)におけるR1 、R2 及びR3 とそれぞれ同じで、a
は整数である。]で表わされるエステル結合を有する化
合物、式(VIII)
【0024】
【化6】
【0025】[式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基であり、R1 及びR3 は式(III)にお
けるR1 及びR3 とそれぞれ同じで、aは整数であ
る。]で表わされる炭化水素系の化合物、式(IX)
【0026】
【化7】
【0027】[式中、Xは上記のヒドロシリル基を1個
以上有する基であり、R1 、R2 及びR3 は式(V)に
おけるR1 、R2 及びR3 とそれぞれ同じで、aは整数
である。]で表わされるカーボネート結合を有する化合
物を挙げることができる。
【0028】本発明の(B)成分として有機重合体を用
いる場合、重合体は線状でも枝分れ状でもよく、分子量
は500〜50,000の任意のものが好適に使用でき
るが、500〜20,000のものが特に好ましい。
(B)成分に含まれるヒドロシリル基は分子末端にあっ
ても分子中にあっても良いが、本発明の組成物を用いて
ゴム状硬化物を作製する場合には、分子末端にある方が
有効網目鎖長が長くなるので好ましい。
【0029】本発明の(B)成分化合物の製造方法とし
ては特に制限はなく、任意の方法を用いることができ
る。例えば、 (i)分子内にSi−Cl基を持つ有機化合
物をLiAlH4 、NaBH4 等の還元剤で処理して該
化合物のSi−Cl基をSi−H基に還元する方法、(i
i)分子内にある官能基Xを持つ有機化合物と分子内に上
記官能基と反応する官能基Y及びヒドロシリル基を同時
に持つ化合物とを反応させる方法、 (iii)アルケニル基
を持つ有機化合物に対して少なくとも2個のヒドロシリ
ル基を持つポリヒドロシラン化合物を選択ヒドロシリル
化することによって反応後もヒドロシリル基を該化合物
の分子中に残存させる方法等が考えられる。このうち
(iii)の方法が特に好ましい。
【0030】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボ
ンブラック等の単体に固体白金を担持させたもの、塩化
白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン
等との錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(C
2 =CH2 2 (PPh3 2 Pt(CH2 =C
2 2 Cl2 )、白金−ビニルシロキサン錯体(例え
ば、Ptn (ViMe2 SiOSiMe2 Vi)m 、P
t[(MeViSiO)4 m )、白金−ホスフィン錯
体(例えば、Pt(PPh3 4 、Pt(PB
3 4 )、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt
[P(OPh)3 4 )、[式中、Meはメチル基、B
uはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表
し、m、nは整数を表す]、ジカルボニルジクロロ白
金、またアシュビー(Ashby) の米国特許第 3,159,601号
及び 3,159,662号明細書に記載された白金−炭化水素複
合体、並びにラモロー(Lamoreaux) の米国特許第 3,22
0,972号明細書に記載された白金アルコラート触媒も挙
げられる。更に、モディック(Modic) の米国特許第 3,5
16,946号明細書に記載された塩化白金−オレフィン複合
体も本発明において有用である。
【0031】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl2
3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 ,TiCl4
が挙げられる。これらの触媒は単独で使用しても良く、
2種以上併用することもできる。触媒活性の点から、塩
化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アセチルアセ
トネート錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が好まし
い。
【0032】本発明の(C)成分である触媒の量として
は、特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1
モルに対して、10-1〜10-8モルの範囲で用いるのが
良い。好ましくは10-3〜10-6モルの範囲で用いるの
が良い。10-8モルより少ないと硬化が十分に進行しな
い。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性
であり、また、水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡
してしまう場合があるので10-1モル以上用いないほう
が良い。
【0033】本発明においては、貴金属触媒を用いた、
アルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬
化性組成物が硬化するので、硬化速度が非常に速く、ラ
イン生産を行う上で好都合である。
【0034】本発明の(D)成分である疎水性シリカ微
粉末としては、珪酸ソーダの加水分解による湿式製造法
等から得られる含水シリカ及び四塩化珪素等のハロゲン
化珪素あるいは有機珪素化合物の熱分解による乾式製造
法等から得られる無水シリカ等のシリカ微粉末の表面を
疎水性にしたものを用いることができる。シリカ微粉末
の表面にはシラノール基が存在し、親水性を示し、空気
中の水分を吸着し易く、また組成物のチキソトロピー性
をあげ、粘度が高くなる等、取扱が難しい欠点をもって
いる。そこで、表面に存在するシラノール基の50%以
上を疎水性を有する置換基で置換することにより表面を
疎水性にすることができ、空気中の水分の吸着をおさ
え、また組成物のチキソトロピー性を小さくすることが
でき、粘度が低くなり取扱が容易となる。疎水性置換基
としては、アルキル基が優れており、メチル基が処理の
し易さ等から好ましい。
【0035】シリカを疎水性にするには、シリカ微粉末
をアルキルシラン、例えばジメチルジクロロシラン等で
処理することによって、疎水性シリカ微粉末を得ること
ができる。具体的には、例えば、日本アエロジル(株)
のアエロジル、R972、アエロジルR974、アエロジルR20
2、アエロジルR805、アエロジルR812等が挙げられる。
【0036】疎水性シリカ微粉末の添加量は、(A)成
分100重量部に対して1〜100重量部であることが
好ましく、10〜60重量部であることが特に好まし
い。添加量が少なすぎると充分な強度が得られなくなる
おそれがある。また、添加量が多すぎると粘度の上昇が
大きく作業性が悪くなり、また良好な硬化物が得られな
くなるおそれがある。
【0037】本発明の(E)成分である貯蔵安定性改良
剤は、本組成物の貯蔵安定性を改良するために添加する
ものであり、(B)成分の貯蔵安定剤として知られてい
る通常の安定剤で所期の目的を達成するものであれば良
く、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族
不飽和結合を含有する化合物、有機燐化合物、有機硫黄
化合物、窒素含有化合物、錫系化合物、有機過酸化物等
を好適に用いることができる。具体的には、ベンゾチア
ゾール、チアゾール、ジメチルマレート、2-ペンテンニ
トリル、2,3-ジクロロプロペン等が挙げられ、特にポッ
トライフ/速硬化性の両立という点でチアゾール、ベン
ゾチアゾールが好ましいが、これらに限定されるわけで
はない。貯蔵安定性改良剤の使用量は、(A)成分及び
(B)成分に均一に分散する限りにおいてほぼ任意に選
ぶことができるが、(B)成分のSi−H基含有化合物
1モルに対し、10-6〜10-1モルの範囲で用いること
が好ましい。この量が10-6未満では(B)成分の貯蔵
安定性が充分に改良されず、また10-1モルを超えると
硬化を阻害することがあるからである。貯蔵安定性改良
剤は単独で用いても、また2種以上を混合して用いても
良い。
【0038】更に、本発明の硬化性組成物には、必要に
応じて、その他の充填剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線
吸収剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができ
る。この充填剤の具体例としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、珪藻土、
硫酸バリウム、カーボンブラック等を挙げることができ
る。
【0039】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明組成物を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 合成例1 この例では、特開昭 53-134095号公報に開示された方法
に従って、末端にアリル型オレフィン基を有するポリオ
キシプロピレンを合成した。
【0040】平均分子量3000のポリオキシプロピレ
ングリコールと粉末苛性ソーダを60℃で撹拌し、ブロ
モクロロメタンを加えて、反応を行い、分子量を増大さ
せた。次に、アリルクロライドを加えて110℃で末端
をアリルエーテル化した。これを珪酸アルミニウムで処
理して、精製末端アリルエーテル化ポリオキシプロピレ
ンを合成した。
【0041】このポリエーテルの数平均分子量は796
0であり、沃素価から末端の92%がオレフィン基であ
った。E型粘度計による粘度は130ポイズ(40℃)
であった。 合成例2
【0042】200mLの4つ口フラスコに3方コック付
冷却管を、均圧滴下漏斗、温度計、マグネチック・チッ
プ、ガラスストッパーを取付けたものを用意した。窒素
雰囲気下で、次の式
【0043】
【化8】
【0044】で表わされる環状ポリハイドロジェンシロ
キサン(信越化学株式会社製、 LS 8600)の12.30
g(50ミリモル)及びトルエン20mLをフラスコ内に
仕込んだ。1,9-デカジエン2.76g(20ミリモ
ル)、塩化白金酸触媒溶液(H2 PtCl6 ・6H2
の1gをエタノール1g及び1,2-ジメトキシエタン9g
に溶かした溶液)20μL をトルエン30mLに溶解した
ものを滴下漏斗内へ仕込んだ。フラスコを50℃のオイ
ルバスにつけ、窒素雰囲気下で該トルエン溶液をフラス
コ内へ2時間かけて滴下した。滴下終了後50℃で更に
1時間反応させた時点で、IRスペクトルを測定したと
ころ、1640cm-1付近のオレフィンの吸収が完全に消
失していたので、この時点で反応を終了した。反応が終
了した該トルエン溶液を塩化アンモニウム飽和水溶液
(100mL×2)、イオン交換水(100mL×1)で洗
浄後、Na2 SO4 で乾燥した。Na2 SO4 を濾過し
て取り除き、ベンゾチアゾール(13μL 、0.12ミ
リモル)を加え、揮発分をエバポレートして除去後、8
0℃で減圧脱気することにより、9.11gの無色透明
の液体を得た。該炭化水素系化合物中のヒドロシリル基
は2170cm-1の強い吸収として確認された。また、3
00MHzのNMRでSi−とSi−C 3 とのプロ
トンの強度比から、該化合物は平均して次の構造式
【0045】
【化9】 を有する混合物[n=0〜2]であることが判った。S
i−H価は0.769モル/100gであった。 合成例3
【0046】ビスフェノールA114g(0.5モ
ル)、5N水酸化ナトリウム水溶液250mL(1.25
モル)及びイオン交換水575mLをよく混合した。次
に、相間移動触媒として、ベンジルトリエチルアンモニ
ウムクロライド
【0047】
【化10】
【0048】の7.78g(25ミリモル)を加えた。
該水溶液にアリルブロマイド242g(2.0モル)を
トルエン300mLに溶解した溶液を、滴下漏斗から徐々
に滴下した。80℃で2時間撹拌しながら反応させた。
この時点で水層の pHを測定すると酸性になっていたの
で、加熱撹拌を止めた。重曹水で有機層を洗浄した後、
更にイオン交換水で洗浄し、Na2 SO4 で乾燥した。
エバポレーションによって揮発分を除去後、80℃で2
時間減圧乾燥することにより、淡黄色の粘稠な液体14
6g(収率95%)を得た。この粘稠な液体は、元素分
析、300MHz 1H−NMR、IRスペクトル等の同
定により、ビスフェノールAのジアリルエーテルである
ことが確認された。
【0049】IR(neat)cm-1、3070(m,ν
=C−H)、3030(m)、2960(s)、292
0(s)、(ν=C−H)、1645(m,ν=C−
H)、1620(s)、1520(s)、1290
(s)、1235(s)、1180(s)、1025
(s)、1000(s)、920(s)、825(s) 元素分析:計算値 C:81.78%、 H:7.84% 実測値 C:81.9 %、 H:7.96% 合成例4 撹拌棒、滴下漏斗、温度計、3方コック、冷却管を備え
付けた200mLの4つ口フラスコを準備した。次に、窒
素雰囲気下で次の式
【0050】
【化11】
【0051】で表わされる環状ハイドロジェンポリシロ
キサン(信越化学株式会社製、 LS 8600)の12.03
g(50ミリモル)及びトルエン20mLをフラスコ内に
仕込んだ。合成例3で合成したビスフェノールAジアリ
ルエーテル6.16g(20ミリモル)、塩化白金酸触
媒溶液(H2 PtCl6 ・6H2 Oの1.0gをエタノ
ール/1,2-ジメトキシエタン(1/9v/v)9gに溶
解したもの)41μL をトルエン50mLに溶解し、よく
混合した後、滴下漏斗内へ仕込んだ。70℃で該トルエ
ン溶液をフラスコ内に1.5時間かけて滴下した。更に
80℃で5時間反応させた時点で、IRスペクトルを取
ったところ1645cm-1付近のオレフィンに由来する吸
収が完全に消失していたので、この時点で反応を終了し
た。反応混合物にジメチルアセチレンジカルボキシレー
ト(34μL 、0.24ミリモル)を添加した後、トル
エンを減圧留去後、80℃で1時間減圧乾燥することに
より12.0gの淡黄色の粘稠な液体が得られた。この
粘稠な液体は、300MHz 1H−NMR、IRスペク
トル等の同定により、次の構造式
【0052】
【化12】 を有するSi−H基含有エーテル系化合物であることが
判った。Si−H基の数を計算すると0.52モル/1
00gであった。 合成例5 200mLの4つ口フラスコに、3方コック付冷却管、均
圧滴下漏斗、温度計、回転子、ガラスストッパーを取付
けたものを用意した。窒素雰囲気下、次の式
【0053】
【化13】
【0054】で表わされる環状ハイドロジェンポリシロ
キサン(信越化学株式会社製、 LS 8600)の12.30
g(50ミリモル)及びトルエン20mLをフラスコ内に
仕込んだ。次の式
【0055】
【化14】
【0056】で表わされるジエチレングリコールジアリ
ルカーボネート(三井石油化学株式会社製、 RAV-7N )
5.49g(20ミリモル)、塩化白金酸触媒溶液(H
2 PtCl6 ・6H2 Oの1.0gをエタノール/1,2-
ジメトキシエタン(1/9v/v)9gに溶解したも
の)41μL をトルエン50mLに溶解したものを滴下漏
斗内に仕込んだ。フラスコを50℃のオイルバスにつ
け、窒素雰囲気下で該トルエン溶液をフラスコ内へ1.
5時間かけて滴下した。滴下終了後、IRスペクトルを
測定したところ、1640cm-1付近のオレフィンの吸収
が完全に消失していたので、この時点で撹拌を終了し
た。反応混合物にジメチルアセチレンジアリルカルボキ
シレート(34μL 、0.24ミリモル)を添加した
後、エバポレートして揮発分を除去することにより、少
し粘稠な淡黄色液体10.2gを得た。該カーボネート
系化合物のヒドロシリル基はIRスペクトルで2170
cm-1の強い吸収として確認された。また、300MHz
のNMRでSi−とSi−C 3 とのプロトンの強度
比(実測値=0.181)と計算状の強度比とを比較す
ることによって、該化合物は平均して次の構造式
【0057】
【化15】 を有することが判った。これをもとに単位重量中のSi
−H基の数を計算すると0.47モル/100gであっ
た。 実施例1〜5、比較例
【0058】合成例1で得た有機重合体、合成例2、4
又は5で得られたSi−H基含有化合物、シリカ微粉末
(日本アエロジル(株)製)、貯蔵安定性改良剤、酸化
防止剤(イルガノックス1010)及び触媒として塩化白金
酸触媒溶液(H2 PtCl6・6H2 Oの1.0gをエ
タノール/1,2-ジメトキシエタン(1/9v/v)99
gに溶解したもの)を表−1に示すように計量し、混合
した後、減圧下で脱泡した。B型粘度計で粘度を測定す
ると共に、高化式フローにより流動特性を測定した。そ
の結果は、表−2に示す通りである。
【0059】更に、この組成物を型に流し込み、100
℃で10分間硬化させて硬化物を作成した。JIS K
6301に準じ、ダンベル引張り強度、硬さを測定し
た。その結果は、表−3に示す通りである。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】以上の結果を検討すると、本発明の硬化性
組成物は、チキソトロピー性が小さく、かつ粘度が低く
て、取扱が容易であり、また得られた硬化物は充分な機
械的特性を有するものであることが判った。
【0064】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、チキソトロピ
ー性が小さく、かつ粘度が低くて、取扱が容易であり、
速硬化性であり、かつ深部硬化性に優れているばかりで
なく、充分な機械的特性を有する硬化物を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子中に少なくとも1個のアルケ
    ニル基を有し、数平均分子量が500〜50,000で
    あるポリオキシプロピレン系重合体、 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物、 (C)ヒドロシリル化触媒、 (D)疎水性シリカ微粉末、及び (E)貯蔵安定性改良剤 を主成分とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 疎水性シリカ微粉末が表面のシラノール
    基の50%以上をアルキル基で保護したシリカ微粉末で
    ある請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 疎水性シリカ微粉末が表面のシラノール
    基の50%以上をメチル基で保護したシリカ微粉末であ
    る請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 貯蔵安定性改良剤がジメチルマレート、
    ジメチルアセチレンジカルボキシレート、2-ペンテンニ
    トリル、ベンゾチアゾール、チアゾール、2,3-ジクロロ
    プロペン、キノリンの少なくとも1種である請求項1に
    記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 分子中に少なくとも1個のアルケニル基
    を有するポリオキシプロピレン系重合体の数平均分子量
    が6,000以上で、分散度(Mw /Mn )が1.5以
    下である請求項1に記載の硬化性組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194075A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリアルキレンオキサイド系重合体の製造方法

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JP2002194075A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリアルキレンオキサイド系重合体の製造方法

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