JPH06256191A - 糖尿病性合併症治療剤 - Google Patents

糖尿病性合併症治療剤

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JPH06256191A
JPH06256191A JP4813693A JP4813693A JPH06256191A JP H06256191 A JPH06256191 A JP H06256191A JP 4813693 A JP4813693 A JP 4813693A JP 4813693 A JP4813693 A JP 4813693A JP H06256191 A JPH06256191 A JP H06256191A
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JP
Japan
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group
compound
opq
pyrrolo
quinoline
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Application number
JP4813693A
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English (en)
Inventor
Sadaji Uragami
貞治 浦上
Akinori Oda
晃規 小田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体吸収性に優れ、かつ強いアルドース還元
酵素阻害活性を示す糖尿病性合併症の予防および治療剤
を提供する。 【構成】 式 〔Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を示
し、該アルキル基は水酸基、カルボキシル基、メルカプ
ロ基、カルバモイル基、ヒドロキシフェニル基、グアニ
ジノ基、イミダゾリル基またはメチルメルカプト基によ
って置換されていてもよい。Y1 およびY2 はOR
1 (R1 はアルキル基、アリル基またはベンジル基を示
す)、NH−R2 (R2 はアルキル基、アリル基または
ベンジル基を示す)あるいはOHを示すが、Y1 および
2 がともにOHを示す場合を除く〕で示されるオキサ
ゾピロロキノリンキノン類のモノエステル、ジエステ
ル、モノアミド、ジアミドあるいはモノエステル・モノ
アミド化合物を有効成分とする糖尿病性合併症の予防お
よび治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なオキサゾピロロ
キノリン化合物を有効成分とする糖尿病性合併症治療剤
に関し、さらに詳細には、2,8,10- トリカルボキシ-1H-
オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリンのモノエ
ステル、ジエステル、モノアミド、ジアミドあるいはモ
ノエステル・モノアミド体を有効成分とする糖尿病性合
併症治療剤に関するものである。
【0002】
【従来技術、発明が解決しようとする課題】糖尿病性合
併症には、糖尿病性白内障、糖尿病性神経症、糖尿病性
腎疾患、糖尿病性網膜症、糖尿病性角膜症などの諸疾患
がある。これらの糖尿病性合併症にアルドース還元酵素
が重要な働きをになっていると考えられている。一般
に、アルドース還元酵素は、グルコースをNADPHの
存在下でソルビトールに還元する酵素である。このソル
ビトールは、NADの存在下でソルビトール脱水素酵素
によりフラクトースに変換される。このグルコースがソ
ルビトールを介してフラクトースに変換される経路は、
ポリオール代謝と呼ばれている。グルコースは、エネル
ギー源として重要な物質であり、正常時では、細胞に取
り込まれた後に大部分がヘキソキナーゼの作用でグルコ
ース−6−リン酸になって解糖系で代謝され、ポリオー
ル経路を介して代謝されるのはわずか数%である。しか
し、糖尿病で高血糖状態になると末梢神経、網膜、水晶
体、角膜、血管、腎糸球体、赤血球などのインスリン非
依存性組織の細胞内グルコース濃度が上昇し、ポリオー
ル経路を介したグルコース代謝が亢進され、ソルビトー
ルの過剰産生が認められる。このソルビトールは極性が
高いので細胞外への拡散が悪く、このために糖尿病性合
併症が発症すると考えられている。
【0003】そこで、アルドース還元酵素を阻害するこ
とにより、糖尿病性合併症の予防および治療が可能であ
り、種々のアルドース還元酵素阻害剤が研究開発されて
いる。また、近年本願発明者等は酸化還元酵素の新しい
補酵素として見いだされたピロロキノリンキノン(PQ
Q)のアミノ酸付加体であるオキサゾピロロキノリン類
(以下OPQ類と略す)が強いアルドース還元酵素阻害
活性を示すことを見いだしている。(特開平3-294228号
公報、特開平4-91025 号公報)。このOPQ類は、毒性
が低く糖尿病性合併症治療剤として好ましい化合物であ
るものの、経口投与による生体吸収性に問題があり、生
体吸収性に優れ、かつアルドース還元酵素阻害活性の強
いOPQ類の誘導体を見いだすことが出来れば、糖尿病
性合併症の予防および治療薬として開発できるものと期
待される。
【0004】
【問題を解決するための手段、作用】本発明者は、前記
した理由により、毒性が低く、生体吸収性に優れかつ、
アルドース還元酵素を強力に阻害するOPQ類の誘導体
について鋭意研究を進めたところ、オキサゾピロロキノ
リン類のエステルおよびアミド化合物のうち、少なくと
も8位がカルボキシル基(COOH)であるオキサゾピ
ロロキノリン類のモノエステル、ジエステル、モノアミ
ド、ジアミドあるいはモノエステル・モノアミド体が、
毒性が低く、生体吸収性に優れており、かつ強いアルド
ース還元酵素阻害活性を示し、糖尿病性合併症治療剤と
して好ましいことを見いだした。すなわち、本発明は化
2で示されるオキサゾピロロキノリン類のモノエステ
ル、ジエステル、モノアミド、ジアミドあるいはモノエ
ステル・モノアミド化合物を有効成分とする糖尿病合併
症治療剤である。
【0005】
【化2】 本発明に用いられるOPQ類としては、PQQ類とグリ
シン、スレオニン、トリプトファン、プロリン、チロシ
ン、セリンおよびモノメチルアミンのいずれか1種とか
ら得られるOPQ(特開平3-294281号)、PQQ類とセ
リンから得られるヒドロキシメチルOPQ(特開平3-12
3782号)、PQQ類とバリンから得られる1−メチルエ
チルOPQ(特開平3-170484号) 、PQQ類とイソロイ
シンから得られる1−メチルプロピルOPQ(特開平3-
170485号)、PQQ類とロイシンから得られる2−メチ
ルプロピルOPQ(特開平3-170486号)、PQQ類とア
ラニンから得られるメチルOPQ(特開平3-188081
号)、PQQ類とグルタミン酸から得られる2−カルボ
キシエチルOPQ(特開平3-190882号)、PQQ類とグ
ルタミンから得られる2−カルバモイルエチルOPQ
(特開平3-188082号)、PQQ類とメチオニンから得ら
れる2-メチルチオエチルOPQ(特開平3-19088 号)、
PQQ類とフェニルアラニンから得られるベンジルOP
Q(特開平3-190881号)、PQQ類とチロシンから得ら
れる4−ヒドロキシフェニルメチルOPQ(特開平4-93
87号)、PQQ類とアスパラギン酸から得られるカルボ
キシメチルOPQ、PQQとアスパラギンから得られる
カルバモイルメチルOPQ、PQQ類とヒスチジンから
得られる4−イミダゾリルメチルOPQ、PQQ類とリ
ジンから得られる4−アミノブチルOPQ、PQQ類と
アルギニンから得られる3−グアニジノプロピルOP
Q、PQQ類とシステインから得られるメルカプトメチ
ルOPQなどがある。
【0006】また、本発明のOPQ類のモノエステル、
ジエステル、モノアミド、ジアミドあるいはモノエステ
ル・モノアミドとしては、化2に示したようにOPQ類
の8位がカルボキシル基であり、Y1 およびY2 がOR
1 (R1 はアルキル基、アリル基またはベンジル基を示
す)、NH−R2 (R2 はアルキル基、アリル基または
ベンジル基を示す)あるいはOHを示す化合物である。
ただしY1 およびY2がともにOHを示す場合を除く。
【0007】本発明に係わるOPQ類化合物の具体例と
しては、以下の化合物を挙げることができる。 化合物1:8,10- ジカルボキシ- 2-メトキシカルボニル
-1H-オキサゾ[5,4-h]ピロロ[2,3-f ]キノリン 化合物2:8-カルボキシ-2,10-ジメトキシカルボニル-1
H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン 化合物3:10- (N-n-アミル)カルバモイル-2,8- ジカ
ルボキシ-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノ
リン 化合物4:10- (N-n-アミル)カルバモイル-8- カルボ
キシ-2- メトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピ
ロロ[2,3-f ]キノリン 上記化合物の製造法について以下に詳しく述べる。
【0008】化合物1、ないし2のOPQエステルは、
対応するPQQエステル化合物をホルマリン/塩化アン
モニウムで処理することによって合成することができ
る。それらPQQエステルの合成は化3に示すごとく、
PQQのトリメチルエステルから選択的な加水分解によ
って得ることができる。PQQのエステル化にはアルコ
ールを用いた酸触媒による反応、アルキルハライドと塩
基を用いる反応、さらに、アルコールまたはアルコキシ
ドと2−ハロピリジニュム塩、ジカルボニルイミダゾー
ル、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の反応助剤を用
いる反応などによって行うことができる。また、加水分
解反応による選択的な加水分解は、塩基または酸性条件
下の反応以外に、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化リチ
ウム、ハロゲン化アルミニウム/アルキルチオール、三
臭化ほう素、青酸カリウム等の反応試薬を用いることに
より行うことが出来る。
【0009】
【化3】
【0010】化合物3および4は、 10-(N-n-アミル)
カルバモイル-2,8- ジメトキシカルボニル-1H-オキサゾ
[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(以下OPQ-2,8-DM
E-10-AA と略す)得、これを加水分解することにより得
ることが出来る。なお、OPQ-2,8-DME-10-AA は2,7-ジメ
トキシカルボニル-9- カルボキシ-PQQをホルマリン/塩
化アンモニウムで処理した後、10位カルボン酸を縮合剤
を用いてアミンと反応させることによって合成すること
ができる。合成法を化4に示す。
【0011】
【化4】
【0012】OPQ類のモノエステル、ジエステル、モ
ノアミド、ジアミド、あるいはモノエステル・モノアミ
ドの精製は、適宜抽出、再結晶、シリカゲルクロマトグ
ラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、濃縮、
遠心、乾燥等の操作を行うことによってこれを行うこと
が可能である。また、得られた化合物の同定には、元素
分析、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルおよ
び紫外・可視吸収スペクトルなどの手段が用いられ、定
量は、高速液体クロマトグラフィーにより行うことが出
来る。化合物の物性を以下の表1に示した。
【0013】
【表1】 表1 化合物番号 融点a) 1H−NMR スペクトル(δppm 値)b) 1 >300 ℃ 3.91(s,3H),7.37(d,J=2Hz,1H),8.62(s,1H) 9.68(s,1H),13.89(br,1H) 2 >300 ℃ 3.99(s,3H),4.20(s,3H),7.43(d,J=2Hz,1H) 8.41(s,1H),9.57(s,1H),13.53(br,1H) 3 >300 ℃ 0.90(t-like,3H),1.1-1.6(m,6H),3.47(m, 2H),7.29(d,J=2.6Hz,1H),8.22(s,1H),9.30 (s,1H),9.50(br,1H),12.88(br,1H) 4 256−260 ℃ 0.90(t-like,3H),1.2-1.7(m,6H),3.41(m, 2H),7.33(d,J=2.3Hz,1H),8.22(s,1H),9.29 (s,1H),13.00(br,1H) a)すべての化合物において測定中に分解がみられた。 b)重ジメチルスルホキシドまたは重ジメチルホルムア
ミド中テトラメチルシランを内部標準とした。
【0014】本発明の有効成分を製剤化するには、界面
活性剤、賦形剤、着色料、保存量、コーティング助剤な
どが適宜使用される。また、他の薬剤との併用も行うこ
とが出来る。
【実施例】以下に、本発明に係わるOPQ類のモノエス
テル、ジエステル、モノアミド、ジアミドあるいはモノ
エステル・モノアミド化合物の糖尿病性合併症治療効果
を示す実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0015】実施例18,10- ジカルボキシ- 2-メトキシカルボニル- 1H- オキ
サゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合物1)
の製造 2,8,10- トリメトキシカルビニル-1H-オキサゾ[5,4-h]
ピロロ[2,5-f] キノリン76.6mg(0.200 mmol)を300 ml
のアセトニトリルに懸濁させ、25℃にて攪拌しながらこ
れに180 mlの0.1M炭酸カリウム水溶液を加えた。28分間
激しく攪拌した後、30mlの1N塩酸を加えて反応を停止し
た。反応混合物を120 mlにまで濃縮した後、析出した固
体を濾別し、ジメチルホルムアミド−イソプロピルエー
テルから再結晶し、61.2mg(収率 86.2 %)の標題化合
物を橙色結晶として得た。
【0016】実施例28-カルボキシ- 2,10- ジメトキシカルボニル- 1H- オキ
サゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合物2)
の製造 以下のようにPQQトリメチルエステルから2段階で合
成した。 (1) 7- カルボキシ- 4,5-ジヒドロ-2,9ジメトキシカ
ルボニル-4,5- ジオキソ-1H-ピロロ[2,3-f ]キノリン
の合成 PQQトリメチルエステル100mg (0.269 mmol)を5 ml
のトリフロロ酢酸−水の混合溶媒(トリフルオロ酢酸/
水=3 /1 )に溶かし、これを60℃にて12時間加熱し
た。冷却後、15mlの水を加えてクロロホルムにて抽出し
た。硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し得られた
橙色固体をエーテルにてよく洗浄した。減圧乾燥後、64
mg(収率 67 %)の標題化合物を橙赤色結晶として得
た。この化合物の物性は以下のごとくであった。
【0017】1H−NMRスペクトル(重ジメチルスル
ホキシド溶媒、テトラメチルシラン内部標準);δ=3.
89(s,3H)、4.05(s,3H)、7.28(s,1H)、8.56(s,1
H)、12.52 (s,1H)ppm
【0018】(2) 8- カルボキシ-2,10-ジメトキシカ
ルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノ
リンの合成 7-カルボキシ-4,5- ジヒドロ-2,9- ジメトキシカルボニ
ル-4,5- ジオキソ-1H-ピロロ[2,3-f ]キノリン 35.8
mg(0.100 mmol)を15mlのメタノールに溶かし、これに
37%ホルマリン5mlと20%塩化アンモニウム3mlを加え
た。反応混合物を室温にて攪拌しながら反応溶液のpHを
4N水酸化ナトリウムにて5〜6として5時間攪拌した。
2N塩酸にて反応溶液のpHを1.5 にしてから、エバポレー
ターを用いて溶液を半分の用量にまで濃縮した。析出し
た固体を濾別し、0.1N塩酸、エタノール、エーテルにて
洗浄した。減圧下乾燥して標題化合物30.1mg(収率 81.
6%)を橙色固体として得た。
【0019】実施例310- (N-n- アミル)カルバモイル- 8-カルボキシ- 2-メ
トキシカルボニル1H- オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-
f ]キノリン(化合物4)の製造 以下のようにPQQトリメチルエステルから5 段階で合
成した。 (1) 7,9- ジカルボキシ- 4,5-ジヒドロ-2- メトキシ
カルボニル-4,5- ジオキソ-1H-ピロロ[2,3-f ]キノリ
ンの合成 PQQトリメチルエステル150mg (0.403 mmol)を75ml
のアセトニトリルと75mlの0.1M炭酸カリウム水溶液との
混合溶媒に溶かし、これを25℃にて4 時間攪拌した。反
応混合物を濃塩酸にてpH1 に調整し、酢酸エチルにて抽
出した。硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し得ら
れた橙色固体をエーテルにてよく洗浄した。減圧乾燥
後、98mg(収率 64 %)の標題化合物を赤色結晶として
得た。この化合物の物性は以下のごとくであった。 融点>300 ℃(分解)1 H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド溶
媒、テトラメチルシラン内部標準);δ=3.87(s,3
H)、7.27(s,1H)、8.61(s,1H)、13.49 (s,1H)ppm
【0020】(2) 2,7- ジメトキシカルボニル- 9-カ
ルボキシ- 4,5-ジヒドロ- 4,5-ジオキソ-1H-ピロロ[2,
3-f ]キノリンの合成 (1)で得たPQQモノメチルエステル 85mg (0.247
mol )を15mlのメタノールに溶かし、これに濃硫酸0.3
mlを滴加し、この混合物を60℃にて4 時間加熱した。反
応終了後0.1M炭酸カリウムにてpHを5 に調整し酢酸エチ
ルにて抽出した。硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留
去し得られた赤色固体をシリカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒、酢酸エチル/酢酸=1/2)にて精製した
のち、酢酸エチルから再結晶して36mg(収率 41 %)の
標題化合物を赤色結晶として得た。この化合物の物性は
以下のごとくであった。
【0021】融点 243 〜244 ℃1 H−NMRスペクトル(重ジメチルスルホキシド溶
媒、テトラメチルシラン内部標準);δ=3.87(s,3
H)、3.95(s,3H)、7.27(s,1H)、8.63(s,1H)、14.
52 (s,1H )ppm
【0022】(3) 10-カルボキシ- 2,8-ジメトキシカ
ルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノ
リンの合成 (2)で得たPQQジメチルエステル 362mg(1.01 mmo
l )を90mlのジメチルホルムアミドと200 mlのメタノー
ルに溶解し、これに37%ホルマリン66mlと20%塩化アン
モニウム40mlを加えた。60℃に19時間加熱した後、氷冷
して析出する固体を濾別し、0.1N塩酸で洗浄し減圧下乾
燥し280mg の粗固体を得た。固体を合わせてジメチルホ
ルムアミドから再結晶し標題化合物221mg (収率 71.8
%)の橙色固体として得た。
【0023】(4) 10-(N-n- アミル)カルバモイル-
2,8- ジメトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピ
ロロ[2,3-f ]キノリンの合成 (3)で得たOPQジメチルエステル 100mg(0.272 mm
ol)とカルボニルジイミダゾール 442mg(2.72 mmol )
を10mlの乾燥ジメチルホルムアミドに溶解させ、この溶
液を65℃に20時間加熱した。次に、この反応溶液を氷冷
しながら、475mg (5.45 mmol )のn-アミルアミンを1
mlの乾燥ジメチルホルムアミドで希釈した溶液を滴加し
た。氷冷下2時間攪拌した後、反応混合物を100 mlの1N
塩酸に注ぎクロロホルムで抽出した。有機層を1N塩酸、
水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開
剤:クロオホルム/メタノール=95/5)で精製後、クロ
ロホルム/メタノールから再結晶して88.8mg(収率 84.
7 %)の標題化合物を橙色結晶として得た。この化合物
の物性は以下のごとくであった。
【0024】融点 218 〜222 ℃1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒、テトラメチル
シラン内部標準);δ=0.98(t-like,3H )、1.1-2.0
(m,6H)、3.66(m,2H)、3.97(s,3H)、4.10(s,3
H)、7.27(d, J=2.6Hz,1H )、7.85(s,1H)、7.90(b
r,1H )8.79(s,1H)、11.77 (br,1H )ppm
【0025】(5) 10-(N-n- アミル)カルバモイル-8
- カルボキシ-2- メトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,
4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合物4)の製造 (4)で得た化合物 79.3mg (0.182 mmol)を30mlのジ
メチルホルムアミドに溶解させ、これに19mlの0.1M炭酸
カリウム水溶液を加えた。この溶液を60℃にて1時間攪
拌した後、1N塩酸20mlを加えた。析出する結晶を濾別
し、蒸留水でよく洗浄後、減圧下乾燥し、73.6mg(収率
99.0 %)の標題化合物を橙色結晶として得た。
【0026】実施例410- (N-n-アミル)カルバモイル-2,8- ジカルボキシ-1
H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合
物3)の製造 実施例3で得られた10- (N-n-アミル)カルバモイル-8
- カルボキシ-2- メトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,
4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合物4)186 mg
(0.439 mmol)を20mlのジメチルホルムアミドと150 ml
の0.1M炭酸カリウム水溶液との混合溶媒に溶解させ、こ
れを30℃にて70時間攪拌した。反応混合物に6mlの濃塩
酸を加え、析出した固体を遠心分離した後、ジメチルホ
ルムアミドから再結晶して139mg (収率77.1%)の標題
化合物を橙色結晶として得た。
【0027】実施例5 西村らの方法(西村ら、J. Biol. Chem., 第265巻, 978
8頁−9792頁, 1990年、Biochem. Biophys. Acta. 第107
8巻, 171 頁−178 頁, 1991年、谷本&西村,実験医学,
第9 巻, 第5 号(増刊),165頁−170 頁,1991 年)によ
りバキュロウィルス−昆虫細胞系を用いて組換え体のヒ
トのアルドース還元酵素を大量発現させ、アフィニティ
−クロマト、ゲル濾過、クロマトフォーカシングで精製
し、電気泳動的に均一なアルドース還元酵素を得た。
【0028】0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2 )0.8 mlに、3m
M NADPH 0.05ml、DL−グリセルアルデヒド 0.1mlおよび
蒸留水0.04mlを加え、25℃3分間放置した後アルドース
還元酵素液0.01mlを加えて反応を開始し、25℃で340nm
の吸光度の減少を経時的に測定した。なお、1 分間に1
μmoleのNADPを消費する酵素量を1単位とした。
【0029】上記のアルドース還元酵素活性測定法の条
件で蒸留水0.04mlの代わりに、各種濃度の阻害物質水溶
液0.04mlを加えて酵素活性を測定し、阻害剤非存在下で
の酵素活性との比較から活性を50%阻害するIC50値を算
出した。阻害物質として8,10- ジカルボキシ-2- メトキ
シカルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f]
キノリン(化合物1、OPQ-8,10-DCA-2-ME と略す)、8-
カルボキシ-2,10-ジメトキシカルボニル-1H-オキサゾ
[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(化合物2、OPQ-
8-CA-2,10-DME と略す)、10- (N-n-アミル)カルバモ
イル-2,8- ジカルボキシ-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ
[2,3-f ]キノリン(化合物3、OPQ-2,8-DCA-10-AA と
略す)、10- (N-n-アミル)カルバモイル-8- カルボキ
シ-2- メトキシカルボニル−1H−オキサゾ[5,4-h ]ピ
ロロ[2,3-f ]キノリン(化合物4、OPQ-8-CA-2-ME-10
-AA と略す)、2,10- ジカルボキシ- 8-メトキシカルボ
ニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン
(OPQ-2,10-DCA-8-ME と略す)、10- カルボキシ-2,8-
ジメトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ
[2,3-f ]キノリン(OPQ-10-CA-2,8-DME と略す)、2,
8,10- トリメトキシカルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]
ピロロ[2,3-f ]キノリン(OPQ-2,8,10-TMEと略す)、
10- カルボキシ-2- メトキシカルボニル-1H-オキサゾ
[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(OPQ-10-CA-2-ME
と略す)、8,10- ジエトキシカルボニル- 2-メトキシカ
ルボニル-1H-オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノ
リン(OPQ-2-MEー8,10-DEE と略す)、10- (N-n-アミ
ル)カルバモイル-2,8- ジメトキシカルボニル-1H-オキ
サゾ[5,4-h ]ピロロ[2,3-f ]キノリン(OPQ-2,8-DM
E-10-AAと略す)、および2,8,10- トリ[ (N-n-アミ
ル)カルバモイル]-1H- オキサゾ[5,4-h ]ピロロ[2,
3-f ]キノリン(OPQ-2,8,10-TAAと略す)を対象として
用いた。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】 表2 阻害物質 IC50(μM ) 化合物1(OPQ-8,10-DCA-2-ME ) 0.26 化合物2(OPQ-8-CA-2,10-DME) 0.58 化合物3(OPQ-2,8-DCA-10-AA) 0.26 化合物4(OPQ-8-CA-2-ME-10-AA) 0.19 OPQ-2,10-DCA-8-ME 2.9 OPQ-10-CA-2,8-DME 1.3 OPQ-2,8,10-TME >100 OPQ-10-CA-2ME 1.7 OPQ-2ME-8,10-DEE >100 OPQ-2,8-DME-10-AA 93 OPQ-2,8,10-TAA 77
【0031】表2の結果よりオキサゾピロロキノリン類
のエステルおよびアミド化合物のうち、少なくとも8 位
がカルボキシル基である化合物つまり化合物1〜4で代
表されるオキサゾピロロキノリン類のモノエステル、ジ
エステル、モノアミド、ジアミドあるいはモノエステル
・モノアミド化合物が強いアルドース還元酵素阻害活性
を示すことが明かとなった。
【0032】
【発明の効果】オキサゾピロロキノリン類の8位がカル
ボキシル基で、2位および10位の少なくとも一方がエス
テルあるいはアミド体であるオキサゾピロロキノリン類
のモノエステル、ジエステル、モノアミドジアミドある
いはモノエステル・モノアミド化合物は、毒性がなく、
生体吸収性に優れ、かつ強いアルドース還元酵素阻害活
性を示すことから、糖尿病性合併症の予防および治療薬
として利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07D 498/14 8415−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるオキサゾピロロキノリン
    類のモノエステル、ジエステル、モノアミド、ジアミド
    あるいはモノエステル・モノアミド化合物を有効成分と
    する糖尿病性合併症治療剤。 【化1】 〔Rは水素原子または炭素数1から4のアルキル基を示
    し、該アルキル基は水酸基、カルボキシル基、メルカプ
    ト基、カルバモイル基、ヒドロキシフェニル基、グアニ
    ジノ基、イミダゾリル基またはメチルメルカプト基によ
    って置換されていてもよい。Y1 およびY2 はOR
    1 (R1 はアルキル基、アリル基またはベンジル基を示
    す)、NH−R2 (R2 はアルキル基、アリル基または
    ベンジル基を示す)あるいはOHを示すが、Y1 および
    2 がともにOHを示す場合を除く。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008029907A1 (fr) 2006-09-08 2008-03-13 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Agent améliorant l'hypertension
WO2008035686A1 (fr) 2006-09-19 2008-03-27 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Agent pour améliorer la résistance à l'insuline

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WO2008035686A1 (fr) 2006-09-19 2008-03-27 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Agent pour améliorer la résistance à l'insuline
US8097635B2 (en) 2006-09-19 2012-01-17 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Insulin resistance improving agent

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