JPH0625435A - 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法

Info

Publication number
JPH0625435A
JPH0625435A JP18420492A JP18420492A JPH0625435A JP H0625435 A JPH0625435 A JP H0625435A JP 18420492 A JP18420492 A JP 18420492A JP 18420492 A JP18420492 A JP 18420492A JP H0625435 A JPH0625435 A JP H0625435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
resin
aromatic hydrocarbon
hydrocarbon resin
condensed polycyclic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18420492A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Sone
嘉久 曽根
Haruyuki Kano
治之 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP18420492A priority Critical patent/JPH0625435A/ja
Publication of JPH0625435A publication Critical patent/JPH0625435A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ナフタレンまたはタール、ピッチなどの縮合
多環芳香族化合物成分を、ジ(ヒドロキシメチル)ベン
ゼンまたはジ(ハロメチル)ベンゼン型の架橋剤と共
に、酸触媒の存在下に加熱反応させて得た熱硬化性芳香
族炭化水素樹脂の中間重縮合物を、表面に窒化ケイ素を
被覆した金型内で成形・硬化させることからなる、熱硬
化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法。 【効果】 各種物性に優れた耐熱性樹脂の成形品を、高
い生産効率で連続製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および摺動性に
優れ、さらに機械特性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性
といった他の特性にも優れた熱硬化性芳香族炭化水素樹
脂の成形品の製造方法およびこれに用いる金型に関する
ものである。より詳しくは、金型のくもりが防止され、
表面光沢が良好な成形品を連続製造することができる上
記樹脂の成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂等が知られ
ている。一般に、このような熱硬化性樹脂は、熱可塑性
樹脂に比べて優れた耐熱性を示すが、それでもポリイミ
ド樹脂を除けば、長期使用可能温度は最高150 〜200 ℃
程度である。一方、ポリイミド樹脂は、長期使用可能温
度が 200〜300 ℃と非常に優れた耐熱性を有するが、反
面、高価格で成形加工性に劣るという欠点がある。
【0003】近年、新たな熱硬化性樹脂として、ナフタ
レンなどの縮合多環芳香族化合物またはこれを主成分と
する混合物と、芳香環に結合した少なくとも2個のヒド
ロキシメチル基および/またはハロメチル基を有する芳
香族化合物からなる架橋剤とを、酸触媒の存在下に加熱
反応させると、ポリイミドに匹敵するような非常に優れ
た耐熱性を示す縮合多環多核型の芳香族炭化水素樹脂が
容易に得られることが報告された (特開昭62−521 号公
報、同62−522 号公報) 。この熱硬化性樹脂はCOPN
A樹脂 (Condensed Poly-Nuclear Aromatic Resin)と命
名され、ポリイミド樹脂に匹敵する耐熱性を備えている
ことから、耐熱性樹脂として工業化が検討されている。
【0004】この縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂の成
形硬化物は、ポリイミド樹脂に匹敵する優れた耐熱性を
示すばかりでなく、機械特性、電気絶縁性、耐湿性、耐
薬品性などの諸物性にも優れている。しかも、この樹脂
は、種々の官能基を有する芳香族化合物と容易に共縮合
できるため、変性が容易で、幅広い特性や特殊な機能を
付加できる可能性があり、将来有望な熱硬化性樹脂であ
る。従って、この樹脂もしくはその変性物単独で、ある
いは充填材その他の固体材料を配合した複合材料として
広い応用分野が期待されている。特に、グラファイトな
どの固体潤滑材を配合した複合材料は、極めて優れた摺
動材料として広範な用途への実用化が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した縮合
多環多核芳香族炭化水素樹脂を金型を用いて成形・硬化
させると、金型表面に付着物が多く発生し、金型が曇っ
てしまうと同時に、得られた成形品の表面の光沢が失わ
れるという欠点があった。金型が曇ったままの状態で連
続的に成形すると、離型性が徐々に低下し、ついには脱
型が不可能となる。このため、縮合多環多核芳香族炭化
水素樹脂の成形においては、頻繁に金型を手入れして清
浄化する作業が欠かせず、作業能率が低下するため、こ
の樹脂の成形性の改善が大きな課題であった。
【0006】先に、本発明者らは、縮合多環多核芳香族
炭化水素樹脂の成形硬化時の金型のくもりの原因が、酸
触媒が硬化時に副生する縮合水に溶解して引き起こされ
ることを究明し、この樹脂の製造時に酸触媒として原料
の縮合多環芳香族化合物と架橋剤のいずれかと反応性を
有する有機スルホン酸樹脂を使用して、縮合多環多核芳
香族炭化水素樹脂の成形時の金型のくもりを防止するこ
とを提案した。しかし、この方法は、安価なスルホン酸
であるトルエンスルホン酸やメタンスルホン酸の代わり
に、高価な特殊な有機スルホン酸を触媒として使用する
必要があり、製造コストが高くつく上、金型を長期間に
わたって連続使用した場合に、金型のくもりを完全には
防止することができず、成形性の改善はなお不十分であ
った。
【0007】本発明の目的は、トルエンスルホン酸のよ
うな安価な有機スルホン酸を触媒として使用した場合で
あっても、成形硬化時の金型のくもりを有効に防止で
き、長期間の連続成形を可能とし、しかも表面が滑らか
で光沢のある成形品を得ることができる、縮合多環多核
芳香族炭化水素樹脂の成形品の製造方法を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の達成を目指して研究を重ねた結果、金型表面を特定の
セラミックで被覆しておくことで、上記樹脂の成形性が
著しく改善されることを知り、本発明を完成した。
【0009】ここに、本発明の要旨は、縮合多環芳香族
化合物またはこれを主成分とする混合物と、芳香環に結
合した少なくとも2個のヒドロキシメチル基および/ま
たはハロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤
とを、酸触媒の存在下に加熱反応させて得た、縮合多環
多核芳香族炭化水素樹脂の中間重縮合物を、窒化ケイ素
でキャビティ面が被覆された金型を用いて賦形および硬
化させることを特徴とする、熱硬化性芳香族炭化水素樹
脂成形品の製造方法である。
【0010】
【作用】以下、本発明の構成をその作用とともに詳述す
る。この発明の熱硬化性樹脂の製造に用いる主原料は、
縮合多環芳香族化合物またはこれを主成分とする混合物
と、これを架橋する架橋剤である。
【0011】縮合多環芳香族化合物は、2環以上の芳香
環を持ち、その少なくとも2環が縮合している任意の炭
化水素化合物を含むものである。その具体例としては、
ナフタレン、アセナフテン、アセナフチレン、フェナン
トレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタセ
ン、コロネン、ペリレン、フルオランテン、ピセン、各
種ベンゾピレン類、各種ベンゾペリレン類、およびこれ
らの化合物のアルキル誘導体が例示され、これらを単独
で、または2種以上の混合物で使用することができる。
また、これらの縮合多環芳香族化合物が、メチレン基、
フェニレン基、キシリレン基、エーテル基等の2価基で
連結された構造の炭化水素化合物(例、ジナフチルメタ
ン、ジナフチルオキシド)も包含される。さらに、縮合
多環芳香族化合物はヒドロキシル基やメトキシ基で置換
されていてもよい。即ち、ナフトール、ヒドロキシアン
トラセンなども、本発明で用いる縮合多環芳香族化合物
に包含される。
【0012】縮合多環芳香族化合物は純品である必要は
ない。即ち、合多環芳香族化合物を主成分とする石炭系
または石油系の重質油類、タール、ピッチ類も原料とし
て使用可能である。また、縮合多環芳香族化合物に少量
のフェノール、アルキルフェノール、アルキルベンゼン
などの単環芳香族化合物が混合した混合物も使用するこ
とができる。好ましい縮合多環芳香族化合物系原料は、
価格の点から、ナフタレン、ならびに石炭系または石油
系の重質油類、タール、ピッチ類である。
【0013】この発明の方法で架橋剤として使用するの
は、芳香環に結合した少なくとも2個のヒドロキシルメ
チル基および/またはハロメチル基を有する芳香族化合
物である。かかる架橋剤の例としては、ベンゼン、キシ
レン、ナフタレン、アントラセン、ピレンまたはそれら
のアルキル誘導体等の芳香族炭化水素化合物のポリ (ヒ
ドロキシメチル) 誘導体ならびにポリ (ハロメチル) 誘
導体が挙げられる。架橋剤も1種もしくは2種以上を使
用できる。好ましい架橋剤は、2個以上のヒドロキシメ
チル基を持つ芳香族化合物であり、特にジ (ヒドロキシ
メチル) ベンゼンおよびジ (ヒドロキシメチル) キシレ
ンが好ましい。
【0014】上述した縮合多環芳香族化合物と架橋剤と
は酸触媒の存在下で重縮合反応させて熱硬化性樹脂の中
間重縮合物とする。酸触媒としては、プロトン酸、ルイ
ス酸のいずれも使用可能であり、特に限定はないが通常
は硫酸および有機スルホン酸が用いられる。触媒として
好ましい有機スルホン酸の例は、トルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸等である。もちろん、反応性の有機スルホ
ン酸あるいは不溶性の有機スルホン酸、さらにはポリス
チレンスルホン酸樹脂やフェノールスルホン酸樹脂とい
ったスルホン酸基を含有する樹脂も触媒として使用可能
である。
【0015】主原料である縮合多環芳香族化合物 (混合
物の場合には混合物中の縮合多環芳香族化合物) に対す
る架橋剤の配合比は、モル比換算で 0.7〜6の範囲が適
切である。モル比が0.7 より小さい場合は、生成物の熱
硬化性が不足し、逆にモル比が6より大きい場合は架橋
剤が過剰になり、やや不均質な生成物を与える。より好
ましい範囲としては、1〜3である。
【0016】酸触媒の添加量は、縮合多環芳香族化合物
と架橋剤との合計重量に対して0.2〜20重量%、好まし
くは 0.5〜10重量%の範囲である。 0.2重量%未満では
十分に重縮合反応が進行せず、生成する樹脂が十分な熱
硬化性を示さない。一方、酸触媒が20重量%を超える
と、反応速度が速くなりすぎて、反応制御が困難となる
ばかりでなく、生成する樹脂も不均質なものとなり易
い。
【0017】主原料である縮合多環芳香族化合物および
架橋剤を酸触媒と所定の割合で混合し、好ましくは非酸
化性雰囲気で加熱反応させることにより、容易に熱硬化
性プレポリマー状態の芳香族炭化水素樹脂を製造するこ
とができる。
【0018】反応温度は、約50〜300 ℃、好ましくは約
80〜200 ℃である。反応圧力は、通常は常圧ないし若干
の加圧であるが、反応で副生する縮合水 (または塩化水
素)を反応系から除去して反応効率を高めるために、減
圧下で反応させることもできる。反応は、溶融状態 (溶
融重合) で行うのが簡単であるが、適当な溶媒または分
散媒中 (溶液重合または懸濁重合) で実施することもで
きる。
【0019】溶融重合の場合、反応の進行にともなって
反応物の粘度が上昇し、熱硬化性プレポリマーであるB
ステージ樹脂が得られる。この段階からさらに反応を進
めると、不溶不融性の硬化物となるので、成形可能な熱
硬化性樹脂を得るように、Bステージ状態の適当な段階
で反応混合物の温度を下げて反応を停止させる。こうし
て得られる熱硬化性の芳香族炭化水素樹脂は、まだ加熱
溶融性および溶剤溶解性が残っている段階の未硬化中間
重縮合物 (プレポリマー) である。
【0020】この熱硬化性プレポリマーは、約 100〜35
0 ℃に加熱することによって、容易に熱硬化物となるの
で、適当な金型を用いて賦形と加熱を行うことにより成
形硬化させて、不溶不融の芳香族炭化水素樹脂成形品を
製造する。熱硬化性プレポリマーは、溶融状態あるいは
適当な有機溶媒に溶解させた溶液状態のいずれで金型に
導入することもできるが、溶融樹脂を用いる方が低コス
トですみ、溶媒の除去操作も不要であるので好ましい。
或いは、粉末状のプレポリマーを金型に直接導入するこ
ともできる。金型内での好ましい樹脂の加熱温度は 120
〜250 ℃であり、加熱時間は30秒〜120 分である。
【0021】成形方法としては、圧縮成形法、トランス
ファー成形法、射出成形法等の公知の金型を利用した熱
硬化性樹脂の成形法のいずれをも利用することができ
る。本発明の方法では、金型のくもりを長期間にわたっ
て防止することができるので、特に射出成形による成形
品の連続大量生産に適用した場合に本発明の効果は一層
顕著となる。
【0022】また、この成形硬化時に、樹脂中に繊維
状、粒状、フレーク状の各種セラミック質、炭素質、有
機質または金属質材料を充填材として樹脂に配合するこ
とによって、所望の特性機能を付与することもできる。
例えば、本発明の方法で得た成形品を摺動材料として使
用する場合には、黒鉛、二硫化モリブデン、ポリテトラ
フルオロエチレン樹脂などの固体潤滑剤となる粉末を配
合するのが有利である。特に、黒鉛の配合が好ましい。
また、補強目的には、ガラス繊維、カーボン繊維などを
配合することが好ましい。
【0023】本発明の特徴は、この成形硬化時に用いる
金型にある。即ち、本発明では、従来より一般に用いら
れてきた SUS 420、SKD 61、AISI 4130 などの金属製の
金型のキャビティ面を、窒化ケイ素で被覆した金型を用
いる。
【0024】縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂の成形時
の金型のくもりは、樹脂中に残留する酸触媒が硬化時に
副生する縮合水に溶解して成形体の表面に滲出し、この
滲出物が金型の金属と反応して金属塩を生成することが
原因であると考えられる。本発明によりこの金型のくも
りが防止されるのは、金型表面に被覆した窒化ケイ素の
薄膜が、上記滲出物と金型の金属との反応を有効に阻止
するバリアー層を構成し、しかもこの薄膜の金型への密
着性が良好で長期間にわたって金型の離型性を良好に保
持することができるものと考えられる。
【0025】金型表面に窒化ケイ素を被覆する方法は特
に制限はなく、熱CVD法、プラズマCVD法、PVD
法、イオンスパッタリング法によって被覆することも可
能であるが、金型の変形や硬度低下を防止するには、5
00℃以下でプラズマCVD法、PVD法、イオンスパ
ッタ法により窒化ケイ素の被覆を形成することが現在の
ところ最も好適である。
【0026】窒化ケイ素被覆の膜厚は1〜10μmが適
当である。1μm未満では、ピンホール等の欠陥を生ず
る恐れがあり、コーティング(被覆)の効果が十分では
ない。10μmを超えると被膜が脆くなり、エッジ部な
どで膜が剥離し易くなる。
【0027】従来の一般的な高耐食性金型材料 (例、SU
S 420 ステンレス鋼) 製の金型をそのまま用いたり、或
いはクロムめっきなどの一般的な被覆材料で表面処理し
た金型を用いた場合には、成形品の離型性が比較的短時
間(少ない成形回数)で低下し、成形品の光沢も悪化す
る。これに対して、本発明により窒化ケイ素で表面を被
覆した金型は、被膜損傷が長期間にわたって起こらず、
金型のくもりが有効に防止され、離型性を良好に保持し
たまま、光沢のよい成形品を金型の手入れなしに長期間
連続製造することができる。
【0028】一方、最近になって金型の耐摩耗性を向上
させる目的で、金型を窒化チタン、炭化チタンなどのセ
ラミック材料でコーティングすることが提案されている
が、このようなセラミック材料による金型の被覆では、
本発明の方法のように長期間にわたって金型の離型性を
良好に保持することはできない。
【0029】こうして金型内での賦形・加熱により樹脂
を硬化させて得た成形品は、耐熱性向上、機械的強度向
上、寸法安定性向上、成形時の残留応力除去等のため
に、後硬化処理 (ポストキュア) を施してもよい。後硬
化処理は、成形品を約180 ℃〜約350 ℃の温度範囲で1
〜30時間熱処理することにより実施することが好まし
い。後硬化処理雰囲気は、空気でもよいが、不活性ガス
雰囲気中、あるいは炭素粉末、耐熱性オイルなどの還元
性材料中に成形品を埋設して酸素を遮断した状態で後硬
化処理を実施すると、後硬化処理中の成形品の表面酸化
が防止され、より優れた物性の後硬化処理物を得ること
ができ、好ましい。
【0030】本発明の方法により成形硬化させた熱硬化
性芳香族炭化水素樹脂の成形品は、耐熱性を必要とする
各種部材として有用であり、具体的には摺動部材、耐熱
構造部材などの用途に有用である。
【0031】
【実施例】以下に、この発明を実施例に基づいて具体的
に説明する。 〔実施例1〕ナフタレン1モルに対しp−ジ(ヒドロキ
シメチル)ベンゼン1.3 モルの割合の混合物に、この混
合物の5重量%の量のp−トルエンスルホン酸(1水和
物) を配合した反応原料を、N2雰囲気下、120 ℃で100
分間反応させて、熱硬化性プレポリマーを得た。このプ
レポリマー100 重量部に対してグラファイト15重量部を
添加し、ロールで混練した後、粉砕して、成形材料を調
製した。
【0032】SUS 420 ステンレス鋼製金型 (ウェデホル
ム (株) 、STAVAX-ESR) のキャビティ面に、窒化ケイ素
をプラズマCVD法により3μmの厚みで被覆した金型
を、20 ton射出成形機にセットし、上記成形材料を用い
て外径30mm、内径20mm、高さ30mmの円筒品を連続
成形した。射出成形条件は、樹脂温度 100℃、金型温度
190℃、サイクル時間40秒であった。
【0033】合計で 5,000ショット以上の成形作業を連
続的に実施したが、離型性の低下や成形品表面および金
型表面の肌荒れ等は認められず、最後まで表面光沢の良
好な成形品を得ることができた。
【0034】〔比較例1〕実施例1と同様に調製した成
形材料を、窒化ケイ素被覆の代わりに膜厚5μmのクロ
ムめっきを施した同じ種類の金型を使用して、実施例1
と同様に連続的に射出成形した。100 ショットで離型性
の低下が著しくなり、成形品表面および金型表面の肌荒
れやくもりも肉眼で観察され、成形を続行することがで
きなかった。
【0035】〔比較例2〕実施例1と同様に調製した成
形材料を、窒化ケイ素の代わりに膜厚5μmの窒化チタ
ンをプラズマCVD法により被覆した同じ種類の金型を
使用して、実施例1と同様に連続的に射出成形した。20
00ショットで離型性が低下し、金型表面の変色、くもり
が肉眼で観察された。また、スプルー、ゲートなどの樹
脂流速の大きい部分で被膜の剥離が部分的に認められ
た。
【0036】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の方法により縮
合多環多核芳香族炭化水素樹脂の連続成形性が大幅に改
善され、安価でありながらポリイミド樹脂に匹敵する優
れた耐熱性を示し、同時に摺動性、機械特性、耐薬品性
などの各種物性にも優れた価値ある熱硬化樹脂成形品
を、頻繁な金型の手入れを必要とせずに高い生産効率で
連続的に生産することが可能となり、産業上極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 61/02 NLF 8215−4J // B29K 101:10 C08L 65:00 8215−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮合多環芳香族化合物またはこれを主成
    分とする混合物と、芳香環に結合した少なくとも2個の
    ヒドロキシメチル基および/またはハロメチル基を有す
    る芳香族化合物からなる架橋剤とを、酸触媒の存在下に
    加熱反応させて得た、縮合多環多核芳香族炭化水素樹脂
    の中間重縮合物を、窒化ケイ素でキャビティ面が被覆さ
    れた金型を用いて賦形および硬化させることを特徴とす
    る、熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中間縮合物に、賦形前に充填材を配
    合する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 窒化ケイ素でキャビティ面が被覆されて
    いることを特徴とする、縮合多環多核芳香族炭化水素樹
    脂の成形用金型。
JP18420492A 1992-07-10 1992-07-10 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法 Withdrawn JPH0625435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18420492A JPH0625435A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18420492A JPH0625435A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0625435A true JPH0625435A (ja) 1994-02-01

Family

ID=16149185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18420492A Withdrawn JPH0625435A (ja) 1992-07-10 1992-07-10 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0625435A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0601366A3 (en) * 1992-12-08 1995-09-06 Eaton Corp Method and apparatus for estimating vehicle braking system effectiveness.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0601366A3 (en) * 1992-12-08 1995-09-06 Eaton Corp Method and apparatus for estimating vehicle braking system effectiveness.

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0821711B1 (en) Phenolic resin compositions with improved impact resistance
US4246313A (en) Heat-resistant composite material and method of making same
US5965268A (en) Carbon-based composites derived from phthalonitrile resins
MXPA97008801A (en) Compositions of phenolic resins with improved resistance to impa
US3661850A (en) Quinoxaline polymers,methods of making same and compositions thereof
US4316930A (en) Heat-resistant composite material for hot glass handling and method of making same using a phenyl polysiloxane coating
CA1331323C (en) Coated metal body
SU867317A3 (ru) Термостойка термореактивна композици
TW201829514A (zh) 苯并組成物
JPH0625435A (ja) 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法
EP0383995B1 (en) Aromatic thermosetting resins and preparation thereof
JPH0631761A (ja) 熱硬化性芳香族炭化水素樹脂成形品の製造方法
US3729433A (en) Method of preparing polyarylene polymers with alkyl amino aromatics,compositions thereof and products
JP2961759B2 (ja) 摺動部材用の成形材料
US3839300A (en) Aromatic resins
US3734818A (en) Laminated products bonded together with a quinoxaline polymer
JP3409668B2 (ja) フェノール系耐熱樹脂を含む摺動部品用成形材料
CN107109030A (zh) 滑动部件用酚醛树脂成型材料和滑动部件
JP2750447B2 (ja) プラスチック成形用黒鉛型
JPS62185748A (ja) 摺動材用耐摩耗性成形体
JPS62119220A (ja) ポリヒドロキシ化合物の製造法
JPH0625427A (ja) 熱硬化性樹脂の後硬化方法
JPS6351419A (ja) 熱硬化性炭化水素樹脂の製造方法
US3445430A (en) Resins containing boron
JPS61228022A (ja) ポリアミドの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19991005