JPH0625233B2 - 熱処理した含フッ素高分子化合物 - Google Patents

熱処理した含フッ素高分子化合物

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JPH0625233B2
JPH0625233B2 JP62160380A JP16038087A JPH0625233B2 JP H0625233 B2 JPH0625233 B2 JP H0625233B2 JP 62160380 A JP62160380 A JP 62160380A JP 16038087 A JP16038087 A JP 16038087A JP H0625233 B2 JPH0625233 B2 JP H0625233B2
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章 関屋
紘靖 石田
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【発明の詳細な説明】 本発明は、先に出願をした[昭和62年特許願第135
0号]ペルフルオロアルキル基でポリアリルアミン中の
アミノ基の一部を修飾した高分子化合物を熱処理するこ
とにより得られる、含フッ素高分子化合物に関するもの
である。
長鎖のペルフルオロアルキル基で修飾された高分子化合
物は撥水撥油性、防塵性、耐蝕性、耐溶媒性、等、優れ
た性質を示し、表面改質材、基板保護材として用いられ
ている。
しかし、フッ素高分子化合物を基板上に塗り付けたり、
ラングミュアー・プロジェット手法による超薄膜作製で
は、可溶性の含フッ素高分子化合物を用いなければなら
ない。このことは作製した薄膜が、ペルフルオロアルキ
ル基による耐熱媒性を示しても、可溶性の溶媒に対して
は高分子膜が溶けて、表面改質材として使用できない欠
点を有している。
一方、ポリアリルアミンは熱処理により架橋が起こり、
高分子の分子量が増加して溶媒に不溶化することが知ら
れている[機能材料,5(12),29(198
5)]。
しかし、長鎖のペルフルオロアルキル基で修飾したポリ
アリルアミンは、ペルフルオロアルキル基による分子量
の増加、更にアミノ基密度が低くなることから、架橋が
熱処理により進行するとは言えない。
また、ラングミュアー・プロジエット手法により作製さ
れた、分子配列した高分子の超薄膜中での架橋は知られ
ていない。
本発明者は、含フッ素ポリアリルアミンの熱処理につい
て鋭意研究を重ねた結果、ポリアリルアミン中のアミン
基に対してペルフルオロアルキル基の導入比が低い場
合、この高分子化合物自体と、ラングミュアー・プロジ
ェット手法により作製した薄膜中で、熱処理により架橋
が起こることを見いだし、本発明をなすに至った。
本発明は、一般式 で表される含フッ素高分子組成物(式中(式中Rfは炭素
数6〜15のペルフルオロアルキル基を示し、mは10〜15
00数を示し、nは0<n≦0.4mを満たす数である)で
表される含フッ素高分子物質の熱処理物であって、熱重
量分析で430〜460℃の範囲に熱分解ピークを示し、メタ
ノールに対して不溶性を示すことを特徴とする含フッ素
高分子物質を提供するものである。
本発明における熱処理とは、空気中、不活性ガス中、ま
たは減圧下で40℃〜200℃、好ましくは60℃〜1
20℃の範囲で行われる。不活性ガスとは窒素、アルゴ
ン、ヘリウムなどである。また減圧とは、大気圧より低
い圧力をさす。所望なら加圧にすることも出来る。熱処
理による架橋は加熱後すぐに始まる。通常1〜24時間
の加熱で十分であるが、熱処理での処理時間で得られる
含フッ素高分子化合物は架橋度が異なるので、所望なら
更に長時間処理することも可能である。
本発明で得られる前記一般式に示した含フッ素高分子化
合物は熱処理をすると、熱未処理の化合物と異なる性質
を示すことが分かったので次に示す。
[耐溶媒性] 熱未処理の化合物がメタノールに溶けるのに対し、熱処
理をすると不溶化する。ラングミュアー・ブロジエット
手法により作製された超薄膜に付いても同様で、前記一
般式に示した含フッ高分子化合物n=0.05mをPA
AF5,n=0.2mをPAAF20とすると、PAA
F5の単分子膜および累積膜は、メタノールに可溶で、
メタノール中に浸しておくと薄膜は基板からはがれてメ
タノールに溶けてしまい耐溶媒性が低い。しかし熱処理
したPAAFはメタノールに1日浸しても基板上にあ
る。PAAF20の場合には熱処理、および熱未処理と
も、メタノールに浸しても基板上にあるが、後に表面状
態は改善される。
[接触角の測定] n−アルカンに対する高分子膜表面の接触角の測定から
Zismanプロットより求めた臨界表面張力(γc dyn
/cm)を測定した。ラングミュアー・ブロジエット手法
により作製された薄膜に付いてみると、熱未処理の膜は
単分子膜、累積膜共に、PAAF5で18.5、PAA
F20で16.2〜16.5のγc値を示すのに対し、
空気中、90℃で熱処理した薄膜は、PAAF5の単分
子膜で20.3(24時間処理)、PAAF20の単分
子膜で18.5(2時間処理)、18.6(24時間処
理)、PAAF20の7層累積膜で18.0(24時間
処理)の値を示し、熱処理により、γc値が約2増加す
ることが分かる。しかし熱処理しても、ポリテトラフル
オロエチレンのγc値18.5とほぼ同じ、優れた表面
特性を示すことが分かる。
PAAF5,およびPAAF20はヘキサンや水には溶
けず耐溶媒性を示すが、メタノールにはよく溶けるの
で、ラングミュアー・プロジェット手法により作製され
た薄膜をメタノールに24時間浸してγc値を測定し
た。熱未処理のPAAF5は単分子膜、累積膜とも基板
上にはなく、メタノールに溶けていてγc値は測定でき
なかったが、空気中、90℃で熱処理した単分子膜は2
2.7(24時間加熱)のγc値を示した。PAAF2
0で、例えば熱未処理の7層累積膜ではメタノールに浸
すと膜は基板上にあるが、γc値は19.6と大きくな
る。熱処理を空気中、90℃で行った膜では17.9
(24時間加熱)と小さくなり熱処理によりメタノール
に対する耐溶媒性が改善されたことが分かる。
[熱重量測定] 前記一般式で示した高分子化合物の加熱による重量変化
を熱重量測定(TG)で測定した。ポリアリルアミン中
のアミノ基に対し5(PAAF5)、20(PAAF2
0)、40、60、80、100%ペルフルオロアルキ
ル基を導入した試料を80℃で減圧乾燥し、それぞれ熱
重量測定を窒素下で行った結果、200〜230℃(分
解1)、290〜310℃(分解2)、360〜390
℃(分解3)、430〜460℃(分解4)に分解のピ
ークのある4つの熱分解が観測された。分解3と分解4
が主分解であった。40%以上の試料ではこの内分解3
のみが起こり、40%以下の試料では分解2、分解3と
分解4が共存し、分解2と分解3を合計した分解率と分
解4のそれとの割合はペルフルオロアルキル基の導入パ
ーセントと相関関係が見られ、導入されたペルフルオロ
アルキル基の割合が増すにしたがい分解3が増加する。
このことから高温での分解、つまり分解4は架橋反応の
ため高分子の分子量がさらに増加して分解温度が高くな
ったためと言え、低温での分解、つまり分解2+3は架
橋しない試料の分解と言える。ペルフルオロアルキル基
の導入パーセントが大きくなるとポリアリルアミン同士
の交わりが阻害され、さらにアミノ基がアミド結合とな
っているので架橋が進行しにくくなり、40%以上の試
料では架橋しない。しかし40以下の試料では、分解4
が観測され架橋が進行することが明らかである。
窒素中で熱未処理の試料(昇温中に一部熱処理され
る)、空気中で熱処理を90℃で行った試料についても
40%以下の導入パーセントのものは、窒素中熱重量測
定を行うと、先に述べた80℃で減圧乾燥した試料と同
じ分解2、分解3および分解4を有し、その割合もほぼ
同じ分解曲線を描くことから、空気中、窒素中、減圧
中、での熱処理はほぼ同じ架橋高分子化合物を得ると言
える。
また、熱処理の温度は分解1の起こる200℃付近まで
が、高分子の重量変化がほとんどなく適当と言える。
従来の含フッ素ポリアリルアミン[昭和62年特許願第
1350号]の低フッ素化物(40%以下)は可溶性の
高分子化合物であるが、製膜、成形後に熱処理をするこ
とにより、不溶性の架橋型高分子化合物となる。このこ
とは材料として特に重要で有り、耐溶媒性、耐久性が得
られ、実用的な材料となる。つまりキャスト膜や、ラン
グミュアー・ブロジエット手法により超薄膜を作製する
とは可溶性の高分子を用いる必要があり、製膜後の耐溶
媒性に欠ける欠点を有しているが、製、膜後の熱処理に
より耐溶媒性のある優れた膜を作製できた。特にラング
ミュアー・ブロジエット手法により作製した膜は膜厚が
薄いので強度が弱く、この様な膜の補強は重要な意味を
持つ。さらにラングミュアー・ブロジエット手法により
作製した高分子膜上での架橋反応は従来行われていな
い。
[実施例] 次に本発明を施例により更に詳細に説明する。
実施例1 前記一般式に示した高分子化合物中、ポリアリルアミン
中のアミノ基の内、5%(PAAF5)および20%
(PAAF20)ペルフルオロアルキル基(n−C
15−)を導入した化合物を減圧中(0.1mmHg),
80℃で8時間加熱した。熱未処理の含フッ素高分子は
合成時にメタノール溶媒として得られ、可溶性である。
単離したPAAF5は1mgが2mlのメタノールに溶
ける。しかし熱処理した試料はPAAF5、PAAF2
0共にメタノールに不溶であった。
熱未処理のPAAF5、およびPAAF20からキヤス
ト膜、およびラングミュアー・ブロジェット手法により
単分子膜、及び累積膜をガラス基板上に作製し、空気
中、窒素中、および減圧中(0.1mmHg)、90℃
で2時間、及び24時間加熱した。この熱処理したPA
AF5膜はメタノールに24時間、室温で処理しても基
板上にあった。しかし、熱処理しないPAAF5膜はメ
タノールの溶けて基板上にはなかった。PAAF20膜
の場合には同様に処理すると、熱未処理、熱処理とも基
板上にあった。
実施例2 実施例1で得た膜についてn−アルガン(炭素数:8〜
16)との接触角を20℃で測定し、Zismanプロ
ットから求めた臨界表面張力γc dyn/cmを測定し
た。その結果、PAAF5のラングミュアー・ブロジエ
ット手法で作製した単分子膜は18.5(室温乾燥)、
20.5(空気中2時間加熱)、20.3(空気中24
時間加熱)、22.8(空気中2時間加熱後、メタノー
ルで24時間処理)、22.7(空気中24時間加熱後
メタノールで24時間処理)、PAAF20の単分子膜
では16.4(室温乾燥)、18.5(空気中2時間加
熱)、18.6(空気中24時間加熱)、18.8(室
温乾燥、メタノールで24時間処理)、18.1(空気
中2時間加熱後、メタノールで24時間処理)、18.
7(空気中24時間加熱後、メタノールで24時間処
理)、PAAF20の7層累積膜では16.2(室温乾
燥)、17.0(空気中2時間加熱)、18.0(空気
中24時間加熱)、19.6(室温乾燥、メタノールで
24時間処理)、18.6(空気中2時間加熱後、メタ
ノールで24時間処理)、17.9(空気中24時間加
熱後、メタノールで24時間処理)のγc値を得た。
実施例3 熱重量測定を表に示した試料約5mgを用い、昇温速度
10℃/min、窒素または空気気流下(200ml/
min)で、メトラー社製、TG50で測定した結果を
表に示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中Rfは炭素数6〜15のペルフルオロアルキル基を示
    し、mは10〜1500の数を示し、nは0<n≦0.4mを満た
    す数である) で表わされる含フッ素高分子物質の熱処理物であって、
    熱重量分析で430〜460℃の範囲に熱分解ピークを示し、
    メタノールに対して不溶性を示すことを特徴とする含フ
    ッ素高分子物質。
JP62160380A 1987-06-26 1987-06-26 熱処理した含フッ素高分子化合物 Expired - Lifetime JPH0625233B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1988000105A1 (fr) * 1986-07-07 1988-01-14 N.P.W Technical Laboratory Co. Installation de soudage continu

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0615593B2 (ja) * 1987-01-07 1994-03-02 工業技術院長 含フツ素高分子化合物

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WO1988000105A1 (fr) * 1986-07-07 1988-01-14 N.P.W Technical Laboratory Co. Installation de soudage continu

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