JPH06252163A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH06252163A
JPH06252163A JP27648493A JP27648493A JPH06252163A JP H06252163 A JPH06252163 A JP H06252163A JP 27648493 A JP27648493 A JP 27648493A JP 27648493 A JP27648493 A JP 27648493A JP H06252163 A JPH06252163 A JP H06252163A
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JP
Japan
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layer
semiconductor
semiconductor device
gaas
type
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JP27648493A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Mochizuki
和浩 望月
Tomonori Tagami
知紀 田上
Hiroshi Masuda
宏 増田
Katsutada Horiuchi
勝忠 堀内
Tomoyoshi Mishima
友義 三島
Toru Nakamura
徹 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能で信頼性の高い半導体装置及びその製
造方法を提供する。 【構成】 低抵抗の化合物多結晶半導体を半導体装置の
低抵抗層に用いる。また、上記化合物多結晶半導体の形
成を、基板温度450℃以下、3族元素に対する5族元
素の入射分圧比を50以上とした分子線エピタキシー
法、有機金属気相エピタキシー法、あるいは有機金属分
子線エピタキシー法のいずれかにより行う。 【効果】 低抵抗化合物多結晶をヘテロ接合バイポーラ
トランジスタのベース引き出し層に用いた場合、コレク
タ上に設けられた絶縁膜上に該ベース引き出し層を形成
できるのでベース・コレクタ間容量が低減でき、高速化
が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘテロ接合バイポーラト
ランジスタ、面発光レーザ、ヘテロ絶縁ゲート電界効果
トランジスタ等の半導体装置およびその製造方法とそれ
らを用いた電気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置、例えば、3−5族化
合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ
では、図3に示すように、化合物単結晶半導体からなる
ベース電極引出し領域5の下部に酸素イオン打ち込み領
域13(以下寄生コレクタ領域という。)が形成されて
おり、該領域のキャリアを空乏化させることでベース・
コレクタ間寄生容量を低減させ、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの高速化を図っていた。ここで、1は単結
晶半導体基板、2は高ドープn型GaAs層、3はn型
ドープGaAs層、7はアンドープGaAs層、8はn
型ドープAlGaAs層、9は高ドープn型GaAs
層、10はエミッタ電極、11はベース電極、12はコ
レクタ電極である。本技術は例えばアイ・イー・イー・
イー・エレクトロン・デバイス・レターズ第EDL−5
巻(1984年)第310頁から第312頁(IEEE
Electron Device Letters
EDL−5(1984)pp.310−312)に開示
されている。
【0003】また、従来の面発光レーザでは、図51に
示すように、p型ブラッグ反射層34の引出し領域で、
化合物単結晶半導体からなるベリリウムイオン打ち込み
領域40の下部に酸素イオン打込み領域39を形成し、
電流狭窄構造とすることにより、素子特性の向上を図っ
ていた。ここで、31は高ドープn型GaAs基板、3
2はn型ブラッグ反射層、33はInGaAs歪量子井
戸層(活性層)、35はAl23膜、37はp型電極、
38はn型電極、39は酸素イオン打ち込み領域、4は
SiO2膜である。本技術は例えばアプライド・フィジ
ックス・レターズ第56巻(1990年)第1942頁
から第1944頁(Applied Physics
Letters 56(1990)pp.1942−1
944)に開示されている。
【0004】さらに、従来のヘテロ絶縁ゲート電界効果
トランジスタでは、図56のゲート電極6にタングステ
ンやタングステンシリサイド等の金属あるいは金属半導
体化合物を用いていた。ここで、1は単結晶半導体基
板、5は高ドープp型GaAs層、35はAl23膜、
41はp型GaAsチャネル層、42はアンドープAl
GaAs層である。本技術は特開平1−161874に
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術を用いた
ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合、ベース電極
引出し領域5は低抵抗とするために化合物単結晶半導体
が用いられていた。そして、このベース電極引出し領域
5は、化合物単結晶半導体からなる寄生コレクタ領域1
3上にエピタキシャル成長法で形成される。しかしなが
ら、この化合物半導体は比誘電率が大きいため(例えば
GaAsの場合、比誘電率は約13)、3−5族化合物
半導体ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいては、
ベース・コレクタ間寄生容量を更に低減することは困難
であった。
【0006】また、上記従来技術ではエミッタ領域の面
積をエミッタ電極面積以下に微細化することが困難であ
り、素子全体の微細化によるベース・コレクタ間寄生容
量のさらなる低減にも限界があった。
【0007】さらに、上記従来技術を用いた面発光レー
ザの場合、酸素イオン打込みに起因する結晶欠陥によっ
てリーク電流が発生し、完全な電流狭窄構造とならない
ために素子特性が良好でなく、また、劣化しやすいとの
問題があった。
【0008】さらに、上記従来技術を用いたヘテロ絶縁
ゲート電界効果トランジスタの場合、ゲート電極形成時
に半導体バリア層表面を大気に露出してしまうため、金
属/半導体界面における界面準位密度が素子作製条件に
よりばらつき、その結果、素子特性がばらつくとの問題
があった。また、金属は半導体に比べ加工しにくいこと
もあり、金属を用いてゲート電極を形成する場合、金属
の加工寸法でゲート電極長が決まるため、微細加工や素
子高集積化に対して不利であるという問題もあった。
【0009】本発明の目的は、高性能で信頼性の高い半
導体装置及びその製造方法を提供することである。
【0010】例えば、ベース・コレクタ間寄生容量を低
減して超高速で信頼の高いヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタやリーク電流が少なく特性が良好で長寿命の面発
光レーザ、微細でばらつきのないゲート電極を備えた高
性能で信頼性の高いヘテロ絶縁ゲート電界効果トランジ
スタ及びその製造方法等を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、高性能で信頼性の高
い半導体装置を用いた超高速動作可能な電子回路を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、半導体装
置、特に化合物半導体装置の電極や電極引出し領域、配
線を化合物多結晶半導体を用いて形成することにより達
成される。
【0013】上記他の目的は、電極や電極引出し領域、
配線が化合物多結晶半導体で形成された化合物半導体装
置を用いて構成された電子回路により達成できる。
【0014】上記目的は、上記化合物多結晶半導体とし
て3−5族化合物多結晶半導体およびその混晶を用いる
ことにより、より効果的に達成される。
【0015】上記目的は、上記化合物多結晶半導体に添
加する不純物としてベリリウム(Be)あるいは炭素(C)
を用い、含有量を少くとも4×1020/cm3とするこ
とにより、より効果的に達成される。
【0016】上記目的は、上記3−5族化合物多結晶半
導体層を、基板温度550℃以下、望ましくは450℃
以下、3族元素に対する5族元素の入射分圧比を20以
上、望ましくは50以上とした分子線エピタキシー法、
有機金属気相エピタキシー法、あるいは有機金属分子線
エピタキシー法のいずれかにより形成することにより、
より効果的に達成することができる。
【0017】特に、上記半導体装置がヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタの場合には、高ドープコレクタ領域の
導電型を第1導電型とすると、ベース電極引出し領域と
絶縁膜との間に、第1導電型あるいは不純物濃度が1×
1017/cm3を越えない第2導電型の半導体層を少く
とも30nm設けること、ベース電極引出し領域におけ
る禁制帯幅の最小値をベース領域における禁制帯幅の最
小値よりも小さくこと、エミッタ領域を単結晶領域と多
結晶領域とから構成し、エミッタ電極を該単結晶領域お
よび該多結晶領域の両領域に接する構成とすることによ
り、上記目的をより効果的に達成することができる。ま
た、上記ベース電極引出し領域の形成を、基板温度55
0℃以下、望ましくは450℃以下、3族元素に対する
5族元素の入射分圧比を20以上、望ましくは50以上
とした分子線エピタキシー法、有機金属気相エピタキシ
ー法、有機金属分子線エピタキシー法のいずれかにより
行うこと、或いは、上記ベース電極引出し領域と絶縁膜
の間に少くとも1分子層の半導体を分子線エピタキシー
法により形成し、該ベース電極引出し領域を基板温度5
50℃以下、望ましくは450℃以下、3族元素に対す
る5族元素の入射分圧比を20以上、望ましくは50以
上とした有機金属気相エピタキシー法あるいは有機金属
分子線エピタキシー法により形成すること、また、コレ
クタ層の形成に関して、(a)単結晶半導体基板上に絶
縁膜パタンを形成後、絶縁膜の存在しない領域のみに第
1導電型あるいは不純物濃度が1×1017/cm3を越
えない第2導電型の半導体層からなるコレクタ層を選択
的にエピタキシャル成長する工程、および該コレクタ層
上への絶縁膜の堆積およびエッチングによる表面の平坦
化工程を有する、(b)単結晶基板全面に形成したコレ
クタ層を該基板とのなす角が鋭角となる側面を有する形
状に加工する工程、ならびに絶縁膜の堆積およびエッチ
ングによる表面の平坦化工程を有する、あるいは(c)
単結晶半導体基板上に、該基板とのなす角が鋭角となる
側面を有する絶縁膜パタンを形成後、コレクタ層を該単
結晶半導体基板上ならびに該絶縁膜上に形成する工程を
有することにより、上記目的をより効果的に達成するこ
とができる。
【0018】さらに、半導体装置が面発光レーザの場合
には、第1導電型を有する単結晶半導体基板上に、第1
導電型の半導体からなる分布ブラッグ反射層、第1導電
型あるいは第2導電型の半導体からなる活性層、および
第2導電型の半導体からなる分布ブラッグ反射層を順次
積層した領域と絶縁膜を堆積した領域を形成し、該両領
域を第2導電型の3−5族化合物多結晶半導体層により
接続することにより、より効果的に上記目的を達成する
ことができる。また、上記第2導電型の3−5族化合物
多結晶半導体層は不純物としてBeあるいはCを少くと
も4×1020/cm3含有し、基板温度550℃以下、
望ましくは450℃以下、3族元素に対する5族元素の
入射分圧比を20以上、望ましくは50以上とした分子
線エピタキシー法、有機金属気相エピタキシー法、ある
いは有機金属分子線エピタキシー法のいずれかにより形
成することにより、より効果的に上記目的を達成するこ
とができる。
【0019】さらに、上記半導体装置がヘテロ絶縁ゲー
ト電界効果トランジスタの場合には、単結晶半導体基板
上に、第2導電型の半導体からなるチャネル層、キャリ
ア濃度が1×1017/cm3以下で該チャネル層を形成
する半導体よりも禁制帯幅の大きな半導体からなるバリ
ア層、ならびに第2導電型の3−5族化合物多結晶半導
体からなるゲート電極を有すること、また、上記3−5
族化合物多結晶半導体は不純物としてBeあるいはCを
少くとも4×1020/cm3含有し、背圧1nTorr
以下程度の超高真空下での分子線エピタキシー法あるい
は高純度水素雰囲気下での有機金属気相エピタキシー法
によって堆積された非晶質層の加熱により形成すること
により、より効果的に上記目的を達成することが出来
る。
【0020】また、上記他の目的は、上記ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタおよびヘテロ絶縁ゲート電界効果
トランジスタ等の半導体装置をトランジスタ全部あるい
は少なくとも差動増幅回路部に用いて電子回路を構成す
ることにより達成することができる。
【0021】
【作用】化合部半導体装置では、一般に、低抵抗領域に
は不純物を高濃度にドープした化合物単結晶半導体が用
いられている。事実、現在知られている化合物多結晶半
導体の抵抗率の最低値は0.07Ωcmであり、単結晶
で得られている値よりも1桁以上高い。このため、上記
各種問題が発生する。本願発明者らは、非単結晶半導体
の低抵抗化を図るために種々検討した。その結果、化合
物多結晶半導体でも十分に低い抵抗を得ることができる
ことを見出した。本願発明は、この検討結果に基づいて
なされたものである。
【0022】実験結果について、以下説明する。
【0023】本実験においては、化合物半導体としてG
aAs、ドーピング用不純物としてベリリウムを用い
た。なお、公知の実験結果についても併わせて示す。
【0024】図4は多結晶p型GaAsの抵抗率のドー
ピングレベル依存性を示す実験結果である。図4の破線
はジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス第51
巻(1980年)第3794頁から第3800頁(Jo
urnal of Applied Physics
51(1980)pp.3794−3800)に示され
たYangらの結果を示している。彼らは多結晶GaA
s太陽電池への応用を目指して、p型不純物にZnを用
い、基板温度725℃で有機金属気相エピタキシー法に
より多結晶GaAsを形成した。しかし、粒径が2−1
0μmと大きく、抵抗率も0.07Ωcmまでしか得ら
れていない。ベース層幅は通常100nm以下であり、
ベース電極引出し領域の結晶粒がベース領域に連続に接
続するためには粒径が100nm以下でなければならな
いため、このような粒径の多結晶GaAsをヘテロ接合
バイポーラトランジスタに適用することはできない。適
用するために粒径を小さくすると、抵抗率は粒径にほぼ
反比例して増加するため、さらに高抵抗化してしまう。
ベース層の抵抗が大きいと高速動作の障害となる。この
ため、ベース層の抵抗率は通常0.004Ωcm程度の
値が用いられており、ベース抵抗を大きく増大させない
ためには、ベース抵抗に占める該ベース電極引出し領域
の抵抗が支配的にならない程度、具体的には該ベース電
極引出し領域の抵抗率が該ベース層の抵抗率の10倍を
越えない0.04Ωcm以下とすることが必要であっ
た。これが、従来の化合物多結晶半導体が半導体装置の
導電材料として用いられていなかった大きな理由と考え
られる。
【0025】一方、図3の白丸は本発明者らが行った実
験結果で、SiO2膜400nm上に基板温度450
℃、3族元素に対する5族元素の入射分圧比を50とし
た分子線エピタキシー法によりアンドープ多結晶GaA
s層30nmを形成後、同一条件でBeドープ多結晶G
aAs層100nmを作製した場合の、抵抗率のドーピ
ングレベル依存性を示している。抵抗率はドーピングレ
ベルとともに減少したが、その減少率はドーピングレベ
ル2×1020/cm3付近を境に異った傾向を示した。
p型多結晶GaAsの粒径は30−50nm程度で10
0nm以下の条件を満足し、Beのドーピングレベルが
4×1020/cm3を越えると抵抗率が0.04Ωcm
以下となった。また、基板温度をさらに低くするか、あ
るいは3族元素に対する5族元素の入射分圧比をさらに
高くすると、同一ドーピングレベルで比較したBeドー
プ多結晶GaAsの抵抗率はさらに低くなった。但し、
基板温度が550℃程度では粒径が100nmと多少大
きくなるが、実用上それほど問題なく使用することがで
きる。また、入射分圧比は50から500が望ましい
が、20以上でも低抵抗の化合物多結晶半導体層を得る
ことができる。
【0026】なお、図4では分子線エピタキシー法によ
り作製したBeドープ多結晶GaAs層の場合のみ示し
たが、有機金属気相エピタキシー法あるいは有機金属分
子線エピタキシー法により作製したCドープ多結晶Ga
As層の場合も、基板温度450℃以下、3族元素に対
する5族元素の入射分圧比を50以上とすれば、Beド
ープ多結晶GaAs層とほぼ同一の結果の得られること
がわかった。
【0027】また、ベース電極引出し領域と絶縁膜との
間に、n型あるいは不純物濃度が1×1017/cm3
越えないp型の半導体層を少くとも30nm設けること
で多結晶粒界の不連続に起因した抵抗率の増大という問
題を避けることができる。これも今回新たに見出した実
験結果に基づいており、図4を用いて説明する。図4の
黒丸はSiO2膜上にアンドープ多結晶GaAs層(バ
ッファ層)を形成せずに直接Beドープ多結晶GaAs
層100nmを、基板温度450℃、3族元素に対する
5族元素の入射分圧比を50−200とした分子線エピ
タキシー法により作製した場合の結果である。3族元素
に対する5族元素の入射分圧比が高いほど抵抗率は低く
なったが、それでもアンドープ多結晶GaAs層のある
場合に比較して高抵抗であった。これは多結晶の粒径が
多結晶層膜厚の半分程度であるために、多結晶粒間に存
在する空間による抵抗率の増大が観察されやすくなった
ためと考えられる。この傾向は多結晶層厚が100nm
よりも薄くなると、さらに顕著となった。しかし、図4
に白丸で示すようにベース電極引出し領域と絶縁膜との
間にアンドープ多結晶GaAs層が少くとも30nm存
在するだけで本問題は解決できることが明らかとなっ
た。また、上記アンドープ多結晶GaAs層の代わり
に、不純物としてSiを含んだ膜厚30nm以上のn型
多結晶半導体層、あるいはBe濃度が1×1017/cm
3を越えない膜厚30nm以上のp型多結晶半導体層を
用いても同様な効果のあることが確認された。ここで、
p型多結晶半導体を用いる場合にキャリア濃度の上限を
設定したのは、真性領域におけるベース層幅の増大によ
る遮断周波数低下を避けるためである。
【0028】さらに、ベース電極引出し領域における禁
制帯幅の最小値をベース領域における禁制帯幅の最小値
よりも小さくすることにより、ベース領域と同一の禁制
帯幅を有する半導体層をベース電極引出し領域に用いた
場合に比較して、ベース電極引出し領域におけるキャリ
ア密度および移動度がともに増大、すなわちベース抵抗
がさらに低減し、最大発振周波数がさらに増大した、超
高速ヘテロ接合バイポーラトランジスタを提供できる効
果もある。
【0029】さらに、エミッタ領域を単結晶領域と多結
晶領域とから構成し、エミッタ電極を該単結晶領域およ
び該多結晶領域の両領域に接するようすることにより、
単結晶エミッタ領域の面積をエミッタ電極面積よりも小
さくできるため、エミッタ領域の微細化が容易になる効
果がある。これは、3−5族化合物多結晶半導体にn型
不純物を高濃度に添加しても低抵抗化しにくく、エミッ
タ電流は主にエミッタ単結晶領域を流れることに起因す
る効果である。
【0030】以上、ベース電極引出し領域の形成を基板
温度450℃以下、3族元素に対する5族元素の入射分
圧比を50以上とした分子線エピタキシー法、有機金属
気相エピタキシー法、有機金属分子線エピタキシー法の
いずれかにより行う場合の説明を行ったが、上記ベース
電極引出し領域と絶縁膜の間に少くとも1分子層の半導
体を分子線エピタキシー法により形成し、該ベース電極
引出し領域を基板温度450℃以下、3族元素に対する
5族元素の入射分圧比を50以上とした有機金属気相エ
ピタキシー法あるいは有機金属分子線エピタキシー法に
より形成するようにしても全く同様な効果が得られる。
ベース電極引出し領域と絶縁膜の間に少くとも1分子層
の半導体を分子線エピタキシー法により形成するように
したのは、有機金属気相エピタキシー法あるいは有機金
属分子線エピタキシー法では絶縁膜上への半導体層の均
一な成長が困難であるためで、上記少くとも1分子層の
半導体があればそれを核にして有機金属気相エピタキシ
ー法あるいは有機金属分子線エピタキシー法により多結
晶半導体層の成長が行えることになる。
【0031】さらに、コレクタ層の形成に関して、
(a)単結晶半導体基板上に絶縁膜パタンを形成後、絶
縁膜の存在しない領域のみに第2導電型あるいは不純物
濃度が1×1017/cm3を越えない第1導電型の半導
体層からなるコレクタ層を選択的にエピタキシャル成長
する工程、および該コレクタ層上への絶縁膜の堆積およ
びエッチングによる表面の平坦化工程、(b)単結晶基
板全面に形成したコレクタ層を該基板とのなす角が鋭角
となる側面を有する形状に加工する工程、および絶縁膜
の堆積およびエッチングによる表面の平坦化工程、ある
いは(c)単結晶半導体基板上に、該基板とのなす角が
鋭角となる側面を有する絶縁膜パタンを形成後、コレク
タ層を該単結晶半導体基板上ならびに該絶縁膜上に形成
する工程を有する製造方法とすることで、ベース電極引
出し領域付近での断線等の問題なく、超高速ヘテロ接合
バイポーラトランジスタを作製することが可能となる。
すなわち、上記(a)では、コレクタ層の選択エピタキ
シャル成長の際に出現する{111}面等の(100)
基板面から傾斜した半導体斜面と垂直加工した絶縁膜側
面との間の空間に新たに絶縁膜を充填することで、該空
間にベース層半導体が堆積してベース・コレクタ間の短
絡や断線を生じる問題が防止できる。上記(b)では上
記(a)で見られたコレクタ層と絶縁膜との空間を作製
せずにコレクタ層側面を絶縁膜で埋め込むことができる
ので、ベース・コレクタ間の短絡や断線といった問題を
防止できる。また、上記(c)では、絶縁膜パタン側面
と基板とのなす角を鋭角とすることで、ベース電極引出
し領域付近での断線の問題を回避できる効果がある。
【0032】次に、上記面発光レーザの場合、n型単結
晶半導体基板上に、n型半導体分布ブラッグ反射層、半
導体活性層、およびp型半導体分布ブラッグ反射層を順
次積層した領域と絶縁膜を堆積した領域を形成し、該両
領域の接続を不純物としてBeあるいはCを少くとも4
×1020/cm3含有し、基板温度450℃以下、3族
元素に対する5族元素の入射分圧比を50以上とした分
子線エピタキシー法、有機金属気相エピタキシー法、あ
るいは有機金属分子線エピタキシー法のいずれかにより
形成した3−5族化合物多結晶半導体層により行うこと
で、酸素イオン打込みを用いない完全電流狭窄構造が実
現でき、面発光レーザの特性が大幅に向上する効果があ
る。
【0033】また、上記ヘテロ絶縁ゲート電界効果トラ
ンジスタの場合、単結晶半導体基板上に、p型半導体チ
ャネル層、キャリア濃度が1×1017/cm3以下で該
チャネル層を形成する半導体よりも禁制帯幅の大きな半
導体からなるバリア層、ならびに不純物としてBeある
いはCを少くとも4×1020/cm3含有し、分子線エ
ピタキシー法あるいは有機金属気相エピタキシー法によ
り形成したp型3−5族化合物多結晶半導体からなるゲ
ート電極を超高真空下または高純度水素雰囲気下におけ
る一貫プロセスにより作製するようにすることで、該バ
リア層と該ゲート電極との間の界面準位密度が低減し、
素子作製条件による該界面準位密度のばらつきも低減す
る効果がある。さらに、ゲート電極が半導体であるた
め、金属に比較して微細加工が可能となり、素子の高集
積化が容易になる効果もある。
【0034】以上述べたように、化合物多結晶半導体を
低抵抗導電製材料として用いることにより、上記半導体
装置に限らず他の各種半導体装置においても高性能化を
達成することができる。特に、絶縁膜上に低抵抗化合物
多結晶半導体を形成することにより、より大きな効果が
えられる。
【0035】また、上記他の目的を達成するために、上
記ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよび上記ヘテロ
絶縁ゲート電界効果トランジスタをトランジスタ全部あ
るいは少なくとも差動増幅回路部にのみ用いて電子回路
を構成するようにすることで、超高速動作可能な電子回
路が供給できる効果がある。さらに、該ヘテロ絶縁ゲー
ト電界効果トランジスタをトランジスタを用いた電子回
路の場合、ゲート電極に用いた3−5族化合物多結晶半
導体を配線としても用いることが可能となり、従来の金
属による配線工程を簡略化し、製造コストを低減できる
効果もある。
【0036】
【実施例】(実施例1)以下本発明の第1の実施例を図
1を用いて説明する。図1はベース電極が多結晶領域の
みに接する場合のAlGaAs/GaAsヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの縦断面構造図である。単結晶半
導体基板1としてGaAs(100)基板を用い、サブ
コレクタ層として高ドープn型GaAs層2(Si濃度
=5×1018/cm3、膜厚=500nm)、コレクタ
層としてn型ドープGaAs層3(Si濃度=5×10
16/cm3、膜厚=400nm)、ベース層として高ド
ープp型GaAs層5(Be濃度=4×1020/c
3、膜厚=100nm)、ベース層不純物Beの拡散
吸収層(スペーサ層)としてアンドープGaAs層7
(膜厚=50nm)、エミッタ層としてn型ドープAl
GaAs層8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1
×1018/cm3、膜厚=150nm)、エミッタオー
ミック接触形成用のキャップ層として高ドープn型Ga
As層9(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=20
0nm)をトランジスタの真性部分に備えており、寄生
コレクタ領域にSiO2膜4(膜厚400nm)、ベー
ス電極引出し領域には高ドープp型多結晶GaAs層6
(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)
を有している。エミッタ電極10およびコレクタ電極1
2にはAuGe(膜厚=200nm)を、ベース電極1
1にはAuZn(膜厚=200nm)を用いた。
【0037】本実施例によれば、寄生コレクタ領域に比
誘電率の低いSiO2膜を、ベース電極引出し領域にB
e濃度が4×1020/cm3以上のGaAs多結晶層を
用いたことにより、従来構造に比較してベース抵抗の顕
著な増大を伴わずに、ベース・コレクタ間寄生容量を約
1/3に低減できる結果、最大発振周波数を従来の1.
7倍程度にできる効果があった。
【0038】また、コレクタ領域幅を広げてベース電極
が多結晶・単結晶両領域に接するような構造を有するヘ
テロ接合バイポーラトランジスタを図2に示す。ここ
で、図2において図1と同じ符号は同じ構成要素を意味
する。本構造とすることにより、図1に示したヘテロ接
合バイポーラトランジスタに比較してベース・コレクタ
間寄生容量は数%増大するが、ベース電極の接触抵抗が
低減するためほぼ同等の特性が得られた。
【0039】(実施例2)次に、本願発明に係る化合物
多結晶半導体を用いた他の断面構造を有するAlGaA
s/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタについ
て図5を用いて説明する。
【0040】図5に示したヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタでは図1のそれにおける高ドープp型GaAs層
5、高ドープp型多結晶GaAs層6の膜厚を100n
mから70nmに低減し、SiO2膜4と層5および層
6の間に、n型ドープGaAs層14(Si濃度=5×
1016/cm3、膜厚=30nm)、n型ドープ多結晶
GaAs層15(Si濃度=5×1016/cm3、膜厚
=30nm)を設けている。その他の層構造は図1のヘ
テロ接合バイポーラトランジスタと同一の構造である。
【0041】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の厚さが70nmと薄くても、絶縁膜上にバッファ層が
30nm存在しているので、多結晶粒界の不連続に起因
したベース抵抗の増大をもたらさずにベース層幅を薄く
できるとともに、寄生コレクタ領域に比誘電率の低いS
iO2膜を用いてベース・コレクタ間寄生容量を低減す
ることができるため、遮断周波数と最大発振周波数のと
もに高い超高速ヘテロ接合バイポーラトランジスタを実
現できる効果があった。
【0042】(実施例3)以下本発明の第3の実施例を
図6を用いて説明する。図6は他の構造を有するAlG
aAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタで
あり、図1に示したヘテロ接合バイポーラトランジスタ
における高ドープp型多結晶GaAs層6上に、層6よ
りも禁制帯幅の小さな高ドープ多結晶GaAsSb層1
6(GaSbモル比=0.8、C濃度=4×1020/c
3、膜厚=200nm)をベース電極引出し領域の一
部として有している。その他の層構造は図1と同一であ
る。
【0043】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の禁制帯幅の最小値(室温で約0.7eV)をベース層
の禁制帯幅の最小値(室温で約1.43eV)よりも小
さくできるため、ベース電極引出し領域におけるキャリ
ア密度および移動度が増大し、ベース抵抗が実施例1よ
りもさらに低減し、超高速ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタを実現できた。
【0044】なお、本実施例では層16に多結晶GaA
sSb(GaSbモル比=0.8)を用いたが、混晶組
成はこの通りでなくてもよく、またGaAsSbの代わ
りにInGaAs、InAsSb、SiGe等の禁制帯
幅の小さな他の半導体の多結晶を用いてもよい。
【0045】(実施例4)以下本発明の第4の実施例を
図7を用いて説明する。図7はAlGaAs/GaAs
ヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦断面構造図であ
る。図7に示したヘテロ接合バイポーラトランジスタで
は図1における高ドープp型多結晶GaAs層6とSi
2膜4の間にn型ドープ多結晶GaAs層17(Si
濃度=5×1016/cm3、膜厚=400nm)が存在
した構造で、SiO2膜側面は基板に対して鋭角をなし
ている。容量測定の結果、層17のキャリアは空乏化し
てベース・コレクタ間寄生容量は図1の場合の約4/
5、従来技術の約4/15に低減することがわかった。
【0046】本実施例によれば、寄生コレクタ領域に絶
縁膜とともに空乏化した半導体層も用いるので、ベース
・コレクタ間寄生容量を絶縁膜のみの場合に比較してさ
らに低減でき、最大発振周波数をさらに高くできる効果
があった。
【0047】(実施例5)以下本発明の第5の実施例を
図8を用いて説明する。図8は他のAlGaAs/Ga
Asヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦断面構造図
である。図8では図1におけるコレクタ領域幅を狭くし
て、単結晶である層7、8、9の周囲に、アンドープ多
結晶GaAs層18(膜厚=50nm)、n型ドープ多
結晶AlGaAs層19(AlAsモル比=0.3、S
i濃度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)、高
ドープn型多結晶GaAs層20(Si濃度=5×10
18/cm3、膜厚=200nm)が存在する構造となっ
ている。種々のエミッタ面積を有するトランジスタの電
流−電圧特性を調べた結果、エミッタ電流はエミッタの
単結晶領域である層7、8、9を主に流れ、層18、1
9、20にはほとんど流れないことが明らかとなった。
【0048】本実施例によれば、エミッタ電極を単結晶
領域と多結晶領域の両方に接するように構成されるた
め、エミッタ単結晶領域の面積をエミッタ面積よりも小
さくできた結果、エミッタ領域の微細化とともに素子全
体の微細化が容易になり、寄生容量の小さな超高速ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタを実現できる効果があっ
た。
【0049】なお、上記実施例1〜5ではAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタを示した
が、InAlAs/InGaAsやInP/InGaA
s等の他の3−5族化合物半導体を用いたヘテロ接合バ
イポーラトランジスタについても全く同様に適用でき、
その際のベース層不純物はBeの代わりにCでもよい。
また、本実施例では寄生コレクタ領域にSiO2膜を用
いたが、Si34膜等の他の絶縁膜を用いてもよい。さ
らに、本実施例では基板にGaAs(100)面を用い
たが、他の材料や他の面方位を用いてもよいのはもちろ
んである。
【0050】(実施例6)次に本発明の第1の実施例に
示したAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の第1例を図9〜図15を用いて
説明する。
【0051】図9〜図13は、図1に示した縦断面構造
を有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの製造方法の第1例を示す工程図である。
はじめにGaAs(100)基板1を硫酸、過酸化水
素、水の混合液からなるエッチング液によりエッチング
し、流水洗浄後分子線エピタキシー装置内に導入する。
As4分子線照射下で基板1を580℃に加熱して表面
の自然酸化膜を除去し、基板温度580℃、Gaに対す
るAs4の入射分圧比15の条件で高ドープn型GaA
s層2(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=500
nm)のエピタキシャル成長を行った。続いて、基板を
分子線エピタキシー装置から取り出し、熱分解化学的気
相分解法によりSiO2膜4(膜厚=300nm)を堆
積した(図9)。
【0052】ホトリソグラフィーおよびドライエッチン
グによるSiO2膜の垂直加工後、基板を有機金属気相
エピタキシー装置内に導入し、n型ドープGaAs層3
(Si濃度=5×1016/cm3、膜厚=400nm)
の選択エピタキシャル成長を行った(図10)。続い
て、塗布絶縁膜21(膜厚=2μm)を塗布して表面の
平坦化を行った後に、ドライエッチングにより層3表面
の面出しを行った(図11)。
【0053】その後、基板を分子線エピタキシー装置内
に再び導入し、As4分子線照射下で基板を580℃に
加熱して表面の自然酸化膜を除去後、450℃に降温し
て、Gaに対するAs4の入射分圧比を100として、
高ドープp型GaAs層5(Be濃度=4×1020/c
3、膜厚=100nm)および高ドープp型多結晶G
aAs層6(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=1
00nm)の同時形成を行い、続いて基板温度450
℃、Gaに対するAs4の入射分圧比15の条件でアン
ドープGaAs層7(膜厚=50nm)とアンドープ多
結晶GaAs層18(膜厚=50nm)、n型ドープA
lGaAs層8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=
1×1018/cm3、膜厚=150nm)とn型ドープ
多結晶AlGaAs層19(AlAsモル比=0.3、
Si濃度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)、
高ドープn型GaAs層9(Si濃度=5×1018/c
3、膜厚=200nm)と高ドープn型多結晶GaA
s層20(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=20
0nm)それぞれの同時形成を行った(図12)。
【0054】基板を分子線エピタキシー装置から取り出
した後に、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより
ベース電極引出し領域およびサブコレクタ層の表面出し
を行い、エミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ
電極12を形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製した(図13)。
【0055】ここで、ベース電極引出し領域の表面出し
エッチングの際に、図13に示した通りに、層6の表面
を正確に出す必要は必ずしも無い。これは高ドープp型
多結晶GaAs層6のシート抵抗とベース電極の比接触
抵抗のエッチング深さ依存性を調べた実験結果に基づい
ており、図14および図15を用いて説明する。図14
(a)はベース電極引出し領域の表面出しエッチングの
際に層6をオーバーエッチングした場合、図14(b)
は層18または層19の一部を残してエッチングした場
合ののエミッタ・ベース領域付近の拡大図である。層1
8表面からのエッチング深さをdとすると、d=ds
(dsは層18の膜厚で本実験では70nm)のときに
ベース電極引出し領域の表面出しが正確に行われたこと
になる。ベース電極にAuZn系のアロイ電極を用い、
ベース層不純物にBeを用いた場合の実験結果を図15
に示したが、−100nm<d<80nm、すなわち図
14(a)における層6のオーバーエッチング深さが8
0nm以下、あるいは図14(b)における層18およ
び層19のエッチング残し厚さが100nm以下であれ
ば、シート抵抗は低いまま維持され、比接触抵抗の増大
もあまり問題とならない程度であることがわかった。こ
のことはベース層不純物にCを用いてもベース電極にA
uZn系のアロイ電極を用いれば同様に当てはまり、ベ
ース電極にWやAl等のノンアロイ系電極を用いる場合
でもベース層不純物にBeを用いれば同様に当てはまる
ことが確認された。前者はp型不純物Znの層6への、
後者はBeの層18および層19への拡散による効果と
考えられる。本実施例ならびに以下に記述するヘテロ接
合バイポーラトランジスタの製造方法を示す他の実施例
における説明図では、簡単のためにベース電極引出し領
域の表面が正確に露出された場合を示すが、それぞれ−
100nm<d<80nmの許容範囲を含むものであ
る。
【0056】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の形成を、基板温度450℃以下、3族元素に対する5
族元素の入射分圧比を50以上とした分子線エピタキシ
ー法により行うので、寄生コレクタ領域に比誘電率の低
いSiO2膜を用いてベース電極引出し領域が多結晶と
なってもベース抵抗の顕著な増大を伴わずに、ベース・
コレクタ間寄生容量の小さな超高速ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタを作製できる効果がある。また、コレク
タ層の選択エピタキシャル成長の際に出現する{11
1}面等の傾斜した半導体斜面と垂直加工した絶縁膜側
面との間の空間に塗布絶縁膜を充填するので、該空間に
ベース層半導体層が堆積してベース・コレクタ間の短絡
や断線を生じる問題なしに、歩留よくヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタを作製できる効果もある。
【0057】(実施例7)以下第1実施例に示したAl
GaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法の他の例を図16〜図18を用いて説明す
る。
【0058】図16〜図18は図1に示す縦断面構造を
有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の第2例を示す工程図である。図
9から図11までは実施例6と同様である。図11の状
態の試料を分子線エピタキシー装置内に導入し、As4
分子線照射下で580℃に加熱して表面の自然酸化膜を
除去後、基板温度450℃、Gaに対するAs4の入射
分圧比50の条件でアンドープGaAs1分子層22お
よびアンドープ多結晶GaAs1分子層23を同時形成
した(図16)。なお、層22および層23の膜厚は1
分子層以上であれば厚くても構わない。
【0059】試料を分子線エピタキシー装置から取り出
し、有機金属気相エピタキシー装置あるいは有機金属分
子線エピタキシー装置へ導入後、基板温度450℃、G
aに対するAs4の入射分圧比50の条件で、高ドープ
p型GaAs層5(C濃度=4×1020/cm3、膜厚
=100nm)および高ドープp型多結晶GaAs層6
(C濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)の
同時形成を行い、続いて基板温度450℃、Gaに対す
るAs4の入射分圧比15の条件でn型ドープAlGa
As層8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1×1
18/cm3、膜厚=150nm)とn型ドープ多結晶
AlGaAs層19(AlAsモル比=0.3、Si濃
度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)、高ドー
プn型GaAs層9(Si濃度=5×1018/cm3
膜厚=200nm)と高ドープn型多結晶GaAs層2
0(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=200n
m)のそれぞれの同時形成を行った(図17)。
【0060】試料を有機金属気相エピタキシー装置ある
いは有機金属分子線エピタキシー装置から取り出した後
に、ホトリソグラフィーおよびエッチングによりベース
電極引出し領域およびサブコレクタ層の表面出しを行
い、エミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ電極
12を形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作
製した(図18)。
【0061】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
と絶縁膜の間に少くとも1分子層の半導体を分子線エピ
タキシー法により形成するので、絶縁膜上への半導体層
の成長の困難な有機金属気相エピタキシー法や有機金属
分子線エピタキシー法を用いても、絶縁膜上の半導体層
を核として多結晶半導体層の成長が行える。有機金属気
相エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法を用
いると、分子線エピタキシー法では高濃度ドーピング困
難なCがp型不純物として利用できる。ここで、CはB
eに比較して拡散しにくい不純物であることから、Be
拡散吸収層として実施例6で用いた層7および層18は
不要になるとともに、素子特性の再現性ならびに信頼性
に優れたヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製でき
る効果がある。また、コレクタ層の選択エピタキシャル
成長の際に出現する{111}面等の傾斜した半導体斜
面と垂直加工した絶縁膜側面との間の空間に塗布絶縁膜
を充填するので、該空間にベース層半導体層が堆積して
ベース・コレクタ間の短絡や断線を生じる問題なしに、
歩留よくヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製でき
る効果もある。
【0062】(実施例8)以下第1実施例に示したAl
GaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法の他の例を図19〜図23を用いて説明す
る。
【0063】図19〜図23は図1に示した縦断面構造
を有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの製造方法の他の例を示す工程図である。
はじめにGaAs(100)基板1を硫酸、過酸化水
素、水の混合液からなるエッチング液によりエッチング
し、流水洗浄後分子線エピタキシー装置内に導入する。
As4分子線照射下で基板1を580℃に加熱して表面
の自然酸化膜を除去し、基板温度580℃、Gaに対す
るAs4の入射分圧比15の条件で高ドープn型GaA
s層2(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=500
nm)、n型ドープGaAs層3(Si濃度=5×10
16/cm3、膜厚=400nm)のエピタキシャル成長
を行った。続いて、試料を分子線エピタキシー装置から
取り出し、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより
層3を基板に対して鋭角となる側面を有するように加工
した(図19)。
【0064】熱分解化学的気相分解法によりSiO2
4(膜厚=400nm)を堆積後、塗布絶縁膜21(膜
厚=2μm)を塗布して表面の平坦化を行った(図2
0)。続いて、絶縁膜のエッチバックによる層3表面の
露出を行い(図21)、試料を分子線エピタキシー装置
内に導入した。As4分子線照射下で基板を580℃に
加熱して表面の自然酸化膜を除去後、450℃に降温し
て、Gaに対するAs4の入射分圧比を150として、
高ドープp型GaAs層5(Be濃度=4×1020/c
3、膜厚=100nm)および高ドープp型多結晶G
aAs層6(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=1
00nm)の同時形成を行い、続いて基板温度450
℃、Gaに対するAs4の入射分圧比15の条件でアン
ドープGaAs層7(膜厚=50nm)とアンドープ多
結晶GaAs層18(膜厚=50nm)、n型ドープA
lGaAs層8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=
1×1018/cm3、膜厚=150nm)とn型ドープ
多結晶AlGaAs層19(AlAsモル比=0.3、
Si濃度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)、
高ドープn型GaAs層9(Si濃度=5×1018/c
3、膜厚=200nm)と高ドープn型多結晶GaA
s層20(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=20
0nm)のそれぞれの同時形成を行った(図22)。
【0065】試料を分子線エピタキシー装置から取り出
した後に、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより
ベース電極引出し領域およびサブコレクタ層の表面出し
を行い、エミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ
電極12を形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製した(図23)。
【0066】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の形成を、基板温度450℃以下、3族元素に対する5
族元素の入射分圧比を50以上とした分子線エピタキシ
ー法により行うので、寄生コレクタ領域に比誘電率の低
いSiO2膜を用いてベース電極引出し領域が多結晶と
なっても、ベース抵抗の顕著な増大を伴わずに、ベース
・コレクタ間寄生容量の小さな超高速ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタを作製できる効果がある。また、コレ
クタ層側面が基板となす角を鋭角にする工程と、絶縁膜
の堆積とエッチングによる表面の平坦化工程を有するの
で、コレクタ層側面を完全に絶縁膜で埋め込むことがで
き、ベース・コレクタ間の短絡や断線の問題なく、歩留
よくヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製できる効
果もある。
【0067】(実施例9)以下第2実施例に示したAl
GaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法を図9〜図13、図16〜図18および図1
9〜図23を用いて説明する。
【0068】図5に示した縦断面構造を有するAlGa
As/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製
造方法は、図1に示した縦断面構造を有するAlGaA
s/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造
方法の第1例(実施例6、図9〜図13)、第2例(実
施例7、図16〜図18)、第3例(実施例8、図19
〜図23)と基本的に同じである。本実施例では実施例
6−8において、層5および層6の膜厚を70nmと
し、それらを絶縁膜上に形成する直前に分子線エピタキ
シー法を用いて基板温度450℃、Gaに対するAs4
の入射分圧比200の条件でn型ドープGaAs層14
(Si濃度=5×1016/cm3、膜厚=30nm)お
よびn型ドープ多結晶GaAs層15(Si濃度=5×
1016/cm3、膜厚=30nm)を同時形成した。
【0069】本実施例によれば、ベース層5と同時形成
するベース電極引出し領域6の膜厚が70nmと薄くな
っても、多結晶粒界の不連続に起因した抵抗率の増大と
いった問題が起こらないため、ベース層薄層化による遮
断周波数の増大とベース抵抗の低減による最大発振周波
数の増大を同時に満足する、超高速ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタを製造できる効果がある。また、コレク
タ層形成に関して、(a)単結晶半導体基板上に絶縁膜
パタンを形成後、絶縁膜の存在しない領域のみに第n型
あるいは不純物濃度が1×1017/cm3を越えないp
型の半導体層からなるコレクタ層を選択的にエピタキシ
ャル成長する工程、および該コレクタ層上への絶縁膜の
堆積およびエッチングによる表面の平坦化工程を有す
る、あるいは(b)単結晶基板全面に形成したコレクタ
層を該基板とのなす角が鋭角となる側面を有する形状に
加工する工程、ならびに絶縁膜の堆積およびエッチング
による表面の平坦化工程を有する製造方法とすること
で、ベース電極引出し領域付近での断線等の問題なく、
歩留よく超高速ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作
製できる効果もある。
【0070】(実施例10)以下第3実施例に示したA
lGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジス
タの製造方法の例を図24〜図27を用いて説明する。
【0071】図24〜図27は図6に示す縦断面構造を
有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の例を示す工程図である。図9〜
図11までは実施例6と同様である。図11の状態に基
板温度450℃、Gaに対するAs4の入射分圧比50
の条件で、分子線エピタキシー法により、高ドープp型
GaAs層5(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=
100nm)と高ドープp型多結晶GaAs層6(Be
濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)、およ
び高ドープp型GaAsSb層24(GaSbモル比=
0.8、Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=200
nm)と高ドープp型多結晶GaAsSb層16(Ga
Sbモル比=0.8、Be濃度=4×1020/cm3
膜厚=200nm)の同時形成を行った(図24)。
【0072】試料を分子線エピタキシー装置から取り出
し、SiO2膜25(膜厚=100nm)の堆積、なら
びにホトリソグラフィーおよびエッチングによる層2
5、層16、層6の選択的除去を行い(図25)、続い
てSiO2側壁26(最大幅=0.3μm)をSiO2
の堆積およびエッチング工程により形成した。試料を有
機金属気相エピタキシー装置あるいは有機金属分子線エ
ピタキシー装置に移し、基板温度550℃、Gaに対す
るAs4の入射分圧比15の条件でn型ドープAlGa
As層8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1×1
18/cm3、膜厚=150nm)および高ドープn型
GaAs層9(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=
200nm)の選択エピタキシャル成長を行った。(図
26)。試料を有機金属気相エピタキシー装置あるいは
有機金属分子線エピタキシー装置から取り出した後に、
ホトリソグラフィーおよびエッチングによりベース電極
引出し領域およびサブコレクタ層の表面出しを行い、エ
ミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ電極12を
形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製した
(図27)。
【0073】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
における禁制帯幅の最小値(室温で約0.7eV)をベ
ース層の禁制帯幅の最小値(室温で約1.43eV)よ
りも小さくできるため、ベース電極引出し領域における
キャリア密度および移動度が増大し、ベース抵抗の低
く、ベース・コレクタ間容量の小さな超高速ヘテロ接合
バイポーラトランジスタを作製できる効果がある。ま
た、また、コレクタ層の選択エピタキシャル成長の際に
出現する{111}面等の傾斜した半導体斜面と垂直加
工した絶縁膜側面との間の空間に塗布絶縁膜を充填する
ので、該空間にベース層半導体層が堆積してベース・コ
レクタ間の短絡や断線を生じる問題なしに、歩留よくヘ
テロ接合バイポーラトランジスタを作製できる効果もあ
る。
【0074】なお、本実施例では層16に多結晶GaA
sSb(GaSbモル比=0.8)を用いたが、混晶組
成はこの通りでなくてもよく、またGaAsSbの代わ
りにInGaAs、InAsSb、SiGe等の禁制帯
幅の小さな他の半導体の多結晶を用いてもよい。
【0075】(実施例11)以下第3実施例に示したA
lGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジス
タの製造方法の他の例を図28〜図30を用いて説明す
る。
【0076】図28〜図30は図6に示した縦断面構造
を有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの製造方法の他の例を示す工程図である。
図9から図12までは実施例6と同様である。図12の
状態にSiO2膜25(膜厚=100nm)を堆積後、
ホトリソグラフィーおよびエッチングにより層20、層
19、層18の選択的除去を行った(図28)。その
後、新たにSiO2膜25(膜厚=500nm)を堆積
後、ホトリソグラフィーおよびエッチングによりSiO
2側壁26(最大幅=0.3μm)の加工を行った(図
29)。
【0077】続いて、試料を有機金属気相エピタキシー
装置あるいは有機金属分子線エピタキシー装置に移し、
基板温度500℃、Gaに対する(As4+Sb4)の入
射分圧比50の条件で高ドープp型多結晶GaAsSb
層16(GaSbモル比=0.8、C濃度=4×1020
/cm3、膜厚=200nm)の選択エピタキシャル成
長を行った。試料を有機金属気相エピタキシー装置ある
いは有機金属分子線エピタキシー装置から取り出した後
に、層25および層26の除去を行い、ホトリソグラフ
ィーおよびエッチングによりベース電極引出し領域およ
びサブコレクタ層の表面出しを行い、エミッタ電極1
0、ベース電極11、コレクタ電極12を形成し、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタを作製した(図30)。
【0078】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
における禁制帯幅の最小値(室温で約0.7eV)をベ
ース層の禁制帯幅の最小値(室温で約1.43eV)よ
りも小さくできるため、ベース電極引出し領域における
キャリア密度および移動度が増大し、ベース抵抗の低
く、ベース・コレクタ間容量の小さな超高速ヘテロ接合
バイポーラトランジスタを作製できる効果がある。ま
た、コレクタ層の選択エピタキシャル成長の際に出現す
る{111}面等の傾斜した半導体斜面と垂直加工した
絶縁膜側面との間の空間に塗布絶縁膜を充填するので、
該空間にベース層半導体層が堆積してベース・コレクタ
間の短絡や断線を生じる問題なしに、歩留よくヘテロ接
合バイポーラトランジスタを作製できる効果もある。
【0079】なお、本実施例では層16に多結晶GaA
sSb(GaSbモル比=0.8)を用いたが、混晶組
成はこの通りでなくてもよく、またGaAsSbの代わ
りにInGaAs、InAsSb、SiGe等の禁制帯
幅の小さな他の半導体の多結晶を用いてもよい。
【0080】(実施例12)以下第3実施例に示したA
lGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジス
タの製造方法の他の例を図31〜図37を用いて説明す
る。
【0081】図31〜図37は図6に示す縦断面構造を
有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の他の例を示す工程図である。図
9〜図11までは実施例6と同様である。図11の状態
に分子線エピタキシー法により、基板温度450℃、G
aに対するAs4の入射分圧比50の条件で高ドープp
型GaAs層5(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚
=100nm)および高ドープp型多結晶GaAs層6
(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)
を絶縁膜上に同時形成した(図31)。
【0082】試料を分子線エピタキシー装置から取り出
した後に、SiO2膜25(膜厚=400nm)を堆積
後、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより層25
の垂直加工を行った(図32)。その後、試料を分子線
エピタキシー装置内へ再び導入し、基板温度450℃、
Gaに対する(As4+Sb4)の入射分圧比50の条件
で高ドープp型多結晶GaAsSb層16(GaSbモ
ル比=0.8、Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=
300nm)を全面に堆積した。再び試料を分子線エピ
タキシャル成長装置から取り出し、塗布絶縁膜21(膜
厚=2μm)を塗布し、表面の平坦化を行った(図3
3)。
【0083】その後、塗布絶縁膜のエッチバックを行い
(図34)、高ドープp型多結晶GaAsSb層16の
エッチング、ならびにホトリソグラフィーおよびエッチ
ングによるSiO2膜25の除去を行った(図35)。
【0084】SiO2膜の堆積およびエッチング工程に
よるSiO2膜側壁26(最大幅=0.3μm)を形成
後、試料を有機金属気相エピタキシー装置あるいは有機
金属分子線エピタキシー装置に移した。基板温度550
℃、Gaに対するAs4の入射分圧比15の条件でアン
ドープGaAs層7(膜厚=30nm)、n型ドープA
lGaAs8(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1
×1018/cm3、膜厚=150nm)、高ドープn型
GaAs層9(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚=
200nm)の選択エピタキシャル成長を行った(図3
6)。
【0085】試料を有機金属気相エピタキシー装置ある
いは有機金属分子線エピタキシー装置から取り出した後
に、表面に露出したSiO2膜を除去し、ホトリソグラ
フィーおよびエッチングによりベース電極引出し領域お
よびサブコレクタ層の表面出しを行い、エミッタ電極1
0、ベース電極11、コレクタ電極12を形成し、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタを作製した(図37)。
【0086】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
における禁制帯幅の最小値(室温で約0.7eV)をベ
ース層の禁制帯幅の最小値(室温で約1.43eV)よ
りも小さくできるため、ベース電極引出し領域における
キャリア密度および移動度が増大し、ベース抵抗の低
く、ベース・コレクタ間容量の小さな超高速ヘテロ接合
バイポーラトランジスタを作製できる効果がある。ま
た、コレクタ層の選択エピタキシャル成長の際に出現す
る{111}面等の傾斜した半導体斜面と垂直加工した
絶縁膜側面との間の空間に塗布絶縁膜を充填するので、
該空間にベース層半導体層が堆積してベース・コレクタ
間の短絡や断線を生じる問題なしに、歩留よくヘテロ接
合バイポーラトランジスタを作製できる効果もある。
【0087】なお、図37ではベース電極とコレクタ電
極を片側にのみ設けた構造としたが、図6のようにそれ
ぞれ両側に設けた構造としてもよいのはもちろんであ
る。また、本実施例では層16に多結晶GaAsSb
(GaSbモル比=0.8)を用いたが、混晶組成はこ
の通りでなくてもよく、またGaAsSbの代わりにI
nGaAs、InAsSb、SiGe等の禁制帯幅の小
さな他の半導体の多結晶を用いてもよい。
【0088】(実施例13)以下第4実施例に示したA
lGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジス
タの製造方法の例を図38〜図40を用いて説明する。
【0089】図38〜図40は図7に示す縦断面構造を
有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の第1例を示す工程図である。図
9の状態までは実施例6と同様である。図9の状態にホ
トリソグラフィーおよびエッチングにより、SiO2
4の側面が基板と鋭角をなすように加工した(図3
8)。次に、試料を分子線エピタキシー装置に導入し、
基板温度450℃、Gaに対するAs4の入射分圧比1
5の条件で、n型ドープGaAs層3(Si濃度=5×
1016/cm3、膜厚=400nm)とn型ドープ多結
晶GaAs層17(Si濃度=5×1016/cm3、膜
厚=400nm)の同時形成後、基板温度450℃、G
aに対するAs4の入射分圧比50の条件で、高ドープ
p型GaAs層5(Be濃度=4×1020/cm3、膜
厚=100nm)と高ドープp型多結晶GaAs層6
(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)
の同時形成を行った。続いて、基板温度450℃、Ga
に対するAs4の入射分圧比15の成長条件に戻して、
アンドープGaAs層7(膜厚=50nm)とアンドー
プ多結晶GaAs層18(膜厚=50nm)、n型ドー
プAlGaAs層8(AlAsモル比=0.3、Si濃
度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)とn型ド
ープ多結晶AlGaAs層19(AlAsモル比=0.
3、Si濃度=1×1018/cm3、膜厚=150n
m)、高ドープn型GaAs層9(Si濃度=5×10
18/cm3、膜厚=200nm)と高ドープn型多結晶
GaAs層20(Si濃度=5×1018/cm3、膜厚
=200nm)のそれぞれの同時形成を行った(図3
9)。
【0090】基板を分子線エピタキシー装置から取り出
した後に、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより
ベース電極引出し領域およびサブコレクタ層の表面出し
を行い、エミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ
電極12を形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製した(図40)。
【0091】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の形成を、基板温度450℃以下、3族元素に対する5
族元素の入射分圧比を50以上とした分子線エピタキシ
ー法により行うので、寄生コレクタ領域に比誘電率の低
いSiO2膜を用いてベース電極引出し領域が多結晶と
なっても、ベース抵抗の顕著な増大を伴わずに、ベース
・コレクタ間寄生容量の小さな、超高速ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタを作製できる効果がある。また、S
iO2膜側面と基板とのなす角を鋭角とすることで、ベ
ース電極引出し領域付近での断線の問題を回避して、歩
留よく超高速ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製
できる効果もある。さらに、寄生コレクタ領域にSiO
2膜とともに空乏化した半導体層も用いるので、ベース
・コレクタ間寄生容量をSiO2膜のみの場合に比較し
てさらに低減でき、最大発振周波数をさらに高くできる
効果もある。
【0092】(実施例14)以下第4実施例に示した本
発明に係るAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの製造方法の他の例を図41〜図43を
用いて説明する。
【0093】図41〜図43は図7に示す縦断面構造を
有するAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法の他の例を示す工程図である。図
38の状態までは実施例13と同様である。図38の状
態に分子線エピタキシー法により、基板温度550℃、
Gaに対するAs4の入射分圧比15の条件で、アンド
ープGaAs1分子層22およびアンドープ多結晶Ga
As1分子層23をSiO2膜パタン上に同時形成した
(図41)。この際、層22および層23の膜厚は1分
子層以上であれば厚くても構わない。
【0094】試料を有機金属気相エピタキシー装置ある
いは有機金属分子線エピタキシー装置へ移し、基板温度
450℃、Gaに対するAs4の入射分圧比15の条件
で、n型ドープGaAs層3(Si濃度=5×1016
cm3、膜厚=400nm)とn型ドープ多結晶GaA
s層17(Si濃度=5×1016/cm3、膜厚=40
0nm)を同時形成した。その後、基板温度450℃、
Gaに対するAs4の入射分圧比50の条件で、高ドー
プp型GaAs層5(Be濃度=4×1020/cm3
膜厚=100nm)と高ドープp型多結晶GaAs層6
(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚=100nm)
の同時形成を行い、続いて基板温度450℃、Gaに対
するAs4の入射分圧比15の成長条件に戻して、n型
ドープAlGaAs層8(AlAsモル比=0.3、S
i濃度=1×1018/cm3、膜厚=150nm)とn
型ドープ多結晶AlGaAs層19(AlAsモル比=
0.3、Si濃度=1×1018/cm3、膜厚=150
nm)、高ドープn型GaAs層9(Si濃度=5×1
18/cm3、膜厚=200nm)と高ドープn型多結
晶GaAs層20(Si濃度=5×1018/cm3、膜
厚=200nm)のそれぞれの同時形成を行った(図4
2)。
【0095】基板を分子線エピタキシー装置から取り出
した後に、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより
ベース電極引出し領域およびサブコレクタ層の表面出し
を行い、エミッタ電極10、ベース電極11、コレクタ
電極12を形成し、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製した(図43)。
【0096】本実施例によれば、ベース電極引出し領域
の形成を、基板温度450℃以下、3族元素に対する5
族元素の入射分圧比を50以上とした分子線エピタキシ
ー法により行うので、寄生コレクタ領域に比誘電率の低
いSiO2膜を用いてベース電極引出し領域が多結晶と
なっても、ベース抵抗の顕著な増大を伴わずに、ベース
・コレクタ間寄生容量の小さな、超高速ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタを作製できる効果がある。また、S
iO2膜側面と基板とのなす角を鋭角とすることで、ベ
ース電極引出し領域付近での断線の問題を回避して、歩
留よく超高速ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製
できる効果もある。さらに、寄生コレクタ領域にSiO
2膜とともに空乏化した半導体層も用いるので、ベース
・コレクタ間寄生容量をSiO2膜のみの場合に比較し
てさらに低減でき、最大発振周波数をさらに高くできる
効果もある。さらに、ベース電極引出し領域と絶縁膜の
間に設けた少くとも1分子層の半導体を核として、有機
金属気相エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー
法による多結晶半導体層の成長が行えるため、分子線エ
ピタキシー法では高濃度ドーピング困難なCがp型不純
物として利用できる。CはBeに比較して拡散しにくい
不純物であることから、Be拡散吸収層である層7およ
び層18が不要になるとともに、素子特性の再現性なら
びに信頼性に優れたヘテロ接合バイポーラトランジスタ
を作製できる効果もある。
【0097】以上示した実施例6〜14において、得ら
れた化合物多結晶半導体の粒径は30〜50nmの範囲
であった。
【0098】なお、実施例6〜14ではAlGaAs/
GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
について示したが、InAlAs/InGaAsやIn
P/InGaAs等の他の3−5族化合物半導体を用い
たヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法につい
ても全く同様に適用できる。また、ベース不純物はBe
の代わりに炭素(C)を用いても良い。本実施例では寄
生コレクタ領域にSiO2膜を用いたが、Si34膜等
の他の絶縁膜を用いてもよい。さらに、本実施例では基
板にGaAs(100)面を用いたが、他の材料や他の
面方位を用いてもよいのはもちろんである。
【0099】(実施例15)ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタを用いた差動増幅回路について図44を用いて
説明する。
【0100】本実施例中で示すヘテロ接合バイポーラト
ランジスタのいずれかを、図44中のトランジスタQ
1、Q2およびQ3に用いて差動増幅回路を作製した。
なお、Viは入力電圧、V01、V02は出力電圧、VRは
参照電圧、Vccbは一定電圧を示す。
【0101】本実施例によれば、ベース抵抗、ベース・
コレクタ間寄生容量のともに小さく、最大発振周波数の
大きいヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いて差動
増幅回路が構成できるので、超高速動作可能な差動増幅
回路、ならびにそれを基本単位とした電子回路システム
を提供できる効果がある。
【0102】なお、本実施例ではAlGaAs/GaA
sヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いた差動増幅
回路について示したが、InAlAs/InGaAsや
InP/InGaAs等の他の3−5族化合物半導体か
らなるヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いても全
く同様な効果がある。
【0103】(実施例16)以下本発明の実施例である
面発光レーザについて図45〜図51を用いて説明す
る。
【0104】図45〜図50は本発明に係る面発光レー
ザの製造方法を示す縦断面構造図である。始めに、高ド
ープn型GaAs(100)基板31上にn型分布ブラ
ッグ反射層32、アンドープ(実効的にキャリア濃度約
2×1015/cm3のn型)InGaAs歪量子井戸層
(活性層)33、p型分布ブラッグ反射層34を、分子
線エピタキシー法により基板温度550℃で成長した
(図45(a))。ここで、層32、33、34は図4
5(b)に示すような層構造からなっている。すなわ
ち、層32はp型GaAs482Å/p型AlAs61
3Å(Be濃度=4×1018/cm3)超格子20周期
(ただし、最表面層はGaAs964Å)、層34はn
型GaAs482Å/n型AlAs613Å(Si濃度
=4×1018/cm3)超格子20周期からなる分布ブ
ラッグ反射層であり、層33はInAsモル比=0.2
のアンドープInGaAs80Åを井戸層、アンドープ
GaAs100ÅならびにアンドープGaAs500Å
を障壁層とするInGaAs歪量子井戸層である。
【0105】試料を分子線エピタキシー装置から取りだ
し、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより層33
および34を選択的に除去した(図46)。その後、塗
布絶縁膜21を1μm塗布して表面を平坦化し、エッチ
バックにより層34の表面を露出した(図47)。
【0106】続いて、表面反射膜となるSiO2膜(膜
厚800nm)4およびAl23膜(膜厚200nm)
35を堆積後、ホトリソグラフィーおよびエッチングに
より、層4および層35の選択的除去を行った(図4
8)。試料を分子線エピタキシー装置へ移し、基板温度
450℃、Gaに対するAs4の入射分圧比50の条件
で、高ドープp型多結晶GaAs層(Be濃度=4×1
20/cm3、膜厚150nm)6の堆積を行った後
に、試料を分子線エピタキシー装置から取りだしてホト
レジスト(膜厚2μm)36により表面の平坦化を行っ
た(図49(f))。
【0107】最後に、ホトレジストおよび高ドープp型
多結晶GaAs層のエッチバック、ならびにp型電極3
7およびn型電極38の形成を行って、面発光レーザを
作製した(図50)。
【0108】図51には従来技術により作製された面発
光レーザの縦断面構造図を示した。面発光レーザの特性
向上に電流狭窄構造は不可欠であるが、これを従来技術
では酸素イオン打込み領域39の形成により実現してい
た。これは酸素イオン打込みにより発生したGaAsの
結晶欠陥による高抵抗化現象をしたものであるが、高抵
抗化が必ずしも十分では無いために領域39内でリーク
電流が発生したり、イオン打込みの影響が横方向に数μ
m−10μmも及ぶため電流狭窄領域の微細化が困難、
すなわち面発光レーザの高集積化が困難である、などの
問題を抱えていた。また、従来技術ではp型電極引出し
領域としてベリリウムイオン打込み領域40を用いてい
たが、ベリリウムのイオン打込みによる活性化率は数%
と低く、該引出し領域の低抵抗化が困難であるという問
題もあった。
【0109】本発明によれば、従来技術における酸素イ
オン打込み領域39の代わりに絶縁膜21を、ベリリウ
ムイオン打込み領域40の代わりに高ドープp型多結晶
GaAs6を用いることができるので、リーク電流や結
晶欠陥の影響が無く、高集積化と同時にp型電極引出し
領域の低抵抗化も図れるため、高周波応答ならびに信頼
性に優れた超高集積面発光レーザを作製できる効果があ
る。
【0110】なお、本実施例ではInAsモル比=0.
2のInGaAs歪量子井戸面発光レーザを示したが、
他のInAsモル比や他の3−5族化合物半導体混晶を
用いた面発光レーザに関しても同様に適用できるのはも
ちろんである。また、本実施例では層6中の不純物にB
e、成長方法に分子線エピタキシー法を用いたが、少く
とも1分子層厚のアンドープGaAsを分子線エピタキ
シー法により形成後、有機金属気相エピタキシー法ある
いは有機金属分子線エピタキシー法によりCドープ多結
晶GaAsを形成してもよい。さらに、本実施例では基
板にGaAs(100)面を用いたが、他の材料や他の
面方位を用いてもよいのはもちろんである。
【0111】(実施例17)以下本発明の実施例である
ヘテロ絶縁ゲート電界効果トランジスタについて図52
〜図56を用いて説明する。
【0112】図52〜図56は本発明によるヘテロ絶縁
ゲート電界効果トランジスタの製造方法を示す縦断面構
造図である。始めに、アンドープGaAs(100)基
板1上にp型GaAsチャネル層(Be濃度=5×10
18/cm3、膜厚20nm)41、アンドープAlGa
As(AlAsモル比=0.3、膜厚100nm)42
を基板温度550℃で分子線エピタキシー法により形成
後、基板温度を100℃に降温してBeドープアモルフ
ァスGaAs層(Be濃度=4×1020/cm3、膜厚
100nm)6を堆積する。その後、基板温度580℃
にて20分間、As雰囲気でアニールすることにより層
6をアモルファスから多結晶に変えた(図52)。層6
のアモルファスから多結晶への変化は反射高速電子線回
折法によるその場観察により確認した。
【0113】続いて、試料を分子線エピタキシー装置か
ら取り出し、SiO2膜(膜厚100nm)4の堆積
後、ホトリソグラフィーおよびエッチングにより層4、
6、42の選択的除去を行った(図53)。その後、S
iO2膜の堆積およびエッチバックによりSiO2側壁2
6を形成し(図54)、試料を有機金属気相エピタキシ
ー装置あるいは有機金属分子線エピタキシー装置へ移し
て、基板温度600℃で高ドープp型GaAs層5の選
択的エピタキシャル成長を行った。試料をエピタキシー
装置から取り出して、p型電極を形成した後の縦断面構
造が図55である。
【0114】最後に、SiO2膜の除去、ならびにホト
リソグラフィーおよびエッチングによる層6の選択的除
去と素子間分離を行い、図56に示す構造のヘテロ絶縁
ゲート電界効果トランジスタを作製した。
【0115】本実施例によれば、バリア層/ゲート電極
界面を超高真空中で形成できるため、バリア層表面を一
度大気にさらしてからゲート電極を形成する従来技術に
比較して、該界面における界面準位密度を大幅に低減で
き、ゲート電極作製条件による該界面準位密度のばらつ
きも低減できる効果がある。
【0116】なお、本実施例ではバリア層/ゲート電極
界面を分子線エピタキシー装置内で形成したが、有機金
属気相エピタキシー装置内で形成しても、高純度水素雰
囲気である限りは全く問題なく同様に実施できる。ま
た、本実施例ではAlGaAs/GaAsヘテロ絶縁ゲ
ートpチャネル電界効果トランジスタの場合を示した
が、nチャネルの場合や例えばInP/InGaAs等
の他の材料系を用いたヘテロ絶縁ゲート電界効果トラン
ジスタの場合も同様に実施できるのはもちろんである。
【0117】(実施例18)以下本発明の実施例である
多結晶GaAsを用いた配線について図57を用いて説
明する。
【0118】図57は本発明による多結晶GaAsを用
いた配線の例として示した、ヘテロ絶縁ゲート電界効果
トランジスタを用いたメモリセルの回路図である。Vc
cは電源電位、Vssは接地電位で、T1、T2、T
3、T4、T5、およびT6は実施例16に示した方法
で作製されたヘテロ絶縁ゲート電界効果トランジスタで
ある。図示したメモリセルにはワード線とビット線が存
在するが、本実施例では該ヘテロ絶縁ゲート電界効果ト
ランジスタのゲート電極とワード線を、Cを4×1020
/cm3含む多結晶GaAs層(厚さ100nm)で同
時に形成した。
【0119】本実施例によれば、ゲート電極とワード線
を多結晶GaAsで同時形成するために、金属配線を用
いる従来技術に比較して作製工程が簡略化し、電子回路
作製コストの低減する効果がある。また、半導体では金
属に比較して微細加工が可能なため、従来よりもゲート
電極長や配線間隔を短縮出来る結果、電子回路の性能向
上と素子の高集積化を同時に満足させられる効果もあ
る。
【0120】なお本実施例では、多結晶GaAs中の不
純物としてCを用いたが、濃度が4×1020/cm3
上であればBeでもよいのはもちろんである。また、多
結晶GaAsの代わりに多結晶GaAsSb等の更に禁
制帯幅の小さな材料を用いれば、配線およびゲート電極
の抵抗が更に下がり、より性能の良い電子回路を得るこ
とができる。また、本実施例や実施例15で示したヘテ
ロ絶縁ゲート電界効果トランジスタやヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタを用いた電子回路は、さらに実施例1
6に示した面発光レーザやその集積化光回路と、チップ
内あるいはチップ間で結合させて、光電子集積回路とし
て動作させても良いのはもちろんである。
【0121】(実施例19)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタを図58から図6
3を用いて説明する。
【0122】図58は本発明によるヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの断面構造模式図である。図58におい
て、51はFeドープ半絶縁性InP基板、52はn型
InGaAsサブコレクタ(Si:2×1019/c
3、厚さ500nm、InAsモル比0.53)、5
3は埋込絶縁膜SiO2(厚さ300nm)、54はn
型InGaAsコレクタ(Si:2×1016/cm3
厚さ300nm、InAsモル比0.53)、56は単
結晶p型InGaAs内部ベース(Be:4×1020
cm3、厚さ70nm、InAsモル比0.53)、5
7は多結晶p型InGaAs外部ベース(Be:1×1
20/cm3、厚さ70nm、InAsモル比0.5
3)、58は表面保護絶縁膜SiO2(厚さ200n
m)、59はn型InPエミッタ(Si:1×1018
cm3、厚さ200nm)、60はn型InGaAsエ
ミッタ電極取り出し領域(Si:2×1019/cm3
厚さ500nm、InAsモル比0.53)、61はエ
ミッタ電極、62はベース電極、63はコレクタ電極で
ある。本構造において、エミッタ電極取り出し領域60
は単結晶で、多結晶外部ベース57の存在する領域の表
面保護絶縁膜58上まで横方向に伸びて形成されてい
る。以下、本構造の半導体装置の製造方法に関して、図
59から図63を用いて説明する。
【0123】初めに、Feドープ半絶縁性InP基板5
1上にn型InGaAsサブコレクタ52を分子線エピ
タキシー(MBE)法、有機金属気相エピタキシー(M
OVPE)法あるいは有機金属分子線エピタキシー(M
OMBE)法のいずれかにより500℃付近でエピタキ
シャル成長した後に、試料を結晶成長装置から取り出
し、埋込絶縁膜となるSiO2膜53(厚さ250n
m)を化学的気相堆積法により形成した。続いて、ホト
リソグラフィーおよび化学エッチングによりトランジス
タ真性領域のSiO2膜53を選択的に除去して、MO
VPE法あるいはMOMBE法によりn型InGaAs
コレクタ54の選択成長を500℃にて行った(図5
9)。
【0124】その後、試料を結晶成長装置から取り出
し、塗布絶縁膜55(SiO2、厚さ300nm)を用
いて絶縁膜53とコレクタ54との空間を埋込んだ。そ
して、厚さ2μm程度の有機膜で試料表面の平坦化を行
い、有機膜と絶縁膜を等速度でエッチングすることによ
りコレクタ54の表面を露出した(図60)。
【0125】続いて、試料をMBE装置に導入し、p型
不純物としてBeを用いて単結晶p型InGaAs内部
ベース56と多結晶p型InGaAs外部ベース57の
同時形成を450℃にて行った。単結晶InGaAsコ
レクタ54上には単結晶p型InGaAs内部ベース5
6が、塗布絶縁膜55上には多結晶p型InGaAs外
部ベース57が形成されたことは、電子線回折法および
透過型電子顕微鏡法により確認された。また、この際、
Be濃度を少くとも4×1020/cm3にすることで、
多結晶p型InGaAs外部ベース57の抵抗率を実用
上問題の無い0.04Ωcm以下にできることも電気伝
導度測定から明らかとなった。
【0126】内部ベースおよび外部ベースの形成後、試
料をMBE装置から取り出し、表面保護絶縁膜58を化
学的気相堆積法により形成した。そして、ホトリソグラ
フィーおよび化学エッチングによりエミッタ形成領域に
おける表面保護絶縁膜58の選択的除去を行った(図6
1)。
【0127】その後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置に移し、n型InPエミッタ59およびn
型InGaAsエミッタ電極取り出し領域60の選択成
長を500℃にて行った。この際、n型InGaAsエ
ミッタ電極取り出し領域60は表面保護絶縁膜58上を
単結晶状態のまま横方向に500nm程度伸びて成長す
ることが、試料断面の走査型電子顕微鏡観察より明らか
となった。この状態でエミッタ電極金属として例えばW
Siを全面に堆積し、ホトリソグラフィーおよびドライ
エッチングによりエミッタ電極61の加工を行った(図
62)。
【0128】引き続き、エミッタ電極61をマスクとし
て表面保護絶縁膜58、多結晶p形InGaAs外部ベ
ース57のエッチングを行った後に、ホトリソグラフィ
ーおよびドライエッチングを用いてベース電極およびコ
レクタ電極形成領域における表面保護絶縁膜58、塗布
絶縁膜55、埋込絶縁膜53の選択的除去を行った。そ
して最後に、ベース電極62およびコレクタ電極63を
リフトオフ法により形成した(図63)。
【0129】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極引き出し領域をエミッタ・ベース接合面積よ
りも大きくできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタ
の微細化を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを実現できる効果がある。
【0130】(実施例20)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタを図58および図
64、図65を用いて説明する。
【0131】本実施例によるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面構造は実施例19に同じである(図5
8)。実施例19ではn型InGaAsコレクタ54を
選択成長により形成したが、本実施例ではn型InGa
Asコレクタ54は基板全面への成長後、トランジスタ
領域以外を選択的に除去することにより作製した。以
下、本ヘテロ接合バイポーラトランジスタの作製方法を
説明する。
【0132】初めに、Feドープ半絶縁性InP基板5
1上にn型InGaAsサブコレクタ(Si:2×10
19/cm3、厚さ500nm、InAsモル比0.5
3)52およびn型InGaAsコレクタ(Si:2×
1016/cm3、厚さ300nm、InAsモル比0.
53)54をMBE法、MOVPE法あるいはMOMB
E法のいずれかにより500℃付近でエピタキシャル成
長した後に、試料を結晶成長装置から取り出し、ホトリ
ソグラフィーおよび化学エッチングによりトランジスタ
真性領域以外のコレクタ54全てとサブコレクタ52の
一部(膜厚50nm程度)を選択的に除去した(図6
4)。
【0133】その後、塗布絶縁膜SiO2(厚さ500
nm)55を塗布後、厚さ2μm程度の有機膜で試料表
面の平坦化を行い、有機膜と絶縁膜を等速度でエッチン
グすることにより、コレクタ54の表面を露出した(図
65)。
【0134】続いて、実施例19の図61〜図63に示
したように、ベース・エミッタ等を形成してヘテロ接合
バイポーラトランジスタを作製した。
【0135】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極引き出し領域をエミッタ・ベース接合面積よ
りも大きくできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタ
の微細化を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを実現できる効果がある。
【0136】(実施例21)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタを図58から図6
3を用いて説明する。
【0137】図58は本発明によるヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの断面構造模式図である。図58におい
て、51はFeドープ半絶縁性InP基板、52はn型
GaAsSbサブコレクタ(Si:2×1019/c
3、厚さ500nm、GaSbモル比0.49)、5
3は埋込絶縁膜SiO2(厚さ300nm)、54はn
型GaAsSbコレクタ(Si:2×1016/cm3
厚さ300nm、GaSbモル比0.49)、56は単
結晶p型GaAsSb内部ベース(Be:4×1020
cm3、厚さ70nm、GaSbモル比0.49)、5
7は多結晶p型GaAsSb外部ベース(Be:4×1
20/cm3、厚さ70nm、GaSbモル比0.4
9)、58は表面保護絶縁膜SiO2(厚さ200n
m)、59はn型InPエミッタ(Si:1×1018
cm3、厚さ200nm)、60はn型GaAsSbエ
ミッタ電極取り出し領域(Si:2×1019/cm3
厚さ500nm、GaSbモル比0.49)、61はエ
ミッタ電極、62はベース電極、63はコレクタ電極で
ある。本構造において、エミッタ電極取り出し領域60
は単結晶で、多結晶外部ベース57の存在する領域の表
面保護絶縁膜58上まで横方向に伸びて形成されてい
る。以下、本構造のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法に関して、図60から図63を用いて説明す
る。
【0138】初めに、Feドープ半絶縁性InP基板5
1上にn型GaAsSbサブコレクタ52をMBE法、
MOVPE法あるいはMOMBE法のいずれかにより5
00℃付近でエピタキシャル成長した後に、試料を結晶
成長装置から取り出し、埋込絶縁膜となるSiO2膜5
3(厚さ250nm)を化学的気相堆積法により形成し
た。続いて、ホトリソグラフィーおよび化学エッチング
によりトランジスタ真性領域のSiO2膜53を選択的
に除去して、MOVPE法あるいはMOMBE法により
n型GaAsSbコレクタ54の選択成長を500℃に
て行った(図60)。
【0139】その後、試料を結晶成長装置から取り出
し、塗布絶縁膜55(SiO2、厚さ300nm)を用
いて絶縁膜53とコレクタ54との空間を埋込んだ。そ
して、厚さ2μm程度の有機膜で試料表面の平坦化を行
い、有機膜と絶縁膜を等速度でエッチングすることによ
りコレクタ54の表面を露出した(図61)。
【0140】続いて、試料をMBE装置に導入し、p型
不純物としてBeを用いて単結晶p型GaAsSb内部
ベース56と多結晶p型GaAsSb外部ベース57の
同時形成を450℃にて行った。この際、Be濃度を少
くとも4×1020/cm3にすることで、多結晶p型G
aAsSb外部ベース57の抵抗率を実用上問題の無い
0.04Ωcm以下にできることも電気伝導度測定から
明らかとなった。
【0141】内部ベースおよび外部ベースの形成後、試
料をMBE装置から取り出し、表面保護絶縁膜58を化
学的気相堆積法により形成した。そして、ホトリソグラ
フィーおよび化学エッチングによりエミッタ形成領域に
おける表面保護絶縁膜58の選択的除去を行った(図6
2)。
【0142】その後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置に移し、n型InPエミッタ59およびn
型GaAsSbエミッタ電極取り出し領域60の選択成
長を500℃にて行った。この際、n型GaAsSbエ
ミッタ電極取り出し領域60は表面保護絶縁膜58上を
単結晶状態のまま横方向に500nm程度伸びて成長す
ることが、試料断面の走査型電子顕微鏡観察より明らか
となった。この状態でエミッタ電極金属を全面に堆積
し、ホトリソグラフィーおよびドライエッチングにより
エミッタ電極61の加工を行った(図63)。
【0143】引き続き、エミッタ電極61をマスクとし
て表面保護絶縁膜58、多結晶p形GaAsSb外部ベ
ース57のエッチングを行った後に、ホトリソグラフィ
ーおよびドライエッチングを用いてベース電極およびコ
レクタ電極形成領域における表面保護絶縁膜58、塗布
絶縁膜55、埋込絶縁膜53の選択的除去を行った。そ
して最後に、ベース電極62およびコレクタ電極63を
リフトオフ法により形成した(図64)。
【0144】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極引き出し領域をエミッタ・ベース接合面積よ
りも大きくできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタ
の微細化を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを実現できる効果がある。
【0145】(実施例22)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタに関して説明す
る。
【0146】本実施例によるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面構造は実施例21に同じである(図5
8)。実施例21ではp型GaAsSbベースをMBE
法により形成したが(図62)、本実施例ではアンドー
プGaAsSb(厚さ1分子層以上50nm以下)をM
BE法により成長してn型GaAsSbコレクタ54上
に単結晶を、絶縁膜55上に多結晶を形成した後に、試
料をMOVPE装置あるいはMOMBE装置に移して単
結晶領域56および多結晶領域57からなるp型GaA
sSbベースの成長を行った。ここで、MOVPE法ま
たはMOMBE法により直接ベースの成長を行わなかっ
たのは、両成長法とも絶縁膜上への多結晶GaAsSb
の形成が困難であるためである。また、ベースの成長に
はトリメチルガリウムを用いて、p型不純物としてCを
4×1020/cm3ドーピングした。この際、C濃度を
少くとも4×1020/cm3にすることで、多結晶p型
GaAsSb外部ベース57の抵抗率を実用上問題の無
い0.04Ωcm以下にできることも電気伝導度測定か
ら明らかとなった。それ以外の作製工程は実施例21と
同じとした。
【0147】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極引き出し領域をエミッタ・ベース接合面積よ
りも大きくできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタ
の微細化を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを実現できる効果がある。また、結晶成長
時の拡散が大きなBeの代わりに拡散の小さなCを用い
るため、信頼性および再現性の高い半導体装置を実現で
きる効果もある。
【0148】(実施例23)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタを図58から図6
3を用いて説明する。
【0149】図58は本発明によるヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの断面構造模式図である。図58におい
て、51はアンドープ半絶縁性GaAs基板、52はn
型GaAsサブコレクタ(Si:5×1018/cm3
厚さ500nm)、53は埋込絶縁膜SiO2(厚さ3
00nm)、54はn型GaAsコレクタ(Si:5×
1016/cm3、厚さ300nm)、56は単結晶p型
GaAs内部ベース(C:4×1020/cm3、厚さ7
0nm)、57は多結晶p型GaAs外部ベース(C:
1×1020/cm3、厚さ70nm)、58は表面保護
絶縁膜SiO2(厚さ200nm)、59はn型AlG
aAsエミッタ(Si:1×1018/cm3、厚さ20
0nm、AlAsモル比0.3)、60はn型InGa
Asエミッタ電極取り出し領域(Si:2×1019/c
3、厚さ500nm、InAsモル比0.6)、61
はエミッタ電極、62はベース電極、63はコレクタ電
極である。本構造において、エミッタ電極取り出し領域
60は単結晶で、多結晶外部ベース57の存在する領域
の表面保護絶縁膜58上まで横方向に伸びて形成されて
いる。以下、本構造の半導体装置の製造方法に関して、
図59から図63を用いて説明する。
【0150】初めに、アンドープ半絶縁性GaAs基板
51上にn型GaAsサブコレクタ52をMBE法、M
OVPE法あるいはMOMBE法のいずれかにより50
0℃付近でエピタキシャル成長した後に、試料を結晶成
長装置から取り出し、埋込絶縁膜となるSiO2膜53
(厚さ250nm)を化学的気相堆積法により形成し
た。続いて、ホトリソグラフィーおよび化学エッチング
によりトランジスタ真性領域のSiO2膜53を選択的
に除去して、MOVPE法あるいはMOMBE法により
n型InGaAsコレクタ54の選択成長を500℃に
て行った(図59)。
【0151】その後、試料を結晶成長装置から取り出
し、塗布絶縁膜55(SiO2、厚さ300nm)を用
いて絶縁膜53とコレクタ54との空間を埋込んだ。そ
して、厚さ2μm程度の有機膜で試料表面の平坦化を行
い、有機膜と絶縁膜を等速度でエッチングすることによ
りコレクタ54の表面を露出した(図60)。
【0152】続いて、試料をMBE装置に導入し、アン
ドープGaAs(厚さ1分子層以上、図示せず)を堆積
後、試料をMOVPE装置あるいはMOMBE装置へ移
して、原料にトリメチルガリウムを用いることにより、
単結晶p型GaAs内部ベース56と多結晶p型GaA
s外部ベース57の同時形成を450℃にて行った。こ
の際、ベース中のp型不純物であるCの濃度を少くとも
4×1020/cm3にすることで、多結晶p型GaAs
外部ベース57の抵抗率を実用上問題の無い0.04Ω
cm以下にできることも電気伝導度測定から明らかとな
った。
【0153】内部ベースおよび外部ベースの形成後、試
料を結晶成長装置から取り出し、表面保護絶縁膜58を
化学的気相堆積法により形成した。そして、ホトリソグ
ラフィーおよび化学エッチングによりエミッタ形成領域
における表面保護絶縁膜58の選択的除去を行った(図
61)。
【0154】その後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置に移し、n型AlGaAsエミッタ59お
よびn型InGaAsエミッタ電極取り出し領域60の
選択成長を500℃にて行った。この際、n型InGa
Asエミッタ電極取り出し領域60は表面保護絶縁膜5
8上を単結晶状態のまま横方向に500nm程度伸びて
成長することが、試料断面の走査型電子顕微鏡観察より
明らかとなった。この状態でエミッタ電極金属を全面に
堆積し、ホトリソグラフィーおよびドライエッチングに
よりエミッタ電極61の加工を行った(図62)。
【0155】引き続き、エミッタ電極61をマスクとし
て表面保護絶縁膜58、多結晶p形GaAs外部ベース
57のエッチングを行った後に、ホトリソグラフィーお
よびドライエッチングを用いてベース電極およびコレク
タ電極形成領域における表面保護絶縁膜58、塗布絶縁
膜55、埋込絶縁膜53の選択的除去を行った。そして
最後に、ベース電極62およびコレクタ電極63をリフ
トオフ法により形成した(図63)。
【0156】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極面積をエミッタ・ベース接合面積よりも大き
くできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタの微細化
を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラトランジ
スタを実現できる効果がある。また、結晶成長時の拡散
が大きなBeの代わりに拡散の小さなCを用いるため、
信頼性および再現性の高い半導体装置を実現できる効果
もある。
【0157】(実施例24)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタに関して説明す
る。
【0158】本実施例によるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面構造は実施例23に同じである(図5
8)。実施例23では単結晶p型GaAs内部ベース5
6と多結晶p型GaAs外部ベース57を同時に形成し
たため、p型不純物であるCの濃度を同一値にしか設定
できなかったが、本実施例では両者の形成を別々に行っ
た。以下、本バイポーラ型半導体装置の作製方法を図5
8から図67を用いて説明する。
【0159】図59から図61までの作製工程は実施例
23と同じとした。図61の状態で、表面保護絶縁膜5
8をマスクにドライエッチングを用いて、単結晶p型G
aAs56の選択除去を行った(図66)。
【0160】その後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置に移し、単結晶p型GaAs(C濃度4×
1019/cm3、厚さ120nm)64、n型AlGa
Asエミッタ(Si:1×1018/cm3、厚さ150
nm、AlAsモル比0.3)59、およびn型InG
aAsエミッタ電極取り出し領域(Si:2×1019
cm3、厚さ500nm、InAsモル比0.6)60
の選択成長を500℃にて行った。この際、n型InG
aAsエミッタ電極取り出し領域60は表面保護絶縁膜
58上を単結晶状態のまま横方向に500nm程度伸び
て成長することが、試料断面の走査型電子顕微鏡観察よ
り明らかとなった。この状態でエミッタ電極金属を全面
に堆積し、ホトリソグラフィーおよびドライエッチング
によりエミッタ電極61の加工を行った(図67)。
【0161】引き続き、エミッタ電極61をマスクとし
て表面保護絶縁膜58、多結晶p形GaAs外部ベース
57のエッチングを行った後に、ホトリソグラフィーお
よびドライエッチングを用いてベース電極およびコレク
タ電極形成領域における表面保護絶縁膜58、塗布絶縁
膜55、埋込絶縁膜53の選択的除去を行った。そして
最後に、ベース電極62およびコレクタ電極63をリフ
トオフ法により形成した。
【0162】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極面積をエミッタ・ベース接合面積よりも大き
くできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタの微細化
を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラトランジ
スタを実現できる効果がある。また、結晶成長時の拡散
が大きなBeの代わりに拡散の小さなCを用いるため、
信頼性および再現性の高い半導体装置を実現できる効果
もある。さらに、単結晶p型GaAs内部ベース中のC
濃度を多結晶p型GaAs外部ベース中よりも小さくで
きるため、電流増幅率が大きく、ベース抵抗の小さな超
高速半導体装置を実現できる効果もある。
【0163】なお、本実施例ではGaAs基板上にAl
GaAs/GaAsヘテロ接合を有するバイポーラ型半
導体装置に関して説明したが、InP基板上にInP/
InGaAs、InAlAs/InGaAs、InP/
GaAsSb等のヘテロ接合を有するバイポーラトラン
ジスタに関しても同様に実施できるのは勿論である。
【0164】(実施例25)以下、本発明の実施例であ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタに関して説明す
る。
【0165】本実施例によるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの断面構造は実施例23に同じである(図5
8)。実施例23では単結晶p型GaAs内部ベース5
6と多結晶p型GaAs外部ベース57を同時に形成し
たため、p型不純物であるC濃度を同一値にしか設定で
きなかったが、本実施例では両者の形成を別々に行っ
た。以下、本バイポーラ型半導体装置の作製方法を図5
8から図69を用いて説明する。
【0166】図59から図60までの作製工程は実施例
23と同じとした。図60の状態で、試料をMBE装置
内に導入し、アンドープGaAs(厚さ1分子層以上、
図示せず)を堆積後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置へ移して、原料にトリメチルガリウムを用
いることにより、単結晶p型GaAsベース(C:4×
1019/cm3、厚さ50nm)64と多結晶p型Ga
Asベース(C:4×1019/cm3、厚さ50nm)
65の同時形成、ならびに単結晶p型GaAsベース
(C:4×1020/cm3、厚さ100nm)56と多
結晶p型GaAsベース(C:4×1020/cm3、厚
さ100nm)57の同時形成を450℃にて行った。
この際、C濃度を少くとも4×1020/cm3にするこ
とで、多結晶p型GaAs外部ベース57の抵抗率を実
用上問題の無い0.04Ωcm以下にできることも電気
伝導度測定から明らかとなった。その後、表面保護絶縁
膜8を化学的気相堆積法により形成した。そして、ホト
リソグラフィーおよび化学エッチングによりエミッタ形
成領域における表面保護絶縁膜58の選択的除去を行っ
た後に、表面保護絶縁膜58をマスクにドライエッチン
グにより単結晶p型GaAs層の選択的除去を行った
(図68)。
【0167】その後、試料をMOVPE装置あるいはM
OMBE装置に移し、n型AlGaAsエミッタ(S
i:1×1018/cm3、厚さ280nm、AlAsモ
ル比0.3)59およびn型InGaAsエミッタ電極
取り出し領域(Si:2×1019/cm3、厚さ500
nm、InAsモル比0.6)60の選択成長を500
℃にて行った。この際、n型InGaAsエミッタ電極
取り出し領域60は表面保護絶縁膜58上を単結晶状態
のまま横方向に500nm程度伸びて成長することが、
試料断面の走査型電子顕微鏡観察より明らかとなった。
この状態でエミッタ電極金属を全面に堆積し、ホトリソ
グラフィーおよびドライエッチングによりエミッタ電極
61の加工を行った(図69)。
【0168】引き続き、エミッタ電極61をマスクとし
て表面保護絶縁膜58、多結晶p形GaAs外部ベース
57のエッチングを行った後に、ホトリソグラフィーお
よびドライエッチングを用いてベース電極およびコレク
タ電極形成領域における表面保護絶縁膜58、塗布絶縁
膜55、埋込絶縁膜53の選択的除去を行った。そして
最後に、ベース電極62およびコレクタ電極63をリフ
トオフ法により形成した。
【0169】本実施例によれば、ベース・コレクタ間寄
生容量を従来の約1/3に低減できることに加えて、エ
ミッタ電極面積をエミッタ・ベース接合面積よりも大き
くできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタの微細化
を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラトランジ
スタを実現できる効果がある。また、結晶成長時の拡散
が大きなBeの代わりに拡散の小さなCを用いるため、
信頼性および再現性の高い半導体装置を実現できる効果
もある。さらに、単結晶p型GaAs内部ベース中のC
濃度を多結晶p型GaAs外部ベース中よりも小さくで
きるため、電流増幅率が大きく、ベース抵抗の小さな超
高速半導体装置を実現できる効果もある。さらに、単結
晶p型GaAs内部ベース14のC濃度を多結晶p型G
aAs外部ベースよりも小さくできるため、電流増幅率
が大きく、ベース抵抗の小さな超高速ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタを実現できる効果もある。
【0170】なお、本実施例ではGaAs基板上にAl
GaAs/GaAsヘテロ接合を有するバイポーラ型半
導体装置に関して説明したが、InP基板上にInP/
InGaAs、InAlAs/InGaAs、InP/
GaAsSb等のヘテロ接合を有するバイポーラトラン
ジスタに関しても同様に実施できるのは勿論である。
【0171】
【発明の効果】本発明によれば、化合物多結晶半導体層
の粒径および抵抗率を従来技術に比較して格段に小さく
できるので、高性能で信頼性の高い半導体装置を実現で
きる。特に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合
には、寄生コレクタ領域に比誘電率の低い絶縁膜を用い
てベース・コレクタ間寄生容量の低減を図っても、ベー
ス抵抗の顕著な増大がなく、超高速動作化できる効果が
ある。また、ベース電極引出し領域と絶縁膜との間に膜
厚30nm以上の半導体層を設けるか、あるいはベース
電極引出し領域における禁制帯幅の最小値をベース領域
における禁制帯幅の最小値よりも小さくすることで、ベ
ース抵抗がさらに低減し、最大発振周波数がさらに増大
したヘテロ接合バイポーラトランジスタを提供できる効
果もある。さらに、ベース電極引出し領域作製時に短絡
や断線の問題がないので、歩留よく超高速ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタを作製できる効果もある。さら
に、エミッタ電極面積をエミッタ・ベース接合よりも大
きくできるため、エミッタ抵抗の低減とエミッタの微細
化を同時に達成した超高速ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタを実現できる効果もある。
【0172】また、面発光レーザの場合には、素子寄生
領域に酸素イオン打込みを行わずに絶縁膜で埋め込み、
素子真性領域と素子寄生領域を3−5族化合物半導体p
型多結晶層で接続するため、完全な電流狭窄構造が実現
でき、特性が大幅に向上する効果がある。
【0173】さらに、上記ヘテロ絶縁ゲート電界効果ト
ランジスタの場合には、バリア層/ゲート電極界面を超
高真空下または高純度水素雰囲気下で一貫して作製出来
るため、該界面における界面準位密度が低減し、素子作
製条件による該界面準位密度のばらつきも低減できる効
果もある。また、ゲート電極や配線の微細加工が可能と
なり、素子の高集積化が容易になる効果もある。
【0174】さらに、上記ヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタおよびヘテロ絶縁ゲート電界効果トランジスタ
を、トランジスタ全部あるいは少なくとも差動増幅回路
部に用いて電子回路を構成することにより、超高速動作
可能な差動増幅回路、ならびにそれを基本単位とした電
子回路システムを提供できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で示した本発明に係るAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦断面
構造図である。
【図2】第1実施例で示した本発明に係る他のAlGa
As/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦
断面構造図である。
【図3】従来技術により作製されたAlGaAs/Ga
Asヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦断面構造図
である。
【図4】多結晶GaAsの抵抗率のドーピングレベル依
存性を示す実験結果である。
【図5】第2実施例で示した本発明に係るAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦構造
構造図である。
【図6】第3実施例で示した本発明に係るAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦構造
構造図である。
【図7】第4実施例で示した本発明に係るAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦構造
構造図である。
【図8】第5実施例で示した本発明に係るAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの縦構造
構造図である。
【図9】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs/
GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
の第1例を示す工程図である。
【図10】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図11】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図12】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図13】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図14】図13に示すAlGaAs/GaAsヘテロ
接合バイポーラトランジスタの製造工程におけるベース
電極引出し領域表面露出エッチングの説明図である。
【図15】高ドープ多結晶GaAs層シート抵抗とベー
ス電極の比接触抵抗のベース電極引出し領域表面露出エ
ッチング深さ依存性を示す実験結果である。
【図16】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図17】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図18】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図19】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図20】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図21】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図22】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図23】図1に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図24】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図25】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図26】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図27】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図28】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図29】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図30】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図31】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図32】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図33】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図34】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図35】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図36】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図37】図6に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図38】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図39】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図40】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の例を示す工程図である。
【図41】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図42】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図43】図7に示す縦断面構造を有するAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法の他の例を示す工程図である。
【図44】本発明に係るAlGaAs/GaAsヘテロ
接合バイポーラトランジスタを用いた差動増幅器の回路
図である。
【図45】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図46】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図47】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図48】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図49】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図50】本発明に係る面発光レーザの製造方法の製造
工程図である。
【図51】従来技術により作製された面発光レーザの縦
断面構造図である。
【図52】本発明に係るpチャネルヘテロ絶縁ゲート電
界効果トランジスタの製造工程図である。
【図53】本発明に係るpチャネルヘテロ絶縁ゲート電
界効果トランジスタの製造工程図である。
【図54】本発明に係るpチャネルヘテロ絶縁ゲート電
界効果トランジスタの製造工程図である。
【図55】本発明に係るpチャネルヘテロ絶縁ゲート電
界効果トランジスタの製造工程図である。
【図56】本発明に係るpチャネルヘテロ絶縁ゲート電
界効果トランジスタの製造工程図である。
【図57】本発明に係る多結晶GaAsを用いた配線の
例を示す回路図である。
【図58】本発明に係るヘテロ接合バイポーラトランジ
スタの縦構造構造図である。
【図59】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の例を示す工
程図である。
【図60】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の例を示す工
程図である。
【図61】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の例を示す工
程図である。
【図62】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の例を示す工
程図である。
【図63】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の例を示す工
程図である。
【図64】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第2の例を示す工
程図である。
【図65】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第2の例を示す工
程図である。
【図66】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第6の例を示す工
程図である。
【図67】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第6の例を示す工
程図である。
【図68】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第7の例を示す工
程図である。
【図69】図58に示す縦断面構造を有するヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造方法の第7の例を示す工
程図である。
【符号の説明】
1,51…単結晶半導体基板、2,31,52…サブコ
レクタ層、3,14,54…コレクタ層、4,25,2
6,53,58,65…絶縁膜、5,56,64…単結
晶半導体内部ベース層、6,57…多結晶半導体外部ベ
ース層、7…アンドープスペーサ層、8,59…エミッ
タ層、9,60…エミッタ電極取り出し領域、10,6
1…エミッタ電極、11,62…ベース電極、12,6
3…コレクタ電極、13…酸素イオン打込み領域、1
5,17…n型ドープ多結晶GaAs層、16…高ドー
プp型多結晶GaAsSb層、18…アンドープ多結晶
GaAs層、19…n型ドープ多結晶AlGaAs層、
20…高ドープn型多結晶GaAs層、21…塗布Si
2膜、22…アンドープGaAs1分子層、23…ア
ンドープ多結晶GaAs1分子層、24…高ドープp型
多結晶GaAsSb層、31…高ドープn型GaAs基
板、32…n型分布ブラッグ反射層、33…InGaA
s歪量子井戸層、34…p型分布ブラッグ反射層、35
…Al23膜、36…ホトレジスト、37…p型電極、
38…n型電極、39…酸素イオン打込み領域、40…
ベリリウムイオン打込み領域、41…p型GaAsチャ
ネル層、42…アンドープAlGaAs層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/205 29/784 21/338 29/812 H01S 3/18 7376−4M H01L 29/80 H (72)発明者 堀内 勝忠 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 三島 友義 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 中村 徹 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抵抗率が0.04Ωcm以下の化合物多結
    晶半導体からなる導電層を有することを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】上記化合物多結晶半導体は3−5族化合物
    半導体およびその混晶からなることを特徴とする請求項
    1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】上記化合物多結晶半導体は不純物としてB
    eを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の半
    導体装置。
  4. 【請求項4】上記化合物多結晶半導体は不純物としてC
    を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導
    体装置。
  5. 【請求項5】上記不純物の濃度は少なくとも4×1020
    /cm3であることを特徴とする請求項3又は4記載の
    半導体装置。
  6. 【請求項6】上記化合物多結晶半導体の粒径は100n
    m以下であることを特徴とする請求項1乃至5記載の半
    導体装置。
  7. 【請求項7】単結晶半導体基板と、該基板上に形成され
    た第1の膜と、該絶縁膜上に形成された抵抗率が0.0
    4Ωcm以下の化合物多結晶半導体層とを有することを
    特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】上記単結晶基板は、3−5族化合物半導体
    からなることを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】上記第1の膜は絶縁膜であることを特徴と
    する請求項7又は8記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】上記絶縁膜はSiO2又はSi34から
    なることを特徴とする請求項7又は8記載の半導体装
    置。
  11. 【請求項11】上記半導体装置は、ヘテロ接合バイポー
    ラトランジスタ、面発光レーザ又はヘテロ絶縁ゲート電
    界効果トランジスタを含むことを特徴とする請求項1乃
    至8記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】単結晶半導体基板と、該基板上に形成さ
    れ、所望の形状を有する第1導電型の化合物単結晶半導
    体からなる第1の層と、該第1の層上に形成され、所望
    の形状を有する第1導電型の化合物単結晶半導体からな
    る第2の層と、該第1の層上で、かつ該第2の層の周囲
    を囲んで形成された絶縁膜と、該第2の層上に形成さ
    れ、第1導電型とは逆の第2導電型を有する化合物単結
    晶半導体からなる第3の層と、該絶縁膜上に形成され、
    該第3の層と電気的に接続された抵抗率が0.04Ωc
    m以下の第2導電型を有する化合物多結晶半導体層と、
    該第3の層上に形成され、該第3の層を構成する化合物
    単結晶半導体と禁制帯幅が異なり、第1導電型を有する
    化合物単結晶半導体からなる第4の層と、前記第1の
    層、前記化合物多結晶半導体層及び前記第4の層にそれ
    ぞれ電気的に接続された第1電極、第2電極及び第3電
    極とを有するヘテロ接合バイポーラトランジスタを備え
    たことを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】上記第4の層は上記化合物多結晶半導体
    層上に絶縁膜を介して形成されていることを特徴とする
    半導体装置。
  14. 【請求項14】上記第3の層及び上記第4の層は、それ
    ぞれGaAs、AlGaAsからなることを特徴とする
    請求項12又は13記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】上記第3の層及び上記第4の層は、それ
    ぞれInGaAs、InAlAsからなることを特徴と
    する請求項12又は13記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】上記第3の層及び上記第4の層は、それ
    ぞれInGaAs、InPからなることを特徴とする請
    求項12又は13記載の半導体装置。
  17. 【請求項17】上記第2電極は、上記第3の層と上記化
    合物多結晶半導体層との上部に形成されていることを特
    徴とする請求項12乃至16記載の半導体装置。
  18. 【請求項18】上記絶縁膜と上記化合物多結晶半導体層
    との間に、更に第4の半導体層が設けられていることを
    特徴とする請求項12乃至16記載の半導体装置。
  19. 【請求項19】上記第4の半導体層は、第1導電型ある
    いは不純物濃度が1×1017/cm3を越えない第2導
    電型であることを特徴とする請求項18記載の半導体装
    置。
  20. 【請求項20】上記化合物多結晶半導体層上に、該化合
    物多結晶半導体層を構成する半導体の禁制帯幅よりも小
    さな値を有する化合物多結晶半導体からなる第5の層を
    有することを特徴とする請求項12乃至19記載の半導
    体装置。
  21. 【請求項21】上記化合物多結晶半導体層は多結晶Ga
    Asからなることを特徴とする請求項20記載の半導体
    装置。
  22. 【請求項22】上記第5の層は、GaAsSb、InG
    aAs、InAsSb又はSiGeの多結晶からなるこ
    とを特徴とする請求項21記載の半導体装置。
  23. 【請求項23】上記絶縁膜の側面が上記基板の主面に対
    して鋭角をなしていることを特徴とする請求項12又は
    13記載の半導体装置。
  24. 【請求項24】上記第4の層が上記化合物多結晶半導体
    層上に延びて形成されていることを特徴とする請求項1
    2又は13記載の半導体装置。
  25. 【請求項25】第1導電型を有する基板と、該基板上に
    形成された第1導電型を有する第1の半導体からなる第
    1の分布ブラッグ反射層と、該第1の分布ブラッグ反射
    層上に形成された所望の形状を有する活性層と、該活性
    層上に形成された第1導電型とは逆の第2導電型を有す
    る第2の半導体からなる第2の分布ブラッグ反射層と、
    該活性層と該第2の分布ブラッグ反射層との積層膜の周
    囲を囲んで前記第1の分布ブラッグ反射層上に形成され
    た絶縁膜と、該第2の分布ブラッグ反射層の一部が露出
    するように該第2の分布ブラッグ反射層上に形成された
    表面反射膜と、前記絶縁膜上に形成され、該露出部を介
    して該第2の分布ブラッグ反射層と電気的に接続された
    抵抗率が0.04Ωcm以下の化合物多結晶半導体から
    なる導電層と、該導電層と上記基板とにそれぞれ電気的
    に接続された第1電極と第2電極とを有する面発光レー
    ザを備えることを特徴とする半導体装置。
  26. 【請求項26】上記基板は、単結晶GaAsからなるこ
    とを特徴とする請求項25記載の半導体装置。
  27. 【請求項27】上記第1及び第2の分布ブラッグ層は、
    単結晶AlAsと単結晶GaAsとからなる積層膜であ
    ることを特徴とする請求項25又は26記載の半導体装
    置。
  28. 【請求項28】上記活性層は、単結晶GaAs、単結晶
    AlGaAs及び単結晶InGaAsからなる積層膜で
    あることを特徴とする請求項25乃至27記載の半導体
    装置。
  29. 【請求項29】単結晶半導体基板と、該基板表面に所定
    の間隔をおいて設けられた第1導電型を有するソース及
    びドレインと、該ソース及びドレイン間に設けられるチ
    ャネルと、該チャネル上に形成され、該チャネルが設け
    られる半導体よりも禁制帯幅の大きなバリア層と、該バ
    リア層上に形成された抵抗率が0.04Ωcm以下の化
    合物多結晶半導体からなるゲート電極とを有するヘテロ
    絶縁ゲート電界効果トランジスタを備えた半導体装置。
  30. 【請求項30】上記チャネルが設けられる半導体はGa
    Asであり、上記バリア層はAlGaAsからなること
    を特徴とする請求項29記載の半導体装置。
  31. 【請求項31】上記チャネルが設けられる半導体はIn
    GaAsであり、上記バリア層はInPからなることを
    特徴とする請求項29記載の半導体装置。
  32. 【請求項32】請求項12乃至24記載の半導体装置を
    用いて構成されたことを特徴とする電気回路。
  33. 【請求項33】請求項29乃至31記載の半導体装置を
    用いて構成されたことを特徴とする電気回路。
  34. 【請求項34】基板上に第1の膜を形成する工程と、該
    第1の膜上に、基板温度550℃以下、3族元素に対す
    る5族元素の入射分圧比を20以上とした、分子線エピ
    タキシー法、有機金属気相エピタキシー法、あるいは有
    機金属分子線エピタキシー法のいずれかにより、抵抗率
    が0.04Ωcm以下の3−5族化合物多結晶半導体層
    を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  35. 【請求項35】上記基板温度は450℃以下であること
    を特徴とする請求項34記載の半導体装置の製造方法。
  36. 【請求項36】上記入射分圧比は、50〜500である
    ことを特徴とする請求項34又は35記載の半導体装置
    の製造方法。
  37. 【請求項37】上記第1の膜は、絶縁膜で有ることを特
    徴とする請求項34乃至36記載の半導体装置の製造方
    法。
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