JPH06251794A - 電池セルスタック - Google Patents

電池セルスタック

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JPH06251794A
JPH06251794A JP5037714A JP3771493A JPH06251794A JP H06251794 A JPH06251794 A JP H06251794A JP 5037714 A JP5037714 A JP 5037714A JP 3771493 A JP3771493 A JP 3771493A JP H06251794 A JPH06251794 A JP H06251794A
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JP
Japan
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cell stack
battery cell
battery
negative electrode
positive electrode
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JP5037714A
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Toshio Shigematsu
敏夫 重松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池セルスタックの充放電操作時の性能の低
下や、積層されてなる電池反応セルからの電解液の液漏
れが生じる前に、電池セルスタックの異常を検出し得る
電池セルスタック提供する。 【構成】 正極と負極を隔膜で隔ててなる、複数の電池
反応セル2と、複数の電池反応セルを積層して固定する
手段3、4、5、6と、固定手段3、4、5、6の固定
圧力を検出するための圧力検出手段7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力貯蔵用電解液流通
型電池の電池セルスタックに関する。
【0002】
【従来の技術】揚水発電に代わる電力貯蔵用電池とし
て、種々の新型電池が開発されている。
【0003】このような新型電池のうち、たとえば、レ
ドックスフロー型電池や、亜鉛臭素電池等の電解液流通
型電池は特に注目されている。
【0004】次に、電解液流通型電池の構造と動作原理
をレドックスフロー型電池を例にとり、以下に説明す
る。
【0005】図8は、レドックスフロー型電池の一具体
例を概略的に示す構成図である。図8を参照して、この
レドックスフロー型電池61は、電池反応セル62、正
極液タンク63、および、負極液タンク64を備える。
【0006】電池反応セル62内は、たとえば、イオン
交換膜等からなる隔膜65により仕切られており、一方
側が正極セル62a、他方側が負極セル62bを構成す
る。
【0007】正極セル62a内には、正極66が収容さ
れ、また、負極セル62b内には負極67が収容され
る。
【0008】正極セル62aと正極液タンク63とは、
正極液を正極液タンク63から正極セル62aに供給す
る正極液供給用管路68と、正極液を正極セル62aか
ら正極液タンク63に回収する正極液回収用管路69と
により連結される。
【0009】また、正極液供給用管路68には、正極液
の流通循環手段として、ポンプ70が設けられており、
正極セル62aと正極液タンク63との間において、正
極液が流通循環できるようになっている。
【0010】他方、負極セル62bと負極液タンク64
とは、負極液を負極液タンク64から負極セル62bに
供給する負極液供給用管路71と、負極液を負極セル6
2bから負極液タンク64に回収する負極液回収用管路
72とにより連結される。
【0011】また、負極液供給用管路71には、負極液
の流通循環手段としてポンプ73が設けられており、負
極セル62bと負極液タンク64との間において、負極
液が流通循環できるようになっている。
【0012】正極液タンク63内には、電解液として正
極電解液が蓄えられており、また、負極液タンク64内
には、電解液として負極電解液が蓄えられる。
【0013】正極電解液としては、たとえば、鉄イオン
のような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられ、
また、負極電解液としては、たとえば、クロムイオンの
ような原子価の変化するイオンの水溶液が用いられる。
【0014】たとえば、そのような正極電解液として、
正極活物質Fe3+/Fe2+を含む塩酸水溶液を用い、負
極電解液として、負極活物質Cr2+/Cr3+を含む塩酸
水溶液を用いることができる。
【0015】このような電解液を用いたレドックスフロ
ー型電池61を用いて、充電時においては、負極液タン
ク64に蓄えられたCr3+イオンを含む塩酸水溶液がポ
ンプ73により、負極セル62bに送られ、負極67に
おいて電子を受取り、Cr2+イオンに還元されて負極液
タンク64に回収される。
【0016】他方、正極液タンク63に蓄えられたFe
2+イオンを含む塩酸水溶液がポンプ70により正極セル
62aに送られ、正極66において外部回路に電子を放
出して、Fe3+に酸化され、正極液タンク63に回収さ
れる。
【0017】また、放電時においては、負極液タンク6
4に蓄えられたCr2+イオンを含む塩酸水溶液が、ポン
プ73により負極セル62bに送られ、負極67におい
て外部回路に電子を放出して、Cr3+イオンに酸化さ
れ、負極液タンク64に回収される。
【0018】他方、正極液タンク63に蓄えられたFe
3+イオンを含む塩酸水溶液は、ポンプ70により正極セ
ル62aに送られ、正極66において外部回路から電子
を受取り、Fe2+イオンに還元され、正極液タンク63
に回収される。
【0019】このようなレドックスフロー型電池におい
ては、正極66および負極67における充放電反応は、
下記の式のようになる。
【0020】
【化1】
【0021】上述の充放電反応により、約1Vの起電力
が得られる。ところで、レドックスフロー型電池では、
その発生電圧を高めるため、電池反応セルを直列に複数
個接続した多段接続型電池反応セルが提唱されている。
図9は、多段接続型電池反応セルのセル構造を概略的に
示す分解斜視図である。
【0022】図9を参照して、この多段接続型電池反応
セル102は、図中、左から、双極板103、正極板1
04、隔膜105、負極板106および双極板107の
構成要素からなる電池反応セル132が順次積層されて
なる。双極板103は、双極板フレーム103fを備
え、正極板104は、正極板フレーム104fを備え、
負極板106は、負極板フレーム106fを備え、また
双極板107は、双極板フレーム107fを備える。そ
して、双極板103f、正極板フレーム104f、隔膜
105、負極板フレーム106f、双極板フレーム10
7fは、それぞれ、4つの穴hを有する。
【0023】双極板、正極板、隔膜および負極板のそれ
ぞれに設けられた4つの穴hは、双極板、正極板、隔
膜、負極板が順次積層されることにより、多段接続型電
池反応セル102の内部に正極液または負極液を流通循
環するための配管の役目をする、正極液供給用マニホー
ルド108、負極液供給用マニホールド109、正極液
回収用マニホールド110および負極液回収用マニホー
ルド111を形成する。
【0024】正極板フレーム104fには、正極液供給
用スリット104aが設けられ、正極液供給用マニホー
ルド108内の正極液が正極104eへ供給される。ま
た、正極板フレーム104fには、正極液回収用スリッ
ト104bが設けられ、正極104eへ供給された正極
液が正極液回収用マニホールド110内に回収できるよ
うになっている。
【0025】また、負極板フレーム106fには、負極
液供給用スリット106aが設けられ、負極液供給用マ
ニホールド109内の負極液が負極106eへ供給され
る。また、負極板フレーム106fには、負極液回収用
スリット106bが設けられ、負極106eへ供給され
た負極液が負極液回収用マニホールド111内に回収で
きるようになっている。
【0026】次に、この多段接続型電池反応セルの充放
電操作時の動作について説明する。充放電操作の際に
は、正極液は、正極液供給用マニホールド108を通っ
て、正極液供給用スリット104aから正極セル132
a内部に供給され、正極104eにて充放電の後、正極
液回収用スリット104bから正極液回収用マニホール
ド110に回収される。
【0027】他方、負極液は、負極液供給用マニホール
ド109を通って、負極液供給用スリット106aから
負極セル132b内部に供給され、負極106eにて充
放電の後、負極液回収用スリット106bから、負極液
回収用マニホールド111に回収される。
【0028】図10は、従来の多段接続型電池セルを用
いた電池セルスタックを概略的に示す構成図である。
【0029】図10を参照して、この電池セルスタック
201は、多段接続型電池反応セル202と、多段接続
型電池反応セル202を固定する手段を含む。なお、多
段接続型電池反応セル202の構造は、図9に示す多段
接続型電池反応セル102と同様であるので、その説明
を省略する。
【0030】多段接続型電池反応セル202を固定する
手段は、2枚の締付板203、204と、複数本のボル
ト205と、複数個のナット206と、複数個の皿ばね
209を含む。図11は、皿ばね209を概略的に示す
図である。図11を参照して、図11(a)は、皿ばね
209を上方向から見た状態を概略的に示す平面図であ
り、図11(b)は、図11(a)に示す皿ばね209
のXI−XI線に従う断面図である。
【0031】図11(a)および図11(b)を参照し
て、皿ばね209は、中心部にボルトを挿通するための
貫通した穴209hを有しており、また、その断面がお
椀形状に形成されてなる。
【0032】また、図10を参照して、2枚の締付板2
03、204のそれぞれの周辺部には、複数のボルトを
挿通するための穴203h、204hが形成される。な
お、ボルトを挿通するための穴は40ないし80個程度
である。
【0033】次に、この電池セルスタック201を組立
てる工程について概略的に説明する。まず、多段接続型
電池反応セル202の両側を締付板203、204によ
り挾持する。次に、締付板203の周辺部に設けられた
複数のボルト穴203hのそれぞれにボルト205を挿
通し、さらに、複数のボルト205の軸部205sの先
端205eを締付板204の周辺部に設けられた複数の
ボルト穴204hのそれぞれに挿通し、締付板204に
対し、ボルト205の軸部205sの先端205eが突
出するように取付ける。次に、ボルト205の先端部2
05eに、複数の皿ばね209を挿通し、さらにナット
206を嵌め合わせ、締付板203と締付板204とを
締付け固定する。
【0034】図12は、図10に示す、締付板204側
の締付部Cを拡大して概略的示す断面図である。図12
を参照して、ボルト205の軸部205sの先端205
eは、締付板204のボルト穴204hに通され、ボル
ト205の軸部205sの先端205eには、複数の皿
ばね209が積層されるように挿通され、ナット206
により締付けられて固定される。
【0035】なお、図10を参照して、この電池セルス
タック201には、実際には、正極液供給用管路、負極
液供給用管路、正極液回収用管路、負極液回収用管路の
4本の配管系が取付けられるようになっているが、説明
を容易とするため、そのような配管系について図示する
ことを省略する。
【0036】図13は、実用レベルのレドックスフロー
型電池の電極部を概略的に示す構成図である。図13を
参照して、この電極部42は、図10に示す電池セルス
タックと同様の電池セルスタックをm×n台含む。m×
n台の電池セルスタックは、図13中上段1行目の左手
側より、n台の電池セルスタックB11〜B1nが直列に接
続されて1行目を形成する。また、図13中、p行目の
左手側より、n台の電池セルスタックBp1〜Bpnが直列
に接続されp行目を形成する。また、図13中、下段m
行目の左手側より、n台の電池セルスタックBm1〜Bmn
が直列に接続されm行目を形成する。そして、1行目か
らn行目までのn台の電池セルスタックが直列に接続さ
れたそれぞれの行は、互いに並列に接続され、実用レベ
ルのレドックスフロー型電池の電極部42を構成する。
なお、それぞれの電池セルスタックB11〜Bmnは、同一
定格の電池セルスタックであり、それぞれの電池セルス
タックB11〜Bmnは、図10に示す電池セルスタック2
01と同様であるのでその説明を省略する。また、それ
ぞれの電池セルスタックB11〜Bmnには、実際には、そ
れぞれ、正極液供給用管路、負極液供給用管路、正極液
回収用管路、負極液回収用管路の4本の配管系が取付け
られるようになっているが、説明を容易とするため、そ
のような配管系について図示することを省略する。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10、図
12および図13を参照して、レドックスフロー型電池
を用い、長期間、充放電操作を繰り返すと、そのような
長期間の使用や、電池セルスタックの温度変化や、電池
セルスタックの多段接続型電池反応セルの、たとえば、
フレーム材料として用いている塩化ビニルやポリエチレ
ン等のプラスチック材料や、多段接続型電池反応セルの
パッキング材として用いているゴム材の温度変化による
寸法変化や、そのようなプラスチック材、ゴム材の長期
的な使用によって生じる、いわゆる、へたり等が原因と
なって生じる寸法変形等が原因して、電池セルスタック
の固定手段の当初の締付け圧力が変化してくる。そし
て、電池セルスタックの固定手段の締付け圧力の低下等
が原因して、電池セルスタックの充放電操作における性
能が低下したり、また、電池セルスタックの多段接続型
電池反応セルから電解液が漏洩する等の現象を招くこと
があった。このため、レドックスフロー型電池では、電
極部を定期的に検査し、電池セルスタックの固定手段の
締付け圧力を調べる等のメインテナンスが必要である。
そして、従来は、メインテナンス作業を軽減するため、
図12に示すように、締付板204とナット206との
間に皿ばね209を設け、固定手段の締付け圧力の変化
を吸収すべく対処している。
【0038】しかしながら、皿ばね209では、電池セ
ルスタック固定手段の締付け圧力の変化を吸収するには
限界があり、電池セルスタックの固定手段の締付け圧力
の低下等が原因して、電池セルスタックの充放電操作に
おける性能が低下したり、また、電池セルスタックの多
段接続型電池反応セルから電解液が漏洩する等の現象を
招くことを免れ得なかった。このため、従来は、電池セ
ルスタックのメインテナンス作業は、電池セルスタック
の端子間電圧をモニタしたり、および/または、電池セ
ルスタックに電解液の液漏れ検知手段を設けること等に
より、電池セルスタックの充放電操作時の性能が低下し
たり、および/または、電池セルスタックの多段接続型
電池反応セルからの電解液の液漏れが生じる等を検知
し、電池セルスタックに異常が生じた後において、電池
セルスタックの固定手段の締付け圧力を調整する等の事
後的対処により行なわれていた。
【0039】しかしながら、上述したような従来の事後
的対処による電池セルスタックをメインテナンスする作
業では、電池セルスタックの充放電操作時の性能が低下
するため、レドックスフロー型電池全体としての充放電
効率が低下するという問題や、また、電池セルスタック
の多段接続型電池反応セルからの電解液の漏洩は、安全
上からも、また、電力貯蔵用電池装置のシステムの性能
維持ができない点からも、電力貯蔵用電池装置のシステ
ム停止を招くという問題があった。
【0040】このため、レドックスフロー型電池では、
電極部を構成する電池セルスタックの異常を事後的にで
はなく、事前に検知する技術が長年望まれていた。
【0041】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであって、電池セルスタックの充放電
操作時の性能低下や、電池セルスタックの多段接続型電
池反応セルから電解液が漏洩するという電池セルスタッ
クの異常が生じる前に、事前に、電池セルスタックの異
常を検知し得る、電池セルスタックを提供することを目
的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明に従う電池セルス
タックは、正極と負極を隔膜で隔ててなる、複数の電池
反応セルと、複数の電池反応セルを積層して固定する手
段と、固定手段の固定圧力を検知するための圧力検出手
段とを備える。
【0043】
【作用】本発明に従う電池セルスタックは、固定手段の
圧力を検出する圧力検出手段を備える結果、固定手段の
締付け力等の圧力を管理できる。このため、電池セルス
タックを長期間使用する等によって生じる電池セルスタ
ックの性能低下や、電池セルスタックの多段接続型電池
反応セルからの電解液の漏洩が生じる前に、電池反応セ
ルの異常を事前に検知することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 図1は、本発明に従う一実施例としての電池セルスタッ
クの構造を概略的に示す斜視図である。図1を参照し
て、この電池セルスタック1は、以下の点を除けば、図
10に示す従来の電池セルスタック201と同様であ
る。すなわち、電池セルスタック1において、電池セル
スタック201の多段接続型電池反応セル202が多段
接続型電池反応セル2に、締付板203、204が締付
板3、4に、複数のボルト205が複数のボルト5に、
複数のナット206が複数のナット6にそれぞれ対応す
る。
【0046】この電池セルスタック1が、図10に示す
従来例と異なる点は、複数のボルト5の中から選ばれた
1本または複数本のボルト51の軸部51sに歪センサ
7が設けられている点である。歪センサ7としては、公
知の歪センサであれば、特に種類を選ばないが、たとえ
ば、公知の抵抗線ひずみ計、面圧センサ等を挙げること
ができる。
【0047】図2は、そのような歪センサ7を概略的に
示す構成図である。図2を参照して、この歪センサ7
は、台紙8と、測定部位である抵抗線9と、1対の引出
し線10、11を含む。1対の引出し線10、11の一
方の引出し線10は、電源12に接続され、他方の引出
し線11は、抵抗線の歪(伸線)を検出する手段13に
接続される。この歪センサ7は、抵抗線9が歪(伸線)
を受けると、その歪に比例して、電気抵抗が変化するこ
とを利用して歪を計測するものである。
【0048】次に、具体的な実験データを用いて説明す
る。使用した材料は以下のとおりであった。
【0049】双極板、正極板、負極板として、それぞ
れ、フレームを含む表面積が約8000cm2 のものを
用いた。また、隔膜として、表面積が、約8000cm
2 のものを用いた。次に、双極板、正極板、隔膜、負極
板、双極板の順に、双極板、正極板、隔膜、負極板およ
び双極板で構成される電池反応セルを60セル直列に積
層することにより、多段接続型電池反応セル2を作製
し、締付板3、4およびM20ボルト40本と、それに
対応するナット40本を用い、締付板3と締付板4とを
締付トルク500kg・cm2 にて締付け固定した。4
0本のM20ボルトの中から選ばれた2本のボルト5
1、52のそれぞれの軸部51s、52sに複数の歪ゲ
ージ7を取付けた。
【0050】図3は、ボルト51の軸部51sに歪ゲー
ジ7を取付けた状態を概略的に示す図である。図3を参
照して、図3(a)は、ボルト51を横方向に見た歪ゲ
ージ7の取付状態を概略的に示す斜視図であり、図3
(b)は、ボルト51の軸部51sのIII−III線
に従う概略的な断面図である。図3(a)および図3
(b)を参照して、ボルト51の軸部51sには、ボル
ト51の軸部51sの周方向に、図2に示すような4つ
の歪ゲージ7、7、7、7が取付けられる。
【0051】次に、40本のM20ボルトの中から選ば
れたボルトを1本ないし複数本を選択し、当該ボルトの
ナットを緩めることにより、電池セルスタック1の固定
手段の締付け力が低下した状態を作出すという模擬試験
を行なったところ、各々の歪センサ7は、当該ボルトの
ナットの緩みによる変化を正確に把握することができ
た。
【0052】実施例2 図4は、本発明に従う一実施例としての電池セルを複数
台用いた実用レベルのレドックスフロー型電池の電極部
を概略的に示す構成図である。図4を参照して、この電
極部22は、図1に示す電池セルスタック1と同様の電
池セルスタックm×n台と、A/D変換装置23と、演
算処理装置24と、D/A変換装置25と、異常セルス
タックの表示手段と警報の発令手段26と、記録計27
を含む。m×n台の電池セルスタックは、図4中、上段
1行目の左手側よりn台の電池セルスタックA11〜A1n
が直列に接続され1行目を形成する。また、図4中、p
行目の左手側よりn台の電池セルスタックAp1〜Apn
直列に接続されp行目を形成する。また、図13中、下
段m行目の左手側よりn台の電池セルAm1〜Amnが直列
に接続されm行目を形成する。そして、1行目からm行
目までのn台の電池セルスタックが直列に接続されたそ
れぞれの行は、互いに並列に接続され、実用レベルのレ
ドックスフロー型電池の電極部22を構成する。なお、
それぞれの電池セルスタックA11〜Amnは同一定格の電
池セルスタックであり、それぞれの電池セルスタックA
11〜Amnは、図1に示す電池セルスタック1と同様であ
るのでその説明を省略する。また、図4では、説明を容
易とするため、正極液と負極液の流通循環経路を省略す
る。すなわち、図4では、実際には、それぞれの電池セ
ルスタックA11〜Amnに対し、それぞれ、正極液供給用
管路、負極液供給用管路、正極液回収用管路および負極
液回収用管路が連結される。また、それぞれの電池セル
スタックA11〜Amnには、各々、複数個の歪ゲージS11
〜Smnが取付けられる。
【0053】図5を参照して、図5は、図4に示す構成
図をさらに詳細に説明するための構成図である。
【0054】図5を参照して、複数の歪ゲージは、電池
セルスタックAhi(1≦h≦m,1≦i≦n)の1台に
つき、それぞれ8個取付けられる。図1を参照して、8
個の歪ゲージのうち4個は、40本のM20ボルトのな
かの1本のボルトに取付けられ、残り4の歪ゲージは4
0本のM20ボルトの他の1本のボルトに取付けられ
る。他の電池セルスタックA11〜Amnについても同様の
構成であるのでその説明を省略する。m×n台の電池セ
ルスタックA11〜Amnのそれぞれに設けられた8個の歪
センサの検出した信号は、A/D変換装置23へ送ら
れ、アナログ信号からデジタル信号に変換されて、演算
処理装置24へ入力され、さらに演算処理装置24から
D/A変換装置25へ送られ、デジタル信号からアナロ
グ信号に変換されて、記録計27に出力される。また演
算処理装置24から出力される信号は、D/A変換装置
25へ送られ、デジタル信号からアナログ信号へ変換さ
れて、異常セルスタックの表示手段と警報の発令手段2
6の異常セルスタックの表示手段に、異常と判断された
電池セルスタックの番地を行列により特定し表示する。
また、演算処理装置24から出力れる信号は、D/A変
換装置25へ送られ、デジタル信号からアナログ信号へ
変換されて、異常セルスタックの表示手段と警報の発令
手段26の警報の発令手段をオンまたはオフにする信号
を出力する。
【0055】図6は、実用レベルのレドックスフロー型
電池の電極部22を構成する電池セルスタックA11〜A
mnを自動的に監視するために、演算処理装置24に記憶
された電極部22の監視プログラムを示すフローチャー
トである。図6を参照して、図4および図5に示す実用
レベルのレドックスフロー型電池の電極部22を監視す
る動作について説明する。まずステップ31において、
電極部22に含まれるそれぞれの電池セルスタックA11
〜Amnのそれぞれに設けられた8個の歪センサの検出し
た信号がA/D変換装置23へ送られ、アナログ信号か
らデジタル信号に変換されて、演算処理装置24へ入力
される。
【0056】ステップ32において、それぞれの歪セン
サの検出した信号は、予めそれぞれの電池セルスタック
11〜Amnの正常範囲の電気抵抗として、演算処理装置
24に記憶されている、しきい値電気抵抗値RTHと比較
され、そのように正常範囲の電気抵抗値として予め定め
られる値RTH以上かどうかを判断することにより、不良
または良好の電池セルスタックが検出され、異常電池セ
ルスタックの番地が特定され、異常セルスタックの表示
手段と警報の発令手段26の異常セルスタックの表示手
段に表示される。ステップ34において、ステップ33
の検出結果に応答して、異常セルスタックの表示手段と
警報の発令手段26の警報の発令手段がオンの状態また
はオフの状態にされる。上記した運転プログラムは、実
用レベルのレドックスフロー型電池の電極部22の充放
電操作を行なっている間、常に、実行される。以上説明
したように、実用レベルのレドックスフロー型電池の電
極部22は、電極部22を構成する電池セルスタックA
11〜Amnのそれぞれに設けられた歪センサの検出した信
号の大きさに応答して、自動的に、電極部22を構成す
る電池セルスタックA11〜Amnのそれぞれの固定手段の
固定圧力を検出することにより、それぞれの電池セルス
タックA11〜Amnの充放電操作時の性能低下や、電池セ
ルスタックA11〜Amnの多段接続型電池反応セルから電
解液が漏洩するという電池セルスタックの異常が生じる
前に、電池セルスタックの異常を検知することができ
る。
【0057】実施例3 図7は、本発明に従う一実施例としての電池セルスタッ
クの構造を概略的に示す分解斜視図である。図7を参照
して、この電池セルスタック41は、以下の点を除け
ば、図1に示す電池セルスタックと同様であるので、相
当する部材については、同一の番号を付して、その説明
を省略する。
【0058】この電池セルスタック41が、図1に示す
電池セルスタック1と異なる点は、電池セルスタック1
のボルト51、52に設けられた歪センサ7の代わり
に、締付板3、4のそれぞれの面に、面圧センサ42、
43が取付けられている点である。なお、面圧センサ4
2、43としては、公知の面圧センサであれば、特に種
類を選ばない。
【0059】実施例3の構成によっても、実施例1と同
様、多段接続型電池反応セル2を固定する手段の固定圧
力を検出することにより、電池セルスタック41に、充
放電操作時の性能の低下や、多段接続型電池反応セル2
からの電解液が漏洩するという電池セルスタック41の
異常が生じる前に、電池セルスタック41の異常を検知
することができる。また、実施例2とは、固定手段の固
定圧力を検出するための圧力検出手段を歪センサを用い
る代わりに面圧センサを用いる以外は同様にして、電池
セルスタックの異常が生じる前に、自動的に、電池セル
スタックの異常を検知することができる。
【0060】なお、実施例1、実施例2および実施例3
では、皿ばねを用いていない例を示したが、皿ばねを用
いても同様の効果を奏する。
【0061】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
上記した構成を有する結果、電池セルスタックに、充放
電操作時の性能の低下や、電池反応セルを積層した部分
における電解液の漏洩等が生じるという電池セルスタッ
クの異常が生じる前に、事前に、電池セルスタックの異
常を検知することができる。
【0062】また、本発明に従う電池セルスタックは、
電池セルスタックを構成する固定手段の締付け力等の固
定圧力を常時モニタすることができるので、電池セルス
タックの充放電操作時の性能の低下や、積層された電池
反応セルからの電解液の漏洩が生じる前に、前もって、
事前に、締付け力等の固定圧力を正常な状態にすること
により、レドックスフロー型電池としての、すなわち、
電力貯蔵用装置のシステム全体としての性能の変化や、
電解液の漏れによる事故発生を防止することができ、電
力貯蔵システムとしての信頼性と安全性を大きく向上さ
せることができる。
【0063】なお、積層されてなる電池反応セルは、締
付け圧力等の固定圧力が適正でないと、たとえば、締付
け圧力が緩すぎるとシール性能が低下し電解液がリーク
するという致命的な現象を招く一方、逆に、締付け圧力
等の固定圧力が強すぎると、積層されてなる電池反応セ
ル内部の部材の破損の問題が生じる。このため、固定手
段の固定圧力は、設計上の適正な範囲に維持することが
不可欠である。このため、電池セルスタックは、定期的
なメインテナンス作業を必要とするが、本発明に従う電
池セルスタックは、電解液の液漏れを防止することがで
きる等により、メインテナンス作業を省力化することが
できる。
【0064】また、本発明に従う電池セルスタックは、
メインテナンス作業を省力化することができる結果、多
くの台数の電池セルスタックを必要とする大規模の電力
貯蔵システムに用いる場合に、非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例としての電池セルスタッ
クを概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明において用いる歪センサを概略的に示す
構成図である。
【図3】本発明に従う一実施例としての歪センサの取付
例を示す図である。
【図4】本発明に従う一実施例としての実用レベルのレ
ドックスフロー型電池の電極部を概略的に示す構成図で
ある。
【図5】本発明に従う一実施例としての実用レベルのレ
ドックスフロー型電池の電極部を概略的に示す構成図で
ある。
【図6】本発明に従う電池セルスタックを自動的に監視
する際の一実施例としての動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】本発明に従う一実施例としての電池セルスタッ
クを概略的に示す斜視図である。
【図8】従来のレドックスフロー型電池を概略的に示す
構成図である。
【図9】従来の多段接続型電池反応セルを概略的に示す
分解斜視図である。
【図10】従来の電池セルスタックを概略的に示す斜視
図である。
【図11】皿ばねを概略的に示す図である。
【図12】図10に示す締付部Cを拡大して概略的に示
す断面図である。
【図13】従来の実用レベルのレドックスフロー型電池
の電極部を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
1、41 電池セルスタック 2 多段接続型電池反応セル 3、4 締付板 5 ボルト 51s ボルトの軸部 51e ボトルの先端 6 ナット 7 歪センサ 22 電極部 23 A/D変換装置 24 演算処理装置 25 D/A変換装置 26 電池セルスタックの表示手段および警報の発令手
段 27 記録計 42、43 面圧センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極を隔膜で隔ててなる、複数の
    電池反応セルと、 前記複数の電池反応セルを積層して固定する手段と、 前記固定手段の固定圧力を検出するための圧力検出手段
    とを備える、電池セルスタック。
JP5037714A 1993-02-26 1993-02-26 電池セルスタック Pending JPH06251794A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2157156A1 (es) * 1999-04-13 2001-08-01 Electro Mercantil Ind S A Emis Bateria modular de acumuladores electricos alcalinos.
WO2002009216A3 (en) * 2000-07-19 2003-02-27 Ballard Power Systems Method and apparatus for measuring displacement of a fuel cell stack during assembly
JP2010157364A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Toyota Motor Corp 燃料電池スタックの製造方法
WO2019030903A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 住友電気工業株式会社 セルスタック、及びレドックスフロー電池

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