JPH06251620A - 導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材 - Google Patents

導電性樹脂組成物及び該組成物を用いた電磁波シールド材

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JPH06251620A
JPH06251620A JP5060980A JP6098093A JPH06251620A JP H06251620 A JPH06251620 A JP H06251620A JP 5060980 A JP5060980 A JP 5060980A JP 6098093 A JP6098093 A JP 6098093A JP H06251620 A JPH06251620 A JP H06251620A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性が優れていると共に成形性もよく、電
子機器類の筐体などに使用される電磁波シールド材とし
て好適な導電性樹脂組成物を提供する。 【構成】 熱硬化性又は熱可塑性樹脂材料に対して、微
粉砕したコークス粉末を不活性ガス気流中にて800 ℃以
上で加熱処理することによって該処理前のコークス粉末
のもつ電気抵抗率を低下させたコークス粉末にカーボン
系又は金属系鱗片状導電性フィラーを添加した導電性粉
末材料を、重量比で1:0.5 〜1.3 配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性樹脂組成物及び
該組成物を用いた電磁波シールド材に関し、導電性(電
磁波シールド効果)が優れていると共に成形性もよく、
電子機器類の筺体などに使用される電磁波シールド材と
して好適な新規導電性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近時、電子機器類の普及に伴って副次的
に発生する電磁波障害も増大しており、発生源となる電
子機器類の電磁波シールド手段が要求されている。そし
て、電子機器類の電磁波シールド手段の代表的なもの
は、導電性樹脂組成物を電磁波シールド材とし、これを
用いて筺体などを製作し、当該筺体内に対象となる電子
機器類を収納するという手段である。
【0003】周知の通り、前記用途に使用されている導
電性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂材料(例えばポリエス
テル)又は熱可塑性樹脂材料(例えばポリエチレン)に
導電性粉末材料を配合したものであり、導電性粉末材料
としては、黒鉛,カーボンブラック,炭素繊維などのカ
ーボン系導電性フィラー並びに銅,ニッケルなどの金属
系導電性フィラーが実用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記各種導
電性粉末材料を前記樹脂材料に配合した導電性樹脂組成
物を前記用途に使用する場合には、次の通りの問題点が
ある。即ち、黒鉛の場合には、分散性はよいが自己潤滑
性を有しているため接着性が悪いので成形体の強度が劣
るという問題点があり、カーボンブラックの場合には、
分散時に増粘するため成形時の取扱いが難しいという問
題点がある。また、銅,ニッケル及び炭素繊維を主材と
する場合には価格が高いという問題点があり、さらに、
炭素繊維は樹脂材料との混合に際して折損するものが多
いので、本来有している電気特性が劣化し、作業環境上
もよくない。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑み、導電性に優
れている、換言すれば、優れた電磁波シールド性能を備
えていると共に成形性がよく強度のある成形体が得ら
れ、しかも安価な導電性樹脂組成物を提供することを技
術的課題とするものである。
【0006】本発明者は、永年にわたりコークスの新規
用途開発に従事しているが、その一環として、摩擦係数
が大きいので微粉砕が容易であり、粒子形状が球状に近
く、篩わけの如き簡単な操作によって粒度・形状ともに
極めて均一なものが得られ、粒子表面には微細な凹凸が
あり、同じ炭素材である黒鉛やカーボンブラックに比較
して、分散性や接着性がよいという諸特性を具備してお
り、しかも安価な微粉コークスに着目し、これを用いて
前記技術的課題を解決することを命題として研究を進め
た。
【0007】そして、数多くの実験・試作を重ねた結
果、微粉コークスを特定条件下で加熱処理すると、その
電気抵抗率(Ω・cm)を低下させることができるという
新知見及び該処理を行った微粉コークスに特定形状の導
電性フィラーを添加した混合物を導電性粉末材料として
前記樹脂材料に配合して導電性樹脂組成物とするときに
は導電性(電磁波シールド効果)が顕著に向上するとい
う新知見を得、前記技術的課題を解決したのである。
【0008】なお、微粉コークスを樹脂材料に充填剤と
して用いる試みは、例えば、特公昭34-989号公報や特開
昭54-47744号公報に見られる通り、古くから行われてい
るが、微粉コークスのもつ電気抵抗率を低下させて導電
性粉末材料として樹脂材料に配合して用いるという試み
は、未だ試みられていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。即ち、本発明は、熱
硬化性又は熱可塑性樹脂材料に対して、微粉砕したコー
クス粉末を不活性ガス気流中にて 800℃以上で加熱処理
することによって該処理前のコークス粉末のもつ電気抵
抗率を低下させたコークス粉末 100重量部にカーボン系
鱗片状導電性フィラー5〜30重量部又は金属系鱗片状導
電性フィラー20〜80重量部を添加した導電性粉末材料
を、重量比で1: 0.5〜 1.3配合したことを特徴とする
導電性樹脂組成物、並びに、当該組成物からなる電磁波
シールド材である。
【0010】本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通
りである。先ず、本発明において用いる諸材料について
述べる。本発明において用いる微粉砕したコークス粉末
は、通常組成の石炭コークス塊を、ボールミル,振動ミ
ル,ジェットミル等の周知粉砕機を用いて、常法に従っ
て、平均粒子径1〜200 μm にまで微粉砕したものが適
している。平均粒子径200 μm を超えると導電性(電磁
波シールド効果)が低下し、平均粒子径1μm 未満にな
ると微粉化に時間がかかるので実用的でない。なお、当
然のことではあるが、前記石炭コークス塊は金属を腐食
させる揮発分や硫黄分ができるだけ少ないものがよい。
【0011】本発明において最も重要な点は、前記微粉
砕したコークス粉末を不活性ガス気流中において800 ℃
以上で加熱処理している点であり、この処理を施すこと
によって、後出実施例にも見られる通り、被処理物の電
気抵抗率を大幅に低下させることができる。加熱処理
は、周知の密閉型炉を用い、炉内に窒素ガスやアルゴン
ガス等を通じて行えばよい。加熱温度は少なくとも800
℃以上を必要とし、温度を高くすればする程、被処理物
の電気抵抗率が下る傾向にあるが、熱コストの観点から
すれば約2000℃程度迄に止めるのが実用的である。
【0012】本発明において用いるカーボン系鱗片状導
電性フィラー並びに金属系鱗片状導電性フィラーは、市
販品を用いればよく、市販品中の平均粒子径5〜200 μ
m のものが適している。平均粒子径200 μm 以上では所
要の導電性(電磁波シールド効果)を得るために必要な
充填量が多くなるので実用的でなく、平均粒子径5μm
未満では樹脂材料への混入に際して増粘し取扱いが難し
くなる。
【0013】前記カーボン系鱗片状導電性フィラーの具
体例としては、日本黒鉛工業株式会社製の「CB−15
0(品番)」,「F#2(品番)」,「EXP−P(品
番)」などの鱗片状黒鉛粉末が挙げられ、これ等各製品
は本発明の実施に好適なものである。前記金属系鱗片状
導電性フィラーの具体例としては、INCO社(米国)
製の「ニッケルフレークHCA−1(商品名)」なる鱗
片状ニッケル粉末や米山薬品工業株式会社製の「銅粉末
(商品名)」をボールミルを用いて鱗片状とした鱗片状
銅粉末などが挙げられ、これ等も本発明の実施に好適な
ものである。
【0014】本発明において用いる熱硬化性又は熱可塑
性樹脂材料は、前述した従来技術において用いられてい
るポリエステルやポリエチレンなどの各種樹脂材料と同
じものである。念の為、具体例を挙げると、日立化成株
式会社製の「5595PT(品番)」なるポリエステル
樹脂,チバガイギー社製の「アラルダイトGY250
(商品名)」なるエポキシ樹脂や三井石油株式会社製の
「1500J(品番)」なるポリエチレン樹脂などがあ
る。
【0015】次に、本発明における前記諸材料の配合割
合について述べる。本発明においては、前記の微粉砕し
たコークス粉末に前記加熱処理を施して電気抵抗率を低
下させたコークス粉末100 重量部に、前記のカーボン系
鱗片状導電性フィラー5〜30重量部又は前記の金属系鱗
片状導電性フィラーを20〜80重量部を添加し、導電性粉
末材料として用いる。上記各フィラーの各添加量が、上
記各下限値未満では所要の導電性(電磁波シールド効
果)が得られず、上記各上限値を超えると、上記コーク
ス粉末が具備している分散性や接着性がよいという特性
が生かせない。
【0016】本発明においては、前記熱硬化性又は熱可
塑性樹脂材料に対して、前記導電性粉末材料を、重量比
で1:0.5 〜1.3 配合する。配合割合が、上記下限値未
満では所要の導電性(電磁波シールド効果)が得られ
ず、上記上限値を超えると増粘し取扱いが難しくなり、
成形性が悪くなる。
【0017】本発明に係る導電性樹脂組成物は、前記の
通りの諸材料並びに配合割合からなり、前述した従来技
術における導電性樹脂組成物の場合と同様に、常法に従
って加熱・加圧プレスなどにより、所望の形態に成形す
れば電磁波シールド材として用いることができる。な
お、成形に当っては、導電性樹脂組成物を、単体で用い
てもよく、芯材(例えばFRP)に含浸させて用いても
よい。
【0018】
【作用】本発明において、前記の微粉砕したコークス粉
末に前記加熱処理を施すと、後出実施例に示す通り、処
理前のものと比較して顕著に電気抵抗率が低下するの
は、コークス塊自体の内部微細構造並びに該コークス塊
を微粉砕した時に生じるコークス粉末粒子の内部微細構
造が加熱によって、等方性をもつ方向、換言すれば黒鉛
化の方向に進むためと推定できる。なお、前記加熱処理
を施しても、処理後のコークス粉末粒子の表面状態は殆
ど変化せず、表面には微細な凹凸が存在している。
【0019】そして、前記加熱処理が施されて電気抵抗
率が低下し、且つ表面に微細な凹凸があるコークス粉末
粒子と前記各鱗片状導電性フィラーとが混合されると、
両者の粒子形状に起因してお互いが絡み合い連鎖したよ
うな状態となるので、結果として導電性が向上すると共
に成形体の強度も向上すると推定できる。
【0020】また、本発明においては、コークス粉末に
各鱗片状導電性フィラーを前記特定量添加しているの
で、コークス粉末が具備している分散性や接着性がよい
という特性を生かすことができるから、成形時の取扱い
は容易であり成形性がよい。
【0021】
【実施例】本発明の構成と作用をより詳しく説明するた
めに、本発明者が蓄積している数多くのデータから代表
的なデータを抽出して実施例並びに比較例として示す
が、本発明は以下に挙げる実施例に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨と精神とを逸脱せざる限り、その実
施態様を変更して実施し得ることは当然である。
【0022】1.実施例並びに比較例で用いたコークス
粉末の調整。 灰分0.3 %,揮発物0.4 %,固定炭素99.3%の石炭コー
クス塊を微粉砕して平均粒子径8.81μm のコークス粉末
とした。なお、粒子径の測定は、遠心沈降式粒度分布測
定装置(SA−CP3L・製品名・株式会社島津製作所
製)を用いて行った。上記コークス粉末の一部を比較例
1,2に使用し、残部は6等分し、それぞれに、密閉型
電気炉を用い炉内に窒素ガスを通じて、加熱処理を施し
た。加熱処理は、500 ℃,800 ℃,1100℃,1400℃,17
00℃及び2000℃と各試料毎に処理温度を変更して行な
い、800 ℃で加熱処理したもの(以下、「処理コークス
粉末A」という),1100℃で加熱処理したもの(以下
「処理コークスB」という)及び1700℃で加熱処理した
もの(以下「処理コークスC」という)を、実施例と比
較例3〜5に使用した。なお、上記コークス粉末の加熱
処理前・後の電気抵抗率を、JISK1469に従って測定
した結果を表1に示す。また、上記石炭コークス塊を微
粉砕して平均粒子径130.58μm のコークス粉末とし、当
該粉末に処理温度1700℃で上記と同様にして加熱処理を
施したもの(以下、「処理コークス粉末D」という)も
実施例に使用した。なお、処理コークスDの加熱処理前
・後の電気抵抗率(Ω・cm)を、上記と同様にして測定
した結果は、処理前8.86×10-2,処理後1.32×10-2であ
った。
【0023】
【表1】
【0024】2.実施例並びに比較例で採用した各測定
法。 2−1.表面電気抵抗(Ω)の測定:試料の断面を、電
気抵抗測定装置(Loresta IP MCD-T250 ・製品名・三菱
油化株式会社製)を用いて、4端子4探針方式で測定し
た。 2−2.電磁波シールド効果(dB):シールド材評価
器(財団法人関西電子工業振興センターのKEC法によ
るもの)を用いた図1の回路図に示すシールド効果測定
システムによって、電界・磁界を、それぞれ測定した。 2−3.引張強さ(Kg/mm2):JIS K 7113に
従って引張試験を行って測定した。
【0025】実施例1 ポリエステル樹脂(5595PT:品番:日立化成製)
100 重量部に、処理コークス粉末C100 重量部と鱗片状
黒鉛粉末(CB−150:品番:日本黒鉛工業製)5重
量部とからなる導電性粉末材料100 重量部を加え、混練
した後、当該混練物をガラスクロスにハンドレイアップ
にて含浸させ、次いで、当該含浸物を加熱プレス法にて
厚さ1mmの板状体に成形した。なお、成形条件は、加熱
温度80℃,加圧力1.6 MPa ,保持時間60時間に設定し
た。ここに得られた板状体の表面電気抵抗と電磁波シー
ルド効果の各測定結果を表2に示した。
【0026】実施例2 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末A100 重量部と鱗片状ニッケル粉末(ニッケ
ルフレークHCA−1:商品名:INCO製)30重量部
とからなる導電性粉末材料130 重量部を加えて用いた以
外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mmの板状体を
得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シールド効果
の各測定結果を表2に示した。
【0027】実施例3 実施例1の鱗片状黒鉛粉末5重量部を鱗片状銅粉末(銅
粉末:商品名:米山薬品工業製:をボールミルに約5時
間かけて鱗片状としたもの)50重量部に変更した以外
は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mmの板状体を得
た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シールド効果の
各測定結果を表2に示した。
【0028】実施例4 エポキシ樹脂(アラルダイトGY250:商品名:チバ
ガイギー製)100 重量部に、処理コークス粉末C100 重
量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉末15重量部とからな
る導電性粉末材料100 重量部を加えて用いた以外は、実
施例1と全く同様にして、厚さ1mmの板状体を得た。こ
の板状体の表面電気抵抗と電磁波シールド効果の各測定
結果を表2に示した。
【0029】実施例5 実施例4と同じエポキシ樹脂100 重量部に、処理コーク
ス粉末B100 重量部と実施例1と同じ鱗片状ニッケル粉
末80重量部とからなる導電性粉末材料50重量部を加えて
用いた以外は、実施例1と全く同様にして厚さ1mmの板
状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シール
ド効果の各測定結果を表2に示した。
【0030】実施例6 実施例4の鱗片状黒鉛粉末15重量部を実施例3と同じ鱗
片状銅粉末40重量部に変更した以外は、実施例4と全く
同様にして、厚さ1mmの板状体を得た。この板状体の表
面電気抵抗と電磁波シールド効果の各測定結果を表2に
示した。
【0031】実施例7 実施例4と同じエポキシ樹脂100 重量部に、処理コーク
ス粉末C100 重量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉末20
重量部とからなる導電性粉末材料130 重量部を加えて用
いた以外は、実施例4と全く同様にして、厚さ1mmの板
状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シール
ド効果の各測定結果を表2に示した。
【0032】実施例8 ポリエチレン樹脂(1500J:品番:三井石油製)10
0 重量部に、処理コークス粉末C100 重量部と実施例1
と同じ鱗片状黒鉛粉末10重量部とからなる導電性粉末材
料70重量部を加え、ニーダーを用いて加熱・混練した
後、当該混練物をガラスクロスに含浸させ、次いで当該
含浸物を加熱プレス法にて厚さ1mm板状体に成形した。
なお、成形条件は、加熱温度120 ℃,加圧力1.6 MPa ,
保持時間60分間に設定した。ここに得られた板状体の表
面電気抵抗と電磁波シールド効果の各測定結果を表2に
示した。
【0033】実施例9 実施例8と同じポリエチレン樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末C100 重量部と実施例2と同じ鱗片状ニッケ
ル粉末40重量部とからなる導電性粉末材料100重量部を
加えて用いた以外は、実施例8と全く同様にして、厚さ
1mmの板状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁
波シールド効果の各測定結果を表2に示した。
【0034】実施例10 実施例8と同じポリエチレン樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末C100 重量部と実施例3と同じ鱗片状銅粉末
30重量部とからなる導電性粉末材料50重量部を加えて用
いた以外は、実施例8と全く同様にして、厚さ1mmの板
状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シール
ド効果の各測定結果を表2に示した。
【0035】実施例11 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末D100 重量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉
末20重量部とからなる導電性粉末材料20重量部を加えて
用いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mmの
板状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シー
ルド効果の各測定結果を表2に示した。
【0036】比較例1 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、前記コ
ークス粉末(加熱処理コークス粉末を施していないも
の)100 重量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉末20重量
部との混合物50重量部を加えて用いた以外は、実施例1
と全く同様にして、厚さ1mmの板状体を得た。この板状
体の表面電気抵抗と電磁波シールド効果の各測定結果を
表2に示した。
【0037】比較例2 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、比較例
1と同じコークス粉末100 重量部と実施例2と同じ鱗片
状ニッケル粉末30重量部との混合物130 重量部を加えて
用いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mmの
板状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シー
ルド効果の各測定結果を表2に示した。
【0038】比較例3 実施例4と同じエポキシ樹脂100 重量部に、処理コーク
ス粉末C100 重量部と実施例2と同じ鱗片状ニッケル粉
末20重量部とからなる導電性粉末材料100 重量部を加え
て用いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mm
の板状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シ
ールド効果の各測定結果を表2に示した。
【0039】比較例4 実施例8と同じポリエチレン樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末C100 重量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉
末10重量部とからなる導電性粉末材料30重量部を加えて
用いた以外は、実施例8と全く同様にして、厚さ1mmの
板状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シー
ルド効果の各測定結果を表2に示した。
【0040】比較例5 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末C100 重量部と土状黒鉛粉末(日本黒鉛製)
20重量部とからなる導電性粉末材料50重量部を加えて用
いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mmの板
状体を得た。この板状体の表面電気抵抗と電磁波シール
ド効果の各測定結果を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】強度試験例 実施例1と同じポリエステル樹脂100 重量部に、処理コ
ークス粉末C100 重量部と実施例1と同じ鱗片状黒鉛粉
末10重量部とからなる導電性粉末材料100 重量部を加え
て用いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚さ1mm
の板状体を得、この板状体の引張強さを測定したとこ
ろ、18.2Kg/mm2であった。なお、実施例1と同じポリエ
ステル樹脂100 重量部に処理コークス粉末C100重量部
を加えて用いた以外は、実施例1と全く同様にして、厚
さ1mmの板状体を得、この板状体の引張強さを測定した
ところ、18.6Kg/mm2であった。また、実施例1と同じポ
リエステル樹脂100 重量部に実施例1と同じ鱗片状黒鉛
粉末100 重量部を加えて用いた以外は、実施例1と全く
同様にして厚さ1mmの板状体を得、この板状体の引張強
さを測定したところ、17.9Kg/mm2であった。以上の試験
結果から、本発明における処理コークス粉末を用いれ
ば、成形体の強度が向上することが判る。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る導電性樹脂組成物は、前記
実施例にも示している通り、導電性が優れていると共に
成形性もよいから、これを用いて電子機器類を収納する
筐体などを製作すれば、電磁波シールド効果に優れてい
ると共に強度的にも満足できる電磁波シールド材とな
る。また、本発明に係る導電性樹脂組成物は、コークス
粉末を主材料としているからコスト的に有利である。従
って、本発明の作業利用性は非常に大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例並びに比較例において電磁波シールド効
果の測定に用いたシールド効果測定システムの構成を示
す回路図。
【符号の説明】
1 シールド材評価器 2 測定試料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性又は熱可塑性樹脂材料に対し
    て、微粉砕したコークス粉末を不活性ガス気流中にて 8
    00℃以上で加熱処理することによって該処理前のコーク
    ス粉末のもつ電気抵抗率を低下させたコークス粉末 100
    重量部にカーボン系鱗片状導電性フィラー5〜30重量部
    又は金属系鱗片状導電性フィラー20〜80重量部を添加し
    た導電性粉末材料を、重量比で1: 0.5〜 1.3配合した
    ことを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 配合されているコークス粉末の平均粒子
    径が1〜 200μm である請求項1記載の導電性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 配合されているカーボン系又は金属系鱗
    片状導電性フィラーの平均粒子径が5〜 200μm である
    請求項1記載の導電性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 配合されているカーボン系鱗片状導電性
    フィラーが黒鉛である請求項1記載の導電性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 配合されている金属系鱗片状導電性フィ
    ラーがニッケル又は銅である請求項1記載の導電性樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の導電性樹脂組成物からなる電磁波シールド材。
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