JPH0625120B2 - 医薬用組成物 - Google Patents

医薬用組成物

Info

Publication number
JPH0625120B2
JPH0625120B2 JP59057186A JP5718684A JPH0625120B2 JP H0625120 B2 JPH0625120 B2 JP H0625120B2 JP 59057186 A JP59057186 A JP 59057186A JP 5718684 A JP5718684 A JP 5718684A JP H0625120 B2 JPH0625120 B2 JP H0625120B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
group
aliphatic
hydroxypyrid
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP59057186A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59181258A (ja
Inventor
ロバ−ト・チヤ−ルズ・ハイダ−
ジヨ−ジ・コントギオルゲス
ジヤツク・シルバ−
マイケル・ア−サ−・ストツクハム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BURITEITSUSHU TEKUNOROJII GURUUPU Ltd
Original Assignee
BURITEITSUSHU TEKUNOROJII GURUUPU Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BURITEITSUSHU TEKUNOROJII GURUUPU Ltd filed Critical BURITEITSUSHU TEKUNOROJII GURUUPU Ltd
Publication of JPS59181258A publication Critical patent/JPS59181258A/ja
Publication of JPH0625120B2 publication Critical patent/JPH0625120B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D213/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/04Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D213/60Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D213/62Oxygen or sulfur atoms
    • C07D213/69Two or more oxygen atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/06Antianaemics

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鉄欠乏性貧血症治療用薬剤組成物に用いられる
鉄化合物に関する。
生体への鉄分の十分な供給はヒトおよび他の動物におい
ては組織成長にとって不可欠な要件である。食品には普
通は十分な量の鉄分が含まれているが、食物から摂取さ
れる鉄の量は一般に非常に少ないので、身体への鉄分の
補給は種々の条件下では容易に臨界的になる。鉄欠乏性
貧血症は妊娠において一般的にみられ、新生児、特にあ
る動物種、例えば豚の新生児においても問題となる。さ
らに、特定の病状においては慢性的な貧血症に導く異常
な鉄分配が体内でみられる。これは慢性病、例えばリュ
ーマチ様関節炎、特定の溶血性疾病および癌等にみられ
る。
鉄欠乏性貧血症の治療用に多数の鉄化合物が市販されて
いるが、これらの化合物からは体内に吸収される鉄の量
はしばしば非常に少ないために比較的多量投与しなけれ
ばならない。多量に投与すると吸収が悪いので鉄コンプ
レックスは消化管壁の鉄症(siderosis)および種々の
副作用、例えば吐き気(nauseu)、むかつき(vomitin
g)、便秘および悪臭の強い便等を引き起こす。
本発明者は、英国特許出願第8230148号(英国特許第211
7766号;特願昭58-49677)明細書において、鉄欠乏性貧
血症の治療において比較的低投与量で使用するのに特に
有効な鉄コンプレックスを開示した。
これらの化合物群は、窒素原子および随意に1またはそ
れ以上の環炭素原子脂肪族炭化水素基、特に炭素原子数
1〜6の脂肪族炭化水素基によって置換された3−ヒド
ロキシピリド−2−オン類および3−ヒドロキシピリド
−4−オン類から成る。本発明者は、他の環置換基を含
有した3−ヒドロキシピリド−2−オン類および3−ヒ
ドロキシピリド−4−オン類もこのような症状の処置に
特に有効なことを見出した。
即ち、本発明は、窒素原子に結合した水素原子が脂肪族
アシル基によって、脂肪族炭化水素基によって、または
脂肪族アシル基、アルコキシ基、脂肪族アミド基、脂肪
族エステル基、ハロゲン基、およびヒドロキシ基から成
る群から選択される1、またはそれ以上の置換基によっ
て置換された脂肪族炭化水素基によって置換され、随意
に、環炭素原子に結合した1またはそれ以上の水素原子
が該置換基のうちの1つ、脂肪族炭化水素基、またはア
ルコキシ基、脂肪族エステル基、ハロゲン基もしくはヒ
ドロキシ基によって置換された脂肪族炭化水素基によっ
て置換された3−ヒドロキシピリド−2−オンもしくは
3−ヒドロキシピリド−4−オン(但し、水素原子の置
換が脂肪族炭化水素基のみによって行なわれた化合物を
除く)の鉄コンプレックスおよび生理学的に許容され得
る希釈剤もしくはキャリヤーを含有した医薬用組成物に
関する。
本発明による薬剤組成物中に存在する鉄コンプレックス
は鉄を第2鉄状態で含んでいるのが好ましい。鉄を第1
鉄状態で含んだコンプレックスも考慮されてよいが、こ
のようなコンプレックスは不安定になる傾向があるので
あまり重要ではない。鉄コンプレックスは中性にするの
が好ましく、これは鉄カチオンを、中性にするのに必要
な数のヒドロキシピリドンから誘導されるアニオン(OH
→O-)とコンプレックス化することによって容易にお
こなうことができる。本発明に使用する好ましい鉄コン
プレックスは3個のヒドロキシピリドンアニオンが1個
の第2鉄カチオンとコンプレックス化した中性の3:1
コンプレックスのもので、この型のコンプレックスは従
来全く知られていなかったものである。しかしながら、
本発明は、電荷の全体のバランスを達成するために生理
学的に許容され得るアニオン、例えば塩化物イオンと結
合した1:1形または特に2:1形のコンプレックスの
使用を除外するものではない。
遊離の化合物およびその鉄コンプレックスの両者の膜を
透過する能力は貧血症の治療においては重要であるが、
両者がある程度の水溶性を有することも望ましい。これ
に関しては、化合物およびその鉄コンプレックスの物性
の好適な指標は、n−オクタノールとトリスヒドロクロ
リ(20mM、pH7.4;トリス=2−アミノ−2−ヒドロキ
シメチルプロパン1,3−ジオール)との間の20℃での
分配によって得られる分配係数Kpartによって与えられ
る。Kpartは(有機相中の濃度)/(水性相中の濃度)
の比で表わされる。好ましい化合物のKpartは、遊離の
化合物に対しては0.02もしくは0.05〜3.0、特に0.2〜1.
0であり、3:1ヒドロキシピリドン/鉄(III)コンプ
レックスに対しては0.02〜6.0、特に0.2〜1.0である。
窒素原子またはピリドン環の炭素原子に結合した水素原
子の置換に用いられる基の中で好ましいものについての
以下の記載は、遊離状態およびコンプレックス状態での
分配係数が上記の好ましい範囲にある化合物の使用に関
するものである。例えば、特定の化合物について測定さ
れた分配係数は実施例1の表−1を参照されたい。
特に重要な組成物は、ピリドン環の窒素原子に結合した
水素原子が脂肪族炭化水素基以外の基によって置換され
た化合物を含有するものである。もちろん本発明は該水
素原子が脂肪族炭化水素基によって置換され、環炭素原
子に結合した水素原子が他のタイプの基によって置換さ
れた化合物を含有する組成物も含むものである。さら
に、環窒素原子に結合した脂肪族炭化水素基以外の基を
有した化合物は、脂肪族炭化水素基以外の同一もしくは
異なった基によって置換された1またはそれ以上の環炭
素原子の水素原子を有してもよいが、このような化合物
の環炭素原子は未置換または脂肪族炭化水素基によって
置換されているのが好ましい。
環炭素原子が未置換の化合物または環炭素原子の1個だ
けが例えば脂肪族炭化水素基によって置換された化合物
が好ましいが、3−ヒドロキシピリド−2−または−4
−オンの環炭素原子の1個以上、例えば2個が、同一の
置換基もしくは異なった置換基、例えば脂肪族炭化水素
基および他のタイプの置換基によって置換されていても
よい。これらの原子の置換は、3−ヒドロキシピリド−
2−オンの場合よりも3−ヒドロキシピリド−4−オン
の場合の方がより重要である(例えば6−位または特に
2−位の置換)。しかしながら、特に環炭素原子がより
大きな基によって置換された場合には、 系に対してα−位の炭素原子上の置換を回避する際に有
利である。この系は鉄とコンプレックスを形成する際に
必要となるもので、より大きな脂肪族炭化水素基のうち
の1個が極めて近接するとコンプレックスの形成を妨害
する立体効果があらわれる。
環窒素又は炭素原子が脂肪族炭化水素基により置換され
た場合、『脂肪族炭化水素基』という用語は、ここでは
置換されない又は置換された非環式及び環式基の両者を
含んでおり、非環式基は、側鎖又は特に直鎖基を有して
いる。1から6個の炭素原子、特に1から4個、及び更
に特に1から3個の炭素原子の基は、最も重要である。
置換された脂肪族炭化水素基が好ましく、これらは、環
式基(シクロプロピル及び特にシクロヘキシル)である
か、又は更に特にアルキル基のような非環式基(メチ
ル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル)である。
環炭素原子が1またはそれ以上の脂肪族炭化水素基によ
って置換される場合には、該基は好ましくはメチル基で
あるが、窒素原子を置換する基の場合には、より大きな
基を使用するのがしばしば有利である。
置換された脂肪族炭化水素基の場合には、脂肪族炭化水
素基の性質に関しては上記のように広範囲に選択される
ものであるが、大きさに関しては幾分事情が異なる。ま
ず第一に、窒素原子に結合したこの種の基の場合には、
炭素原子数が1の基、特にヒドロキシ基のような特定の
置換基はそれほど重要ではない。何故ならば、このよう
な置換基を含む化合物は−N・C・O−および−N・C
・N−系の安定性が比較的悪いために調製が困難となる
からである。さらにまた、窒素原子か炭素原子のどちら
かに結合した置換脂肪族炭化水素基の場合には、親水性
基を有した置換メチル基は、この基の効果がより疎水性
の他の基の効果によって釣り合わされない限り化合物に
過度の親水性を付与する。このため、特定の場合、例え
ば置換基がアミド基、特にN−置換アミド基の場合には
炭素原子数が1または2の基は非常に好適なものである
が、炭素原子数2または特に3の脂肪族炭化水素基は特
に置換基がヒドロキシ基の場合にしばしば好ましいもの
である。従って、置換された脂肪族炭化水素基の大きさ
は、未置換基に対して好ましいものとして前記したもの
よりも大きいものが都合がよく、例えば、置換された基
が付加的な疎水性基を有しないときは炭素原子数1〜
8、特に1〜6、就中、3、4または5のものである。
一般に、置換基が特に親水性を有さないか、または親水
性を有しているが付加的な基、例えば炭素原子数3また
はそれ以上のより大きな脂肪族炭化水素基の存在によっ
て親水性のバランスがとれているときには、より小さな
置換脂肪族炭化水素基が重要になる場合が生ずる。この
種のより大きな基は下記のアミド含有基の場合のよう
に、同一の置換脂肪族炭化水素基中または別々に存在し
ていてもよい。特に、環窒素原子および1またはそれ以
上の環炭素原子が置換脂肪族炭化水素基を有する場合に
は、置換脂肪族炭化水素基のうちの1つ、例えば窒素原
子に結合した基を前記の大きさ、例えば炭素原子数3、
4、5または6の基とし、他の基をより小さく、例えば
炭素原子数2または特に1の基にするのが適当である。
従って、窒素原子が置換脂肪族炭化水素基若しくはアシ
ル基を有し、且つ1個若しくはそれ以上の炭素原子が、
例えば6−位における炭素原子が、置換される場合に
は、脂肪族炭化水素基の代わり、又はこれと共におこな
うC−置換は置換されたメチル基でおこなうのが都合が
よい。化合物の窒素原子上での置換が本発明においては
特に重要であり、また分子中の親水性/疎水性バランス
は主としてこのようなN−置換でおこなうことが好まし
い。従って、化合物がC−置換されるが脂肪族炭化水素
基を含む好ましいC−置換フォームで存在しない場合に
は、1個または複数個のC−置換基は、前述の未置換基
の場合のように大きさと性質が広範囲に選択される置換
脂肪族炭化水素基、例えば炭素原子数1〜3の置換アル
キル基、特にクロロメチルのような置換メチル基、エト
キシメチル基および特にヒドロキシメチル基と組合され
るのがより一般的な場合である。
本発明に使用する化合物の鉄コンプレックスの窒素原子
に結合した置換脂肪族炭化水素基は1個以上の置換基、
例えば異なったタイプの2個の置換基を含んでいてもよ
い。多様に置換された脂肪族炭化水素基の一例は、該基
がスルフォン酸エステル基もしくはカルボン酸エステル
基およびスルフォン酸アミ基もしくはカルボン酸アミド
基の両方によって置換された場合に生ずる。しかしなが
ら、このような多様に置換された基の大きな欠点は大き
さが増加することである。従って、脂肪族炭化水素基の
末端がしばしば置換された1個の置換基を有した基を用
いるのがより一般的である。
本発明で使用する化合物の鉄コンプレックス中に存在す
る置換基に関しては、脂肪族アシル基はフォルミル基で
あってもよいが、アルキルカルボニル基が特に重要であ
る。このようなアシル基は、例えば炭素原子数2〜4ま
たは5のものであり、特に、環窒素原子または炭素原子
に結合した脂肪族炭化水素置換基として好適なものとし
て前記したタイプのアルキル基を含んだもの、例えば、
−COCH2CH3または−COCH3であってもよい。アルコキシ
基は炭素原子数1〜4のものが都合がよく、アルキルカ
ルボニル基の場合に好ましいアルキル基と類似のアルキ
ル基を含んだ、例えばエトキシ基および特にメトキシ基
であってもよい。
アミド置換基はスルフォニル基またはカルボニル基を含
んでいてもよい。しかしながら、後者のタイプのものが
最も重要であり、従って、以下の説明はスルフォニルタ
イプのものにも向けられるが、後者のタイプに関するも
のである。アミド置換基は、カルバモイル基−CONH2
ように、非置換であってもよく、又脂肪族炭化水素基に
よってモノ−又はジー置換された窒素原子を、例えば環
窒素又は炭素原子における置換基のような上記アルキル
基を、更に例えば−CONHCH3基を、含有していてもよ
い。あるいは、アミド置換基の を逆に配置させ、N−置換基において、例えばアミド基
の窒素原子を環窒素原子に結合した脂肪族炭化水素基と
結合させてもよい。この場合、カルボニル基は脂肪族炭
化水素基、例えば前記の環窒素原子または炭素原子に結
合したアルキル基のような置換基に結合され、またスル
フォン酸アミドの場合でなくてカルボン酸アミドの場合
には水素原子に結合される。このような後者の形のアミ
ド基の場合には、アミド窒素原子は水素原子を含んでい
てもよく、また、最初に述べた形のアミド置換基に関し
て言及したモノ置換されていてもよく、アミド置換基の
この形は特に重要なものである。
エステル置換基はスルフォニルオキシ基または好ましく
はカルボニルオキシ基を含んでいてもよく、またいずれ
の配置をとってもよい。即ち、カルボン酸エステルの場
合は、−CO・O−は環炭素原子または環窒素原子に結合し
たオキシ基またはカルボニル基を有していてもよい(適
当な場合にはエステル基が置換された脂肪族炭化水素基
による)。オキシおよびカルボニルの他の基はエステル
基を形成する脂肪族炭化水素基に結合し、また、これが
カルボニル基の場合には水素原子に結合していてもよい
(この可能性はスルフォン酸エステルの場合には適用さ
れない)。エステル基を含んだ好ましい脂肪族炭化水素
基は、環窒素原子または炭素原子上の置換に関して前述
した置換基である。N−置換基の場合、環に結合して脂
肪族炭化水素基にエステル基が結合したときは、この脂
肪族炭化水素基にカルボニル基またはスルフォニル基が
結合したエステル基、例えば−CH2CO2CH3および−CH2CO
2C2H5が好ましい。C−置換基の場合は逆であり、エス
テル基によって置換された脂肪族炭化水素基を含むいず
れのC−置換基の場合もオキシ基は、例えば−CH2O・COC
H3および−CH2O・COC2H5の場合のように、環に結合した
脂肪族炭化水素基に結合するのが特に好ましい。ハロゲ
ン置換基はヨード、フルオロ、ブロモまたは特にクロロ
であるのが好ましい。
スルフォン酸基、エステル基もしくはアミド基はN−置
換基としてはピリド−4−オンの場合よりもピリド−2
−オンの場合にはそれほど重要ではないが、ピリド−2
−オンの場合には、アシル基で置換された脂肪族炭化水
素基を含むN−置換基が最も重要である。
環窒素原子上の置換基のうちで特に重要なものはアシル
基、アミド基、脂肪族エステル基またはヒドロキシ基に
よって置換された脂肪族炭化水素基および脂肪族アシル
基、例えば−COR1、−(CH2n−CORX2および−(CH2
m−OHであり、またそれほど重要ではないがより複雑な
タイプの基−(CH2n−CH(COY)NHCOR2も例示される
(式中、R1はアルキル基、例えばメチル基、エチル基
およびn−プロピル基、R2は水素原子またはアルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基およびn−ブチル基、Xはイミノ基または
2が水素でない場合にはオキシ基、YはOR1またはN
R2、nは1〜4または6、特に2、3または4の整数、
mは2〜4または6、特に3、4または5の整数を表わ
す)。nとR2の好ましい値の間には相関があり、より
大きなnを有する基はより小さなR2を有するので(逆
も同様である)、−(CH2n−COXR2においては、例え
ば−(CH2nおよびR2は3〜7個、特に4〜6個の炭
素原子を有する。環炭素原子が脂肪族炭化水素基以外の
基で置換された場合にN−置換基として重要なものは、
脂肪族炭化水素基、例えば前記のR1、R1を有するもの
である。
環炭素原子上の置換基の中で特に重要なものは脂肪族炭
化水素基およびハロゲン、アルコキシもしくは特にヒド
ロキシ基で置換された脂肪族炭化水素基、例えばR
1(R1は前記と同意義)、−CH2Cl、−CH2OC2H5および
−CH2OHである。
前記のN−置換基は種々の3−ヒドロキシピリド−2−
オン類、および3−ヒドロキシピリド−4−オン類、特
に3−ヒドロキシピリド−2−オン、3−ヒドロキシピ
リド−4−オン、2−アルキル(例えば、メチルまたは
エチル)−3−ヒドロキシピリド−4−オン、6−アル
キル(例えば、メチル)−3−ヒドロキシピリド−4−
オン、2,6−ジアルキル(例えば、ジメチル)−3−
ヒドロキシピリド−4−オンおよび3−ヒドロキシ−6
−ヒドロキシメチルピリド−4−オンの窒素原子上に存
在していてもよい。3−ヒドロキシピリド−2−オン類
の場合は、脂肪族アシルおよびアミド−またはエステル
−置換脂肪族炭化水素基のN−置換基が特に重要で、一
方、3−ヒドロキシピリド−4−オン類の場合は、脂肪
族アシルおよびアミド−、エステル−またはヒドロキシ
置換脂肪族炭化水素基のN−置換基が特に重要である。
脂肪族炭化水素基以外の基によるC−置換を欠いたN−
置換−3−ヒドロキシピリド−2−または−4−オン類
の特定の例は以下の化合物である〔この場合、種々の記
号は前記と同意義であり(Xはオキシ又はイミノ基であ
るが、式(II)、(V)及び(VI)においては、それは
2が水素でない場合にはイミノのみである)、Rは水
素原子、エチル基または特にメチル基を示し、pは0、
1、2、3または4を示す(p=0のときのR2=Hの
場合はあまり重要ではない)〕。Xがオキシ基である化
合物(IV)、およびXがイミノ基である化合物(II)お
および(V)について特に言及する。
脂肪族炭化水素基以外のC−置換基を有し、N−置換基
として脂肪族炭化水素基を有したピリドン類としては、
1−アルキル−6−ハロメチル−3−ヒドロキシピリド
−4−オン、1−アルキル−3−ヒドロキシ−6−ヒド
ロキシメチルピリド−4−オンおよびこれらの6−アル
コキシメチル類似体があげられ、これらの特定例は以下
の化合物である〔この場合、種々の記号は前記と同意義
であり、式(XI)における2つのR1は同一または異な
ったアルキル基を示し、Halはハロゲン基を示す〕。
英国特許出願第830855号と同日付の本発明者による他の
英国特許出願明細書第8407180号(英国特許第2,136,806
号;特願昭59-57186号)に記載されているように、3−
ヒドロキシピリド−2−オン類および3−ヒドロキシピ
リド−4−オン類のうちで、前者は鉄供与のための鉄コ
ンプレックス形態が重要で、後者は鉄負担を含む症状の
処置において鉄除去のための遊離の形態が重要である。
6−クロロメチル−3−ヒドロキシ−1−メチルピリド
−4−オン、3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−
1−メチルピリド−4−オン、1−エチル−3−ヒドロ
キシ−6−ヒドロキシメチルピリド−4−オン、3−ヒ
ドロキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2−メチ
ルピリド−4−オンおよび1−メトキシカルボニルメチ
ル−3−ヒドロキシ−2−メチル−ピリド−4−オンは
既知の化合物であるが、前者の他のヒドロキシピリドン
類はすべて新な化合物である。
溶液中での1−メチル−3−ヒドロキシ−6−ヒドロキ
シメチルピリド−4−オンと塩化第二鉄との呈色反応は
文献に報告されているが、生成物の特性は明らかにされ
ていない。さらに、文献に記載された方法によっては固
体のコンプレックスが得られず、また一般的な条件は、
溶液中で生成するコンプレックスの混合物に前記のよう
な3:1形のコンプレックスが含まれないような条件で
あることが注目すべきである(塩化第二鉄の量および反
応混合物のpHはいずれも生成するコンプレックスの性状
に影響を及ぼす)。
従って、本発明はこの先行技術による制限を条件とし
て、窒素原子に結合した水素原子が脂肪族アシル基によ
って、脂肪族炭化水素基によって、または脂肪族アシ
ル、アルコキシ、脂肪族アミド、脂肪族エステル、ハロ
ゲン、およびヒドロキシ基から成る群から選択される
1、またはそれ以上の置換基によって置換された脂肪族
炭化水素基によって置換され、随意に、環炭素原子に結
合した1またはそれ以上の水素原子が該置換基のうちの
1つ、脂肪族炭化水素基、またはアルコキシ基、脂肪族
エステル基、ハロゲン基もしくはヒドロキシ基によって
置換された脂肪族炭化水素基によって置換された3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンもしくは3−ヒドロキシピリ
ド−4−オン((但し、水素原子の置換が脂肪族炭化水
素基のみによって行なわれた化合物を除く)の鉄コンプ
レックス自体を含む。特に本発明は、鉄(III)1モル
および上記の3−ヒドロキシピリド−2−オンまたは3
−ヒドロキシピリド−4−オン3モル含有する中性の鉄
コンプレックス自体を含む。
鉄コンプレックスはヒドロキシピリドンと鉄イオンとの
反応によって容易に調製することができる。鉄イオンは
鉄塩、特にハロゲン化第2鉄、就中、塩化第2鉄から誘
導するのが便利である。反応は適当な相互溶媒中でおこ
なうのが好都合で、この目的には水がしばしば使用され
る。しかしながら所望により水と有機溶媒との混合物を
使用してもよく、また有機溶媒、例えばエタノール、メ
タノール、クロロホルム、およびこれらの溶媒の混合物
および/またはこれらと水との適当な混合溶媒を用いて
もよい。副生成物、例えば塩化ナトリウムの少なくとも
大部分を沈澱によって分離して鉄コンプレックスを溶液
中に残留させることが望まれる場合には溶媒としてメタ
ノールまたはエタノールを使用してもよい。
ヒドロキシピリドンと鉄イオンとの反応によって得られ
る鉄コンプレックスの性状はこれら2種の反応剤と反応
媒体のpHに依存する。例えば3:1の第2鉄コンプレッ
クスの調製にはヒドロキシピリドンと第2鉄塩とを3:
1のモル比で溶液中で混合し、pHを6〜9、例えば7ま
たは8に調整するのが好ましい。もし鉄に対して同様の
過剰量でヒドロキシピリドンを用いても、ヒドロキシピ
リドンと塩化第2鉄のような鉄塩の混合によって生ずる
酸性pHを調整しないと2:1コンプレックスと1:1コ
ンプレックスとの混合物が得られる。
鉄コンプレックス形成反応は一般に速く、約20℃では5
分間で実質上反応は完結するが、必要ならばさらに長時
間反応させてもよい。特定の溶媒系においては塩化ナト
リウムのような沈澱副生成物を分離した後、反応混合物
を回転エバポレーターでの蒸発処理に付すか、凍結乾燥
に付すことによって固体状の鉄コンプレックスを得る。
この鉄コンプレックスは所望により適当な溶媒、例えば
水、エタノールのようなアルコール、混合溶媒(エーテ
ル含有混合溶媒を含む)から再結晶させてもよい。本発
明はさらに、前記の3−ヒドロキシピリド−2−オンま
たは3−ヒドロキシピリド−4−オンを鉄イオンと反応
させ、得られたコンプレックスを単離することを特徴と
する該ヒドロキシピリドンの鉄コンプレックスの製造方
法も含む。
用途によっては鉄コンプレックスを実質上純粋な形態、
即ち製造時の副生成物を実質上含まない形態で調製する
のが適当であるが、例えば後述するように固体状で経口
投与する場合は塩化ナトリウムのような副生成物は存在
していてもよい。しかしながら一般に中性の3:1〔ヒ
ドロキシピリドン:鉄(III)〕コンプレックスの場合
は、ヒドロキシピリドンと鉄を別の割合で含んだコンプ
レックス、特に2:1コンプレックスおよび1:1コン
プレックス等の副生成物を含まないものが特に重要であ
る。従って、本発明には、前記の3−ヒドロキシピリド
−2−オンまたは3−ヒドロキシピリド−4−オンの鉄
コンプレックス、例えば3:1ヒドロキシピリドン:鉄
(III)コンプレックスであって、別の割合で鉄を含ん
だヒドロキシピリドンの鉄コンプレックスを実質上含ま
ないものが含まれる。以下に述べるように、鉄コンプレ
ックスを使用する環境によっては遊離のヒドロキシピリ
ドンとの混合物として用いるのが有利であるが、このよ
うな混合物はヒドロキシピリドンと鉄イオンとを3:1
のモル比で反応させることによって直接得てもよい。
3−ヒドロキシピリド−2−オン類は対応する2,3−
ジヒドロキシピリジンまたは所望のピリドン中に存在す
るC−置換基に変換され得る基を有した2,3−ジヒド
ロキシピリジンの窒素原子上での求核置換反応を、例え
ば有機ハロゲン化物R′X(式中、R′は所望の3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンの窒素原子上に存在する基ま
たは該基に変換され得る基を示し、Xはハロゲン基を示
す)を用いておこなうことによって調製するのが便利で
ある。特にXはR′が脂肪族炭化水素基または2個もし
くはそれ以上の炭素原子が脂肪族アシル基によって置換
された脂肪族炭化水素基、例えばCH3CO(CH22−のと
きはヨード基を示し、R′が脂肪族アシル基、例えばCH
3CO−またはCH3CH2CO−、脂肪族アシル基、例えばCH3CO
CH2−によって置換された脂肪族炭化水素基、または脂
肪族エステル基、例えばC2H5OCOC2−のときはブロモ基
を示す。最後に記載のタイプの基は窒素原子へ結合後に
加水分解によってカルボキシ基またはスルフォン基によ
って置換された脂肪族炭化水素基に変えてもよく、この
カルボキシ基またはスルフォ基はアミド基または他のエ
ステル基に変えられる。
3−ヒドロキシピリド−4−オン化合物は、便宜的には
同様にして、あるいはより容易に入手し得る相当する3
−ヒドロキシ−4−ピロンまたは所望のピリドン中に存
在するC−置換基に、例えば−CH2OH→−CH2Halの反応
によって変換され得る基を有した3−ヒドロキシ−4−
ピロンから調製してもよい。即ち、3−ヒドロキシ−4
−ピロンはヒドロキシ基の保護、例えばベンジルオキシ
基のごときエーテル基として保護し、そして3−ヒドロ
キシピリド−4−オンに変えてもい。保護化合物と化合
物R′NH2(式中、R′は所望の3−ヒドロキシピリド
−4−オンの窒素原子上に存在する基または該基に変換
される基を表わす)の反応は塩基、例えば水酸化ナトリ
ウムのごときアルカリ金属水酸化物の存在下に行なう。
ヒドロキシ保護基を次いで除去し、C−置換基の変形を
行う。特にR′NH2は、アミノ置換脂肪族炭化水素基、
又は2−ヒドロキシエチルアミン若しくは3−ヒドロキ
シプロピルアミンのようなヒドロキシアミンからなる化
合物を表す。このようなN−置換基におけるようなヒド
ロキシ基は、勿論エステル基に変え得られ、そしてアミ
ン又はカルボキシ(若しくはスルフォ)基を含有するN
−置換基は、アミド及びエステル基をそれぞれ含有する
N−置換基の先駆体として使用され得る。
別の方法は2−脂肪族アシル3−ヒドロキシフランを使
用するもので、該化合物はR′NH2と反応させてもよ
い。2−アセチル−3−ヒドロキシフランをグリシンの
ナトリウム塩と反応させることによって1−カルボキシ
メチル−3−ヒドロキシ−2−メチルピリ−4−オンが
得られる〔セベリン(severin)およびロイドル(Loid
l)、Z.Leben-sm.Unters.-Forsch-,1976年、第161巻、
第119頁参照〕。
ピリドン環形成後のC−置換基の変形例は、環の炭素原
子上の置換基を保護し、環窒素原子上での置換を行なう
のが適切な場合に生じる。従って、例えば、ヒドロキシ
メチル基が3−ヒドロキシ基と同様に環に存在する場合
には、3−ヒドロキシ−4−ピロンの両方のヒドロキシ
基は前記のように保護しても良い。さらに、N−アシル
化ピリド−4−オンは直接アシル化によって調製しても
よいが、3−ヒドロキシ基をエーテル基、例えばベンジ
ルオキシ基として保護し、この保護基をN−アシル化を
おこなった後で除去するのが好ましい。6−ヒドロキシ
アルキル基が存在する場合には、3−ヒドロキシ基を同
様にして保護し、前者を例えば6−アルコキシアルキル
基または6−ハロアルキル基に変換するのが適切であ
る。
前記より、多くの場合、化合物調製の最後の段階が、3
−ヒドロキシ基が保護された類似の環炭素原子置換基お
よび同一の環窒素原子置換基もしくはこれに変換され得
る置換基を有したピリドンのヒドロキシ基を脱保護し、
適当な場合にはN−置換基を該化合物中のN−置換基に
変換し、随意に該化合物を生理学的に許容され得る1ま
たはそれ以上のイオンを有する該化合物の塩へ変換する
ことを含むことが理解されるであろう。
塩形成に必要な置換基含有化合物は、標準的な方法によ
り適当な塩基もしくは酸と反応させることによって塩に
変換してもよい(アミノ基からのカチオンおよび3−ヒ
ドロキシ基からのアニオンを有する両性イオン型のアミ
ノ置換化合物はpH約9の水性媒体からの再結晶によって
調製してもよい)。しかしながら、置換基は塩の形態で
存在しないのが便利である。
前記の方法はこれらの化合物を得る唯一のルートではな
く、必要な種々の中間体、例えばC−置換2,3−また
は3,4−ジヒドロキシピリジンおよび3−ヒドロキシ
−4−ピロンを得るルートとして当業者に明らかな種々
の代替法を使用してもよい。
さらに、これらの化合物のうちの特定のものは、生体内
でみられる金属結合活性に関係する他の化合物へ生体内
で変換される。このことは、例えば経口投与した場合に
カルボキシ基へ変換され易いエステル基を有する化合物
の場合にみられる。
鉄コンプレックスは種々の方法により家畜、例えば鳥類
および特に哺乳類、または特にヒトの医薬用に調剤して
もよい。例えば、液状希釈剤を用いた水性、油性または
乳化組成物として使用してもよく、これは通常、非経口
投与に使用され、従って滅菌され、発熱物質(pyroge
n)を有しない。しかしながら、ヒトの鉄欠乏性貧血症
の処置には経口投与が一般に好ましく、本発明によるコ
ンプレックスはこのような経路によって投与することが
できる。液体希釈剤を含む組成物は経口投与に使用する
ことができるが、固体のキャリヤー、例えば常套の固体
キャリヤー、例えばデンプン、ラクトース、デキストリ
ンまたはマグネシウムステアレートを含む組成物を使用
するのが特にヒトの場合は好ましい。このような固体状
組成物は成形タイプ、例えばタブレット、カプセル(ス
パンスルを含む)等にするのが便利である。
鉄コンプレックスはもちろんこのような好ましい組成物
中に固体状で存在していてもよく、本発明は前記の3−
ヒドロキシピリド−2−オンまたは3−ヒドロキシピリ
ド−4−オンの固体状鉄コンプレックスにも及ぶもので
ある。
固体状組成物は多くの用途において好ましいものである
が、特定の場合、例えばヒトおよび動物の筋肉内投与並
びに動物の経口投与の場合には、以下に述べるように液
状組成物が重要である。このような経口投与の場合には
特に、純粋な水性組成物として容易に得られるよりも高
濃度の液状組成物あるいは簡単な1価アルコールのよう
な有機溶剤を含有する液状組成物を調製するのがしばし
ば望ましく、このような希釈剤を用いる組成物は滅菌形
態でない場合はあまり重要ではない。より高い濃度は、
1個またはそれ以上のヒドロキシ基あるいはヒドロキシ
基とエーテル基を有する溶剤、特にグリコールまたはグ
リコールエーテル(水との混合物として、もしくは溶解
性を良くするために単独で使用する)を用いることによ
って得られる。特に重要なグリコールエーテルは、エー
テル化基として前記の炭素原子数1〜6の脂肪族炭化水
素基を有するモノエーテル、例えばメチルエチレングリ
コールのようなグリコールモノエーテルである。しかし
ながら一般に、グリコール自体が好ましい。このような
グリコールとしてはエチレングリコールのような簡単な
ジヒドロキシアルカン並びに炭素原子と酸素原子を有す
る鎖に結合した2個のヒドロキシ基を有したより複雑を
化合物、例えばトリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、およびポリエチレングリコール、例えば
分子量4000ダルトンのポリエチレングリコール等があげ
られる。トリエチレングリコールおよび特にテトラエチ
レングリコールは毒性が低いので特に重要である。この
ようなグリコールおよびグリコールエーテルを使用する
ことによって多くのコンプレックスの溶解度を10〜20mg
/mlまで高めることができる。
動物の場合には非経口投与用組成物がヒトの場合よりも
重要である。豚の新生児における鉄欠乏性貧血症の問題
は、急激な体重増加がおこる生後3週間ぐらいの間に主
として生ずる。本発明による鉄コンプレックスを子豚に
投与する通常の方法は、筋肉内のような非経口投与ある
いは液状製剤として口内へ注射するような経口投与であ
る。しかしながら別の方法は、例えば注射可能な徐放性
製剤の経口または非経口投与によって母豚を処理し、子
豚に授乳されるミルクの鉄含有量を高めるようにしても
よい(このような方法はヒトの場合にも重要である)。
母豚のミルク以外の食糧を子豚に与える場合には、鉄コ
ンプレックスの投与はこの食糧に添加することによって
おこなってもよい。
ヒトおよび獣医の分野においては注射または経口以外の
投与形態を利用してもよく、例えばヒトの場合には座薬
で投与してもよい。
組成物はユニット投薬形態、即ち、単位投与量または単
位投与量の多ユニットまたはサブユニットを別々にして
保有した形態に配合してもよい。ヒドロキシピリドン鉄
コンプレックスの投与量は組成物に用いられる個々のコ
ンパウンドを含む種々のファクターに依存するが、ヒト
の肉体の鉄分量を満足すべきレベルに維持する基準は毎
日投与することによって達成されることがしばしばで、
コンパウンドの鉄含量は体重1kg当り約0.1〜100mg、し
ばしば0.5〜10mg、例えば1mgまたは2mgで、獣医の分
野でもこれと類似の値である。しかしながら、特定の環
境下ではこれらのレベルよりも低いか高いレベルで毎日
投与するのが適当な場合がある。一般に過剰量投与をお
こなわないで患者に必要量の鉄を供給すべきであるが、
本発明による薬剤組成物の性状はこのような目的の達成
に特に適したものである。
所望により、前述の1以上のヒドロキシピリドン鉄コン
プレックスを薬剤組成物に存在させてもよく、また他の
活性コンパウンド、例えば葉酸のような貧血症治療促進
能を有するコンパウンドを組成物に含有させてもよい。
所望により該組成物に添加してもよい他の成分は亜鉛源
である。鉄欠乏性貧血症の処置に使用する鉄化合物は体
内への亜鉛の取り込み機構を抑制し、これは妊娠中の雌
を処置する際に胎児への重大な副作用をひきおこす。し
かしながら、本発明による鉄コンプレックスは、このよ
うな効果を示さないが、あるいは貧血病の処置に現在使
用されている化合物よりも低いレベルでの効果しか示さ
ないという利点を有する。従って、該組成物へ添加する
亜鉛付与化合物のレベルは高くする必要がないか、ある
いは鉄コンプレックスの好ましい配合処方では全体的に
分与してもよい場合が多い。
本明細書に記載の鉄コンプレックスはヒトおよび獣医の
分野における鉄欠乏性貧血症の治療、特に種々の哺乳
類、就中、豚の治療に特に好適なものである。これらの
コンプレックスはn−オクタノールに分配され、生物膜
に浸透でき、この性質は59Feで標識された鉄コンプレッ
クスの赤血球への浸透能試験によって実際に確認され
た。これに関する化合物の能力はそこに存在するN−ま
たはN−およびC−置換基の性状に依存する。種々の化
合物のKpart値におけるこの能力の反映については既に
述べた。
さらに、鉄欠乏性貧血症の治療用に現在市販されている
他の鉄コンプレックスに比べて高い効率を示す本発明に
よる鉄コンプレックスの鉄吸収促進能はラットの小腸内
での測定によって確認された。一旦、血流内に存在する
とコンプレックスは鉄をトランスフェリンに供与し、平
衡位置はコンプレックスとトランスフェリンの間に形成
される。この平衡が存在するので、対応する遊離のヒド
ロキシピリドンも鉄過多症(iron overload)の治療に
使用してもよいが、これらの化合物のある種のものは鉄
除去のために遊離状態で使用するのに特に有効であり、
またある種のものは鉄供給のために鉄コンプレックスと
して使用するのに特に有効である。3−ヒドロキシピリ
ド−2−オンの方が3−ヒドロキシピリド−4−オンよ
りも、トランスフェリンに鉄を供給する点でより有効で
あることが予備試験によって明らかになった。
個々の場合において、その配合的見地からコンプレック
スの活性を高めてもよい。中性の3:1第2鉄コンプレ
ックスは約4または5〜10の広いpH範囲にわたって安定
であるので特に有効であるが、胃内で支配的な4以下の
pHのもとでは解離して遊離のヒドロキシピリドンと共に
2:1コンプレックスと1:1コンプレックスの混合物
を生成する。これらのコンプレックスと遊離のヒドロキ
シピリドンが胃から同時に排出されると、これらは小腸
に達し、小腸内のアルカリ条件下では大部分の3:1コ
ンプレックスが再生される。しかしながら、酸性条件下
でのこの解離が、例えば胃壁を通しての遊離のヒドロキ
シピリドンの吸収による体内への鉄吸収の大幅な減少に
導く場合には、鉄コンプレックスの配合における1また
はそれ以上の以下の方法によって鉄吸収を改良してもよ
い。第1のアプローチは、鉄コンプレックスが胃の酸性
条件にさらされることを回避または少なくするいくつか
の変形法のいずれかを用いることである。このようなア
プローチは、例えば経時的にコンプレックスの放出を単
に遅延するポリマーに基づく系から、例えばバッファリ
ングの使用によって酸性条件下での解離を回避する系を
経て、例えば小腸内で支配的な条件下での放出に片寄ら
せた系、例えば胃内で支配的なpH1〜3では安定である
が、小腸内で支配的なpH7〜9では安定でないようなpH
の影響を受けやすい系に至るまでの種々のタイプの抑制
された放出系を含んでいてもよい。食後の胃内のpHは高
いので、どのような配合処方を使用しようと、鉄コンプ
レックスはこのような時に投与するのが有利である。
放出が抑制された組成物に対する特に便利なアプローチ
は、胃内においては解離しないが小腸内あるいは解離が
遅い場合には大腸内においても解離する物質によって鉄
コンプレックスをカプセル化することを含むものであ
る。このカプセル化はリプゾームによっておこなっても
よく、リン脂質は一般に酸性条件下では解離しない。従
って、リボゾーム的に捕獲された3:1鉄(III)コン
プレックスは胃内の酸性条件下においては2:1および
1:1コンプレックス並びに遊離のヒドロキシピロンに
解離せずに存在できる。小腸内へ入ると、膵臓の酵素が
リボゾームのリン脂質依存構造を急激に破壊して3:1
コンプレックスを放出させる。リボゾーム崩壊は胆汁酸
塩の存によってさらに促進させる。しかしながら通常
は、pHの影響を受けやすい性状を有した固体状組成物を
用いてカプセル化(マイクロカプセル化を含む)を行な
うのがより便利である。
酸性条件下で解離せずに非酸性条件下で解離するのに適
合した固体状組成物の調製は当該分野において周知であ
り、ほとんどの場合、腸溶性コーティングを使用し、タ
ブレット、カプセル等、あるいはこれらに含有される個
々の粒子もしくは顆粒を適当な物質で被覆する。この調
製法は例えば「マニュアルファクチュアリングケミスト
・アンド・アエロゾルニュース(Manufacturing Chemis
t and Aerosol News)」、1970年、5月、に記載のジョ
ーンズ((Jones)の論文「腸溶性被覆カプセルの製
造」および標準的な参考文献、例えば、リーバーマン
(Liebermann)とラックマン(Lackmann)著、「薬剤投
与形態(Pharmaceutical Dosage Forms)」第3巻(Mar
cel Decker社)に記載されている。特別なカプセル化方
はセルロースアセテートフタレート/ジエチルフタレー
ト層で被覆されたゼラチンカプセルの使用を含む。この
コーティングは胃内の酸性条件下での水の作用からゼラ
チンカプセルを保護する(このコーティングは胃内では
プロトン化され、従って安定である)。しかしながら、
このコーティングは腸内での中性/アルカリ性条件下で
は不安定である(このコーティングは腸内ではプロトン
化されず、従って水と作用してゲル化する)。腸内で放
出されると、水溶性の3:1鉄(III)コンプレックス
の腸壁浸透速度は腸内の位置に関係なく、即ち、空腸、
回腸または大腸においても比較的一定である。使用して
もよい他の処方例はポリマーヒドロゲルフォーミュレー
ションの使用を含むものである。このフォーミュレーシ
ョンは実際的には鉄コンプレックスをカプセル化しない
が、酸性条件下で解離しない。
胃内で支配的な酸性条件の効果に逆う第2のアプローチ
は、鉄コンプレックスをそれが誘導される鉄を含まない
ヒドロキシピリドンと共に薬剤組成物に配合することで
ある。中性の3:1第2鉄コンプレックスの解離には、
例えばこのコンプレックスと2:1コンプレックス、
1:1コンプレックスおよび金属を含まない化合物との
間の種々の平衡が含まれるので後者の存在によってこの
解離は抑制される。この場合、遊離の化合物はいずれの
割合でも有効ではあるが、一定のレベルを越えてもそれ
以上の利点は生じない。本発明による組成物中に存在す
る遊離の化合物のモル比の好ましい範囲は鉄コンプレッ
クス、特に中性の3:1鉄(III)コンプレックス1モ
ルに対して遊離のヒドロキシピリドン0〜20モルであ
る。後者1モルに対して前者を1モルまたは2モル〜5
モル、または10モルまでにするのが有利であるが、鉄コ
ンプレックスの解離に対して顕著な効果を得るには通常
後者1モルに対して前者を少なくとも5モルまたは10モ
ル用いる。従って、好ましい範囲は3モル:1モル〜10
モル:1モルである。このような混合物の使用はコンプ
レックスから鉄をほとんど定量的に吸収することを可能
にするので本発明の重要な特徴である。しかしながら、
種々のタイプのコンプレックスと金属を含まない化合物
との間の平衡は後者の体内への吸収および胃からのこの
ような吸収の程度によって影響を受けることを認識すべ
きであり、例えば、該平衡は金属を含まない特定の化合
物に左右される。従って、N−置換基の性質は、例えば
コンプレックス/金属を含まない化合物系の挙動に顕著
な効果を及ぼすので、このようなN−置換基を選択する
に際しては、このことを考慮すべきである。
酸性条件下での鉄コンプレックスの解離を防止する別の
利点は、遊離のヒドロキシピリドンをその鉄コンプレッ
クスと混合して使用することによって得られる。特定の
病的条件下では患者が総合的な貧血症を示しても特定の
部位に過剰の鉄が沈積する。このような混合物をこのよ
うな症状の患者に使用すると、鉄コンプレックスは総合
的な貧血症を治療し、一方、遊離のヒドロキシピリドン
は病的部位から生理的部位へ鉄を移動させる作用をす
る。さらに、前記のヒドロキシピリドンの鉄コンプレッ
クスを、遊離形態のこのようなヒドロキシピリドンの他
のもの(金属を含まない形態の同一のヒドロキシピリド
ン群は本願出願人による同日付の特許出願に係わるもの
である)、あるいは主として鉄コンプレックスの解離を
防止するために配合される相当する遊離のヒドロキシピ
リドンと主として鉄の移送ために配合される遊離形態の
他のこのようなヒドロキシピリドンとの混合物と配合さ
せる場合においても利点がある。従って、ヒドロキシピ
リドンを鉄供与体内に存在させ、該供与体が系内の適当
な部位でその鉄を一旦失ったならば系から除去されるよ
うにすみやかに新陳代謝させるのが好ましい。一方、鉄
除去体として使用されるヒドロキシピリドンはすみやか
に新陳代謝されないようにして系内に長期間にわたって
存続させ、鉄を取込ませるのが好ましい。この理由から
遊離形態のヒドロキシピリドンと鉄コンプレックスのヒ
ドロキシピリドンに異なったものを使用することは一定
の利点がある。さらに別の理由から、異なったヒドロキ
シピリドンは鉄除去体としての遊離形態においても、鉄
供与体としてのコンプレックス形態においてもより効率
よく作用する。特に重要なものはヒドロキシピリド−2
−オンの鉄コンプレックスと遊離のヒドロキシピリドン
−4−オンとの混合物であり、所望によりさらに対応す
る遊離のヒドロキシピリド−2−オンを配合してもよ
い。必要ならば、遊離のヒドロキシピリドンは、ヒドロ
キシ基からアニオンへの変換(OH→O-)によってヒ
ドロキシ基上に形成され、且つ生理学的に許容され得る
カチオンを、例えば、ナトリウムのようなアルカリ金属
のカチオン、第4級アンモニウムイオン、又はトリス
(tris)から誘導されたカチオンのような陽子付加され
たアミンを、有する塩の形態で使用してもよい。
同じタイプの異なった遊離のヒドロキシピリドンと配合
する代わりに、鉄コンプレックスは他の鉄キレート化剤
と併用してもよい。特に、このようなキレート化剤とし
ては、英国特許出願第8308056号明細書(英国特許第2,1
18,176号;特願昭58-49676号)に記載されたもの、即
ち、窒素原子に結合した水素原子が脂肪族炭化水素基に
よって置換され、随意に1個またはそれ以上の環炭素原
子に結合した水素原子も脂肪族炭化水素基によって置換
された3−ヒドロキシピリド−2−オンまたは3−ヒド
ロキシピリド−4−オン、または生理学的に許容され得
るカチオンを含んだこれらの塩を使用してもよい。鉄コ
ンプレックスと併用してもよい他のタイプの遊離のヒド
ロキシピリドンは英国特許出願第8325496号明細書(英
国特許第2,146,990号:特願昭59-201407号)に記載され
たものである。
従って、窒素原子に結合した水素原子が脂肪族アシル
基、脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基、アルコ
キシ基、脂肪族アミド基、脂肪族エステル基、ハロゲン
基、およびヒドロキシ基から成る群から選択される1、
またはそれ以上の置換基によって置換された脂肪族炭化
水素基によって置換され、随意に、環炭素原子に結合し
た1またはそれ以上の水素原子が該置換基のうちの1
つ、脂肪族炭化水素基、またはアルコキシ基、脂肪族エ
ステル基、ハロゲン基もしくはヒドロキシ基によって置
換された脂肪族炭化水素基によって置換された3−ヒド
ロキシピリド−2−オンもしくは3−ヒドロキシピリド
−4−オン(但し、水素原子の置換が脂肪族炭化水素基
のみによって行なわれた化合物を除く)の鉄コンプレッ
クスおよび窒素原子に結合した水素原子が脂肪族アシル
基、脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基、アルコ
キシ基、脂肪族アミン基、脂肪族アミド基、カルボキシ
基、脂肪族エステル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基およ
びスルフォ基から成る群から選択される1、またはそれ
以上(但し、イオン化性基の場合は除く)の置換基によ
って置換された脂肪族炭化水素基によって置換され、随
意に、環炭素原子に結合した1またはそれ以上の水素原
子が該置換基のうちの1つ、脂肪族炭化水素基、または
アルコキシ基、脂肪族エステル基、ハロゲン基もしくは
ヒドロキシ基によって置換された脂肪族炭化水素基によ
って置換された異なった3−ヒドロキシピリド−2−オ
ンもしくは3−ヒドロキシピリド−4−オン(但し、水
素原子の置換が脂肪族炭化水素基のみによって行なわれ
た化合物を除く)、または生理学的に許容され得る1ま
たはそれ以上のイオンを含んだ該異なったピリドンの塩
との混合物が含まれる。
鉄除去体として作用させるために金属を含まない3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンまたは3−ヒドロキシピリド
−4−オンを3−ヒドロキシピリド−4−オンまたは3
−ヒドロキシピリド−2−オンの鉄コンプレックスを混
合させる場合の前者の配合量は、遊離のヒドロキシピリ
ドンを鉄コンプレックス中のヒドロキシピリドンと対応
させて主として解離を防止するために配合する場合とは
異なってもよい。従って、鉄コンプレックスの毎日の投
与量は前記の通りであってもよい。また遊離のヒドロキ
シピリドンの毎日の投与量は英国特許出願第8308056号
明細書(特願昭和58-49676号)に記載された量、即ち、
ヒトに対しては約0.1g〜5g、特に0.5g〜2gであ
る。以上のことから明らかなように、このような場合に
用いられる鉄コンプレックスと遊離のヒドロキシピリド
ンの割合は広範囲に変化させてもよいが、遊離の化合物
の好ましい量は他の場合におけるよりも多くなる傾向が
ある。
本発明はまた、前記の3−ヒドロキシピリド−2−オン
または3−ヒドロキシピリド−4−オンの鉄コンプレッ
クスを患者に所定量投与して患者の血液流内の鉄分濃度
を高めることを特徴とする患者の処置方法も含まれる。
上述の鉄コンプレックスは薬剤的用途の外に他の種々の
分野、例えば細胞や細菌の増殖、植物の生育等における
鉄源として、また呈色剤として非常に重要であり、さら
に膜を通る鉄分輸送制御においても有用である。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例 実施例1:鉄コンプレックスの調製 3−ヒドロキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2
−メチルピリド−4−オンの鉄コンプレックスを(a)ま
たは(b)の手順によって調製した。
(a) 塩化第2鉄の水溶液を、3−ヒドロキシ−1−
(2′−ヒドロキシエチル)−2−メチルピリド−4−
オンを3モル当量含んだ水溶液と室温で5分間反応させ
た。得られた溶液は、水酸化ナトリウムの2モル水溶液
を用いてpHを7.0に調整した後、凍結乾燥した。
得られた粉末をクロロホルム上で抽出した後、濾過に付
し、濾液を回転エバポレーターで処理して2−ヒドロキ
シ−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2−メチルピリ
ド−4−オンアニオンと第2鉄カチオンを3:1の割合
で含んだ中性コンプレックスを実質的に定量的収率で得
た。この3:1コンプレックスをエタノールから再結晶
してワインカラーの結晶〔m.p.330〜340℃;νmax(nuj
ol)1600,1500cm-1〕を得た。
(b) 塩化第2鉄のエタノール溶液を、3−ヒドロキシ
−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2−メチルピリド
−4−オンを3モル当量含んだクロロホルム溶液と室温
で5分間反応させた。得られた溶液は固体状の炭酸ナト
リウムを加えて中和し、沈澱した塩化ナトリウムを濾別
した後、濾液を蒸発させて実質上定量的収率で3:1コ
ンプレックス(m.p.330〜340℃)を得た。
上記(b)の方法に準拠して3−ヒドロキシ−1−メチル
オキシカルボニルメチルピリド−2−オンの3:1鉄
(III)コンプレックス〔m.p.305〜310℃(分解),ν
max(nujol)1540,1630,1750cm-1〕および3−ヒドロ
キシ−1−(N−プロピルカルバモイルメチル)−ピリ
ド−2−オンの3:1鉄(III)コンプレックス〔m.p.1
70〜175℃,νmax(nujol)1540,1630,1675cm-1〕を
調整した。
いずれのピリドンも5〜50モル当量過剰用いるときは、
(a)と(b)のどちらの方法によっても遊離状態の過剰ピリ
ドンと3:1コンプレックスとの混合物が実質上定量的
に得られる。
3−ヒドロキシピリド−2−および−4−オン類および
それらの鉄コンプレックスの分配データ 分配係数Kpart(これは、n−オクタノールおよびトリ
スクロライド水溶液(20mM、pH7.4)間の分配における
(n−オクタノール中の濃度)/(水相中の濃度)比で
ある)を、前記実施例の種々の化合物およびそれらの
3:1鉄(III)コンプレックス(10-4Mにおいて)に
対し20℃でスペクトルフォトメトリーにより測定した。
コンプレックス溶液は、前もって形成されたコンプレッ
クスをトリスクロライド水溶液に溶解させるか、あるい
は緩衝溶液中にピリドンと塩化第2鉄のモル比3:1の
混合物を加えることによって調製し、所望によりその後
のpHを7.4に再調整した(ピリドンを塩の形で使用する
と否とにかかわらず、緩衝溶液中では同一の生成物が得
られた。)。酸で洗浄したガラス容器を操作中ずっと使
用し、10-4M水溶液5mlとn−オクタノール5mlを1分
間混合し、次いで水性n−オクタノール混合物を1000g
で30秒間遠心分離機にかけた。得られた2つの相をそれ
ぞれスペクトルフォトメトリーによって濃度測定するた
めに分離した。遊離のヒドロキシピリドン類に対しては
220〜340nmで濃度を測定し、鉄コンプレックスに対し
ては340〜640nmを用いた。得られた典型的な値を表−
1に示す。
1−アセチル−3−ヒドロキシピリド−2−オンまたは
1−エチル−3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシピリド−
4−オンのコンプレックスのヘモグロビンとの結合能
は、ヘモグロビンと59Feで標識した3:1(ピリドン:
鉄)中性コンプレックス(1mM濃度)との混合物をPO-1
0カラム〔Sepahdex G-10ゲル透過カラム(Pharmaci
a)〕にかけたときの59Fe標識の溶離プロフィールを調
べることによって検討した。この種のコンプレックスは
検出し得るヘモグロビン結合能を示さなかった。
ヒドロキシピリドン出発原料の調製 本発明において使用される表−1に示した鉄コンプレッ
クスおよび他の鉄コンプレックスの調製に使用した種々
のヒドロキシピリドン類は以下の様にして調製した。こ
れらの中で、G、P、Q、U及びXの調整により3−ヒ
ドロキシピリドンが得られ、これは、本発明による鉄コ
ンプレックスを直接にもたらさないが、他の3−ヒドロ
キシピリドンの調整のための中間体として適している。
(A) 1−アセチル−3−ヒドロキシピリド−2−オン
の調製 2,3-ジヒドロキシピリジン(5.55g)をアセチルブロミ
ド(10ml)と共に一夜還流させた。反応混合物を冷却
し、水(10ml)を添加した。得られた懸濁液をメチレン
クロリドを用いて抽出し、メチレンクロリド溶液をNa2S
O4を用いて乾燥し、蒸発処理に付した。得られた残渣を
石油エーテル(80〜100℃)から再結晶させて、1−ア
セチル−3−ヒドロキシピリド−2−オンを白色結晶と
して得た(2.8g)。
m.p.140〜141℃;νmax(nujol)1680,3120cm-1;δ
(d6DMSO),2.2(s,3H),6.1(t,1H),6.65(m,1H),7.2
(d,1H)。
(B) 1−エトキシカルボニルメチル−3−ヒドロキシ
ピリド−2−オンの調製 2,3-ジヒドロキシピリジン(5g)をエチルブロモアセ
テート(20ml)中に懸濁させ、混合物を封管中で140℃
で24時間加熱した。次いで封管を固体CO2中で冷却して
開封した。内容物を50℃での回転蒸発処理に付して黄色
固体を得た。この個体を水から再結晶させて1−エトキ
シカルボニルメチル−3−ヒドロキシピリド−2−オン
を白色結晶として得た(5.4g)。
m.p.141〜151℃;νmax(nujol)1645,1720cm-1;δ
(d6DMSO),1.0(t,3H),4.0(q,2H),4.55(s,2H),5.95
(t,1H),6.6(d,1H),7.05(d,1H)。
(C) 1−カルボニルメチル−3−ヒドロキシピリド−
2−オンの調製 1−エトキシカルボニルメチル−3−ヒドロキシピリド
−2−オン(2g)を系のpHを12.0にするのに充分な量
の水酸化アンモニウムを含有したエタノール/水(1:
2v/v)15ml中に溶解させた。この溶液を60℃で30分
間加熱し、冷却後、蟻酸の添加によって系のpHを3.0に
酸性化した。溶液を回転蒸発処理に付してエタノールの
大部分を除去し、次いで20時間の凍結乾燥処理に付して
水、蟻酸および蟻酸アンモニウムを除去した。得られた
固体を水から再結晶させて白色結晶を得た(1.4g)。
m.p.203〜205℃;νmax(nujol)1540,1590,1640,16
95,3240cm-1;δ(d6DMSO)4.5(s,2H),5.95(t,1H),
6.6(d,1H),7.0(d,1H)。
(D) 3−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニルメチル
ピリド−2−オンの調製 (C)に記載のようにして調製した1−カルボキシメチ
ル−3−ヒドロキシピリド−2−オン(1g)をメタノ
ール性塩酸中で2時間還流した。溶媒を回転蒸発処理に
よって除去し、残渣を水から再結晶して3−ヒドロキシ
−1−メトキシカルボニルメチルピリド−2−オンを60
%の収率で得た。
m.p.141〜142℃;νmax(nujol)1560,1595,1645,17
30,3220cm-1;δ(d6DMSO)3.55(s,3H),4.65(s,2H),
6.05(t,1H),6.7(d,1H),7.1(d,1H),9.2(s,1H)。
(E) 1−(N−エチルカルバモイルメチル)−3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンの調製 3−ベンジルオキシ−1−カルボキシメチルピリド−2
−オン (B)に記載のようにして調製した1−エトキシカルボ
ニルメチル−3−ヒドロキシピリド−2−オン(10g)
をメタノール/水(9:1v/v)(400ml)中に溶解さ
せ、この溶液にベンジルクロリドを3モル過剰で添加
し、系のpHが12以上になるまでNaOHを添加した。次いで
混合物を6時間還流してオレンジ色の透明溶液を得た。
回転蒸発処理によってメタノールを除去し、水性溶液を
ジクロロメタンを用いて抽出して過剰のベンジルクロリ
ドを除去した。余分の水を添加して、水性相をわずかに
希釈し、次いで、濃塩酸を用いて系のpHを2にしてベー
ジュ色の固体を沈澱させた。混合物を冷却し、沈澱物を
濾別し、これをジエチルエーテルで洗浄した。粗生成物
をエタノールから再結晶させて、3−ベンジルオキシ−
1−カルボキシメチルピリド−2−オンを得た(5.4
g;41%;m.p.176〜177℃)。
3−ベンジルオキシ−1−(サクシンイミド−オキシカ
ルボニルメチル)−ピリドン−2−オン 3−ベンジルオキシ−1−カルボキシメチルピリド−2
−オン(2g)をジメチルフォルムアミド(DMF)
(25ml)に溶解させ、この溶液にN−ヒドロキシサクシ
ンイミド(1g)を添加した。得られた溶液を冷却し、
これにDMF(5ml)にジシクロヘキシルカルボジイミ
ド((DCCI)(11.8g)を加えた溶液を添加した。混合
物を一夜放置して褐色の上澄液と白色沈澱物を得た。沈
澱物を濾別し、少量のDMFを用いて洗浄し、次いで高
真空下で蒸発乾燥した。粗生成物を最少量のジシクロメ
タンに溶解させ、ジエチルエーテルをこの溶液へ濁るま
で添加した。次いでこの溶液を冷却し、沈澱物を濾別
し、少量のジエチルエーテルを用いて洗浄して3−ベン
ジルオキシ−1−(サクシンイミドオキシカルボニルメ
チル)−ピリド−2−オンを得た(2.26g;82%;m.p.
187〜188℃)。
3−ベンジルオキシ−1−(N−エチルカルバモイルメ
チル)−ピリド−2−オン 3−ベンジルオキシ−1−(サクシンイミド−オキシカ
ルボニルメチル)−ピリド−2−オン(1g)をジクロ
ロメタン(100ml)に溶解させ、この溶液へエチルアン
を2モル過剰で添加した。混合物を5分間放置し、次い
で反応によって遊離したN−ヒドロキシサクシンイミド
を1Mの重炭酸ナトリウム溶液を用いて抽出した(2×
25ml)。有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、
濾過処理後、蒸発処理に付して3−ベンジルオキシ1−
(N−エチルカルバモイルメチル)−ピリド−2−オン
を灰色固体として50%の収率で得た(m.p.171〜172
℃)。
1−(N−エチルカルバモイルメチル)−3−ヒドロキ
シピタド−2−オン 3−ベンジルオキシ−1−(N−エチルカルバモイルメ
チル)−ピリド−2−オン(1g)をエタノール/水
(50:50v/v)に溶解させ、この溶液へ白金/カーボン
接触(100mg)を添加し、これを20で大気圧下で8時間
水素化した。混合物を濾過処理に付した後、濾液を回転
蒸発処理に付し、得られた残渣をエタノールから再結晶
させて1−(N−エチルカルバモイルメチル)−3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンを70%の収率で得た((m.p.
214〜215℃)。
νmax(nujol)1555,1580,1645,1675,3260,3400cm
-1,δ(d6DMSO)1.0(t,3H),3.05(m,2H),4.5(s,2H),
6.05(t,1H),6.7(d,1H),7.05(d,1H),8.2(s,1H)。
(F) 3−ヒドロキシ−1−(N−メチルカルバモイル
メチル)−ピリド−2−オンの調製 (E)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−1−(サクシンイミド−オキシカルボニルメチル)−
ピリド−2−オン(1g)を、この化合物とエチルアミ
ンとの反応に関する(E)に記載された条件と実質的に
類似の条件下でメチルアミンと反応させて3−ベンジル
オキシ−1−(N−メチルカルバモイルメチル)−ピリ
ド−2−オンを白色固体として84%の収率で得た((m.
p.182〜183℃)。
この化合物を、相当するエチル類似体に関する(E)に
記載のようにして水素化し、3−ヒドロキシ−(N−メ
チルカルバモイルメチル)−ピリド−2−オンを60%の
収率で得た。
m.p.204〜205℃;νmax(nujol)1560,1585,1645,16
85,2950,3275cm-1;δ(d6DMSO)2.40,2.46((2xs,3
H),4.35(s,2H),6.55(d,1H),6.95(d,1H),7.95(s,1
H)。
(G) 3−ヒドロキシ−1−(N−プロピルカルバモイ
ルメチル)−ピリド−2−オンの調製 (E)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−1−(サクシンイミド−オキシカルボニルメチル)−
ピリド−2−オン(1g)を、この化合物とエチルアミ
ンとの反応に関する(E)に記載の条件と実質的に類似
の条件下でn−プロピルアミンと反応させて3−ベンジ
ルオキシ−1−(N−プロピルカルバモイルメチル)−
ピリド−2−オンをベージュ色の固体として60%の収率
で得た(m.p.156〜157℃)。この化合物を、相当するエ
チル類似体に関する(E)に記載のようにして3−ヒド
ロキシ−1−(N−プロピルカルバモイルメチル)−ピ
リド−2−オンを47%の収率で得た。
m.p.204〜205℃;νmax(nujol)1560,1580,1640,30
50,3200cm-1;δ(d6DMSO)0.85(t,3H),1.5(m,2H),
3.0(q,3H),4.5(s,2H),6.05(t,1H),6.7(d,1H),7.05
(d,1H),8.1(s,1H),8.95(s,1H)。
(H) 3−ヒドロキシ−1−〔N−(2′−メチルエチ
ル)−カルバモイルメチル〕−ピリド−2−オンの調製 (E)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−1−(サクシンイミド−オキシカルボニルメチル)−
ピリド−2−オン(1g)を、この化合物とエチルアミ
ンとの反応に関する(E)に記載の条件と実質的に類似
の条件下でイソプロピルアミンと反応させて、3−ベン
ジルオキシ−1−〔N−(2′−メチルエチル)−カル
バモイルメチル〕−ピリド−2−オンを得た。この化合
物を、相当するエチル類似体に関する(E)に記載のよ
うにして水素化して3−ヒドロキシ−1−〔N−(2′
−メチルエチル)−カルバモイルメチル〕−ピリド−2
−オンを銀白粉末として60%の収率で得た。
m.p.238〜241℃;νmax(nujol)1570,1595,1650,32
70cm-1;δ(d6DMSO)0.95(d,6H),3.7(m,1H),4.4(s,2
H),5.95(t,1H),6.53(d,1H),6.98(d,1H),7.96(d,1
H),8.85(s,1H)。
(I) 1−(N−ブチルカルバモイルメチル)−3−ヒ
ドロキシピリド−2−オンの調製 (E)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−1−(サクシンイミド−オキシカルボニルメチル)−
ピリド−2−オン(1g)を、この化合物とエチルアミ
ンとの反応に関する(E)に記載の条件と実質的に類似
の条件下でn−ブチルアミンと反応させて3−ベンジル
オキシ−1−(N−ブチルカルバモイルメチル)−ピリ
ド−2−オンを得た。この化合物を、相当するエチル類
似体に関する(E)に記載されたようにして水素化して
1−(N−ブチルカルバモイルメチル)−3−ヒドロキ
シピリド−2−オンを無色針状結晶(m.p.199〜200℃)
として得た。
νmax(nujol)1565,1595,1650,1680,3100,3200cm
-1;δ(d6DMSO)0.8(t,3H),1.3(m,4h),3.0(d,2H),
4.43(s,2H),5.95(t,1H),6.63(d,1H),6.96(d,1H),8.
0(t,1H),8.86(s,1H)。
(J) 1−アセチル−3−ヒドロキシ−2−メチルピリ
ド−4−オンの調製 3−ベンジルオキシ−2−メチル−4−ピロン メタノール(225ml)中に3−ヒドロキシ−2−メチル
−4−ピロン(22.2g)を加えた溶液を水酸化ナトリウ
ム水溶液(7.5g NaOH/25ml H2O)に添加した。ベン
ジルクロリド(25.5g)を添加し、混合物を6時間還流
させ、次いで一夜放置冷却した。減圧下でメタノールの
大部分を除去し、残渣を水(50ml)を用いて処理し、混
合物をジクロロメタンで抽出した(3×25ml)。抽出物
を一緒にして5%w/v NaOHで洗浄し(2×25ml)、次い
で水で洗浄後(2×25ml)、硫酸マグネシウムを用いて
乾燥した。溶媒を蒸発させて得られた粗製3−ベンジル
オキシ−2−メチル−4−ピロン(35g;;92%)を減
圧窒素雰囲気下で蒸溜して無色オイル(b.p.148℃/0.2
mm)28gを得た。
3−ベンジルオキシ−2−メチルピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−2−メチル−4−ピロン(20
g)、濃アンモニア(s,g.0.880)(200ml)およびエタ
ノール(100ml)を混合して室温で3日間保存した。溶
媒および過剰のアンモニアを回転蒸発処理によって除去
して得たオイルをアセトンと混合させて3−ベンジルオ
キシ−2−メチルピリド−4−オンを白色結晶(m.p.16
2〜163℃)として得た。
1−アセチル−3−ベンジルオキシ−2−メチルピリド
−4−オン 3−ベンジルオキシ−2−メチルピリド−4−オン(4
g)を乾燥アセトン(100ml)に溶解させ、アセチルブ
ロミド(3g)とトリエチルアミン(2.7g)を添加
し、得られた混合物を機械的に一夜撹拌した。次いで混
合物を濾過処理に付し、濾液を回転蒸発処理に付して乾
燥した。残渣をメチレンクロリドに溶解させ、希塩酸
(pH3.0)を用いて洗浄し、次いで水を用いて2回洗浄
し、Na2SO4で乾燥後、回転蒸発処理に付して固体状残渣
を得た。この残渣をエチルアセテート/ヘキサン混合液
から再結晶させて1−アセチル−3−ベンジルオキシ−
2−メチルピリド−4−オンをオイルとして得た(3.1
g)。
1−アセチル−3−ヒドロキシ−2−メチルピリド−4
−オン 1−アセチル−3−ベンジルオキシ−2−メチルピリド
−4−オン(2g)を45% W/V HBr−酢酸(10ml)を
用いて100℃で1時間処理した。この溶液を回転蒸発処
理(70℃)に付して乾燥させ、エチルアセテート/メタ
ノール(20:1 v/v)混合液と混合した。これを4℃
で一夜放置して淡褐色結晶を沈澱させ(1.2g)、これ
をエチルアセテート/メタノール混合液から再結晶させ
て1−アセチル−3−ヒドロキシ−2−メチルピリド−
4−オンを白色結晶として得た。
m.p.152〜160℃;νmax(nujol)1630,1680cm-1;δ
(d6DMSO)2.2(s,3H),2.5(s,3H),7.25(d,1H),8.15
(d,1H)。
(K) 3−ヒドロキシ−1−(2′−ヒドロキシエチ
ル)−2−メチルピリド−4−オンの調製 3−ベンジルオキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)
−2−メチルピリド−4−オン (J)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−2−メチル−4−ピロン(4.8g)および2−ヒドロ
キシエチルアミン(1.22g)を水(220ml)に溶解さ
せ、水酸化ナトリウム(2g)含有エタノール(100m
l)を添加した。混合物を室温で6日間撹拌し、次いで
濃塩酸を用いて系のpHを2にした後、蒸発乾燥した。得
られた無色の固体を水を用いて洗浄した後、クロロホル
ムで抽出した(2×50ml)。クロロホルム抽出物を一緒
にし、硫酸グネシウムを用いて乾燥した後、蒸発処理に
付して3−ベンジルオキシ−1−(2′−ヒドロキシエ
チル)−2−メチルピリド−4−オンを白色固体(m.p.
198〜199℃)として得た(3.4g)。
3−ヒドロキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2
−メチルピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)
−2−メチルピリド−4−オン(2g)を濃臭化水素酸
(10ml)に添加し、混合物をスチームバス上で30分間加
熱した。次いで得られた生成物を水から再結晶させて3
−ヒドロキシ−1−(2′−ヒドロキシエチル)−2−
メチルピリド−4−オンをそのヒドロブロミドの白色結
晶として0.8g得た。
m.p.164〜165℃;νmax(nujol)1630,3150,3350c
m-1;δ(d6DMSO)2.5(s,3H),3.7(t,2H),4.35(t,2
H),7.25(1H),8.15(d,1H)。
(L) 3−ヒドロキシ−1−(3′−ヒドロキシプロピ
ル)−2−メチルピリド−4−オンの調製 (J)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−2−メチル−4−ピロンを、2−ヒドロキシエチルア
ミンとの反応に関する(K)に記載の条件と実質的に類
似の条件下で3−ヒドロキシプロピルアミンと反応させ
て3−ベンジルオキシ−1−(3′−ヒドロキシプロピ
ル)−2−メチルピリド−4−オンを得た。この化合物
の脱保護を(K)に記載の方法によって行ない、3−ヒ
ドロキシ−1−(3′−ヒドロキシプロピル)−2−メ
チルピリド−4−オンをそのヒドロブロミドの白色結晶
として得た。
m.p.111〜113℃;νmax(nujol)1630,3150,3350c
m-1;δ(d6DMSO)1.8(m,2H),2.4(s,3H),3.35(t,2
H),4.33(t,2H),7.3(d,1H),8.2(d,1H)。
(M) 3−ヒドロキシ−1−(4′−ヒドロキシブチ
ル)−2−メチルピリド−4−オンの調製 (J)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−2−メチル−4−ピロンを、2−ヒドロキシエチルア
ミンとの反応に関する(K)に記載の条件と実質的に類
似の条件下で1−アミノ−4−ヒドロキシブタンと反応
させて3−ベンジルオキシ−1−(4′−ヒドロキシブ
チル)−2−メチルピリド−4−オンを得た。(K)に
記載の方法によって、この化合物を脱保護して3−ヒド
ロキシ−1−(4′−ヒドロキシブチル)−2−メチル
ピリド−4−オンを白色結晶として得た。
m.p.126〜128℃;νmax(nujol)1630,3350cm-1;δ
(d6DMSO)1.5(m,4H),2.45(s,3H),3.35(t,2H),4.30
(t,2H),7.25(d,1H),8.2(d,1H)。
(N) 3−ヒドロキシ−1−(5′−ヒドロキシペンチ
ル)−2−メチルピリド−4−オンの調製 (J)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−2−メチル−4−ピロンを、2−ヒドロキシエチルア
ミンとの反応に関する(K)に記載の条件と実質的に類
似の条件下で1−アミノ−5−ヒドロキシペンタンと反
応させて3−ベンジルオキシ−1−(5′−ヒドロキシ
ペンチル)−2−メチルピリド−4−オンを得た。
(K)に記載の方法によって、この化合物を脱保護して
3−ヒドロキシ−1−(5′−ヒドロキシペンチル)−
2−メチルピリド−4−オンを白色結晶として得た。
m.p.136〜138℃;νmax(nujol)1625,3350cm-1;δ
(d6DMSO)1.3(m,6H),2.40(s,3H),3.25(t,2H),4.20
(t,2H),7.20(d,1H),8.15(d,1H)。
(O) 1−(5′−アセトキシペンチル)−3−ヒドロ
キシ−2−メチルピリド−4−オンの調製 (N)に記載のようにして調製した3−ヒドロキシ−1
−(5′−ヒドロキシペンチル)−2−メチルピリド−
4−オン(2g)を、臭化水素約1%W/V含有氷酢酸に
溶解させ、この溶液を2時間還流させた。得られた混合
物を回転蒸発処理に付し、残渣を水性エタノールから結
晶化させて1−(5′−アセトキシペンチル)−3−ヒ
ドロキシ−2−メチルピリド−4−オンを65%の収率で
得た。
m.p.132〜133℃;νmax(nujol)1520,1540,1580,16
35,1735cm-1;δ(d6DMSO)1.6(m,6H),2.1(s,3H),2.
4(s,3H),4.05(m,4H),6.4(d,1H),7.3(d,1H)。
(P) 1−カルボキシメチル−3−ヒドロキシ−2−メ
チルピリド−4−オンの調製 (J)に記載したようにして調製した3−ベンジルオキ
シ−2−メチル−4−ピロンを、2−ヒドロキシエチル
アミンとの反応に関する(K)に記載の条件と実質的に
類似の条件下でグリシンと反応させて3−ベンジルオキ
シ−1−カルボキシメチル−3−ヒドロキシ−2−メチ
ルピリド−4−オンを得た。(I)に記載したようにし
てこの化合物を脱保護して、1−カルボキシメチル−3
−ヒドロキシ−2−メチルピリド−4−オンを白色結晶
として得た。
m.p.>230℃;νmax(nujol)1625,1645cm-1;δ(d6D
MSO)1.9(s,3H),4.3(s,2H),5.9(d,1H),7.35(d,1H)。
(Q) 1−(2′−カルボキシエチル)−3−ヒドロキ
シ−2−メチルピリド−4−オンの調製 3−ベンジルオキシ−1−(2′−カルボキシエチル)
−2−メチルピリド−4−オン (J)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−2−メチル−4−ピロン(20g)およびβ−アラニン
(9g)を、NaOH(10g)含有水/エタノール(3:2
V/V)(500ml)に溶解させてpHが少なくとも13の溶液を
調製した。この溶液を15分間還流すると明るいオレンジ
色から深紅色に変色した。この溶液のpHを7.0にし、エ
タノールを回転蒸発によって除去した。得られた水溶液
をエチルアセテート(100ml)を用いて2回洗浄した。
次いでこの溶液を体積が100mlになるまで回転蒸発処理
に付し、pHを3.0にして得られた白色沈澱物を濾別して
3−ベンジルオキシ−1−(2′−カルボキシエチル)
−2−メチルピリド−4−オン(m.p.156〜157)を70の
収率で得た。
1−(2′−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−2
−メチルピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−1−(2′−カルボキシエチル)
−2−メチルピリド−4−オンを水/エタノール(1:
1V/V)中、白金/カーボン触媒(100mg/1g−ピリド
ン)の存在下、20℃、大気圧下で8時間水素化した。濾
過後、濾液を回転蒸発処理に付して白色固体を得た。こ
れをアセトンおよびジエチルエーテルから再結晶させて
1−(2′−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−2
−メチルピリド−4−オンを55%の収率で得た。
νmax(nujol)1590,1620,1720cm-1; δ(d6DMSO)2.5(s,3H),2.8(t,2H),4.45(t,2H),7.35
(d,1H),8.2(d,1H)。
(R) 1−(2′−エトキシカルボニルエチル)−3−
ヒドロキシ−2−メチルピリド−4−オンヒドロクロリ
ドの調製 (Q)に記載のようにして調製した1−(2′−カルボ
キシエチル)−3−ヒドロキシ−2−メチルピリド−4
−オン(2g)を、塩化水素で飽和させたエタノールに
溶解させ、この溶液を3時間還流した。この溶液を回転
蒸発処理に付して得た白色固体をエタノールから再結晶
させて1−(2′−エトキシカルボニルエチル)−3−
ヒドロキシ−2−メチルピリド−4−オンヒドロクロリ
ドを75%の収率で得た。
m.p.127〜130℃;νmax(nujol)1530,1620,1720c
m-1;δ(d6DMSO)1.1(t,3H),2.5(s,3H),2.9(t,2H),
4.0(q,2H),4.5(t,2H),7.4(d,1H),8.2(d,1H)。
(S) 3−ヒドロキシ−1−(2′−メトキシカルボニ
ルエチル)−2−メチルピリド−4−オンヒドロクロリ
ドの調製 (Q)に記載のようにして調製した1−(2′−カルボ
キシエチル)−3−ヒドロキシ−2−メチルピリド−4
−オン(2g)を、塩化水素を飽和させたメタノールに
溶解させ、この溶液を3時間還流した。この溶液を回転
蒸発処理に付すことによって3−ヒドロキシ−1−
(2′−メトキシカルボニルエチル)−2−メチルピリ
ド−4−オンヒドロクロリドを80%の収率で得た。
m.p.140〜141℃;νmax(nujol)1545,1595,1645,17
30,1750cm-1;δ(d6DMSO)2.45(s,3H),2.85(t,2H),
3.5(s,3H),4.45(t,2H),7.30(d,1H),8.15(d,1H)。
(T) 3−ヒドロキシ−1−〔2′−(N−プロピルカ
ルバモイル)−エチル〕−2−メチルピリド−4−オン
の調製 3−ベンジルオキシ−1−〔2′−(サクシンイミド−
オキシカルボニル)−エチル〕−2−メチルピリド−4
−オン (Q)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−1−(2′−カルボキシエチル)−4−メチルピリド
−2−オン(2.2g)をDMF(25ml)に溶解させ、こ
の溶液にN−ヒドロキシサクシンイミド(1g)を添加
した。この溶液を冷却し、DMF(5ml)にジシクロヘ
キシルカルボジイミド(1.8g)を加えた溶液を添加し
た。混合物を一夜放置して暗色溶液と白色沈澱物を得
た。沈澱物を濾別し、DMF(3ml)で洗浄した溶液を
回転蒸発処理によって乾燥させ、ジエチルエーテルと混
合して3−ベンジルオキシ−1−〔2′−(サクシンイ
ミド−オキシカルボニル)−エチル〕−2−メチルピリ
ド−4−オン ヒドロクロリドを白色固体(m.p.45〜47
℃)として55%の収率で得た。
3−ベンジルオキシ−1−〔2′−(N−プロピルカル
バモイル)−エチル〕−2−メチルピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−1−〔2′−(サクシンイミド−
オキシカルボニル)−エチル〕−2−メチルピリド−4
−オン(1g)をクロロホルム(100ml)に溶解させ、
この溶液にプロピルアミンを2モル過剰で添加した。混
合物を15分間放置し、反応によって遊離したN−ヒドロ
キシサクシンイミドを1M NaHCO3溶液で抽出した(2
×25ml)。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過処理に付した
後、蒸発乾燥して3−ベンジルオキシ−1−〔2′−
(N−プロピルカルバモイル)−エチル〕−2−メチル
ピリド−4−オンを白色固体(m.p.146〜147℃)として
40%の収率で得た。
3−ヒドロキシ−1−〔2′−(N−プロピルカルバモ
イル)−エチル〕−2−メチルピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−1−〔2′−(N−プロピルカル
バモイル)−エチル〕−2−メチルピリド−4−オン
(5g)を水/エタノール(50:50v/v)に溶解させ、
白金/カーボン触媒(100mg)を添加した溶液を20、大
気圧下で8時間水素化した。混合物を濾過処理に付し、
濾過を回転蒸発処理に付し、残渣をエタノールから再結
晶させて3−ヒドロキシ−1−〔2′−(N−プロピル
カルバモイル)−エチル〕−ピリド−4−オンを得た。
m.p.113〜114℃,νmax(nujol)1505,1550,1570,16
30,3080,3200cm-1;δ(d6DMSO)0.6(s,3H),1.2(sex
tuplet,2H),2.5(s,3H),2.6,2.8(tとqのオーバー
ラップ,4H),4.5(t,2H),7.2(d,1H),8.1(dとtの
オーバーラップ,2H)。
(U) 1−(2′−アミノエチル)−3−ヒドロキシ−
2−メチルピリド−4−オン ヒドロクロリドの調製 (J)に記載のようにした3−ベンジルオキシ−2−メ
チル−4−ピロン(4g)およびエチレンジアミン(1.
5g)を水(50ml)とエタノール(17ml)との混合液中
で1時間還流させた。溶媒を回転蒸発処理によって除去
し、固体状残渣を濃塩酸(50ml)と共に80℃で30分間加
熱した。過剰の酸を80℃での回転蒸発処理によって除去
し、残渣をアセトンを用いてスラリー化して生じた淡褐
色固体(2.2g)を、痕跡量の塩酸を含有したエタノー
ルから再結晶させて1−(2′−アミノエチル)−3−
ヒドロキシ−2−メチルピリド−4−オンヒドロクロリ
ドを白色結晶〔m.p.280(分解)〕として得た。
νmax(nujol)1620,3150cm-1;δ(d6DMSO)2.5(s,3
H),3.5(t,2H),4.5(t,2H),7.1(d,1H),8.1(d,1H)。
(V) 3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−1−メ
チルピリド−4−オンの調製 3−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−4−
ピロン こうじ酸(3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−4
−ピロン)(11.5g)をメタノール(90ml)に加えた溶
液を、水(10ml)に水酸化ナトリウム(3g)を加えた
溶液に添加した。この溶液にベンジルクロリド(10.2
g)を添加し、混合物を6時間撹拌還流した。冷却して
生じた結晶をメタノールから再結晶させて、3−ベンジ
ルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−4−ピロンを白
色結晶(m.p.130〜131℃)として10gを得た。
δ(CDCl3)4.25(s,2H),4.99(s,2H),6.25(s,1H),7.3
(s,5H),8.1(s,1H)。
3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−1−メチルピ
リド−4−オン 3−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシ−4−ピロン
(5.0g)およびメチルアミンヒドロクロリド(1.56
g)を、水酸化ナトリウム2g含有水/エタノール混合
液(2:1v/v)(300ml)に溶解させた。反応混合物を
室温で6時間撹拌し、濃塩酸を用いて系のpHを2.0にし
た。黄色混合物を蒸発乾燥処理に付して生じた固体状残
渣を濃塩酸(50ml)と共に30分間還流した。生成物を回
転蒸発処理に付すことによって得られた褐色残渣をアセ
トンと混合して結晶を晶出させ、これをエタノールから
再結晶させて3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−
1−メチルピリド−4−オンを15%の収率で得た。
m.p.185〜186℃;δ(d6DMSO)3.9(s,3H),4.6(s,2H),
7.4(s,1H),8.3(s,1H)。
(W) 1−エチル−3−ヒドロキシ−6−ヒドロキシ−
メチルピリド−4−オンの調製 (V)に記載のようにして調製した3−ベンジルオキシ
−6−ベンジルオキシメチル−4−ピロンを、メチルア
ミンヒドロクロリドとの反応に関する(V)に記載の条
件と実質的に類似の条件下にエチルアミンヒドロクロリ
ドと反応させて1−エチル−3−ヒドロキシ−6−ヒド
ロキシ−メチルピリド−4−オンを白色結晶として得
た。
m.p.143〜145℃;δ(d6DMSO)1.1(t,3H),4.0(q,2H),
4.3(s,2H),7.2(s,1H),8.1(s,1H)。
(X) 1−(2′−アミノエチル)−3−ヒドロキシピ
リド−4−オンの調製 3−ベンジルオキシ−4−ピロンを、スペンサー(Spen
ser)らの方法(Canadian Journal of Chemistry、1962
年、第40巻、第1377頁参照)によって3−ヒドロキシ−
4−ピロンから調製した(m.p.82〜85℃)。この化合物
(1g)および水(12ml)にエチレンジアミン(0.37
g)を加えた溶液との混合物を1時間加熱還流した。反
応混合物を蒸発乾燥処理に付し、残渣を濃塩酸(12ml)
で処理し、混合物をスチームバス上で30分間加熱した。
過剰の酸および水を減圧下での蒸発処理に付して固体状
の褐色残渣を得た。これをアセトンでスラリー化し、濾
過処理後、少量の濃塩酸を含有したエタノールから再結
晶させて1−(2′−アミノエチル)−3−ヒドロキシ
ピリド−4−オンを無色針状晶として34の収率で得た。
m.p.264〜266℃,νmax(nujol)1505,1540,1600,16
35cm-1;δ(d6DMSO)2.85(t,2H),4.35(t,2H),7.1(d,
1H),8.1(m,2H)。
実施例2:鉄コンプレックスのアポトランスフェリンへ
の鉄供与能 アポトランスフェリン(10-4M)および実施例1のよう
にして調製した1−エチル−3−ヒドロキシ−6−ヒド
ロキシメチルピリド−4−オン(10-4M)の鉄コンプレ
ックスをトリスヒドロクロリド(50mM;pHを7.4に緩衝
化したもの)中、37℃で10分間一緒にインキュベート
した後、媒体からアリコート1mlを取出してPD10カ
ラムにかけた。フラクション0.5mlを計数用シンチレー
ション管内へ直接捕集した。アポトランスフェリンとリ
ガンドの両方に関係した59Feを時間の関数として調べた
ところ、鉄の45%以上がコンプレックスから除去された
ことが判明した。3−ヒドロキシ−1−(2′−ヒドロ
キシエチル)−2−メチルピリド−4−オンのコンプレ
ックスに対しても類似の値が得られたが、1−アセチル
−3−ヒドロキシピリド−2−オンのコンプレックスの
場合には、10分以内に鉄の80%以上が除去された。
実施例3 ヒトの赤血球への鉄コンプレックスの透過能のインビト
ロ試験 実施例1記載の種々の鉄コンプレックスと関係したヒト
の赤血球による鉄の蓄積を、トリスヒドロクロリド(2
ml)によってpHを7.4に緩衝化した塩化ナトリウム水溶
液(130mM)中に、59Feで標識した鉄コンプレックス(1
0-3M)を含んだ培地内において赤血球の5%懸濁液を3
7℃で1時間インキュベートすることによって調べた
(鉄コンプレックスは実施例1に記載の方法に準拠し
て、インサイチュ法によって調製した)。このインキュ
ベーションを行なった後、赤血球/培地混合物のアリコ
ートをシリコンオイル層上に置き、赤血球をオイルを通
して遠心分離した。次いで赤血球とインキュベーション
培地と関係した59Fe標識を計数した。得られた結果を表
−2に示す。この場合、赤血球内へ入ったコンプレック
スの量(n.mole)はいずれの場合も少なくとも3回の測
定値の平均値で示す。
1時間でのコンプレックスの吸収は、1−エトキシカル
ボニルメチル−3−ヒドロキシピリド−2−オンの場合
以外は実施例1に記載のKpart値と明確な関連性を示し
た。
エステル基を有するコンプレックスによる異常な吸収
は、3−ヒドロキシピリドンが鉄と配位結合したときの
エステル結合の著しい不安定性に関係すると考えられ
る。
実施例4 ラットの空腸サックへの鉄コンプレックスの透過能のイ
ンビトロ試験 インバートされたラットの空腸サックの漿膜スペースへ
の鉄の吸収(実施例1に記載の種々の化合物の鉄コンプ
レックス)について比較した。ラット〔雄のスプラグ・
ドウレイ(Sprague Dawley),60g〕を屠殺し、空腸を
摘出してめくり返した後、3つのセグメント(長さ4c
m)に切断した。セグメントの両端を結び、クレブス・
リンガー緩衝液(Krebs Ringer buffer)0.2mlを充填
し、59Feコンプレックス含有クレブス・リンガー緩衝液
中において、37℃で1時間インキュベートした(鉄コン
プレックスは実施例1に記載の方法に準拠して、インサ
イチュ法によって調製した)。サックの内容物につい
て、59Feを計数し、分光光度法によって測定した。
本発明による種々の鉄コンプレックスについて得られた
結果を、比較のための市販の鉄分欠乏性貧血症治療薬に
含有されている他の鉄化合物7種について得られる結果
と共に表−3に示す。各化合物についての鉄吸収能は塩
化第2鉄の場合を1としたときの相対値で示す。表−3
から明らかなように実施例1のコンプレックスはいずれ
も鉄分欠乏性貧血症の治療に現在使用されている7種の
化合物のいずれに比べても非常に高い鉄吸収レベルを示
す。
実施例5 1−(2′−メトキシエチル)−2−メチル−3−ヒド
ロキシピリド−4−オンヒドロクロリドの調製 3−ベンジルオキシ−1−(2′−メトキシエチル)−
2−メチルピリド−4−オン 実施例10に記載のようにして調製した3−ベンジルオキ
シ−2−メチル−4−ピロン10.0g(0.046mol)および
1−アミノ−2−メトキシエタン5.18g(0.068mol)
を、エタノールと水の95:5v/v混液100mlおよび水100m
lに水酸化ナトリウム3.0g(0.075mol)溶解させた溶液
との混合溶液中に添加した。反応は、加熱還流を2時間
おこなうか、または50℃で撹拌を9時間おこなうことに
よっておこなった。冷却した反応溶液を濃塩酸を用いて
酸性化した後(pH2)、溶媒を減圧下で蒸発除去させ
た。油状残渣をジクロロメタン100mlに溶解させ、水100
mlを用いる抽出処理を2回おこなった後、希塩酸(pH2.
5)100mlを用いる抽出処理を5回おこなった。一緒にし
た水性抽出物のpHを、水酸化ナトリウム溶液を用いて7
に調整した後、ジクロロメタンを用いて再抽出した(5
×100ml)。有機溶液を、無水硫酸ナトリウムを用いて
乾燥し、濾過処理に付した後、減圧下での蒸発処理に付
すことによって油状物を得た。該油状物に濃塩酸0.1ml
を添加することによって、3−ベンジルオキシ−1−
(2′−メトキシエチル)−2−メチルピリド−4−オ
ンを淡褐色の結晶(m.p.109〜109.8℃)として8.03g晶
出させた(収率59%)。
1−(2′−メトキシエチル)−2−メチル−3−ヒド
ロキシピリド−4−オン 3−ベンジルオキシ−1−(2′−メトキシエチル)−
2−メチルピリド−4−オン8.03g(0.027mol)をエタ
ノールと水の95:5v/v混液200mlおよび濃塩酸1mlとの
混合溶液に溶解させ、これにカーボン担持パラジウム触
媒0.8gを添加し、混合物中に水素ガス(1気圧)を、
水素吸収が停止するまで通じた。触媒を濾別した後、溶
媒を減圧下で蒸発させた。得られた固体を水酸化ナトリ
ウムのペレットを用いて一夜乾燥した後、再結晶処理に
付すことによって、1−(2′−メトキシエチル)−2
−メチル−3−ヒドロキシピリド−4−オンヒドロクロ
リドを無色結晶として5.28g得た(収率89%)。
該生成物の物性は次の通りである。
m.p.176.1〜177.5℃;νmax(nujol)1110,1635cm-1
δ(d6DMSO)2.6(s,3H),3.3(s,3H),3.7(t,2H),4.5
(t,2H),7.3(d,1H),8.1(d,1H)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヤツク・シルバ− イギリス国イングランド・ロンドン・エ ヌ・ダブリユ−3ヘイバ−ストツク・ヒ ル・スタンベリ−・コ−ト50番 (72)発明者 マイケル・ア−サ−・ストツクハム イギリス国イングランド・エセツクス・サ フロン・ウオルデン・クレイバリング・ス テイツクリング・グリ−ン・バルトロイ (番地の表示なし)

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素原子に結合した水素原子が、脂肪族ア
    シル基により、脂肪族炭化水素基により、又は脂肪族ア
    シル、アルコキシ、脂肪族アミド、脂肪族エステル、ハ
    ロゲン及びヒドロキシ基から選ばれた1又はそれ以上の
    置換基で置換された脂肪族炭化水素基により置換され、
    そして、随意に、環炭素原子に結合した1又はそれ以上
    の水素原子が、脂肪族アシル、アルコキシ、脂肪族アミ
    ド、脂肪族エステル、ハロゲン若しくはヒドロキシ基に
    より、脂肪族炭化水素基により、又はアルコキシ、脂肪
    族エステル、ハロゲン若しくはヒドロキシ基で置換され
    た脂肪族炭化水素基により置換されている。3−ヒドロ
    キシピリド−2−オン又は3−ヒドロキシピリド−4−
    オン(但し、化合物中の水素原子の置換が脂肪族炭化水
    素基のみによって行われた化合物及び3−ヒドロキシ−
    6−ヒドロキシメチル−1−メチルピリド−4−オンの
    特定化合物を除く) の鉄コンプレックス。
  2. 【請求項2】窒素原子においてのみ、又は窒素原子と環
    炭素原子の1つ若しくは2つにおいて置換されている特
    許請求の範囲の第1項に記載のコンプレックス。
  3. 【請求項3】N−置換された3−ヒドロキシピリド−2
    −オン、3−ヒドロキシピリド−4−オン、2−アルキ
    ル−3−ヒドロキシピリド−4−オン、6−アルキル−
    3−ヒドロキシピリド−4−オン、又は2,6−ジアル
    キル−3−ヒドロキシピリド−4−オンである特許請求
    の範囲第2項に記載のコンプレックス。
  4. 【請求項4】ヒドロキシピリドのどの環炭素原子置換基
    もC1-4アルキル基である特許請求の範囲の第1項乃至
    第3項のいずれか1つに記載のコンプレックス。
  5. 【請求項5】N−置換された3−ヒドロキシピリド−2
    −オン、3−ヒドロキシピリド−4−オン、2−メチル
    −3−ヒドロキシピリド−4−オン、6−メチル−3−
    ヒドロキシピリド−4−オン又は2,6−ジメチル−3
    −ヒドロキシピリド−4−オンである特許請求の範囲の
    第2項に記載のコンプレックス。
  6. 【請求項6】3−ヒドロキシピリド−4−オンである特
    許請求の範囲の第1項乃至第5項のいずれか1つに記載
    のコンプレックス。
  7. 【請求項7】窒素原子において置換され、且つ2−位に
    おいて1つの付加置換基により置換された特許請求の範
    囲第6項に記載のコンプレックス。
  8. 【請求項8】窒素原子が、ホルミル若しくは(C1-4
    ルキル)−カルボニル基により、又はホルミル、(C
    1-4アルキル)−カルボニル、C1-4アルコキシ、カルバ
    モイル、サルファモイル、モノ−及びジ−C1-6脂肪族
    ヒドロカルビルN−置換カルバモイル及びN−置換スル
    ファモイル、ホルミルアミノ、(C1-6脂肪族ヒドロカ
    ルビル)−カルボニルアミノ、((C1-6脂肪族ヒドロ
    カルビル)−スルフォニルアミノ、モノC1-6脂肪族ヒ
    ドロカルビルN−置換ホルミルアミノ、N−置換(C
    1-6脂肪族ヒドロカルビル)−カルボニルアミノ及びN
    −置換(C1-6脂肪族ヒドロカルビル)−スルフォニル
    アミノ、ホルミルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカルビ
    ル)−カルボニルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカルビ
    ル)、オキシカルボニル、(C1-6脂肪族ヒドロカルビ
    ル)−スルフォニルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカル
    ビル)−オキシスルフォニル、ハロゲン並びにヒドロキ
    シ基から選ばれた1又はそれ以上の置換基で置換された
    1-8脂肪族炭化水素基により置換されている特許請求
    の範囲第1項乃至第7項のいずれか1つに記載のコンプ
    レックス。
  9. 【請求項9】窒素原子が、1つの置換基で置換されたC
    1-6脂肪族炭化水素基により置換されている特許請求の
    範囲の第1項乃至第8項のいずれかに1つに記載のコン
    プレックス。
  10. 【請求項10】置換ヒドロカルビル基におけるどのヒド
    ロカルビル基もC1-4基である特許請求の範囲の第1項
    乃至第9項のいずれか1つに記載のコンプレックス。
  11. 【請求項11】窒素原子が、カルバモイル、スルファモ
    イル、モノ−若しくはジ−C1-4アルキルN−置換カル
    バモイル若しくはN−置換スルファモイル、ホルミルア
    ミノ、(C1-4アルキル)−カルボニルアミノ、(C1-4
    アルキル)−スルフォニルアノミ、モノ−C1-4アルキ
    ルN−置換ホルミルアミノ、N−置換(C1-4アルキ
    ル)−カルボニルアミノ、又はN−置換(C1-4アルキ
    ルスルフォニル)−アミノ基で置換されたアルキル基に
    より置換されている特許請求の範囲の第1項乃至第10項
    のいずれか1つに記載のコンプレックス。
  12. 【請求項12】窒素原子が、C1-4アルコキシ基で置換
    されたアルキル基によって置換されている特許請求の範
    囲の第1項乃至第10項のいずれか1つに記載のコンプレ
    ックス。
  13. 【請求項13】アルキル基が、2、3又は4個の炭素原
    子のものである特許請求の範囲第12項に記載のコンプレ
    ックス。
  14. 【請求項14】アルコキシ基がエトキシ又はメトキシで
    ある特許請求の範囲の第12項又は第13項に記載のコンプ
    レックス。
  15. 【請求項15】窒素原子がヒドロキシ基で置換されたア
    ルキル基により置換されている特許請求の範囲第1項乃
    至第10項のいずれか1つに記載のコンプレックス。
  16. 【請求項16】窒素原子が−(CH2OH(mは2乃至
    6の整数である)の基により置換されている記載の特許
    請求の範囲第15項に記載のコンプレックス。
  17. 【請求項17】窒素置換基が2−ヒドロキシエチル、3
    −ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシプロピル、又は
    5−ヒドロキシペンチル基である特許請求の範囲第16項
    に記載のコンプレックス。
  18. 【請求項18】窒素原子がC1-4アルキル基によって置
    換されている特許請求の範囲の第1項又は第2項に記載
    のコンプレックス。
  19. 【請求項19】1又はそれ以上の環炭素原子が、C1-4
    アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシ基で置換されたC
    1-3アルキル基により置換されている特許請求の範囲の
    第18項に記載のコンプレックス。
  20. 【請求項20】ヒドロキシピリドン:鉄(III)が3:
    1である中性コンプレックスである特許請求の範囲第1
    項乃至第19項のいずれか1つに記載のコンプレックス。
  21. 【請求項21】窒素原子に結合した水素原子が、脂肪族
    アシル基により、脂肪族炭化水素基により、又は脂肪族
    アシル、アルコキシ、脂肪族アミド、脂肪族エステル、
    ハロゲン、及びヒドロキシ基から選ばれた1つ又はそれ
    以上の置換基によって置換された脂肪族炭化水素基によ
    り置換され、そして、随意に、環炭素原子に結合した1
    つ又はそれ以上の水素原子が、脂肪族アシル、アルコキ
    シ、脂肪族アミド、脂肪族エステル、ハロゲン若しくは
    ヒドロキシ基により、脂肪族炭化水素基により、又はア
    ルコキシ、脂肪族エステル、ハロゲン若しくはヒドロキ
    シ基で置換された脂肪族炭化水素基により置換されてい
    る、3−ヒドロキシピリド−2−オン又は3−ヒドロキ
    シピリド−4−オン(但し、化合物中の水素原子の置換
    が脂肪族炭化水素基のみによって行われた化合物及び3
    −ヒドロキシ−6−ヒドロキシメチル−1−メチルピリ
    ド−4−オンの特定化合物を除く)の鉄コンプレックス
    を活性成分として含有する患者の血液中における鉄レベ
    ルの増加を行うことにより鉄欠乏性貧血症を治療するた
    めの薬剤。
  22. 【請求項22】窒素原子においてのみ、又は窒素原子と
    環炭素原子の1つ若しくは2つにおいて置換されている
    特許請求の範囲の第21項に記載の薬剤。
  23. 【請求項23】N−置換された3−ヒドロキシピリド−
    2−オン、3−ヒドロキシピリド−4−オン、2−アル
    キル−3−ヒドロキシピリド−4−オン、6−アルキル
    −3−ヒドロキシピリド−4−オン、又は2,6−ジア
    ルキル−3−ヒドロキシピリド−4−オンである特許請
    求の範囲の第22項に記載の薬剤。
  24. 【請求項24】ヒドロキシピリドンのどの環炭素原子置
    換基もC1-4アルキル基である特許請求の範囲の第21項
    乃至第23項のいずれか1つに記載の薬剤。
  25. 【請求項25】N−置換された3−ヒドロキシピリド−
    2−オン、3−ヒドロキシピリド−4−オン、2−メチ
    ル−3−ヒドロキシピリド−4−オン、6−メチル−3
    −ヒドロキシピリド−4−オン又は2,6−ジメチル−
    3−ヒドロキシピリド−4−オンである特許請求の範囲
    の第22項に記載の薬剤。
  26. 【請求項26】3−ヒドロキシピリド−4−オンである
    特許請求の範囲の第21項乃至第25項のいずれか1つに記
    載の薬剤。
  27. 【請求項27】窒素原子において置換され、且つ2−位
    において1つの付加置換基により置換された特許請求の
    範囲第26項に記載の薬剤。
  28. 【請求項28】窒素原子が、ホルミル若しくは(C1-4
    アルキル)−カルボニル基により、又はホルミル、(C
    1-4アルキル)−カルボニル、C1-4アルコキシ、カルバ
    モイル、サルファモイル、モノー及びジC1-6脂肪族ヒ
    ドロカルビルN−置換カルバモイル及びN−置換スルフ
    ァモイル、ホルミルアミノ、(C1-6脂肪族ヒドロカル
    ビル)−カルボニルアミノ、(C1-6脂肪族ヒドロカル
    ビル)−スルフォニルアミノ、モノC1-6脂肪族ヒドロ
    カルビルN−置換ホルミルアミノ、N−置換(C1-6
    肪族ヒドロカルビル)−カルボニルアミノ及びN−置換
    (C1-6脂肪族ヒドロカルビル)−スルフォニルアミ
    ノ、ホルミルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカルビル)
    −カルボニルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカルビル)
    −オキシカルボニル、(C1-6脂肪族ヒドロカルビル)
    −スルフォニルオキシ、(C1-6脂肪族ヒドロカルビ
    ル)−オキシスルフォニル、ハロゲン並びにヒドロキシ
    基から選ばれた1又はそれ以上の置換基で置換されたC
    1-8脂肪族炭化水素基により置換されている特許請求の
    範囲の第21項乃至第27項のいずれか1つに記載の薬剤。
  29. 【請求項29】窒素原子が、1つの置換基で置換された
    1-6脂肪族炭化水素基により置換されている特許請求
    の範囲の第21項乃至第28項のいずれかに1つに記載の薬
    剤。
  30. 【請求項30】置換ヒドロカルビル基におけるどのヒド
    ロカルビル基もC1-4基である特許請求の範囲の第21項
    乃至第29項のいずれか1つに記載の薬剤。
  31. 【請求項31】窒素原子が、カルバモイル、スルファモ
    イル、モノー若しくはジ−C1-4アルキルN−置換カル
    バモイル若しくはN−置換スルファモイル、ホルミルア
    ミノ、(C1-4アルキル)−カルボニルアミノ、(C1-4
    アルキル)−スルフォニルアミノ、モノ−C1-4アルキ
    ルN−置換ホルミルアミノ、N−置換(C1-4アルキ
    ル)−カルボニルアミノ、又はN−置換(C1-4アノキ
    ルスルフォニル)−アミノ基で置換されたアルキル基に
    より置換されている特許請求の範囲の第21項乃至第30項
    のいずれか1つに記載の薬剤。
  32. 【請求項32】窒素原子が、C1-4アルコキシ基で置換
    されたアルキル基によって置換されている特許請求の範
    囲の第21項乃至第30項のいずれか1つに記載の薬剤。
  33. 【請求項33】アルキル基が、2、3又は4個の炭素原
    子のものである特許請求の範囲の第32項に記載の薬剤。
  34. 【請求項34】アルコキシ基がエトキシ又はメトキシで
    ある特許請求の範囲の第32項又は第33項に記載の薬剤。
  35. 【請求項35】窒素原子がヒドロキシ基で置換されたア
    ルキル基により置換されている特許請求の範囲第21項乃
    至第30項に記載のいずれか1つの薬剤。
  36. 【請求項36】窒素原子が−(CH2OH(mは2乃至
    6の整数である)の基により置換されている記載の特許
    請求の範囲第35項に記載の薬剤。
  37. 【請求項37】窒素置換基が2−ヒドロキシエチル、3
    −ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシプロピル、又は
    5−ヒドロキシペンチル基である特許請求の範囲第36項
    に記載の薬剤。
  38. 【請求項38】窒素原子がC1-4アルキル基によって置
    換されている特許請求の範囲の第21項又は第22項に記載
    の薬剤。
  39. 【請求項39】1又はそれ以上の環炭素原子が、C1-4
    アルコキシ、ハロゲン又はヒドロキシ基で置換されたC
    1-3アルキル基により置換されている特許請求の範囲の
    第38項に記載の薬剤。
  40. 【請求項40】ヒドロキシピリドン:鉄(III)が3:
    1である中性コンプレックスである特許請求の範囲第21
    項乃至第39項のいずれか1つに記載の薬剤。
  41. 【請求項41】その付加活性成分として鉄キレート剤を
    含有している特許請求の範囲の第21項に記載の薬剤。
  42. 【請求項42】鉄キレート剤が、3−ヒドロキシピリド
    −2−オン又は3−ヒドロキシピリド−4−オンであっ
    て、その窒素原子に結合した水素原子が、脂肪族アシル
    基により、脂肪族炭化水素基により、又は脂肪族アシ
    ル、アルコキシ、脂肪族アミド、脂肪族エステル、ハロ
    ゲン、及びヒドロキシ基から選ばれた1つ又はそれ以上
    の置換基によって置換された脂肪族炭化水素基により置
    換され、そして、随意に、環炭素原子に結合した1つ又
    はそれ以上の水素原子が、脂肪族アシル、アルコキシ、
    脂肪族アミド、脂肪族エステル、ハロゲン若しくはヒド
    ロキシ基により、脂肪族炭化水素基により、又はアルコ
    キシ、脂肪族エステル、ハロゲン若しくはヒドロキシ基
    で置換された脂肪族炭化水素基により置換されている、
    特許請求の範囲の第41項に記載薬剤。
  43. 【請求項43】生理的に受け入れ可能な固体担体からな
    る特許請求の範囲の第21項乃至第42項のいずれか1つに
    記載の薬剤。
  44. 【請求項44】経口投与に適している特許請求の範囲第
    21項乃至第43項のいずれか1つに記載の薬剤。
  45. 【請求項45】錠剤として成形されている特許請求の範
    囲の第44項に記載の薬剤。
  46. 【請求項46】座薬型である特許請求の範囲の第43項に
    記載の薬剤。
  47. 【請求項47】不妊用の注射可能型である特許請求の範
    囲の第21項乃至第42項に記載のいずれか1つに記載の薬
    剤。
  48. 【請求項48】単位投薬量型である特許請求の範囲の第
    21項乃第47項のいずれか1つに記載の薬剤。
JP59057186A 1983-03-24 1984-03-24 医薬用組成物 Expired - Lifetime JPH0625120B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB8308055 1983-03-24
GB838308055A GB8308055D0 (en) 1983-03-24 1983-03-24 Pharmaceutical compositions

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59181258A JPS59181258A (ja) 1984-10-15
JPH0625120B2 true JPH0625120B2 (ja) 1994-04-06

Family

ID=10540099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59057186A Expired - Lifetime JPH0625120B2 (ja) 1983-03-24 1984-03-24 医薬用組成物

Country Status (9)

Country Link
US (2) US4650793A (ja)
EP (1) EP0120670B1 (ja)
JP (1) JPH0625120B2 (ja)
CY (1) CY1504A (ja)
DE (1) DE3475706D1 (ja)
DK (1) DK159305C (ja)
GB (2) GB8308055D0 (ja)
HK (1) HK5190A (ja)
SG (1) SG54389G (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4912118A (en) * 1983-09-23 1990-03-27 National Research Development Corporation Pharmaceutical compositions
GB8329043D0 (en) * 1983-10-31 1983-11-30 Hider R C Pharmaceutical compositions
US5177068A (en) * 1984-04-19 1993-01-05 National Research Development Corporation Pharmaceutical compositions
GB8410289D0 (en) * 1984-04-19 1984-05-31 Callingham B A Pharmaceutical compositions
DE3826846A1 (de) * 1988-08-06 1990-02-08 Goedecke Ag Alkoxy-4(1h)-pyridon-derivate, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung als arzneimittel
GB9006522D0 (en) * 1990-03-23 1990-05-23 Hider Robert C Metal complexes
GB9209078D0 (en) * 1992-04-27 1992-06-10 Hider Robert C Pharmaceutical compositions
GB9217099D0 (en) * 1992-08-12 1992-09-23 British Tech Group Pharmaceutical compositions
ES2230564T3 (es) 1995-06-10 2005-05-01 Vitra Pharmaceuticals Ltd. Compuestos ferricos, composiciones, metodos de fabricacion de estos y sus utilizacioneds.
ATE190591T1 (de) 1995-10-06 2000-04-15 Calgon Corp Verwendung von synergischer zusammensetzung für die kontrolle von kesselstein
GB9625638D0 (en) * 1996-12-10 1997-01-29 Cenes Ltd Therapeutic antioxidants for alzheimer's diease
GB9723078D0 (en) * 1997-10-31 1998-01-07 Cerebrus Ltd Chemical compounds
US6294152B1 (en) * 1999-01-11 2001-09-25 The University Of Toledo Iron(III) complexes as contrast agents for image enhancement in magnetic resonance imaging
US6767741B1 (en) * 1999-08-27 2004-07-27 Invitrogen Corporation Metal binding compounds and their use in cell culture medium compositions
DE60107272T2 (de) * 2000-09-19 2005-10-27 Vitra Pharmaceuticals Ltd., Saffron Walden Eisenverbindungen
GB0211500D0 (en) * 2002-05-18 2002-06-26 Vitra Pharmaceuticals Ltd Method of forming iron hydroxypyrone compounds
AU2008232262B2 (en) 2007-03-28 2013-02-14 Apotex Inc. Fluorinated derivatives of deferiprone
WO2009129592A1 (en) 2008-04-25 2009-10-29 Apotex Technologies Inc. Liquid formulation for deferiprone with palatable taste
SG177462A1 (en) 2009-07-03 2012-02-28 Apotex Technologies Inc Fluorinated derivatives of 3-hydroxypyridin-4-ones
GB201101370D0 (en) * 2011-01-27 2011-03-09 Iron Therapeutics Holdings Ag Process
CN104203245A (zh) 2012-04-05 2014-12-10 维福(国际)股份有限公司 用于治疗和预防铁缺乏症和缺铁性贫血的铁(iii)复合化合物

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US34313A (en) * 1862-02-04 Improvement in ladders and staging for artisans
US3016372A (en) * 1956-12-13 1962-01-09 Searle & Co Glycosides of the pyridone series
AR207322A1 (es) * 1972-12-18 1976-09-30 Merck & Co Inc Procedimiento para preparar complejos de 4,4'-dinitrocarbanilidas con derivados de piridonas 2-y 4-substituidas pirimidin-2-y-6-/nas y tetrahidroquinolonas utiles para la prevencion y tratamiento da la coccidiosis
JPS5953261B2 (ja) * 1973-08-03 1984-12-24 明治製菓株式会社 2(1h)−ピリドン誘導体の製造法
GB2118176B (en) * 1982-03-24 1985-12-04 Nat Res Dev Pharmaceutical compositions
DE3365971D1 (en) * 1982-03-24 1986-10-16 Nat Res Dev Pharmaceutical compositions containing a complex of iron with n-substituted 3-hydroxypyrid-2-one or -4-one derivatives
GB2117766B (en) * 1982-03-24 1985-08-29 Nat Res Dev Pharmaceutical compositions
GR78491B (ja) * 1982-03-24 1984-09-27 Nat Res Dev
JPS59118792A (ja) * 1982-12-24 1984-07-09 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd セフエム化合物
GB8325494D0 (en) * 1983-09-23 1983-10-26 Hider R C Pharmaceutical compositions
US4912118A (en) * 1983-09-23 1990-03-27 National Research Development Corporation Pharmaceutical compositions
USRE34313E (en) 1983-09-23 1993-07-13 National Research Development Corporation Pharmaceutical compositions
GB8325496D0 (en) * 1983-09-23 1983-10-26 Hider R C Pharmaceutical compositions
US5177068A (en) * 1984-04-19 1993-01-05 National Research Development Corporation Pharmaceutical compositions

Also Published As

Publication number Publication date
USRE36831E (en) 2000-08-22
DE3475706D1 (en) 1989-01-26
DK159305C (da) 1991-03-04
GB8308055D0 (en) 1983-05-05
JPS59181258A (ja) 1984-10-15
CY1504A (en) 1990-08-03
GB2136806A (en) 1984-09-26
DK165984D0 (da) 1984-03-23
GB8407180D0 (en) 1984-04-26
DK165984A (da) 1984-09-25
DK159305B (da) 1990-10-01
US4650793A (en) 1987-03-17
SG54389G (en) 1989-12-08
EP0120670A1 (en) 1984-10-03
EP0120670B1 (en) 1988-12-21
HK5190A (en) 1990-02-02
GB2136806B (en) 1987-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0625120B2 (ja) 医薬用組成物
US4666927A (en) Pharmaceutical compositions of hydroxypyridones
US4587240A (en) Pharmaceutical compositions
JPH0460987B2 (ja)
US4912118A (en) Pharmaceutical compositions
JPH0680637A (ja) 医薬用組成物に用いる化合物
EP0159917B1 (en) Pharmaceutical composition containing a hydroxypyrone-iron complex
DK162840B (da) Zink(ii)-komplekser af substituerede 3-hydroxypyroner eller 3-hydroxypyridoner, anvendelse af disse samt farmaceutiske praeparater indeholdende disse
US4550101A (en) Iron complexes of hydroxy pyridones useful for treating iron deficiency anemia
EP0159194B1 (en) Iron 3-hydroxypyrone or 3-hydroxypyridone complexes and pharmaceutical compositions containing them
US5177068A (en) Pharmaceutical compositions
US5281578A (en) Gallium compounds
USRE34313E (en) Pharmaceutical compositions
GB2117766A (en) Pharmaceutical compositions
US4632926A (en) Quinazolinone derivatives which are active against coccidiosis