JPH06250496A - 接触帯電用導電性ローラー - Google Patents

接触帯電用導電性ローラー

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JPH06250496A
JPH06250496A JP3360993A JP3360993A JPH06250496A JP H06250496 A JPH06250496 A JP H06250496A JP 3360993 A JP3360993 A JP 3360993A JP 3360993 A JP3360993 A JP 3360993A JP H06250496 A JPH06250496 A JP H06250496A
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JP
Japan
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film layer
conductive
surface film
roller
resin
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JP3360993A
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English (en)
Inventor
Hirohiko Yoshida
裕彦 吉田
Takayuki Nagase
貴行 永瀬
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 適度な弾性を有し、軟化剤の滲み出しがな
く、帯電性能が良好な接触帯電用導電性ローラーを提供
すること。 【構成】 電圧を印加して帯電を行なう接触帯電装置に
用いられる接触帯電用導電性ローラーであって、軸体の
外周面に軟化剤を含有した導電性弾性体層、内面膜層お
よび表面膜層が順次形成され、前記表面膜層中の導電性
粒子の含有率が前記内面膜層中の導電性粒子の含有率よ
りも大きいことを特徴とする接触帯電用導電性ローラ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接触帯電用導電性ローラ
ーに関する。さらに詳しくは、たとえば電子写真装置ま
たは静電記録装置において、感光体または誘電体に帯電
用部材を接触させて直接帯電を行なう装置に用いられる
接触帯電用導電性ローラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスにおける帯電プ
ロセスは、金属ワイヤーにたとえば5〜8kVの直流高電
圧を印加し、発生するコロナで感光体を帯電させること
によって行なわれていた。
【0003】しかしながら、かかる方法では、コロナ発
生時にオゾンやNOx などが発生し、これらの生成物に
よって感光体の表面が変質し、画像のボケやその劣化を
進行させたり、金属ワイヤーの汚れが画像品質に悪影響
を及ぼし、画像白抜けや黒スジを生じるなどといった問
題をはじめ、感光体に向かう電流効率が5〜30%であ
り、電流のほとんどがシールド板に流れてしまうという
問題があった。
【0004】このような問題を解決するために特開昭57
-178267 号公報、特開昭56-104351号公報に記載のよう
に感光体などの被帯電体に帯電用部材を接触させて直接
帯電する方法が検討されている。前記帯電用部材として
は、外部から電圧を印加することによって電子写真感光
体の表面を帯電させる帯電ローラーと呼ばれる体積抵抗
率が106 〜1010Ω・cm程度のローラーが用いられてい
る。このような帯電ローラーに要求される特性は、体積
抵抗率が106 〜1010Ω・cmであることおよび電気抵抗の
バラツキがほとんどないことである。
【0005】ところで、帯電ローラーには、該帯電ロー
ラーと感光体とのあいだに異物が混入したときに感光体
の表面に傷がつくことを防止し、また帯電ローラーと感
光体とを安定した状態で接触させて感光体を均一に帯電
するために、弾性が要求される。したがって、帯電ロー
ラーは、ニトリルゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴ
ムなどの導電性弾性体を金属などの軸体に被膜すること
によって形成されているが、該導電性弾性体には、導電
性を付与するために、たとえば金属粒子やカーボンブラ
ックなどの導電性粒子が添加されている。しかしなが
ら、このように導電性粒子を添加したばあいには、弾性
が失なわれて硬くなるという欠点があるため、導電性粒
子を分散させても弾性が失なわれないようにするため
に、導電性弾性体に軟化剤を添加することが提案されて
いるが、導電性弾性体に軟化剤を添加すれば、帯電ロー
ラーの表面に軟化剤が滲み出し、それによって帯電ロー
ラーに対設する感光ドラムの表面に、軟化剤が移行する
という現象を生じる。このように軟化剤の移行が生じる
と、その移行した軟化剤にトナーが付着したままの状態
となり、このようにトナーが付着した箇所は帯電せず、
形成された画像に欠陥が生じるなどといった問題があ
る。
【0006】このような問題を解決するために、帯電ロ
ーラーの導電性弾性体の表面に軟化剤の移動を防止する
ための樹脂からなる保護層が設けられた帯電ローラーが
提案されている。
【0007】しかしながら、保護層を構成する樹脂は、
電気抵抗が高く、感光体の表面に電気が流れがたくなる
ので導電性を付与するために該樹脂中には導電性粒子を
分散させる必要があるが、このばあい、やはり軟化剤が
該樹脂と導電性粒子との間隙を移動し、帯電ローラーの
表面に付着し、感光体を汚染するという問題がある。
【0008】また、前記保護層に用いられる樹脂とし
て、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロー
ス系樹脂などの電気抵抗が小さい樹脂を用いたばあいに
は、導電性粒子をあえて用いる必要はないが、感光体を
帯電させるためには、保護層の厚さを5μm程度以下と
きわめて薄くしなければならないので、使用時に保護層
に傷が入ったときには傷部から軟化剤が滲み出し、感光
体を汚染したり、絶縁不良が発生するという問題があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて、好適な弾性および導電性を
有し、軟化剤の滲み出しがない接触帯電用導電性ローラ
ーを提供するべく鋭意研究を重ねた結果、かかる物性を
有する接触帯電用導電性ローラーをようやく見出し、本
発明を完成するにいたった。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は電圧
を印加して帯電を行なう接触帯電装置に用いられる接触
帯電用導電性ローラーであって、軸体の外周面に軟化剤
を含有した導電性弾性体層、内面膜層および表面膜層が
順次形成され、前記内面膜層中の導電性粒子の含有率が
前記表面膜層中の導電性粒子の含有率よりも小さいこと
を特徴とする接触帯電用導電性ローラーに関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明の接触帯電用導電性ローラ
ーは、前記したように、電圧を印加して帯電を行なう接
触帯電装置に用いられる接触帯電用の導電性ローラーで
あって、軸体の外周面に該軸体の円周に沿って軟化剤を
含有した導電性弾性体層が形成され、該導電性弾性体層
上には内面膜層が形成され、該内面膜層上にはさらに表
面膜層が形成され、前記表面膜層中の導電性粒子の含有
率が前記内面膜層中の導電性粒子の含有率よりも大きい
ものである。
【0012】本発明の接触帯電用導電性ローラーは、軸
体の円周に沿って形成された導電性弾性体層上に、内面
膜層および表面膜層である2層の膜層が形成されてお
り、前記内面膜層は、導電性弾性体に含有された軟化剤
が導電性ローラーの表面に滲み出すことを防止し、前記
表面膜層は内面膜層を保護するとともに、該導電性ロー
ラーの導電性を保持する性質を有するものである。この
ように本発明においては、内面膜層と表面膜層の2層か
らなる膜層が用いられているので、本発明の導電性ロー
ラーは、非汚染性にすぐれ、帯電される感光体の帯電性
が保持されるのである。
【0013】前記軸体としては、とくに限定がないが、
たとえばステンレス鋼などの金属からなるものがあげら
れる。かかる軸体の形状としては、一般に軸金と呼ばれ
ているものが有するような円柱形状などがあげられる。
なお、本発明においては、前記軸体としては、その内部
をくり抜いたものを用いることもできる。
【0014】前記軸体上には、導電性弾性体層が形成さ
れる。該導電性弾性体層は、えられる導電性ローラーに
弾性を付与し、該導電性ローラーと感光体との接触状態
を安定にして感光体を均一に帯電するとともに、該導電
性ローラーと感光体とのあいだに異物が入りこんだばあ
いであっても、感光体の表面に傷がつくことを防止する
役割を有する。
【0015】前記導電性弾性体層は、弾性樹脂に軟化剤
および導電性粒子を含有せしめたものである。
【0016】前記弾性樹脂としては、とくに限定がな
く、その具体例としては、たとえば天然ゴム、クロロプ
レンゴム、スチレン- ブタジエンゴム、エチレン- プロ
ピレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル- スチレン
- ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウ
レタンゴム、フッ素ゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロ
ロスルフォン化ポリエチレンゴム、水素化ニトリルゴ
ム、エピクロロヒドリンなどの架橋ゴム、これらの共重
合体、ブレンド物;ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリエーテル系エラストマ
ー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラス
トマーなどの熱可塑性エラストマーなどがあげられる。
【0017】前記弾性樹脂は、ある程度の弾性を有する
ものであるが、導電性粒子を配合することによって弾性
樹脂が硬化し、えられる導電性ローラーと感光体とのあ
いだに異物が入りこんだときに感光体が損傷するのを防
止し、安定した状態で帯電するために、該弾性樹脂には
軟化剤が配合される。
【0018】かかる軟化剤の具体例としては、たとえば
パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ
ル、アロマ系プロセスオイルなどの鉱物油系軟化剤;な
たね油、パーム油などの植物油系軟化剤;フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、ア
ジピン酸ジオクチルなどの可塑剤などがあげられる。
【0019】前記軟化剤の配合量は、弾性樹脂の種類に
よって異なるので一概には決定することができないが、
安定した状態で感光体を帯電し、えられる導電性ローラ
ーと感光体とのあいだに異物が入りこんだときに感光体
が損傷するのを防止するためには、通常えられる導電性
弾性体層の硬度Hs(JIS K-6301)が25〜70、なかんづ
く25〜50となるような量に調整することが好ましい。
【0020】前記導電性弾性体層の体積抵抗率(20℃に
おける体積抵抗率、以下同様)は、えられる導電性ロー
ラーが感光体を充分に帯電させるためにはできるだけ小
さいことが好ましく、通常1010Ω・cm以下、好ましくは
108 Ω・cm以下となるように調整され、また絶縁破壊が
生じないようにするためには、105 Ω・cm以上となるよ
うに調整される。前記導電性弾性体層がかかる体積抵抗
率を有するように導電性粒子が配合される。
【0021】前記導電性粒子の具体例としては、たとえ
ばカーボンブラック、グラファイトなどをはじめ、銀、
銅、ニッケルなどの金属粉、導電性ウィスカー、電気絶
縁性粒子の表面に導電性処理を施したものなどがあげら
れるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものでは
ない。
【0022】なお、前記導電性粒子の配合量は、該導電
性粒子の種類などによって異なるので一概には決定する
ことができないが、かかる配合量があまりにも多いばあ
いには、導電性粒子の脱落が生じる傾向があるため、通
常弾性樹脂100 部(重量部、以下同様)に対して、たと
えばカーボンブラックのばあい、100 部以下、また、金
属粉のばあい、500 部以下とすることが好ましい。
【0023】前記導電性粒子の粒子径は、あまりにも大
きいばあいには、えられる導電性弾性体層の表面上に凹
凸が生じ、また電気抵抗にバラツキが生じるおそれがあ
るので、通常20μm以下、なかんづく5μm以下である
ことが好ましい。
【0024】前記弾性樹脂には添加剤として、たとえば
硫黄、パーオキサイドなどの加硫剤、ステアリン酸亜鉛
などの加硫促進助剤、スルフェンアミド系、チウラム
系、チアゾール系、グアニジン系などの加硫促進剤、ア
ミン系、フェノール系、硫黄系、リン系などの老化防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、粘
着付与剤、可塑剤やシリカ、タルク、クレイ、酸化亜
鉛、酸化マグネシウムなどの無機充填剤などを、必要に
応じて本発明の目的が阻害されない範囲内で添加しても
よい。
【0025】前記導電性弾性体層は、弾性樹脂、軟化剤
および導電性粒子に、必要によって添加剤を配合し、こ
れらを混練分散させ、ローラー形状に成形したのち、必
要に応じて加硫を行なうことによって形成される。
【0026】また、前記導電性弾性体層としてシート状
物を用いるばあいには、軸体の外周面にかかるるシート
状物が貼付されるが、あらかじめ軸体の外周面に導電性
接着剤を塗布しておいてもよい。
【0027】かくして導電性弾性体層が形成されるが、
たとえば永久歪の影響や可塑性などをなくすために、加
硫を行なって加熱することによって架橋反応をおこさせ
てもよく、またえられる導電性ローラーの表面の凹凸を
なくし、真円度を高めるために研磨を施してもよい。
【0028】前記導電性弾性体層上には、内面膜層およ
び表面膜層が順次形成される。
【0029】前記内面膜層は、導電性弾性体層中に含有
された軟化剤が、えられる導電性ローラーの表面に滲み
出さないようにするための層である。
【0030】前記内面膜層は、えられる導電性ローラー
に導電性を付与せしめるために、その体積抵抗率が小さ
いものであることが好ましい。したがって、該体積抵抗
率を低下させるために、導電性粒子を該内面膜層中に含
有せしめることが考えられるが、このように導電性粒子
を含有せしめたばあいには、内面膜層を構成している樹
脂と導電性粒子との間隙を導電性弾性体層に含有された
軟化剤が毛管現象によって移動し、該内面膜層の表面に
滲み出す傾向がある。
【0031】そこで、本発明においては、内面膜層に用
いられる樹脂としては、軟化剤の滲み出しを充分に阻止
するために該軟化剤に対してできるだけ非相溶性を呈す
る樹脂を用いることが好ましい。
【0032】前記内面膜層に用いられる樹脂の具体例と
しては、たとえばナイロン−6、ナイロン−6,6、N
−メチルメトキシナイロンなどで代表されるポリアミド
系樹脂、ポリウレタンなどのポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、セルロース系樹脂、アクリロニトリル
−ブタジエンゴムなどのポリアクリロニトリル系樹脂、
塩素化ポリオレフィン類、ポリエピクロロヒドリンなど
のエポキシ樹脂などがあげられるが、本発明はかかる例
示のみに限定されるものではない。
【0033】前記内面膜層の体積抵抗率は、えられる導
電性ローラーが感光体を充分に帯電させうるようにする
ために、1012Ω・cm以下、なかんづく1011Ω・cm以下で
あることが好ましい。
【0034】なお、前記樹脂として、たとえばナイロン
−6、ポリウレタン、セルロース系樹脂、N−メチルメ
トキシナイロン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
ポリエピクロロヒドリンなどのように、体積抵抗率が10
12Ω・cm以下の樹脂を用いるばあいには、前記内面膜層
としてかかる樹脂のみからなる樹脂膜を用いることがで
きる。
【0035】また、前記樹脂の体積抵抗率が1012Ω・cm
をこえるばあいや、前記内面膜層の体積抵抗率の低下を
図るばあいには、前記導電性弾性体層に用いられるもの
と同じ導電性粒子を配合して体積抵抗率を低下させても
よい。このばあい、前記導電性粒子の配合量は該導電性
粒子の種類や内面膜層に用いられた樹脂の種類などによ
って異なるので一概には決定することができないが、か
かる導電性粒子の配合量があまりにも多いときには、前
記したように、軟化剤の滲み出しが内面膜層の表面上で
生じることがあるので、通常前記内面膜層中における含
有率がたとえばカーボンブラックのばあい10重量%以
下、また、グラファイトのばあい35重量%以下となるよ
うに調整される。
【0036】前記内面膜層の膜厚は、あまりにも小さい
ばあいには、軟化剤の滲み出しが生じる傾向があり、ま
たあまりにも大きいばあいには、該内面膜層が硬くなっ
て導電性弾性体層による弾性が導電性ローラーに付与さ
れがたくなる傾向があるため、前記樹脂の種類などによ
っても異なるが、通常5〜100 μm、好ましくは10〜50
μm程度となるように調整される。
【0037】なお、前記内面膜層は1層だけであっても
よく、またたとえば2層以上の複数層であってもよい。
【0038】また、本発明においては、各種充填剤など
を本発明の目的が阻害されない範囲内で該内面膜層内に
添加してもよい。
【0039】前記内面膜層の形成方法としては、たとえ
ば前記樹脂を有機溶媒に溶解させ、これに必要によって
導電性粒子、各種充填剤などを配合し、かかる溶液を導
電性弾性体層上にディップコーティング法、スプレーコ
ーティング法、はけ塗り法などによって塗布したのち、
乾燥させる方法などがあげられる。
【0040】かくして形成された内面膜層上には、表面
膜層が形成される。
【0041】前記表面膜層は、前記内面膜層を保護し、
感光体に安定した帯電性を与えるための層である。
【0042】前記表面膜層は、前記内面膜層と同様に、
えられる導電性ローラーに導電性を付与せしめるため
に、その体積抵抗率が小さいものであることが好まし
い。
【0043】前記樹脂としては、前記内面膜層に用いら
れる樹脂と同じものが例示される。なお、かかる樹脂の
なかでは、表面膜層が感光体やトナーと直接接触するた
め、感光体の帯電性、トナーの付着性、耐久性の点か
ら、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、セルロース系樹脂などを用いることが好ま
しい。
【0044】前記表面膜層の体積抵抗率は、えられる導
電性ローラーが感光体を充分に帯電させうるようにする
ために、1012Ω・cm以下、なかんづく109 Ω・cm以下と
することが好ましい。また、感光体の被帯電膜層に傷が
ついたばあいに、導電性の高い被帯電膜層の下層への電
流の漏洩を防止するためには、表面膜層の体積抵抗率を
104 Ω・cm以上、なかんづく105 Ω・cm以上とすること
が好ましい。このように、前記表面膜層が前記体積抵抗
率を有するようにするために、前記表面膜層には導電性
粒子が配合される。
【0045】前記導電性粒子としては、前記導電性弾性
体層に用いられるものと同じものを例示することができ
る。
【0046】前記導電性粒子の配合量は、該導電性粒子
の種類や表面膜層に用いられた樹脂の種類などによって
異なるので一概には決定することができないが、かかる
導電性粒子の配合量があまりにも多いばあいには、えら
れる導電性ローラーの使用中に導電性粒子の脱落などが
生じる傾向があるので、表面膜層中における含有率がた
とえば平均粒子径が0.025 μmのカーボンブラックのば
あい20重量%以下、また、平均粒子径が4μmのグラフ
ァイトのばあい30重量%以下となるように調整すること
が好ましく、えられる導電性ローラーの電気抵抗の面か
ら、かかる導電性粒子の表面膜層中における含有率がた
とえば平均粒子径が0.025 μmのカーボンブラックのば
あい5重量%以上、また、平均粒子径が4μmのグラフ
ァイトのばあい10重量%以上となるように調整すること
が好ましい。
【0047】なお、本発明においては、帯電性能の点か
ら、内面膜層中の導電性粒子の含有率は、表面膜層中の
導電性粒子の含有率よりも小さくする必要がある。かか
る表面膜層中の導電性粒子の含有率と、内面膜層中の導
電性粒子の含有率との差は、軟化剤の滲み出し防止の点
から5重量%以上、なかんづく7重量%以上とすること
が好ましい。
【0048】前記表面膜層の膜厚は、あまりにも小さい
ばあいには、内面膜層が充分に保護されがたくなる傾向
があり、またあまりにも大きいばあいには、該表面膜層
が硬くなって導電性弾性体層による弾性が導電性ローラ
ーに付与されがたくなる傾向があるため、通常10〜1000
μm、なかんづく15〜100 μmとすることが好ましい。
【0049】前記表面膜層の形成方法としては、たとえ
ば前記樹脂を有機溶媒に溶解させ、これに導電性粒子、
必要により各種充填剤などの添加剤を配合し、かかる溶
液を内面膜層上にディップコーティング法、スプレーコ
ーティング法、はけ塗り法などによって塗布したのち、
乾燥させる方法などがあげられらる。
【0050】なお、内面膜層上に表面膜層を形成させる
際に有機溶媒溶液を用いるばあいには、該有機溶媒によ
って内面膜層が侵されないように、たとえば有機溶媒の
種類を選択するなどして注意を払うことが好ましい。と
くに、内面膜層および表面膜層に用いられる樹脂の種類
が同一であるときに、注意を要する。
【0051】かくして本発明の接触帯電用導電性ローラ
ーがえられるが、本発明においては、感光体を充分に帯
電させるために、軸体と表面膜層とのあいだの電気抵抗
(20℃)は、102 〜1010Ω、なかんづく104 〜108 Ωで
あることが好ましい。かかる電気抵抗は、導電性弾性体
層、内面膜層および表面膜層の膜厚および体積抵抗率を
調整することによって調節することができる。
【0052】また、本発明の接触帯電用導電性ローラー
の硬度Hsは、安定した状態で感光体を帯電し、接触帯
電用導電性ローラーと感光体とのあいだに異物が入りこ
んだときに感光体が損傷するのを防止するために、25〜
60、なかんづく25〜45であることが好ましい。
【0053】本発明の接触帯電用導電性ローラーには、
軟化剤を含有した好適な弾性を有する導電性弾性体層が
用いられているので、感光体と接触帯電用導電性ローラ
ーとのあいだに異物が混入したばあいであっても感光体
に傷がつきがたく、該接触帯電用導電性ローラーと感光
体との接触が安定化し、感光体を均一に帯電することが
できる。
【0054】また、本発明の接触帯電用導電性ローラー
には、導電性弾性体層上に内面膜層が形成されているの
で、導電性弾性体層に含まれた軟化剤が内面膜層上から
滲み出すことがなく、また内面膜層は表面膜層によって
保護されているので、内面膜層が破損するおそれがな
い。
【0055】したがって、本発明の接触帯電用導電性ロ
ーラーはたとえば電子写真装置や静電記録装置などに好
適に使用しうるものである。
【0056】つぎに本発明の接触帯電用導電性ローラー
を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0057】製造例1〜2 クロロプレンゴムをバンバリーミキサーを用いて60〜70
℃の温度で充分に混練を行なったのち、クロロプレンゴ
ム100 部に対してカーボンブラック(粒子径0.02〜0.03
μm)15部、酸化亜鉛(平均粒子径5μm)5部、酸化
マグネシウム(平均粒子径5μm)5部、加硫促進剤と
して促CZ2部、ステアリン酸1部と、ナフテン系プロ
セスオイル(製造例1)またはアロマ系プロセスオイル
(製造例2)30部とをバンバリーミキサーに投入し、60
〜70℃の温度範囲で充分に混練を行なって混練物をえ
た。
【0058】つぎに、えられた混練物をカレンダーロー
ルを用いて厚さ0.7 mmのシート状物に成形し、該シート
状物を円柱形状のステンレス鋼製の軸体(直径6mm、長
さ240 mm)の外周面に形成し、導電性弾性体層(厚さ3
mm、長さ230 mm)が形成されたローラーをえた。
【0059】なお、えられたシート状物の体積抵抗率お
よび硬度Hsを測定したところ、製造例1でえられたも
の(以下、ローラーAという)は体積抵抗率が106 Ω・
cm、硬度Hsが40、製造例2でえられたもの(以下、ロ
ーラーBという)は、体積抵抗率が106 Ω・cm、硬度H
sが40であった。
【0060】つぎにえられたローラーAおよびBをロー
ラー形状を有する金型内に挿入し、160 ℃で20分間、面
圧100 kg/cm2 を加えて加硫したのち、離型し、その表
面を回転式研磨機で研磨した。
【0061】えられたローラーAおよびBの電気抵抗を
図1に示された電気抵抗測定装置を用いて測定した。
【0062】図1において、えられたローラー1はステ
ンレス鋼製の金属板(板厚2mm)2上に載置され、ロー
ラー1と金属板2とが密着するように、ローラー1の軸
部3には、各々250 gの重り4が吊り下げられる。な
お、金属板2はアースされている。
【0063】一方の軸部3はリード線を介して、電流計
5および電圧印加装置6に順次接続され、該電圧印加装
置6の一端はアースされている。
【0064】電圧印加装置6で100 Vの電圧を印加した
ときの電流値を電流計5から求め、かかる電圧値および
電流値からローラー1の電気抵抗を求めた。
【0065】その結果、ローラーAおよびBのいずれに
おいても電気抵抗は106 Ωであった。
【0066】製造例3 カーボンブラックの配合量をクロロプレンゴム100 部に
対して30部にした以外は製造例1と同様にしてローラー
Cをえた。
【0067】なお、シート状物の体積抵抗率は103 Ω・
cm、硬度は60であり、えられたローラーCの電気抵抗は
103 Ωであった。
【0068】実施例1〜10および比較例1〜11 製造例1〜3でえられたローラーA、ローラーBまたは
ローラーCを用いた。
【0069】表1に示す内面膜層の組成となるように、
樹脂と、導電性粒子としてカーボンブラック(平均粒子
径0.025 μm)またはグラファイト(粒子径2〜5μ
m)とを調整した。なお、樹脂としてナイロン−6を用
いたばあいには、ナイロン−6の濃度が20重量%となる
ようにo−クロロフェノールにナイロン−6を溶解さ
せ、また樹脂としてポリエステルを用いたばあいには、
ポリエステルの濃度が20重量%となるようにメチルエチ
ルケトンにポリエステルを溶解させて樹脂溶液をえた。
【0070】えられた樹脂溶液に導電性粒子を配合する
ばあいには、該樹脂溶液を撹拌しながら導電性粒子を添
加し、均一に分散させて分散液をえた。
【0071】つぎに、加硫され、表面が研磨されたロー
ラーAまたはローラーBを前記分散液中または樹脂溶液
中に浸漬したのち取り出して乾燥させる工程を繰り返し
て表1に示す厚さを有する内面膜層を形成させた。
【0072】なお、比較例1〜6においては、内面膜層
を形成させなかった。
【0073】つぎに、表1に示す表面膜層の組成となる
ように、樹脂と、導電性粒子として内面膜層を形成させ
る際に用いたのと同じ種類のカーボンブラックまたはグ
ラファイトとを調製した。
【0074】樹脂を前記内面膜層を形成させる際と同様
にして有機溶媒に溶解させて樹脂溶液を調製し、導電性
粒子を配合するばあいには、該樹脂溶液を撹拌しながら
導電性粒子を添加し、均一に分散させて分散液をえた。
【0075】つぎに、内面膜層が形成されたローラーA
またはローラーBのうち、内面膜層と表面膜層との樹脂
が異なるもの(実施例5および6、比較例7および
8)、内面膜層が形成されていないローラーAまたはロ
ーラーB(比較例1〜6)の表面に内面膜層と同様の方
法を用いて、また、内面膜層と表面膜層との樹脂が同じ
もの(実施例1〜4および7〜10、比較例9および10)
については、乾燥速度を向上するために、前記分散液ま
たは樹脂溶液をかかるローラーAまたはローラーBの表
面にスプレーコーティング法によって表面膜層の厚さが
表1に示す厚さとなるように調整した。
【0076】なお、内面膜層、表面膜層が形成された導
電性ローラーについて、それぞれ内面膜層および表面膜
層を前記導電性ローラーとは別に単体で同一条件で作製
し、それぞれの体積抵抗率を測定した。その結果を表1
に示す。
【0077】
【表1】
【0078】つぎにえられた導電性ローラーの物性とし
て、弾性、導電性、軟化剤の滲み出し、耐久性を以下の
方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0079】(A)弾性 えられた導電性ローラーの弾性として硬度HsをJIS K-
6301に準拠して測定した。
【0080】(B)導電性 図1に示された電気抵抗測定装置を用い、えられた導電
性ローラーの軸体と表面層とのあいだの電気抵抗を測定
することによって評価した。
【0081】(C)軟化剤の滲み出し えられた導電性ローラーを温度30℃、相対温度80%の恒
温恒湿中に1カ月放置したのち、取り出し、軟化剤の滲
み出しの有無を確認し、以下の評価基準に基づいて評価
した。
【0082】(評価基準) A:軟化剤の滲み出しがまったく認められない。 B:軟化剤の滲み出しが若干認められる。 C:軟化剤の滲み出しが明らかに認められる。
【0083】(D)耐久性 えられた導電性ローラーを電子写真プリンター内に装着
し、複写用紙に所定の画像を形成する操作を1000回行な
ったのち、その表面状態を目視により観察し、以下の評
価基準に基づいて評価した。
【0084】(評価基準) A:軟化剤の滲み出しおよび表面の傷の発生が認められ
ない。 B:表面の傷の発生が認められるが、軟化剤の滲み出し
が認めらない。 C:表面の傷の発生および軟化剤の滲み出しが認めら
れ、画像に白抜けが認められる。
【0085】
【表2】
【0086】表2に示された結果から、実施例1〜10で
えられた導電性ローラーは、いずれも適度な硬度Hs、
低い電気抵抗を有し、軟化剤の滲み出しもなく、耐久性
にすぐれたものであることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明の接触帯電用導電性ローラーは、
導電性弾性体層を有するので適度な弾性を呈し、導電性
弾性体に含有された軟化剤が該ローラー表面に滲み出す
ことが内面膜層によって阻止され、該内面膜層上に形成
された表面膜層には内面膜層よりも配合量が多い導電性
粒子が含有されているので、内面膜層を保護するととも
に良好な帯電性能を有するものである。
【0088】したがって、本発明の接触帯電用導電性ロ
ーラーは、たとえば電子写真装置や静電記録装置などに
好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ローラーの電気抵抗を測定するために製造例1
〜3で用いられた電気抵抗測定装置の概略説明図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加して帯電を行なう接触帯電装
    置に用いられる接触帯電用導電性ローラーであって、軸
    体の外周面に軟化剤を含有した導電性弾性体層、内面膜
    層および表面膜層が順次形成され、前記内面膜層中の導
    電性粒子の含有率が前記表面膜層中の導電性粒子の含有
    率よりも小さいことを特徴とする接触帯電用導電性ロー
    ラー。
  2. 【請求項2】 内面膜層中の導電性粒子がカーボンブラ
    ックであり、該カーボンブラックの含有率が10重量%以
    下である請求項1記載の接触帯電用導電性ローラー。
  3. 【請求項3】 内面膜層中の導電性粒子がグラファイト
    であり、該グラファイトの含有率が35重量%以下である
    請求項1記載の接触帯電用導電性ローラー。
  4. 【請求項4】 導電性弾性体層の体積抵抗率が105 〜10
    10Ω・cmである請求項1、2または3記載の接触帯電用
    導電性ローラー。
  5. 【請求項5】 内面膜層の膜厚が5〜100 μmである請
    求項1、2、3または4記載の接触帯電用導電性ローラ
    ー。
  6. 【請求項6】 内面膜層がポリアミド系樹脂、ポリウレ
    タン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、
    ポリアクリロニトリル系樹脂、塩素化ポリオレフィン類
    およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種を含む
    請求項1、2、3、4または5記載の接触帯電用導電性
    ローラー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6043308A (en) * 1995-07-11 2000-03-28 Nippon Zeon Co., Ltd. Conductive rubber composition and process for the production thereof
DE19781959B4 (de) * 1996-08-29 2008-09-11 Chemetall Gmbh Verfahren zum elektrochemischen Phosphatieren von Metalloberflächen, insbesondere von rostfreiem Stahl

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6043308A (en) * 1995-07-11 2000-03-28 Nippon Zeon Co., Ltd. Conductive rubber composition and process for the production thereof
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