JPH06250040A - 光ファイバカプラの製造方法 - Google Patents

光ファイバカプラの製造方法

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JPH06250040A
JPH06250040A JP3710193A JP3710193A JPH06250040A JP H06250040 A JPH06250040 A JP H06250040A JP 3710193 A JP3710193 A JP 3710193A JP 3710193 A JP3710193 A JP 3710193A JP H06250040 A JPH06250040 A JP H06250040A
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JP
Japan
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optical fiber
fiber coupler
wavelength
tension
coupling
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JP3710193A
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English (en)
Inventor
Ryozo Yamauchi
良三 山内
Taiichiro Tanaka
大一郎 田中
Tomio Azebiru
富夫 畔蒜
Shinichiro Shishikura
伸一郎 宍倉
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定した均一な特性を有する光ファイバカプ
ラを効率良く大量に製造できる製造方法を提供する。 【構成】 光ファイバカプラの結合度の波長特性を検知
し、その結果にしたがって、補強固定時にかける張力の
大きさを制御することによって、均一な特性の光ファイ
バカプラを効率良く大量に製造する。但し、光ファイバ
カプラの結合度が極大または極小になる波長を検知する
のが好ましい。 【効果】 光ファイバカプラの結合度の波長特性を検知
することによって、その光ファイバカプラの特性を簡単
に把握でき、その結果を利用することによって、安定し
た均一な特性を有する光ファイバカプラを効率良く大量
に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバカプラの製
造方法に関し、より詳しくは融着延伸型光ファイバカプ
ラの製造時に、その光ファイバカプラの結合度を検知す
ることにより、補強固定する際にかける張力等を正確に
把握し制御するようにした光ファイバカプラの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ応用素子のひとつであり、同
一波長の光の分岐又は合流、波長の異なる光の分波、合
波を行なう機能を有する光ファイバカプラには、研磨
型、融着延伸型等、種々の形式のもの知られている。そ
れら種々の形式の光ファイバカプラの中でも、比較的容
易に所望の特性を得ることのできる融着延伸型光ファイ
バカプラが最も広く使用されている。この融着延伸型光
ファイバカプラは、2本またはそれ以上の本数の光ファ
イバを添接状態で加熱して溶融させ、その後延伸するこ
とによって、それら光ファイバ間に電磁的な結合を作り
出すことにより製造される。また、この融着延伸型光フ
ァイバカプラは、その融着延伸部の両端を補強部材に固
定して使用するのが一般的である。
【0003】図1は、そのような融着延伸型光ファイバ
カプラの一例を示す図であり、2本の光ファイバを融着
延伸して作製した光ファイバカプラを示している。図中
3は融着延伸部である。この融着延伸部3は、第1の光
ファイバ1と第2の光ファイバ2とを溶融延伸して形成
されており、従って、この融着延伸部3は2本のコアを
有し、その2本のコア同志が電磁的に結合(カップリン
グ)されている。また、第1の光ファイバ1及び第2の
光ファイバ2は、直径約125μmのガラス製ファイバ
であり、その長手方向の融着延伸部3から離れた部分に
は樹脂被覆が残っている。さらに、これら2本の光ファ
イバと融着延伸部とからなる光ファイバカプラは、光フ
ァイバの樹脂被覆の先端部分の近傍において、平板状の
補強部材5に接着剤4により接着され、固定されてい
る。このとき、融着延伸部3には、その軸方向に適当な
張力をかけた状態で固定されている。
【0004】従来は、この固定時にかける張力の制御が
正確になされていなかった。張力をかけない状態で同じ
特性を有する光ファイバカプラを用いても、固定時にか
ける張力の大きさが違えば、融着延伸部に生ずる歪の大
きさが異なってくるため、その歪の違いによる特性変化
が原因となり、光ファイバカプラの特性にばらつきを生
じる。従って、従来の製造方法では、製造した光ファイ
バカプラが所定の特性要求を満たしているかどうかは、
製造後全品検査した結果から選別しなければならず、作
業効率、生産効率を低下させていた。即ち、特性の揃っ
た光ファイバカプラを安定的に効率よく供給するのが困
難であった。
【0005】一般に、光ファイバカプラの特性として表
される項目としては、結合度、分岐比、過剰損失等があ
る。例えば、図1の光ファイバカプラにおいて、第1の
光ファイバの入力側11から入力された光が、融着延伸
部3を通過する際に2つに分岐され、その分岐された光
が、第1の光ファイバの出力側21と第2の光ファイバ
の出力側22から出力される場合を考える。入力光のパ
ワーをP1とし、第1の光ファイバの出力側21と第2
の光ファイバの出力側22から出力される光のパワーを
各々P2、P3としたとき、P3/P1の割合(%)を
結合度、P2とP3の比を分岐比、そして、10・lo
g((P2+P3)/P1)を過剰損失と呼んでいる。
本発明者らは、上記融着延伸部にかける張力の大きさ
と、その光ファイバカプラの結合度の波長特性との間の
相関関係を見いだし、ここにその関係を利用した光ファ
イバカプラの製造方法を提供する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、光ファイバカプラの特性を簡単に把握でき、その結
果を利用することによって、安定した均一な特性を有す
る光ファイバカプラを効率良く大量に製造できる光ファ
イバカプラの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、光ファイ
バカプラの結合度の波長特性を検知し、その結果に基づ
いて光ファイバカプラを補強固定する際にかける張力を
調整するようにした光ファイバカプラの製造方法によっ
て解決できる。
【0008】本発明の光ファイバカプラの製造方法は、
次のような知見に基づいている。即ち、光ファイバカプ
ラの結合度を、波長に対してプロットすると、例えば図
2の実線のようなsin曲線を描くことが知られてい
る。今回本発明者らは、その光ファイバカプラにかける
張力を変化させた場合、その張力の大きさに比例して曲
線が波長軸方向に平行移動することを見いだした。例え
ば、張力を大きくした場合、図2の破線で示したように
短波長側に移動し、張力を小さくした場合には逆に長波
長側に移動するのである。この関係をより明確に示すた
めに、例えば上記曲線の極小点をなす波長を、かけた張
力に対してプロットすると図3のようになり、両者の間
には、線形関係があることがわかる。
【0009】本発明の光ファイバカプラの製造方法は、
このような関係を利用したものである。以下に、本発明
の光ファイバカプラの製造方法について、測定例を用い
て詳細に説明する。まず、通常の方法で2本の光ファイ
バを添接し、加熱融着延伸して光ファイバカプラを作製
する。この状態で、その光ファイバカプラの結合度を測
定する。即ち、光ファイバカプラの入力側に1.52μ
m〜1.58μmの波長の光を入力し、結合度が極小と
なる波長を求める。次に、この光ファイバカプラに、そ
の融着延伸部の軸方向に20gの張力をかけ、同様に結
合度が極小になる波長を求める。さらに、張力を40、
60、80そして100gと変えたときの、結合度の極
小点波長を求める。このようにして求めた値を、横軸を
張力、縦軸を極小点波長としてプロットし、例えば最小
二乗法により、両者の関係式を算出する。その関係式が
次式(A)となったとする。 極小点波長(nm)=−0.2×張力(g)+1550 (A) ここで、この製造工程で製造する光ファイバカプラは、
すべて1.54μmに結合度の極小点を持つと設定され
ている場合には、その値を(A)式に代入して、かける
べき張力を計算する。上記の例では、その張力は50g
となる。
【0010】同様にして、製造するすべての光ファイバ
カプラについて(A)式と同様の関係式を算出しておく
ことにより、各々の光ファイバカプラにかけるべき張力
の大きさが計算でき、その計算結果に従った張力をかけ
て接着固定することによって特性の揃った光ファイバカ
プラが大量に製造できる。
【0011】上記の光ファイバカプラの結合度の波長特
性と張力との関係は、以下のように理論的に説明され
る。理想的な光ファイバカプラのモデルを考えた場合、
その融着延伸部(結合部)の長さをLとし、結合係数を
Cとすれば、その光ファイバカプラの結合度Pは、次の
式で表される。 P=sin2(CL) (1) ここで、結合係数Cは、次式(2)で定義される係数で
ある。 なお、(2)式中のVは正規化周波数と呼ばれ、(3)
式で与えられる。また、(2)式中の係数(3π/3
2)は、結合部の断面形状に依存するのでこの限りでは
ないが、断面の長短径比が2:1の場合にはほぼこの値
となる。さらに、(2)式の他の部分は同じ形であるの
で、以下の考察の一般性は失われない。 ここで、n2、n3は各々ガラス及び空気の屈折率であ
る。単一モード光ファイバカプラの場合、融着延伸部に
おける光の挙動はエアークラッドファイバで近似できる
ため、コアの屈折率は無視した。
【0012】このような特性を有する光ファイバカプラ
に張力を印加すると、(イ)融着延伸部の長さLが増加
する、(ロ)融着延伸部の断面積が減少する、(ハ)光
弾性効果によりガラスの屈折率が変化する等の影響が現
れる。そのときかけた張力をT、融着延伸部の断面半径
をa、ガラスのヤング率をE、ポアソン比をσ、そして
伸び歪をεとすると、融着延伸部の長さL、融着延伸部
の断面半径a、ガラスの屈折率n2は次のように変化す
る。 L→L(1+ε) (4) a→a(1−σε) (5) n2→n2{1−0.5n2 2(p12−p11σ−p12σ)ε} (6) 但し、pijは、歪光テンソルのij成分である。
【0013】ここで、式(1)の位相をφ=CLとおく
と、 従って、 となる。但し、n2=1.448、p11=0.121、
12=0.270、σ=0.17という値を用いた。
【0014】同様に、式(2)より、波長変化の影響
は、 であるので、歪εを打ち消すような波長変化は となる。即ち、張力Tに比例する伸び歪εと波長変化と
は線形関係にあることがわかる。
【0015】上記の説明では、結合度が極小になる波長
と張力の比例関係を利用して特性の揃った光ファイバカ
プラを製造する製造方法について述べたが、本発明の製
造方法は、それに限られるものではない。例えば、結合
度が極大になる点の波長を用いても、上記と同様の関係
式が得られ、同様の方法で製造することができる。この
ように、本発明の光ファイバカプラの製造方法では、光
ファイバカプラの結合度が、極大または極小となる波長
を監視することによってその光ファイバカプラの状態を
把握するのが好ましい。また、上記説明では、極小とな
る波長と張力との関係式を算出するために、6種類の張
力をかけて測定を行ったが、実際は最低2種類の測定を
すればよく、そのようにすることにより、張力決定のた
めの測定の手間を省略することができる。
【0016】また、本発明は、結合度の波長特性が張力
の大きさによって変化することを発見したことに基づい
ており、その発見から導かれる様々な用途に応用するこ
とが可能である。即ち、本発明の内容は、光ファイバカ
プラの製造方法のみに限られず、例えば、結合度を検知
することによりその張力の変化を管理する光ファイバカ
プラの品質管理方法、あるいは結合度から光ファイバカ
プラにかけられている張力を知る張力センサ等として使
用することも可能である。
【0017】(実施例)外径125μmの光ファイバ2
本をを融着延伸し、1.30μm、1.55μmの2波
長に対する波長多重型(WDM型)カプラを作製した。
まず、張力をかけない状態で、この光ファイバカプラの
結合度の波長特性を測定したところ、図2の実線で示し
たように、波長約1.30μmに極大点を持ち、波長約
1.55μmに極小点を持つ波形を示した。
【0018】次に、この光ファイバカプラの融着延伸部
の両端に、20gから100gまでの張力をかけた状態
で波長特性を測定し、極小点を示す波長を、かけた張力
に対してプロットした。結果は図3のようになり、両者
の間には次式(B)で表される線形関係があることが確
認された。 極小点波長(nm)=−0.2×張力(g)+1548 (B) 波長1.55μmに極小点を持つように設定すると、
(B)式より、かけるべき張力は10gとなった。そこ
で、その光ファイバカプラに10gの張力をかけた状態
で補強部材に接着固定し、光ファイバカプラを完成し
た。その光ファイバカプラの結合度の波長特性を測定し
たところ、波長1.55μmに極小点を持つことが確認
された。
【0019】次に、張力をかけない状態で上記と同様の
特性を有する光ファイバカプラに、10gに張力をかけ
た状態で補強部材に接着固定した。さらに、一定期間こ
の光ファイバカプラを使用した後、再び結合度の波長特
性を測定したところ、その極小点の波長は固定直後に比
較して0.4nm長波長側に移動していた。このことか
ら、固定張力が2gだけ緩んだことがわかった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光ファイバ
カプラの製造方法によれば、光ファイバカプラの結合度
の波長特性を測定することによって、その光ファイバカ
プラの状態を簡単に把握し、その結果を利用して張力を
制御することによって、安定した均一な特性を有する光
ファイバカプラを効率良く大量に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 融着延伸型光ファイバカプラの構成を示す模
式図である。
【図2】 光ファイバカプラの結合度の波長特性を示す
グラフである。
【図3】 光ファイバカプラの結合度の波長特性のグラ
フで極小点を示す波長とそのとき融着延伸部のかけた張
力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…第1の光ファイバ、2…第2の光ファイバ、3…融
着延伸部、4…接着剤、5…補強部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宍倉 伸一郎 千葉県富津市新富42−1 株式会社フジク ラ富津工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバカプラの結合度の波長特性を
    検知し、その結果に基づいて光ファイバカプラを補強固
    定する際にかける張力を調整することを特徴とする光フ
    ァイバカプラの製造方法
  2. 【請求項2】 光ファイバカプラの結合度が、極大また
    は極小となる波長を検知することを特徴とする請求項1
    記載の光ファイバカプラの製造方法。
JP3710193A 1993-02-25 1993-02-25 光ファイバカプラの製造方法 Pending JPH06250040A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100786617B1 (ko) * 1999-05-31 2007-12-21 가부시키가이샤후지쿠라 편파 유지 광파이버 커플러의 제조 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100786617B1 (ko) * 1999-05-31 2007-12-21 가부시키가이샤후지쿠라 편파 유지 광파이버 커플러의 제조 방법

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