JPH06249879A - プローブユニットの製造方法 - Google Patents

プローブユニットの製造方法

Info

Publication number
JPH06249879A
JPH06249879A JP5039712A JP3971293A JPH06249879A JP H06249879 A JPH06249879 A JP H06249879A JP 5039712 A JP5039712 A JP 5039712A JP 3971293 A JP3971293 A JP 3971293A JP H06249879 A JPH06249879 A JP H06249879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
steel wire
metal
probe
probe pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5039712A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Yuzutori
登明 柚鳥
Masahiko Uchimura
政彦 内村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP5039712A priority Critical patent/JPH06249879A/ja
Publication of JPH06249879A publication Critical patent/JPH06249879A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Leads Or Probes (AREA)
  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピン成形後の曲がりやねじれを回避してピン
先端部のピッチ精度を向上でき、かつ線径150 μm 以下
の金属極細線をプローブピンとして採用する場合の絶縁
性基台への保持を可能にしてファインピッチに対応でき
るとともにピッチ精度を向上できるプローブユニットの
製造方法を提供する。 【構成】 線径150 μm 以下のプローブピン用金属極細
線4を絶縁性基台3上に所定ピッチごとに、かつ該基台
から一部を突出させて固着する。次にこの突出部2bに
張力を作用させた状態で該突出部2bを所定形状に屈曲
成形する際に、上記突出部2bの半径方向に圧縮変形を
生じさせる。また上記圧縮力を付加する際に上記突出部
2bを加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば液晶ディスプレ
イ(LCD),半導体集積回路(IC)等の電気的導通
性を検査する際に使用されるプローブユニットに関し、
詳細にはピン成形後の曲がりやねじれを回避してピン先
端部のピッチ精度を向上でき、かつ線径150 μm 以下の
金属極細線をプローブピンとして採用する場合の絶縁性
基台への保持を可能にしてファインピッチに対応できる
とともにピッチ精度を向上できるようにした製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶に適当な電圧を印加すると透過率や
反射率が変化する性質を利用した液晶ディスプレイは、
時計,電卓,あるいはパソコン,ワープロ等の表示装置
として、またテレビの画面装置として広く活用されてい
る。このような液晶ディスプレイの製造工程では各種の
製品検査が行われており、例えば液晶基板の導体線の導
通検査を行う場合、図8及び図9に示すようなプローブ
ユニット30が採用されている。これは、樹脂基台31
に多数のプローブピン32を所定ピッチごとに配設し、
この各プローブピン32を液晶基板35上に格子状にパ
ターン形成された各導体線36に当接させ、これにより
電気的導通性をチェックするものである。上記プローブ
ユニット30を製造する場合、従来、線径250 μm 程度
のタングステン線又はベリリウム銅線からなる金属線材
にテーパー加工を施して接触子32aを有するプローブ
ピン32を形成し、この後プローブピン32をケース3
7内にスプリング38で弾性的に支持する。そしてこれ
を1本ずつ樹脂基台31に組付ける方法が用いられてい
る。
【0003】一方、上記液晶ディスプレイにおいては、
高画質化に対応するために画素数の増大化が進んでい
る。近年では10〜20万画素,あるいは30万画素を有する
液晶基板が開発されており、近い将来には80〜300 万画
素のものも開発されると考えられる。このような画素数
の増大化に伴って上記各導体線のピッチも狭くなること
から、上記プローブピン32においてもピッチ, 及びピ
ン径を小さくすることが必要となる。このようなピッチ
の狭小化に対応するために、従来、複数個のプローブユ
ニット30をこれの各プローブピン32が千鳥状に交互
に位置するよう積層してハウジング化し、これにより各
プローブピン32間のピッチを小さくする方法が用いら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
プローブユニットを積層してピッチを狭小化する方法で
は、製造に手間がかかるとともに、構造が複雑となるこ
とから、ピッチの狭小化に限界があり、例えば300 μm
以下のファインピッチには対応できないという問題があ
る。
【0005】ここで、上記プローブピンに採用される金
属線材自体の線径を、例えば100 μm 以下にして上記ユ
ニットの積層化による問題を解消することが考えられ
る。しかしながら、一般に金属線材を極細化すると鋼線
自体の剛性,強度が低下するという問題が生じる。その
結果、金属極細線を樹脂基台に直線状に保持するのが困
難となり、ファインピッチに対応したピッチ精度が得ら
れなくなる。また上記金属極細線をピン成形加工する場
合、該極細線の素線は必ずしも伸直ではないことから、
ピン成形後に曲がりやねじれが生じ易く、その結果ピン
先端部のピッチ精度が得られないという問題がある。
【0006】さらに、上記従来のプローブユニットの製
造方法では、プローブピンを1本ずつ樹脂基台に組付け
る方法であることから取付けにばらつきが生じ易く、そ
の結果加工精度が得られ難いとともに、生産性が低いと
いう問題点もあり、この点での改善が要請されている。
【0007】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、金属線材自体の線径を小さくした場合の樹脂
基台への保持を可能にして、ひいてはファインピッチに
対応できるとともにピッチ精度を向上でき、かつピン成
形時の曲がりやねじれを回避してピン先端部の精度を向
上でき、さらには加工精度,及び生産性を向上できるプ
ローブユニットの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の発明
は、線径150 μm 以下のプローブピン用金属極細線を絶
縁性基台上に所定ピッチごとに、かつ該基台から上記金
属極細線の一部を突出させて固着した後、この突出部に
張力を作用させた状態で該突出部を所定形状に屈曲成形
するとともに、この突出部の半径方向に圧縮変形を生じ
させてプローブピンを成形したことを特徴とするプロー
ブユニットの製造方法である。
【0009】請求項2の発明は、上記金属極細線の突出
部に張力を作用させながら該極細線を加熱したことを特
徴としている。また請求項3の発明は、上記金属極細線
に引張り強度300Kgf/mm2以上の低炭素二相組織鋼線を採
用したことを特徴としている。
【0010】ここで、金属極細線を絶縁性基台に固着す
るには、例えば上記金属極細線を基台上に押圧しつつ加
熱することにより該基台の極細線が当接する部分を溶融
させ、これにより金属極細線の少なくとも一部を埋設す
る方法、あるいは接着剤により接着する方法が採用でき
る。上記絶縁性基台には、例えばポリカーボネート,ポ
リエーテル,エーテルケトン等の熱可塑性樹脂を採用す
るのが好ましい。
【0011】上記金属極細線をプローブピンに屈曲成形
するとは、例えば金型により金属極細線を自己弾性を有
する形状に成形加工するという意味である。また金属極
細線を圧縮変形させるには、上記金型で金属極細線を形
成する際に、該金型間の押圧距離を極細線の直径より小
さく設定し、これにより半径方向に圧縮力を作用させる
ことにより実現できる。
【0012】また、上記金属極細線を加熱する方法に
は、細線を直接加熱する方法、又は金型を加熱して間接
的に細線を加熱する方法があり、その具体例としてはバ
ーナー加熱,赤外線加熱,レーザ加熱,通電加熱,誘導
加熱等が採用できる。
【0013】さらに上記金属極細線には、ステンレス
線,ピアノ線,アモルファス線,あるいは低炭素二相組
織鋼線が採用でき、これらの金属を採用することにより
極細化した場合の剛性,強度を確保できる。なかでも上
記低炭素二相組織鋼線を採用した場合は、上記ステンレ
ス線,ピアノ線等に比べて強度, 剛性, 耐久性, 及び靱
性を向上でき、しかもさらに小径化に貢献できる。この
低炭素二相組織鋼線は、Feを主成分とし、これにC,
Si,Mnを添加してなる線材を冷間伸線により強加工
して製造されたものであり、この強加工によって繊維状
微細金属組織を有しており、これにより線径が150 μm
以下で、引張り強度が300Kgf/mm2以上となっている( 特
開昭62-20824号公報参照) 。
【0014】また上記金属極細線の表面に貴金属膜を被
覆するのが望ましい。これは被検査面との接触抵抗を小
さくして検査性能の安定化を向上できるからであり、こ
の貴金属としてはAu,Pt,Ag等が採用できる。
【0015】
【作用】請求項1の発明に係るプローブユニットの製造
方法によれば、線径150 μm 以下のプローブピン用金属
極細線の突出部を屈曲成形する際に該突出部の半径方向
に圧縮変形を生じさせたので、該極細線の断面内部で圧
縮方向と直交する長手方向に高い引張力を発生させるこ
とができる。この張力は金属極細線の軸直交方向の曲が
りやねじれを矯正するように作用することから、ピン成
形後の伸直性を保持でき、ピン先端部のピッチ精度を向
上できる。また上記突出部を圧縮変形させたことにより
該突出部の断面が偏平状となることから、プローブピン
の配列方向に対する剛性を向上でき、被検査面に当接す
る際の横ぶれを防止できる。
【0016】また上記金属極細線を絶縁性基台上に所定
ピッチごとに、かつ該基台から上記金属極細線の一部を
突出させて固着したので、該極細線を直線状に保持する
ことが可能となり、従来では困難であった300 μm 以下
のファインピッチに対応でき、かつピッチ精度の誤差範
囲を±20μm 以下にできる。その結果、従来のプローブ
ユニットを積層化する場合の生産性, 構造上等の問題を
解消できる。
【0017】請求項2の発明では、上記突出部を圧縮変
形させる際に該突出部を加熱したので、屈曲成形時に生
じる極細線内部の残留応力を除去でき、かつ極細線の弾
性定数を小さくできる。その結果、屈曲成形後に生じる
スプリングバックを低減でき、プローブピンの曲率のば
らつきを回避して曲げ精度を向上できるとともに、ピン
先端部のピッチ精度をさらに向上できる。
【0018】また請求項3の発明では、金属極細線に低
炭素二相組織鋼線を採用したので、線径150 μm 以下で
引張り強度300 〜600Kgf/mm2が得られる。従って、これ
を採用した場合は小径化を図りながら強度, 剛性, 靱性
を向上でき、プローブピンとしての機能をさらに向上で
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1ないし図7は、本発明の一実施例によるIC,
LCD基板検査用プローブユニット及びその製造方法を
説明するための図である。本実施例では、液晶ディスプ
レイの導通検査に使用されるプローブユニットに適用し
た場合を例にとって説明する。図において、1は本実施
例のプローブユニットであり、これは80〜130 本のプロ
ーブピン2を300 μm ピッチ以下で、かつピッチ誤差±
20μm 以下に配列し、これをポリカーボネートからなる
熱可塑性樹脂基台3上に配置して構成されている。上記
プローブピン2は線径20〜150 μm の低炭素二相組織鋼
線4の表面にNi膜5を電気めっき,溶解めっき等によ
り被覆形成し、該Ni膜5の表面にAuからなる貴金属
膜6を同じくめっきにより被覆形成して構成されてい
る。
【0020】上記低炭素二相組織鋼線4は、上述のよう
に金属線材を冷間伸線により強加工して製造されたもの
で、これにより生じた加工セルが一方向に繊維状に配列
された繊維状微細金属組織を有しており、引張り強度が
300 〜600Kgf/mm2である。
【0021】上記Ni膜5は、上記金属線材を冷間伸線
加工する際の塑性加工による加工歪を有しており、これ
により自己潤滑性及び耐蝕性の改善を図るとともに、貴
金属膜6との密着性,接着性が向上している。また、上
記貴金属膜6は、Ni膜5が被覆形成された金属線材を
さらに冷間伸線加工することにより、数μm 程度の厚さ
に引き延ばす際の塑性加工による加工歪を有している。
これによりめっき被覆時に生じていたピンホール,ある
いは粒子が上記伸線時に潰されて、欠陥のない平滑化な
表面性状となっている。
【0022】また上記低炭素二相組織鋼線4にはこれの
製造時にストレッチャーアニーリング処理が施されてお
り、これは上記低炭素二相組織鋼線4に張力を作用させ
ながら所定温度で熱処理したものである。この熱処理に
より直線状態に直伸化したプローブピン2が形成されて
いる。
【0023】上記各プローブピン2は樹脂基台3上に位
置する本体部2aと該基台3から外方に突出する突出部
2bとから構成されている。この本体部2aの直径方向
の略1/2 は樹脂基台3内に埋め込まれており、残りの部
分は基台3下面に露出している。これは後述の布線加工
において上記低炭素二相組織鋼線4を緊張状態に張力を
作用させて樹脂基台3上に配置し、この状態で本体部2
aを加熱することにより該本体部2aが当接する樹脂基
台3を溶融させて埋設したものである。
【0024】また上記プローブユニット1の各プローブ
ピン2の本体部2a下面には、図示しないTAB(Tape
Automated Bondig)が貼着されており、該TABは測定
機器に接続されている。上記TABは可撓性フィルムに
各プローブピン2が接続される配線をエッチング法等に
よりパターン形成してなるもので、上記TABの各配線
と各プローブピン2とは一括に、かつ同時に熱圧着によ
り接続されている。なお、上記プローブユニット1に接
続されるものとしては、上記TABの他にCOB(フレ
キシブルプリント基板),COG(ガラス基板)等が採
用できる。
【0025】上記プローブピン2の突出部2bはこれの
肩部2cから被検査面Aに対して前方に傾斜するよう折
り曲げ形成されており、この傾斜角度は約30度に設定さ
れている。また上記突出部2bの被検査面Aに当接する
先端部2dは上方にR状に屈曲形成されており、この先
端部2cの下面が接触子となっている。これは、後述す
る屈曲加工において上記各突出部2bをこれに張力を作
用させながら金型により曲げ成形して形成されたもので
ある。
【0026】そして、上記突出部2bはプローブピン配
列方向を長軸とする断面偏平状となっている(図4(b)
参照)。これは上記屈曲加工において突出部部2bに張
力を作用させながら加熱した状態で金型によって押圧
し、これにより上記突出部2bをこれの半径方向に圧縮
変形させて形成されたものである。なお、上記突出部2
b以外の部分は図4(a)に示すように略真円状をなし
ている。
【0027】次に、上記プローブユニット1の一製造方
法について説明する。本実施例の製造方法は、金属線材
から低炭素二相組織鋼線4を製造する第1工程と、この
低炭素二相組織鋼線4を所定ピッチごとに樹脂基台3に
配置する第2工程と、上記低炭素二相組織鋼線4を屈曲
成形加工してプローブピン2を形成し、これによりプロ
ーブユニット1を形成する第3工程と、該プローブユニ
ット1を検査装置に組付ける第4工程とを備えている。
以下、上記各工程を詳細に説明する。
【0028】第1工程 まず、低炭素二相組織鋼線の母材となる金属線材に電気
めっき等によりNi膜5を被覆し、これを冷間伸線加工
により強加工して上記Ni膜5に塑性加工による加工歪
を付与するとともに、所定線径の金属線材を形成する。
次に、この金属線材の表面に貴金属膜6を被覆し、これ
を同じく冷間伸線加工により強加工して上記貴金属膜6
に塑性加工による加工歪を付与する。この伸線加工を所
定線径が得られるまで繰り返し行い、これにより線径15
0 μm 以下の低炭素二相組織鋼線4を得る。
【0029】次いで、上記低炭素二相組織鋼線4を緊張
状態に引っ張りながら、例えば430℃に加熱された加熱
炉内で30秒間保持して低炭素二相組織鋼線4に熱処理を
施す。この後、鋼線4をボビン14に巻き取る。これに
より直線状に略直伸化された低炭素二相組織鋼線4が製
造される。なお、この熱処理における温度,保持時間は
特に限定するものではなく、強度を低下させることなく
加工歪の除去に適した温度,時間を設定すればよい。
【0030】第2工程 まず、図7に示す布線装置8を準備する。この布線装置
8は長方形状の固定台9と、該固定台9に対してa方向
に移動可能に配設された一対のクランプ装置10a,1
0bと、上記a方向及びb方向に移動可能に構成された
加熱制御装置12とを備えており、この制御装置12に
は+極電極12a,及び−極電極12bが突設されてい
る。
【0031】また、上記第2工程の布線作業に用いられ
る矩形板状の母基台13を準備する。この母基台13は
ポリカーボネート等の絶縁性樹脂製のものであり、他に
はポリエーテル,エーテルケトン等が採用できる。そし
て上記母基台13の一縁部に矩形状の開口窓部13aを
形成し、この母基台3の窓部13aの一側部が後述する
屈曲加工時の保持基台13bとなり、他側部が上述の樹
脂基台3となる。なお、上記樹脂基台3,及び保持基台
13bをそれぞれ別部品で構成し、この両基台3,13
bを間隔をあけて固定し、この間隔を上記窓部13aと
してもよい。
【0032】そして上記布線装置8の固定台9上に複数
の母基台13を並列配置し、各母基台13をビスで固定
する。次に上記布線装置8に低炭素二相組織鋼線4が巻
回されたボビン14をセットし、この鋼線4を上記クラ
ンプ装置10a,10b間に挿通して架け渡すととも
に、該クランプ装置10aにより鋼線4をこれに張力を
かけて緊張状態に支持する。
【0033】次に、上記クランプ装置10a,10bを
a方向に移動させて、低炭素二相組織鋼線4を各母基台
13の窓部13a上を通る所定位置にセットする。この
状態で加熱制御装置12の両電極12a,12bに通電
して上記鋼線4を、例えば180 〜220 ℃に加熱押圧しつ
つ制御装置12を鋼線4に沿ってb方向に移動させる。
すると母基台13の鋼線4が当接する部分が溶融し、鋼
線4は窓部13aを横切る状態で母基台3内に埋め込ま
れることとなり、これにより上記低炭素二相組織鋼線4
の直径方向の1/2 以上、例えば70%が母基台13内に
埋設され、残りの部分は基台13上面に露出することと
なる。この場合、上記母基台13の鋼線4が埋設される
部分に、ダイシングマシン等でV字状の溝部を予め形成
し、この溝内に上記鋼線4を配置してもよい。また上記
溝を形成するにあたっては、鋼線4の下面を挟持するよ
うに溝の幅,深さを設定する。
【0034】上記1本目の布線が終了したら、上記クラ
ンプ装置10a,10bを所定ピッチ移動させ、2本め
の布線を行う。このような布線作業を順次繰り返して行
って、低炭素二相組織鋼線4を80〜130 本埋め込んだ
後、各母基台13の両端縁の鋼線4を切断して切り離す
( 図5(a) 参照) 。なお、上記布線作業を行う場合、多
数の低炭素二相組織鋼線4を所定ピッチごとに配列して
おき、この各鋼線4を同時に埋め込んでも良い。
【0035】第3工程 上記布線化した母基台13をピン成形用の金型装置15
にセットし、該装置15で母基台13の鋼線4方向両端
部の保持基台13b側と樹脂基台3側とをそれぞれ挟持
する。この状態で母基台13の窓部13aの両縁部を切
断して母基台13を両基台3,13bに分離する(図5
(b) 参照)。
【0036】続いて、図6に示すように、上記樹脂基台
3を挟持して固定し、保持基台13bに張力をかけて両
基台3,13b間の低炭素二相組織鋼線4を緊張状態に
引っ張る。次いでこの両基台3,13b間の鋼線4を図
示しない赤外線加熱,あるいはレーザ加熱等の加熱手段
でもって200 〜500 ℃の温度に加熱する。
【0037】上記金型装置15の各金型15a〜15c
間の押圧距離を鋼線4の直径より小さく設定する。具体
的には鋼線4の線径の約70%となるように設定する。こ
れにより上記鋼線4の半径方向に押圧力を付加する。
【0038】そして上記第1金型15aを鋼線4に当接
させ(図6(a) 参照)、この鋼線4を金型15aに沿っ
て倒し、該第1金型15aに第2金型15bを押圧して
鋼線4にプローブピン2の肩部2cに対応する曲げ部を
形成する(図6(b) 参照) 。次いで、上記鋼線4を第2
金型15b側に沿って倒し、該第2金型15bに第3金
型15cを押圧して上記先端部2dに対応する屈曲部を
形成する。
【0039】また上記各金型15a〜15cで屈曲成形
する際に上記鋼線4の半径方向に圧縮力が作用し、これ
により該鋼線4は潰されて断面偏平状となる(図4(b)
参照)。この後、上記鋼線4の保持基台13b側部分C
を切断する。これにより、本実施例のプローブユニット
1が製造される(図1及び図2参照)。
【0040】第4工程 このようにして製造されたプローブユニット1の各プロ
ーブピン2の本体部2aに、上述のTABの各配線を熱
圧着により貼着する。そして、図3に示すように、上記
各プローブユニット1を検査装置16の枠部材16aに
装着して組付ける。
【0041】次に本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例のプローブユニット1は、図1及び図3に
示すように、液晶ディスプレイ17の液晶基板17aに
パターン形成された導体線の導通検査を行うものであ
る。上記液晶ディスプレイ17を検査装置16の所定位
置に搬送し、検査装置16の枠部材16aを垂直方向に
下降させて各プローブピン2の先端部2dを液晶基板1
7aの被検査面Aである各導体線に当接させる。これに
より電気的導通性をチェックする。
【0042】この場合、図1に示すように、上記各プロ
ーブピン2の突出部2bはこれの肩部2cから被検査面
Aに対して前方に傾斜しており、しかも先端部2dがR
状に屈曲している。従って、接触子である先端部2dは
被検査面Aに当接するとともに前方に摺動し、これによ
り良好な接触が得られるとともに、被検査面Aにかかる
荷重を一定にできる。即ち、各プローブピン2の当接時
のばらつきは上記先端部2dの摺動によって吸収される
ことから、先端部2dが被検査面Aに同時に、かつ均一
に接触し、安定した検査性能が得られる。ちなみに、上
記プローブピン2の先端部2dを10万回摺動させて、こ
の摺動面の摩耗試験を行ったところ、摺動面の劣化はほ
とんど見られず大幅に寿命が向上していることが確認で
きた。
【0043】このように本実施例のプローブユニットの
製造方法によれば、樹脂基台3と保持基台13bとの間
の鋼線4をこれに張力を作用させながら加熱するととも
に、該鋼線4の半径方向に圧縮力を付加したので、該鋼
線4の断面内部で圧縮方向と直交する長手方向に高い引
張力を発生させることができ、この張力によって鋼線4
の軸直交方向の曲がりやねじれを矯正でき、ひいては成
形後のピン先端部のピッチ精度を向上できる。ちなみ
に、上記圧縮変形を生じさせない場合のピン先端精度は
±35μm が限度であったのに対して、上記圧縮力を付加
した場合は先端ピッチ精度を±20μm 以下にできる。ま
た上記鋼線4を断面偏平状としたので、プローブピン2
の配列方向に対する剛性を向上でき、被検査面Aに当接
する際の横ぶれを防止できる。
【0044】また上記母基台13上に低炭素二相組織鋼
線4を所定ピッチごとに配置し、該母基台13の鋼線4
が当接する部分を加熱溶融させ、これにより上記鋼線4
の直径方向1/2 以上、例えば70%を埋設して固着した
ので、線径150 μm 以下の超極細化した鋼線4を直線状
に確実に保持できる。これにより従来では困難であった
ピッチ精度の誤差範囲を±20μm 以下にできるととも
に、300 μm 以下のファインピッチが可能となり、近年
の画素数の増大化に対応できる。その結果、従来のよう
なプローブユニットの積層化を不要にできることから、
それだけ生産性を向上できるとともに、低コスト化,小
型化に貢献できる。
【0045】さらに上記樹脂基台3と保持基台13bと
の間の鋼線4に張力を作用させた状態で金型装置15で
成形加工してプローブピン2を形成したので、多数のプ
ローブピン2を同時に、かつ同一形状に成形でき、従来
の1本ずつピン成形する場合に比べて加工精度を向上で
きるとともに、生産性を向上できる。
【0046】また、本実施例では、金型装置15で鋼線
4に圧縮力を付加する際に該鋼線4を加熱したので、押
圧成形時に生じる鋼線4内部の残留応力を除去できると
ともに弾性定数を小さくでき、ひいては屈曲成形後のス
プリングバックを低減でき、配列方向における各プロー
ブピン2の曲率を均一にでき、この点からもピッチ精度
を向上できる。
【0047】さらに本実施例では、上記プローブピン2
に低炭素二相組織鋼線4を採用したので、素線自体の強
度,剛性,靱性等を向上でき、かつ線径を極めて小さく
できる。これによりプローブピン2としての検査性能を
さらに向上できる。
【0048】なお、上記実施例では、プローブピン2の
直径方向の1/2 以上を埋設し、残り部分を露出した場合
を例にとって説明したが、本発明はこれに限られるもの
ではなく、例えば上記プローブピン2の長手方向の一部
を埋設し、残りの部分を露出させてもよく、あるいは全
部埋設して鋼線4の端面を樹脂基台3の端面から露出さ
せてもよい。
【0049】また、上記実施例では、液晶ディスプレイ
に採用されるプローブユニットを例にとって説明した
が、本発明のプローブユニットの用途はこれに限られる
ものではなく、半導体集積回路にも適用でき、要は高密
度の接点の導通検査用プローブピンに適用できる。さら
に、上記実施例では低炭素二相組織鋼線を採用したが、
本発明はステンレス線,ピアノ線を採用してもよく、こ
の場合も上記実施例と略同様の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明に係るプローブユニ
ットの製造方法によれば、線径150 μm 以下のプローブ
ピン用金属極細線を絶縁性基台上に所定ピッチごとに、
かつ該基台から上記金属極細線の一部を突出させて固着
し、該突出部に張力をかけながら屈曲成形するととも
に、該突出部の半径方向に圧縮変形を生じさせたので、
上記突出部の曲がりやねじれを矯正してピン成形後の伸
直性を保持でき、ピン先端部のピッチ精度を向上できる
効果があり、上記突出部を直線状に保持することが可能
となり、従来では困難であった300 μm 以下のファイン
ピッチに対応でき、かつピッチ精度の誤差範囲を±20μ
m 以下にできる効果があるとともに、加工精度,及び生
産性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプローブユニットの製
造方法を説明するための側面図である。
【図2】上記実施例のプローブユニットの斜視図であ
る。
【図3】上記実施例のプローブユニットによる検査方法
を示す平面図である。
【図4】上記実施例のプローブピンの断面図である。
【図5】上記実施例の製造方法を説明するための工程図
である。
【図6】上記実施例の製造方法を説明するための工程図
である。
【図7】上記実施例の製造方法に採用される布線装置を
示す概略構成図である。
【図8】従来のプローブユニットを示す斜視図である。
【図9】従来のプローブユニットの製造方法を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 プローブユニット 2 プローブピン 2b 突出部 3 樹脂基台(絶縁性基台) 4 低炭素二相組織鋼線(金属極細線) 15 金型装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線径150 μm 以下のプローブピン用金属
    極細線を絶縁性基台上に所定ピッチごとに、かつ該基台
    から上記金属極細線の一部を突出させて固着した後、こ
    の突出部に張力を作用させた状態で該突出部を所定形状
    に屈曲成形するとともに、この突出部の半径方向に圧縮
    変形を生じさせてプローブピンを成形したことを特徴と
    するプローブユニットの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記金属極細線の突
    出部を圧縮変形させる際に該突出部を加熱したことを特
    徴するプローブユニットの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記金属極細
    線が引張り強度300Kgf/mm2以上の低炭素二相組織鋼線で
    あることを特徴とするプローブユニットの製造方法。
JP5039712A 1993-03-01 1993-03-01 プローブユニットの製造方法 Withdrawn JPH06249879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5039712A JPH06249879A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 プローブユニットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5039712A JPH06249879A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 プローブユニットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06249879A true JPH06249879A (ja) 1994-09-09

Family

ID=12560610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5039712A Withdrawn JPH06249879A (ja) 1993-03-01 1993-03-01 プローブユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06249879A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1202337A3 (en) * 2000-10-24 2002-09-18 Nec Corporation Probe pin for a probe card
CN109975625A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 特变电工衡阳变压器有限公司 研究电力变压器短路辐向失稳关键因素的试验方法和装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1202337A3 (en) * 2000-10-24 2002-09-18 Nec Corporation Probe pin for a probe card
US6812723B2 (en) 2000-10-24 2004-11-02 Nec Electronics Corporation Probe pin for a probe card
CN109975625A (zh) * 2017-12-27 2019-07-05 特变电工衡阳变压器有限公司 研究电力变压器短路辐向失稳关键因素的试验方法和装置
CN109975625B (zh) * 2017-12-27 2021-02-12 特变电工衡阳变压器有限公司 研究电力变压器短路辐向失稳关键因素的试验方法和装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2615381B2 (ja) プローブユニットの製造方法
DE60035667T2 (de) Kontaktor mit Kontaktelement auf der LSI-Schaltungsseite, Kontaktelement auf der Testplattinenseite zum Testen von Halbleitergeräten und Herstellungsverfahren dafür
TWI312865B (en) Test apparatus capable of accurately connecting a test object to a substrate
US20080309363A1 (en) Probe assembly with wire probes
TW200414385A (en) Semiconductor device
JP5103566B2 (ja) 電気接触子およびそれを備える検査冶具
JP2769015B2 (ja) 電子回路基板検査用プローバーピンヘッド及びその製造方法
TW201703355A (zh) 電氣接觸子及電氣零件用插座
US6751862B2 (en) Method of making an electronic device
JPH06249879A (ja) プローブユニットの製造方法
JPH06249880A (ja) プローブユニット
JPH06249878A (ja) プローブユニット及びその製造方法
JPH06222080A (ja) プローブユニット及びその製造方法
JP2003202350A (ja) プローブカード用探針、プローブカード用探針ユニット、プローブカード及びそれらの製造方法
KR100316292B1 (ko) 전자부품용컨넥터
JPH06289056A (ja) プローブユニット
JP3193659B2 (ja) プロービング方法
JP2007155535A (ja) 検査治具および検査治具の製造方法
JPH06294816A (ja) プローブユニットの製造方法
JPH06242145A (ja) プローブピン及びその形成方法
JP2668653B2 (ja) 導通接触端子
JPH06289051A (ja) 金属線材及びその製造方法
JPH08110363A (ja) フラットパネルの検査装置
JPH0792195A (ja) 電子回路基板検査用プローブピンユニット及びその製造方法
JPH03218473A (ja) 表示パネル用プローブ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000509