JPH06248102A - 絶縁材 - Google Patents

絶縁材

Info

Publication number
JPH06248102A
JPH06248102A JP20997393A JP20997393A JPH06248102A JP H06248102 A JPH06248102 A JP H06248102A JP 20997393 A JP20997393 A JP 20997393A JP 20997393 A JP20997393 A JP 20997393A JP H06248102 A JPH06248102 A JP H06248102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
insulating material
functional group
group
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20997393A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Ikeda
雅昭 池田
Masayoshi Kariya
正義 刈屋
Yoshikuni Yamada
佳邦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP20997393A priority Critical patent/JPH06248102A/ja
Publication of JPH06248102A publication Critical patent/JPH06248102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線ケーブル、コンデンサー等に幅広く使用
できる絶縁性に優れた絶縁材を提供する。 【構成】 非極性のポリオレフィン成形体の表面近傍に
特定の官能基を有するモノマーを、積層構造にする方
法、塗布する方法、プラズマを利用する方法、ブリード
アウトを利用する方法等の手段により、偏在させるとい
う比較的単純な方法できわめて高性能な絶縁材が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁材に関するものであ
り、さらに詳しくは、特に高電圧に対しきわめて優れた
絶縁効果を発揮し、電線ケーブル用被覆材、家電用品、
輸送機器、各種プラント、工場等の絶縁材として好まし
く使用できる絶縁材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、官能基を有するモノマーを絶縁材
として使用した発明には、特開昭62−100909号
公報、特開平2−119012号公報等がある。上記発
明はいずれも、電力ケーブルにおいてボイドや微少な不
純物により発生する水トリーやボウタイトリーを防止す
るため、絶縁体全体に官能基を有するモノマーたる無水
マレイン酸を分散させている。それ故、絶縁性が不十分
であるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術で
は、トリーは防止できるものの、官能基が全体に分散し
ているため、トリーを充分に防ぐ量の官能基を導入すれ
ば官能基が電子のホッピングサイトとして働き、漏れ電
流が生じ、絶縁特性が低下してしまう。本発明の目的
は、高電圧に対しきわめて優れた絶縁効果を発揮し、電
線ケーブル用被覆材、家電用品、輸送機器、各種プラン
ト、工場等の絶縁材として好ましく使用できる絶縁材を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、特定の官能基を含むある種のポリオレフィンあ
るいは特定の官能基を有するモノマーを絶縁材の表面に
偏在させることにより優れた絶縁性を有する絶縁材が得
られることを見いだし、本発明を成すにいたった。すな
わち本発明の請求項1の発明は、非極性のポリオレフィ
ンを主成分とする絶縁材において下記の(a)から選ば
れる少なくとも一つの官能基を有するモノマーを絶縁が
必要とされる表面近傍に偏在させたことを特徴とする絶
縁材である。 (a)官能基 a1:カルボニル基およびカルボニル基誘導体 a2:酸無水基 a3:ヒドロキシル基 a4:ニトロ基 a5:ニトリル基
【0005】本発明の請求項2の発明は、積層により構
成されることを特徴とする請求項1の絶縁材である。以
下、本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明の絶縁材として使用する非極性のポ
リオレフィンとしては非極性のオレフィンの単独重合
体、または共重合体のことをいう。該非極性のオレフィ
ンとは、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のα−オ
レフィンのみならず、ブテン−2、ヘプタン−2等のオ
レフィンも含む不飽和結合を有する炭素と水素のみで構
成されている分子の全てをいう。本発明のポリオレフィ
ンはこの他にも少量のジエン、トリエン等を共重合させ
たものでもよい。
【0007】具体的には超低密度ポリエチレン、高圧法
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴムなどの
オレフィン系ゴム等の酸素を含有しないエチレン系
(共)重合体、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン
共重合体などのポリプロピレン系重合体、ポリブテン系
重合体等が挙げられる。その中でも特に、ラジカル高圧
法によるエチレン単独重合体が触媒を使用せず不純物が
ないという点と、極性基がないため特に好ましい。
【0008】本発明は絶縁を必要とする表面近傍、特に
導体等との界面に官能基を有するモノマーを偏在させる
ことにより優れた絶縁性を有する絶縁材となるものであ
る。
【0009】本発明においては、全表面に官能基を有す
るモノマーを偏在させてもよいが、無理に絶縁材の全表
面に官能基を有するモノマーを偏在させる必要はなく、
絶縁が必要とされる電位差を有する場所の表面近傍のみ
に官能基を有するモノマーを偏在させる等、実質上絶縁
の効果が生じる程度でよい。例えば、表面と裏面とから
成る絶縁材の場合、片面のみに官能基を有するモノマー
の偏在があってもよく、両面に偏在があってもよい。し
かし、この例の場合は両面に官能基を有するモノマーの
偏在がある方が好ましい。
【0010】本発明において、表面近傍に偏在とは表面
付近にのみ官能基を有するモノマーが存在することがの
ぞましいが、表面近傍に官能基を有するモノマーが存在
すれば、中心部分に表面よりも少ない量で存在すること
を除外するわけではない。
【0011】表面付近に官能基を有するモノマーが偏在
することは、例えば、ESCAによる分析や電圧印加時
に空間電荷が表面近傍にのみ偏在していることを調べる
ことによって確認できる。
【0012】本発明において、官能基を有するモノマー
を表面へ偏在させるための方法は任意である。例えば、
ブリードアウトをさせてもよいし、スパッタリングやC
VDあるいはプラズマ等の方法によりモノマーの蒸着を
行うなどの方法を使用してもよい。また、ポリオレフィ
ンを成形したのちオゾンや紫外線で表面を処理する方法
であってもよい。また、火炎処理により表面を酸化させ
て偏在させてもよい。あるいは、特開昭55−5233
4号公報に記載されているような無水マレイン酸を含む
重合体の溶液を製造し、それをポリオレフィンの表面に
塗布してもよい。または、積層することにより官能基を
有するモノマーを表面に偏在させてもよい。
【0013】たとえば、積層により本発明の絶縁材を製
造する場合、両表面層に上記官能基を有するモノマーを
含ませ、中間層に上記官能基を有するモノマーを含まな
いか、または表面層より官能基を有するモノマーが少な
い層からなる3層で構成される積層体を挙げることがで
きる。
【0014】さらに上記の積層体を電線被覆等の円筒形
で使用する際には、内面に上記官能基を有するモノマー
を含む層を形成し、その外面に中間層たる上記官能基を
有するモノマーを含まないか、または表面層より少ない
層を形成し、さらにその外面に上記官能基を有するモノ
マーを含む層を形成することによって絶縁材とすること
ができる。
【0015】本発明において積層を使用するのであれ
ば、3層に限ることはない。例えば、傾斜材料の製造の
ように絶縁が必要とされる表面に内面より多層にわたっ
て、濃度の異なる層を積層することによって表面に官能
基を有するモノマーを偏在させることができる。本発明
において、モノマーを偏在させる層とは、モル濃度で絶
縁材中の官能基を有するモノマーの平均濃度よりも50
%以上濃度が高い層をいう。本発明においては、官能基
を有するモノマーが表面に最も偏在していることが最も
効果を奏する。本発明において、モノマーを偏在させる
層の厚さは、モノマーを偏在させる層の厚さの合計が絶
縁材全体の厚さの40%以下、好ましくは20%以下、
更に好ましくは12%以下がよい。
【0016】本発明において上記官能基を有するモノマ
ーを分散させる層は絶縁材の中心層を基準に対称的に構
成されることが望ましい。本発明の官能基を有するモノ
マーとしてはカルボニル基、カルボニル基誘導体、酸無
水基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基の内の少
なくとも1種類の官能基を有するモノマーである。
【0017】具体的にはカルボニル基およびカルボニル
基誘導体(例えば、−COOH、−COOR、−O−C
O−Rなど。但しRは炭化水素基を示す。)a1を有す
るモノマーとしては、α,β−不飽和カルボン酸から誘
導される不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸
エステルから誘導される不飽和カルボン酸エステル、ビ
ニルエステル単量体をを挙げることができる。不飽和カ
ルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カ
ルボン酸類を挙げることができる。不飽和カルボン酸エ
ステルの具体的な例としては、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メアクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アク
リル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、マレイン酸モ
ノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マ
レイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステ
ル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等
の不飽和カルボン酸エステル類を挙げることができる。
ビニルエステルの具体的な例としては、プロピオン酸ビ
ニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフル
オル酢酸ビニルなどを挙げることができる。
【0018】酸無水物基a2を有するモノマーとして
は、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ハイミック
酸、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸、
フェニル無水マレイン酸、ジフェニル無水マレイン酸、
クロロ無水マレイン酸、ジクロロ無水マレイン酸、フル
オロ無水マレイン酸、ジフルオロ無水マレイン酸、ブロ
モ無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等を挙げる
ことができる。これらの中でも特に好ましいものとして
無水マレイン酸を挙げることができる。
【0019】ヒドロキシル基a3を有するモノマーとし
て、ビニルアルコール、1−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0020】ケトン基(カルボニル基)a1、ニトロ基
a4、ニトリル基a5を有するモノマーとしては、一酸
化炭素、メチルビニルケトン、イソプロペニルビニルケ
トン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、t
−ブチルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、メ
チルプロペニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、
シクロヘキシルビニルケトン、アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、ビ
ニリデンシアニド、シナモニトリル、クロトノニトリ
ル、α−フェニルクロトノニトリル、フマロニトリル、
アリルアセトニトリル、2−ブテンニトリル、3−ブテ
ンニトリル、2,4−ジニトロフェニルアクリレート、
2−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロ
スチレン、p−ニトロスチレン、p−ニトロフェニルメ
タクリレート、m−ニトロフェニルメタクリレート、
2,4−ジニトロフェニルメタクリレート、2,4,6
−トリニトロフェニルメタクリレート等を挙げることが
できる。
【0021】上記モノマーは、モノマーを偏在させる層
においてモノマー単位で10-5mol%以上、好ましく
は10-3mol%〜10mol%、更に好ましくは10
-2mol%〜1mol%であり、表面近傍とモノマー濃
度の最もうすい点との間でモノマー単位で10-5mol
%以上の濃度差が必要である。
【0022】これらは、単にポリオレフィンに含浸する
ことによりポリオレフィンに存在させて表面近傍に偏在
もよいが、単独重合やオレフィンとランダム共重合、ブ
ロック共重合、グラフト共重合させて使用することが望
ましい。さらに、共重合が困難なものは官能基を保護基
で保護して重合させた後、保護基を除去してもよい。ま
た、これら官能基を有するモノマーは単独重合または共
重合して使用することが望ましいため、分子内に2重結
合を有するものがよい。
【0023】本発明の絶縁材においては、ポリオレフィ
ンに上記モノマー、その中でも特に無水マレイン酸をグ
ラフトしたものを使用すれば樹脂間の接着性や金属導体
との親和性にも優れるためとくに好ましく使用されるも
のである。
【0024】官能基を有するモノマーのポリオレフィン
へのグラフトはラジカル発生剤の存在化にポリオレフィ
ンと官能基を含むモノマーを溶融混練、または溶媒に溶
解して行うことが出来る。
【0025】本発明においてはポリオレフィンは添加物
の存在がないものが好ましいが、当然のことながら必要
に応じて無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、滑
剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止剤、光安定
剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、核剤、顔料
等を添加してもよい。
【0026】本発明の積層体の製法は、シートを重ねヒ
ートシールする、共押し出しにより製造する等任意であ
る。また、本発明の絶縁材は過酸化物を染み込ませる等
により架橋して使用することもできる。
【0027】本発明の絶縁材を電線被覆用に使用すると
きの成形方法の例を挙げれば、単線または集合線からな
る芯線用ワイヤーを一定張力、速度で引き電線被覆用ダ
イに導入する。この張力、速度は芯線の形状、直径、被
覆する外形、被覆材の密度、粘度等により任意に選択で
きる。一般的にいえば、速度は細物電線で600〜80
0m/分、50mm系のケーブルで5〜15m/分がよ
い。芯線用ワイヤーの送線機と電線被覆用ダイの間には
芯線用ワイヤーの矯線機を設け芯線用ワイヤーの振動を
防止することが望ましい。電線被覆用ダイは押し出し
型、スパライル型等任意であり、摩耗しにくいタングス
テン鋼やクローム鋼製のものがよい。
【0028】樹脂の被覆の例を挙げれば、集合線の芯線
用ワイヤーに電波緩和層の樹脂組成物を被覆し、その上
から、本発明の絶縁材を被覆する方法、あるいは、本発
明の絶縁材の積層体を使用する場合、まず本発明の官能
基を有するモノマーを含む層を被覆し、その上からポリ
オレフィンを、さらにその上から本発明の官能基を有す
るモノマーを含む層を積層する方法等が考えられる。こ
れらの積層は同時に、または逐次的に行われる。これら
の成形は必要に応じて電線被覆用ダイの雌型ダイの先端
がテーパー状になっている物を組み合わせて使用するこ
とが望ましい。積層により被覆する際は当然官能基を有
するモノマーを含む層の厚さは内側外側の合計で絶縁層
全体の厚さの40%以下でなければならない。
【0029】成形後の冷却は、自然冷却、水槽による冷
却等任意であるが、内部欠損等を防ぐため、あるいは、
官能基を含むモノマーを充分に表面近傍に集めるため、
比較的緩やかに冷却することが望ましい。例えば、18
0〜260℃程度の被覆材を冷却するのに150℃、1
10℃、80℃程度の3種程度の冷却槽を設け逐次的に
冷却していくか、あるいは、金属媒体を使用し冷却する
等の手段をとることができる。その後、シース材で被覆
してもよい。
【0030】本発明の絶縁材をコンデンサー用に使用す
るときの成形方法を例示すれば、本発明のポリオレフィ
ンと本発明の官能基を有するモノマーを含むポリオレフ
ィンのシートをそれぞれ作り、これらをロールやTダイ
等で積層した後さらに金属箔を上下に積層してもよい。
あるいは、主成分となる非極性のポリオレフィンに官能
基を有するモノマ−が正の化合物をスパッタリングで導
入し、その後、金属を蒸着してもよい。更に、含金属ポ
リアセチレンに本発明の絶縁材を上下に積層しさらにそ
の上下に金属を積層または蒸着し、コンデンサーとする
ことができる。
【0031】本発明の絶縁材は電線被覆用、コンデンサ
ー用等直流電源の絶縁材に最適なものであるが、直流電
源に限ることなく、幅広く使用できるものである。例え
ば、高圧送電線のガイシの代わり、X線発生装置等の高
電圧部分の絶縁、各種測定機材、乾式、湿式電池の容器
の絶縁、各種プリント基盤、家電用または業務用電気の
ソケット類、各種コネクター、配電用コード、電気製品
部品、自動車用配電機器、及びその部品等、さらに機械
製品、高圧電流の作業用の手袋や治工具類の絶縁材とし
ても使用できる。
【0032】
【実施例】以下本発明の絶縁材を実施例を通じ説明する
が、本発明の主旨を逸脱しない限り実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)ラジカル高圧法低密度ポリエチレン(MF
R=1. 0g/10min 密度0.920g/cm3
をテフロンシートに包み140℃、100Kg/cm2
でプレスし厚さ300μmのシートを製作した。さらに
無水マレイン酸グラフト高圧法低密度ポリエチレンを上
記ポリエチレンで希釈し表1に示す無水マレイン酸濃度
に調整し、上記と同様の条件で厚さ20μmのシートを
つくった。その後無水マレイン酸を含有したシートを両
面にヒートシールした。体積固有抵抗(ρ)の測定結果
を表1に示す。体積固有抵抗(ρ)の測定は以下の条件
で行った 印加電圧:3300V 有効電極面積:19. 6cm2 測定機:振動容量型絶縁計(アドバンテスト製TR84
11) 測定値:電圧印加後10分値、異なる4点測定後平均 測定環境:オーブン内窒素雰囲気下
【0033】
【表1】
【0034】(実施例2)無水マレイン酸グラフトポリ
プロピレンをポリプロピレンで希釈したシートを用いて
無水マレイン酸含有層を形成した他は実施例1と同様に
行った。体積固有抵抗(ρ)の測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例3)無水マレイン酸の代わりに表
3に示す官能基を有するモノマーを濃度を3. 0×10
-2mol %となるように使用した他は実施例1と同様に行
った。体積固有抵抗(ρ)を測定した結果を表3に示
す。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例4)中間層をポリプロピレンに
し、無水マレイン酸をグラフトしたラジカル重合高圧法
低密度ポリエチレンを上記ポリエチレンで希釈し無水マ
レイン酸濃度を3.0×10-2mol %としたシートを用
いて無水マレイン酸含有層を形成した他は実施例1と同
様に行った。体積固有抵抗(ρ)を測定した結果、1.
0×1020(Ωcm)であった。
【0039】(比較例1)実施例1で使用したラジカル
重合高圧法低密度ポリエチレンを用い、シートの製造方
法などは実施例1に準拠し、樹脂単品での体積固有抵抗
(ρ)を測定した結果、3.0×1017(Ωcm)であ
った。
【0040】(比較例2)実施例3で使用したポリプロ
ピレンを用い、シートの製造方法などは実施例1に準拠
し、樹脂単品での体積固有抵抗(ρ)を測定した結果、
1.2×1019(Ωcm)であった。
【0041】(実施例5)実施例1と同じラジカル重合
高圧法低密度ポリエチレンで2mm厚さのシートを作り
(加工温度180℃)、紫外線(2540Å)を照射し
た。表面から100μmごとに厚さ20μmの薄膜を削
り取り、赤外分析法でカルボキシル基の量を測定した。
結果を表4および図1に示す。体積固有抵抗は1.2×
1018Ωcmであった。
【表4】 単位:上段(表面からの距離)μm 下段(無水マレイン酸濃度)10-2mol%
【0042】(実施例6)実施例1と同じラジカル重合
高圧法低密度ポリエチレンで2mm厚さのシートを作
り、無水マレイン酸変性高圧法低密度ポリエチレン(マ
レイン化率0.3mol%)含有シクロヘキセン溶液
(重合体濃度1wt%)を塗布したのち、シクロヘキセ
ンを蒸発させた。実施例5と同様にして表面から100
μmごとに厚さ20μmの薄膜を削り取り、赤外分析法
でカルボキシル基の量を測定した。結果を表5および図
2に示す。体積固有抵抗は9.6×1018Ωcmであっ
た。
【表5】 単位:上段(表面からの距離)μm 下段(無水マレイン酸濃度)0.1mol%
【0043】(実施例7)実施例1と同じラジカル重合
高圧法低密度ポリエチレンに無水マレイン酸変性直鎖状
低密度ポリエチレン(マレイン化率0.4mol%)を
ブレンドした。プレス法で厚さ2mmのシートを作っ
た。この際、冷却速度を通常よりも遅くした。実施例5
と同様にして表面から100μmごとに厚さ20μmの
薄膜を削り取り、赤外分析法でカルボキシル基の量を測
定した。結果を表6および図3に示す。体積固有抵抗は
1.1×1019Ωcmであった。
【表6】 単位:上段(表面からの距離)μm 下段(無水マレイン酸濃度)10-2mol%
【0044】(比較例3)熱酸化法により実施例1のラ
ジカル重合高圧法低密度ポリエチレンを酸化させ厚さ2
mmのシートを作った。実施例5と同様にして表面から
100μmごとに厚さ20μmの薄膜を削り取り、赤外
分析法でカルボキシル基の量を測定した。結果を表7お
よび図4に示す。体積固有抵抗は1.1×1017Ωcm
であった。
【表7】 単位:上段(表面からの距離)μm 下段(無水マレイン酸濃度)10-2mol%
【0045】(比較例4)高圧ラジカル重合法により製
造したエチレン−アクリル酸共重合体(アクリル酸含量
0.5mol%)で厚さ2mmのシートを作った。実施
例5と同様にして表面から100μmごとに厚さ20μ
mの薄膜を削り取り、赤外分析法でカルボキシル基の量
を測定した。結果を表8および図5に示す。体積固有抵
抗は2.7×1016Ωcmであった。
【表8】 単位:上段(表面からの距離)μm 下段(無水マレイン酸濃度)mol%
【0046】以上の実施例の結果と比較例の結果を比較
すれば、官能基を含むモノマーを表面に偏在させたこと
で絶縁性が改良されることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明においては上述のように非極性の
ポリオレフィン成形体の表面近傍に特定の官能基を有す
るモノマーを、積層構造にする方法、塗布する方法、プ
ラズマを利用する方法、ブリードアウトを利用する方法
等の手段により、偏在させるという比較的単純な方法で
きわめて高性能な絶縁材が得られる。本発明の絶縁材は
各種の電気用品、輸送機器、電線、プラント、工場等で
幅広く使用することが可能であるので産業上きわめて利
用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料表面から試料中央までのカルボキシル基
含有量を表すグラフである。
【図2】 試料表面から試料中央までのカルボキシル基
含有量を表すグラフである。
【図3】 試料表面から試料中央までのカルボキシル基
含有量を表すグラフである。
【図4】 試料表面から試料中央までのカルボキシル基
含有量を表すグラフである。
【図5】 試料表面から試料中央までのカルボキシル基
含有量を表すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非極性のポリオレフィンを主成分とする
    絶縁材において下記の(a)から選ばれる少なくとも一
    つの官能基を有するモノマーを表面近傍に偏在させたこ
    とを特徴とする絶縁材。 (a)官能基 a1:カルボニル基およびカルボニル基誘導体 a2:酸無水基 a3:ヒドロキシル基 a4:ニトロ基 a5:ニトリル基
  2. 【請求項2】 積層により構成されることを特徴とする
    請求項1の絶縁材。
JP20997393A 1992-12-28 1993-08-03 絶縁材 Pending JPH06248102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20997393A JPH06248102A (ja) 1992-12-28 1993-08-03 絶縁材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-360240 1992-12-28
JP36024092 1992-12-28
JP20997393A JPH06248102A (ja) 1992-12-28 1993-08-03 絶縁材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06248102A true JPH06248102A (ja) 1994-09-06

Family

ID=26517786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20997393A Pending JPH06248102A (ja) 1992-12-28 1993-08-03 絶縁材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06248102A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11901590B2 (en) * 2020-02-07 2024-02-13 Ningde Amperex Technology Ltd. Battery and power consuming device having the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11901590B2 (en) * 2020-02-07 2024-02-13 Ningde Amperex Technology Ltd. Battery and power consuming device having the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007535111A (ja) 外部の化学剤に対して抵抗性のあるケーブルの製造方法
KR102100251B1 (ko) 수지 조성물 및 이것을 이용한 적층체
KR102202692B1 (ko) 초고압 케이블
US20130000945A1 (en) Electrical cable for high voltage direct current transmission, and insulating composition
EP1283527A1 (en) Electrically insulating resin composition and electric wire or cable both coated therewith
JP2002525819A (ja) 電線絶縁体
US3697670A (en) Electrical cable having sheath layers bonded with adhesive
JPS6122624B2 (ja)
JPH06248102A (ja) 絶縁材
US3632720A (en) Method of fabricating cables
JP3424050B2 (ja) 直流ケーブル用絶縁樹脂組成物およびそれを絶縁層とした直流ケーブル
CN113168933B (zh) 电缆护套用树脂组合物及包含该树脂组合物的电线
JPH05298927A (ja) エチレン系共重合体またはその組成物からなる高絶縁体およびこれを用いた電力ケーブル
JP2000248074A (ja) シラン架橋ポリオレフィン成形物および電線・ケーブル
US6903263B2 (en) Electrical cable, particularly for high voltage direct current transmission or distribution, and insulating composition
JPH04118808A (ja) 耐水トリー性に優れるエチレン系重合体または該エチレン系重合体組成物及びこれを用いた電力ケーブル
US20190153208A1 (en) Insulating resin composition and insulated electric wire
US10964449B2 (en) Resin composition, insulated electric wire and method of manufacturing insulated electric wire
JP2019106387A (ja) 多層絶縁電線及び多層絶縁ケーブル
WO2021084656A1 (ja) 電気絶縁ケーブル
CA2417877C (en) Electrical cable for high voltage direct current transmission, and insulating composition
JPH05298928A (ja) エチレン系共重合体またはその組成物からなる高絶縁体およびこれを用いた電力ケーブル
EP1346377A1 (en) Electrical cable, particularly for high voltage direct current transmission or distribution, and insulating composition
JP2871011B2 (ja) 電力ケーブル
JPH05258612A (ja) 電線・ケーブル用電気絶縁物