JPH06248042A - 新規なポリウレタンおよびその製造方法ならびに栽培用容器 - Google Patents

新規なポリウレタンおよびその製造方法ならびに栽培用容器

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JPH06248042A
JPH06248042A JP5033401A JP3340193A JPH06248042A JP H06248042 A JPH06248042 A JP H06248042A JP 5033401 A JP5033401 A JP 5033401A JP 3340193 A JP3340193 A JP 3340193A JP H06248042 A JPH06248042 A JP H06248042A
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JP
Japan
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coffee
polyurethane
extraction residue
coffee extraction
polyol
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JP5033401A
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English (en)
Inventor
Hyoe Hatakeyama
兵衛 畠山
Shigeo Hirose
重雄 廣瀬
Kunio Nakamura
邦雄 中村
Hajime Yasui
甫 安井
Masanori Miyake
正徳 三宅
Hisanori Hirasawa
久紀 平澤
Sadao Ueda
定夫 上田
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U C C TECHNO DEV KK
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
U C C TECHNO DEV KK
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/64Macromolecular compounds not provided for by groups C08G18/42 - C08G18/63

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 缶コーヒー等の製造において排出されるコー
ヒー抽出残渣の再利用を飛躍的に促進できる工業生産物
として新規なポリウレタンを提供する。 【構成】 コーヒー抽出残渣を粉砕して得られる微粒子
とポリオールとの混合物にジイソシアネートを重合反応
させることにより、ジイソシアネートとポリオールとの
重合体がコーヒー抽出残渣の粒子によりさらに架橋され
た新規なポリウレタン。このポリウレタンは、生分解性
であり、たとえば、このポリウレタンで栽培用ポットを
形成した場合、ポット1ごと苗2を耕地3に植えても、
ポットは生物分解を受け、苗2の根の伸長を阻害しな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶コーヒーの製造過程
等において排出されるコーヒー抽出残渣を用いた新規な
ポリウレタンおよびその製造方法、ならびにこの新規な
ポリウレタンを用いた栽培用容器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】コー
ヒーは、現在、日本において最も好まれる嗜好飲料の1
つである。インスタントコーヒーは、昭和31年に輸入
され始めたが、輸入が自由化されると消費量は一挙に伸
び、急激に普及してきた。また、昭和45年、レギュラ
ーコーヒーの輸入が完全に自由化されると、コーヒー豆
の輸入も急上昇し、現在では、世界各地から毎年数10
万トンのコーヒー豆を輸入する巨大産業が成長してい
る。
【0003】また、ここ数年、レギュラーコーヒーと缶
コーヒーの消費が著しく伸びてきている。コーヒーが定
着するに従い、本物志向、グルメ志向からレギュラーコ
ーヒーを家庭で楽しむことが多くなるとともに、本格的
なコーヒーを手軽に楽しめる缶コーヒーの消費が伸びて
きたのである。
【0004】このようなコーヒーの消費拡大に伴って、
コーヒー産業および家庭等から膨大な量のコーヒー抽出
残渣が排出されるようになってきた。
【0005】廃棄物としてのコーヒー抽出残渣に関し、
これを再利用する試みもなされてきている。たとえば、
コーヒー抽出残渣を脱臭剤、針山または肥料として使用
する技術が存在する。しかしながら、現在のところ、再
利用されるコーヒー抽出残渣はごくわずかであり、その
ほとんどは焼却処分されるか、または土中に埋められて
いる。
【0006】本発明の目的は、このような背景におい
て、コーヒー抽出残渣の再利用を促進すべく、この残渣
を用いて産業上より有用な工業生産物を製造し、提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コーヒー
抽出残渣の有効利用について検討を重ねた結果、ポリウ
レタンの成分としてこの残渣を用いることにより、難燃
性を有する一方、生物分解性を有し、かつ十分な機械的
強度を備える新規なポリウレタンを見出した。
【0008】すなわち、第1の発明に従って、イソシア
ネート基を有する有機化合物とポリオールとの重合体
が、コーヒー抽出残渣の粒子により架橋された新規なポ
リウレタンが提供される。
【0009】本発明においてポリウレタンを構成するコ
ーヒー抽出残渣は、コーヒーまたはコーヒー製品(たと
えば、リキッドコーヒーおよびインスタントコーヒー)
等の製造において、焙煎したコーヒー生豆を、水、アル
コール等の溶媒により抽出した後得られる溶媒へ移行し
なかった残渣をいう。
【0010】コーヒーの原料は、アカネ科に属する常緑
の灌木であるコーヒーの木の実(コーヒーチェリー)に
含まれる種子(コーヒー生豆)である。このコーヒー生
豆は、コーヒーチェリーから、ガム質の果肉を除き、さ
らにパーチメントと呼ばれる殻およびシルバースキンと
呼ばれる外皮を取り除くことによって得られる。
【0011】このようにして得られたコーヒー生豆(グ
リーンコーヒー)は、コーヒーまたはコーヒー製品を調
製するため焙煎される。焙煎された豆は、通常、抽出の
ために粉砕される。粉砕により、荒挽き、中挽き、細挽
き等、種々の粒度のコーヒー粉が、最終的に得られるコ
ーヒー製品や飲用に供するコーヒーのフレーバーに応じ
て調製される。
【0012】喫茶店やレストラン、最近では家庭でも手
軽に楽しめるレギュラーコーヒーは、このようにして調
製されたコーヒー粉に熱湯を注ぎ、抽出したものであ
る。この抽出後に残ったコーヒー粉の滓は、本発明に従
うコーヒー抽出残渣に含まれる。
【0013】また、インスタントコーヒーの製造工程で
は、焙煎された豆が粗く挽かれ、これを抽出器に入れて
熱湯で抽出し、濃縮コーヒーを調製する。調製された濃
縮コーヒーが、スプレードライ、フリーズドライ等の方
法により乾燥され、インスタントコーヒーとして調製さ
れる。このような工程で、抽出器において抽出された後
の焙煎コーヒー豆の粉砕物は、本発明に従うコーヒー抽
出残渣に含まれる。
【0014】さらに、罐、瓶、PET、スタンディング
パウチ等に充填されて市販されるリキッドコーヒー(抽
出済み液体コーヒー)の製造では、焙煎された豆または
その粉砕物が抽出され、抽出で得られた液体に必要に応
じて砂糖、ミルク等が添加され、均一に混合された後、
殺菌工程等を経て適当な容器に充填された製品が出荷さ
れる。このようなリキッドコーヒーの製造において、焙
煎された豆またはその粉砕物で抽出後に残った物も本発
明に従うコーヒー抽出残渣に含まれる。
【0015】本発明に従うポリウレタンにおいて、コー
ヒー抽出残渣は、微細な粒子であることが望ましく、そ
の粒度は、たとえば75μm以下が望ましい。
【0016】本発明に従うポリウレタンは、たとえば粉
砕によって調製されたコーヒー抽出残渣の粒子(コーヒ
ー抽出残渣の粉砕物)をポリオールと混合した後、この
混合物にイソシアネート基を有する有機化合物を重合反
応させることにより得ることができる。この重合反応に
おいて、ポリウレタンの架橋反応がコーヒー抽出残渣の
粉砕物を介して三次元的に進行し、イソシアネート基を
有する有機化合物とポリオールとの重合体がコーヒー抽
出残渣の粒子により架橋されたポリウレタンが生成され
る。
【0017】このポリウレタンにおいて、ポリオールに
は末端に水酸基を有するポリエーテルまたはポリエステ
ルを使用することができ、たとえば、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンアジ
ペート、ポリエチレンテレフタレート等を用いることが
できる。また、イソシアネート基を有する有機化合物に
は、通常、ポリウレタンの製造に用いられる芳香族系、
脂肪族系および複素環系等のイソシアネートを使用する
ことができる。その具体例として、4,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、クールドMDI、
トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、ポリメチレンポリフェニレンイソシアネート等
がある。
【0018】また、イソシアネート基を有する有機化合
物とポリオールの重合のため、たとえばジ−n−ブチル
スズジラウリン酸等のスズ系触媒またはポリエチレンジ
アミン、テトラメチレンブタンジアミン等のアミン系触
媒が使用される。さらに、発泡ポリウレタンを得たい場
合、水等の発泡剤およびシリコン系等の界面活性剤を使
用することができる。
【0019】本発明に従うポリウレタンにおいて、コー
ヒー抽出残渣粒子の使用割合は、ポリオール100重量
部に対し、たとえば20〜70重量部、好ましくは40
〜60重量部である。
【0020】発泡体を得たい場合には、コーヒー抽出残
渣、ポリオールおよびイソシアネート基を有する有機化
合物の合計100重量部に対し、水等の発泡剤は1〜7
重量部、好ましくは2〜4重量部使用される。
【0021】本発明に従うポリウレタンは、原材料およ
び製造プロセスにより、粉末、繊維、フィルム、ブロッ
ク体、熱可塑性樹脂、ウレタンフォーム、エストラマー
等の種々の形態とすることができる。
【0022】本発明に従うポリウレタンは、親水性およ
び疎水性のいずれにすることもできるが、親水基を導入
して親水性ポリウレタンとすることで、後述するような
生分解性を向上させることができる。
【0023】また、第2の発明に従って、新規なポリウ
レタンを製造する方法が提供され、この方法は、コーヒ
ー抽出残渣の粉砕物を調製する工程と、粉砕物とポリオ
ールの混合物にイソシアネート基を有する有機化合物を
重合反応させる工程とを備える。
【0024】本発明において、コーヒー抽出残渣の粉砕
物は、乾式および湿式のいずれの方式においても調製す
ることができる。
【0025】乾式においてこの粉砕物を調製する場合、
種々の粉砕機を用いて適当な粒度のものを得ることがで
きるが、たとえば、衝撃式粉砕機を用いて1〜150μ
m、好ましくは1〜80μmの粉砕物を調製することが
できる。さらに、衝撃式粉砕機を用いる場合、分級しな
がら粉砕を行えば、粒度の揃ったより微細な粉砕物を調
製することができる。
【0026】乾式を用いる場合、所望する粒度の粉砕物
を必要に応じて種々のポリオールと混合し、重合工程に
供することができる。また、得られた粉砕物について、
ヘキサン、アセトン、エタノール等の溶媒により脱脂処
理を施すことができる。
【0027】一方、湿式においてコーヒー抽出残渣の粉
砕物を調製する場合、たとえば、ポリウレタンの原料で
あるポリオールを粉砕のための湿潤剤として用いること
ができる。湿潤剤としてのポリオールには、たとえば、
ポリプロピレングリコール等を用いることができる。ポ
リオールとコーヒー抽出残渣を混合して粉砕を行う場
合、ポリオール100重量部に対し、コーヒー抽出残渣
1〜100重量部、好ましくは20〜80重量部を混合
することができる。
【0028】また、湿式の場合、摩砕式粉砕機を用いる
ことが好ましく、この粉砕機により、0.01〜100
μm、好ましくは0.01〜30μmの粒度のコーヒー
抽出残渣粒子を調製することができる。
【0029】上述したように湿式を用いれば、ポリオー
ルとコーヒー抽出残渣を混合して粉砕することができる
ため、本発明に従うポリウレタンの製造において、抽出
残渣の粉砕と原料混合を同時に行うことができ、工程数
の低減を図ることができる。
【0030】本発明において、調製された粉砕物は、ポ
リオールとの混合物において、イソシアネート基を有す
る有機化合物と重合反応される。粉砕物とポリオールの
混合物において、粉砕物の割合は、ポリオール100重
量部に対し、100〜120重量部とすることができ
る。この混合物100重量部に対し、たとえば5〜12
0重量部のイソシアネート基を有する有機化合物が重合
反応のため添加される。重合反応されるコーヒー抽出残
渣、ポリオール、およびイソシアネート基を有する有機
化合物としては、上述したものを用いることができる。
【0031】また、重合反応には、必要に応じて、上述
したスズ系またはアミン系の触媒が添加される。さら
に、発泡体を得たい場合、水等の発泡剤およびシリコン
系等の界面活性剤等が添加される。水等の発泡剤の割合
は、コーヒー抽出残渣、ポリオールおよびイソシアネー
ト基を有する有機化合物の合計100重量部に対し、1
〜7重量部、好ましくは2〜4重量部とすることができ
る。
【0032】重合反応は、プレポリマー法およびワンシ
ョット法のいずれに従ってもよい。本発明に従うポリウ
レタンは、フォームタイプのものが典型的に使用される
が、その他に、エストラマー、塗料、接着剤、繊維、合
成皮革等にも使用することができる。
【0033】本発明に従うポリウレタンは、パッケージ
用材料、断熱材、建材、農業用資材等あらゆる分野にお
ける資材原料として用いることができる。しかし、その
中でも、後述する生分解性の特徴を生かした用途がより
好ましい。
【0034】この用途において、第3の発明に従い、農
産物の栽培に用いる容器であって、イソシアネート基を
有する有機化合物とポリオールとの重合体がコーヒー抽
出残渣の粒子により架橋されたポリウレタンを成形して
なる栽培用容器が提供される。
【0035】本発明に従うポリウレタンは、たとえば、
射出成形、押出成形等により栽培用容器の形態とするこ
とができる。
【0036】本発明に従って成形された容器は、ポット
のような底のあるものから筒型で底のないものまで種々
の形態とすることができる他、箱型で複数の区画に分け
られ、複数の苗が同時に栽培できるような形態とするこ
ともできる。
【0037】また、本発明において、容器を形成するポ
リウレタン材料中には、肥料成分となる無機成分等、種
々の有効成分を含有させることができる。
【0038】
【発明の作用効果】図1は、使用されるポリオール(具
体的にはポリプロピレングリコール)とコーヒー抽出残
渣の混合物に対するコーヒー抽出残渣の量比と、本発明
に従って得られるポリウレタンのガラス転移温度(T
g)との関係を示している。
【0039】図に示される関係を得るに当たり、乾式の
粉砕によって得られたコーヒー抽出残渣の微粒粉(〜2
00メッシュ)とポリプロピレングリコール(Mn=4
00、3官能、三井東圧化学(株))の混合物20g
に、蒸留水0.6g、Si界面活性剤(シリコーン系界
面活性剤L−5420、日本ユニカー(株))0.6
g、ジ−n−ブチルスズジラウリン酸(Sn触媒、和光
純薬工業(株))0.1gを加え、約500mlの紙コ
ップ中でホモジナイザにより攪拌した後、これにジフェ
ニルメタンジイソシアネート(CR−200、三井東圧
化学(株))を加えてさらにホモジナイザにかけ、十分
に混合し、反応が始まり発熱したところでホモジナイザ
から紙コップを外し、そのまま放置してポリウレタンフ
ォームを調製した。また、上記の工程において、コーヒ
ー抽出残渣の量は、ポリオールとの混合物20g中、0
g、2g、4g、6g、8g、10gの6水準に変えら
れた。
【0040】コーヒー抽出残渣の量が異なる6種類のポ
リウレタンフォームのガラス転移温度はそれぞれ図1に
示すとおりであり、コーヒー抽出残渣が添加されること
により、ガラス転移温度は上昇し、さらにコーヒー抽出
残渣の割合が増加するに従って、ガラス転移温度は増加
している。
【0041】このことは、ポリウレタンの架橋反応が、
コーヒー抽出残渣の粒子を介して三次元的に進行し、コ
ーヒー抽出残渣の粒子がポリウレタンの架橋を促進して
いることを示している。
【0042】このように本発明に従ってイソシアネート
とポリオールとの重合体が、さらにコーヒー抽出残渣の
粒子により架橋されたポリウレタンは、優れた機械的強
度を有するものであり、しかも難燃性の点でも優れてい
る。
【0043】本発明の栽培用容器を形成するポリウレタ
ンにおいて、コーヒー抽出残渣の粒子は、ヘミセルロー
ス、セルロース、脂質、クロロゲン酸、リグニン、およ
びタンパク質等を含み、特にヘミセルロース、セルロー
ス、リグニン等は、イソシアネート基を有する有機化合
物とポリオールとの重合体にさらに架橋構造をもたらす
と考えられる。イソシアネートとポリオールとの重合体
が、コーヒー抽出残渣の粒子によって架橋されたポリウ
レタンは、十分な機械的強度を有する一方、上述したコ
ーヒー抽出残渣の成分の多くが生物分解できるため、こ
のポリウレタンの架橋構造は生物分解が可能である。
【0044】このように、コーヒー抽出残渣の添加によ
って生物分解性を有し、機械的強度および難燃性が向上
されたポリウレタンは、幅広い用途を有するものであ
り、本発明は、コーヒー抽出残渣の再利用を飛躍的に促
進するものである。
【0045】本発明に従って生物分解性のポリウレタン
から形成される栽培用容器は、土中の微生物等による分
解作用を受けるため、容器ごと植物を耕地に移植しても
さしつかえない。たとえば、図2に示すように、この発
明に従うポット1で苗2を成長させた後(図2
(a))、ポット1ごと苗2を耕地3に植えると(図2
(b))、土中でポットは生物分解を受けるため、苗の
根はポットに成長を妨げられることなく、大きく伸長し
ていく(図2(c))。
【0046】さらに、上述した成分を含むコーヒー抽出
残渣は、土中の微生物の活動を促進させ、植物体への養
分の供給源となる。
【0047】このように、本発明に従う栽培用容器は容
器ごと移植できるので、移植作業の労力を大幅に軽減す
る。
【0048】また、本発明に従ってポリウレタンから形
成される容器は、十分な機械的強度を有するうえ、ほと
んど湿潤されないため、紙を主原料とする容器のように
湿潤による強度低下という問題がない。
【0049】さらに、ポリウレタンで形成される容器
は、断熱性が高いため、外気の厳しい温度変化に対して
苗木を保護することもできる。
【0050】
【実施例】以下に示す原料および試薬を用いてポリウレ
タンフォームを調製した。
【0051】コーヒー抽出残渣:缶コーヒーを製造した
後のコーヒー抽出残渣を気流乾燥機で水分4%に乾燥し
たもの ポリオール:ポリプロピレングリコール(PPG、Mn
=400、3官能、三井東圧化学(株)) イソシアネート基を有する有機化合物:ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI、CR−200、三井東圧
化学(株)) 反応触媒:ジ−n−ブチルスズジラウリン酸(Sn触
媒、和光純薬工業(株)) 整泡剤:シリコン系界面活性剤L−5420(Si界面
活性剤、日本ユニカー(株)) 発泡剤:蒸留水 実施例1 上記コーヒー抽出残渣を、乾式において衝撃式粉砕機に
より粉砕した。粉砕物をアセトン中に入れて脱脂し、乾
燥を行なってオイルフリーパウダーを得た。
【0052】得られた微粒子をステンレス性メッシュフ
ィルタにかけ、50メッシュ、100メッシュ、150
メッシュ、200メッシュにそれぞれ捕捉される粒子、
および200メッシュを通過する粒子の5種類のメッシ
ュの異なる微粒子を得た。
【0053】このようにして得られたコーヒー抽出残渣
の粒子6gとPPG14gをホモジナイザを用いて合わ
せた混合物に、蒸留水0.6g、Si界面活性剤0.6
g、Sn触媒0.1gを添加し、さらにMDI24gを
加えてホモジナイザにかけ、反応が始まり発熱してきた
ところで、そのまま放置して発泡させ、ポリウレタンフ
ォームを調製した。このようなポリウレタンフォームの
調製を、メッシュの異なる5種類の微粉末について行な
った。
【0054】図3に、コーヒー抽出残渣の粒子径と得ら
れたポリウレタンフォームの弾性率(E)および密度と
の関係を示す。図に示すように、コーヒー抽出残渣の粒
子が細かくなるとともに弾性率は増加している。この図
から明らかなように、コーヒー抽出残渣の粒子は細かい
ほどMDIとの反応点が増加し、その結果、架橋反応が
進行し、弾性率が高くなると考えられた。
【0055】また、200メッシュを通過する粒子を用
いた場合、ウレタンフォームの成形は容易に行うことが
でき、発泡はメッシュの粗いものに比べて理想的に行わ
れている。外見的にもこの粒子を用いたものが非常に優
れていた。
【0056】実施例2 上記コーヒー抽出残渣を、乾式により衝撃式粉砕機を用
いて60〜80メッシュの粒子に調製した。次に、調製
した粒子6gとPPG14gをホモジナイザを用いて混
合した。
【0057】この混合物に蒸留水0.6g、Si界面活
性剤0.6g、Sn触媒0.1gを添加し、さらにMD
Iを添加して実施例1と同じ方法によりポリウレタンフ
ォームを調製した。ポリウレタンフォームの調製に当た
り、MDIの量は、16g、20g、24g、28g、
32gの5水準でそれぞれ添加され、5種類のウレタン
フォームが調製された。
【0058】図4に、MDIに対するPPGとコーヒー
抽出残渣粒子の混合物の比(MDI/Polyol)と
得られたポリウレタンフォームの弾性率(E)および密
度との関係を示す。図は、MDI/Polyolが増加
するとともに1.4までは弾性率が増加し、それ以上で
はさほど変化しないことを示している。このように、あ
る範囲では、MDI量が増加すると、密度が減少するに
も関わらずMDIとポリオールおよびコーヒー抽出残渣
の混合物との架橋反応が進み、三次元化するため、弾性
率は増加している。この実施例では、MDI/Poly
olが1.2の場合、ウレタンフォームの成形も容易に
行うことができ、発泡も理想的に安定した状態で行われ
た。外見的にもこの条件で成形したものが非常に優れて
いた。また、この条件で形成されたフォームは応力も高
く、歪みは小さかった。
【0059】実施例3 以下に示す原料および試薬を用いてポリウレタンフォー
ムを調製した。
【0060】コーヒー抽出残渣:缶コーヒーを製造した
後のコーヒー抽出残渣を気流乾燥機で水分4%に乾燥し
たもの ポリオール:ポリプロピレングリコール(PPG、Mn
=400、三官能、三井東圧化学(株)) イソシアネート基を有する有機化合物:ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI、CR−200、三井東圧
化学(株)) 反応触媒:ジ−n−ブチル錫ジラウリン酸(Sn触媒、
和光純薬工業(株)) 整泡剤:シリコン系界面活性剤L−5420(Si界面
活性剤、日本ユニカー(株)) 発泡剤:蒸留水 上記コーヒー抽出残渣を、乾式により衝撃式粉砕機を用
いて200〜400メッシュの粒子に調製した。次に、
調製した粒子6gとPPG14gをホモジナイザーを用
いて懸濁・混合した。
【0061】この混合物に蒸留水0.6g、Si界面活
性剤0.6g、Sn触媒0.1gを添加し、さらにMD
Iを24g添加してホモジナイザーにかけ、反応が始ま
り発熱してきたところでそのまま放置して発泡させ、ポ
リウレタンフォームを調製した。
【0062】以上の工程により調製したポリウレタンフ
ォームについて、カッターで切出成型を行ない、栽培用
ポットを作製した。この栽培用ポットは十分な強度を有
するとともに、これを用いてレタスの苗を栽培し、ポッ
トごと圃場に移植を行なったところ、土中において50
日間でポットは分解され、良好な苗の成長が認められ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーヒー抽出残渣の粒子とポリオールとの混合
物に占めるコーヒー抽出残渣の割合と、得られたウレタ
ンフォームのガラス転移温度との関係を示す図である。
【図2】本発明の栽培用ポットの使用例を示す断面図で
ある。
【図3】コーヒー抽出残渣の粒子径と得られたポリウレ
タンフォームの弾性率(E)および密度との関係を示す
図である。
【図4】MDIのコーヒー抽出残渣とポリオールの混合
物に対する比と、得られたウレタンフォームの弾性率
(E)および密度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ポット 2 苗 3 耕地
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明に従うポリウレタンは、原材料およ
び製造プロセスにより、粉末、繊維、フィルム、ブロッ
ク体、熱可塑性樹脂、ウレタンフォーム、エラストマー
等の種々の形態とすることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】重合反応は、プレポリマー法およびワンシ
ョット法のいずれに従ってもよい。本発明に従うポリウ
レタンは、フォームタイプのものが典型的に使用される
が、その他に、エラストマー、塗料、接着剤、繊維、合
成皮革等にも使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠山 兵衛 茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技 術院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 廣瀬 重雄 茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技 術院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 中村 邦雄 埼玉県入間郡日高町武蔵台7−10−6 (72)発明者 安井 甫 大阪府高槻市辻子3丁目3番1号 ユーシ ーシーテクノ・デベロップメント株式会社 生産技術部内 (72)発明者 三宅 正徳 大阪府高槻市辻子3丁目3番1号 ユーシ ーシーテクノ・デベロップメント株式会社 生産技術部内 (72)発明者 平澤 久紀 大阪府高槻市辻子3丁目3番1号 ユーシ ーシーテクノ・デベロップメント株式会社 生産技術部内 (72)発明者 上田 定夫 大阪府高槻市辻子3丁目3番1号 ユーシ ーシーテクノ・デベロップメント株式会社 生産技術部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソシアネート基を有する有機化合物と
    ポリオールとの重合体がコーヒー抽出残渣の粒子により
    架橋された、新規なポリウレタン。
  2. 【請求項2】 コーヒー抽出残渣の粉砕物を調製する工
    程と、 前記粉砕物とポリオールとの混合物にイソシアネート基
    を有する有機化合物を重合反応させる工程とを備える、
    新規なポリウレタンの製造方法。
  3. 【請求項3】 農産物の栽培に用いる容器であって、 イソシアネート基を有する有機化合物とポリオールとの
    重合体がコーヒー抽出残渣の粒子により架橋されたポリ
    ウレタンを成形してなる、栽培用容器。
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