JPH0624734A - アモルファスアルミノシリケートの連続製造方法 - Google Patents

アモルファスアルミノシリケートの連続製造方法

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JPH0624734A
JPH0624734A JP17818192A JP17818192A JPH0624734A JP H0624734 A JPH0624734 A JP H0624734A JP 17818192 A JP17818192 A JP 17818192A JP 17818192 A JP17818192 A JP 17818192A JP H0624734 A JPH0624734 A JP H0624734A
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salt
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裕 今村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高吸油性及び高いイオン交換特性を有し、か
つ濾過速度が速いアモルファスアルミノシリケートの連
続製造方法を提供する。 【構成】 多段反応槽式反応器又は管型反応器にアルカ
リ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩とアルミン酸ア
ルカリ金属塩とケイ酸アルカリ金属塩とを、反応すべき
溶液がモル比で 0.5〜8MxO:Al2O3:1〜7SiO2:50〜
1500H2O(但し、M はアルカリ金属、アルカリ土類金属
又はこれらの混合物を表し、x は1又は2である。)で
示される組成を有するように連続的に注入し、かつこれ
らの中の少なくとも一つは複数箇所に連続的に注入して
反応させ、アモルファスアルミノシリケートを析出さ
せ、分離することによりアモルファスアルミノシリケー
トを連続的に製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アモルファスアルミノ
シリケートの連続製造方法に関するものであり、更に詳
しくは、安価で、高吸油性及び高いイオン交換特性を有
し、さらには反応スラリーの固液分離速度が高く、固液
分離が簡単にできる特徴をもつアモルファスアルミノシ
リケートの連続製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】これま
でに、高吸油性の無機担体としては、ホワイトカーボン
と称されている無定形含水シリカが知られており、その
特性を利用してゴム用填料、製紙用など多くの用途が開
発されている。しかし、無定形含水シリカは、その表面
電位が負であるため、例えば製紙用填料として用いた場
合、パルプの負の表面電位と反発し、その歩留りが悪く
好ましくない。又、無定形含水シリカは、その空隙率が
高い、表面水酸基、吸着水を多く含む等の理由により、
屈折率の点に関しても、他の一般のシリカよりも低い値
を示し、印刷後の紙の不透明性保持の点で不利となり好
ましくない。
【0003】また、高吸油性の無機担体としては、エア
ロジルと称されている乾式シリカが知られており、ゴ
ム、プラスチック用の充填剤などとして利用されている
が、このものは高価であり、製紙業等の安価な原料が要
求される分野での利用には適さないものである。また、
「フローライト(Florite)」の商標名で市販されている
花弁状ケイ酸カルシウム粉末は、 500〜600 ml/100 g
という非常に高い吸油性を示すが、このものは高価であ
り、かつ製紙用として用いるとピッチトラブルの発生原
因となるなどの欠点を有している。
【0004】これらの高吸油性無機担体は、上記した欠
点の他に、イオン交換能がないという欠点を有してお
り、水の軟化作用を必要とする用途、例えば、洗剤ビル
ダー、農薬用担体、或いはCa、Mgイオンなどのイオン性
不純物に起因するスケール発生を防止するための用途に
は不適である。
【0005】イオン交換能の高い物質としては、ゼオラ
イトと称される結晶性アルミノシリケートがよく知られ
ており、特に、合成ゼオライト4A型は、実際に合成洗
剤用ビルダーとして現在大量に用いられている。しか
し、ゼオライトは、それ自身が1〜10μm の密につまっ
た結晶粒子であり、分子オーダーの穴は多数あいている
ものの、吸油能に関するマクロな空隙の保持率は甚だ小
さく、その吸油能は高々60ml/100 g程度であり、油
中、水中での高分散性は期待できず、高吸油性が要求さ
れる用途には用いることが出来ない。また、「ゼオレッ
クス(Zeolex) 」の商標名で市販されている無定形のア
ルミノシリケート粉末はホワイトカーボン等と同様の用
途があるが、吸油量、イオン交換能共に低いものであ
る。
【0006】一方、無定形(アモルファス)アルミノシ
リケートの連続製造方法については、従来より種々検討
されている。例えば、特開昭57−61613号公報の
「粒状無定形アルミノ珪酸塩の連続製造方法」によれ
ば、アルミン酸アルカリ水溶液を第一段反応槽に連続的
に供給し、かつ、珪酸アルカリ水溶液を第一段を含めた
複数段の反応槽に分割供給する方法が示されているが、
この方法により得られるアルミノシリケートは吸油能が
低く、かつ、固液分離での濾過速度も満足すべきもので
なかった。さらに、特開昭55−140713号公報の
「X線回折法で無定形の微粒子状アルミノ珪酸ナトリウ
ムのアルカリ性水性懸濁液の連続的製造法」について
も、基本的には、上記同様にアルミン酸アルカリ水溶液
を第一段反応槽に連続的に供給し、かつ、珪酸アルカリ
水溶液を第一段を含めた複数段の反応槽に分割供給する
方法である。この方法により得られるアルミノシリケー
トも吸油能が低く、かつ、固液分離での濾過速度も満足
すべきものでなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、安価で、少なく
とも150 ml/100 g以上の高い吸油能を有し、さらに60
mg CaCO3/g以上の高いイオン交換能を兼ね備えたアモ
ルファスアルミノシリケートで、かつ反応スラリーから
製品を取り出す固液分離工程において濾過速度が非常に
速い特性を持ったアモルファスアルミノシリケートを生
産効率よく連続的に製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来技術の有する問題点を解決するために鋭意検討
を重ねた結果、高吸油能で、高いイオン交換能を有し、
反応スラリーの濾過速度の非常に速いアモルファスアル
ミノシリケートの連続製造方法を見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】即ち、本発明は、アルミン酸アルカリ金属
塩とケイ酸アルカリ金属塩をアルカリ金属塩及び/又は
アルカリ土類金属塩の存在下に10〜100 ℃の温度で反応
させ、その際反応すべき溶液がモル比で 0.5〜8MxO:Al2O3:1〜7SiO2:50〜1500H2O (但し、M はアルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれ
らの混合物を表し、x は1又は2である。)で示される
組成を有するようにすることによってアモルファスアル
ミノシリケートを連続的に製造する方法であって、多段
反応槽式反応器又は管型反応器にアルカリ金属塩及び/
又はアルカリ土類金属塩と、アルミン酸アルカリ金属塩
と、ケイ酸アルカリ金属塩とを連続的に注入して、かつ
これらの中の少なくとも一つは反応器の複数箇所に連続
的に注入して反応させ、アモルファスアルミノシリケー
トを析出させ、分離することを特徴とするアモルファス
アルミノシリケートの連続製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明の高吸油性、高イオン交換能の特性
と濾過速度の非常に速い特徴を持つアモルファスアルミ
ノシリケートを連続的に製造するための原料は、(a) ア
ルミン酸アルカリ金属塩水溶液と、 (b)ケイ酸アルカリ
金属塩水溶液と、(c) アルカリ金属塩及び/又はアルカ
リ土類金属塩である。本発明においてアルカリ金属と
は、周期律表IA族に属するものであり、アルカリ土類
金属とは、周期律表IIA族に属するものであり、これら
は2種類以上の混合物でも用いることができるが、通常
はナトリウムが有利である。
【0011】次に本発明で用いる(a) アルミン酸アルカ
リ金属塩水溶液、(b) ケイ酸アルカリ金属塩水溶液、
(c) アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、及
び(d)無機酸、有機酸、酸性塩について説明する。 (a) アルミン酸アルカリ金属塩水溶液 アルミン酸アルカリ金属塩水溶液は、市販品を用いても
良いが、水酸化アルミニウム、活性アルミナなどのアル
ミニウム源(通常は水酸化アルミニウム)を水酸化アル
カリで加熱溶解させ、高濃度かつ低アルカリのアルミン
酸アルカリ金属塩水溶液をまず調製する。この際の高濃
度溶液の調製は、アルミニウム源を水酸化アルカリで加
熱溶解した後に急冷することにより安定化されるが、よ
り低アルカリのものについては必要量をその都度調製す
ることが望ましい。本発明で用いるアルミン酸アルカリ
金属塩水溶液に関しては、MxO とAl2O3 のモル比がMxO
/Al2O3=0.5〜6.0 の範囲であることが望ましく、1.0
〜3.0 の範囲が特に好ましい。以後、アルミン酸アルカ
リ金属塩水溶液を (a)液と略す。
【0012】(b) ケイ酸アルカリ金属塩水溶液 ケイ酸アルカリ金属塩水溶液は市販品を用いることがで
きるが、SiO2とMxOのモル比がSiO2/MxO =1.0 〜4.0
の範囲にあるものを用いるのが望ましい。MxO としては
Na2Oが通常用いられる。以後、ケイ酸アルカリ金属塩水
溶液を (b)液と略す。
【0013】これら(a) 液、(b) 液は、水、アルカリ水
(例えば、NaOH、KOH 、Ca(OH)2 、LiOH等の水溶液)、
アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩水溶液を
用いて適宜のモル比及び濃度に調整して用いることもで
きる。
【0014】 (c) アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩 アルカリ金属、アルカリ土類金属としては周期律表IA
族、IIA族より、カリウム、ナトリウム、リチウム、マ
グネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられ、これ
らの塩としては、K2CO3, KCl, K2SO4, CH3COOK, Na2C
O3, NaHCO3, NaCl, Na2SO4, CH3COONa, CaCl2, Ca(NO3)
2, (CH3COO)2Ca・H2O, Li2SO4・H2O, LiCl, BaCl2, MgC
l2, MgSO4, C6H5Na3O7等が挙げられるが、これらに限定
されるものでなく、また、これらの2種類以上の混合物
で調製しても良い。以後、アルカリ金属塩及び/又はア
ルカリ土類金属塩水溶液をアルカリ塩水溶液と略す。
【0015】(d) 無機酸、有機酸、酸性塩 無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、炭酸(CO2) 、燐酸
等が挙げられ、有機酸としては、蟻酸、酢酸、酪酸、カ
プロン酸、アクリル酸、蓚酸、コハク酸、アジピン酸、
安息香酸、クエン酸等が挙げられる。また酸性塩として
は前記無機酸又は有機酸の塩であり、例えば、燐酸ナト
リウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の
不完全中和塩が挙げられるが、これらに限定されるもの
でなく、これら1種類でもまた2種類以上の混合物でも
かまわない。
【0016】以下に本発明の反応方法を詳しく説明す
る。反応すべき溶液の組成は、モル比でAl2O3 1モルに
対して、SiO2は1〜7モルである。好ましくは2〜6モ
ルである。SiO2が1モルより少ない場合はAl2O3 が未反
応として製品中に残存し悪影響を与える。また、SiO2
7モルより多い場合は、SiO2が未反応として製品中に残
存し悪影響を与える。(a) 液、(b) 液及びアルカリ水か
ら供給されるMxO のモル比はAl2O3 1モルに対して 0.5
〜8モルであり、好ましくは1〜5モルである。 0.5モ
ルより少ない場合は、反応が不十分となり、8モルより
多い場合は結晶化が進み、目的とするアモルファスアル
ミノシリケートが得られ難く、かつ過剰アルカリの回収
が困難となる。H2Oのモル比はAl2O3 1モルに対して50
〜1500モルであり、好ましくは 100〜1300モルである。
50モルより少ない場合は反応系が高濃度となり、結晶化
が進みアモルファスアルミノシリケートが得られ難い。
1500モルより多い場合は系濃度が希薄すぎて生産効率が
非常に低下する。
【0017】本発明は、連続式反応器を用いて、前記各
水溶液を連続的に反応系に供給し、反応させることを骨
子とするものである。反応設備については、図1に示す
ような少なくとも2基以上の反応槽を有する多段反応槽
式反応器、また図2及び3に示すような管型反応器が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。原料の
滴下方法及び反応方法は、下記に示されるように種々の
方法が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0018】1. 反応原料であるアルカリ塩水溶液、
(a) 液、(b) 液、及び必要に応じて水、アルカリ水それ
ぞれを各段反応槽へ、所定の比率で滴下する方法。 2. アルカリ塩水溶液及び(a) 液(予め2液を混合して
も良い)を第一段反応槽のみに供給し、これに(b) 液、
必要に応じて水、アルカリ水それぞれを各段反応槽へ、
所定の比率で滴下する方法。 3. アルカリ塩水溶液及び(b) 液(予め2液を混合して
も良い)を第一段反応槽のみに供給し、これに(a) 液、
必要に応じて水、アルカリ水それぞれを各段反応槽へ、
所定の比率で滴下する方法。 4. アルカリ塩水溶液と(a) 液及び(b) 液を所定の比率
で予備反応させ、これを第一反応槽に供給し、第一段を
含む各段反応槽へ、残部の原料、必要に応じて水、アル
カリ水それぞれを各段反応槽へ、所定の比率で滴下する
方法。
【0019】図1は、本発明を実施するに適した多段反
応槽式反応器の一例を示したものである。以下、本発明
を図1に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。先ず、アルカリ塩水溶液の調製方法
としては、反応スラリー又は反応スラリーの濾過濾液を
塩酸、硫酸、炭酸、クエン酸等の無機酸又は有機酸で中
和、濾過して得られる濾液(以後、母液と略す)を用い
ることができる。一方、水から調製する一方法として
は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カルシ
ウム等を溶解して使用できる。アルカリ塩水溶液の塩濃
度は反応系に対して0.05〜25重量%(以下、単に%と略
記する)が好ましく、更に好ましくは2〜12%である。
塩濃度が0.05%より低い場合には、濾過速度が遅く、ま
た25%より高いと反応の完結が阻害される。
【0020】このアルカリ塩水溶液と(a) 液及び(b) 液
の3液を反応槽Aに連続的に添加する。反応槽Aでの平
均滞留時間は5秒から30分であり、好ましくは20秒から
5分である。反応温度は10〜100 ℃、望ましくは20〜65
℃にする。また、反応槽AでのMxO 濃度が0.1 〜5%、
望ましくは0.1 〜2.5 %になるように、(a) 液、(b)液
及びアルカリ塩水溶液の3液の添加量を調整する。
【0021】反応槽Bでは、反応槽Aから流入する反応
液(反応液Aと略す)に、アルカリ塩水溶液及び(a) 液
を全使用量の0〜50%、望ましくは0〜20%添加する。
また、(b) 液を全使用量の5〜50%、望ましくは10〜40
%添加する。さらには、アルカリ水、水の滴下により反
応槽Bの反応系のアルカリ濃度、固形分濃度の調整によ
り、高性能のアモルファスアルミノシリケートの反応が
可能になる。反応槽Cでも、反応槽Bより流入する反応
液(反応液Bと略す)に、アルカリ塩水溶液及び (a)液
を全使用量の0〜50%、望ましくは0〜20%添加する。
また、 (b)液を全使用量の5〜50%、望ましくは10〜40
%添加する。さらには、アルカリ水、水の滴下により反
応槽Cの反応系のアルカリ濃度、固形分濃度の調整をす
ることができる。順次、この様にして多段での反応を行
うものである。
【0022】反応温度が高いもの程、高いイオン交換能
を示すものが得られる。しかし、あまり高くなりすぎる
と、得られるアモルファスアルミノシリケートの吸油能
が低くなる。両物性共に高いものを得るためには、反応
温度は10〜100 ℃の範囲が望ましく、特に20〜65℃の範
囲の温度が望ましい。反応系の濃度は、アルミン酸アル
カリ金属塩とケイ酸アルカリ金属塩とを反応させて生成
するアモルファスアルミノシリケートの濃度が反応終了
時で 0.5〜30%であることが好ましく、更に好ましくは
1.5 〜25%である。
【0023】反応時間(少なくとも2基以上の反応槽に
おける合計滞留時間)は1分から120分であるが、通常
は3分から60分が望ましい。反応時間が1分未満の場
合、吸油能が低く、濾過速度も遅い。一方、 120分を越
えた場合、生成品の粒子が大きくなり吸油能が低くな
る。さらに、各反応槽での滞留時間は均等であっても、
均等でなくても良い。
【0024】連続式反応器における反応帯域(多段反応
槽式反応器については反応槽、管型反応器については原
料注入部位)の数は2以上10以下が望ましく、通常は2
から6が用いられる。1では十分な性能(吸油能、イオ
ン交換能)が得られず、10を越えると、設備が複雑にな
り連続化の利点がなくなる。熟成槽については、最終反
応槽から流入する反応液を受け入れ、10〜100 ℃で1〜
120 分の熟成を行う。それ程強い攪拌は必要でない。こ
の熟成は、反応系をそのままの状態に保ったまま行うの
が望ましいが、一部濾過或いはデカンテーション等によ
り濃縮した後に行ってもよい。
【0025】この反応スラリーを固液分離、例えば濾過
して湿潤ケーキを得る。このケーキをそのまま又は水洗
処理した後、乾燥して微粉末のアモルファスアルミノシ
リケートを得る。一方、濾液は、そのまま、或いは酸で
中和、濾過した後、塩濃度、アルカリ濃度を調整してリ
サイクル使用することもできる。また、反応スラリーを
中和して、濾過して、濾液をリサイクルすることも可能
である。反応生成物中の過剰アルカリを無機酸、有機酸
及び酸性塩から選ばれる1種以上の酸剤で中和すること
で、固液分離における分離速度、例えば、濾過工程で濾
過速度が非常に速く、かつ製品に残存するアルカリによ
る性能劣化が容易に防止できる。反応スラリーの中和方
法は、炭酸のような弱酸の場合、スラリーに直接添加し
ても製品の性能に悪影響を及ぼさない。塩酸、硫酸のよ
うな強酸の場合は、十分に希釈して用いるか、又は間接
的な中和方法として、固液分離機にて分離された濾液に
中和剤を添加して、中和された液と、固液分離で得られ
た固形分を混合するマイルドな中和方法が好ましい。
【0026】ここに詳しく説明したように、多段反応槽
式反応器にアルカリ塩水溶液、アルミン酸アルカリ金属
塩水溶液、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液、必要に応じて
アルカリ水及び水のそれぞれ所定量を滴下することによ
り、各反応槽のアルカリ濃度、固形分濃度、反応温度、
滞留時間などを管理し、高吸油能、高イオン交換能を有
するアモルファスアルミノシリケートを連続的に製造す
ることができる。
【0027】本発明の方法によって得られたアモルファ
スアルミノシリケートは、これまでにない高吸油能を有
し、かつ高いイオン交換能及び従来の製紙用ホワイトカ
ーボンより高い屈折率を有するため、従来の製紙用ホワ
イトカーボンより以上の機能性を有する無機材料と言う
ことができる。また、界面活性剤と本発明によるアモル
ファスアルミノシリケートを配合することにより、優れ
た洗浄力を有する洗浄剤を得ることができる。更に、こ
れら多くの機能を有するため、紙用、特に軽量紙用の填
料をはじめとして、ガス、香料の吸着担体、洗剤、歯磨
用添加剤、皮脂コントロール剤、農薬用添加剤、塗料用
添加剤、セラミックバインダー用添加剤など多くの用途
分野への適用が考えられる。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により、生産効率の非常に
高く、安価なアモルファスアルミノシリケートが安定的
にかつ連続的に生産できる。性能的にも、少なくとも15
0 ml/100 g以上の高い吸油能を有し、さらに、60mg C
aCO3/g以上の高イオン交換能を兼ね備え、かつ反応ス
ラリーから製品を取り出す固液分離工程において濾過速
度が非常に速い特性を持ったアモルファスアルミノシリ
ケートの製造方法である。
【0029】
【実施例】次に実施例により、本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、組成、濃度における%は全て重量%であ
る。以下の実施例においては、図1に示したような4枚
の邪魔板2、タービン型攪拌機1、外套4を備えた反応
器3を3〜6個有する多段反応槽式反応器(各反応槽を
反応槽A〜Fとする、容量50cc/1槽)と熟成槽1基
(容量500cc)から構成される反応装置を用いた。タービ
ン型攪拌機1の攪拌速度は、反応槽においては周速度で
2.6 m/sec.以上とし、熟成槽においては1m/sec.に
調整した。
【0030】以下の実施例で使用した原料の調製方法と
してアルミン酸アルカリ金属塩水溶液は、Al(OH)3 に48
%NaOH水溶液を加え、120 ℃に加熱、溶解することによ
り調製した。Na2O/Al2O3 モル比は1.15であり、Al2O3
含有量は29%であった。ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
は、市販の3号水ガラスを用いた。SiO2/Na2Oモル比は
3.15であり、SiO2純分は29.3%であった。このものを水
にて3倍希釈して用いた。アルカリ塩水溶液として、反
応系の塩濃度調整のため、水、5%芒硝水溶液、反応系
回収母液(炭酸ソーダ 6.1%と微量のSiO2を含む) を、
また、アルカリ濃度調整液として10%NaOH水溶液を用い
た。
【0031】連続的に流出する生成物から試料を採取
し、分析するため、別個に実験室的方法で中和(必要に
応じて)、濾過、必要に応じて洗浄(濾過ケーキの倍量
の水でリスラリー化して濾過)し、これらのケーキを 1
05℃、350torr 、10時間乾燥した試料を後述する方法に
て測定した。表1〜3中の塩濃度は、反応系に添加され
た塩及び反応後に中和されて生成した製品中の塩濃度を
示す。生成系の組成は乾燥製品中の組成を示す。
【0032】実施例1〜4 アルミン酸アルカリ金属塩水溶液、ケイ酸アルカリ金属
塩水溶液及びアルカリ塩水溶液を表1に記載した濃度、
分配比で連続的にそれぞれ多段反応器にそれぞれの段か
ら送入し、1段目の反応液が2段目にオーバーフローす
ると同時に2段目の原料を送入し、順次このように送入
して、熟成槽からオーバーフローして系が安定した時点
で、試料を採取し、組成を分析し、下記方法により吸油
能、強熱減量、Caイオン交換能、濾過速度を測定した。
これらの条件及び結果を表1に示した。尚、熟成温度は
60℃で滞留時間は30分とした。
【0033】(1) 吸油能 試料を乳鉢で粉砕し、JIS K 6220の吸油量測定法によっ
て測定した。 (2) 強熱減量 予め800 ℃、1時間の空焼きをし、デシケータ中で恒量
に達した磁性ルツボに試料数gを投入し、精秤する。次
いで 800℃、1時間電気炉中で強熱し、デシケータ中で
恒量に達した重量を精秤することにより強熱減量を重量
%で求めた。
【0034】(3) Caイオン交換能 試料を、強熱減量より算出した無水物換算で 0.1g精秤
し、塩化カルシウム溶液(CaCO3にして500ppm)100ml中に
加え、25℃で15分間攪拌し、東洋濾紙(株)製 No.5C
2枚を重ねた吸引濾過を行い、濾液50mlを取って濾液中
のCaをEDTA滴定し、その値より試料のCa交換能を求
めた(単位はCaCO3mg/g)。尚、Caイオン交換能は、粉体
の洗浄が不十分であると、かなり高めに評価される。つ
まり、過剰のアルカリイオンが残存すると、空気中の C
O2ガスと反応して炭酸塩をつくり、これが見掛け上Caイ
オン交換能を高く見せる。従って、測定試料は十分に洗
浄されたものでないとならない。
【0035】(4) 濾過速度 ヌッチェと吸引瓶を用いて、試料を下記条件で減圧濾過
して濾過速度を求めた。 ・濾過温度 25℃〜27℃ ・濾過圧力 350torr ・濾材(濾紙) 東洋濾紙(株)製 No.5C ・試料重量 ケーキ厚みが15〜17mmになる量 濾過器の圧力を350torr に調整し、このヌッチェに試料
を入れて濾過する。試料投入時点からヌッチェ上にスラ
リー又は液体がなくなり、濾液にガスが混入する時点ま
でを濾過時間(Hr) として、濾過面積(m2) 、試料重量
(kg)から濾過速度を求める(単位はkg/m2・Hrとし
た)。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5〜6 アルミン酸アルカリ金属塩水溶液、ケイ酸アルカリ金属
塩水溶液、アルカリ塩水溶液、10%NaOH水溶液、イオン
交換水それぞれを表2に記載した濃度、分配比で連続的
にそれぞれ多段反応器にそれぞれの段から送入し、1段
目の反応液が2段目にオーバーフローすると同時に2段
目の原料を送入し、順次このように送入して、熟成槽か
らオーバーフローして系が安定した時点で、試料を採取
し、組成を分析し、実施例1〜4と同様の方法により吸
油能、強熱減量、Caイオン交換能、濾過速度を測定し
た。これらの条件及び結果を表2に示した。尚、熟成温
度は60℃で滞留時間は30分とした。
【0038】実施例7 本実施例では予備反応物を用いて行った。すなわち、4
枚の邪魔板、タービン型攪拌機、外套を備えた5リット
ルの反応器に、3926gのアルカリ塩水溶液に191 gのア
ルミン酸アルカリ金属塩水溶液を混合し、これに350 g
のケイ酸アルカリ金属塩水溶液を3分で均等滴下して予
備反応物を準備した(反応温度40℃、攪拌機の攪拌速度
は周速度で 2.6m/sec.に調整した)。この予備反応物
を第一段反応器に供給し、 650gのケイ酸アルカリ金属
塩水溶液を表2に記載した濃度、分配比で連続的に多段
反応器に滴下し、1段目の反応液が2段目にオーバフロ
ーすると同時に2段目の原料を送入し、順次このように
送入して、熟成槽からオーバーフローして系が安定した
時点で、試料を採取し、組成を分析し、実施例1〜4と
同様の方法により吸油能、強熱減量、Caイオン交換能、
濾過速度を測定した。これらの条件及び結果を表2に示
した。尚、熟成温度は60℃で滞留時間は30分とした。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1〜4 アルミン酸アルカリ金属塩水溶液、ケイ酸アルカリ金属
塩水溶液及びイオン交換水を表3に記載した濃度、分配
比で連続的にそれぞれ多段反応器(但し比較例1は1段
反応器)にそれぞれの段から送入し、1段目の反応液が
2段目にオーバーフローすると同時に2段目の原料を送
入し、順次このように送入して、熟成槽からオーバーフ
ローして系が安定した時点で、試料を採取し、組成を分
析し、実施例1〜4と同様の方法により吸油能、強熱減
量、Caイオン交換能、濾過速度を測定した。これらの条
件及び結果を表3に示した。尚、熟成温度は60℃で滞留
時間は30分とした。
【0041】
【表3】
【0042】表3から明らかなように、比較例1は一段
反応器であるため吸油能及びイオン交換能が悪く、アル
カリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が存在しない
ため濾過速度が遅い。比較例2及び3は三段反応器であ
るため吸油能及びイオン交換能は良いが、アルカリ金属
塩及び/又はアルカリ土類金属塩が存在しないため濾過
速度が遅い。比較例4は高濃度反応であるため吸油能が
悪く、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が
存在しないため濾過速度が遅い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる多段反応槽式反
応器の一例を示す略示断面図である。
【図2】本発明の製造方法に用いられる管型反応器の一
例を示す略示断面図である。
【図3】本発明の製造方法に用いられる管型反応器の別
の例を示す図であり、(a) が略示断面図、(b) が略示平
面図である。
【符号の説明】
1 攪拌機 2 邪魔板 3 反応器 4 外套

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミン酸アルカリ金属塩とケイ酸アル
    カリ金属塩をアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
    属塩の存在下に10〜100 ℃の温度で反応させ、その際反
    応すべき溶液がモル比で 0.5〜8MxO:Al2O3:1〜7SiO2:50〜1500H2O (但し、M はアルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれ
    らの混合物を表し、x は1又は2である。)で示される
    組成を有するようにすることによってアモルファスアル
    ミノシリケートを連続的に製造する方法であって、多段
    反応槽式反応器又は管型反応器にアルカリ金属塩及び/
    又はアルカリ土類金属塩と、アルミン酸アルカリ金属塩
    と、ケイ酸アルカリ金属塩とを連続的に注入して、かつ
    これらの中の少なくとも一つは反応器の複数箇所に連続
    的に注入して反応させ、アモルファスアルミノシリケー
    トを析出させ、分離することを特徴とするアモルファス
    アルミノシリケートの連続製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
    金属塩を反応系に対して0.05〜25重量%存在させる請求
    項1記載のアモルファスアルミノシリケートの連続製造
    方法。
  3. 【請求項3】 反応生成物中の過剰アルカリを無機酸、
    有機酸及び酸性塩から選ばれる1種以上で中和する請求
    項1又は2記載のアモルファスアルミノシリケートの連
    続製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015527182A (ja) * 2012-06-11 2015-09-17 ズィーエス・ファーマ,インコーポレーテッド 改良した微多孔性ケイ酸ジルコニウムの製造
US10308516B2 (en) 2013-07-09 2019-06-04 Mitsubishi Chemical Corporation Zeolite production method

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