JPH0624662Y2 - 微粉炭サイクロン分配器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は石炭焚濃淡混合燃焼バーナに適用される微粉炭
の分配器に関する。

〔従来の技術〕

現在使用されている微粉炭の濃淡混合燃焼バーナ（低NO
xバーナ）は、ウイークバーナとコンクバーナの組合せ
で構成されている。ウイークバーナは燃焼用空気に対し
て燃料が少く（稀薄）、コンクバーナは燃焼用空気に対
して燃料を多く（濃縮）して焚くことを特徴としてい
る。そのためにバーナ入口手前で燃料の濃、薄層を作り
その上でこれを各バーナにそれぞれ分配して送り込む装
置を有しているが、これが分配器と呼ばれている。

第３図及び第４図に従来の微粉炭焚濃淡混合燃焼バーナ
の分配器を示す。

図示しない石炭粉砕機（以後ミルという。）より管内を
搬送されてきた燃料（微粉炭＋熱空気）をバーナ入口手
前に設置した断面四角形の分配器０１０へ導き、同分配
器０１０のキツカープレート０１，０２に当てることに
より、カルマン渦を作りこの渦作用により微粉炭の濃縮
層と稀薄層を形成させた後、濃縮部分をコンクバーナ
へ、稀薄部分をウイークバーナに送り込むが、この流量
分配は、コンクバーナとウイークバーナへの通路０６，
０７の間に設けられた流量調整器０３のスライドによる
通過面積の増減によつて行なわれている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の分配器には、次のような問題点があつた。

(1)微粉炭の流れ直撃を受ける箇所が多く、このため
に、キツカープレート０１，０２、流量調整器０３、ラ
イナー０４及びキツカープレートの取付け用ボルトナツ
ト０５等（ハツチング図示部品）の部分には、２５Cr鋳
鉄又はセラミツクス張り等の耐摩耗材が使用され、その
構造が複雑である。

(2)上記の各部分は、摩耗損傷した場合には、取替えを
要するので、取外し可能な構造でなければならない。従
つて、取付け構造が複雑になり製作費がコスト高であ
る。

(3)流量調整器０３が必要である。しかし、この流量調
整は初期（試運時）に一回機能するのみで、その後は流
量調整は不要であり、かつ、その構造精度が必要である
ために、コスト高である。

本考案は、上記の従来の粉炭分配器の問題点を解決しよ
うとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、微粉炭焚き濃淡混合燃焼バーナに微粉炭の濃
縮層と稀薄層とを分離して送供する分配器において、逆
載頭円錐形の分配器本体の下部側方に円周方向に沿う微
粉炭の入口ノズルと、上部中心に微粉炭の稀薄層を取り
出すウイークノズルと、上部外周側に微粉炭の濃縮層を
採り出すコンクノズルと、前記分配器本体の底内部の中
心に円錐ライナーとをそれぞれ設けた。

〔作用〕

本考案では、微粉炭を分配器本体の下部側方に円周方向
に沿つて設けられた入口ノズルより供給し、供給された
微粉炭を逆載頭円錐形の分配器本体内で効率よく旋回さ
せることにより、遠心力によつて外周部に微粉炭の濃縮
層が、中心部に微粉炭の稀薄層が形成される。これら
が、それぞれウイークノズル及コンクノズルより取り出
され、コンクバーナとウイークバーナへ送られる。ま
た、分配器本体底部の中心に設けた円錐ライナーによつ
て中心部に旋回渦が生ずるために、微粉炭が分配器本体
底部に堆積することが防止される。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図及び第２図によつて説明す
る。

１は逆載頭円錐形の分配器本体であり、その内部はセラ
ミツクスタイル６が張られている。同分配器本体１の下
部側方にはその円周方向に沿つて入口ノズル２が開口し
ており、底内部の中央に円錐ライナー５が突設されてい
る。分配器本体１の上部中心にはウイークバーナに接続
されたウイークノズル４が分配器本体１を貫通して開口
しており、また分配器本体１の上部外周側にはコンクバ
ーナに接続されたコンクノズル３が開口している。

本実施例では、分配器本体１の円周方向に沿つた入口ノ
ズルから供給された微粉炭と熱空気は、矢印で示すよう
に、逆載頭円錐形の分配器本体１内で効率よく旋回流を
作つて上昇する。この旋回流によつて、微粉炭の濃縮層
が外周側に、稀薄層が内周側に形成される。上記稀薄層
は分配器本体１の上部中心部のウイークノズル４に取り
出され、また上記濃縮層は分配器本体１の上部外周部の
コンクノズル３に取り出され、それぞれウイークバーナ
及びコンクバーナに送られて燃焼される。

上記コンクノズル３及びウイークノズル４への流量の配
分は、ウイークノズル４の内径φｄと分配器本体１のウ
イークノズル４の開口部の内径φＤによつて決まる面積
比によつて決定され、この面積比を適宜設定することに
よつて両ノズルへの流量を適宜の値にすることができ
る。

また、分配器本体１の底部中心に突設された円錐ライナ
ーによつて、分配器本体１底部中心部に旋回渦が発生
し、微粉炭の堆積が防止され、堆積炭の自然発火が防止
される。

以上説明したように、本実施例は、簡単な構造の装置に
よつて、分配器本体１内に効率よく旋回流を作ることが
でき、微粉炭の濃縮層と稀薄層を作り、これをそれぞれ
コンクノズル３とウイークノズル４に取出してコンクバ
ーナ及びウイークバーナに送ることができる。

また、分配器本体１底部の円錐ライナー５によつて旋回
渦を作り、微粉炭の分配器本体１内の堆積を防ぎ、堆積
微粉炭の自然発火による火災・爆発を防ぐことができ
る。

また、微粉炭の直撃を受ける個所が少く、かつ、分配器
本体１内面はセラミツクスタイルで内張りされて耐摩耗
性が優れている。

また更に、摩耗が生じたときには、分配器本体１、入口
ノズル２、コンクノズル３及びウイークノズル４等をア
センブリーとして取替えることによつて、製作費及び取
替え作業のコストが減少する。

なお、本考案における分配器本体の逆載頭円錐形及び円
錐ライナーは、厳密な円錐形である必要はなく、実質的
に円錐に近い多角錐を含むものである。

〔考案の効果〕

本考案は、次の効果を奏することができる。

(1)逆載頭円錐形の分配器本体内に旋回流を発生させ、
簡単な装置によつて微粉炭を濃縮層と稀薄層に効率よく
分離することができ、それぞれをコンクバーナとウイー
クバーナに供給することができる。

(2)円錐ライナーによつて効率よく旋回渦が発生するた
めに、分配器本体内部に微粉炭の堆積がなくなり、ひい
ては堆積炭の自然発火による火災・爆発の防止が計られ
る。

(3)微粉炭の直撃を受ける個所が少なく、摩耗損傷によ
る取替えも容易であり、また、取替え頻度を少なくする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図は同実施
例の平面図、第３図は従来の微粉炭分配器の縦断面図、
第４図は同従来の微粉炭分配器の側面図である。 １……分配器本体、２……入口ノズル、３……コンクノ
ズル、４……ウイークノズル、５……円錐ライナー、６
……セラミツクスタイル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】微粉炭焚き濃淡混合燃焼バーナに微粉炭の
   濃縮層と稀薄層とを分離して送供する分配器において、
   逆載頭円錐形の分配器本体の下部側方に円周方向に沿う
   微粉炭の入口ノズルと、上部中心に微粉炭の稀薄層を取
   り出すウイークノズルと、上部外周側に微粉炭の濃縮層
   を取り出すコンクノズルと、前記分配器本体の底内部の
   中心に円錐ライナーとをそれぞれ設けたことを特徴とす
   る微粉炭サイクロン分配器。