JPH06241895A - ストリーク装置 - Google Patents

ストリーク装置

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JPH06241895A
JPH06241895A JP20635793A JP20635793A JPH06241895A JP H06241895 A JPH06241895 A JP H06241895A JP 20635793 A JP20635793 A JP 20635793A JP 20635793 A JP20635793 A JP 20635793A JP H06241895 A JPH06241895 A JP H06241895A
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JP
Japan
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electrode
photocathode
voltage
streak
accelerating
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JP20635793A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kinoshita
勝之 木下
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高い時間分解能が得られるストリ
ーク装置を提供することを目的とする。 【構成】 光電面(104)での電界効果等による暗電
流放出が問題にならない程度の十分に高い直流電圧と、
ストリーク掃引が行われる時間を含む短時間のパルス幅
を持つパルス電圧とを重畳した電圧が光電面(104)
と加速電極(105,106)の間に印加される。この
ような電圧が印加されれば、パルス電界は強くなり、走
行時間広がりは小さく、且つその時間幅は小さくできる
ので、暗電子流によるバックグランド上昇を無視するこ
とができる。よって、高い時間分解能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速度で変化する光の
時間的な明るさの変化をピコ秒または、数百フェムト秒
のオーダで計測できるストリーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリーク装置は、被測定光の時間的な
強度分布を出力面上に空間的な強度分布に変換する装置
であり、ピコ秒台の時間分解能が得られるので超高速光
現象の解析に適している。
【0003】まず、従来のストリーク装置の構成および
動作を簡単に説明する。
【0004】図8は従来のストリーク管の管軸を含み、
偏向電極に平行な平面で切断して示した断面図、および
光電陰極と光学像の関係を示す略図である。また、図9
は従来のストリーク管の管軸を含み、偏向電極に垂直な
平面で切断して示した断面図である。ストリーク管の真
空気密容器203の一端面は解析しようとする光学像が
結像させられる入射窓201、他端面は処理された光学
像を出射する出射窓202を形成している。
【0005】この真空気密容器203の管軸に沿って、
入射窓201と出射窓202との間に順次光電陰極20
4、メッシュ電極205、集束電極206、アパーチャ
電極207、偏向電極208、蛍光面209が配設され
ている。
【0006】そして、光電陰極204に対して集束電極
206、メッシュ電極205、アパーチャ電極207に
この順序でより高い電圧が印加され、さらに蛍光面20
9にはアパーチャ電極207と同一の電位を与えてお
く。
【0007】図示されていない装置で、入射窓201を
経て光電陰極204にこの光電陰極204の中心を通る
線上に光学像204aが投影されたとする。光電陰極2
04は光学像204aに対応した電子像を放出し、放出
された電子はメッシュ電極205により加速され、集束
電極206により集束され、アパーチャ電極207を通
過して、偏向電極208の間隙に入射させられる。この
線状の電子像が偏向電極208の間隙を通過する期間、
偏向電極208に傾斜状の偏向電圧が加えられる。
【0008】この電圧によって生じる電界の方向は、管
軸および線状の電子像に垂直(図8の断面図においては
紙面に垂直、図9の断面図においては紙面に平行)であ
り、その強さは偏向電圧に比例する。そして、偏向電極
208の偏向電界により偏向された電子像は、蛍光面2
09に入射される。
【0009】図9には、偏向の方向が矢印220で示し
てある。線状の電子ビームがその線状の方向と垂直に蛍
光面209上を走査することにより、最終的に、光電陰
極204に投影された線状の光学像をその線の方向と垂
直に時間的に順次配列した光学像、いわゆるストリーク
像が蛍光面209上に形成される。したがって、ストリ
ーク像の配列方向すなわち掃引方向の輝度変化は、光電
陰極204に入射した光学像の強度の時間的変化を表す
ことになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のストリ
ーク管において、光電陰極204から放出された光電子
は種々のエネルギーを持つ。そのため、同時に光電陰極
204から放出された光電子群が時間分解動作を行う偏
向電極208に到達する時刻がバラバラとなり、走行時
間広がりが発生する。この走行時間広がりが、ストリー
ク管の時間分解を損ねるもっとも大きな要因である。
【0011】一般に、光電陰極204の種類と被計測光
の波長とから、光電陰極204から放出される光電子群
のエネルギー分布が定まり、且つストリーク管の光電陰
極204から偏向電極208に至る管軸上の電位分布が
これらの光電子群の加速状況を決定する。したがって、
走行時間広がりは光電陰極204の種類と、被計測光の
波長およびストリーク管の軸上電位分布によって決定さ
れる。
【0012】この走行時間広がりを小さくするために、
光電陰極204近傍での低速領域をできるだけ少なくす
るように、光電陰極204に近接してメッシュ電極20
5を設け、光電子を急加速する構造が採用されている。
【0013】すなわち、一般にストリーク管では、図8
および図9に示されているように、メッシュ電極205
を光電陰極204に近接して設けて光電子を急加速し、
光電子が低速で走行している間に生じる走行時間広がり
を小さく抑えている。
【0014】このような構造を採用した場合、光電陰極
204とメッシュ電極205の間の走行時間広がりは、
光電陰極204の種類と被計測光の波長が定まれば、こ
の間の電界のみで定まる。例えば、S−20(米国電子
機械工業団体の規格)の光電陰極で光波長が500nm
の時は、図10のように算出される。
【0015】図10は、光電陰極204とメッシュ電極
205間の加速電界と走行時間広がりの関係を示すグラ
フである。このグラフから、この間の電界を大きくすれ
ば、走行時間広がりは理論的にはいくらでも小さくでき
ることが理解できる。
【0016】しかし、実際には光電陰極204表面の電
界が例えば6〜8kV/mm以上になると、入射光がな
い時にも、電界効果によって暗電子流が放出され、蛍光
面209上に雑音による発光(バックグランド)の増加
が生じ、SN比が悪化する。
【0017】また、光電陰極204上に微小な突起があ
る時は、その表面に非常に強い電界が生じ、トンネル効
果によって、やはり非常に大きな暗電子流が生じ、蛍光
面209上に白スポットとなって現れる。
【0018】これらの現象を改善する方法の1つに、こ
の光電陰極204とメッシュ電極205間の電圧を非常
に短い時間だけ印加させる方法がある。この方法を用い
れば、暗電流の発生時間を減少させることができる。
【0019】しかし、一般に、光電子ビームが蛍光面2
09上で掃引される時間は数ns〜数10nsのオーダ
ーであり、かなり高圧の矩形波のシャッタ電圧をこのよ
うな時間幅で作るのは容易でない。実際には、従来の2
psの時間分解能を有するストリーク管では、光電陰極
204とメッシュ電極205の間隔は0.75mmであ
り、その間の加速電圧は1.5kVで、その加速電界は
2kV/mmとなる。この場合、100ns程度のパル
ス動作は可能である。
【0020】しかし、より大きな加速電界、例えば6k
V/mmの電界を得るためには、光電陰極204とメッ
シュ電極205の間隔を0.75mmに保ったままで
は、4.5KVの電圧を光電陰極204とメッシュ電極
205の間に印加する必要があり、この場合は、100
nsのパルス電圧の発生は困難である。
【0021】一方、光電陰極204とメッシュ電極20
5の間隔を0.25mmにすれば、この間の印加電圧は
もとの1.5kVで済み、100nsのパルス電圧は可
能となる。
【0022】しかし、1psより高い時間分解能を得る
ためには、光電陰極204とメッシュ電極205間の電
界を高くするだけでは効果が十分でなく、メッシュ電極
205の光電陰極204に対する加速電圧そのものも高
くする必要がある。
【0023】これは、数100fs(フェムト秒)程度
の高い時間分解能を得るためには、メッシュ電極205
と集束電極206の間での走行時間広がりも問題となっ
てくるからである。
【0024】したがって、この場合、光電陰極204と
メッシュ電極205の間の加速電圧として、10kVが
要求される。また、空間電荷効果による走行時間広がり
もあり、これを小さくするためにも、この間の加速電圧
は10kV以上であることが望ましい。そして、これを
100nsあるいはそれより短いパルス電圧として供給
するのは困難となる。
【0025】本発明は、このような問題を解決すること
ができるストリーク装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のストリーク装置は、入射窓内面に形成され
た光電陰極と、この光電陰極で発生した光電子群を加速
する加速電極とを有するストリーク管を備えたストリー
ク装置において、光電陰極と加速電極間には、暗電流放
出が問題にならない程度の直流電圧が光電子を加速する
方向に印加されており、ストリーク管にストリーク動作
をさせる際に、直流電圧の電圧値を大きくする方向のパ
ルス電圧を直流電圧に重ねて光電陰極と加速電極間に印
加する。
【0027】
【作用】本発明のストリーク装置によれば、光電陰極で
の電界効果等による暗電流放出が問題にならない程度の
直流電圧と、ストリーク掃引が行われる時間を含む短時
間のパルス幅を持つパルス電圧とを重畳した電圧が光電
陰極と加速電極の間に印加される。
【0028】このような重畳電圧が印加されれば、光電
面表面に非常に高いパルス電界が生じ、光電面から放出
された光電子は急激に加速される。このため、加速され
た光電子の走行時間広がりは十分に小さくなる。また、
このパルス電界のパルス幅は十分に小さいので、暗電子
流によるバックグランド上昇が生じるのは非常に短時間
である。このため、バックグランド上昇をほとんど無視
することができる。
【0029】さらに、加速電極への印加電圧は十分に高
いので、加速電極を通過した光電子の走行時間広がりを
小さくでき、且つ空間電荷効果を小さくすることができ
る。
【0030】
【実施例】以下、添付図面等を参照して本発明をさらに
詳しく説明する。本発明は光電陰極とこれに近接する加
速電極との間に暗電流放出が問題とならない程度の順方
向直流高圧を常に印加しておき、さらにこれに上乗せし
て、パルス状の電圧を印加するものである(図6参照)
が、この内容の理解を容易にするため、本発明と基本原
理が共通するストリーク装置の例を以下に示す。
【0031】図1は加速電極を2枚としたストリーク装
置の例を示す図であって、管軸を含み、偏向電極に垂直
な平面で切断して示した断面図である。入射窓101の
内側の表面にはS−20の光電陰極104が形成されて
いる。この光電陰極104に近接して第1加速電極10
5が配置される。この加速電極105は、例えば、10
00メッシュ/インチの細かさの平面メッシュで形成さ
れ、光電陰極104と0.2mmの間隔で配置される。
【0032】さらに、第2加速電極106が、第1加速
電極105に対して光電陰極104と反対側に、第1加
速電極105から4mm離れた位置に配置されている。
第2加速電極106も前記第1加速電極105と同様
に、1000メッシュ/インチの細かさの平面メッシュ
から形成されている。
【0033】この第2加速電極106と、アノード11
0の間にはG1 電極107、G2 電極108、G3 電極
109が配置されており、後述する電圧が印加されて集
束電極として動作させられる。
【0034】アノード110の中央の開口を通過した電
子は偏向電極111により偏向され、螢光面113上に
ストリーク像が形成される。ストリーク管内面にはウォ
ール電極112が備えられている。各部の電極に印加さ
れる直流電圧の例を示す。
【0035】 第1加速電極105…−10kV 第2加速電極106… 0V G1 電極107 … 0V G2 電極108 … +8kV G3 電極109 … 0V アノード110 … 0V 偏向電極111には、そこを光電子流が通過するタイミ
ングに合わせて、1.5nsで+1.5kVから−1.
5kVに変化する傾斜状電圧が印加され、光電子流は掃
引される。光電陰極104にはストリーク動作を行わな
い期間に−10kVが印加されており、光電陰極近傍の
電界は0である。
【0036】さて、この状態で計測したい被計測光が、
光電陰極104に入射するとき、その計測したい時間
帯、つまり出力螢光面113上にストリーク像としてと
らえたい時間帯が十分そのパルス印加時間の中に含まれ
るような電界を、第1加速電極105と光電陰極104
間に発生させる。
【0037】その期間(100ns)、光電陰極104
の電圧が第1加速電極105の電圧−10kVよりも
1.5kV低くなる−11.5kVのパルス電圧を印加
して、その期間加速電界を発生させる。
【0038】光電陰極104と第1加速電極105間の
距離は0.2mmと小さいので、加速電界は7.5kV
/mmという非常に強いものとなる。しかも、このパル
ス幅は、100nsと非常に短いのでこのような高電界
に伴って出てくる暗電流もほとんど無視することができ
る。
【0039】一方、第1加速電極105と、第2加速電
極106の間は常に10kVの加速電圧が印加されてい
るが、これらの間隔は光電陰極104と第1加速電極1
05の間ほど狭くなく、例えばこの場合4mmであるの
で、電界は2.5kV/mm程度でこの程度の電界なら
第1加速電極105からの暗電子流は無視できる。
【0040】したがって、第1加速電極105を通り抜
けた光電子群は第2加速電極106によって、さらに光
電陰極104から見て11.5kVの加速電圧に相当す
る高速まで加速される。
【0041】また、G1 〜G3 電極107〜109から
なる集束電極群は、折角このように高速に加速したもの
を再び低速の領域を作らないようにG1 ,G3 電極は第
2加速電極106やアノード110と同じ電圧の0V、
またG2 電極はアノード110より非常に高い+8kV
を印加している。
【0042】以上のように、第1加速電極105、第2
加速電極106を設け、動作させることにより、光電陰
極104の極近傍で光電子群を急加速させる強電界をパ
ルス的に発生させることができる。この場合は強電界に
伴うバックグランド上昇もない。さらに光電陰極からか
なり短い距離(この例では、4.2mm)の第2加速電
極106の位置で光電子群を非常に高速として、第2加
速電極106以降の走行時間広がりも非常に小さくする
ことができる。
【0043】図2(a)は本発明と基本原理が共通する
ストリーク装置の別の例の入射部の断面図、図2(b)
は第1加速電極を取り出して示した図である。
【0044】第1加速電極105Aとして、長さW=3
mm、幅S=30μmのスリットを持った電極を用いた
例である。このスリットの長手方向は図2(b)の破線
dで示す偏向電極板に平行に配置されている。第1加速
電極105Aの板厚は例えば0.1mmであり、光電陰
極104とのすきまは0.2mmである。
【0045】光電陰極104への被計測光の投射は、正
面からみて、放出された光電子流が第1加速電極105
Aのスリットを通り抜けるようスリットの中心を通って
かつスリットに平行な、線状光となるように投射され
る。
【0046】この例は、第1加速電極105Aによって
不要な部分(スリット以外に対応する部分)からの暗電
流がある場合でも、阻止できるという長所がある。
【0047】図3は本発明と基本原理が共通するストリ
ーク装置の別の例の第1加速電極105Bを管軸の後方
から見た図である。この例は、図2で示したスリット電
極からなる第1加速電極のスリットの幅Sを100μm
に広げて、光電陰極104への線状光の入射の精度を落
として、操作性を良くしたものである。この場合はスリ
ット部に無視できない程の電子レンズができるので、ス
リット部にさらに例えば750メッシュ/インチのメッ
シュ電極を設けてある。
【0048】さらに、この変形として第1加速電極10
5にはメッシュ電極を用い、第2加速電極106には図
2、図3に示したようなスリット電極を用いても良い。
【0049】また第1加速電極と、第2加速電極の双方
をスリットを有する加速電極にしても良い。
【0050】図4(a)は本発明と基本原理が共通する
ストリーク装置の別の例の入射部の断面図、図4(b)
は入射窓を取り出して示した図である。この例は入射窓
101Aの中心に円柱状の突起を設けたものである。光
電陰極104はこの突起の表面に沿って形成されるか
ら、この突起表面の光電陰極104の電界は光電陰極1
04と第1加速電極105の間隔L、その間のパルス印
加電圧Vとした時V/Lで定まる電界より非常に大きく
なる。したがって、光電陰極104の突出部と第1加速
電極の間隔を0.2mm程小さくしなくても、例えば2
mm程度で済むという長所がある。但し、この場合突起
の高さは、2mmに比較すれば、十分小さなものでなく
てはならない。
【0051】例えば、この高さを0.1mmとして突起
の太さが40μm、先端が半径20μmの半球状からな
る時、この表面の電界はV/Lの7倍となる。したがっ
て、光電陰極104と、第1加速電極105の間に2k
V印加すれば、この間の電界は1kV/mmであるが、
突起表面の電界は7kV/mmとなる。さらに、この場
合は光電陰極104と第1加速電極105の間隔を小さ
くする必要がないから組立が楽になる。
【0052】図5は本発明と基本原理が共通するストリ
ーク装置の別の例を示す図であって、管軸を含み、偏向
電極に垂直な平面で切断して示した断面図である。この
例は加速電極の後に配置される集束電子レンズが、電磁
集束コイル114によって作られる、電磁集束タイプと
したものである。第2加速電極106から後はすべて第
2加速電極106と同電位となっている。
【0053】以上、本発明と基本原理が共通したストリ
ーク装置の種々の例を詳しく説明したが、本発明は、図
6に示すように、光電陰極104と第1加速電極105
の間に常に暗電流放出が問題とならないくらいの順方向
直流高圧を印加しておいてさらにこれに上乗せして、パ
ルス状の電圧を印加することに特徴がある。この構成に
よれば、より大きなパルス電界を光電陰極表面に得るこ
とができる。
【0054】例えば、図7に示すように光電陰極104
と第1加速電極105の間隔を0.2mm、その間に直
流電圧を常に500V印加しておく。そして、さらにス
トリーク動作時に光電陰極に1.5kVのパルス電圧を
印加すると光電陰極表面には10kV/mmのパルス電
界を得ることができる。また、ストリーク動作を行わな
い時は、この部分の電界は2.5kV/mmであるので
暗電子流放出の心配はない。
【0055】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように本発明によ
るストリーク装置は、入射窓内面に形成された光電陰極
と、この光電陰極の発生した光電子群を加速する加速電
極とを持つストリーク管を用いたストリーク装置におい
て、光電陰極での電界効果等による暗電流放出が問題に
ならない程度の十分に高い直流電圧と、ストリーク掃引
が行われる時間を含む短時間のパルス幅を持つパルス電
圧とを重畳した電圧が光電面と加速電極の間に印加され
るように構成されている。
【0056】したがって、本発明によれば光電陰極表面
に非常に高く且つパルス幅の短いパルス電界が生じる。
このため、光電子の走行時間広がりは十分に小さくなる
と共に、ほとんど無視できる程度のバックグランド上昇
しか生じない。
【0057】さらに、加速電極への印加電圧は十分に高
いので、加速電極を通過した光電子の走行時間広がりを
小さくでき、且つ空間電荷効果を小さくすることができ
る。
【0058】よって、本発明のストリーク装置であれ
ば、高い時間分解能のストリーク像をほとんどバックグ
ランド上昇なしで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と基本原理が共通するストリーク装置の
例を示す図であって、管軸を含み、偏向電極に垂直な平
面で切断して示した断面図である。
【図2】本発明と基本原理が共通するストリーク装置の
別の例の入射部の断面図、および第1加速電極を取り出
して示した図である。
【図3】本発明と基本原理が共通するストリーク装置の
別の例の第1加速電極の例を管軸の後方から見た図であ
る。
【図4】本発明と基本原理が共通するストリーク装置の
別の例の入射部の断面図、および入射窓を取り出して示
した図である。
【図5】本発明と基本原理が共通するストリーク装置の
別の例を示す図であって、管軸を含み、偏向電極に垂直
な平面で切断して示した断面図である。
【図6】本発明の基本原理および動作を示す図である。
【図7】光電陰極と第1加速電極の間に印加する直流電
圧およびパルス電圧の電圧値の具体例を示す図である。
【図8】従来のストリーク管の構成を示す管軸を含み、
偏向電極に平行な平面で切断して示した断面図、および
光電陰極と光学像の関係を示す略図である。
【図9】従来のストリーク管の構成を示す管軸を含み、
偏向電極に垂直な平面で切断して示した断面図である。
【図10】従来のストリークにおける加速電界と走行時
間広がりの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101…入射窓、104…光電陰極、105,105
A,105B…第1加速電極、106…第2加速電極、
107…G1 電極、108…G2 電極、109…G3
極、110…アノード、111…偏向電極、112…ウ
オール電極、113…蛍光面、114…集束コイル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射窓内面に形成された光電陰極と、前
    記光電陰極で発生した光電子群を加速する加速電極とを
    有するストリーク管を備えたストリーク装置において、 前記光電陰極と前記加速電極間には、暗電流放出が問題
    にならない程度の直流電圧が光電子を加速する方向に印
    加されており、 前記ストリーク管にストリーク動作をさせる際に、前記
    直流電圧の電圧値を大きくする方向のパルス電圧を前記
    直流電圧に重ねて前記光電陰極と前記加速電極間に印加
    することを特徴とするストリーク装置。
JP20635793A 1993-08-20 1993-08-20 ストリーク装置 Pending JPH06241895A (ja)

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JP20635793A JPH06241895A (ja) 1993-08-20 1993-08-20 ストリーク装置

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JP20635793A JPH06241895A (ja) 1993-08-20 1993-08-20 ストリーク装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024134945A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 浜松ホトニクス株式会社 ストリーク管

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WO2024134945A1 (ja) * 2022-12-19 2024-06-27 浜松ホトニクス株式会社 ストリーク管

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