JPH06239788A - 光学活性化合物、それらの製造法、該光学活性化合物を含む液晶組成物並びに該液晶組成物を用いた液晶光変調装置 - Google Patents

光学活性化合物、それらの製造法、該光学活性化合物を含む液晶組成物並びに該液晶組成物を用いた液晶光変調装置

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JPH06239788A
JPH06239788A JP5025255A JP2525593A JPH06239788A JP H06239788 A JPH06239788 A JP H06239788A JP 5025255 A JP5025255 A JP 5025255A JP 2525593 A JP2525593 A JP 2525593A JP H06239788 A JPH06239788 A JP H06239788A
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JP
Japan
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liquid crystal
compound
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optically active
formula
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Withdrawn
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JP5025255A
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English (en)
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Koichi Matsumura
興一 松村
Yoshiaki Shimizu
義彰 清水
Koichi Iida
浩一 飯田
Yuuka Uchiumi
夕香 内海
Katsumi Kondo
克己 近藤
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Hitachi Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大きな自発分極を有し、かつ低粘性である強
誘電性液晶を提供する。 【構成】 一般式(I)で表される光学活性化合物、そ
の製造法、それを含む液晶混成物、並びに液晶光変調装
置。 〔式中、R1 、R3 は、互いに同じでも異なっていても
よく、それぞれ炭素数1〜14のアルキル基を示し、R
2 は水素またはフッ素原子を示し、nは0または1を示
し、Qは単結合、エーテル結合または(チオ)カルボン
酸エステル結合を示し、 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
てもよい を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)カルボン酸
エステル結合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレ
ン結合を示し、*印を付した炭素は不斉炭素を意味す
る。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性基を有する新
規な液晶化合物、それらの製造法及び該光学活性化合物
を含む液晶組成物並びに該液晶組成物を用いた液晶光変
調装置に関する。本発明の化合物およびこれを含有する
組成物は、強誘電性液晶相を示し、例えば液晶表示素子
などの電気光学的スイッチング要素として有用であり、
液晶光変調装置に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、その低電圧作動性、低
消費電力性、薄型軽量であること、受光性で目が疲れな
いなどの優れた特徴を有するため、各種の表示装置とし
て使用されている。現在、液晶表示素子としてツイステ
ッドネマチック型( Twisted Nematic型:TN型と略称
する)と呼ばれるネマチック液晶を用いた表示方式が最
も広く使用されている。このTN型液晶表示素子は、駆
動電圧が低い、消費電力が少ないなど多くの利点を有し
ているが、他の発光型の表示装置、例えばCRT,E
L,プラズマディスプレイ等と比較して応答が非常に遅
いという欠点があった。そのため表示情報量の多い大画
面ディスプレイに応用するとコントラストの良い表示が
できないため、広範囲な応用を図る上で制約を受けてい
た。最近、ねじれ角を180°から270°にした新し
いTN表示素子、スーパーツイステッドネマチック型
( Super Twisted Nematic型:STN型と略称する)ま
たはSBE型と呼ばれる表示方式が開発され、コントラ
スト面では著しく改善された。しかし、STN型表示に
おいても応答性が大幅に改善されたとは言い難く、表示
情報量のさらに多いディスプレイへの応用には限界があ
る。このため、応答性に優れた新しい液晶表示方式の開
発に向けて種々試みられているが、実現には至っていな
い。
【0003】強誘電性液晶を用いる新しい表示方式は、
メモリー機能および高速応答性を示すことから大画面デ
ィスプレイへの応用に関して大きな期待が寄せられてい
る。この表示方式に用いられる強誘電性を示す液晶に
は、カイラルスメクチックC相(Sc*相)やカイラル
スメクチックH,I相などが知られているが、これらの
うち、特に実用性が高いのはカイラルスメクチックC相
(Sc*相)を示す強誘電性液晶と考えられている。カ
イラルスメクチックC相(Sc*相)を示す強誘電性液
晶は、1975年にR.B.Meyer らにより始めて合成され
た化合物で、その代表例に4−(4′−n−デシルオキ
シベンジリデンアミノ)ケイ皮酸−2−メチルブチルエ
ステル(以下、DOBAMBCと略称する)がある〔文
献: J.Physique. 36. 169 (1975) 〕。DOBAMBC
を用いて薄膜タイプの液晶セルを作製し、μsec オーダ
ーの高速応答性が見いだされた〔文献: N.A.Clarkら,
Appl. Phys. Lett., 36. 89 (1980)〕のを契機に「カイ
ラルスメクチックC相(Sc*相)を示す強誘電性液
晶」(以下、これを単に強誘電性液晶と称することもあ
る)を用いた液晶表示素子、光プリンターヘッド等の光
変調素子の開発が始められた。デバイステクノロジーの
著しい進歩とともに、多くのカイラルスメクチックC相
(Sc*相)を示す強誘電性材料の開発が行われ、現在
では数多くの様々な強誘電性液晶化合物を知られるよう
になった。しかしながら、強誘電性液晶を用いた大画面
液晶ディスプレイ等を製造する上で信頼性や性能の面で
十分良好な強誘電性液晶化合物は未だ開発されていない
のが現状である。
【0004】強誘電性液晶を液晶表示素子として実用化
するには、高速応答性を初めとして、配向性、メモリー
性、しきい値特性、これら特性の温度依存性等が良好で
あることが必要である。また、室温を含む十分に広い温
度範囲で動作し得るようにカイラルスメクチックC相
(Sc*相)を示す温度範囲が広いこと、物理化学的に
安定性に優れていることなどが要求される。現在のとこ
ろ、このような要求を満たす単一化合物は知られておら
ず、いくつかの強誘電性液晶化合物や非強誘電性液晶化
合物を混合することによって、できるだけ要求される特
性を満たす強誘電性液晶組成物を調製しているのが現状
である。しかしながら、上記液晶物性のうち、できるだ
け多くの項目で良好な液晶物性を示す単一化合物を開発
することは実用的強誘電性液晶組成物を構築するにあた
って極めて重要である。これらのうち、物理的化学的に
安定であることは必須で、高速応答性、メモリー性を持
たせるためには、大きな自発分極を有しなおかつ低粘性
である強誘電性液晶を開発することが最重要課題であ
る。しかし、これまでに開発されてきた強誘電性液晶の
なかでは上記の性能を充足した化合物は見当たらない。
例えば、上述したDOBAMBCはシッフ塩基系の化合
物であるため、水、光等に対する化学的安定性の面で難
点があり、また、自発分極も4nC/cm2 以下と小さ
い。
【0005】化学的に安定な強誘電性液晶化合物とし
て、エステル系の化合物が報告されている。しかし、こ
れらは自発分極が十分には大きくないこと、カイラルス
メクチックC相(Sc*相)の温度範囲が十分に広くな
いこと等満足のいくものとは言えない。一方、自発分極
を大きくするために、カイラルスメクチックC相(Sc
*相)の出現に必須な光学活性基中に不斉炭素を2個導
入した強誘電性液晶化合物が合成されている。例えば、
ジキラルエポキシド側鎖を有する強誘電性液晶化合物
〔文献: D.N.Walbaら, J.Amer.Chem.Soc., 108, 742
(1986) 〕あるいは隣接する二つの不斉炭素それぞれに
ハロゲン原子とメチル基とを有する強誘電性液晶化合物
(例えば特開昭60−168780、同60−2183
58、同61−68449、同62−40、同62−4
6、同62−103043、同62−111950、同
62−142131、同62−175443号各公報
等)などを挙げることができる。その代表例として
(S)−3−メチル−2−クロロ吉草酸の4−(4′−
オクチルカルボニルオキシ)ビフェニリルエステル(特
開昭61−68449号公報)がある。この強誘電性液
晶化合物は自発分極が180nC/cm2 と非常に大き
な値を示す。しかし、脂肪族の活性化されたクロル化合
物であるため化学的安定性に乏しい。物理的化学的安定
性の改善を目的として、(S)−2−メキトシ−(S)
−3−メチル吉草酸の4−(4′−オクチルカルボニル
オキシ)ビフェニリルエステル(特開昭62−2280
36号公報)が合成された。本化合物は物理的化学的安
定性には優れているが、自発分極が小さく(17nC/
cm2 )なり、十分なものとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、物理的
化学的安定性に優れ、自発分極の大きな強誘電性液晶化
合物を見いだすべく鋭意研究を行い、種々の強誘電性液
晶化合物を開発してきた。すなわち、化学的に安定なエ
ステル化合物やエーテル化合物を選び、不斉炭素をでき
るだけ骨格成分に近接させるように分子デザインし、キ
ラル置換部分に2個の不斉炭素を有するキラル成分とこ
れら2個の不斉炭素上に化学的に安定な置換基を導入し
て種々の強誘電性液晶化合物を開発してきた(例えば特
開平2−138234、同2−85227、同2−13
8235、同2−256638各号公報等)。
【0007】強誘電性液晶を用いる液晶表示素子は、 C
larkらの実験によれば、ある条件下で、μsec オーダー
の高速応答が可能と前記文献に報告されている。しか
し、表示情報量の多い、すなわち画素数の極めて多い大
画面ディスプレイを Clarkらの条件で実現できても、デ
ィスプレイとしての応答は更に速いことが望まれる。強
誘電性液晶の応答時間は、誘電異方性と外部電界とで生
じるトルクを無視すると近似的に下記数1の式で与えら
れ、高速応答化には、強誘電性液晶材料面からは自発分
極の拡大と低粘性化が有効である。
【数1】τ=η/Ps・E (τ:応答時間、η:粘性係数、Ps:自発分極、E:
印加電界)
【0008】本発明は、強誘電性液晶材料の自発分極の
拡大と低粘性化を課題としてなされたものである。発明
者が開発してきた上述の一連の化合物系(即ち、化学的
に安定なエステル化合物やエーテル化合物を選び、不斉
炭素をできるだけ骨格成分に近接させるように分子デザ
インし、キラル置換部分に2個の不斉炭素を有するキラ
ル成分とこれら2個の不斉炭素上に化学的に安定な置換
基を導入した強誘電性液晶化合物)に加え、本発明では
骨格成分のフェニル環上にフッ素原子を導入した系に焦
点をあてSc*相の安定化、自発分極の拡大、低粘性化
の改善を目標に検討を加えた。即ち、1,4−ジキラル
系強誘電性液晶化合物の骨格成分のフェニル環上、特に
キラル側鎖成分側のフェニル環のオルト位にフッ素原子
を導入した本発明の化合物が、特に上述液晶物性の改善
が顕著であり、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記一
般式(I)
【化8】 〔式中、R1 、R3 は、互いに同じでも異なっていても
よく、それぞれ炭素数1〜14のアルキル基を示し、R
2 は水素またはフッ素原子を示し、nは0または1を示
し、Qは単結合、エーテル結合または(チオ)カルボン
酸エステル結合を示し、
【化9】 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
てもよい
【化10】 を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)カルボン酸
エステル結合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレ
ン結合を示し、*印を付した炭素は不斉炭素を意味す
る。〕で表される光学活性化合物にあり、上記光学活性
化合物の製造方法、上記光学活性化合物を1種以上含有
する液晶組成物及び該液晶組成物を用いた液晶光変調装
置を包含する。
【0010】本発明に係る前記一般式(I)で表される
化合物において、R1 およびR3 は同一でも異なっても
よく、それぞれ炭素数1〜14のアルキル基を示す。該
アルキル基は直鎖または分枝のいずれであってもよく、
具体的には、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル等の直鎖状アルキル基ならびにイソプロピル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘ
キシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、5
−メチルヘキシル、2,3,5−トリメチルヘキシル、
2,7,8−トリメチルデシル、4−エチル−5−メチ
ルノニル等の分枝状のアルキル基を挙げることができ
る。R1 についてはなかでも直鎖状で炭素数が6〜12
のアルキル基、例えばヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルが好ましい。一
方、R3 についてはR1 よりも炭素数が少ない直鎖状の
低級アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブ
チル基などの炭素数1ないし6のアルキル基が好まし
い。
【0011】Qとしては単結合、エーテル結合または
(チオ)カルボン酸エステル結合が挙げられるが、なか
でも単結合、エーテル結合、カルボン酸エステル結合が
好ましい。なお、カルボン酸エステル結合では、
【化11】 という逆エステル結合があるが、順エステル結合が好ま
しい。エーテル結合としては、−O−又は−S−が用い
られるが、−O−が好ましい。X,Yで示される骨格内
結合については単結合、カルボン酸エステル結合が好ま
しい。この場合のカルボン酸エステル結合についても上
述のように順エステル結合と逆エステル結合があるがい
ずれでもよい。
【0012】さらに、
【化12】 で示される環として、
【化13】 等が挙げられるが、好ましくは、
【化14】 等を挙げることができる。またベンゼン環の場合、置換
基として、ハロゲン、シアノ基等が置換していてもよ
く、好ましいハロゲン原子として特にフッ素原子が挙げ
られる。また、
【化15】 は同一でも異なっていてもよい。本発明化合物(I)の
好ましい態様としては、下記式
【化16】 (R1 ′は直鎖状で炭素数6ないし12のアルキル基を
示し、R2 は水素又はフッ素原子を示し、R3 ′は炭素
数1ないし6のアルキル基を示し、Q′は単結合、エー
テル結合又はカルボン酸エステル結合を示し、X′およ
びY′はそれぞれ単結合又はカルボン酸エステル結合を
示し、
【化17】 を示す。)で表わされる化合物などが挙げられる。本発
明の一般式(I)で表わされる光学活性化合物は、分子
内に2個の不斉炭素を有しており、このため4種の光学
異性体、すなわち2個の不斉炭素上の絶対配置の組み合
わせによる(R,R),(R,S),(S,R)および
(S,S)体の4種の光学異性体が存在する。
【0013】本発明の光学活性化合物(I)は、不斉炭
素が骨格成分に近接しており、不斉炭素上にダイポール
を有するエーテル基があり、しかもキラル成分側に近接
したフェニル環上のオルト位にダイポール成分であるフ
ッ素原子が置換していることとあいまって大きな自発分
極が発揮されるとともに、フッ素原子の効果により低粘
性化が実現される。本発明の化合物は強誘電性を利用す
る表示方式に適した液晶相、すなわちカイラルスメクチ
ックC相(Sc*相)を安定に示し、その温度域が広い
という特徴を有するとともに、非常に大きな自発分極を
有する化合物系であることがわかった。また、本発明の
化合物の結合子は単結合、エーテル結合、エステル結合
などの安定な結合のみから構成されているので、熱、
光、水分、空気に対して極めて安定な化合物系である。
このため、本発明の化合物を液晶材料として実用に供す
る場合、過熱防止装置の設置や吸湿・透湿を防止するた
めのガラスフリットシール等の処置をほどこす等の煩雑
な手間を省くことができる。
【0014】本発明の光学活性化合物は、従来公知の液
晶化合物、例えばシッフ塩基系、ビフェニル系、フェニ
ルシクロヘキサン系、フェニルピリミジン系等の液晶化
合物との相溶性に優れているため、これらの液晶化合物
に添加配合することにより、優れた特性を示す液晶組成
物を構築することができる。
【0015】本発明の光学活性化合物(I)を添加・配
合することのできる液晶化合物(液晶組成物)として
は、例えば強誘電性液晶化合物(強誘電性液晶組成物)
またはスメクチックC相(Sc*相)を示す液晶化合物
(液晶組成物)を挙げることができる。強誘電性液晶化
合物としては、例えば特開昭59−118744、同6
0−13729号各公報に記載されたビフェニル型液
晶、特開昭59−128357、同60−51147、
同61−22051、同61−249953号各公報に
記載されたエステル型液晶、特開昭60−26056
4、同61−24756、同61−85368、同61
−215373号各公報に記載されたピリミジン型液晶
等を挙げることができる。また、スメクチックC相を示
す液晶化合物としては、例えば特開昭62−22803
6号公報に記載されたエステル型の液晶化合物、第16
回フライブルグ液晶討論会(1986.3)および第1
回強誘電性液晶に関する国際シンポジウム(1987.
9)の各資料に記載されているシクロヘキサン型および
複素環型液晶等を挙げることができる。
【0016】本発明の強誘電性液晶化合物は「 Flussig
e Kristalle in Tabellen 」I&IIVEB Verlag, Lei
pzigに述べられているネマチック液晶、コレステリック
液晶などに配合することも可能であり、市販のどのよう
なネマチック液晶化合物との混合も可能である。ネマチ
ック液晶に配合する場合、本発明の強誘電性液晶化合物
のキラリティを利用すれば良く、配合量によってネマチ
ック液晶組成物のコレステリックピッチのねじれ方向や
ピッチの長さを自由に制御し得る。
【0017】本発明の光学活性化合物を添加しうる液晶
混合物(母体液晶)としては、例えばA,B,C,D,
Eなる組成を持った混合物を挙げることができる。ま
た、市販の母体液晶HC−C103(チッソ社製)等も
挙げられる。
【0018】
【化18】
【化19】
【化20】
【0019】上記組成物のうち、組成物Dの液晶物性
は、
【数2】 であり、組成物Eの液晶物性は、
【数3】 である。
【0020】本発明の光学活性化合物(I)およびこれ
を含有する組成物は、強誘電性液晶相を示し、例えば液
晶表示素子など電気光学的スイッチング要素として有用
であり、液晶光変調装置に適用することができる。本発
明の化合物は、例えば図1に示されるような構成を有す
る液晶表示素子において用いることができる。その際
に、色素を用いてゲスト−ホスト型の表示素子とするこ
ともできる。
【0021】一般式(I)で示される本発明の化合物
は、例えば次に示す方法により製造することができる。
【化21】
【0022】スキームに示すように、骨格成分としての
フッ素含有フェノール性化合物と光学活性ジキラルアル
コールとを縮合反応に付すことによって本発明の化合物
(I)を得ることができる。このような縮合反応(エー
テル化反応)は、反応それ自体は公知の反応であり、慣
用の手段を用いて反応を進行させることができる。例え
ば、アゾジカルボン酸ジエチルエステル(DEAD)と
トリフェニルホスフィン(PPh3 )とを用いて反応を
進行させることができる(ビットナーら、“ケミカル・
アンド・インダストリーズ”,1975,281)。ま
た、ジキラルアルコールと、有機スルホニルクロリドと
を、例えばピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基あ
るいは水素化ナトリウム等の無機塩基の存在下、有機溶
媒中で反応させて対応する有機スルホン酸エステルと
し、このエステルを骨格成分フッ素含有フェノール性化
合物と反応させてもよい。この反応は、例えば炭酸カリ
ウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基やピリジン、トリ
エチルアミン等の有機塩基の存在下、有機溶媒中で行わ
れる。本反応で用いることのできる有機スルホニルクロ
リドとしては、例えばp−トルエンスルホン酸クロリ
ド、o−トルエンスルホン酸クロリド、p−クロルベン
ゼンスルホン酸クロリド、ベンゼンスルホン酸クロリ
ド、α−ナフタリンスルホン酸クロリド、β−ナフタリ
ンスルホン酸クロリド等の芳香族スルホン酸クロリドあ
るいはメタンスルホン酸クロリド、トリフルオロメタン
スルホン酸クロリド等の脂肪族スルホン酸クロリドがあ
る。このエーテル化反応において用いることができる有
機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素類(ヘキサン、
シクロヘキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホ
ルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン等)、エーテル類)ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼ
ン、トルエン等)、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMP
A)等がある。反応時間は、通常数分〜数日、好ましく
は10分〜2.3時間である。反応温度は通常−40℃
〜100℃、好ましくは−20℃〜40℃である。
【0023】エーテル化反応に際してジキラルアルコー
ルを活性化させるには、上述スルホン酸エステル化によ
る方法のほかに、ハロゲン誘導体に導く方法がある。例
えば、上述有機スルホン酸エステルにハロゲン化金属塩
(ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等)を作用させる
ことによりハロゲン体にすることができる。また、ジキ
ラルアルコールに、例えば五塩化燐、塩化チオニル、臭
化チオニル等のハロゲン化剤を直接作用させてもよい。
このようにして得られたハロゲン体と水酸基含有化合物
とを上述の無機塩基あるいは有機塩基の存在下、有機溶
媒中で反応させることができる。
【0024】上述の方法により生成した目的物(I)
は、通常用いられている分離精製手段、例えば抽出、転
溶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
ー、再結晶などの手段を用いて反応液から分離精製する
ことができる。
【0025】本発明の光学活性化合物(I)を製造する
ための骨格成分フッ素含有フェノール性化合物は、いず
れも公知の物質であるか、あるいは公知の物質から容易
に誘導することができる。例えば下記一般式(III)で示
される光学活性ジキラル化合物(III)は、公知の光学活
性ジキラル化合物から誘導することができ、特に化学的
な方法による不斉合成(モリソン等、「不斉合成」第1
巻(1983)〜5巻(1985);ボスニッチ等、
“アシメトリック触媒”(1986);シヤッター等
“アンナーレン”,1983,939)、「酵素、微生
物を用いる生物学的方法による不斉合成」〔ジョーンズ
等,“アプリケーションズ・オブ・バイオケミカル・シ
ステム・イン・オルガニック・ケミストリー”ジョン・
ウイリィー,ニューヨーク(1976);フレッター
等,“テトラヘドロン”,40,1269(198
4);ホフマン等,“ケミッシェ・ベリィヒテ”,11
,2786(1981);ナカムラ等,“テトラヘド
ロン・レターズ”、27,3155(1986)〕、光
学分割〔ヤックーズ等、“エテンチオマーズ・ラセメイ
ツ・アンド・レゾルーションズ”ジョンウイリーアンド
サンズ(1981);インガーソル、“オルガニック・
シンセシス”,コレクティブ・ボリューム,,506
(1943);野平等,“ケミストリー・レターズ”,
1981,875,951〕などの手法によって得るこ
とができる。
【化22】 〔式中、R3 は前記と同義〕
【0026】このようにして得られた化合物(III)は、
化学的あるいは生物学的方法によって不斉炭素上の立体
配置を反転させて、他の光学異性体へ変換することもで
きる。例えば、光学活性二級アルコールの水酸基を反転
させる代表的方法として、水酸基を対応する有機スルホ
ン酸エステルとしたのち分子間求核置換反応に付して反
転させる方法〔コーレイ等,“テトラヘドロン・レター
ズ”,1975,3183;ソウヤーアンドギビアン,
“テトラヘドロン”,35,1471(1979);ク
ルイジンガ等,“ジャーナル・オルガニック・ケミスト
リー”,46,4321,(1981);ホフマンアン
ドデサイ,“シンセティック,コミュニケーション”,
13,553(1978)〕、あるいは光学活性二級ア
ルコールを塩化第一銅の存在下にN,N′−ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCC)を用いて活性化させた
のち、適当なカルボン酸を作用させて反転させる方法
〔カウレン,“アンゲバンテ・ヘミィー”,99,80
0(1987)〕、あるいは光学活性二級アルコールに
アゾジカルボン酸のジエチルエステル(DEAD)、ト
リフェニルフォスフィン(Ph2 P)および適当なカル
ボン酸を作用させて反転させる方法〔ミツノブアンドエ
グチ,“ブレティン・ケミカル・ソサイアティ・ジャパ
ン”,44,3427(1971);ミツノブ,“シン
セシス”,1981,1〕等が知られている。
【0027】本発明の光学活性化合物のジキラル部分を
構成させるために重要な原料となる光学活性ジキラル二
級アルコール(III)の典型例として、次のものを挙げる
ことができる。 <光学活性ジキラル二級アルコール(III)>
【化23】 3 がC1-10アルキル基の場合、即ち、5−アルキルオ
キシ−2−ヘキサノールとしては、具体的には、例えば
5−メトキシ−2−ヘキサノール、5−エトキシ−2−
ヘキサノール、5−プロポキシ−2−ヘキサノール、5
−ブトキシ−2−ヘキサノール、5−ペンチルオキシ−
2−ヘキサノール、5−ヘキシルオキシ−2−ヘキサノ
ール、5−ヘプチルオキシ−2−ヘキサノール、5−オ
クチルオキシ−2−ヘキサノール、5−ノニル−オキシ
−2−ヘキサノール、5−デシルオキシ−2−ヘキサノ
ール等、あるいは5−イソプロポキシ−2−ヘキサノー
ル、5−イソブトキシ−2−ヘキサノール、5−ter
t−ブトキシ−2−ヘキサノール、5−(2−メチルペ
ンチルオキシ)−2−ヘキサノール、5−(3−メチル
ペンチルオキシ)−2−ヘキサノール等を挙げることが
できる。
【0028】次に、本発明の光学活性化合物の骨格部分
を構成させるために重要な原料となる骨格成分フッ素含
有フェノール性化合物(II) について、その代表例を上
げて具体的に説明する。骨格成分フッ素含有フェノール
性化合物は、次の一般式で示される化合物に大別するこ
とができる。
【化24】
【0029】このような化合物として、例えば4′−ア
ルキルオキシ又はアルキルビフェニル−4−カルボン酸
の4−ヒドロキシ−3−フルオロ(または2,3−ジフ
ルオロ)フェニルエステル、4′−ヒドロキシ−3′−
フルオロ(または2′,3′−ジフルオロ)安息香酸の
4′−アルキルオキシ又はアルキル−4−ビフェニルエ
ステル、4−アルキルオキシ又はアルキル安息香酸の
4′−ヒドロキシ−3′−フルオロ(または2′,3′
−ジフルオロ)−4−ビフェニルエステル、4′−ヒド
ロキシ−3′−フルオロ(または2′,3′−ジフルオ
ロ)ビフェニル−4−カルボン酸の4−アルキルオキシ
またはアルキルフェニルエステル等がある。さらに、例
えばトランス−4−アルキルオキシ又はアルキルシクロ
ヘキサンカルボン酸の4′−ヒドロキシ−3′−フルオ
ロ(または2′,3′−ジフルオロ)−4−ビフェニル
エステル等を挙げることができる。
【0030】以上、本発明光学活性化合物に含有される
光学活性ジキラル側鎖成分化合物である光学活性ジキラ
ルアルコール類(III)および骨格成分フッ素含有フェノ
ール性化合物(II) の代表例を列挙した。本発明の光学
活性化合物の具体的な実施例を以下に説明するが、これ
ら実施例に限定されるものではなく、上述の光学活性ジ
キラル成分と骨格成分フッ素含有フェノール性化合物を
適宜組み合せることにより製造される。
【0031】
【実施例】実施例で製造した光学活性化合物について相
系列ならびに相転移温度、および自発分極値を測定し
た。測定結果を、表1に示した。なお、相系列と相転移
温度の測定は、偏光顕微鏡とDSCを用いて行なった。
また、自発分極の測定は、上述のソーヤ・タワー法に準
じて行った。自発分極の値はカイラルスメクチックC相
の上限温度から10℃低い温度での値である。液晶相な
ど各相は、次の記号で示した。 Iso : 等方相 N*
カイラルネマチック相 SA : スメクチックA相 K :
結晶相 SC * : カイラルスメクチックC相 S1 ,S2 : 同定困難なスメクチック相
【0032】
【表1】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】参考例1 (2S,5S)−5−アルコキシ−2−ヘキサノールの
製造 文献〔G.K.ハイザー シンセティック コミニュケ
ーション、13 765(1983)〕の方法に準じ、
2,5−ヘキサンジオンをパン酵母還元することによっ
て(2S,5S)−2,5−ヘキサンジオールを得た。 (2S,5S)−5−メトキシ−2−ヘキサノールの合
成 (2S,5S)−2,5−ヘキサンジオール20gをト
ルエン100mlに溶解しベンズアルデヒド21.5g
を加え、触媒としてp−TsOH・H2 O 0.2g添
加し加熱した。アセタール化の際に生成する水を除く
為、ソックスレー管にモレキュラシーブ4Aを充填した
ものを装着し還流した。脱水装置としてはDean-Stark脱
水管を用いてもよい。一方、1リットル4径コルベンに
エチルエーテル400mlを入れ無水塩化アルミニウム
45.1gを加えた。更に注意しながらリチウムアルミ
ニウムハイドライド3.2gを添加し内温を0〜5℃と
した。本溶液に上述のトルエン溶液をゆっくり滴下し内
温5℃を越えぬ様に注意した。約30分間かくはんした
後、内温10℃を保ちながら、水150mlを滴下し
た。エーテル層を分取し、エーテル層を水100mlて
洗浄した。このエーテル層を分取し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。このエーテル溶液を減圧下濃縮し、減圧
蒸留に付した。Bp(4mmHg)135〜137℃。
収量19.7g(収率 56.2%)。この化合物の 1
H−NMRを次に示す。1 H−NMR(200MHz CDCl3 ) δ:1.
20(6H,t),1.47〜1.70(4H,m),
1.80〜2.10(1H,broad),3.56
(1H,q),3.77(1H,q),4.522(2
H,q),7.26〜7.36(5H,q) 得られたモノベンジルエーテル化合物10.4gにジメ
チルホルムアミド100ml、ヨウ化メチル71gを加
え、内温0℃を保ちながら油性水素化ナトリウム(含量
約60%)を加えた。ガスクロマトグラフィーで反応を
追跡した。所要油性水素化ナトリウムは1.5当量であ
った。内温10℃を越えないように注意して水100m
lを滴下し約5分間かき混ぜた。ついで、酢酸エチル3
00mlを加え抽出した。酢酸エチル層を分取し、水1
00mlで水洗したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。本酢酸エチル溶液を減圧下濃縮する。残留物にエタ
ノール300ml、5%パラジウム−カーボン1.2g
及び触媒量の塩酸を加え、接触還元に付した。水素吸収
が終了した時点で、接触還元を中止した。触媒などの不
溶物をろ去し、ろ液を減圧下濃縮した。残留物を減圧蒸
留に付し、目的物を得た。Bp(30mmHg)90
℃。収量5.40g(45.9%)。次にこの化合物の
1H−NMRを示す。1 H−NMR(200MHz CDCl3 ) δ:1.
17(6H,t),1.49〜1.62(4H,m),
2.16(1H,broad),3.33(3H,
s),3.33(1H,q),3.79(1H,q) 同様に、他のモノアルキルエーテル類は対応するアルデ
ヒドによるアセタール化を経て、リチウムアルミニウム
ハイドライド−塩化アルミニウム(無水)を用いる化学
還元を行なうことにより容易に合成することができる。
【0035】実施例1
【化25】 4−〔(1R,4S)−1−メチル−4−エトキシペン
チルオキシ〕安息香酸4′−オクチルオキシ−3′−フ
ルオロ−4−ビフェニルエステル(式〔II′〕において
1 がn−C8 17、R2 が−H、Qが−O−、Xが単
結合、Yが
【化26】 のもの)の製造。 参考例1で製造した(2S,5S)−5−エトキシ−2
−ヘキサノール6.39g、4−(3′−フルオロ−
4′−オクチルオキシ−4−ビフェニルカルボニルオキ
シ)安息香酸12.72g及びトリフェニルホスフィン
11.46gをテトラヒドロフラン160mlに溶解
し、ジクロロメタン40mlを加え、内温をほぼ−5℃
に保った。そこへアゾジカルボン酸ジエチル7.61g
をテトラヒドロフラン10ml加えて滴下ロートにて3
0分かけて約半分量を滴下した。その後内温が0℃を越
えぬ様に約30分かけて全量滴下した。滴下終了後、0
〜−5℃にて約30分かきまぜた後、減圧下で濃縮し
た。残留物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル、
展開溶媒:ジクロロエタン−n−ヘキサン(1:1)〕
にて分離精製した後、再度カラムクロマトグラフィー
〔活性炭、展開溶媒:ジクロロエタン〕にて精製を行な
いアセトニトリルから再結晶すると12.33gの表題
化合物を得た。
【0036】この化合物の元素分析、 1H−NMR及び
比旋光度を次に示す。 元素分析値 計算値(C3545FO5 として):C 74.44;
H 8.03 実測値 :C 74.76;
H 8.22 〔α〕20 D +2.70°(c=1.030,CHCl
3 1 H−NMR(90MHz,CDCl3 ) δ:0.8
9(3H,t) 1.19(3H,t) 1.24〜
1.90(23H,m) 3.32〜3.68(3H,
m) 3.99(2H,t) 4.53(1H,q)
6.91〜7.97(11H,m)
【0037】実施例2
【化27】 参考例1で製造した(2S,5S)−5−エトキシ−2
−ヘキサノール0.91g、3′−フルオロ−4′−ヒ
ドロキシビフェニルカルボン酸4−オクチルオキシフェ
ニルエステル1.0gを使用し、実施例1と同様にして
目的物0.62gを得た。 元素分析値(C35455 Fとして) 計算値 : C 74.44, H 8.03 実測値 : C 74.58, H 7.611 H−NMR(90MHz,CDCl3 ) δ:0.80−2.00(m,28H),3.20−
3.70(m,3H),3.97(t,2H),4.2
5−4.60(m,1H),6.80−7.50(m,
7H),7.65(d,2H),8.25(d,2H)
【0038】実施例3
【化28】 トリフェニルホスフィン6.55g、2,3−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸の4′−オクチルオキシ−
4−ビフェニリルエステル2.27gおよび参考例1で
製造した(2S,5S)−5−エトキシ−2−ヘキサノ
ール1.10gをテトラヒドロフラン80mlに溶かし
た。この溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(D
EAD)6.10gを約20℃でかき混ぜながら加え
た。反応液を−20℃で9日間放置したのち、減圧下で
濃縮し、残留物をシリカゲル150mlおよびCH2
2 −AcoEt(50:1 v/v)を用いるカラム
クロマトグラフィーに付し、精製した。目的物を含む画
分を分取し、減圧下で濃縮した。残留物を再度シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し精製した。上記操作
を数回くり返し、表題化合物を純品として得た。収量
1.97g(67.7%)。1 H−NMR(90MHz,CDCl3 ) δ:8.0−6.6(10H,m,芳香族性H),4.
7−4.3(1H,m,
【化29】 2.0−0.6(28H,m,アルキルCH2 およびC
3
【0039】実施例4
【化30】 4′−〔(1R,4S)−1−メチル−4−メトキシペ
ンチルオキシ〕−3′−フルオロ−ビフェニル−4−カ
ルボン酸の4−オクチルオキシフェニルエステル(式I
I′においてR1 がn−C8 17,R2 がH,Qが−O
−,Xが
【化31】 参考例1で製造した(2S,5S)−5−メトキシ−2
−ヘキサノール0.34gと3′−フルオロ−4′−ヒ
ドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸の4−オクチルオ
キシフェニルエステルから表題化合物0.34gを無色
鱗片状晶(アセトニトリルから再結晶)として得た。こ
の化合物の元素分析値及び 1H−NMRを次に示す。 元素分析値(C3443FO5 として) 計算値 : C 74.15, H 7.87 実測値 : C 74.17, H 7.851 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:0.89(3H,t),1.16(3H,d),
1.30−1.55(13H,m),1.60−1.7
2(2H,m),1.78(4H,t),3.34(3
H,s),3.30−3.40(1H,q),3.96
(2H,t),4.43(1H,q),6.91−7.
42(7H,m),7.63−8.25(4H,dd)
【0040】比較例1
【化32】 4′−〔(1R,4S)−1−メチル−4−メトキシペ
ンチルオキシ〕−ビフェニル−4−カルボン酸の4−オ
クチルオキシフェニルエステル 参考例1で製造した(2S,5S)−5−メトキシ−2
−ヘキサノール0.34gと4−オクチルオキシフェニ
ル−4′−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸エス
テルから表題化合物0.34gを無色鱗片状晶(アセト
ニトリルから再結晶)として得た。
【0041】実施例5
【化33】 4′−〔(1R,4S)−1−メチル−4−ブトキシペ
ンチルオキシ〕−3′−フルオロ−ビフェニル−4−カ
ルボン酸の4−オクチルオキシフェニルエステル(式I
I′においてR1 がn−C8 17,R2 がH,Qが−O
−,Xが
【化34】 参考例1で製造した(2S,5S)−5−ブトキシ−2
−ヘキサノール0.40gと3′−フルオロ−4′−ヒ
ドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸の4−オクチルオ
キシフェニルエステルから表題化合物0.33gを無色
鱗片状晶(アセトニトリルから再結晶)として得た。こ
の化合物の元素分析値及び 1H−NMRを次に示す。 元素分析値(C3749FO5 として) 計算値 : C 74.97, H 8.33 実測値 : C 74.85, H 8.261 H−NMR(200MHz,CDCl3 ) δ:0.89(3H,t),0.92(3H,t),
1.15(3H,d),1.30−1.38(15H,
m),1.50−1.70(4H,m),1.78(4
H,t),3.28−3.57(3H,m),3.96
(2H,t),4.43(1H,q),6.91−7.
42(7H,m),7.63−8.25(4H,dd)
【0042】
【発明の効果】実施例および比較例から明らかなよう
に、本発明は物理的化学的安定性に優れ、大きな自発分
極を有するとともに低粘性でしかも安定にカイラルスメ
クチックC相を示す液晶化合物ないしは液晶組成物を提
供する。したがって、本発明の光学活性化合物、これを
含有する液晶組成物は液晶表示装置などの光変調装置に
用いる液晶として有用であり、応答性など優れた性能を
有する装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶組成物を用いた液晶表示装置
の1例を模式的に示す概念図である。
【符号の説明】
1:偏光板 2:フロントガラス 3:透明電極(信号電極) 4:強誘電性液晶 5:シール 6:透明電極(走査電極) 7:背面ガラス陽極 8:反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/86 9279−4H 69/92 9279−4H 69/94 9279−4H 327/20 7106−4H C07D 239/26 8615−4C 239/34 8615−4C C09K 19/12 9279−4H 19/20 9279−4H 19/28 9279−4H 19/30 9279−4H 19/34 9279−4H G02F 1/13 500 9225−2K (72)発明者 飯田 浩一 茨城県つくば市春日1丁目7番地の9 武 田春日ハイツ1103号 (72)発明者 内海 夕香 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 近藤 克己 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 、R3 は、互いに同じでも異なっていても
    よく、それぞれ炭素数1〜14のアルキル基を示し、R
    2 は水素またはフッ素原子を示し、nは0または1を示
    し、Qは単結合、エーテル結合または(チオ)カルボン
    酸エステル結合を示し、 【化2】 は、互いに同じでも異なってもよく、それぞれ置換され
    てもよい 【化3】 を示し、X、Yはそれぞれ単結合、(チオ)カルボン酸
    エステル結合、メチレンオキシ結合またはオキシメチレ
    ン結合を示し、*印を付した炭素は不斉炭素を意味す
    る。〕で表される光学活性化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中、R1 が直鎖状で炭素数
    が6〜12のアルキル基であり、R3 がR1 よりも炭素
    数の少ない直鎖状アルキル基であり、Qが単結合、エー
    テル結合またはカルボン酸エステル結合であり、 【化4】 であり、X、Yがそれぞれ単結合またはカルボン酸エス
    テル結合である請求項2に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Qのカルボン酸エステル結合が順エステ
    ルである請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 【化5】 がハロゲンまたはシアノ基で置換されている請求項2に
    記載の化合物。
  5. 【請求項5】 ハロゲンがフッ素原子である請求項4に
    記載の化合物。
  6. 【請求項6】 下記一般式(II) 【化6】 (式中、R1 ,R2 ,Q,X,Y及びnは前記と同意義
    を有する)で表される骨格成分としてのフッ素含有フェ
    ノール化合物、と下記一般式(III) 【化7】 (式中、R3 及び*印は前記と同意義を有する)で表さ
    れる光学活性ジキラルアルコールを縮合反応に付すこと
    を特徴とする一般式(I)で表される光学活性化合物の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ジキラルアルコールを有機スルホン酸エ
    ステルに変換してから縮合反応させる請求項6に記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 ジキラルアルコールをハロゲン誘導体に
    変換してから縮合反応させる請求項6に記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の光学活性化合物の少な
    くとも1種を液晶化合物に配合してなることを特徴とす
    る液晶組成物。
  10. 【請求項10】 液晶化合物が強誘電性液晶化合物であ
    る請求項9に記載の液晶組成物。
  11. 【請求項11】 液晶化合物がスメクチックC相(Sc
    相)を示す液晶化合物である請求項9に記載の液晶組成
    物。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11の何れかに記載の液晶
    組成物を用いることを特徴とする液晶光変調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006115130A1 (ja) * 2005-04-19 2006-11-02 Eisai R & D Management Co., Ltd. ビス[(2s)-3-[3-[(2s)-3-(4-クロロ-2-シアノフェノキシ)-2-フルオロプロポキシ]フェニル]-2-イソプロポキシプロピオン酸]カルシウム及びその中間体
US7816405B2 (en) 2005-04-19 2010-10-19 Eisai R&D Management Co., Ltd. Calcium bis [(2S)-3-[3-[(2S)-3-(4-chloro-2-cyanophenoxy)-2-fluoropropoxy]phenyl ]-2-isopropoxypropionate] and intermediate thereof

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