JPH06234720A - ヒドラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物およびその製造法 - Google Patents

ヒドラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物およびその製造法

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JPH06234720A
JPH06234720A JP2132693A JP2132693A JPH06234720A JP H06234720 A JPH06234720 A JP H06234720A JP 2132693 A JP2132693 A JP 2132693A JP 2132693 A JP2132693 A JP 2132693A JP H06234720 A JPH06234720 A JP H06234720A
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JP
Japan
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group
formula
aryl
general formula
dihydroxy compound
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Pending
Application number
JP2132693A
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English (en)
Inventor
Noriyoshi Ogawa
典慶 小川
Toshiaki Takada
聡明 高田
Satoshi Kanayama
聡 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種ポリマー、例えばポリアリレート樹脂、
ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂等の原料として有用なヒドラゾン構造を有するジヒド
ロキシ化合物を提供するにある。 【構成】 R9 またはR10にヒドラゾン構造を有する下
記一般式(A)で表されるジヒドロキシ化合物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なヒドラゾン構造を
有するジヒドロキシ化合物とその製造方法に関する。本
発明のジヒドロキシ化合物は、各種ポリマー、例えばポ
リアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂等の原料として有用のものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール類とアルデヒド又はケ
トン類との反応により得られるビスフェノール類は、各
種ポリマー、例えばポリアリレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の原料と
して重要な化合物であり、中でもフェノールとアセトン
から得られる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA)は、前記ポリマーの原料
として大量に用いられている。ビスフェノールAはコス
ト、耐熱性、機械的強度等のバランスのとれたポリマー
原料である。しかしながら、近年ポリマーの用途拡大に
ともない、より優れた物性を有するポリマーが望まれて
おり、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等においても、物性のよ
り優れたものを得るために、新しい原料開発が要求され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
各種ポリマーの原料として有用で新規なジヒドロキシ化
合物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記に示すヒド
ラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物は文献未記載の
新規な化合物であって、ポリアリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等のポ
リマー原料として有用であることを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式(A)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン、アル
コキシ基、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、
アルケニル基、またはアリール基を示す。R9、R10 は少
なくとも一方が下記一般式(B)で表されるヒドラゾン
を含む基で、残りの一方が水素、置換基を有してもよい
アルキル基、アルケニル基、またはアリール基、また
は、R9、R10 の両者がともに下記一般式(B)で表され
るヒドラゾンを含む基を示す。) 一般式(B)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R11およびR12は水素、ハロゲ
ン、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシ基、またはアリール基、アリール置
換アルケニル基、アルキリデン基、縮合多環式炭化水素
を含む一価基を示し、R13およびR14はそれぞれ置換基
を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、またはアリ
ール基、アリール置換アルケニル基、縮合多環式炭化水
素を含む一価基を示し、R 11〜R14のうちいずれかが二
価基となり、−(CH2 )a −と結合してR9 またはR
10基を形成する。a は0〜5の整数を表す。)で表され
るヒドラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物およびそ
の製造方法を提供するものである。
【0010】本発明の前記一般式(A)で代表されるヒ
ドラゾン構造を持つジヒドロキシ化合物は、例えば、無
溶媒または溶媒中において、酸性触媒の存在下、下記一
般式(C)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 〜R5 のうち少なくとも1つ
が水素であること以外はそれぞれ前記式(A)における
と同様の意味を表す。)で表されるフェノール類と、下
記一般式(D) (以下余白)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R9 〜R10はそれぞれ前記式
(A)におけると同様の意味を表す。)で表されるケト
ン類またはアルデヒド類とを反応させることによって製
造することができる。
【0015】前記一般式(C)で表されるフェノール類
とは、具体的にはフェノール、O-クレゾール、m-クレゾ
ール、P-クレゾール、O-クロロフェノール、m-クロロフ
ェノール、P-クロロフェノール、O-ブロモフェノール、
m-ブロモフェノール、P-ブロモフェノール、O-t- ブチ
ルフェノール、2,3-キシレノール、2,6-キシレノール、
2,6-ジ-t- ブチルフェノール、O-フェニルフェノール、
2,6-ジクロロフェノール、2,6-ジブロモフェノール、2,
6-ジエチルフェノール、2,6-ジイソプロピルフェノー
ル、オイゲノール、O-アリルフェノール、イソオイゲノ
ール、チモール、m-メトキシフェノ−ル、グアイアコー
ル、O-フロロフェノール、P-t-ブチルフェノールなどが
あげられるが、それらの中でもパラ位に置換基を持たな
いものが反応性の面から好ましい。
【0016】一般式(D)で表されるケトン類、アルデ
ヒド類にはR9 、R10のうち少なくとも一方が一般式
(B)で表されるヒドラゾン構造を持つもので、具体的
には、下記に例示されるような化合物でトリフェニルア
ミンを含まないヒドラゾン構造を有し、−(CH2 )a
−(a は0〜5までの整数)で表されるアルキレン基と
結合し、R9 またはR10を形成する。但し、これらの化
合物に限定されるものではない。 (以下余白)
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】これらのフェノール類とヒドラゾン構造を
有するケトン類又はアルデヒド類との反応は、溶媒を使
用してもよく、使用しなくてもよい。使用される溶媒と
しては、反応に不活性なもの、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系
溶媒が好ましい。
【0020】反応に際して使用される触媒としては、酸
性触媒、例えば塩化水素、硫酸、トルエンスルホン酸、
トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シ
ュウ酸、五塩化リン、ポリリン酸、強酸性陽イオン交換
樹脂などが用いられるが、これらの中でも、反応促進性
や後処理の容易さより塩化水素と強酸性陽イオン交換樹
脂が好適である。触媒の使用量は触媒の種類によって異
なるが、塩化水素の場合、通常フェノール類とケトン類
又はアルデヒド類との合計量に対し0.5〜10重量%の範
囲で選ばれる。
【0021】この反応においては、前記酸性触媒と共に
助触媒としてメルカプト基を含有する化合物を用いても
よい。メルカプト基を含有する化合物としては、例えば
メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメ
ルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタ
ン、ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン
類、チオフェノールやチオクレゾールなどの芳香族メル
カプタン類、メルカプト酢酸やメルカプトプロピオン酸
などのメルカプト有機酸類などが挙げられる。これらの
助触媒は、通常フェノール類とケトン類またはアルデヒ
ド類との合計量に対し0.1 〜5重量%の範囲で用いられ
る。
【0022】フェノール類とヒドラゾン構造を有するケ
トン類またはアルデヒド類との使用割合については、フ
ェノール類を理論量より過剰に用いることが望ましく、
通常ケトン類またはアルデヒド類1モルに対しフェノー
ル類が3〜30モルの割合で用いられる。
【0023】反応温度は、使用するケトン類またはアル
デヒド類および触媒の種類などによって異なり、一概に
限定できないが、一般的には20℃〜150℃の範囲で
選ばれる。反応圧力については特に制限はなく、減圧、
常圧、加圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行
うのが有利である。さらに、反応時間は原料の種類、触
媒および助触媒の種類や量、反応温度などによって作用
されるが、通常5〜200時間程度である。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0025】実施例1 4−ホルミルフェニル−ジフェニルヒドラゾン1モル
(300g)にフェノール10モル(940g)を加え、約60℃
に保ちつつ撹拌し、塩化水素ガスを塩酸濃度が混合液中
2%になるまで吹き込む。反応を8時間続ける。次に減
圧下急速に塩化水素ガスを除去し、液中塩酸0.005 %に
してから40℃まで冷却し濾過するとフェノールの混合し
た二価フェノールの結晶が得られた。この結晶を約30mm
Hg、170℃の真空蒸留でフェノールを除去し、残った結
晶をメタノールで十分洗浄する。その後、結晶を水で数
回洗浄し、減圧下で乾燥させ、下記構造式(1)に表さ
れる二価フェノールの結晶を302g(収率64.3%)得た。
この結晶が構造式(1)で表される二価フェノールであ
ることは元素分析、IRスペクトル、MSにて同定し
た。
【0026】
【化11】
【0027】元素分析 計算値:C;81.67 % 分析値:C;81.80 % H; 5.57 % H; 5.39 % N; 5.95 % N; 6.03 %
【0028】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族アルデヒド)に強い吸収ピーク認
められず。 分子量(m+ ) 470
【0029】実施例2 4−ホルミルフェニル−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の代わりに4−エチルアセトニルアミノフェニル−N−
フェニル−N−1−ナフチルヒドラゾン1モル(421g)
を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた下記
構造式(2)の二価フェノールの収量は374g(収率63.3
%)であった。
【0030】
【化12】
【0031】元素分析 計算値:C;81.19 % 分析値:C;81.03 % H; 6.30 % H; 6.45 % N; 7.10 % N; 6.99 %
【0032】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族ケトン)に強い吸収ピーク認めら
れず。 分子量(m+ ) 591
【0033】
【発明の効果】本発明のヒドラゾン構造を有するジヒド
ロキシ化合物は、例えばポリアリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等のポ
リマー原料として有用なものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ヒドラゾン構造を有するジヒドロキシ
化合物およびその製造法
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン、アルコキシ基、そ
れぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル
基、またはアリール基を示す。R9、R10 は少なくとも一
方が下記一般式(B)で表されるヒドラゾンを含む基
で、残りの一方が水素、置換基を有してもよいアルキル
基、アルケニル基、またはアリール基、または、R9、R
10 の両者がともに下記一般式(B)で表されるヒドラ
ゾンを含む基を示す。) 一般式(B)
【化2】 (式中、R11およびR12は水素、ハロゲン、それぞれ置
換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、またはアリール基、アリール置換アルケニル
基、アルキリデン基、縮合多環式炭化水素を含む一価基
を示し、R13およびR14はそれぞれ置換基を有してもよ
いアルキル基、アルコキシ基、またはアリール基、アリ
ール置換アルケニル基、縮合多環式炭化水素を含む一価
基を示し、R11〜R14のうちいずれかが二価基となり、
−(CH2 )a −と結合してR9 またはR10基を形成す
る。a は0〜5の整数を表す。)
【化3】 (式中、R1 〜R5 のうち少なくとも1つが水素である
こと以外はそれぞれ前記式(A)におけると同様の意味
を表す。)
【化4】 (式中、R9〜R10はそれぞれ前記式(A)におけると
同様の意味を表す。)
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なヒドラゾン構造を
有するジヒドロキシ化合物とその製造方法に関する。本
発明のジヒドロキシ化合物は、各種ポリマー、例えばポ
リアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂等の原料として有用のものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール類とアルデヒド又はケ
トン類との反応により得られるビスフェノール類は、各
種ポリマー、例えばポリアリレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の原料と
して重要な化合物であり、中でもフェノールとアセトン
から得られる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA)は、前記ポリマーの原料
として大量に用いられている。ビスフェノールAはコス
ト、耐熱性、機械的強度等のバランスのとれたポリマー
原料である。しかしながら、近年ポリマーの用途拡大に
ともない、より優れた物性を有するポリマーが望まれて
おり、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等においても、物性のよ
り優れたものを得るために、新しい原料開発が要求され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
各種ポリマーの原料として有用で新規なジヒドロキシ化
合物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記に示すヒド
ラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物は文献未記載の
新規な化合物であって、ポリアリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等のポ
リマー原料として有用であることを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は下記一般式(A)で表
されるヒドラゾン構造を有するジヒドロキシ化合物およ
びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン、アル
コキシ基、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、
アルケニル基、またはアリール基を示す。R9、R10 は少
なくとも一方が下記一般式(B)で表されるヒドラゾン
を含む基で、残りの一方が水素、置換基を有してもよい
アルキル基、アルケニル基、またはアリール基、また
は、R9、R10 の両者がともに下記一般式(B)で表され
るヒドラゾンを含む基を示す。) 一般式(B)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R11およびR12は水素、ハロゲ
ン、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシ基、またはアリール基、アリール置
換アルケニル基、アルキリデン基、縮合多環式炭化水素
を含む一価基を示し、R13およびR14はそれぞれ置換基
を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、またはアリ
ール基、アリール置換アルケニル基、縮合多環式炭化水
素を含む一価基を示し、R 11〜R14のうちいずれかが二
価基となり、−(CH2 )a −と結合してR9 またはR
10基を形成する。a は0〜5の整数を表す。)
【0010】本発明の前記一般式(A)で代表されるヒ
ドラゾン構造を持つジヒドロキシ化合物は、例えば、無
溶媒または溶媒中において、酸性触媒の存在下、下記一
般式(C)で表されるフェノール類と、下記一般式
(D)で表されるケトン類またはアルデヒド類とを反応
させることによって製造することができる。
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 〜R5 のうち少なくとも1つ
が水素であること以外はそれぞれ前記式(A)における
と同様の意味を表す。)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R9 〜R10はそれぞれ前記式
(A)におけると同様の意味を表す。)
【0015】前記一般式(C)で表されるフェノール類
とは、具体的にはフェノール、O-クレゾール、m-クレゾ
ール、P-クレゾール、O-クロロフェノール、m-クロロフ
ェノール、P-クロロフェノール、O-ブロモフェノール、
m-ブロモフェノール、P-ブロモフェノール、O-t- ブチ
ルフェノール、2,3-キシレノール、2,6-キシレノール、
2,6-ジ-t- ブチルフェノール、O-フェニルフェノール、
2,6-ジクロロフェノール、2,6-ジブロモフェノール、2,
6-ジエチルフェノール、2,6-ジイソプロピルフェノー
ル、オイゲノール、O-アリルフェノール、イソオイゲノ
ール、チモール、m-メトキシフェノ−ル、グアイアコー
ル、O-フロロフェノール、P-t-ブチルフェノールなどが
あげられるが、それらの中でもパラ位に置換基を持たな
いものが反応性の面から好ましい。
【0016】一般式(D)で表されるケトン類、アルデ
ヒド類にはR9 、R10のうち少なくとも一方が一般式
(B)で表されるヒドラゾン構造を持つもので、具体的
には、下記に例示されるような化合物でトリフェニルア
ミンを含まないヒドラゾン構造を有し、−(CH2 )a
−(a は0〜5までの整数)で表されるアルキレン基と
結合し、R9 またはR10を形成する。但し、これらの化
合物に限定されるものではない。 (以下余白)
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】これらのフェノール類とヒドラゾン構造を
有するケトン類又はアルデヒド類との反応は、溶媒を使
用してもよく、使用しなくてもよい。使用される溶媒と
しては、反応に不活性なもの、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系
溶媒が好ましい。
【0020】反応に際して使用される触媒としては、酸
性触媒、例えば塩化水素、硫酸、トルエンスルホン酸、
トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シ
ュウ酸、五塩化リン、ポリリン酸、強酸性陽イオン交換
樹脂などが用いられるが、これらの中でも、反応促進性
や後処理の容易さより塩化水素と強酸性陽イオン交換樹
脂が好適である。触媒の使用量は触媒の種類によって異
なるが、塩化水素の場合、通常フェノール類とケトン類
又はアルデヒド類との合計量に対し0.5〜10重量%の範
囲で選ばれる。
【0021】この反応においては、前記酸性触媒と共に
助触媒としてメルカプト基を含有する化合物を用いても
よい。メルカプト基を含有する化合物としては、例えば
メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメ
ルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタ
ン、ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン
類、チオフェノールやチオクレゾールなどの芳香族メル
カプタン類、メルカプト酢酸やメルカプトプロピオン酸
などのメルカプト有機酸類などが挙げられる。これらの
助触媒は、通常フェノール類とケトン類またはアルデヒ
ド類との合計量に対し0.1 〜5重量%の範囲で用いられ
る。
【0022】フェノール類とヒドラゾン構造を有するケ
トン類またはアルデヒド類との使用割合については、フ
ェノール類を理論量より過剰に用いることが望ましく、
通常ケトン類またはアルデヒド類1モルに対しフェノー
ル類が3〜30モルの割合で用いられる。
【0023】反応温度は、使用するケトン類またはアル
デヒド類および触媒の種類などによって異なり、一概に
限定できないが、一般的には20℃〜150℃の範囲で
選ばれる。反応圧力については特に制限はなく、減圧、
常圧、加圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行
うのが有利である。さらに、反応時間は原料の種類、触
媒および助触媒の種類や量、反応温度などによって作用
されるが、通常5〜200時間程度である。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0025】実施例1 4−ホルミルフェニル−ジフェニルヒドラゾン1モル
(300g)にフェノール10モル(940g)を加え、約60℃
に保ちつつ撹拌し、塩化水素ガスを塩酸濃度が混合液中
2%になるまで吹き込む。反応を8時間続ける。次に減
圧下急速に塩化水素ガスを除去し、液中塩酸0.005 %に
してから40℃まで冷却し濾過するとフェノールの混合し
た二価フェノールの結晶が得られた。この結晶を約30mm
Hg、170℃の真空蒸留でフェノールを除去し、残った結
晶をメタノールで十分洗浄する。その後、結晶を水で数
回洗浄し、減圧下で乾燥させ、下記構造式(1)に表さ
れる二価フェノールの結晶を302g(収率64.3%)得た。
この結晶が構造式(1)で表される二価フェノールであ
ることは元素分析、IRスペクトル、MS (マススペク
トル) にて同定した。
【0026】
【化11】
【0027】元素分析 計算値:C;81.67 % 分析値:C;81.80 % H; 5.57 % H; 5.39 % N; 5.95 % N; 6.03 %
【0028】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族アルデヒド)に強い吸収ピーク認
められず。 分子量(m+ ) 470
【0029】実施例2 4−ホルミルフェニル−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の代わりに4−エチルアセトニルアミノフェニル−N−
フェニル−N−1−ナフチルヒドラゾン1モル(421g)
を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた下記
構造式(2)の二価フェノールの収量は374g(収率63.3
%)であった。
【0030】
【化12】
【0031】元素分析 計算値:C;81.19 % 分析値:C;81.03 % H; 6.30 % H; 6.45 % N; 7.10 % N; 6.99 %
【0032】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族ケトン)に強い吸収ピーク認めら
れず。 分子量(m+ ) 591
【0033】実施例3 4−ホルミルフェニル−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の代わりに3−(9−エチル−2−カルバゾリル)−N
−フェニル−N−4−アセチルフェニルヒドラゾン1モ
ル(431g)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得
られた下記構造式(3)の二価フェノールの収量は380g
(収率63.2%)であった。
【0034】
【化13】
【0035】元素分析 計算値:C;81.84 % 分析値:C;81.84 % H; 5.86 % H; 6.00 % N; 6.98 % N; 6.92 %
【0036】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族ケトン)に強い吸収ピーク認めら
れず。 分子量(m+ ) 601
【0037】実施例4 4−ホルミルフェニル−N,N−ジフェニルヒドラゾン
の代わりに3−(β−フェニルスチリル)−N−フェニ
ル−N−4−アセチルフェニルヒドラゾン1モル(416
g)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られた
下記構造式(4)の二価フェノールの収量は397g(収率
67.7%)であった。
【0038】
【化14】
【0039】元素分析 計算値:C;83.93 % 分析値:C;84.01 % H; 5.84 % H; 5.94 % N; 4.77 % N; 4.78 %
【0040】IRスペクトル 3300cm-1付近(-OH 由来) 1320cm-1付近(芳香族3級アミン) 1650cm-1付近(芳香族アルジミン)に強い吸収認められ
る。 1700cm-1付近(芳香族ケトン)に強い吸収ピーク認めら
れず。 分子量(m+ ) 586
【0041】
【発明の効果】本発明のヒドラゾン構造を有するジヒド
ロキシ化合物は、例えばポリアリレート樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等のポ
リマー原料として有用なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A) 【化1】 (式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン、アルコキシ基、そ
    れぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル
    基、またはアリール基を示す。R9、R10 は少なくとも一
    方が下記一般式(B)で表されるヒドラゾンを含む基
    で、残りの一方が水素、置換基を有してもよいアルキル
    基、アルケニル基、またはアリール基、または、R9、R
    10 の両者がともに下記一般式(B)で表されるヒドラ
    ゾンを含む基を示す。) 一般式(B) 【化2】 (式中、R11およびR12は水素、ハロゲン、それぞれ置
    換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシ基、またはアリール基、アリール置換アルケニル
    基、アルキリデン基、縮合多環式炭化水素を含む一価基
    を示し、R13およびR14はそれぞれ置換基を有してもよ
    いアルキル基、アルコキシ基、またはアリール基、アリ
    ール置換アルケニル基、縮合多環式炭化水素を含む一価
    基を示し、R11〜R14のうちいずれかが二価基となり、
    −(CH2 )a −と結合してR9 またはR10基を形成す
    る。a は0〜5の整数を表す。)で表されるヒドラゾン
    構造を有するジヒドロキシ化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(A)のジヒドロキシ化合物の水
    酸基がパラ位に結合している請求項1記載のジヒドロキ
    シ化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(C) 【化3】 (式中、R1 〜R5 のうち少なくとも1つが水素である
    こと以外はそれぞれ前記式(A)におけると同様の意味
    を表す。)で表されるフェノール類と、下記一般式
    (D) 【化4】 (式中、R9〜R10はそれぞれ前記式(A)におけると
    同様の意味を表す。)で表されるケトン類又はアルデヒ
    ド類とを酸性触媒下において縮合せしめることを特徴と
    する請求項1記載のヒドラゾン構造を有するジヒドロキ
    シ化合物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11269137A (ja) * 1998-03-19 1999-10-05 Idemitsu Kosan Co Ltd ジヒドロキシヒドラゾン化合物とその製造法
JP4824564B2 (ja) * 2004-06-29 2011-11-30 保土谷化学工業株式会社 ヒドラゾン化合物の製造方法

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JPH11269137A (ja) * 1998-03-19 1999-10-05 Idemitsu Kosan Co Ltd ジヒドロキシヒドラゾン化合物とその製造法
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