JPH0623426U

JPH0623426U - 土壌隔離作物栽培装置

Info

Publication number: JPH0623426U
Application number: JP40293390U
Authority: JP
Inventors: 高縁亮一; 細川功; 本郷洋一
Original assignee: 高縁亮一; 細川功; 本郷洋一
Priority date: 1990-12-12
Filing date: 1990-12-12
Publication date: 1994-03-29

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】野菜、花卉等を圃場の土壌と隔離して栽培する
土壌隔離作物栽培装置を提供する。【構成】圃場１に掘った長溝に合成樹脂製の長い樋状の
栽培容器２を埋設し、栽培容器２の底部に長尺の排水管
３を内装し、栽培容器内に培土４を充填し、培土４の上
面に潅水用チューブ６を載置し、潅水用チューブ６から
培土４に水及び肥料を供給し、余剰の水分は、排水管３
から除去する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、野菜、花卉等を圃場の土壌と隔離して栽培する土壌隔離作物栽培装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ハウス栽培施設園芸の土壌は、長年作物栽培していると、過剰のアルカリ塩類が集積するとか、連作障害物質、伝染性病害菌が多くなることから、作物は生理障害を起こしたり、病害が発生するため、経済的に栽培不能となる問題がある。また、露地の圃場においても、雨水の影響が大きく、過湿となるため、作物は呼吸困難に陥り、枯死するとか、大幅な減収となる問題がある。これらを防止、予防するため、一般的には、肥料の選択、合理的施肥、整地前の多量灌水、薬剤による消毒、高熱処理消毒等が行われているが、土壌は表層から下層まで連結しているので完全な効果を挙げることは不可能であった。一方、土壌を使用しない作物栽培法としては、従来から、水耕栽培、礫耕栽培、ロックウール栽培等各種の栽培法が実施されている。

【０００３】しかしながら、これらはいずれも設置位置がベンチの上とか地上部であり、そのため容器は頑丈なものを要すると共に、肥料を含んだ水を還流させるため、コントロールを完全にする電子器具が必要となるので、これら施設の設置には莫大な費用が必要となる欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、汚染土壌を作物の根と完全に隔離し、作物の成育に最適の環境状態とした培土中で作物を成育させる安価な作物栽培装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本考案の構成は、圃場に掘られた長溝に沿って設置した合成樹脂製の上面が開口した長い樋状の栽培容器と、該栽培容器の底部に内装した長尺の排水管と、前記栽培容器内部に充填した無菌の保水性、排水性を有する培土と、該培土の上面に載置した灌水用チューブとを具備してなり、前記灌水用チューブから培土に供給された余剰の水分は、前記排水管から除去することを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図は、本考案の実施例を示す断面図であり、圃場１に掘られた長溝に埋設された樋状の合成樹脂製栽培容器２と、該栽培容器２内に充填された緩効性粒状肥料を混合した籾殻等の培土４と、前記栽培容器２内の底面に内装した水及び肥料を供給する灌水用チューブ３と、前記培土４の上面に載置した長尺の排水管６とから構成されている。尚、図中５は作物である。樋状の栽培容器２は、第３図に示すように、合成樹脂製の区切りのない１枚板で成形され、排水性を良くするため底面は略Ｖ字状に形成されている。しかしながら、この樋状の栽培容器２を第２図に示すように、断面略半円状に形成しても勿論よい。圃場の長溝底面は、若干の勾配が形成されているので、この栽培容器２は長手方向に若干の勾配が形成され、排水性が高められている。灌水用チーブ３及び長尺の排水管６の外周面には、多数の孔が穿設され、灌水用チューブ３の孔から培土に供給された余剰の水分は、排水管６によって集められ、排水管内の勾配にしたがって、樋状の栽培容器２の末端から圃場の土壌中へ自然流出するようになっている。本考案の栽培容器内に充填する培土は、無菌の保水性、排水性の良いものを使用する必要があり、このようなものとしては、例えば、籾殻、土壌、土塊、ロックウール、切藁、砂、礫等に、緩効性の粒状肥料を混合した培土が挙げられる。培土の使用量は、作物１株当たり、３０リットル程度使用するのが良い。

【０００７】

【考案の効果】

以上述べたごとく、本考案によれば、圃場に掘られた溝を利用するので、離用の合成樹脂製栽培容器は、薄く成形した１枚板で形成することができると共に、灌水の余剰水分は、底部に設置された排水管から圃場の土壌に排出されるので、高価な電子器具は一切不要であるから、この栽培装置を安価に供することができる。また、無菌の培土を使用することにより、連作障害や病原菌による伝染病の回避も可能であるほか、培土表面に設置された灌水用チューブにより作物の要求通りの栄養補給や水分の調節ができるので、作物が順調に成育し、予定の収穫期に予定通りの収穫量を確保することができる。特に、収穫される作物の品質を良くするため、その作物の成育段階ごとに培土中の水分、肥料濃度を調節できることは、本考案の栽培装置の特徴であり、これにより生産物の大小のほか、酸度、糖度、味覚、色沢、肉質の硬度、味、保存程度等も自由に調節できることになるから、特に高品質を要求されるメロン、トマト、西瓜、花卉等の成育に抜群の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図３】本考案に使用する樋状の合成樹脂製栽培容器の
斜視図である。

【符号の説明】

１圃場２樋状の合成樹脂製栽培容器３灌水用チューブ４培土５作物６排水管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者細川功北海道樺戸郡新十津川町字中央７−77 (72)考案者本郷洋一北海道旭川市大町２条５丁目５ー７

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】圃場に掘られた長溝に沿って設置した合
成樹脂製の上面が開口した長い樋状の栽培容器と、該栽
培容器の底部に内装した長尺の排水管と、前記栽培容器
内部に充填した無菌の保水性、排水性を有する培土と、
該培土の上面に載置した灌水用チューブとを具備してな
り、前記灌水用チューブから培土に供給された余剰の水
分は、前記排水管から除去することを特徴とする土壌隔
離作物栽培装置。
【請求項２】前記培土が、籾殻、土壌、土塊、ロックウ
ール、切藁、砂、礫等に、緩効性の粒状肥料を混合した
培土である請求項１に記載の土壌隔離作物栽培装置。