JPH06231772A - 2次電池用双極板または電極板 - Google Patents

2次電池用双極板または電極板

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JPH06231772A
JPH06231772A JP5034742A JP3474293A JPH06231772A JP H06231772 A JPH06231772 A JP H06231772A JP 5034742 A JP5034742 A JP 5034742A JP 3474293 A JP3474293 A JP 3474293A JP H06231772 A JPH06231772 A JP H06231772A
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Application number
JP5034742A
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English (en)
Inventor
Akio Nakamura
昭雄 中村
Katsuhisa Aizawa
勝久 相沢
Kenichi Isono
健一 礒野
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 2次電池用双極板または電極板 【目的】本発明は安価な2次電池用双極板または電極板
を提供する。 【構成】この2次電池用双極板または電極板はビニル樹
脂系マトリクス1と炭素系フィラー2とからなる複合導
電材料を用いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新型電池電力貯蔵システ
ムに用いられる双極板または電極板、より具体的にはレ
ドックスフロー型2次電池用双極板(バイポーラプレー
ト)や亜鉛−ハロゲン型2次電池用電極板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】発電施設は時々刻々と変化する電力需要
のピークに応じられるだけの能力を持つことが要求され
るが、その場合他方において非ピーク時には発電能力が
大幅に余ることになり、設備の稼動率が下がって不経済
となる。したがって、もし電力を貯蔵しピーク時に放出
できれば好都合である。現在、電力貯蔵の1方法として
揚水発電が利用されているが、一般に遠隔地にあり送電
ロスの問題があるほか立地難になりつつある。このた
め、これに替わる効率のよい方法として、現在、2次電
池(蓄電池)による電力貯蔵システムの開発が行われて
いる。すなわち、通産省工業技術院では1980年から90年
までの11年計画で大型プロジェクト(ムーンライト計
画)を発足させ、研究対象として、ナトリウム−硫黄2
次電池、亜鉛−塩素2次電池、亜鉛−臭素2次電池、レ
ドックスフロー型2次電池の4種類を取上げ、具体的目
標として、出力 1,000kW級、8時間充放電、総合
エネルギー効率70%以上、耐用年数10年(充放電、1,5
00サイクル以上)を掲げて、指定した企業に研究委託を
行い研究開発に取り組んだ。この研究開発はプロジェク
トが終了後の現在も、委託先企業において継続して進め
られているが、現在のところレドックスフロー型電池だ
けが、60kW級の3年間実証試験(すなわち充放電 1,000
サイクル運転)に成功している。
【0003】この電池システムの特徴は、出力部(電
池セル部)と容量部(タンク部)とが独立して設計でき
るためシステム設計が容易、各電池セルの充電状態が
同一のため、各々充電状態チェックする必要がなくメン
テナンスが容易、電極での反応は金属イオンの価数変
化だけのため、他電池に見られる固体活物質の脱落や針
状結晶の成長等の問題がなく長寿命が期待できる等が挙
げられ、将来最も有望とされている。以下、レドックス
フロー型電池の技術内容を簡単に説明する。この電池
は、図2に示すように、左右一対のタンク21、21に貯蔵
した、原子価が変化する2種類の金属イオンを含む塩酸
水溶液(以下電解液)を、それぞれの経路22、22の循環
ポンプ23、23により流通型電池セル24に供給して充放電
を行うものである。すなわち、この電池セル24は、隔膜
25を中心に、左右対称に炭素繊維布(またはフェルト)
層(以下ACF層と呼ぶ)26、26、双極板(バイポーラ
プレート)27、27、Cu電極(集合電極)28、28の順で
配置されているもので、2種類の電解液はそれぞれの経
路のACF層26、26をゆっくりした流速(8時間/サイ
クル)で流通循環する。〔+〕極の電解液はFeイオン
を溶解させた塩酸水溶液、〔−〕極の電解液はCrイオ
ンを溶解させたHCl水溶液であって、充放電時に電池
セル内で生じる反応は次式で表される。隔膜25は、
〔+〕極イオンと〔−〕極イオンの隔離と、電子の担体
すなわち水素イオンの透過とを行うもので、陽イオン交
換膜が用いられる。 〔+〕極 Fe2+ 外1 Fe3++e 但し→;酸化反応〔充電〕 ←;還元反応〔放電〕
【外1】 〔−〕極 Cr3++e 外2 Cr2+ 但し→;還元反応〔充電〕 ←;還元反応〔放電〕
【外2】
【0004】この電池セル24は高電圧を得るために直列
に積層(スタック)して用いられる。この積層した電池
セルの最外層のCu電極28には、充放電用直流電源29が
接続されていて電子の授受に関与する。双極板27は
〔+〕/〔−〕両極が背中合わせに重なるところからの
命名である。なお本電池セルにおいて電解液の塩酸濃度
は10%、電解液温度は30℃である。双極板27はCu電極
(集合電極)28を酸性電解液、すなわち塩酸水溶液から
保護し、かつ電子を効率よく通過させる特性が要求され
る。すなわち、塩酸、塩化鉄、塩化クロムによって腐
食されないこと、低抵抗(表裏面間の単位面積当り貫
層抵抗が 0.1Ω/cm2以下)であること、液漏れがない
こと、大型サイズであること、‥‥すなわち60kW級で
は 0.3m2(55cm角)であるが、 100kW級以上では1m
2(1m角)となる‥‥等が要求される。この双極板27
としては、耐酸性や電気抵抗の点から従来いわゆる「グ
ラファイト仕切板」が使用されている。このグラファイ
ト仕切板としては、特殊熱硬化性樹脂を高温(1,000 〜
3,000℃)で反応させながら収縮させて非晶質のガラス
状とした「グラッシーカーボン」といわれるものが使用
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】双極板に使用されてい
るグラッシーカーボンは、黒色ガラス状の不透過性炭素
製品で、高温に耐え、熱衝撃に強い、機械的強度が高
い、化学薬品に侵されない、ガスを通さない、電気伝導
性や熱伝導性がよいなどの特徴があるが、欠点は高価な
ことである。すなわち、グラッシーカーボンは不活性ガ
スで高温焼成するため加工費がかさみ、高価(上記 0.3
m2品が約4万円/枚)なものとなる。例えば、60kW級電
池の場合のセル積層数は 600セル(注;双極板は1枚/
セル)であるから、システム当りの双極板コストは約25
00万円、すなわち1kW当りの双極板コストは約40万円と
なる。ちなみに、現在のレドックスフロー型2次電池の
問題点は、システムコストが1kW当り 200万円と高いこ
とであり、これが80万円程度またはそれ以下に下げられ
れば揚水発電と競合するレベルになると言われているこ
とから考えても、双極板コストの低減はこの2次電池の
実用化にとって最も重要な条件であり、したがって本発
明の課題はグラファイト仕切板に代替する安価な双極板
または電極板を早急に開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐酸性、低抵
抗性、電解液不透過性等の特徴を維持しながら、コスト
の大幅低減を実現する、レドックスフロー型2次電池用
双極板または亜鉛−ハロゲン型2次電池用電極板に関
し、この2次電池用双極板または電極板としてビニル樹
脂系マトリクスと炭素系フィラーとからなる複合導電材
料を用いたことを特徴とするものである。
【0007】以下、本発明の2次電池用双極板または電
極板について、その具体的態様を示した図面に基づいて
説明する。図1(A)は第1の実施態様を示すもので、
ここでの複合導電材料はビニル樹脂系マトリクス1に炭
素系フィラー2を充填した導電性樹脂板3から構成され
ている。図1(B)は第2の実施態様を示すもので、こ
こでの複合導電材料はビニル樹脂系マトリクス1に炭素
系フィラー2を充填した導電性樹脂溶液を、炭素繊維系
基布4に含浸硬化した導電性樹脂板5から構成されてい
る。図1(C)は第3の実施態様を示すもので、ここで
の複合導電材料はビニル樹脂系マトリクス1に炭素系フ
ィラー2を充填した導電性樹脂層6を、金属基板7の両
面に設けた積層物8から構成されている。図1(D)は
第4の実施態様を示すもので、ここでの複合導電材料は
ビニル樹脂系マトリクス1に炭素系フィラー2を充填し
た導電性樹脂溶液で炭素繊維系基布4に含浸硬化した導
電性樹脂層9を、金属基板7の両面に設けた積層物10か
ら構成されている。なお、図示していないが、上記第
3、第4の実施態様における導電性樹脂層6(または
9)は金属基板7の片面に設けた複合導電材料とするこ
ともできる。
【0008】つぎに、本発明の2次電池用双極板または
電極板において用いられる各構成要素について説明す
る。ビニル樹脂系マトリクス1は、ビニル基を有するモ
ノマーのラジカル重合またはイオン重合などの付加重合
によって得られる高分子化合物のすべてを含み、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ−n−ブチレン、ポリイ
ソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−
1、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニル系共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル
酸高級エステル、ポリアクリロニトリル、塩素化ポリエ
チレン、クロルスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒ
ドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、
エチレンプロピレンジエンヒドリンゴム、アクリルゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエ
ンゴム、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体、カルボキシル化スチレン−エチレンブチレ
ン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これら
の内では、耐塩酸性があること、炭素系フィラーの配合
が容易なこと、押出・カレンダー・プレス等の各成形加
工が容易なこと、価格その他の条件を考慮して、ポリ塩
化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体等の塩素含有高分子を選択するのが好まし
い。
【0009】なお、ポリ塩化ビニル系樹脂や塩素化ポリ
エチレンをマトリクスとする場合、これらの樹脂は熱や
光に侵されやすく、脱塩化水素して共役二重結合が生成
して劣化するため、ステアリン酸亜鉛等の金属セッケ
ン、アルキル錫メルカプト等の錫系、三塩基性硫酸鉛等
の鉛系などの安定剤を配合する必要があるが、これら安
定剤中の金属イオンが電解液中に溶出して電解液の寿命
を縮める可能性もないとはいえないため、Zn、Pb、
Sn等の金属元素を含まない安定剤の使用が好ましい。
このような金属元素を含まない安定剤としては、次の一
般式で示されるβ−アミノクロトン酸エステルの使用が
好ましい。 〔CH3 −CH(NH2 )=CH−COO〕n −R(こ
こでn=1〜6) β−アミノクロトン酸エステルの望ましい具体例として
は、ステアリルアルコール−β−アミノクロトン酸エス
テル、1,4−ブタンジオール−ジ−β−アミノクロト
ン酸エステル、チオジエタノール−ジ−β−アミノクロ
トン酸エステル、トリメチロールプロパン−トリ−β−
アミノクロトン酸エステル、ペンタエリスリトール−テ
トラ−β−アミノクロトン酸エステル、ジペンタエリス
リトール−ヘキサ−β−アミノクロトン酸エステル等が
挙げられる。このようなβ−アミノクロトン酸エステル
は塩素含有高分子 100重量部に対し1〜3重量部添加す
ることにより塩素含有高分子を安定化することができ
る。
【0010】一方、炭素系フィラー2としては、フレー
ク天然黒鉛、アモルファス天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛
粉末、アセチレンブラック、ケッチェンブラック R
C、導電性オイルファーネスブラック、各種炭素繊維を
短繊維化したものなどのカーボンブラックの、単独また
は複合配合が挙げられるが、本発明者らの検討結果によ
れば、黒鉛とカーボンブラックとを適当な比で複合させ
ると、ビニル樹脂系マトリクスに充填したとき、単独配
合の場合より低い体積固有抵抗を得ることができる。
【0011】図1(A)に示した導電性樹脂板3は、ビ
ニル樹脂系マトリクス1に炭素系フィラー2を、加熱装
置付きの、2本ロール、バンバリーミキサー、ヘンシェ
ルミキサー、コニーダー(2軸押出機)等により直接練
り込んだ後、加熱装置付きのカレンダーロールで圧延し
てシート状とし、必要に応じてプレス成形を行って製造
することができる。この場合の炭素系フィラー2の充填
量は、これが少なすぎると抵抗値が高すぎ、多すぎると
成形加工困難となるため、10〜90重量%、とくには20〜
70重量%とするのが好ましい。この導電性樹脂板3の厚
さ(現行のグラッシーカーボン〔体積固有抵抗:約 0.0
05Ω・cm〕では1〜2mm)は、導電性樹脂板表裏面間の
単位面積当りの貫層抵抗の規格( 0.1Ω/cm2以下)を満
足するためにはなるべく薄いことが望ましいが、薄すぎ
ると強度上の問題が出てくるため 0.5〜 0.7mm程度とす
るのがよい。この導電性樹脂板の体積固有抵抗は、厚さ
と体積固有抵抗の関係から求められるが、 1.5〜2Ω・
cm以下、とくには 0.5〜1Ω・cm以下とするのがよい。
【0012】図1(B)に示した導電性樹脂板5は、ビ
ニル樹脂系マトリクス1に炭素系フィラー2を充填した
導電性樹脂溶液を、炭素繊維基布4に含浸硬化させ、さ
らに必要に応じてプレス成形して製造することができ
る。ここで用いられる炭素繊維系基布4としてはポリア
クリロニトリル繊維系または石油ピッチ系炭素繊維から
なる織布または不織布(マット、フエルト、ペーパー状
のもの)等を使用するのがよいが、織布は高価なため不
織布を使用するのがよい。また、導電性樹脂溶液はビニ
ル樹脂系マトリクス1を適当な溶媒で溶解し、炭素系フ
ィラー2を混合し、ディゾルバー等のブレード型高速撹
拌機で混練した後、サンドグラインダ等により練肉微粉
砕分散して調製される。なお、ビニル樹脂系マトリクス
1としてポリ塩化ビニルを用いる場合の溶媒には、テト
ラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ニトロベンゼン、
メチルエチルケトン、ジオキサン等が例示される。この
溶液の粘度は、低すぎると1回の含浸で前記炭素繊維系
基布4の空隙を埋めることができず、数回繰返して含浸
することが必要となり、高すぎると含浸が困難となるた
め、10〜10,000P、とくには 100〜 1,000Pの範囲から
選択した値とするのがよい。
【0013】図1(C)および図1(D)に示した積層
物8および10で用いられる金属基板7は、1m角もの大
きな双極板の一面にわたってほぼ均一な低い電気抵抗を
持たせることにより電極電位を均一化すると共に、集合
電極として機能することから、Cu電極を不要とし部品
点数とコストの削減の一助ともなる。この金属基板7の
片面または両面に設けられる(耐酸性)導電性樹脂層6
(または9)の厚さは薄いほどよく、0.01〜0.5mm の範
囲から選択した値、とくには0.1〜0.2mm 程度以下とす
るのがよい。なお、この導電性樹脂層6(または9)の
形成は金属基板7面に前述した導電性樹脂板3(または
5)を積層する方法、またはビニル樹脂系マトリクス1
に炭素系フィラー2を充填した導電性樹脂溶液を、金属
基板7面に塗布、硬化する方法によって行うことができ
る。
【0014】金属基板7の厚さは、薄すぎると双極板の
機械的強度が低くなり、厚すぎると重くなるため、 0.2
〜0.5mm の範囲から選択した値とするのがよい。この金
属基板7としては、鋼板、銅板、アルミ板、ステンレス
板、チタン板等各種金属による基板が挙げられるが、こ
の上に形成する(耐酸性)導電性樹脂層が薄いとピンホ
ールを通じて、電解液が金属基板に達し、金属基板を腐
食してしまう危険がある。したがって金属基板も耐酸
性、とくには耐塩酸性を持つことが望ましく、チタン板
(工業用純チタン板)の使用が好ましい。このチタン板
は軽く(比重:4.51)強く錆びないという3大特徴があ
り、耐酸性は硝酸には強く塩酸、硫酸には弱いが、塩酸
溶液中にFeイオンやCrイオンが存在すると腐食を受
けない。したがってレドックスフロー型電池双極板材料
として最適である。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の実施例をあげる。 実施例1 ポリ塩化ビニル:TK-700(信越化学工業社製、商品名、
重合度 700) 100重量部、安定剤:βアミノクロトン酸
エステル(昭島化学工業社製)3重量部、耐衝撃性強化
剤:メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重
合体(鐘淵化学工業社製)8重量部および滑剤:高分子
複合エステルワックス1重量部からなるポリ塩化ビニル
組成物をヘンシェルミキサーを用いて混合した。次い
で、このポリ塩化ビニル組成物を電熱ヒーティングした
2本ロールに巻付け、前記ポリ塩化ビニル 100重量部に
対して、フレーク天然黒鉛:CPB-30(中越黒鉛工業所
製、商品名)75重量部と、カーボンブラック:ケッチェ
ンブラック REC(ライオン社製、商品名)25重量部と
を添加して混練捏和を行い、導電性ポリ塩化ビニルコン
パウンドを調製した。この場合の炭素系フィラーの充填
割合は47重量%である。この導電性ポリ塩化ビニルコン
パウンドを電熱ヒーティングしたカレンダーロールによ
り厚さ 0.5mmで 300mm角のシート状とし、これを 180℃
×30kg/cm2×1分の条件でプレスし冷却したところ、表
面が黒色ガラス状の導電性樹脂板を得ることができた。
この導電性樹脂板の体積固有抵抗をロレスタAP・MCP-T40
0 (三菱油化社製、商品名)を用いて測定したところ約
2×10-1Ω・cm であり、表裏面の単位面積当り貫層抵抗
の実測値は約0.01Ω/cm2であった。この導電性樹脂板を
塩酸10%水溶液中に 1,000時間浸漬し、浸漬前後の体積
固有抵抗、単位面積当り貫層抵抗、重量の変化を測定し
たところ、測定誤差範囲の変化しか認められなかった。
【0016】実施例2 実施例1で用いたポリ塩化ビニル 100重量部を、シクロ
ヘキサノン 400重量部中に溶解し、これにさらに実施例
1で用いた安定剤3重量部、フレーク天然黒鉛100重量
部およびカーボンブラック33重量部を加え、ブレード型
高速撹拌機を用いて分散し、サンドグラインダを用いて
混練捏和を行い、固形分量37重量%、粘度 500Pの導電
性樹脂溶液を調製した。次に、コンマコーターを含浸装
置として用い、厚さ 0.4mm、面積抵抗 0.5Ω/□の炭素
繊維不織布:クレカペーパーE-715 (呉羽化学工業社
製、商品名)に、上記導電性樹脂溶液を含浸塗布し熱風
乾燥炉を通過させて、厚さ 0.5mmの指触乾燥状態を得
た。これをさらに 180℃×30kgf/cm2 ×1分の条件でプ
レスし、冷却したところ、表面が黒色ガラス状の導電性
樹脂板を得ることができた。この導電性樹脂板の体積固
有抵抗をロレスタAP・MCP-T400 (三菱油化社製、商品
名)を用いて測定したところ約3×10-2Ω・cm であっ
た。実施例1の導電性樹脂板より抵抗が下がったのは、
炭素繊維を基布として用いていて、炭素繊維の体積固有
抵抗が 1.5×10-3Ω・cm と低いことに起因するものと考
察される。またこの表裏面の単位面積当り貫層抵抗の実
測値は約 0.002Ω/cm2以下であった。この導電性樹脂板
を塩酸10%水溶液中に 1,000時間浸漬し、浸漬前後の体
積固有抵抗、単位面積当り貫層抵抗、重量の変化を測定
したところ、測定誤差範囲の変化しか認められなかっ
た。
【0017】実施例3 工業用純チタン:ST-50 (住友金属工業社製、商品名)
の厚さ 0.3mmの板材を入手し、この板の表裏両面に、コ
ンマコーターを用いて実施例2の導電性樹脂溶液を乾燥
時の膜厚が 0.1mmとなるようにコーティングし、ついで
180℃×30kgf/cm2 ×1分の条件でプレスし、冷却した
ところ、表面が黒色ガラス状の導電性樹脂板を得ること
ができた。この表裏面の単位面積当り貫層抵抗を実測し
たところ、約 0.001Ω・cm2であった。このチタン基板を
コアとする導電性樹脂板の場合、チタン基板の体積固有
抵抗55×10-6Ω・cm が支配的となり、表裏面の単位面積
当り貫層抵抗が著しく低くなったものと考察される。こ
の導電性樹脂板を塩酸10%水溶液中に 1,000時間浸漬
し、浸漬前後の体積固有抵抗、単位面積当り貫層抵抗、
重量の変化を測定したところ、測定誤差範囲の変化しか
認められなかった。
【0018】
【発明の効果】現在使用されているグラッシーカーボン
板は、耐酸性、高導電性など、双極板または電極板の品
質条件を満足するものの、高価であり、実用規模の電力
貯蔵システムではこれを1千枚以上も使用するため、シ
ステムコストが非常に高くなるという欠点がある。これ
に対し、本発明の双極板または電極板では、耐酸性のビ
ニル樹脂系をマトリクスとするため、塩酸水溶液等の電
解液に侵されることがない。この樹脂系マトリクスに黒
鉛、カーボンブラック等の炭素系フィラーを充填した導
電性樹脂板の体積固有抵抗は、現行グラッシーカーボン
の5×10-3Ω・cm と比べて、2×10-1Ω・cm とやや高い
が、単位面積当り貫層抵抗の定格である 0.1Ω/cm2を満
足するものである。また、この導電性樹脂と炭素繊維系
基布とを組み合わせることにより一桁低抵抗化(4×10
-2Ω・cm )が可能であり、また金属基板と組み合わせる
ことによりさらに一桁低抵抗化が可能であり、双極板と
しての単位面積当り貫層抵抗の定格を十分満足するもの
である。また、これらの原材料費や加工コストはグラッ
シーカーボンと比較して非常に安価なもののため、本発
明の双極板または電極板は酸性電解液に強く高導電性の
ものを安価に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2次電池用双極板または電極板の
異なる実施態様を示す縦断面図である。
【図2】レドックスフロー型2次電池の概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ビニル樹脂系マトリクス、 2…炭素系フィラー、
3…導電性樹脂板、4…炭素繊維系基布、
5…導電性樹脂板、 6…導電性樹脂層、7…金属基
板、 8…積層物、 9…導電性樹脂層、 10…
積層物。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル樹脂系マトリクスと炭素系フィラー
    とからなる複合導電材料を用いたことを特徴とする2次
    電池用双極板または電極板。
  2. 【請求項2】前記複合導電材料が、ビニル樹脂系マトリ
    クスに炭素系フィラーを充填した導電性樹脂板であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の2次電池用双極板または
    電極板。
  3. 【請求項3】前記複合導電材料が、ビニル樹脂系マトリ
    クスに炭素系フィラーを充填した導電性樹脂溶液を、炭
    素繊維系基布に含浸硬化した導電性樹脂板であることを
    特徴とする請求項1記載の2次電池用双極板または電極
    板。
  4. 【請求項4】前記複合導電材料が、ビニル樹脂系マトリ
    クスに炭素系フィラーを充填した導電性樹脂層を、金属
    基板の片面または両面に設けたものであることを特徴と
    する2次電池用双極板または電極板。
  5. 【請求項5】前記複合導電材料が、ビニル樹脂系マトリ
    クスに炭素系フィラーを充填した導電性樹脂溶液で炭素
    繊維系基布に含浸硬化させた導電性樹脂層を、金属基板
    の片面または両面に設けたものであることを特徴とする
    2次電池用双極板または電極板。
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