JPH0623042B2 - バナジウムの回収方法 - Google Patents

バナジウムの回収方法

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JPH0623042B2
JPH0623042B2 JP6631285A JP6631285A JPH0623042B2 JP H0623042 B2 JPH0623042 B2 JP H0623042B2 JP 6631285 A JP6631285 A JP 6631285A JP 6631285 A JP6631285 A JP 6631285A JP H0623042 B2 JPH0623042 B2 JP H0623042B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、含バナジウム灰からのバナジウムの回収方
法、特にソーダ灰系精錬スラグの水抽出液をアルカリ源
とするアルカリ抽出により含バナジウム灰からバナジウ
ムを回収すると共に、このスラグ中のバナジウムおよび
ソーダ灰も同時に回収できる、安価かつ高回収率のバナ
ジウム回収方法に関する。
(従来の技術) 重金属のバナジウム(V)は、その広範な用途のため
に、比較的高価であるにもかかわらず近年その使用量が
増加傾向にあり、新たな供給源が求められている。Vは
石油、貴金属鉱石および鉄鉱石などに微量含まれている
ので、これらから回収することが古くから試みられてお
り、特に重油やアスフアルトピッチの燃焼灰からVを回
収する方法が各種提案されている。
従来のV回収法には、乾式法としてアルカリ焙焼法、水
酸化カリウム法など、湿式法としてアルカリ抽出法、酸
抽出法、酸アルカリ抽出法、溶媒抽出法などがあるが、
いずれも新たな薬品の使用や焙焼の必要性などコストの
高い方法である。
本発明者らは、先に特願昭59−189498号(特開昭61−67
750号)において、石油燃焼灰中のVを自燃により濃縮
してから鉄浴中に炭素と共に添加し、フェロバナジウム
としてVを回収する安価な乾式のV回収方法を提案し
た。しかし、この方法はVの歩留りが悪く、反応にも時
間がかかり、熱損失も大きいなどの問題から小規模のX
回収には不向きであり、またフェロバナジウム中のV含
有量をあまり高くできないという欠点もあった。
Vの濃縮には、ソーダ灰系のアルカリ溶液による湿式の
アルカリ抽出法が最も一般的に採用されているが、従来
の方法では高価なソーダ灰を抽出に使用するため、回収
Vも高価なものとなっていた。
アルカリ抽出法のコスト低下を目的として、本発明者
は、先に特願昭59−132332 号(特開昭60−161339号)
において、ソーダ灰(Na2CO3)による溶銑の予備脱燐・
脱硫処理で生成したスラグ(以下、ソーダ灰系精錬スラ
グという)の水抽出により得たアルカリ含有水溶液を含
バナジウム灰のV抽出に利用し、このアルカリ抽出に浮
遊選鉱などの比重分離によるV富化を組合わせたVの回
収方法を提案した。しかし、この方法ではスラグ中のSi
O2などの夾雑物がV回収系に混入し、満足すべき純度の
バナジウムが得られない。さらに、Vを抽出前に予め浮
遊選鉱などにより濃縮しておく必要がある上、高価なソ
ーダ灰の回収が行われないなど、経済的および工程的に
まだ改善すべき余地があった。
一方、製鉄原料として用いられる鉄鉱石、コークス、重
油などにも前述のように微量のVが含まれ、高炉の還元
雰囲気で溶銑中に濃縮されたVはソーダ灰系精錬剤によ
る溶銑予備精錬によりその大半がナトリウムとの化合物
(NaVO3) としてスラグ中に移行する。したがって、ソー
ダ灰系精錬スラグはVをわずかに含有しているため、こ
のスラグを水と二酸化炭素で湿式抽出し、濃縮後にソー
ダ灰とVを回収する湿式処理法が提案されたが(特開昭
58−15027 号)、スラグ中のV含有量が極めて微量であ
るため回収効率が悪く、実用化できなかった。すなわ
ち、かかる精錬スラグ中のV含有量は普通 1%以下であ
るが、このスラグの抽出液を濃縮してソーダ灰を晶析す
る際にソーダ灰結晶中にVがいくらか持ち込まれてしま
うために液の濃縮によるVの濃化が進まず、抽出液中の
V濃度を 1%以上にすることが困難であり、そのためス
ラグからのVの回収はこれまで実施できなかった。
(発明が解決しようとする問題点) 上述したように、Vを夾雑物のない高純度の状態で効率
よく低コストで回収できる方法として満足できるものは
まだないのが現状である。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、上記の特願昭59−132332 号(特開昭60−1
61339号)に提案したソーダ灰系精錬スラグの水抽出液
をアルカリ源として利用したアルカリ抽出法が安価なV
の回収法として有望であると考え、この方法の改良によ
り高純度のVをソーダ灰とともに高い回収率で回収すべ
く検討した結果、本発明に到達した。
ここに本発明は、ソーダ灰による溶銑予備精錬で生成し
たスラグを水で抽出すると共に、CO含有ガスの吹込
み、もしくはCO含有物としてセスキ炭酸ソーダ等を
添加して抽出液のZ値を0.45〜0.51に調整し、次いで固
液分離することによりソーダ灰を含有するスラグ抽出液
を得る工程、このスラグ抽出液に含バナジウム灰を溶解
する工程、得られたバナジウム含有溶液から不溶解物の
除去後にソーダ灰を晶析分離する工程、ならびに残った
母液からバナジウムを回収する工程からなることを特徴
とする、含バナジウム灰からのバナジウムの回収方法で
ある。
すなわち、本発明によれば、ソーダ灰系精錬スラグから
ソーダ灰を回収する工程の途中にバナジウム抽出工程を
組み入れることにより、該スラグからのソーダ灰の回収
と同時に、抽出に新しい薬品を必要とせずに含バナジウ
ム灰から高純度のVを効率よく抽出・回収でき、さらに
は該スラグからのVも回収できるという、省資源の面で
非常に有効な方法である。
(作用) 以下、本発明の方法を第1図に示す工程図を参照しなが
ら説明する。以下の説明で%は特に指定のない限り重量
%である。
本発明の方法によれば、含バナジウム灰の抽出には、ソ
ーダ灰系精錬スラグの水抽出により得たアルカリ含有溶
液(以下、スラグ抽出液という)を使用する。ソーダ灰
の投入による溶銑の予備処理(脱燐・脱硫)で生成した
スラグは、未反応のNa2CO3および精錬反応で生じたNa2O
(水と反応してNaOHになる)を相当量含有しているの
で、本発明ではこれをV抽出用のアルカリ供給源として
利用する。このスラグの抽出は水、好ましくは熱水で行
う。
本発明によれば、このスラグ抽出時にCO含有ガスを
液中に吹込んでスラグ抽出液中のZ値を0.45〜0.51の範
囲内に調整する。Z値とはCO/Naのモル比であ
り、液の塩酸中和滴定により次にようにして求められ
る。試料溶液の塩酸による中和において、フェノールフ
タレインの赤色から無色への変化(pH約8)に要した
塩酸量をml、その後さらにメチルオレンジの橙色か
ら赤色への変化(pH約4)に要した塩酸量をmlと
すると、Z値=b/(a+b)である。
Z値が0.45より低くなると抽出液中へのSiO2の溶出が増
大し、溶液中のNa分中のNaOH量が増加し、晶析が困難に
なる。したがって、ソーダ灰およびバナジウム回収系に
SiO2を持ち込まないためには、抽出液のZ値を0.45以上
にする必要がある。一方、Z値が0.51より高くなると、
アルカリ度が低くなり、アルカリ分がセスキ炭酸ナトリ
ウム(Na2CO3・NaHCO3)または重炭酸ナトリウム(NaHCO
3)の形態で存在するようになって、Vの抽出効率が低下
すると共に、回収されたソーダ灰中にこれらが混入する
ようになり、好ましくない。以上の理由から、スラグ抽
出液のZ値は0.45〜0.51の範囲内に調整することが必要
である。上述したように、ソーダ灰系精錬スラグの抽出
液は、ソーダ灰のほかに苛性ソーダも含有しているた
め、単に水抽出のみでは抽出液のZ値は通常 0.1〜0.3
の範囲内である。したがって本発明ではCO含有ガス
の吹込によりこのZ値調整を行う。もしくは、セスキ炭
酸ソーダを添加する。CO含有ガスは純COガスで
もよいが、製鉄所内で発生するCO含有廃ガスも十分
使用でき、また、セスキ炭酸ソーダは天然に産するトロ
ナ灰、マガジ灰等が使用できる。
このCO含有ガス吹込み、もしくはセスキ炭酸ソーダ
添加によるZ値調整は、上記スラグの水抽出と同時に行
うことができる。その場合には、スラグからのSiO2の溶
出が抑えられてアルカリ分がソーダ灰として優先的に抽
出されるので、抽残の固形物を分離すれば、SiO2をほと
んど含有しないソーダ灰含有スラグ抽出液が得られる。
あるいは、上記スラグを水抽出した後、抽残の固形分を
除去し、または除去せずに、CO吹込等によるZ値調
整を行ってもよい。その場合には、SiO2は一旦抽出液中
に溶出するが、CO吹込等により沈殿するので、固液
分離によりこの沈殿を除去すれば、やはりSiO2を実質的
に含有しないソーダ灰含有スラグ抽出液が得られる。
所望により、得られたスラグ抽出液にCa(OH)を添加し
て、スラグから液中に移行した燐をCaP2O5として沈殿・
除去することにより抽出液を精製してもよいが、この処
理を省いても通常の用途には十分な純度の回収物が得ら
れる。
固液分離後に得られたソーダ灰を含有するスラグ抽出液
は、本発明でVの抽出に使用するには、そのアルカリ濃
度(Na2CO3含有量)が少なくとも32%以上であるのが好
ましい。アルカリ濃度がこの水準に達しない場合には、
抽出液を蒸発濃縮するか、あるいはスラグ抽出工程に再
循環させてアルカリ分を濃化させる。
本発明では、かくして得られたソーダ灰含有スラグ抽出
液に含バナジウム灰を溶解し、灰中のVをバナジウム酸
ナトリウムとして液中に溶出させる。含バナジウム灰と
しては、重油燃焼灰(重油専焼灰、重油混焼灰を含
む)、アスファルトピッチ燃焼灰などがあるが、これら
に限られるものではない。本発明によれば、後述のよう
に、バナジウムが所定濃度になるまで含バナジウム溶液
を循環濃縮することができるので、上記のようなV含有
量の高い炉内灰だけでなく、V含有量の低い飛散灰も使
用することができる。ただし、所望によっては、灰中の
V濃度の富化を周知の方法、たとえば浮遊選鉱などの比
重分離法により実施してもよい。次の第1表に重油灰
(A)およびアスファルトピッチ灰(B)の組成の1例
を示す。
スラグ抽出液は、含バナジウム灰から実質的に全量のV
を溶出させるのに必要な量で使用し、その使用量は灰中
のV濃度およびスラグ抽出液中のアルカリ濃度によって
も異なるが、一般には重量比で含バナジウム灰1に対し
てスラグ抽出液を5以上の量で使用する。本発明では、
Vの抽出に利用するスラグ抽出液中のアルカリ分は後で
Vとは別に回収されることから、スラグ抽出液を過剰に
使用してもアルカリ分が無駄にならない。したがって、
含バナジウム灰に対する抽出液の比を大きくとることが
でき、Vの溶出率が高まり、Vの回収率が向上する。溶
解後に得られた溶液は、灰からのVのほかにスラグに由
来するVも含有しているため、V濃度は比較的高く、通
常は0.5 〜5 %の範囲内となろう。
含バナジウム灰のスラグ抽出液への溶解は常温あるいは
加温下に実施でき、Vの溶出に十分な時間両者を接触さ
せた後、固液分離して灰の不溶解残渣を濾過などにより
除去する。
次いで、得られたバナジン酸ナトリウムおよびソーダ灰
を含有するV抽出液を常法によりスチームまたは廃ガス
の熱などで加熱濃縮して、ソーダ灰を1水塩として晶析
させ、濾過あるいは重力式もしくは慣性式ホッパなどに
より分離する。この操作で、Vの抽出に消費された以外
のソーダ分のほとんど全てをNa2CO3として回収できる。
回収されたソーダ灰は乾燥して無水塩にすれば、再度精
錬剤として溶銑予備精錬に使用できる。
ソーダ灰を晶析させるために通常な液量が1/5 ないし1/
10程度になるまで濃縮するため、ソーダ灰分離後に残留
する母液中のV濃度は5 〜10%程度まで濃化されてい
る。後のV回収工程で、液中のV濃度が 5%以上の高濃
度であるとVの回収効率がよくなるので、上記母液中の
V濃度が 5%未満のときは、V濃度が 5%以上になるま
でVを富化するのが好ましい。V濃度の富化は、濃縮に
よっても実施できるが(その場合には析出するソーダ灰
の分離が必要である)、上記母液を含バナジウム灰の溶
解工程に再循環させてVを濃化させるのがコスト的に有
利である。本発明の方法では、上記のようにソーダ灰晶
析時にV濃度が非常に高いが、V濃度が高くてもソーダ
灰晶析により持ち出されるV量はそれ程多くならないた
め、Vの回収効率向上につながる。
ソーダ灰を晶析分離した後、残った母液からVを回収す
る。このVの回収は従来のアルカリ抽出法の場合と同様
の方法で実施できる。この母液はVをバナジン酸ナトリ
ウムとして含有しているので、たとえば、この液に酸
(例、硫酸など)を加えて中和した後、酸化し(例、過
酸化水素の添加により)、析出した芒硝(Na2SO4)を除
去する。残った溶液にアンモニウム塩(例、NH4Cl)を
添加してVをメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)とし
て析出させ、回収する。このNH4VO3を 900〜1000℃に加
熱して熱分解によりNHを離脱させると、V2O4またはV2
O5が得られる。所望により、これにAlとFe2O3 を加え、
テルミット反応によりフェロバナジウム(Fe-V)とする。
V2O5は触媒として有用であり、またFe-Vは合金鋼の原料
として使用される。上記のVの回収法は1例であり、そ
の他の回収法も採用できるのは当然である。
このようにして、ソーダ灰系精錬スラグおよび含バナジ
ウム灰中に存在していたV分を90%以上、好ましくは95
%程度という高い回収率で回収することができる。
次に実施例により本発明の方法を具体的に説明する。
(実施例) 本発明の方法にしたがって第1図に示す工程で含バナジ
ウム灰のV抽出を行った。
まず、ソーダ灰にによる溶銑予備精錬で生成した、第2
表に示す組成のソーダ灰系精錬スラグを70℃の温水に溶
解し、30分後、未溶解のスラグ残渣をベルトフィルター
式濾過機により除去して、Z値0.2 のスラグ抽出液を得
た。この抽出液の組成も第2表に示す。
このスラグ抽出液(温度70℃)に、Z値調整用マガジ灰
(Na2CO348.07%、NaHCO332.32 %、H2O17.60 %) を370
kg/m3添加、混合し、不溶解残渣を濾過後、Z値0.48の
溶液Aを得た。この液組成は第3表に示す。次に、この
溶液A(温度65℃)に第1表に示したアスファルトピッ
チ灰を浮遊選鉱によりV濃度を高めたV含有灰(C=4
1.2%、V=8.12%、Ni=1.80%、Fe=0.36%、P=Tr.
、S=4.93%、SiO2=0.11%)を200kg/m3添加し、V
を液中に溶解させた。30分間撹拌混合し溶出させた
後、未溶解残渣を濾過し、バナジン酸ナトリウムおよび
ソーダ灰を含有する溶液Bを得た。この溶液の組成も第
3表に示す。この溶液Bより、ソーダ灰を回収すべく、
次に120 ℃まで液温を上昇させ、液量約1/5 になるまで
蒸発濃縮し、ソーダ灰を1水塩の結晶として分離した。
得られたソーダ灰は乾燥後で260kg/m3( 液量B量)で
あった。残りのV含有溶液Cは、Z値0.45まで低下した
が、Vが濃縮され、その収率は計算上で約90%と極めて
高収率であった。
比較のため、本実験に用いた溶液の一部を用い、第2図
および第3図に示す工程で、略同様のV溶解実験をおこ
なった。
まず、第2図の実験では、前述の本発明にかかる実験で
得られら溶液A(第3表参照)を蒸発濃縮し、液量を1/
5 とした後、前述の実験と同量のV含有灰を添加混合
し、30分間撹拌した後、未溶解残渣を濾過してV含有溶
液Dを得た。なお、溶液A濃縮時にソーダ灰結晶を分離
し、乾燥状態で250kg/m3のソーダ灰を得た。V含有溶液
Dの液組成は第3表に示す通りで、V収率は約70%で、
また、Na分濃度もやや低下し、逆に不純物であるS、Si
O2などの増加があった。
さらに、第3図の実験では、スラグ抽出液(第2表参
照)に、Z値調整用セスキ炭酸ソーダの添加と同時に、
V含有灰をそれぞれ、前述の本発明実験と同量だけ添加
し、30分間撹拌混合の後未溶解残渣を濾過により除去
後、その液量が1/5 となるまで蒸発濃縮を行い、V含有
溶液Eを得た。なお、蒸発濃縮時の晶析ソーダ灰は乾燥
状態で250kg/m3得られた。V含有溶液Eの組成は第3表
に示すが、V収率が極めて悪く約50%であった。
なお、V含有溶液は従来より行われている処理工程によ
り、希硫酸で中和してから、過酸化水素水で酸化し、析
出した芒硝を分離した後、塩化アンモニウムを加えてV
をメタバナジン酸アンモニウムとして析出させ、熱分解
によりV2O5またはV2O4として回収される。
以上の実験結果より、本発明のV収率の極めて高い点が
明らかとなったが、特に、V溶解後に、溶液蒸発濃縮を
行うことで、溶液中のVが5 %以上に濃縮できた点で、
次工程のV回収工程上に有利である。これに比べ、まず
第3図の処理工程では、V溶解後の濾過処理で残渣とし
て系外に出る固形物が多く、残渣付着液中のVおよび溶
解不足が多くなったものと思われる。また、第2図の処
理工程では、V溶解液のNa分は充分高濃度であるが、溶
濃度が高い溶液中よりV含有灰中の未溶解残渣を除去す
るに伴い、溶解Vの一部を持ち出されるものと思われ
る。これらの比較実験より、V収率を上げるには、ま
ず、不溶解残渣成分の少ない溶液によりVを溶解するこ
と、V溶解液濃度は低濃度液とし、不溶解残渣除去後に
濃縮しNa分をNa2CO3として晶析分離することが分かっ
た。
(発明の結果) 以上の説明よりわかるように、本発明の方法により次に
列挙する高価を得ることができる。
Vを微量含有するスラグ抽出液に含V灰を混合するこ
とからV濃度が付加的に高まり、これまで低濃度で回収
不可能であった鉄鉱石由来の精錬スラグ中のVも回収で
きる。
含V灰の溶解に新たな薬品を使用してアルカリ抽出液
を調整する必要がなく、回収費用を大幅に低減できる。
精錬スラグに含まれていたNa分は、Vと結合してVの
溶出に使用された分を除き、そのほとんどをソーダ灰と
して回収できるので、Vの溶解液中の過剰Na分が無駄に
ならない。
過剰Na分が無駄にならないことから、含V灰に対する
アルカリ抽出液の比を大きくとれるため、V溶解量が多
くなり、Vの回収率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法の処理流れを示す工程図、およ
び 第2図および第3図は、実施例で実施した比較実験の処
理流れを示す工程図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソーダ灰による溶銑予備精錬で生成したス
    ラグを水で抽出すると共に、CO含有物の添加により
    抽出液のZ値(=CO/Naモル比)を0.45〜0.51に
    調整し、次いで固液分離することによりソーダ灰を含有
    するスラグ抽出液を得る工程、このスラグ抽出液に含バ
    ナジウム灰を溶解する工程、得られたバナジウム含 有
    溶液から不溶解物の除去後にソーダ灰を晶析分離する工
    程、ならびに残った母液からバナジウムを回収する工程
    からなることを特徴とする、含バナジウム灰からのバナ
    ジウムの回収方法。
  2. 【請求項2】前記母液中のバナジウム濃度が 5%未満の
    場合に、これを前記バナジウム溶解工程に再循環させ、
    母液のバナジウム濃度が 5%以上になってからバナジウ
    ムの回収工程を行う、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
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