JPH062294A - 漂白工程制御装置 - Google Patents

漂白工程制御装置

Info

Publication number
JPH062294A
JPH062294A JP15933192A JP15933192A JPH062294A JP H062294 A JPH062294 A JP H062294A JP 15933192 A JP15933192 A JP 15933192A JP 15933192 A JP15933192 A JP 15933192A JP H062294 A JPH062294 A JP H062294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bleaching
label
pulp
tower
chlorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15933192A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Tada
友紀 多田
Takafumi Nakayama
崇文 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by New Oji Paper Co Ltd filed Critical New Oji Paper Co Ltd
Priority to JP15933192A priority Critical patent/JPH062294A/ja
Publication of JPH062294A publication Critical patent/JPH062294A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】パルプ塊の連続多段漂白処理工程上の位置を把
握すること。更には、最適なタイミングで漂白剤の最適
な添加量制御を可能とすること。 【構成】 本発明の漂白工程制御装置は、パルプが複数
のパルプ塊から構成されるとして、各々のパルプ塊毎に
順次ラベルを付与するラベリング手段と、各ラベル毎
に、パルプ塊に関する情報をラベル情報として記憶する
ラベル情報記憶手段と、前記ラベル情報記憶手段に記憶
されたラベル情報から各々のラベルの連続多段漂白処理
工程上の位置を算出するラベル位置演算手段と、を具備
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続した複数の漂白工程
から成るパルプの連続多段漂白処理工程において使用さ
れる漂白工程制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプの漂白は、塩素、次亜塩素酸ソー
ダ、二酸化塩素、酸素、過酸化水素等の漂白剤を使用す
る漂白工程と苛性ソーダー等を使用するアルカリ抽出工
程を適宜組み合わせて行われる。以上の漂白剤による漂
白工程を、順に塩素漂白工程、ハイポ漂白工程、二酸化
塩素漂白工程、酸素漂白工程、過酸化水素漂白工程と呼
び、当業界では順にC、H、D、O、Pと略称し、アル
カリ抽出工程をEと略称する。従って本明細書中におい
ても以降それらの略称を使用する。また便宜上、苛性ソ
ーダーを漂白剤のひとつとし、アルカリ抽出工程を漂白
工程のひとつとして説明する。
【0003】パルプは複数段の漂白工程を組み合わせて
連続的に漂白される。それぞれの漂白工程では、前述の
漂白剤を、その特徴に応じて、単独か又は2〜3種類併
用して反応させる。漂白工程の組合せ例としては、O−
C−E−H−D,O−D−E−D−D,O−C/D−E
/O−H−D,O−C/D−E−P−D,C−E−H−
D−D,C/D−E/O/P−D等、非常に多くの例が
挙げられる。実際の連続漂白を行う装置ではそれぞれの
漂白工程が独立した漂白塔と呼ばれる一種の反応塔にお
いて行われる。尚、アルカリ抽出反応の行われる反応塔
はアルカリ抽出塔と呼ばれる。すなわちパルプは各工程
に対応する複数の反応塔を順次通過していくことによっ
て漂白される。こうした漂白工程においては、各々の反
応塔に入る前にその反応塔における漂白工程で使用され
る漂白剤が添加される。ここでこれらの漂白剤を無駄な
く、効率よく添加し、安定した白色度のパルプを製造す
ることが求められる。漂白前のパルプ中に存在する着色
成分の含有率はパルプの種類が同一であっても、一定で
はなく変動する。従って、各工程における漂白剤の添加
率は、この着色成分の含有率及び各々の漂白剤の漂白特
性に適したレベルに常時コントロールする必要がある。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】以上のような工程上
の変動要因に対し、最終漂白品質を目的とする一定のレ
ベルにコントロールするために、従来、例えば特公平3
−80917に示されるような装置が開発されている。
このような装置では、個々の漂白段の漂白剤添加直後、
ないしは数分後の位置にインライン型白色度計を設置
し、その白色度計の信号により、漂白剤の添加量を加減
する方法が一般に採られている。このようにインライン
型白色度計を使用する方法ではハンター白色度計におい
て70%以下の低白色度の領域では、漂白剤の添加率を
変化させた場合の白色度変化が比較的に大きく、精度良
く白色度をコントロールすることができる。
【0005】しかし70%以上の高白色度の領域では、
漂白剤の添加率を変化させてもセンサーで検知できる程
白色度の変化巾が大きくない。従ってこのような高白色
度の領域では、センサーの信号を元に漂白剤の添加率を
制御することが困難であるという問題があった。又上記
の漂白工程の組合せ例で示される、E、E/O、E/O
/P工程ではPHを或一定の範囲にコントロールするの
が望ましく、このためにアルカリ薬品の添加量を制御す
る必要がある。この工程では一般的にその前工程(具体
的にはC、D、C/D等の塩素系薬品による漂白工程)
の薬品添加率に比例して、アルカリ薬品の添加率を変化
させれば、ほぼ一定の,PHになることが知られてお
り、特開昭58−56898、特開昭58−87387
等はこの原理を応用したものである。即ち塩素添加率か
ら必要なアルカリ添加率を演算する関数により、適正な
量のアルカリ薬品を、塩素漂白塔中における滞留時間に
相当する無駄時間の後に添加する方法である。しかし従
来のこの方法では、塩素塔内の滞留時間に相当する無駄
時間の処理をして、アルカリ薬品を比例添加制御するた
め、パルプの生産量を変更した場合や、工程がなんらか
のトラブルで停止した後に工程を再スタートした場合に
は、制御不可能となるという問題があった。
【0006】更に従来の方法では、安定操業が行われて
いる場合は問題が少ないが、工程にトラブルが発生した
際に、一時的な工程の停止あるいは、大幅な生産量変更
を余儀なくされる場合、各漂白工程内部のパルプの履歴
状態及び異常品質パルプの工程内の移動位置の把握をす
ることができないという問題があった。また広葉樹パル
プと針葉樹パルプとをスイッチ生産する場合にも、その
切り替わりを管理することができないという問題があっ
た。
【0007】本発明は、以上の問題を解決するためにな
されたものである。高白色度の領域での漂白剤の適正添
加を可能とすること、アルカリ薬品を含む各漂白剤の最
適なタイミングで最適な添加率制御を可能とすること、
更に工程異常時であっても工程内部のパルプの履歴状態
を把握すること、異常品質パルプの工程内の移動位置を
把握すること、及び広葉樹/針葉樹パルプのスイッチ生
産の切り替わりの境界管理を可能とすることを目的とす
る。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明の漂白工程制御装
置は、連続した複数の漂白工程から成るパルプの連続多
段漂白処理工程に順次投入されるパルプが複数のパルプ
塊から構成されるとして、各々のパルプ塊毎に順次ラベ
ルを付与するラベリング手段と、各ラベル毎に、パルプ
塊に関する情報をラベル情報として記憶するラベル情報
記憶手段と、前記ラベル情報記憶手段に記憶されたラベ
ル情報から各々のラベルの連続多段漂白処理工程上の位
置を算出するラベル位置演算手段と、を具備する。
【0009】
【作用】ラベル位置演算手段によりパルプの流量、濃度
等のラベル情報から、或ラベルの連続多段漂白処理工程
上での移動位置を常時把握する。更に、或るラベルが薬
品注入位置に至っていることをラベル位置演算手段が演
算することにより最適のタイミングで、かつ漂白剤添加
手段がラベル情報から演算することにより最適な注入量
で、漂白剤を注入する。しかも、その注入量は、新たな
ラベル情報としてラベル情報記憶手段に記憶される。
【0010】また、C、D又はC/D工程等の塩素系薬
品による漂白工程に続くE、E/O、E/O/P等のア
ルカリ処理による漂白工程において、漂白剤添加手段が
塩素の実質的な注入量にもとづいて、アルカリの最適量
を演算し、注入する。またラベル情報として記憶され
た、最初の漂白工程投入前のカッパ価から、漂白剤の必
要全有効塩素量を算出し、その値に基づいて、漂白剤添
加手段がその最初の漂白工程以降の該ラベルに対する漂
白剤の最適な注入量を算出し、注入する。
【0011】
【実施例】図1は本発明の漂白工程制御装置を使用した
連続漂白処理工程の系統図である。本実施例は酸素脱リ
グニン工程に続くC−E−H−Dの複数の漂白工程を連
続的に(多段に)組み合わせた一つの連続漂白処理工程
を使用したものである。以下、簡単に本連続漂白処理工
程を説明する。この一連の漂白工程が行われる各漂白塔
にはアップフロー型が使用されている。この型の漂白塔
ではパルプスラリーを塔底部から押し込み、塔頂部から
オーバーフローさせる。又、塔頂部にカミヤ式ディフュ
ーザー洗浄装置を備え、洗浄水を注入することによっ
て、漂白反応により溶出した着色成分を含んだ洗浄濾液
を漂白塔から排出する。
【0012】図1において、未晒パルプは図示を省略し
た蒸解装置で生産されて、未晒パルプ送入ライン1を経
てカッパ価測定計2を通って、第1の原料ポンプ3aに送
られる。カッパ価測定計2はパルプの残留リグニンの程
度を示すカッパ価を測定する。カッパ価は後段で添加さ
れる各漂白剤の量を決定する上で重要である。以下に塩
素漂白工程の概要を説明する。第1の原料ポンプ3aから
圧送される未晒パルプはパルプスラリー流量調節弁4を
通り、パルプスラリー濃度計8、パルプスラリー流量計
9及びパルプ白色度計10を通って塩素漂白塔11に導入さ
れる。塩素漂白塔11での漂白反応に使用される塩素は図
示を省略した塩素ガス発生機から塩素ガス流量調節弁6
及び塩素ガス流量計7を通って塩素漂白塔11に導入され
る前に未晒パルプ中に添加される。塩素漂白塔11内での
漂白反応によって溶出した着色成分を取り除くために塩
素漂白塔洗浄水が塩素漂白塔洗浄水流量計12を通って塩
素漂白塔11に注入され、その着色成分を含んだ洗浄濾液
は塩素漂白塔洗浄濾液流量計13を通って排出される。
【0013】以下にアルカリ抽出工程の概要を説明す
る。塩素漂白後のパルプは塩素漂白塔オーバーフローラ
イン14を通って第2の原料ポンプ3bに送られる。アルカ
リ抽出塔19での漂白反応に使用される苛性ソーダーは図
示を省略した苛性ソーダー貯槽から苛性ソーダー水流量
調節弁16及び苛性ソーダー水流量計17を通ってアルカリ
抽出塔19に導入される前のパルプ中に添加される。アル
カリ抽出塔19内での漂白反応によって溶出した着色成分
を取り除くためにアルカリ抽出塔洗浄水がアルカリ抽出
塔洗浄水流量計20を通ってアルカリ抽出塔19に注入さ
れ、その着色成分を含んだ洗浄濾液はアルカリ抽出塔洗
浄濾液流量計21を通って排出される。正確にはこの着色
成分は苛性ソーダー水に抽出された塩素化リグニンであ
る。
【0014】以下にハイポ漂白工程の概要を説明する。
アルカリ抽出後のパルプはアルカリ抽出塔オーバーフロ
ーライン22を通って第3の原料ポンプ3cに送られる。ハ
イポ漂白塔28での漂白反応に使用される次亜塩素酸ソー
ダー( 以降簡単のためにハイポと称する。) は図示を省
略したハイポ貯槽からハイポ液流量調節弁24及びハイポ
液流量計25を通ってハイポ漂白塔28に導入される前のパ
ルプ中に添加される。ハイポ漂白塔28内での漂白反応に
よって溶出した着色成分を取り除くためにハイポ漂白塔
洗浄水がハイポ漂白塔洗浄水流量計29を通ってハイポ漂
白塔28に注入され、その着色成分を含んだ洗浄濾液はハ
イポ漂白塔洗浄濾液流量計30を通って排出される。
【0015】以下に二酸化塩素漂白工程の概要を説明す
る。ハイポ漂白後のパルプはハイポ漂白塔オーバーフロ
ーライン31を通って第4の原料ポンプ3dに送られる。二
酸化塩素漂白塔36での漂白反応に使用される二酸化塩素
は図示を省略した二酸化塩素水貯槽から二酸化塩素水流
量調節弁33及び二酸化塩素水流量計34を通って二酸化塩
素漂白塔36に導入される前のパルプ中に添加される。二
酸化塩素漂白塔36内での漂白反応によって溶出した着色
成分を取り除くために二酸化塩素漂白塔洗浄水が二酸化
塩素漂白塔洗浄水流量計37を通って二酸化塩素漂白塔36
に注入され、その着色成分を含んだ洗浄濾液は二酸化塩
素漂白塔洗浄濾液流量計38を通って排出される。
【0016】二酸化塩素漂白後のパルプは二酸化塩素漂
白塔オーバーフローライン39を通って図示を省略した精
選工程へと送られる。以上の漂白処理工程において、カ
ッパ価、パルプ濃度、パルプ流量、薬剤流量等の工程制
御上必要な各種のパラメーターがカッパ価測定計2、パ
ルプスラリー濃度計8、パルプスラリー流量計9、パル
プ白色度計10、及び各薬剤、洗浄水用の流量計等の測定
器によって測定され、必要に応じて制御部60で演算され
る。これらの値が随時、漂白工程制御装置51に入力され
る。
【0017】この漂白工程制御装置51の構成を図2に示
した。漂白工程制御装置51の入出力インターフェイス52
を介して上記の各パラメーターが演算処理部53に入力さ
れ、メモリ54に記憶されたプログラムに従って演算処理
される。その演算処理の結果に応じて図1に示した制御
部60中の原料押込流量制御部60a 、塩素流量演算制御部
60b 、塩素漂白塔洗浄装置制御部60c 、苛性ソーダー水
流量制御部60d 、アルカリ抽出塔洗浄装置制御部60e 、
ハイポ液流量演算制御部60f 、ハイポ漂白塔洗浄装置制
御部60g 、二酸化塩素水流量制御部60h 、二酸化塩素漂
白塔洗浄装置制御部60i 等の各制御部が入出力インター
フェイス52を介して演算処理部53によって適宜制御され
る。また各測定パラメーターや漂白工程の状況はメモリ
54に記憶されたプログラムに従って、演算処理部53によ
ってCRT55上に表示される。
【0018】以上のプログラムの中で、本発明において
重要な各プログラムの構成及びそれらの実行される流れ
を示す主要プラグラム構成図を図3に示した。図3から
分かるように、本漂白工程制御装置のプログラムはラベ
リングプログラム、アルカリ注入プログラム、ハイポ注
入プログラム、二酸化塩素注入プログラム及び漂白終了
管理プログラムから構成されている。ラベリングプログ
ラムでラベルを付与されたある一定量のパルプに対して
順次、アルカリ注入プログラム、ハイポ注入プログラ
ム、二酸化塩素注入プログラム及び漂白終了管理プログ
ラムに従って前述の連続漂白処理工程における各種薬剤
の注入が最適に制御されて行われる。
【0019】ラベリングプログラムでは連続多段漂白処
理工程に順次投入されるパルプに対して一定時間間隔毎
に順次ラベル番号を付与し、ラベル情報を記憶してい
る。続いて、アルカリ注入プログラムではラベリングプ
ログラムでラベルされた特定のラベル番号のパルプが塩
素漂白塔11を何時押し出されるかを計算し、そのタイミ
ングに合わせて、最適な量のアルカリ( すなわち苛性ソ
ーダー水) を注入する。
【0020】続いて、ハイポ注入プログラムでは特定の
ラベル番号のパルプがアルカリ抽出塔19を何時押し出さ
れるかを計算し、そのタイミングに合わせて、後述の白
色度制御演算式によって定まる量のハイポ液を注入す
る。続いて、二酸化塩素注入プログラムでは特定のラベ
ル番号のパルプがハイポ漂白塔28を何時押し出されるか
を計算し、そのタイミングに合わせて、最適な量の二酸
化塩素水を注入する。ここで、この二酸化塩素水の最適
な量は、漂白前のカッパ価にもとづいてあらかじめ計算
された必要全有効塩素量とこの二酸化塩素漂白工程に至
るまでの漂白薬品添加量とから計算される。
【0021】続いて、漂白終了管理プログラムでは特定
のラベル番号のパルプが二酸化塩素漂白塔36を何時押し
出されるかを計算し、そのラベル番号のパルプの連続多
段漂白処理工程の終了を確定する。以下、図1から図3
及び主要プログラムを構成する以上の各プログラムを示
す図4から図8を参照しながら、上記の各プログラムに
よる各漂白工程の制御について説明する。
【0022】先ず、塩素漂白工程に未晒パルプが導入さ
れる。この塩素漂白工程において、特公平3−8091
7号公報に開示されるように、塩素ガス流量を測定しな
がら塩素ガスが導入され、塩素漂白塔11において漂白が
おこなわれる。塩素漂白塔に送り込まれる未晒パルプは
例えば10分経過する毎に、その10分間に送り込まれ
るパルプ塊に対して各々ラベル番号が付与される。すな
わち、原則的には連続的に投入されて切れ目の無いパル
プが複数のパルプ塊から構成されるとして取り扱う訳で
ある。そのラベルを付与されたパルプ塊の性質(履歴)
を表すパルプ濃度等のラベル情報が本漂白工程制御装置
の前述のメモリ54内に各々のラベル毎に記憶される。こ
のようにパルプ塊毎にラベル番号を付与すことを、本明
細書中ではラベリングと言う。
【0023】このラベリングを図4に示したラベリング
プログラムについて以下に説明する。このラベリングプ
ログラムにおいてはラベリング及び塩素漂白工程におけ
るラベル情報の記憶が行われる。ステップR1においてパ
ルプ塊に与えられるラベル番号が決定される。ステップ
R2においては本ラベリングプログラムと同時に進行する
べき「ラベル番号nを付与されたパルプ」(以後簡単の
ために「ラベルn」と略す)に対するアルカリ注入プロ
グラムがスタートする。このアルカリ注入プログラムは
後に説明する。
【0024】ステップR3においてはメモリ54に記憶され
るべきラベル情報となるラベルnのパルプの乾燥重量
(WPn (kg))、塩素ガス流量(WCln (kg)) 、カッパ価(k
appan) 等の各データが演算される。ステップR4では一
定量のパルプ塊に対してステップR1で決定したラベル番
号を付与し、そのラベル情報として前記ステップR3で演
算された、カッパ価の平均値、塩素流量( これはそのラ
ベルのパルプに注入された全塩素量 WCln (kg)に相当す
る) 、パルプの重量流量( これはそのラベルnに含まれ
るパルプの乾燥重量WPn (kg)に相当する) 等の各数値を
メモリ54に記憶する。
【0025】次のステップR5では次の10分間に流れこ
むパルプに対して付与する次のラベル番号を決定してい
る。以後、順次ステップR2からステップR5を繰り返し、
流入するパルプに対して10分毎にラベリング及びラベ
ル情報の記憶を行うことになる。以上の例ではラベリン
グを一定時間(10分)毎に行う例を説明したが、一定
量のパルプ毎に対して、ラベリングを行うことももちろ
ん可能である。また原料の広葉樹/針葉樹パルプの切り
替えを行った時などその変わり目をラベル情報として記
録することによって、スイッチ生産の切り替わりの境界
管理ができる。
【0026】以上のラベル番号は例えば1〜999まで
順次付与することとし、999の次は再び番号1に戻
り、古いデーターは新しいデーターにより上書き更新さ
れる。ラベル情報は以上のようにメモリ54に記憶されて
いる。従ってメモリ54内部には999×10分間(約7
日分)のデーターが記憶されることになる。以上のラベ
リング及びラベル情報の記憶の結果、ラベル情報として
先ず、入り口時刻、パルプ濃度、パルプの乾燥重量、パ
ルプ流量、カッパ価、塩素ガス流量データーが記憶され
る。
【0027】塩素漂白工程には連続してパルプが送り込
まれるのでラベル No.1のパルプが送り込まれ、次の1
0分間にはラベル No.2のパルプが送り込まれ、その結
果ラベル No.1のパルプは1ラベル分だけ塩素漂白塔内
部に押し込まれる。このようにして、次々に新しいラベ
ルのパルプによって押し込まれることによりラベル No.
1のパルプは塩素漂白塔内を上昇し、ついには塔の上部
に達する。このように塩素漂白塔上部に達したパルプは
塔内に設置されたディフューザー式洗浄装置により洗浄
された後、塔から掻き出され、次のアルカリ抽出塔19へ
送り込む第2の原料ポンプ3bへ入って行く。
【0028】ここで苛性ソーダー水流量調節弁16及び苛
性ソーダー水流量計17を通じて苛性ソーダー水を適切に
制御して注入する。これを前記したように既にスタート
している図5に示したアルカリ注入プログラムによって
行う。ラベルnに対する苛性ソーダー水の注入を開始す
る前に、注入する対象となるラベル番号nのパルプが苛
性ソーダー水注入位置Aに来る時刻を求めることが必要
となる。この位置にラベルnがさしかかった時にラベル
nに対する苛性ソーダー水を注入し始めることによって
最適なタイミングでラベルnに対する漂白剤の添加(注
入)を行うことができる。そのためアルカリ注入プログ
ラムの前半部では、ラベルnの塩素漂白塔11内での位置
を求めている。
【0029】ラベルnの塩素漂白塔11内での位置は塩素
漂白塔11に連続して押し込まれているパルプスラリーの
押し込み体積流量(これはパルプスラリー流量計9によ
って測定されている)を単位時間(この例では1分間)
毎に積算して得られる。この積算体積と塩素漂白塔11の
全体積(CTV )の比率( CSTn )をとることによってラ
ベルnの位置を塩素漂白塔11の何パーセントの位置に在
るという形でとらえられる。この( CSTn j (この添
え字jはラベルnが塩素漂白塔に入り始めてからj分間
経たことを示す)が100%を超えた時にラベルnが塩素漂
白塔頂部からオーバーフローし始める。以上に説明した
ラベルnの位置計算及びラベルnが塩素漂白塔頂部に達
したか否かの判断がステップE2及びE3に対応する。
【0030】ステップE3で( CSTn j ≧100と判断
されればラベルnが塩素漂白塔11をオバーフローしたの
で、ステップE4に入り、本アルカリ注入プログラムと同
時に進行するべきラベル番号nのパルプに対するハイポ
注入プログラム(正確にはハイポ注入プログラムの前半
部のラベルnのアルカリ抽出塔内での位置を求めるプロ
グラムの部分)がスタートする。このハイポ注入プログ
ラムは後に説明する。
【0031】次のステップE5からが本アルカリ注入プロ
グラムの後半部であり、苛性ソーダーの適量添加、また
添加後の必要なデーターの演算及びそれらのラベル情報
としての記憶を行うためのフローである。すなわち、本
発明でいう漂白剤としてのアルカリの最適な注入量を算
出する漂白剤添加量演算を行っている。先ず、パルプの
乾燥1kgに対して必要な苛性ソーダー添加率(NaOH添加
率)は次式のように表される。
【0032】 NaOH添加率(Kg/乾燥パルプKg)=K1×( WCl n /WPn )+K2 ・・・式(1) WCln : ラベルnの全塩素量(kg) WP n : ラベルnの乾燥パルプの全重量 (kg) (これは
パルプスラリー中のパルプの乾燥重量に相当する。) K1,K2: 定数
【0033】このNaOH添加率(Kg/乾燥パルプKg) から
ラベルnに対して注入するべきNaOHの全注入量が(NaOH
添加率×ラベルnのパルプの乾燥重量) で表される。一
方、ラベルnが全て塩素漂白塔を出るのに要する時間は
10分間になるとは限らない。この時間はこのラベルnが
オバーフローしようとするこの時点に塩素漂白塔に押し
込まれているパルプスラリー流量によって定まる。
【0034】以上のことを具体的な数値によって説明す
ると以下のようになる。例えばラベルnが塩素漂白塔に
入った時のパルプスラリー流量が4000リットル/ 分で10
分間一定であったとすると、ラベルnの全パルプスラリ
ー量は4000リットル×10分=40000 リットルとなる。こ
こで、いまこのラベルnが塩素漂白塔を出ようとする時
に塩素漂白塔に入るパルプスラリー流量が3000リットル
/分で10分間一定であったとすると、このラベルnのオ
ーバーフローにかかる時間は40000 リットル/3000リッ
トル=13.33分となる。すなわちラベルnは、その時点に
塩素漂白塔に1分間に押し込まれているパルプスラリー
の流量(FVOLC) の分だけ塩素漂白塔から1分間に押し出
される。従って1分間に押し出されるパルプの乾燥重量
は以下のように表される。
【0035】1分間に押し出されるパルプの乾燥重量(K
g/分) = その時点に塩素漂白塔に1分間に押し込まれて
いるパルプスラリーの流量(FVOLCk )(リットル/ 分) ×
ラベルnのパルプスラリー濃度(PCCn ) (%) ここで(PCCn ) はパルプスラリー濃度計8によって既に
測定されている。
【0036】従ってラベルnが塩素漂白塔からその全量
が押し出されるのに要する時間(tC)は以下のように表
される。 tC(分)= WP n /(FVOLCk × (PCC n / 100)) すなわち、苛性ソーダー水流量調整弁16を調整して、或
る一定濃度(CONaOH)の苛性ソーダー水をtC(分)の間に
上述の全注入量分(NaOH 添加率×ラベルnのパルプの乾
燥重量) 注入することによって、最適にアルカリ注入を
行うことができる。従って、苛性ソーダー水流量調整弁
16によって調整する苛性ソーダー水流量率( リットル/
分) は以下のように表される。
【0037】苛性ソーダー水流量率( リットル/ 分)=
(( ラベルnに対して注入するべきNaOHの全注入量)/(CO
NaOH))/tC=((NaOH 添加率×ラベルnのパルプの乾燥重
量) /(CONaOH))/tC=(((K1×( WCl n /WPn )+K2) × WP
n ) /(CONaOH))/tC
【0038】尚、FVOLC k は時々刻々と変化する可能性
があるため1 分間に押し出されるラベルnのパルプの乾
燥重量(Kg/分) もそれに伴って変化し、以上説明したtC
も変化する。そのためステップE5では1分毎に残りの乾
燥パルプの重量(未だ苛性ソーダー水の注入を受けてい
ない乾燥パルプの重量を意味する。)に対してtCを再計
算し、苛性ソーダー水流量率( リットル/ 分) を求め、
それに従って苛性ソーダー水流量調整弁16を調整する。
従って残りの乾燥パルプの重量がゼロになった時点でラ
ベルnに対する苛性ソーダー水の注入は終了する。
【0039】またラベルnに注入された全苛性ソーダー
の全量は上記の苛性ソーダー水流量率をその苛性ソーダ
ー水濃度(CONaOH)に乗じたものを次のラベルが塩素漂白
塔をオーバーフローし始めるまで積算することによって
求められる。以上のように、アルカリ抽出塔19に入る直
前に注入する苛性ソーダーの適切な「苛性ソーダー水流
量率」を求めるためには塩素漂白塔に1分間に押し込ま
れているパルプスラリーの流量及び塩素漂白塔11入口で
測定されたラベルnのパルプ濃度が必要である。このこ
とは以下に説明するハイポ漂白塔、二酸化塩素漂白塔の
場合も同様であり、ハイポ漂白塔入口でのハイポ添加
率、ハイポ漂白塔内でのラベル位置管理、更には二酸化
塩素漂白塔入口での二酸化塩素水流量率を算出する場合
においても、各塔入口のパルプ濃度が重要である。パル
プ濃度を測定するためには簡単にはアルカリ抽出塔19入
口にパルプスラリー流量計及びパルプスラリー濃度計を
設置することも考えられる。しかし、パルプスラリー濃
度計の検出特性が広葉樹パルプと針葉樹パルプでは異な
る事や、計器設備のコストを低減する事を、考慮すると
以下のように計算によってアルカリ抽出塔に1分間に押
し込まれているパルプスラリーの流量(FVOLE) 及びアル
カリ抽出塔19入口のラベルnのパルプ濃度(PCEn ) を求
めるほうが好ましい。
【0040】先ず、1分間のアルカリ抽出塔入口のラベ
ルnのパルプ濃度(PCE) を考えると以下のようになる。 1分間のアルカリ抽出塔に押し込まれているラベルnの
パルプ濃度(PCE) =((この時に塩素漂白塔に押し込まれ
ているパルプスラリーの流量(FVOLCL )(リットル/分)
×(PCCn ))/アルカリ抽出塔19に押し込まれているラベ
ルnの流量(リットル/分) ここで、(PCCn ) (%)は塩素漂白塔入口におけるラベ
ルnのパルプスラリー濃度。
【0041】このアルカリ抽出塔19に押し込まれている
ラベルnの流量(リットル/分)を(FVOLE i ) とする
と、この(FVOLE i ) は塩素漂白塔11における塩素漂白
塔洗浄水流量(V1C) 、塩素漂白塔洗浄濾液流量(V2C) 及
び苛性ソーダー水流量(FNaOH) の各流量バランスから以
下の式で表される。
【0042】 (FVOLE i )=(FVOLCL ) +(V1C) −(V2C) +(FNaOH) ここで、 (FVOLCL ) : ラベルnがアルカリ抽出塔に押し込まれよ
うとする時に塩素漂白塔に押し込まれているパルプスラ
リーの流量(リットル/分) (V1C) : この時の塩素漂白塔洗浄水流量(リットル
/分) (V2C) : この時の塩素漂白塔洗浄濾液流量(リット
ル/分) (FNaOH) : この時の苛性ソーダー水流量(リットル/
分)
【0043】 従って(PCE) =((FVOLC L ) ×(PCCn ))/ (FVOLE i ) =((FVOLC L ) ×(PCCn ))/ ((FVOLCL ) +(V1C) −(V2C) +(FNaOH)) ステップE6において、この(PCE) を次のラベルが塩素漂
白塔をオーバーフローするまで積算平均することによっ
てアルカリ抽出塔19入口のラベルnのパルプ濃度(PC
En ) を求めている。
【0044】ステップE7において、以上のようにして得
られた苛性ソーダー水流量、アルカリ抽出塔に1分間に
押し込まれているパルプスラリーの流量(FVOLE ) 、ア
ルカリ抽出塔19入口のラベルnのパルプ濃度(PCEn ) 、
塩素漂白塔洗浄水流量(V1C)、塩素漂白塔洗浄濾液流量
(V2C) 等のデーターを追加分のラベルデータとしてメモ
リ54に記憶する。
【0045】以上でこのアルカリ注入プログラムは終了
する。以上の例では塩素は塩素ガスだけが前段で添加さ
れた例を説明したが、塩素及び/又は二酸化塩素が前段
で添加された場合も換算することによって実質的な塩素
量にもとづいて演算することによって同様に対応でき
る。
【0046】アルカリ抽出工程には連続してパルプが送
り込まれるのでラベル No.1のパルプが送り込まれ、次
にラベル No.2のパルプが送り込まれ、その結果ラベル
No.1のパルプは1ラベル分だけアルカリ抽出塔19内部
に押し込まれる。このようにして、次々に新しいラベル
のパルプによって押し込まれることによりラベル No.1
のパルプはアルカリ抽出塔内を上昇し、ついには塔の上
部に達する。このようにアルカリ抽出塔上部に達したプ
ルプは塔内に設置されたディフューザー式洗浄装置によ
り洗浄された後、塔から掻き出され、次のハイポ漂白塔
28に送り込むポンプ3cへ入って行く。
【0047】ここでハイポ液流量調節弁24及びハイポ液
流量計25を通してハイポ液を適切に制御して注入する。
これを前記したように既にスタートしている図6に示し
たハイポ液注入プログラムによって行う。ハイポ液の注
入を開始する前に、注入する対象となるラベル番号nの
パルプがハイポ液注入位置Bに来る時刻を求めることが
必要となる。この位置にラベルがさしかかった時にハイ
ポ液を注入し始めることによって最適なタイミングで漂
白剤の添加(注入)を行うことができる。そのためハイ
ポ液注入プログラムの前半部では、ラベルnのアルカリ
抽出塔19内での位置を求めている。
【0048】ラベルnのアルカリ抽出塔19内での位置は
アルカリ抽出塔19に連続して押し込まれているパルプス
ラリーの押し込み流量(これは、すなわち前述のアルカ
リ注入プログラムのステップE6で求められたアルカリ抽
出塔19に入る各ラベルの流量(FVOLE i ) (リットル/
分)である。)を単位時間(この例では1分間)毎に積
算して得られる。この積算体積とアルカリ抽出塔19の全
体積(ETV )の比率(ESTn )をとることによってラベ
ルnの位置をアルカリ抽出塔の何パーセントの位置に在
るという形でとらえられる。この( ESTn j (この添
え字jはラベルnがアルカリ抽出塔19に入り始めてから
j分間経たことを示す)が100%を超えた時にラベルnが
アルカリ抽出塔頂部からオーバーフローし始める。以上
に説明したラベルnの位置計算及びラベルnがアルカリ
抽出塔塔頂部に達したか否かの判断がステップH2及びH3
に対応する。
【0049】ステップH3で( ESTn j ≧100と判断
されればラベルnがアルカリ抽出塔19をオバーフローし
たので、ステップH4に入り、本ハイポ液注入プログラム
と同時に進行するべきラベル番号nのパルプに対する二
酸化塩素水注入プログラム(正確には二酸化塩素水注入
プログラムの前半部のラベルnのハイポ漂白塔内での位
置を求めるプログラムの部分)がスタートする。この二
酸化塩素水注入プログラムは後に説明する。
【0050】次のステップH5からが本ハイポ液注入プロ
グラムの後半部であり、ハイポ液の適量添加、また添加
後の必要なデーターの演算及びそれらのラベル情報とし
ての記憶を行うためのフローである。すなわち、漂白剤
としてのハイポ液の最適な注入量を算出する漂白剤添加
量演算を行っている。
【0051】ハイポ液の流量制御は特公平3−8091
7に類似の方法で行われる。このときの白色度制御演算
式を次に示す。 補正白色度 =K3×(白色度計の信号)+K4×(ハイポ液の流量/現在の塩素塔入り口のパ ルプ流量) +K5 ・・・式(2) K3 ,K4 ,K5 :定数
【0052】式(2)で計算される補正白色度が一定に
なるようにハイポ液の流量を制御して注入する。注入し
たハイポ液の流量はラベルデーターとして保管してお
く。またラベルnに注入されたハイポの全量は上記のハ
イポ液流量をそのハイポ液濃度(COHYPO)に乗じたものを
次のラベルがアルカリ抽出塔をオーバーフローしはじめ
るまで積算することによって求められる。
【0053】次に、二酸化塩素漂白塔36に入る直前に注
入する二酸化塩素水の適切な「二酸化塩素水流量率」を
求めるためにはハイポ漂白塔に1分間に押し込まれてい
るパルプスラリーの流量及びハイポ漂白塔28入口で測定
されたラベルnのパルプ濃度が必要である。そのために
は簡単にはハイポ漂白塔28入口にパルプスラリー流量計
及びパルプスラリー濃度計を設置することも考えられ
る。しかし、広葉樹パルプと針葉樹パルプではパルプス
ラリー濃度計も検出特性が異なることや、計器設備のコ
スト節減等を考慮すると、以下のように計算によってハ
イポ漂白塔に1分間に押し込まれているパルプスラリー
の流量(FVOLH) 及びハイポ漂白塔28の入口のラベルnの
パルプ濃度(PCHn ) を求めるほうが好ましい。
【0054】先ず1分間のハイポ漂白塔28に入ろうとす
るラベルnのパルプ濃度(PCH) を考えると、前述の1分
間のアルカリ抽出塔19に入ろうとするラベルnのパルプ
濃度(PCE) と同様に以下のようになる。
【0055】 (PCH) =((FVOLE L ) ×(PCEn ))/ (FVOLH i ) =((FVOLE L ) ×(PCEn ))/ ((FVOLEL ) +(V1E) −(V2E) +(FHYPO)) ステップH6において、この(PCH) を次のラベルがアルカ
リ抽出塔をオーバーフローするまで積算平均することに
よってハイポ漂白塔28入口のラベルnのパルプ濃度(PCH
n ) を求めている。
【0056】ここで、 (FVOLH i ): ハイポ漂白塔に押し込まれているラベルn
の流量(リットル/分) (FVOLEL ) : ラベルnがハイポ漂白塔に入ろうとする時
にアルカリ抽出塔に押し込まれているパルプスラリーの
流量(リットル/分) (V1E) : この時のアルカリ抽出塔洗浄水流量(リッ
トル/分) (V2E) : この時のアルカリ抽出塔洗浄濾液流量(リ
ットル/分) (FHYPO) : この時のハイポ液流量(リットル/分)
【0057】ステップH7において、以上のようにして得
られたハイポ液流量、ハイポ漂白塔に1分間に押し込ま
れているパルプスラリーの流量(FVOLH ) 、アルカリ抽
出塔19入口のラベルnのパルプ濃度(PCEn ) 、ハイポ漂
白塔28入口のラベルnのパルプ濃度(PCHn ) 、アルカリ
抽出塔洗浄水流量(V1E) 、アルカリ抽出塔洗浄濾液流量
(V2E) 等のデーターを追加分のラベルデータとしてメモ
リ54に記憶する。以上でこのハイポ注入プログラムは終
了する。
【0058】ハイポ漂白塔28には連続してパルプが送り
込まれるのでラベル No.1のパルプが送り込まれ、次に
ラベル No.2のパルプが送り込まれ、その結果ラベル N
o.1のパルプは1ラベル分だけハイポ漂白塔28内部に押
し込まれる。このようにして、次々に新しいラベルのパ
ルプによって押し込まれることによりラベル No.1のパ
ルプはハイポ漂白塔内を上昇し、ついには塔の上部に達
する。このようにハイポ漂白塔上部に達したパルプは塔
内に設置されたディフューザー式洗浄装置により洗浄さ
れた後、塔から掻き出され、次の二酸化塩素漂白塔36に
送り込む第4の原料ポンプ3dへ入って行く。
【0059】ここで二酸化塩素水流量調節弁33及び二酸
化塩素水流量計34を通して二酸化塩素水を適切に制御し
て注入する。これを前記したように既にスタートしてい
る図7に示した二酸化塩素水注入プログラムによって行
う。二酸化塩素水の注入を開始する前に、注入する対象
となるラベル番号nのパルプが二酸化塩素水注入位置C
に来る時刻を求めることが必要となる。この位置にラベ
ルがさしかかった時に二酸化塩素水を注入し始めること
によって最適なタイミングで漂白剤の添加(注入)を行
うことができる。そのため二酸化塩素水注入プログラム
の前半部では、ラベルnのハイポ漂白塔28内での位置を
求めている。
【0060】ラベルnのハイポ漂白塔28内での位置はハ
イポ漂白塔28に連続して押し込まれているパルプスラリ
ーの押し込み流量(これは、すなわち前述のハイポ注入
プログラムのステップH6で求められたハイポ漂白塔28に
入る各ラベルの流量(FVOLH i ) (リットル/分)であ
る。)を単位時間(この例では1分間)毎に積算して得
られる。この積算体積とハイポ漂白塔28の全体積(HTV
)の比率( HSTn )をとることによってラベルnの位
置をハイポ漂白塔の何パーセントの位置に在るという形
でとらえられる。この( HSTn j (この添え字jはラ
ベルnがハイポ漂白塔28に入り始めてからj分間経たこ
とを示す)が100%を超えた時にラベルnがハイポ漂白塔
頂部からオーバーフローし始める。以上に説明したラベ
ルnの位置計算及びラベルnがハイポ漂白塔頂部に達し
たか否かの判断がステップD2及びD3に対応する。
【0061】ステップD3で( HSTn j ≧100と判断
されればラベルnがハイポ漂白塔28をオバーフローした
ので、ステップD4に入り、本二酸化塩素水注入プログラ
ムと同時に進行するべきラベル番号nのパルプに対する
漂白終了管理プログラム(正確には漂白終了管理プログ
ラムの前半部のラベルnの二酸化塩素漂白塔内での位置
を求めるプログラムの部分)がスタートする。この漂白
終了管理プログラムは後に説明する。
【0062】次のステップD5からが本二酸化塩素水注入
プログラムの後半部であり、二酸化塩素水の適量添加、
また添加後の必要なデーターの演算及びそれらのラベル
情報としての記憶を行うためのフローである。すなわ
ち、漂白剤としての二酸化塩素水の最適な注入量を算出
する漂白剤添加量演算を行っている。パルプを或る一定
の白色度まで漂白するために要する漂白薬品量の総量
は、カッパ価から算出される全有効塩素添加率(RQTCL)
から導き出せるということが本発明者らの研究の結果判
った。そこで本実施例の連続漂白処理工程の最終漂白工
程に相当する二酸化塩素漂白工程で注入すべき二酸化塩
素の量を前工程までに注入された各漂白薬品の量とこの
全有効塩素添加率(RQTCL) から以下のようにして求め
る。
【0063】先ず、ラベルnを漂白するために要する全
有効塩素添加率(RQTCLn ) を以下の式(3) によって求め
る。 RQTCL n ( 有効塩素重量/ 乾燥パルプ重量)=K6×Kappa
n +K7(WCL n /WP n )+K8・・・式(3) Kappa n : カッパ価測定計2によって測定されたラベル
nのカッパ価 K6, K7, K8 : 定数
【0064】従って、二酸化塩素漂白工程で注入すべき
二酸化塩素添加率はこれまでの工程( 塩素漂白工程及び
ハイポ漂白工程 )で加えられた有効塩素添加率を前記全
有効塩素添加率(RQTCLn ) から差し引いた量となる。即
ち、 必要とする二酸化塩素添加率(CLO2(kg)/乾燥パルプ(k
g))=(RQTCLn -(WCL n +WHYPOn )/WPn )/2.63 WHYPO n : ラベルnに加えられたハイポの有効塩素量
(有効塩素kg) 2.63 : 有効塩素換算係数( 二酸化塩素1kg=有効塩素
2.63kg)
【0065】一方、ラベルnが全てハイポ漂白塔を出る
のに要する時間は先に説明したラベルnが塩素漂白塔を
出るのに要する時間と同様に求められる。すなわちラベ
ルnは、その時点にハイポ漂白塔に1分間に押し込まれ
ているパルプスラリーの流量(FVOLH) の分だけハイポ漂
白塔から1分間に押し出される。従って1 分間に押し出
されるパルプの乾燥重量は以下のように表される。
【0066】1分間に押し出されるパルプの乾燥重量(K
g/分) = その時点にハイポ漂白塔に1分間に押し込まれ
ているパルプスラリーの流量(FVOLHk )(リットル/ 分)
×ラベルnのパルプスラリー濃度(PCHn ) (%) ここで(PCHn ) は前述のハイポ注入プログラムのステッ
プH6において既に演算されている。
【0067】従ってラベルnがハイポ漂白塔からその全
量が押し出されるのに要する時間(tH)は以下のように
表される。 tH(分)= WP n /(FVOLHk × (PCH n / 100)) すなわち、二酸化塩素水流量調節弁33を調節して、或る
一定濃度(COCL2) の二酸化塩素水をtH(分)の間に上述
の全注入量分( 二酸化塩素添加率×ラベルnのパルプの
乾燥重量) 注入することによって、最適に二酸化塩素水
注入を行うことができる。従って、二酸化塩素水流量調
節弁24によって調節する二酸化塩素水流量率( リットル
/ 分) は以下のように表される。
【0068】二酸化塩素水流量率( リットル/ 分)=((
ラベルnに対して注入するべき二酸化塩素水の全注入
量)/(COCL2) )/tH=(( 二酸化塩素添加率×ラベルnのパ
ルプの乾燥重量) /(COCL2))/tH=((((RQTCL n -(WCL n +
WHYPO n )/WPn )/2.63) × WP n ) /(COCL2))/tH
【0069】尚、FVOLH k は時々刻々と変化する可能性
があるため1分間に押し出されるラベルnのパルプの乾
燥重量(Kg/分) もそれに伴って変化し、以上説明したtH
も変化する。そのためステップD5では1分毎に残りの乾
燥パルプの重量(未だ二酸化塩素水の注入を受けていな
い乾燥パルプの重量を意味する。)に対してtHを再計算
し、二酸化塩素水流量率( リットル/ 分) を求め、それ
に従って二酸化塩素水流量調節弁33を調節する。従って
残りの乾燥パルプの重量がゼロになった時点でラベルn
に対する二酸化塩素水の注入は終了する。
【0070】またラベルnに注入された二酸化塩素の全
量は上記の二酸化塩素水流量率をその二酸化塩素水濃度
(COCL2) に乗じたものを次のラベルがハイポ漂白塔をオ
ーバーフローするまで積算することによって求められ
る。以上のように、二酸化塩素漂白塔36に入る直前に注
入する二酸化塩素水の適切な「二酸化塩素水流量率」を
求めるためにはハイポ漂白塔に1分間に押し込まれてい
るパルプスラリーの流量及びハイポ漂白塔28入口におけ
るラベルnのパルプ濃度が必要である。このように反応
塔に押し込まれているパルプスラリーの流量及び反応塔
入口におけるパルプ濃度を求め、ラベルデーターとして
記憶することが、そのラベルのパルプに対して本連続漂
白工程以後の様々の工程を行う上で重要である。従っ
て、二酸化塩素漂白塔に1分間に押し込まれているパル
プスラリーの流量及び二酸化塩素漂白塔28入口における
ラベルnのパルプ濃度を求めておく必要がある。そのた
めには簡単には二酸化塩素漂白塔36入口にパルプスラリ
ー流量計及びパルプスラリー濃度計を設置することも考
えられる。しかし、広葉樹パルプと針葉樹パルプではパ
ルプスラリー濃度計も検出特性が異なることや、計器設
備のコスト節減等を考慮すると、以下のように計算によ
って二酸化塩素漂白塔に1分間に押し込まれているパル
プスラリーの流量 (FVOLD ) 及び二酸化塩素漂白塔36の
入口のラベルnのパルプ濃度(PCDn ) を求めるほうが好
ましい。
【0071】先ず二酸化塩素漂白塔36に入ろうとするラ
ベルnの1分間のパルプ濃度(PCD)を考えると、前述の
1分間のアルカリ抽出塔19に入ろうとするラベルnのパ
ルプ濃度(PCE) と同様に以下のようになる。
【0072】 (PCD) =((FVOLH L ) ×(PCHn ))/ (FVOLD i ) =((FVOLH L ) ×(PCHn ))/ ((FVOLHL ) +(V1H) −(V2H) +(FCLO2)) ステップD6において、この(PCD) を次のラベルがハイポ
漂白塔をオーバーフローするまで積算することによって
二酸化塩素漂白塔36入口のラベルnのパルプ濃度(PC
Dn ) を求めている。
【0073】ここで、 (FVOLD i ): 二酸化塩素漂白塔に押し込まれているラベ
ルnの流量( リットル/分) (FVOLHL ) : ラベルnが二酸化塩素漂白塔に入ろうとす
る時にハイポ漂白塔に押し込まれているパルプスラリー
の流量( リットル/分) (V1H) : この時のハイポ漂白塔洗浄水流量( リット
ル/分) (V2H) : この時のハイポ漂白塔洗浄濾液流量( リッ
トル/分) (FCLO2) : この時の二酸化塩素水流量( リットル/
分)
【0074】ステップD7において、以上のようにして得
られた二酸化塩素水流量、二酸化塩素漂白塔に1分間に
押し込まれているパルプスラリーの流量(FVOLD ) 、二
酸化塩素漂白塔36入口のラベルnのパルプ濃度(PCDn )
、ハイポ漂白塔洗浄水流量(V1H) 、ハイポ漂白塔洗浄
濾液流量(V2H) 等のデーターを追加分のラベルデータと
してメモリ54に記憶する。以上でこの二酸化塩素水注入
プログラムは終了する。
【0075】この二酸化塩素漂白工程に入る前に、パル
プは既に80%程度の高白色度領域にある白色度を有し
ているので、先に述べたように二酸化塩素水注入後の白
色度変化をインライン式白色度計でとらえることは困難
である。従って、インライン式白色度計によって二酸化
塩素水の流量制御を行うことは不可能である。ところが
以上に説明したように漂白工程投入前のカッパ価から算
出される必要全有効塩素量から求められる二酸化塩素添
加率を使用することによって、高白色度領域のパルプに
対しても二酸化塩素水の最適な注入量を演算、注入でき
るのである。
【0076】二酸化塩素漂白塔36には連続してパルプが
送り込まれるのでラベル No.1のパルプが送り込まれ、
次にラベル No.2のパルプが送り込まれ、その結果ラベ
ル No.1のパルプは1ラベル分だけ二酸化塩素漂白塔36
内部に押し込まれる。このようにして、次々に新しいラ
ベルのパルプによって押し込まれることによりラベルN
o.1のパルプは二酸化塩素漂白塔内を上昇し、ついには
塔の上部に達する。このように二酸化塩素漂白塔上部に
達したパルプは塔内に設置されたディフューザー式洗浄
装置により洗浄された後、塔から掻き出され、次の図示
しない例えば精選工程に入って行く。
【0077】ここで次の精選工程に入る前に、対象とな
るラベル番号nのパルプが二酸化塩素漂白塔を抜けた位
置Dに来る時刻を求めることが必要となる。この位置に
ラベルがさしかかった時にそのラベルの連続漂白処理工
程が終了し、次の精選工程に入ろうとする正確なタイミ
ングが得られる。このことは前記したように既にスター
トしている図8に示した漂白終了管理プログラムによっ
て行う。そのため漂白終了管理プログラムの前半部で
は、ラベルnの二酸化塩素漂白塔36内での位置を求めて
いる。
【0078】ラベルnの二酸化塩素漂白塔36での位置は
二酸化塩素漂白塔に連続して押し込まれているパルプス
ラリーの押し込み流量(これは、すなわち前述のハイポ
注入プログラムのステップD6で求められた二酸化塩素漂
白塔36に入る各ラベルの流量(FVOLD i ) (リットル/
分)である。)を単位時間(この例では1分間)毎に積
算して得られる。この積算体積と二酸化塩素漂白塔36の
全体積(DTV )の比率( DSTn )をとることによってラ
ベルnの位置を二酸化塩素漂白塔36の何パーセントの位
置に在るという形でとらえられる。この( DSTn
j (この添え字jはラベルnが二酸化塩素漂白塔36に入
り始めてからj分間経たことを示す)が100%を超えた時
にラベルnが二酸化塩素漂白塔頂部からオーバーフロー
し始める。以上に説明したラベルnの位置計算及びラベ
ルnが二酸化塩素漂白塔頂部に達したか否かの判断がス
テップS2及びS3に対応する。このようにラベルnが最後
の漂白工程を行う二酸化塩素漂白塔を抜けた時点で一連
の連続漂白工程は終了したことになる。但し次のステッ
プS4においてラベルnの最後の追加のラベルデーターと
して二酸化塩素漂白塔洗浄水流量(V1D) 、二酸化塩素漂
白塔洗浄濾液流量(V2D)等のデーターをメモリ54に記憶
する。
【0079】以上のようにして一連の連続多段漂白工程
においてラベル単位のパルプ塊毎に薬品注入等の制御が
非常に細かくおこなわれる。更に、最終の漂白工程を出
た後にもそのパルプ塊の各注入漂白剤量、パルプスラリ
ー流量、パルプ濃度等の特性(履歴)がそのラベル番号
のパルプ塊のラベル情報として記憶されているので、以
降の履歴管理に有用なデーターとなる。
【0080】以上の実施例ではO、C、E、H、Dの漂
白工程を組み合わせた連続多段漂白工程の内C−E−H
−Dの工程についてのみ説明したが、他の漂白工程の組
合せ、例えば、O−C−E−H−D,O−D−E−D−
D,O−C/D−E/O−H−D,O−C/D−E−P
−D,C−E−H−D−D,C/D−E/O/P−D等
の連続多段漂白処理工程においても同様の効果を奏する
ことは言うまでもない。
【0081】これらの連続多段漂白処理工程の中で、最
初の3段目程度まではパルプの白色度が約70%以下の
低白色度領域にある。この領域では、先にハイポ液注入
プログラムで述べたように、白色度計の信号から算出さ
れる補正白色度が一定になるように漂白剤の注入量を調
節すればよい。4段目以降の漂白工程では白色度が高白
色度領域に入るので、この領域では先に二酸化塩素水注
入プログラムで述べたように、漂白工程投入前のカッパ
価から必要前有効塩素量を算出し、その値に基づいて漂
白剤の最適な注入量を算出し、注入すればよい。特に、
これらの連続多段漂白処理工程の内、O(酸素)、P
(過酸化水素)の有効塩素の計算においては換算係数の
設定に注意を要する。一般的には過酸化水素は塩素の
2.088倍の酸化当量となるが、実際には塩素系薬品
(塩素、ハイポ、二酸化塩素)と同能力の漂白効果が得
られない。これはペーハー、圧力、温度、反応時間、ミ
キシング、濃度等の条件によって能力が変動するためで
ある。そのため各工程に最適な当量換算係数を設定する
必要がある。これは酸素についても同様である。
【0082】また、本実施例で説明したアルカリ注入プ
ログラムはC、D又はC/D工程等の塩素系薬品による
漂白工程に続くE、E/O、E/P、E/O/P等のア
ルカリ処理による漂白工程において特に効果的である。
本発明の方法により従来不可能であった高白色度領域の
漂白剤の流量制御が可能となった。更にラベル単位でパ
ルプの履歴を管理できるのでパルプの流量変更や、工程
停止からの再スタート後のアルカリ抽出工程の苛性ソー
ダー水流量制御、異常品質パルプの移動位置管理、広葉
樹/針葉樹パルプのスイッチ生産時の切り替わり位置管
理が可能になった。広葉樹/針葉樹切り替わりの際には
通常塩素漂白白色度補正演算式、(2)式、(3)式の
定数の変更を必要とするが、これも本システムでは時刻
管理によりこれらの定数値を自動切替えすることによっ
て対応可能である。またラベル毎に漂白剤使用量が得ら
れるので、漂白剤所用コストが計算できるため原単位管
理、コスト管理が容易になった。
【0083】尚、(3)式に関しては本発明ではカッパ
価を関数の中に含むことが必要である。しかし、(1)
〜(3)の計算式は、一例を示したのみであり類似の関
数式は、幾種類も検討可能であり、本発明を(1)〜
(3)式に限定するものではない。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、あるラベル情報を有す
るラベルされたパルプ塊が連続多段漂白処理工程上のい
づれの位置にあるかが演算されるので、常時どのパルプ
塊がどの位置にあるか把握できる。更に、各々のパルプ
塊について最適のタイミングで最適量の漂白剤注入処理
を行うことも可能である。
【0085】ラベル情報としての塩素系薬品の添加量に
基づいて、最適量のアルカリをアルカリ処理工程で注入
できる。ラベル情報としての漂白反応工程投入前のカッ
パ価から算出される漂白剤の必要全有効塩素量の基づい
て、高白色度の領域においても、漂白剤の最適な注入量
を算出し、注入することも可能である。
【0086】更に工程異常時であっても、アルカリ薬品
を含む各漂白剤の最適なタイミングで最適な添加率制御
を可能とし、工程内部のパルプの履歴状態を把握するこ
とを可能とする。異常品質パルプの工程内の移動位置を
把握すること、及び広葉樹/針葉樹パルプのスイッチ生
産の切り替わりの境界管理を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漂白工程制御装置を使用した連続漂白
処理工程の系統図。
【図2】本発明の漂白工程制御装置の構成図。
【図3】本発明の漂白工程制御装置のメモリ54に収納
された各プログラムの構成を示す主要プログラム構成
図。
【図4】ラベリングプログラムの主要フローを示す図。
【図5】アルカリ注入プログラムの主要フローを示す
図。
【図6】ハイポ注入プログラムの主要フローを示す図。
【図7】二酸化塩素水注入プログラムの主要フローを示
す図。
【図8】漂白終了管理プログラムの主要フローを示す
図。
【符号の説明】
1 未晒パルプ送入ライン 2 カッパ価測定計 3a 第1の原料ポンプ 3b 第2の原料ポンプ 3c 第3の原料ポンプ 3d 第4の原料ポンプ 4 パルプスラリー流量調節弁 6 塩素ガス流量調節弁 7 塩素ガス流量計 8 パルプスラリー濃度計 9 パルプスラリー流量計 10 パルプ白色度計 11 塩素漂白塔 12 塩素漂白塔洗浄水流量計 13 塩素漂白塔洗浄濾液流量計 14 塩素漂白塔オーバーフローライン 16 苛性ソーダー水流量調節弁 17 苛性ソーダー水流量計 19 アルカリ抽出塔 20 アルカリ抽出塔洗浄水流量計 21 アルカリ抽出塔洗浄濾液流量計 22 アルカリ抽出塔オーバーフローライン 24 ハイポ液流量調節弁 25 ハイポ液流量計 28 ハイポ漂白塔 29 ハイポ漂白塔洗浄水流量計 30 ハイポ漂白塔洗浄濾液流量計 31 ハイポ漂白塔オーバーフローライン 33 二酸化塩素水流量調節弁 34 二酸化塩素水流量計 36 二酸化塩素漂白塔 37 二酸化塩素漂白塔洗浄水流量計 38 二酸化塩素漂白塔洗浄濾液流量計 39 二酸化塩素漂白塔オーバーフローライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続した複数の漂白工程から成るパルプの
    連続多段漂白処理工程に順次投入されるパルプが複数の
    パルプ塊から構成されるとして、各々のパルプ塊毎に順
    次ラベルを付与するラベリング手段と、各ラベル毎に、
    パルプ塊に関する情報をラベル情報として記憶するラベ
    ル情報記憶手段と、前記ラベル情報記憶手段に記憶され
    たラベル情報から各々のラベルの連続多段漂白処理工程
    上の位置を算出するラベル位置演算手段と、を具備する
    漂白工程制御装置。
  2. 【請求項2】前記ラベル位置演算手段によって、漂白剤
    注入位置に至っていることが演算されたラベルに対し
    て、前記ラベル情報から該ラベルに対する漂白剤の最適
    な注入量を算出し、注入する漂白剤添加手段、を更に具
    備する請求項1記載の漂白工程制御装置。
  3. 【請求項3】塩素系薬品による漂白工程に続くアルカリ
    処理による漂白工程において、前記漂白剤添加手段が前
    記ラベル情報記憶手段に記憶された漂白剤としての塩素
    の実質的な添加量に基づいて、該ラベルに対するアルカ
    リの最適な注入量を算出し、注入することを特徴とする
    請求項2記載の漂白工程制御装置。
  4. 【請求項4】前記ラベル情報記憶手段が最初の漂白工程
    投入前のパルプのカッパ価をラベル情報の一つとして記
    憶し、前記漂白剤添加手段が、当該カッパ価から漂白剤
    の必要全有効塩素量を算出し、その値に基づいて前記最
    初の漂白工程以降の漂白工程において、該ラベルに対す
    る漂白剤の最適な注入量を算出し、注入することを特徴
    とする請求項2記載の漂白工程制御装置。
JP15933192A 1992-06-18 1992-06-18 漂白工程制御装置 Pending JPH062294A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15933192A JPH062294A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 漂白工程制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15933192A JPH062294A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 漂白工程制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH062294A true JPH062294A (ja) 1994-01-11

Family

ID=15691491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15933192A Pending JPH062294A (ja) 1992-06-18 1992-06-18 漂白工程制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH062294A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006514167A (ja) * 2003-01-31 2006-04-27 クヴアナ・パルピング・アクチボラグ セルロースパルプを漂白する方法及びそれに関連する漂白ライン
CN114277535A (zh) * 2021-12-30 2022-04-05 江苏赛格纺织机械有限公司 一种应用于印染退煮漂设备的智能加料装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006514167A (ja) * 2003-01-31 2006-04-27 クヴアナ・パルピング・アクチボラグ セルロースパルプを漂白する方法及びそれに関連する漂白ライン
JP4677236B2 (ja) * 2003-01-31 2011-04-27 ジー エル ヴイ ファイナンス ハンガリー ケーエフティー セルロースパルプを漂白する方法及びそれに関連する漂白ライン
CN114277535A (zh) * 2021-12-30 2022-04-05 江苏赛格纺织机械有限公司 一种应用于印染退煮漂设备的智能加料装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4348256A (en) Process for controlling the supply of delignifying and/or bleaching chemicals in the continuous delignification of lignocellulosic material
JP5448521B2 (ja) 処理液供給装置および処理液供給方法
JPWO2008001640A1 (ja) 染色液の成分濃度モニタ装置、成分濃度制御装置及び染色装置
US4013506A (en) Method and apparatus for automatically and simultaneously controlling solution viscosity and brightness of a pulp during multi-stage bleaching
US20080216008A1 (en) Graphical controller for monitoring multiple chemical feed constituents
JPH024718B2 (ja)
JPH062294A (ja) 漂白工程制御装置
US7204914B2 (en) System and method for controlling a processor including a digester utilizing time-based assessments
NO325147B1 (no) Fremgangsmate for regulering av losningskonsentrasjon i bandrenseanlegg
US4947501A (en) Method and apparatus for continuous wet-in-wet processing
US4746405A (en) System for cellulose pulp washing control
JP5311152B2 (ja) コンテナからの流出の際に薬液のpHを一定に保つための方法及び装置
US20060180182A1 (en) Process and device for flushing of textile goods
US4735684A (en) Multistage pulp bleaching control process
US5306391A (en) Control of chemical dosage to a pulp slurry
US6372505B1 (en) Process and apparatus for titrating
US6153050A (en) Method and system for controlling the addition of bleaching reagents to obtain a substantially constant percentage of pulp delignification across the first bleaching/delignifying stage
KR100495180B1 (ko) 세탁기의 세탁시간 조정방법
JP2010255138A (ja) パルプ漂白工程の制御方法および制御装置
CN108137340B (zh) 特别是用于制备聚氯化铝氢氧化物的借助于近红外光谱分析nir的在线分析
EP1302589A2 (en) Method and apparatus for adjusting chemical dosage of pulp processing stage
KR20040006281A (ko) 세탁조세정 알림형 세탁기 및 그 세탁조세정 방법
US4889599A (en) Apparatus for continuously measuring the soda loss in a pulp washing system
US20080236771A1 (en) System and method for controlling a processor including a digester utilizing time-based assessments
WO2005056919A1 (en) A method and system for controlling the addition of oxygen gas and alkali during oxygen gas delignification