JPH06228964A - 岩盤傾斜面の安定緑化施行法 - Google Patents

岩盤傾斜面の安定緑化施行法

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JPH06228964A
JPH06228964A JP1292393A JP1292393A JPH06228964A JP H06228964 A JPH06228964 A JP H06228964A JP 1292393 A JP1292393 A JP 1292393A JP 1292393 A JP1292393 A JP 1292393A JP H06228964 A JPH06228964 A JP H06228964A
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rock
rooting
stable
rock slope
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JP1292393A
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Sonkei Ko
黄尊景
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RYOKUHO JITSUGYO YUGENKOSHI
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RYOKUHO JITSUGYO YUGENKOSHI
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 岩盤傾斜面の岩質を改善し、木本植物および
草本植物に適度の肥料を提供でき、草本植物および木本
植物の迅速な生長を促進でき、成長した後の植物が生存
するのに適した場所を提供する。 【構成】 地ならしして人工造成した岩盤傾斜面に排水
溝13を設置し、排水溝を除く岩盤傾斜面に数個の植根
区11を散在させて設け、近接する植根区間に、内部に
肥料が充填された植根パイプの一部を岩盤傾斜面に埋設
し、植根区に根が横に向き生長する木の藪包みの木の根
を個々に植根パイプの中に案内して植え付けて岩盤傾斜
面に緑化安定基地を形成し、草本植物種子および草本植
物の草根生長期の違いにより区割りされ、各区割りごと
に肥料を含有する組成物質を充填した快速緑化植生袋体
4を岩盤傾斜面に固定した後、液状肥料を継続的に該岩
盤傾斜面に噴射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、岩盤傾斜面の安定緑化
施行法に関するものである。特に泥岩よりなる岩盤の上
に草本植物と木本植物を形成でき、泥岩などにより形成
された岩盤の応用および保護を高める目的が達成できる
新規な岩盤傾斜面の安定緑化施行法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】世界各国の傾斜面の安定緑化保護に関す
る施行の方法は、一般的には普通の土、石などの傾斜面
に関する研究に即応して相当に完備されているが、悪質
な地形といわれる泥岩などの岩盤からなる傾斜面の安定
と自然環境保持の工事に対しては、未だ有効な対策がな
い。
【0003】こうした悪質地形である岩盤、特に泥岩に
より形成された岩盤の特性は大体次のようにまとめられ
る。
【0004】(1)岩盤、特に泥岩により形成された岩
盤(以下、単に泥岩盤ともいう)は、非常に厚い岩層に
属し、ごく一部分を除き該泥岩盤の中には砂岩が含まれ
ず、地質の年代が非常に浅い(新生代の上新生の第三世
紀岩に属する)。該泥岩盤を組成する粒は細かで(粒径
0.06mm以下)、粘粒の含量が低く、粉粒の含量が
高いもので、膠結がまばらで、乾いたときは、岩質が硬
く(硬度24〜37mm)、大量の泥を含んでいるので
岩石化(lithifi-cation)の程度が比較的に軽く、大気
と接触する露出風化面は脱水乾燥の過程で非常に泥裂
(mud crack )を生じやすく、該クラックの幅と深さは
1〜2mmから数cmに及び、地表に密に分布してお
り、該クラックのすぐ下に続く底部は不透水性の新鮮な
泥岩盤であり、両者の間に存在する界面は長期的な乾季
の場合、風化した剥落層を形成し、雨季の時に該剥落層
から全体的に滑り落ち破壊面を成しているので、泥岩盤
地質には、含水層がなく、また地下水をも利用できない
ので、こうした地に生息する植生植物は完全に降雨時や
人為的に水をかけた時に岩層のクラックに溜められたご
く少ない水分を頼り生きている。しかしながら該植生植
物は十分な水分を獲得しにくいので、これらの植生植物
が継続して生きていられる比率(生存率)は、乾季の際
に速やかに低下する傾向があり、特に木本植物が顕著で
ある。
【0005】(2)泥岩盤自体は、十分な膠結力を欠
き、分散率が大きく、抗腐食性が弱く、有効な隙間も小
さい(約9〜14%)ので透水性が極めて悪く(1.7
85×10〜8cm/sec)、したがって雨季の場
合、水分が泥岩盤の地表面より下層部に滲むことができ
ず、非常に地表の流動性を生じやすい。そして泥岩盤の
地表面は、水に遭遇するとすぐに膨脹して崩潰化し、表
層のクラックの存在がさらに水が泥岩盤の表層部より内
層部中に入るのを促し、その崩潰流失の規模を拡大し、
毎年このために腐食される表層部の厚さは平均約10c
m以上に達するので泥岩盤の有機質および有機養分の含
量は極めて少なく、かつ多量のアルカリ性成分を含有
し、そのpHは8〜9の程度であり、極めて植生植物の
生長に適しない。
【0006】(3)また、泥岩盤は、水に遭遇すると表
層がすぐに水を吸収して膨脹し、表層部と内層部の膨脹
率の差が大きくなるために剪断力破壊を生じる。これ
は、泥岩盤の垂直浸透率が水平浸透率よりも低い(その
比率は約2〜5:1である)ことによるものであり、そ
の後、表層が急速に乾燥する傾向を有する場合、内層は
排水の速度が比較的遅いために却って内層部が緩み表層
部が張る現象をきたし、タマネギ状の剥落と多量のクラ
ックを形成する。
【0007】(4)さらに上記泥岩盤地区のある多くの
地域は、雨季と乾季が非常にはっきりと別れており、台
湾を例にすれば、雨季が5〜9月に集中し、11〜4月
は乾季であり、年間降水量は1800〜2500mm
で、一日の最大降水量は359mmに達し、4月から1
1月までの間25℃以上の高温が続くので、高温雨季と
乾季が長い集中豪雨タイプの気候形態である。
【0008】以上(1)〜(4)で述べたところから分
かるように、泥岩盤の悪質地形災害の発生要因は、その
地形条件と気候特性が互いに因果関係を成し、関連の因
子が非常に多く、処理すべき対象が非常に複雑なので、
こうした地形への安定緑化施工法およびその資材は非常
に変化に富むものであり、いろいろな安定緑化施工法を
組み合わせて応用すべきであり、決して従来の一般的な
安定緑化施工施行法で単独に克服できない。
【0009】従来の一般的な安定緑化施行法を泥岩盤傾
斜面のような悪質地形に使用する場合は、以下の欠点が
ある。
【0010】(1)泥岩盤は、雨季の際に地表が流動し
やすく、植生工事施工の際、傾斜面に添加した有機肥
料、種子などの植生材料が流され、植物の生長に必要な
養分が蓄えられず、植生植物が常に水分ないし養分が不
足し、土壌が痩せた悪劣な環境の下で、植物株は脆く日
照りによる高温乾燥状態に耐える能力が減り、その老化
および死期を加速しやすい。したがって、植生植物の生
存率は、年々大幅に低下する傾向があり、特に木本植物
が顕著である。
【0011】(2)こうした欠点を改善するため、泥岩
盤傾斜面に穴を堀って、この穴に養分材料を入れ、これ
に植生植物(種子)を植え付ける穴植え式安定緑化施工
法、泥岩盤傾斜面に鋼くい打ち付けて養分材料および植
生植物(種子)の入った袋体をなどを固定する鋼くい打
ち式安定緑化施工法、泥岩盤傾斜面に植生植物(種子)
の入った袋体をなどを固定するために、該袋体に鋼網目
ベットを張り付けて固定する鋼網目ベット式安定緑化施
工法などの各種の安定緑化施行法を採用し、これにより
有効に養分材料が蓄えられるのを期したが、その結果、
泥岩盤は硬度が高いのみならず靭性を有するので、人工
的に穴をあけたり、鋼くいを打ったり、さらに動力によ
り穿孔することは、すべて困難であり、また、穴をあけ
たり鋼くいを打ち穿孔した箇所は、雨季の際に崩滑する
原因となる。
【0012】(3)泥岩盤傾斜面での植生は、従来より
草木植物を偏重する傾向にある。これは、比較的短時間
で、密集させて植生させることができる長所が有るため
である。けれども、日本の山寺博士の研究によれば、草
本植物の根系の引張強度(tensile strength)は、小さ
くかつ年々減少するとの報告がある。一方、木本植物根
系は、土の中に深く広く入り込み引張強度が大きく、か
つ年々増加すると報告されている。このことから長期的
に有効な植生処理の方法を確立するために、被覆層植被
植物の理念が提案され、植生施工法に取り入れられてい
る。該被覆層植被植物の理念に基づく植生施工方法によ
れば、植物材料の選択採用に着目し、郷土性のある多年
生の優勢地面、花草などの草木植物、灌木、喬木などの
木本植物などを同時に取り入れることにより、大幅に自
然に交替する時間を短縮でき、泥岩盤の傾斜地に植生さ
れた植物により変化に富む景観を形成させ、かつ草類側
の根が密集して発達する網結効果と木本植物根系が比較
的深くくい込む効果が利用でき、両者により同時に土壌
に対して握り緊めの作用を発揮し、泥岩盤傾斜面を安定
固結させる効果を高める。したがって、泥岩盤への植生
工事に取っては、被覆層植被植物の理念に基づく植生施
工方法を採用する必要がある。
【0013】ただし、植生植物の根系が土(岩)の中に
入り込める硬度の限界は25mmなので、泥岩盤地区で
該植生植物の根系の生長状態を調べた結果によれば、本
木および草本植生植物の根系は、すべて泥岩盤のクラッ
クに沿って生長し、風化層と元来の傾斜面(硬度約37
mm)との間の界面に集結し、継続して下に向き生長で
きず、長期間経過した後、本木植物の根部が生長肥大
し、元来の界面の隙間を拡大し、風化層のクラックの幅
および深さを増加するので、雨季の場合、却って最も破
壊面となり易く、本来非常に意義のある設計が却って雨
季の場合、全体的に滑り落ちる危険性を潜伏させてい
る。
【0014】(4)従来の一般的な植生施工法およびそ
の材料は、その効果が限られているので、台湾では、泥
岩盤地区で施工する場合、常に7〜9月の台風等によっ
て集中豪雨をもたらす雨季および10月から翌年3月ま
での乾季をさけるべく、4〜6月にのみに施工可能で、
非常に時期的に短く、泥岩盤の自然環境保持の仕事は極
めて手に負えないものである。
【0015】(5)植生の草木および木本植物を同時に
傾斜面の上で種子を使い植生処理すれば、被覆層植被植
物の理念に基づく植生施工が簡単にでき、かつコストを
節約できるが、大部分の木本植物の種子は発芽が比較的
遅く、初期の生長も草本植物に比べて弱いので、強勢な
草本植物に生長を妨害されたり、本木植物が完全に生存
の空間を断絶されたりする現象が見られるので、種子に
よる該被覆層植被植物の理念に基づく植生施工方法は従
来より芳しい効果が得られていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の一般
的な施工法では、岩盤、特に泥岩により形成された岩盤
の悪質地形を十分に利用することができなかった。こう
した岩盤を開発する際に解決すべき上記諸問題に鑑み、
本発明者はこれらの諸問題に対応して研究改善し、数十
年らい土質を研究した経験に基づき、岩盤、特に泥岩に
より形成された岩盤における安定緑化施工法について改
善を重ねた後、ついに本発明を完成した。
【0017】したがって、本発明の主な目的は、岩盤傾
斜面を植生木本植物と草本植物の共同生存に適する環境
にする岩盤傾斜面の安定緑化施行法を提供するものであ
る。
【0018】本発明の別の一つの目的は、岩盤、特に泥
岩盤の地表の流動を緩和し、地表が洗い流される現象を
低減する岩盤傾斜面の安定緑化施行法を提供するもので
ある。
【0019】本発明のまた別の一つの目的は、被覆層植
被植物の理念に基づく植生施工方法を提供し、岩盤、特
に泥岩盤においても良好な植生安定の効果を有する岩盤
傾斜面の安定緑化施行法を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を達成するた
めに、本発明者は新規な岩盤傾斜面の安定緑化施行法に
ついて鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0021】すなわち、本発明の目的は、(1)地なら
しして人工造成した岩盤傾斜面に排水溝を設置し、該排
水溝を除く該岩盤傾斜面に数個の植根区を散在させて設
け、近接する該植根区間に、内部に肥料が充填された植
根パイプの一部を該岩盤傾斜面に埋設し、該植根区に根
が横に向き生長する木の藪包みの木の根を個々に該植根
パイプの中に案内して植え付けて岩盤傾斜面に緑化安定
基地を形成し、草本植物種子および草本植物の草根生長
期の違いにより区割りされ、各区割りごとに肥料を含有
する組成物質を充填した快速緑化植生袋体を該排水溝お
よび植根区を除く岩盤傾斜面に固定した後、液状肥料を
継続的に該岩盤傾斜面に噴射することを特徴とする岩盤
傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0022】また本発明の他の目的は、液状肥料が微生
物、浸透剤、特殊粘着剤、腐植酸、リン、カリウムおよ
び保水剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を
含む上記(1)に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法によ
り達成される。
【0023】さらに本発明の他の目的は、排水溝および
快速緑化植生袋体が、岩盤傾斜面の水平方向に対してわ
ずかな傾斜角で設置されている上記(1)に示す岩盤傾
斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0024】さらにまた本発明の他の目的は、(2)木
の藪包みが、植え付ける以前に予め主根を切除した気生
根植物を用いるものである上記(1)に示す岩盤傾斜面
の安定緑化施行法により達成される。
【0025】また本発明の他の目的は、(3)植根パイ
プが、腐燗しやすい素材で造られている上記(2)に記
載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0026】さらに本発明の他の目的は、(4)植根パ
イプが、外壁に防護層を設け、該植根パイプ内の肥料が
有機肥料、微生物、緩効性肥料および吸水性粒子よりな
る群から選ばれてなる少なくとも1種を含むものである
上記(3)に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達
成される。
【0027】さらにまた本発明の他の目的は、植根パイ
プの外壁が、比較的低い位置にライナを設けてなる上記
(4)に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成さ
れる。
【0028】また本発明の他の目的は、植根パイプが、
植根区を中心にして放射状配列方式で近接する植根区間
に設置されている上記(1)に示す岩盤傾斜面の安定緑
化施行法により達成される。
【0029】さらに本発明の他の目的は、(5)快速緑
化植生袋体の中に発芽区、成長区および保水区が設けら
れている上記(1)に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法
により達成される。
【0030】さらにまた本発明の他の目的は、快速緑化
植生袋体の材質が、人造繊維綿である上記(5)に示す
岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0031】また本発明の他の目的は、快速緑化植生袋
体の中の発芽区の組成物質が、種子、および泥炭土、保
水剤並びに肥料よりなる群から選ばれてなる少なくとも
1種を含み、該快速緑化植生袋体の中の成長区の組成物
質が、有機質成分を含む泥炭土、緩効性肥料および保水
剤よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含み、
該快速緑化植生袋体の中の保水区の組成物質が、緩効性
肥料および保水剤よりなる群から選ばれてなる少なくと
も1種を含むものである上記(5)に示す岩盤傾斜面の
安定緑化施行法により達成される。
【0032】さらに本発明の他の目的は、快速緑化植生
袋体の中の発芽区、成長区および保水区の間が、多孔性
天然繊維綿で隔絶されている上記(5)に示す岩盤傾斜
面の安定緑化施行法により達成される。
【0033】さらにまた本発明の他の目的は、快速緑化
植生袋体の中の隙間が、保水剤が吸水し膨脹した後の最
高体積の2/3を維持するものである上記(5)に示す
岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0034】また本発明の他の目的は、快速緑化植生袋
体の底部に位置する該袋体内側に不透水性保護層を設け
てなる上記(5)に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法に
より達成される。
【0035】さらに本発明の他の目的は、木の藪包みの
根系が、酸素分の吸収を行なうものである上記(1)に
示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0036】さらにまた本発明の他の目的は、少なくと
も一部の植根パイプ上に快速緑化植生袋体を張り付けて
該植根パイプに対する保護層を形成してある上記(1)
に示す岩盤傾斜面の安定緑化施行法により達成される。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0038】実施例1 図1(a)に示す如く、本発明の岩盤傾斜面の安定緑化
施行法を実施する場合は、まず、泥岩盤面1を地ならし
して人工造成した後、該泥岩盤面1の表面に斜め向きに
平行した排水溝13を設置し、排水溝13を除く泥岩盤
面1の表面に数個の植根区11を散在させて設け、各植
根区11の間に植根パイプ12の一部を埋設した。
【0039】また、図1(b)に示すように該植根パイ
プ12は、主に紙質など一定時間が経過すれば腐燗する
材料を素材とし、該泥岩盤面1に埋め込まれていない植
根パイプ12の内部に予め有機肥料2が充填されている
ため、木藪3の木の根30の生長に適する培養室を提供
できるものである。該有機肥料2としては、有気酸素肥
料、微生物、緩効性肥料および吸水性粒子などを含むこ
とができる。さらに、該植根パイプ12は、泥岩盤面1
に露出した管壁の外側に防護層14を敷くことによっ
て、該植根パイプ12が速く腐燗しすぎるのを防ぐと共
に草木植物の根系の侵入を防ぐことができる。
【0040】図2に示すごとく、各植根区11の間に埋
設された植根パイプ12は、放射状に並べられ、近距離
内の各植根区11を互いに連通した。植根パイプ12を
埋設固定した後、あらかじめ培植されてなる木の根30
を横に向き生長させる気生根植物を有する木藪3を植根
区11の中に植え付けると共に、木の根30を個別的に
植根パイプ12の中に案内した。木藪3の主根は培植す
る以前すでに切除され、かつ植根パイプ12の中に木の
根30が速く生長するのに有効な有機肥料2が入れられ
ているので、各木藪30の木の根30が迅速に成長し、
互いに絡み合うことができ、そして気生根植物の根系の
成長は、その他の原生植物が下向きであるのと異なり、
その根系は泥岩盤面1の傾斜面に沿い成長し、該植根パ
イプ12内を緊密的によじ登って広がっていき安定した
緑化安定基地を形成できるので泥岩盤面1を破壊しない
のみならず、泥岩盤の悪質な地形の特性に即応して、比
較的に安定して保護された良好な緑化安定基地を提供で
きる。
【0041】次に、図3に示すごとく木藪3および植根
パイプ12を植え付け固定した後、排水溝13および植
根区11を除く泥岩盤面1に草本植物の成長に有利なよ
うに快速緑化植生袋体4を固定設置した。各種地形の泥
岩盤地区で成長に適するように設計された該快速緑化植
生袋体4は、同じ間隔で釘などにより取付ける方式で泥
岩盤面1の上に固定され、その配置の方式は、わずかの
傾斜角で排水溝13と同様に泥岩盤面1の傾斜面に平行
になるように横に並設するものであるために、雨季に下
流への水を塞き止め排水溝13に案内し、水が泥岩盤面
1に集積する時間を減らし、地表が流されるのを防止で
きる。
【0042】上記快速緑化植生袋体4の中には、植生植
物の発芽と成長の異なる段階の条件に応じて区割設計さ
れ、図4に示すごとく快速緑化植生袋体4の中に発芽区
Aと成長区Bおよび保水区Cが設けられている。
【0043】このうち発芽区A内の組成物質は、泥炭
土、保水剤、肥料および種子を主とし、種子が発芽する
のに必要な最適な環境を提供する。発芽区Aと成長区B
の区割の材料は、多孔構造の分解しやすい天然繊維綿と
した。該天然繊維綿とすることで発芽後3〜4日後、発
芽した種子の根系が容易に発芽区Aから成長区Bに延伸
できるものである。
【0044】また、成長区Bの組成物質は、有機質成分
の高い泥炭土とイソブチルデン二尿素(IB)またはク
ロトニリデン二尿素(CDU)などの緩効性肥料および
比較的に比率が高い保水剤等が含まれており、植株の成
長に必要な養分、水分を提供できるほかに、その比較的
に比率の高い保水剤により適度に降雨時や人為的に水を
かけた時に水分の増加に伴い徐々に水分を吸収して膨脹
し、この時成長区B内の各組成物質により形成される構
造体間の隙間が相対的に速やかに減少し、該保水剤が吸
水して飽和状態にある時、成長区B内の透水性が速やか
に減少し成長区Bより養分が洗い流されるのを避けられ
るので、水分と養分を蓄える効能が有効に発揮される。
また、成長区Bを地表面側に位置させることで、その良
好な柔軟性により地形に適応し緊密的に地面に張り付く
効果が達成される。さらに快速緑化植生袋体4の中の組
成物質は、十分に撹拌されただけで極めて柔軟な多孔性
繊維綿織りの該袋体4に充填できるので、地形の起伏に
伴い任意に地面に張り付くことができ、特に保水剤が水
を吸収し膨脹した後、より良く地面に張り付く効果が発
揮される。
【0045】さらに保水区C内の組成物質は、例えば、
ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、ポリア
クリルアミド系、ポリオキシエチレン系などの合成ポリ
マー系、デンプングラフト重合系、デンプンカルボキシ
メチル化系、セルロースグラフト重合系、セルロースカ
ルボキシメチル化系などの保水剤および、例えば、イソ
ブチルデン二尿素(IB)または、クロトニリデン二尿
素(CDU)、ウレアホーム、グアニル尿素(GU)な
どの緩効性肥料を主に含有するものである。該保水剤の
保水力は、アクリル酸ソーダ系やデンプン/アクリル酸
系などでは、それ自体の重さの500倍に達する水分を
蓄えることのできる保水効果があり、その体積が吸水飽
和し膨脹すると同時に、該袋体4の構成部材である繊維
綿が膨脹力のために反作用の力を生じ、該保水区C内の
組成物質間の隙間が密閉され水分が侵入し難いようにす
るので、本発明に係る該保水区C内の各組成物質により
形成される構造体である肥料の流失現象を最低の程度に
まで下げられるので、快速緑化植生袋体4を泥岩盤面1
の施工に使用した後、植物や種子がまだ成長していなく
ても、降雨時に雨水が流れるのを塞き止め分散させ、傾
斜面地表の粗さをおさえる効能がある。
【0046】また図4に示すごとく、保水区Cは、泥岩
盤面1の表面に施工した場合、上記袋体4の底部に位置
するので、降雨後や人為的に水をかけた後、快速緑化植
生袋体4の中に蓄えられた水分が重力の作用により底部
に位置する保水区Cの下方から該袋体4の外部に流れ滲
み出たり蒸散したりして損失をきたすのを免れるため、
保水区Cの対応する該袋体4の繊維綿布の内層に円弧状
の不透水性プラスチック布を縫い付け、該袋体4内の水
分の蒸散および流れ滲み出しによる損失を減らすことが
望ましい。乾季等により該袋体4より発芽した草木植物
が水分欠乏の場合、袋体4の中の保水剤が水分含有量を
保持し、適当に水分を植物生長のために供給し、植物の
成長に必要な環境を提供することができるものである。
【0047】続いて、木藪3、植根パイプ12および快
速緑化植生袋体4を設置固定した後、草本植物と木本植
物が一定時間成長した後、排水溝13および植根区11
を除く地表が露出した泥岩盤面1の表面に、定期的に継
続して、噴植施工法に基づいて配合した有機の外来土お
よび主に微生物、浸透物、特殊粘着剤、腐植酸、リン、
カリウムおよび保水剤よりなる群から選ばれてなる少な
くとも1種を含む液状肥料を噴き付け供給すれば、泥岩
盤面1の表面に長期的に酸素分などの養分を吸収させ岩
質を改善でき、さらに木本植物と草本植物に適度の肥料
を提供でき、木本植物と草本植物の急速な成長を促進で
きるのみならず、成長した後の植物が生存するに適した
場所を提供できるものである。
【0048】以上、本発明の好適な実施例について種々
述べてきたが、本発明は上述の実施例に限定されるもの
でなく、本発明の請求の範囲を逸脱しない範囲において
多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0049】
【発明の効果】以上で述べたように、本発明の岩盤、特
に泥岩により形成された岩盤傾斜面の安定緑化施工法
は、岩盤傾斜面地区の地ならしおよび緊密的に絡み付い
た木の根を有する木藪を根植し、完全に岩盤に適用でき
る快速緑化植生袋体などを応用しており、岩盤表層の酸
素分吸収の能力を徹底的に改善し、かつ排水系統の水分
および酸素分の保持を同時に達成し、木の根部が岩層の
構造を破壊しないようにしているので、従来より岩盤傾
斜面において困窮している工事上の問題を解決でき、さ
らに今後、道路工事技術が一層の発展をもたらし、岩盤
傾斜面への道路敷設が行われるような時代にも十分に利
用できることが期待できるなど、本発明の岩盤傾斜面の
安定緑化施工法は産業上の利用価値に符合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の岩盤傾斜面の安定緑化
施工法を泥岩盤面に用いた際の施工初期の一実態様を示
す概略分布図であり、図1(B)は、本発明の岩盤傾斜
面の安定緑化施工法に係る植根パイプの一実態様を示す
概略断面図である。
【図2】本発明に係る岩盤傾斜面の安定緑化施工法によ
り、泥岩盤面に木藪を植え付け生長させた際の一実態様
を示す概略分布図である。
【図3】本発明の岩盤傾斜面の安定緑化施工法に係る快
速緑化植生袋体の泥岩盤面への敷設状態を示す概略表示
図である。
【図4】本発明の岩盤傾斜面の安定緑化施工法に係る快
速緑化植生袋体の一実態様を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1…泥岩盤面 2…有機肥料 3…木藪 4…快速緑化植
生袋体 A…発芽区 B…成長区 C…保水区 11…植根区 12…植根パイ
プ 13…排水溝 14…防護層 30…木藪の木の根

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地ならしして人工造成した岩盤傾斜面に
    排水溝を設置し、該排水溝を除く該岩盤傾斜面に数個の
    植根区を散在させて設け、近接する該植根区間に、内部
    に肥料が充填された植根パイプの一部を該岩盤傾斜面に
    埋設し、該植根区に根が横に向き生長する木の藪包みの
    木の根を個々に該植根パイプの中に案内して植え付けて
    岩盤傾斜面に緑化安定基地を形成し、草本植物種子およ
    び草本植物の草根生長期の違いにより区割りされ、各区
    割りごとに肥料を含有する組成物質を充填した快速緑化
    植生袋体を該排水溝および植根区を除く岩盤傾斜面に固
    定した後、液状肥料を継続的に該岩盤傾斜面に噴射する
    ことを特徴とする岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  2. 【請求項2】 前記液状肥料が、微生物、浸透剤、特殊
    粘着剤、腐植酸、リン、カリウムおよび保水剤よりなる
    群から選ばれてなる少なくとも1種を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  3. 【請求項3】 前記排水溝および快速緑化植生袋体が、
    前記岩盤傾斜面の水平方向に対してわずかな傾斜角で設
    置されていることを特徴とする請求項1に記載の岩盤傾
    斜面の安定緑化施行法。
  4. 【請求項4】 前記木の藪包みが、植え付ける以前に予
    め主根を切除した気生根植物を用いることを特徴とする
    請求項1に記載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  5. 【請求項5】 前記植根パイプが、腐燗しやすい素材で
    造られていることを特徴とする請求項4に記載の岩盤傾
    斜面の安定緑化施行法。
  6. 【請求項6】 前記植根パイプが、外壁に防護層を設
    け、該植根パイプ内の肥料が有機肥料、微生物、緩効性
    肥料および吸水性粒子よりなる群から選ばれてなる少な
    くとも1種を含むことを特徴とする請求項5に記載の岩
    盤傾斜面の安定緑化施行法。
  7. 【請求項7】 前記植根パイプの外壁が、比較的低い位
    置にライナを設けてなることを特徴とする請求項6に記
    載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  8. 【請求項8】 前記植根パイプが、植根区を中心にして
    放射状配列方式で近接する植根区間に設置されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の岩盤傾斜面の安定緑化
    施行法。
  9. 【請求項9】 前記快速緑化植生袋体の中に発芽区、成
    長区および保水区が設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  10. 【請求項10】 前記快速緑化植生袋体の材質が、人造
    繊維綿であることを特徴とする請求項9に記載の岩盤傾
    斜面の安定緑化施行法。
  11. 【請求項11】 前記快速緑化植生袋体の中の発芽区の
    組成物質が、種子、および泥炭土、保水剤並びに肥料よ
    りなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含み、該快
    速緑化植生袋体の中の成長区の組成物質が、有機質成分
    を含む泥炭土、緩効性肥料および保水剤よりなる群から
    選ばれてなる少なくとも1種を含み、該快速緑化植生袋
    体の中の保水区の組成物質が、緩効性肥料および保水剤
    よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする請求項9に記載の岩盤傾斜面の安定緑化施
    行法。
  12. 【請求項12】 前記快速緑化植生袋体の中の発芽区、
    成長区および保水区の間が、多孔性天然繊維綿で隔絶さ
    れていることを特徴とする請求項9に記載の岩盤傾斜面
    の安定緑化施行法。
  13. 【請求項13】 前記快速緑化植生袋体の中の隙間が、
    保水剤が吸水し膨脹した後の最高体積の2/3を維持す
    ることを特徴とする請求項9に記載の岩盤傾斜面の安定
    緑化施行法。
  14. 【請求項14】 前記快速緑化植生袋体の底部に位置す
    る該袋体内側に不透水性保護層を設けてなることを特徴
    とする請求項9に記載の岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
  15. 【請求項15】 前記木の藪包みの根系が、酸素分の吸
    収を行なうことを特徴とする請求項1に記載の岩盤傾斜
    面の安定緑化施行法。
  16. 【請求項16】 少なくとも一部の前記植根パイプ上に
    快速緑化植生袋体を張り付けて該植根パイプに対する保
    護層を形成してあることを特徴とする請求項1に記載の
    岩盤傾斜面の安定緑化施行法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103553998A (zh) * 2013-11-06 2014-02-05 重庆润泽医药有限公司 (s)-奥拉西坦晶型iii的制备方法
CN103553997A (zh) * 2013-11-06 2014-02-05 重庆润泽医药有限公司 一种(s)-奥拉西坦晶型iii的制备方法
KR101689734B1 (ko) * 2015-12-24 2016-12-27 (주)더그린 생물콘크리트 인조암구조체를 이용한 급경사지 사면녹화 및 낙석·수해방지 기능을 포함하는 자연경관 복원기술

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