JPH06228029A - グリセロールジクロルヒドリンの製造方法 - Google Patents

グリセロールジクロルヒドリンの製造方法

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JPH06228029A
JPH06228029A JP1643593A JP1643593A JPH06228029A JP H06228029 A JPH06228029 A JP H06228029A JP 1643593 A JP1643593 A JP 1643593A JP 1643593 A JP1643593 A JP 1643593A JP H06228029 A JPH06228029 A JP H06228029A
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JP
Japan
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reaction
allyl chloride
chlorine
aqueous medium
glycerol dichlorohydrin
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JP1643593A
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English (en)
Inventor
Seiji Tamura
征司 田村
Tetsumasa Sakano
哲正 坂野
Masayuki Moriwaki
正之 森脇
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アリルクロライドを原料としてグリセロールジ
クロルヒドリンを高選択的に製造する。 【構成】水性媒体中でアリルクロライドと塩素とを反応
させるにおいて、水性媒体中から副生有機物を曝気等の
方法で除去し、水性媒体中の副生有機物の濃度を飽和溶
解度の90%以下、好ましくは65%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリセロールジクロルヒ
ドリン類の製造方法に関し、詳しくはアリルクロライド
と塩素とを水性媒体中で反応させて相当するグリセロー
ルジクロルヒドリンを高選択的に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】グリセロールジクロルヒドリンの製造方
法として水性媒体中にアリルクロライドと塩素を溶解せ
しめ、塩素から生ずる次亜塩素酸とアリルクロライドと
を反応させる方法が知られている。しかし、本反応にお
いてはトリクロルプロパンを主とする副生成物が生成
し、反応の収率を低下させると言われている。これを抑
制する方法として、反応系にアルカリを添加したり、反
応系を良好な分散状態に保持したり、またはアリルクロ
ライド及び塩素を2段以上に分割して供給するといった
方法がそれぞれ提案されている。例えば、特公昭48−
10133号公報にはアリルクロライドを水溶液として
反応帯域に導入し、且つ塩素を水溶液として前記反応帯
域に2段以上に分割して導入し、アリルクロライドと塩
素の両者をそれぞれ水に溶解せしめた状態で接触させ、
アリルクロライドを塩素に対して常に過剰状態で反応さ
せるという方法が開示されている。このようにして、ア
リルクロライドと塩素を非水性相或いは気相において接
触させずに、単に水性相でのみ接触するようにしたこと
で副生成物の生成を減少させることが試みられている。
【0003】しかし、これらの方法をもってしても、多
少の副生成物の生成するのを避けることができず、これ
らの副生成物は蓄積し、ついには非水性相を形成するに
至り、非水性相中では上記副反応が水性媒体中より優位
に進行することから更なる反応選択率の低下を招く。従
って、非水性相は分離器によって除去することが望まし
いとされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非水性
相を分離除去しても副反応を充分に抑制することができ
ないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記副反応
の進行を抑制し、グリセロールジクロルヒドリンを高選
択的に製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、ア
リルクロライドと塩素を水性媒体中で反応させるにあた
り、非水性相を単に除去するだけでなく、水性媒体中の
副生有機物の濃度を飽和溶解度の90%以下に維持する
ことにより、目的とするグリセロールジクロルヒドリン
の生成反応を著しく優位に進行させ得ることを見いだし
本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、水性媒体中でアリルクロ
ライドと塩素を反応させるグリセロールジクロルヒドリ
ンの製造方法において、水性媒体中の副生有機物の濃度
を飽和溶解度の90%以下に保ちながら反応を進行させ
ることを特徴とするグリセロールジクロルヒドリンの製
造方法である。
【0007】水性媒体中でアリルクロライドと塩素を反
応させる方法は、通常知られている公知の方法を適宜採
択することができるが、工業的には以下に示すような方
法が好適に採用される。すなわち、水性媒体中にアリル
クロライドを連続的に供給してこれを溶解せしめ、次い
で塩素を連続的に供給し溶解させる。アリルクロライド
を供給するにあたってはその形態は液体であっても気体
であっても良く、更に液体の場合には水と混合した形態
で、気体の場合は空気や不活性ガスと混合した形態で供
給されてもかまわない。塩素を供給するにあたっては、
ガス状態、もしくは水溶液の状態で供給されることが一
般的である。また、これらの反応原料は、水性媒体中に
供給された後、速やかに溶解されることが副反応を抑制
する為にも望ましい。そのために供給ラインを分割して
複数箇所から供給したり、撹拌器を用いることができ
る。
【0008】アリルクロライドと塩素を供給される水性
媒体は、常に新規なものを用いることもできるが、水性
媒体を循環させながらアリルクロライドと塩素を供給す
るといった方法が工業的に望ましい。後者の場合は循環
している反応混合物の一部を製品として連続的に抜き出
し、他方で抜き出した量と同量の水を連続的に補給する
という形式を採用することができる。
【0009】原料の供給量は採用する反応形式によって
適宜選択されるが、循環系で行う場合、工業的にはアリ
ルクロライドの供給量は水性媒体への溶解度を勘案して
循環液量1L/Hに対して0.0005〜0.004L
/H、塩素の供給量はアリルクロライドに対するモル比
で0.97〜1.03が望ましい。これらの量は、常に
循環反応液中に非水性相や気相が発生しないような状態
を維持するように調節されることが、目的とする反応を
優位に進めるうえで好適である。
【0010】本発明における反応温度は、通常10〜5
0℃の範囲から選択されるが、反応速度の点から35〜
50℃の範囲で行われることが好適である。
【0011】塩素は水と反応して次亜塩素酸を生じ、こ
れがアリルクロライドと反応して目的生成物であるグリ
セロールジクロルヒドリンを生成するが、同時に副生有
機物が生成する。副生有機物の主なものは、塩素とアリ
ルクロライドが直接反応してできると思われるトリクロ
ルプロパンである。本発明においては、副生有機物を除
去し、水性媒体中の副生有機物濃度が飽和溶解度の90
%以下になるよう制御しなくてはならない。尚、ここで
言う副生有機物濃度とは、副生有機物のほとんどがトリ
クロルプロパンであることから、トリクロルプロパンの
濃度をもって副生有機物濃度とする。また、副生有機物
の飽和溶解度もトリクロルプロパンの飽和溶解度を採用
する。
【0012】副生有機物が反応液中に蓄積して高濃度に
なると副反応が優位に進行し、目的生成物の選択率が著
しく低下する。しかしながら副生有機物の濃度を飽和溶
解度の90%以下に維持した場合には副反応の進行が著
しく抑制され、高選択率で目的とするグリセロールジク
ロルヒドリンを得ることが可能となる。本発明では、水
性媒体中の副生有機物の濃度は可及的に少ないことが望
ましく、65%以下にまで下げた場合には、更に著しい
効果を示す。
【0013】副生有機物を除去するための方法は特に限
定されないが、例えば吸着法、抽出法、曝気法などが挙
げられる。しかし装置の煩雑さや、反応系内への不純物
の混入等の問題から、曝気による方法が好適に採用され
る。
【0014】曝気は通常用いられる方法で行われ、単に
反応液中に不活性ガスを通ずる形態のものでもよいが、
一般には気液接触量を増加させるための曝気塔を用いる
方法が推奨される。曝気塔は曝気によって副生有機物を
除去するために十分な気液接触時間を発現する性能を有
するものであれば、その形状や内部構造は特に限定され
ないが、例えば内部に充填材を充填した層を有する塔
や、複数の多孔板を有する塔が挙げられる。これらの塔
の塔頂から内部に反応混合液を供給・散布し、塔底より
抜き出す形態をとりながら、同時にこの反応混合物の流
れとは向流に空気や窒素などの不活性ガスを流して曝気
を行う。塔の容積や充填材・多孔板の形状・量、不活性
ガスの量等は必要において適宜採択されればよい。また
塔底にガスを効率よく供給するための分散板を用いるこ
ともできる。曝気に用いるガスの量は、反応混合物から
副生有機物を除去して目的とする濃度にまで至らしめる
よう適宜調節されるが、一般には反応混合液に対して
0.1〜10.0倍容量、更に好適には0.6〜6.0
倍容量であることが好ましい。また、曝気に用いるガス
の温度は10〜100℃の間から決定することができ、
温度が高くなるほど副生有機物の除去に効果があるが、
あまり高くなると目的生成物のグリセロールジクロルヒ
ドリンや反応溶媒までが除去され、工業的に不利となる
ので、通常、10〜50℃の範囲から適宜選択される。
【0015】
【発明の効果】アリルクロライドと塩素を水性媒体中で
反応させるにあたり、主として副生した有機物からなる
非水性相の存在によって副反応が促進され、反応選択率
の低下を招いていたが、本発明にしたがい水性媒体中の
副生有機物濃度を飽和溶解度量の90%以下に維持する
ことによって非水性相の発生を抑制することができた。
【0016】以上のことから、本発明によって反応液中
の非水性相の発生を抑制し、目的とするグリセロールジ
クロルヒドリンを著しく高選択率で製造することが可能
となった。
【0017】
【実施例】本発明を更に詳細に説明するために、以下に
実施例及び比較例を掲載するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
【0018】実施例1 図1に示した行程にしたがってグリセロールジクロルヒ
ドリンの製造を行った。内容物温度45℃に制御された
容積500Lの貯水槽Aから抜き出した水溶液がポンプ
Bによって循環量240L/Hで循環され、210ml
/Hのアリルクロライドと6.1kg/Hの水が混合機
Cで予備混合された後、ポンプBの手前のラインに供給
され、58NL/Hの塩素ガスが、ポンプBの後に複数
箇所から供給された後、混合器Dで混合され、曝気塔E
の登頂へ供給される。
【0019】曝気塔EへはコンプレッサーFによって窒
素が150NL/Hで供給され、曝気塔Eの登頂より抜
き出された副生有機物は、凝縮器Gを通過する際に液体
として凝縮分離される。
【0020】また、反応液の一部は貯水槽Aから抜き出
され、冷却器Hを通って循環系外へ出される。この液と
凝縮器Gから得られる液とをガスクロマトグラフィーで
分析し、反応液中におけるトリクロルプロパンの飽和溶
解度に対する濃度の百分率(以下、tで表す)及びグリ
セロールジクロルヒドリンの選択率、収率を決定した。
その結果、t=64%、グリセロールジクロルヒドリン
の選択率94.2%、収率93.2%であった。
【0021】実施例2 循環液量を180L/Hとした他は実施例1と同様に行
った。その結果、t=61%、グリセロールジクロルヒ
ドリンの選択率94.5%、収率92.5%であった。
【0022】実施例3 循環液量を120L/Hとした他は実施例1と同様に行
った。その結果、t=63%、グリセロールジクロルヒ
ドリンの選択率93.7%、収率91.7%であった。
【0023】実施例4 循環液量を120L/H、反応温度を40℃、曝気ガス
600NL/Hとした他は実施例1と同様に行った。そ
の結果、t=49%、グリセロールジクロルヒドリンの
選択率95.9%、収率94.9%であった。
【0024】比較例1 曝気塔Eを使用しない他は実施例2と同様に行った。こ
の場合は貯水槽Aで副生成物と水の静置分離を行った。
その結果、t=100%、グリセロールジクロルヒドリ
ンの選択率89.2%、収率89.1%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を採用した代表的な行程
を示す概略図である。
【符号の説明】
A 貯水層 B ポンプ C,D 混合器 E 曝気塔 F コンプレッサー G 凝縮器 H 冷却器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中でアリルクロライドと塩素を反
    応させるグリセロールジクロルヒドリンの製造方法にお
    いて、水性媒体中の副生有機物の濃度を飽和溶解度の9
    0%以下に保ちながら反応を行うことを特徴とするグリ
    セロールジクロルヒドリンの製造方法。
JP1643593A 1993-02-03 1993-02-03 グリセロールジクロルヒドリンの製造方法 Pending JPH06228029A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090030249A1 (en) * 2007-07-25 2009-01-29 Honeywell International Inc. Processes for preparing 1,1,2,3-tetrachloropropene

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090030249A1 (en) * 2007-07-25 2009-01-29 Honeywell International Inc. Processes for preparing 1,1,2,3-tetrachloropropene
JP2010534679A (ja) * 2007-07-25 2010-11-11 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 1,1,2,3−テトラクロロプロパンを製造するための方法
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