JPH06227818A - 針状含水酸化チタン及び針状酸化チタンの製造方法 - Google Patents

針状含水酸化チタン及び針状酸化チタンの製造方法

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JPH06227818A
JPH06227818A JP4200193A JP4200193A JPH06227818A JP H06227818 A JPH06227818 A JP H06227818A JP 4200193 A JP4200193 A JP 4200193A JP 4200193 A JP4200193 A JP 4200193A JP H06227818 A JPH06227818 A JP H06227818A
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needlelike
needle
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均 岡田
Yoshiki Takeda
佳樹 武田
Kichijiyuurou Kanazawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸着材、触媒担体等として利用が可能な針状
含水酸化チタンの製造方法及び補強材として充分な繊維
長、強度を有する針状酸化チタンの製造方法を提供す
る。 【構成】 硫酸チタニルの針状結晶粒子をアルカリ性懸
濁液と接触させることを特徴とする針状含水酸化チタン
の製造方法、及び硫酸チタニルの針状結晶粒子をアルカ
リ性懸濁液と接触させ、得られた針状含水酸化チタンを
乾燥、焼成することを特徴とする針状酸化チタンの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換材、吸着
材、触媒、フイルター材等として優れた針状含水酸化チ
タンの製造方法及びプラスチツクの補強材の他、耐熱・
断熱材、摩擦材料等として有用な針状酸化チタンの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換特性、イオン吸着性を有する
針状含水酸化チタンは、触媒、吸着材、フイルター材と
しての用途の他、放射性廃液中の核種固定化など原子力
分野への応用も期待されている。又、従来のアスベスト
繊維に代わる工業用繊維として、ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム繊維、針状酸化チタン(酸化チタ
ン繊維)などが開発されているが、その中でも耐薬品
性、経済性に優れる針状酸化チタンが注目されている。
そのような針状含水酸化チタン及び/又は針状酸化チタ
ンの製造方法としては、例えば特公昭47−44974号に
は、酸化チタン、塩化ナトリウム及びオキシリン化合物
から成る混合物を725〜1000℃の温度でカ焼する方法、
特開昭54−10300号には四塩化チタンの水溶液中で尿素
等を塩基奪取剤として用い熱加水分解させる方法、また
特開昭60−259625号にはメルト法にて生成させた二チタ
ン酸カリウムから酸処理によりカリウムを抽出する方法
が提案されている。
【0003】しかしながら、特公昭47−44975号に記載
された方法では短いものの比率が高く、分級操作を必要
としたり、特開昭54−10300号に記載された方法では、
繊維状とはいえ、非常に短くかつ微細結晶であつたり、
特開昭60−259625号に記載された方法では、カリウム抽
出の際に繊維形状が壊れやすく、操作が煩雑である等の
問題点を含む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た問題点を含まず、吸着材、触媒担体等として利用が可
能な針状含水酸化チタンの製造方法及び補強材として充
分な繊維長、強度を有する針状酸化チタンの製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は硫酸チタニルの
針状結晶粒子をアルカリ性懸濁液と接触させることを特
徴とする針状含水酸化チタンの製造方法及び硫酸チタニ
ルの針状結晶粒子をアルカリ性懸濁液と接触させ、得ら
れた針状含水酸化チタンを乾燥、焼成することを特徴と
する針状酸化チタンの製造方法に係る。
【0006】本発明者は、硫酸チタニル水溶液を加熱し
た場合、柱状又は針状の硫酸チタニル結晶粒子が晶出す
ることに着目し、この形状を保持したまま酸化チタンと
する方法を検討したところ、アルカリ性懸濁液にて処理
することにより、硫酸チタニル結晶粒子の形骸を壊すこ
となく含水酸化チタンが生成することを見出した。この
ようにして生成した針状含水酸化チタンは乾燥、焼成す
ることによつて、含水酸化チタンから酸化チタンへと形
状を保持しつつ変化する。
【0007】次に本発明の構成について説明する。
【0008】本発明で用いる硫酸チタニルの針状結晶粒
子は、TiO2濃度が5〜270g/l、硫酸濃度が300g/l以
上、好ましくは300〜1400g/l、特に好ましくは500〜10
00g/lである硫酸チタニル水溶液を加熱することによつ
て得られる。この際、撹拌の有無は問わないが均一な粒
度を得ようとするならば施すほうが好ましい。
【0009】TiO2濃度が5g/lより低くなると収量が
少なくかつTiO2に対し多量の硫酸を必要とすることか
ら不経済であり、270g/lを超えると晶出する結晶濃度
が高くなり過ぎ、撹拌操作が困難となり結果として結晶
成長が不均一となつてしまう。
【0010】硫酸濃度は300g/lより低くなると晶出速
度が著しく低下し、1400g/lを超えた場合も晶出率が低
下したり、生成する結晶粒子も針状から塊状になつてし
まう。
【0011】加熱温度は、TiO2濃度、硫酸濃度にもよ
るが、70℃以上が好ましい。70℃より低くなると反応速
度の低下を招く。また、反応は沸点以上、オートクレー
ブ中、水熱条件下でもかまわない。
【0012】以上の条件によつて得られる硫酸チタニル
の結晶は短軸径0.1〜5μm、長軸径2〜500μmの針状粒
子であり、その粒度はTiO2濃度、硫酸濃度及び加熱温
度により自由に調整できる。
【0013】本発明において針状含水酸化チタンは上述
した硫酸チタニルの針状結晶粒子をアルカリ性懸濁液と
接触させることにより得られる。ここでいうアルカリ性
懸濁液とは、難溶性化合物であるが水に懸濁させた際、
僅かに溶解した分が加水解離の結果としてアルカリ性を
呈するものをいい、水酸化マグネシウム、リン酸リチウ
ムの他、アルカリ土類金属の炭酸塩、リン酸塩等の懸濁
液を例示できる。この場合、Ba化合物を用いたときは
硫酸チタニルとの反応により副生したBaSO4が含水酸
化チタンと分離困難であり、生成物にBaSO4が共存す
るが、本発明ではこのようなものも包含する。また、副
生塩が含水酸化チタンと分離できる場合であつても、共
存したものも本発明では包含する。このようなアルカリ
性懸濁液と硫酸チタニルの針状結晶粒子を接触させる
と、該結晶粒子の形骸を保持したまま含水酸化チタンが
生成する。その際のアルカリ性懸濁液は硫酸チタニル結
晶中のSO3分と当量分の難溶性化合物を含むことが好
ましい。当量未満ではSO3分が残つたり、もともと溶
解度の高い硫酸チタニルの結晶故に、処理中に溶解した
りする。また、当量を越えては過剰分の難溶性化合物が
そのまま残ることになる。
【0014】このようにして得られた針状含水酸化チタ
ンは、乾燥、粉砕することにより実用に供される。
【0015】本発明でいう針状酸化チタンは、上記針状
含水酸化チタンを通常100〜500℃、好ましくは200〜350
℃の温度で乾燥し、通常500〜1200℃、好ましくは700〜
900℃の温度で焼成することによりアナターゼ形または
ルチル形の結晶形として得られ、800℃付近がアナター
ゼ形からルチル形への転移温度である。この間、結晶粒
子は針状を保持している。
【0016】以上のように、本発明はイオン交換材、イ
オン吸着材、触媒及び触媒担体、フイルター材、さらに
は放射性廃液中の核種固定化等へ応用できる針状含水酸
化チタン及びプラスチツクの剛性、機械的強度を高める
ための補強材の他、フイルター及び隔膜材、耐熱・断熱
材、摩擦材料、触媒担体として有用な針状酸化チタンを
製造し得るものである。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】実施例1 硫酸法による酸化チタン製造工程から得られる含水酸化
チタンを出発原料とし、該含水酸化チタンに含まれるT
iO2に対し、2.8倍の濃硫酸を加えて加熱、撹拌して溶
解した。該溶液に水及び硫酸を加えてTiO2濃度250g/
l、硫酸濃度1000g/lとし、70〜90℃の温度にて加熱、
撹拌したところ、短軸径2〜3μm、長軸径5〜15μmの
硫酸チタニルの針状結晶粒子が晶出した。該針状結晶粒
子 100gを水酸化マグネシウム 31gを含む懸濁液 1lに
加え撹拌を施した。その後、水で洗浄し250℃にて乾燥
させたところ、該針状結晶粒子はTiO2分90.1%、比表
面積240m2/gの含水酸化チタンとなつており、結晶形は
アモルフアスであつた。この間、結晶粒子は硫酸チタニ
ルの結晶晶出時の形骸を殆ど保持したままであつた。こ
のものの電子顕微鏡写真を図1に示した。
【0019】実施例2 硫酸法による酸化チタン製造工程から得られる含水酸化
チタンを出発原料とし、該含水酸化チタンに含まれるT
iO2に対し、2.8倍の濃硫酸を加えて加熱、撹拌して溶
解した。該溶液に水及び硫酸を加えてTiO2濃度20g/
l、硫酸濃度500g/lとし、100〜120℃の温度にて加熱、
撹拌したところ、短軸径0.1〜1.5μm、長軸径10〜30μm
の硫酸チタニルの針状結晶粒子が晶出した。該針状結晶
粒子 100gをリン酸三リチウム 44gを含む懸濁液 1lに
加え撹拌を施した。その後、水で洗浄し 250℃にて乾燥
し、さらに800℃にて焼成したところ、該針状結晶粒子
はTiO2分97.5%、比表面積3.8m2/gの酸化チタンとな
つており、結晶形はルチル形であつた。この間、結晶粒
子は硫酸チタニルの結晶晶出時の形骸を殆ど保持したま
まであつた。このものの電子顕微鏡写真を図2に示し
た。
【0020】実施例3 硫酸法による酸化チタン製造工程から得られる含水酸化
チタンを出発原料とし、該含水酸化チタンに含まれるT
iO2に対し、2.8倍の濃硫酸を加えて加熱、撹拌して溶
解した。該溶液に水及び硫酸を加えてTiO2濃度14g/
l、硫酸濃度700g/lとし、100〜120℃の温度にて加熱、
撹拌したところ、短軸径0.1〜2μm、長軸径10〜40μm
の硫酸チタニルの針状結晶粒子が晶出した。該針状結晶
粒子 100gを炭酸カルシウム 52gを含む懸濁液 1lに加
え撹拌を施した。その後、水で洗浄し250℃にて乾燥
し、さらに800℃にて焼成したところ、該針状結晶粒子
はTiO2分98.0%、比表面積4.0m2/gの酸化チタンとな
つており、結晶形はルチル形であつた。この間、結晶粒
子は硫酸チタニルの結晶晶出時の形骸を殆ど保持したま
まであつた。このものの電子顕微鏡写真を図3に示し
た。
【0021】比較例1 実施例3と同様にして得られた硫酸チタニルの針状結晶
粒子をエチルアルコールにて洗浄後200℃にて乾燥、更
に800℃にて焼成したところ、多量のSO2ガスを発生し
た後、針状酸化チタンが得られたが、一部は粉状化し、
また折れたものも多かつた。このものの電子顕微鏡写真
を図4に示した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、硫酸チタニルの針状結
晶粒子をアルカリ性懸濁液と接触させるという極めて簡
単な工程で針状含水酸化チタンを、さらには該針状含水
酸化チタンを焼成することにより針状酸化チタンを製造
でき、その粒度は用途に合わせ、硫酸チタニルの結晶の
晶出条件を変えることにより調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1により得られた針状含水酸
化チタンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】 本発明の実施例2により得られた針状酸化チ
タンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】 本発明の実施例3により得られた針状酸化チ
タンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の比較例1により得られた針状酸化チ
タンの粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸チタニルの針状結晶粒子をアルカリ
    性懸濁液と接触させることを特徴とする針状含水酸化チ
    タンの製造方法。
  2. 【請求項2】 硫酸チタニルの針状結晶粒子をアルカリ
    性懸濁液と接触させ、得られた針状含水酸化チタンを乾
    燥、焼成することを特徴とする針状酸化チタンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 TiO2濃度が5〜270g/l、硫酸濃度が3
    00g/l以上である硫酸チタニル水溶液を加熱することに
    より晶出する硫酸チタニルの針状結晶粒子を用いる請求
    項1の針状含水酸化チタンの製造方法。
  4. 【請求項4】 TiO2濃度が5〜270g/l、硫酸濃度が3
    00g/l以上である硫酸チタニル水溶液を加熱することに
    より晶出する硫酸チタニルの針状結晶粒子を用いる請求
    項2の針状酸化チタンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007102490A1 (ja) * 2006-03-07 2007-09-13 Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. 酸化チタン及び導電性酸化チタン並びにそれらの製造方法

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