JPH0622686B2 - 可溶性モリブデン組成物の再生方法 - Google Patents

可溶性モリブデン組成物の再生方法

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JPH0622686B2
JPH0622686B2 JP60239269A JP23926985A JPH0622686B2 JP H0622686 B2 JPH0622686 B2 JP H0622686B2 JP 60239269 A JP60239269 A JP 60239269A JP 23926985 A JP23926985 A JP 23926985A JP H0622686 B2 JPH0622686 B2 JP H0622686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 産業上の利用分野 本発明は使用済触媒流からの可溶性モリブデン触媒の再
生法に関する。
従来の技術 オキシラン化合物、例えばプロヒレンオキシド及びその
高級同族体の製造はコラー(Koller)の米国特許第3,
351,635号に記載されている、コラー法による
と、オキシラン化合物は有機ヒドロペルオキシド及び好
適な金属触媒、例えばモリブデン化合物を用いてオレフ
イン系不飽和化合物(例えばプロピレン)をエポキシ化
することにより製造できる。コラーは第一オレフインの
エポキシ化についてそこに記載された金属触媒の活性は
高く、プロピレンからプロピレンオキシドへの高い選択
性を持たらしうると教示している。これらの選択率はヒ
ドロペルオキシドの高い転換率(50%以上)で得られ
るが、この転換率水準はこの技術の商業的利用にとつて
重要である。コラー法によれば、エポキシ化反応は液体
状態で圧力下進行し、従つて、金属触媒の液体溶液が望
ましい。
上記の目的のため、金属化合物、例えばモリブデン塩の
製造において、種々の技術が使用されてきたが、これら
のうち多くは商業的規模で効率的に行なうのが非常に困
難であり、従つて特に高モリブデン分を含有する炭化水
素可溶性組成物を製造するには高価であることが分つ
た。コラーの米国特許第3,362,972号は三酸化
モリブデンをヘキサン酸の存在下でシユウ酸と反応させ
る。カルボン酸モリブデン塩の製造方法に関する。シエ
ン(Sheng)らの米国特許第3,434,975号は飽
和アルコールの存在下モリブデン金属とペルオキシ化合
物との反応によるモリブデン含有触媒の製造を報告して
いる。シエンらの米国特許第3,453,218号は低
温でモリブデン金属をtert−ブチルヒドロペルオキシド
と蟻酸の組合せと反応させることによるモリブデン含有
エポキシ化触媒の製造を開示している。ジオルコフスキ
ー(Ziolkowski)らのポーランド特許第100,561
号は有機溶媒中でMo(OH)5を特定の脂肪族酸またはジカ
ルボン酸で、かつアルフアーヒドロキシ酸でまたは特定
のジオールもしくはベータージケトンで処理することに
よるモリブデン含有触媒の製造を開示している。ジオル
コフルスキー(Ziolkowlski)らのポーランド特許第1
03,742号は特定の担体上に析出させたMo(O)(OH)3
及びシユウ酸、乳酸及びエチレングリコールからのモリ
ブデン錯体の製造に関する。ソブチヤツク(Sobczak)
らのJournal Less-Common Met.,vol.54.pp149-52(1977)
はモリブデン錯体のジカルボン酸、例えばシユウ酸との
反応を記載している。最後に、クジミナ(Kuzimina)ら
のIzv.Timiryazev.Sel′skokhoz Acad.(2),224-8(1970)
はモリブデンイオンのシユウ酸も含めた特定の有機カル
ボン酸との錯体生成反応を記載している。
しかしながら、これらの従来方法はいずれも高価な出発
物質を必要とするか、または比較的低い金属分を含有す
るカルボキシレートまたは錯体モリブデン組成物を生成
し、かつ/または所望の高モリブデン含有可溶性触媒組
成物を製造するためには多数の工程を必要とする点で困
難である。
他のモリブデンエポキシ化触媒がボネツテイ(Bonett
i)らにより米国特許第3,480,563号中に記載
されている。ボネツテイは三酸化モリブデンが4〜22
個の炭素原子を有する第一飽和非環式アルコールまたは
モノもしくはポリアルキレングリコールモノアルキルエ
ーテルと反応させることができることを教示している。
反応は三酸化モリブデンをアルコールまたはエーテル中
で加熱することにより有機可溶性モリブデン触媒を生成
することを含む。
マウリン(Maurin)らは米国特許第3,822,321
号中にてモリブデン酸またはモリブデン塩のようなモリ
ブデン化合物をポリアルコールと反応させることにより
製造したモリブデン触媒を用いるヒドロペルオキシドに
よるオレフイン類の酸化を記載している。
オレフインのモリブデン触媒使用エポキシ化はラインズ
(Lines)らにより米国特許第4,157,346号中
に記載されている。触媒は酸素含有モリブデン化合物を
アミン(またはアミンN−オキシド)及びアルキレング
リコールと反応させることにより製造される。
英国特許第1,060,122号は触媒量の無機モリブ
デン化合物の形態をしたモリブデン触媒を用いるエポキ
シ化反応に関係している。
フランス特許第1,550,166号はモリブデン酸エ
ステル、特にモリブデン酸のグリコールエステルがオレ
フイン系化合物との反応のため有機ヒドロペルオキシド
を用いるエポキシ化を達成するのに従来公知の触媒に比
し特定の利点を与えることを開示している。
米国特許第3,887,361号中にて、レムケ(Lemk
e)はモリブデンの存在下オレフインのヒドロペルオキ
シドによるエポキシ化方法から得られた使用済触媒溶流
を処理することにより可溶性モリブデンを沈殿分離でき
ることを開示している。このレムケ法は使用済触媒溶液
を5〜50重量部のtert−ブチルアルコールと混合し、
そして混合物を密閉容器中で100℃〜300℃にまた
は還流下に加熱することにより、かくして微細固体とし
てモリブデンが沈殿することからなる。固体はそのまま
であるいは所望ならば有機酸または酸素化有機誘導体を
製造するための「オキソ法」にて得られた酸に溶解した
後、更にエポキシ化反応に再循環するのに好適であると
開示されている。レムケの固体は典型的には約30〜約
40重量%のモリブデンを含有している。
発明が解決しようとする問題点 従つて、本発明の一つの目的は使用済モリブデン含有固
体からのモリブデン組成物を再生する簡単で廉価な方法
であつて、その組成物は高金属含量を特徴とし、オレフ
インを有機ヒドロペルオキシドでエポキシ化して対応す
るオキシラン化合物を製造するために再使用するのに好
適であるものを提供することである。
本発明の別の目的は低下したヒドロペルオキシド消費及
びモリブデン損失及び改善された触媒調製生産性を特徴
とする使用済モリブデン触媒組成物からのモリブデン含
有エポキシ化触媒の製造方法を提供することである。
〔発明の構成〕
問題を解決するための手段 使用済固体モリブデン触媒が安定した可溶性形態で効率
良く再生できオレフインのエポキシ化に再使用できるこ
とが発見された。本発明によればオレフインのヒドロペ
ルオキシドによるエポキシ化用可溶性モリブデン触媒の
再生方法はオレフインのモリブデン触媒使用エポキシ化
から得られた使用触媒溶液からモリブデン含有固体を熱
的に沈殿分離し、そしてペルオキシ化合物、例えば有機
ヒドロペルオキシド、有機ペルオキシ酸または過酸化水
素あるいはその混合物及び特定の有機ジカルボン酸と、
モノヒドロキシアルコールの存在下で、所望ならば追加
の二義的な溶媒、例えばポリヒドロキシアルコールの存
在下で、接触させることにより沈殿固体を可溶化するこ
とからなる。この発見は驚くべきことだと考えられる。
何故ならばこの分野において、例えば英国特許第1,0
60,122号からかつレバイン(Levine)らの米国特
許第3,819,663号から、酸不純物、例えばカル
ボン酸はモリブデン含有触媒溶液を不安定化したりある
いはモリブデン含有触媒組成物が使用されるエポキシ化
反応を干渉するため酸をこのようなエポキシ化系から排
除するのが望ましいことが知られているからである。こ
の改善された結果は化学方法用途における酸成分の存在
により通常伴われる有害な腐食を持たらすことなく達成
される。更に、本発明の高モリブデン含有触媒組成物溶
液が有機ジカルボン酸の不存在下で製造された触媒組成
物に比し、同一方法条件下で、有機ヒドロペルオキシド
によるオレフインの所望のアルキレンオキシド化合物へ
のエポキシ化においてより高い収量を与えることも発見
された。この発見は更に驚くべきものである。何故なら
ば酸の存在は所望のアルキレンオキシド生成物への収量
を低下させることが知られているからである。
本発明のモリブデン含有触媒組成物は上記のエポキシ化
反応において新しい安定触媒溶液として使用でき、また
はモリブデンエポキシ化触媒の存在下有機ヒドロペルオ
キシドによるオレフイン系化合物のその前のエポキシ化
から得られた蒸発残渣を混合でき、レバインらの米国特
許第3,819,663号に記載されかつ特許請求され
た方法に従つて加熱温度におけるこすりつけ薄膜蒸発に
かけることができる。
本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲にて使用したよ
うに、「安定触媒溶液」という表現は、約85℃の温度
に少なくとも約4時間加熱した場合、モリブデンの感知
量、すなわち溶液に含有されたモリブデンの約1%未
満、を沈殿させないモリブデン含有溶液を意味する。
本発明は、モリブデン触媒使用オレフインエポキシ化か
ら得られた使用済触媒溶液からモリブデン含有固体を熱
的に沈殿分離し、そして沈殿固体を、ペルオキシ化合
物、モノヒドロキシアルコール、所望ならばポリヒドロ
キシアルコール及び特定の有機ジカルボン酸の混合物か
らなる液体組成物中で、この固体をこのような組成物と
接触させることにより可溶化させて活性触媒溶液を調製
し、触媒量の活性溶液をオレフインのヒドロペルオキシ
ドエポキシ化に添加することによるヒドロペルオキシド
によるオレフインのモリブデン触媒使用連続エポキシ化
法において連続的に再生、再循環及び再使用することを
可能にする。
本明細書及び特許請求の範囲にて使用したように、「使
用済触媒溶液」という表現は、コラーの米国特許第3,
351,635号の方法に従つてもよいエポキシ化反応
の生成物流出物から常法による一連の分別により未反応
オレフイン(例えばプロピレン)、アルキレンオキシド
(例えばプロピレンオキシド)及びこのエポキシ化反応
で使用されたヒドロペルオキシド(例えばtert−ブチル
ヒドロペルオキシド)に対応するアルコールの大部分を
除去した後に残る画分を意味する。使用済触媒溶液はモ
リブデンを約5重量%以下の水準で含有していてもよい
が、いくらかのアルコール、酸及び他の低分子量酸素化
化合物を含有しており、該使用済触媒溶液は通常本発明
方法にかけられる前にいかなる化学的処理にもかけられ
ない。ここで使用したように、使用済触媒溶液には英国
特許第1,317,480号明細書中で処理された蒸留
釜残及びレバインの米国特許第3,819,663号に
よるこすりつけ薄膜蒸発から得られた残渣が含まれるも
のと考える。
モリブデン含有化合物の固体沈殿は様々な方法により使
用済触媒溶液から得られる。本発明はコラーにより教示
されるもののような方法において使用するための活性安
定可溶性エポキシ化触媒を製造するためこれらの固体を
溶解する方法に関する。従つて、本発明は触媒価のエポ
キシ化帯への実質的に完全な再循環を可能にしかつ経済
的及び環境学的見地いずれからも不利な使用済モリブデ
ン触媒溶液の廃棄の必要性をなくす。本発明のこれら及
び他の目的は以下の記載及び実施例により明らかになろ
う。
作用・効果 上記のコラー特許に記載されたような方法から出てきた
モリブデン触媒使用ヒドロペルオキシドエポキシ化粗反
応生成物は一連の分別工程にかけられ、これにより留出
物として未反応オレフイン、アルキレンオキシド及びヒ
ドロペルオキシドに対応するアルコールが連続的に分離
される。残存する残渣、すなわち重質有機液体釜残流は
高沸点副生成物及び溶解したモリブデン触媒を含有す
る。
上記した蒸留の最後からのこの重質液体釜残流は使用済
触媒液体からなり、これは本発明方法の出発物質として
役立つ。通常、この流は約10重量%までのヒドロペル
オキシドに対応するアルコールを含有するが、本発明の
目的のためにはこのアルコール含量は重要ではなく広く
変化しうる。該重質画分中にやはり含有されているもの
は蟻酸、酢酸、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、グリコールエーテル及び水であり、これら
は、普通エポキシ化中に少量ではあるが依然有意量で生
成される不純物である。重質画分はまた該液体画分に可
溶性の有機錯体混合物の形態をしたモリブデンエポキシ
化触媒を含有している。
上記したように、この重質画分は、その中に含有される
不純物、最も注目すべき酸不純物がエポキシ化反応を干
渉する事実に照らし、エポキシ化帯に直接再循環できな
い。これらの酸の有害な作用は直接再循環が使用される
ときのこれら物質の濃度の蓄積によるため連続系におい
て特に顕著である。更に、エポキシ化反応への流の部分
的再循環は時間を終ると、全体的エポキシ化反応にやは
り有害となる触媒に関連した残留物質の蓄積を持たら
す。また重質流はその熱量を利用するため直接燃焼させ
るわけにはいかない。何故ならば、このような操作にお
いて、モリブデンは三酸化モリブデンに転換され、これ
が炉の表面に析出し、炉操作を干渉し最終的には中断さ
せてしまうからである。環境的欠点もまたいかなるこの
ような燃焼操作においても非常に明白である。
本発明によれば、使用済触媒溶液、すなわち上述したよ
うな重質画分は熱処理にかけられ、かくして該使用済触
媒流からモリブデン含有固体を沈殿させかつエポキシ化
反応にて有害な望ましくない酸性化合物をモリブデン含
有沈殿固体から分離する。モリブデン含有残渣がケーキ
ングを起こし、慣用装置を被い、閉塞してしまうことか
ら、この重質画分の溶解を達成するのに常用標準方法は
使用できない。次いで、沈殿した固体モリブデン含有組
成物は所望のモリブデン含有触媒組成物の生成における
希釈剤として存在するモノヒドロキシアルコールまたは
所望ならばモノヒドロキシアルコールとポリヒドロキシ
アルコールの混合物の存在下でペルオキシ化合物及び特
定有機ジカルボン酸と直接反応させることにより可溶化
される。
本発明の一部として、使用済触媒溶液からのモリブデン
含有固体の熱的沈殿を達成するいくつかの方法のうちの
一つを行なうことができる。これらの方法の一番目は上
で言及したレムケの米国特許第3,887,361号に
記載された方法が使用できる。この方法は使用済触媒溶
液を約5〜50重量%のtert−ブチルアルコールと共に
密閉容器内で約100℃ないし300℃の温度にまたは
還流下に加熱し、次いで蒸留残渣中に最初から存在する
実質的全量のモリブデンを含有する得られた沈殿を分離
することからなる。このような熱処理を行なう第二の方
法は使用済有機触媒溶液を有機溶液の重量に対して約
0.5〜10%の量の水と混合し、得られた混合物を約
150℃ないし250℃に、混合物を液相に保持するの
に充分な圧力下でかつ有機溶液中に含有されたモリブデ
ンの少なくとも一部が固体として沈殿するのに充分な時
間加熱し、次いで沈殿したモリブデン含有固体を有機溶
液から分離することからなり、これは例えば、同じく係
属中のR.B.ポエニツシユ(Poenisch)の米国特許出
願第227,115号発明の名称「有機溶液からのモリ
ブデンの回収方法」1981年1月21日出願及びドウ
グア(Dugua)の米国特許第4,317,802号、1
982年3月2日発行に記載されかつ特許請求されてい
る。
使用済触媒溶液からモリブデン含有固体を分離する他の
方法はM.T.モセーラ(Mocella)の共に係属中の米
国特許出願第227,114号、発明の名称「使用モリ
ブデンエポキシ化触媒溶液からの固体モリブデン沈殿の
製造」、1981年1月21日出願中に開示されかつ特
許請求されている熱沈殿方法からなる。この方法は使用
済触媒溶液を有機相及び水性相からなる二相系を生成す
る充分な量の水と混合し、得られたモリブデン価に富ん
だ水性相を加熱することによりモリブデン含有固体を沈
殿させ、そして固体を分離することによる、溶解モリブ
デンをモリブデン含有固体として除去回収する方法から
なる。
上記の熱沈殿方法のいずれかから得られた固体モリブデ
ン含有沈殿は約50重量%以下の、一般に約40重量%
のモリブデンを含有できる。該熱処理から得られた固体
沈殿中に含有されたモリブデンの再使用はモリブデンを
可溶化する効率的方法を必要とし、かくして高品質エポ
キシ化が達成される。
本発明にて使用されうる有機ヒドロペルオキシドは使用
反応条件下では液状であること、及び構造RCOOH(式中
Rはアルキル、アルケニル、アリール、アルカリール、
アルアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル及び
やはり官能基を含有する同様な基であつてよい)を有す
ることを特徴とする。本発明のモリブデン含有触媒の製
造に使用可能なこのようなヒドロペルオキシドの例には
tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロ
ペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、テトラリン
ヒドロペルオキシド、アルフアヒドロキシジイソプロピ
ルケトン、2−メチルブデン−2のヒドロペルオキシ
ド、オクテン−1のヒドロペルオキシド、2,6−ジ−ter
tブチルパラクレゾールのヒドロペルオキシド等が含ま
れる。tert−ブチルヒドロペルオキシドが好ましい。何
故ならば還元するとこれは、例えばプロピレンを出発オ
レフインとして用いる場合、エポキシ化反応に好便な溶
媒である対応するアルコールへと転換されるからであ
る。ペルオキシ化合物を有機ヒドロペルオキシドとして
使用する場合、このようなヒドロペルオキシドは好まし
くはその30〜40重量%溶液の形態で存在する。使用
できる各種のペルオキシ酸に包含されるのは過蟻酸、過
酢酸、トリフルオル過酢酸、過安息香酸等であり、これ
らのうち、過酢酸が特に好ましい。
本発明のモリブデン含有触媒組成物の再生に使用可能な
有機ジカルボン酸には2〜18個の炭素原子を有する脂
肪族、脂環族及び芳香族ジカルボン酸が含まれ、好まし
くは脂肪族及び脂環族ジカルボン酸の場合は2〜8個の
炭素原子及び芳香族ジカルボン酸の場合は8〜12個の
炭素原子を有するものである。カルボン酸基を隣接する
炭素原子上に含有するこのような特色を有する有機ジカ
ルボン酸が特に好ましい。ここで使用可能な好適な有機
ジカルボン酸の例として、シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び1,2−
ナフタレンジカルボン酸が含まれる。シユウ酸及びフタ
ル酸が本発明の触媒組成物の製造における使用可能な有
機ジカルボン酸の特に好ましい種をなす。
本発明の液体触媒組成物の処方に使用可能な好適なモノ
ヒドロキシアルコールには1〜12個の炭素原子、好ま
しくは4〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコール
が含まれる。ここで使用可能なモノヒドロキシ化合物は
存在する反応体に不活性な官能基、例えばクロルもしく
はフルオルのようなハロ、ニトロ、シアノ、カルボニル
及びカルボキシルで置換されてもよいが、炭素、水素、
及び酸素のみを含有する入手容易なモノヒドロキシ含有
有機化合物が本発明に使用するのに特に満足できるもの
である。好適なモノヒドロキシ化合物の例にはメタノー
ル、エタノール、プロパノール、n−ヘキサノール、2
−エチルヘキサノールが含まれ、特に好ましいのはtert
−ブチルアルコールである。混合物のモノヒドロキシア
ルコール部分は通常本発明による安定溶液の形態のモリ
ブデンの最高濃度を与えるのに充分なモノヒドロキシア
ルコールが導入されるよう調整される。一般に、モノヒ
ドロキシアルコールは可溶化すべきモリブデン1部当り
少なくとも約25部、好ましくは約50〜200部の量
で使用される。
用いられた場合、上記したモリブデン触媒組成物の処方
に使用するのに好適なポリヒドロキシ化合物もまた通常
約12個までの炭素原子を含有する。このようなポリヒ
ドロキシ化合物は通常2〜4個のヒドロキシル基を含有
するが、好ましくは2個のヒドロキシル基を含有し、す
なわち、モノアルキレングリコールまたはその誘導体、
例えばグリコールエーテルであるが、但しこれらの化合
物は少なくとも1個のヒドロキシル基を含有することを
前提とする。上で言及したモノヒドロキシアルコールに
関係した場合におけるように、ポリヒドロキシ化合物は
存在する反応体に不活性な官能基で置換されてもよい。
炭素、水素及び酸素のみを含有するポリヒドロキシ化合
物が特に好ましい。本発明の触媒組成物の製造に使用可
能な典型的なポリヒドロキシ化合物の例にはエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ルのようなブチレングリコール、カテコール及びこのよ
うなグリコールのアルキレンエーテル例えばそのメチル
及びエチルエーテルが含まれる。一般に、希釈剤がモノ
ヒドロキシ及びポリヒドロキシアルコールの混合物から
なるとき、ポリヒドロキシアルコールは使用されたモノ
ヒドロキシアルコールの約25容量%以下、好ましくは
約10%以下の量で使用される。しかしながら、ポリヒ
ドロキシアルコールの大過剰は避けるべきである。何故
ならば、このような化合物は後続のエポキシ化反応に対
して有毒作用を有するからであり、従つて、大過剰はモ
リブデンの可溶化に不利である。
本発明のモリブデン含有組成物の処方における反応体の
使用量は広い範囲で変化しうる。一般に、熱的に沈殿さ
せたモリブデン固体対ペルオキシ化合物、例示すると、
有機ヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペ
ルオキシドの重量比は約1:2から1:20の範囲でよ
く、1:10〜1:15の範囲が好ましい。熱的に沈殿
させたモリブデン含有固体対モノヒドロキシアルコール
の重量比も広い領域で変化できるが、好ましい範囲は約
1:50〜1:200である。モノヒドロキシ及びポリ
ヒドロキシアルコールの混合物を使用する場合、モリブ
デン含有固体対モノヒドロキシアルコールの比は1:4
程の低いところから1:100まででよく、存在する全
アルコールの約75〜99重量%がモノヒドロキシアル
コールである。一般に、有機ジカルボン酸は可溶化すべ
きモリブデン1モル当り約0.2〜4モル、好ましくは
0.5〜2モルの範囲の量で使用される。本発明の最終
モリブデン含有触媒組成物は約0.1〜3重量%のモリ
ブデン、好ましくは約0.5〜2重量%のモリブデンを
含有することを特徴とする。
本発明におけるモリブデン触媒組成物の触媒の処方にお
いて熱的に沈殿させたモリブデン固体を可溶化するのに
使用される温度は約20℃ないし約130℃、好ましく
は約50℃ないし約100℃の範囲であつてよい。約2
0℃より低い温度は不当に長い反応時間を必要とし好ま
しくない。特に好便な温度はモリブデン固体が可溶化さ
れている最中の液体混合物の還流温度である。一般に、
可溶化反応に大気圧が好適であるが、反応は反応混合物
を液相中に保持するのに必要なときは大気圧より高い温
度で行なうことができる。反応がアルコールの蒸発を起
こすようなより高温で行なわれる場合は、液相を保持す
るのに充分な圧力が使用される。例えば、メタノールが
モノヒドロキシアルコール成分として使用される場合、
約60℃より高い温度の使用は液体状態を保持するため
に大気圧より高い圧力の使用を必要とする。
熱的に沈殿したモリブデン固体を可溶化して安定活性溶
液にするのに必要な時間は温度、及び混合物の成分の性
質と割合の両者の関数である。一般に、可溶化はより高
温における数分、例えば15分からより低温における数
時間に及ぶ反応時間を必要とするが、好ましい温度範囲
が使用された場合、約30分ないし2時間の範囲の反応
時間が好ましい。
本発明方法に従つて製造したモリブデン含有触媒組成物
はオレフイン、例えばプロピレンをエポキシ化して対応
するオキシラン化合物、例えばプロピレンオキシドを高
い収率及び転換率で望ましくない多量の望ましくない副
生成物の生成を持たらすことなく製造するのに適してい
ることが見出された。一般に、本発明の触媒組成物はコ
ラーの米国特許第3,351,635号に記載されかつ
特許請求された方法に従つて、一般式 (式中、R1,R2,R3及びR4は水素、アルキル、アリ
ール、アルアルキル、アルカリール、アルケニル、アル
カジエニルまたは官能基を有する同様な基であつてもよ
い)で表わされる化合物のエポキシ化に好適である。エ
ポキシ化できる非環式オレフイン系炭化水素の例はプロ
ピレンのような脂肪族で通常気状のオレフイン、ブチレ
ン及び高級オレフイン、例えば液体及び高分子量固体オ
レフインである。モノオレフイン系炭化水素、ジオレフ
イン系炭化水素及びポリオレフイン系炭化水素もまた本
発明の触媒によりエポキシ化できる。
上述したエポキシ化反応に新しい触媒溶液として使用さ
れる以外に、本発明のモリブデン含有触媒組成物はモリ
ブデンエポキシ化触媒を用いるその前のエポキシ化方法
から得られたモリブデン含有触媒濃縮物または残渣と共
に使用した場合特に用途がある。このような操作におい
て、エポキシ化反応混合物は触媒を含有する重質液体画
分も含めた生成物画分に分割され、レバインらの米国特
許第3,819,663合に記載されかつ特許請求され
ているように、このような重質液体画分はその画分の少
なくとも約60重量%が塔頂から蒸発されるまで加熱温
度にて蒸発、例えば、こすりつけ薄膜蒸発にかけられ、
そして蒸発残渣はエポキシ化反応に再循環される。この
ような方法で用いられた場合、本発明の触媒組成物はエ
ポキシ化反応に必要な全モリブデン含有組成物の約90
重量%までの好ましくは約50重量%までの量で使用さ
れる。
本発明の可溶化再生モリブデン触媒を使用する場合、過
剰のヒドロキシル含有化合物をエポキシ化反応に添加す
るのは避けるのが好ましい。従つて、熱的に沈殿させた
固体の可溶化の後、特にもし相当量の第一アルコールを
溶解反応にて使用する場合、溶液状のモリブデンを濃縮
するのが望ましいであろう。これは好便には溶液を蒸発
させて過剰のモノヒドロキシアルコールを除去すること
により達成される。液体組成物混合物に関して上で特に
言及した以外の追加的可溶化剤は必要ではないが、所望
ならば、当業者に知られた他の可溶化性化合物を用いて
もよい。更に、本法に従つて製造された触媒組成物の精
製を達成する目的のため本発明の拡張として通常の物理
的精製方法を採用してもよい。例えば、活性モリブデン
可溶性触媒溶液の再生に先立ち、この液体を、含有され
たいかなる望ましくない固体物質も除去するため過に
かけてもよい。
実施例 本発明の実施を例示するために、以下に実施例を示す。
しかし、これら実施例は単に例示的なものにすぎず、特
許請求の範囲により開示されかつ特許請求された本発明
を制限するものではないことを理解されたい。なお、他
に特記しない限り、部及びパーセントは重量により、そ
して温度は摂氏で表わした。
実施例1 コラーの米国特許第3,351,635号に記載されて
いるようにプロピレンの商業的モリブデン触媒使用エポ
キシ化からの使用済触媒流をレムケの米国特許第3,8
87,361号に開示された方法に従つて熱的に処理す
ることにより、溶解したモリブデンを暗青色固体として
沈殿させる。この方法に従い、プロピレンのエポキシ化
法から誘導した残留有機流出物を約7重量%のtert−ブ
チルアルコールと共に170°〜215℃の範囲の温度
で3時間約35.15kg/cm2g(500psig)まで上昇す
る圧力下で加熱する。
1.4部の熱的に沈殿させたモリブデン含有固体(1
1.000ppmのモリブデンに相当)、40部のtert−
ブチルアルコール、9部の約40重量%のtert−ブチル
ヒドロペルオキシドのtert−ブチルアルコール中溶液及
び0.72部のシユウ酸二水和物の混合物を4時間還流
する(約85℃)。得られた溶液の分析により何ら沈殿
固体は生成されなかつたこと及び11.000ppmのモ
リブデンの全仕込量が反応混合物中に可溶化されている
ことが分る。
実施例2 実施例1におけるように商業的プロピレンエポキシ化か
らの使用済触媒溶液から、熱的に沈殿させたモリブデン
含有固体を得る。そのモリブデン含有固体を再使用可能
な可溶性モリブデン触媒として再生するために、0.9
3部の固体を0.94部のシユウ酸二水和物、27部の
tert−ブチルアルコール(TBA)、0.5部の約40重
量%のtert−ブチルヒドロペルオキシドのtert−ブチル
アルコール中溶液及び1.03部の試薬級プロピレング
リコール(MPG)と、反応体を一緒に90℃で2時間加
熱することにより反応させる。反応後得られた溶液は1
1.000ppmの可溶性モリブデンを含有しており、こ
れは仕込んだモリブデン100%を表わす。
実施例3 1.4部の上記実施例1にて得られたような熱的に沈殿
させたモリブデン固体(11.000ppmのモリブデン
に相当)、4.4部のプロピレングリコール、12部の
約40重量%のtert−ブチルヒドロペルオキシドのtert
−ブチルアルコール中溶液、1.4部のシユウ酸二水和
物及び31.6部のtert−ブチルアルコールの混合物を
大気圧下で4時間還流する(約85℃)。得られた溶液
の分析により、何ら沈殿固体は生成されなかつたこと及
び11.000ppmのモリブデンの全仕込量が反応混合
物中に可溶化されていることが分る。
対照的に、仕込んだシユウ酸二水和物をtert−ブチルア
ルコールに変えた場合、大気圧下で4時間還流した後1
1.000ppmのモリブデンの仕込量のうちわずか6.
500ppmしか可溶化していない。
実施例4 1.4部の上記の実施例1にて得られたような熱的に沈
殿させたモリブデン固体(11.000ppmのモリブデ
ンに相当)、0.72部のシユウ酸二水和物、36.7
部のtert−ブチルアルコール及び12部の約40重量%
のtert−ブチルヒドロペルオキシドのtert−ブチルアル
コール中溶液の混合物を4時間還流し、かつ50℃で1
晩加熱する。得られた生成物の分析により、仕込んだモ
リブデン11.000ppmが反応混合物中に可溶化され
ていることが分る。
対照的に、シユウ酸二水和物をtert−ブチルアルコール
に変えた場合、4時間の還流及び1晩(16時間)50
℃の加熱の後、11.000ppmのモリブデンの仕込量
のうちわずか1.000ppmしか可溶化していない。
実施例5 8.25部の上記の実施例1にて得られたような熱的に
沈殿させたモリブデン固体、144部の約40重量%の
tert−ブチルヒドロペルオキシドのtert−ブチルアルコ
ール中溶液、2.7部のプロピレングリコール及び42
6部のtert−ブチルアルコールを配合し、この配合混合
物を還流温度に2時間加熱することにより触媒溶液を調
製する。次いで得られた溶液を過することによりいか
なる未溶解の固体も除去する。
攪拌器を備えたステンレス製オートクレーブに60部の
プロピレン、87部の約40重量%のtert−ブチルヒド
ロペルオキシドのtert−ブチルアルコール中溶液及び3
部の上記のように得られた5500ppmのモリブデンを
含有する触媒溶液を仕込む。エポキシ化反応を132℃
及び約42.2kg/cm2a(600psia)で約80分行な
う。この時間は仕込んだtert−ブチルヒドロペルオキシ
ドに対して98%のtert−ブチルヒドロペルオキシド転
換率を得るのに充分である。所望のプロピレンオキシド
生成物の収率(反応したtert−ブチルヒドロペルオキシ
ド100モル当りの生成プロピレンオキシドのモル)は
92%である。
実施例6 2.0部の上記の実施例1にて得られたような熱的に沈
殿させたモリブデン固体、36部の約40重量%のtert
−ブチルヒドロペルオキシドのtert−ブチルアルコール
中溶液、6.7部のプロピレングリコール、106部の
tert−ブチルアルコール及び1.6部のシユウ酸二水和
物を配合し、この配合混合物を2時間還流加熱すること
により触媒溶液を調製する。次いで、得られた反応混合
物を過することにより存在しているかもしれないいか
なる残存する未溶解固体も除去する。
実施例5に記載したエポキシ化反応を、上記の5500
ppmのモリブデンを含有する触媒を用いて行なう。所望
のプロピレンオキシドの収率は93%である。
実施例6はシユウ酸を含まない従来技術に開示された典
型的な触媒組成物と比較して、シユウ酸から誘導した本
発明の触媒組成物の使用により所望のプロピレンオキシ
ド生成物の改善された収率が得られることを立証してい
る。
実施例7 攪拌器を備えたステンレス製オートクレーブに60部の
プロピレン、87.7部の約40重量%のtert−ブチル
ヒドロペルオキシドのtert−ブチルアルコール中溶液及
び2.3部の上記の実施例1で得られ11.000ppm
のモリブデンを含有している触媒溶液を仕込む。エポキ
シ化反応を121℃及び35.15kg/cm2a(500psi
a)で、仕込んだtert−ブチルヒドロペルオキシドに対
して98%のtert−ブチルヒドロペルオキシドの転換率
を得るのに充分な時間行なう。所望のプロピレンオキシ
ド生成物の収率は96%である。
上記の本実施例7に記載したエポキシ化反応を行なう。
但し、エポキシ化反応に使用した触媒は実施例5にて上
述したように得られた5500ppmのモリブデンを含有
する触媒溶液からなるものである。所望のプロピレンオ
キシド生成物の収率は95%である。
実施例7はシユウ酸を含有しない従来技術に記載された
典型的な触媒組成物と比較して、シユウ酸から誘導した
本発明の触媒組成物の使用により所望のプロピレンオキ
シド生成物の改善された収率が得られることを立証して
いる。
実施例8 50部の上記の実施例1に記載した触媒及び29部の、
19重量%モリブデンを含有する液体蒸発残渣を室温で
配合することによりエポキシ化触媒溶液を調製する。
尚、この液体蒸発残渣は米国特許第3,819,663
号の実施例4に記載されたように仕込量の67%が塔頂
から除去されるまで、プロピレンのtert−ブチルヒドロ
ペルオキシドによるエポキシ化から誘導した重質液体画
分を204.4℃(400゜F)及び1気圧で行なつたこ
すりつけ薄膜蒸発にかけることにより得たものである。
上記の実施例7に記載したようなエポキシ化反応を17
0ppmのモリブデンの濃度の触媒を用いて行なう。仕込
んだtert−ブチルヒドロペルオキシドに対して95%の
所望のプロピレンオキシド生成物の収率が得られる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モリブデン触媒使用オレフインエポキシ化
    反応から得られた使用済触媒流からモリブデン含有固体
    を熱的に沈殿分離し、可溶化すべき固体中に含有された
    モリブデン1重量部当り 少なくとも約0.2重量部の量で存在するペルオキシ化
    合物、モノヒドロキシアルコール、所望ならばポリヒド
    ロキシアルコール及び2〜18個の炭素原子を含有する
    有機ジカルボン酸からなる混合物と接触させることによ
    り該沈殿固体を可溶化して可溶性モリブデン組成物を生
    成させ、そして該可溶化されたモリブデン組成物と共に
    残存するいかなる望ましくない固体物質も除去すること
    を特徴とする、有機ヒドロペルオキシドによるオレフイ
    ンのエポキシ化方法における触媒として使用可能な安定
    触媒溶液を得るための可溶性モリブデン組成物の再生方
    法。
  2. 【請求項2】該ペルオキシ化合物は有機ヒドロペルオキ
    シド、有機ペルオキシ酸及び過酸化水素からなる群から
    選択された一員である特許請求の範囲第(1)項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】該ペルオキシ化合物は有機ヒドロペルオキ
    シドである特許請求の範囲第(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】反応はモノヒドロキシアルコールの約25
    重量%以下の量で存在するポリヒドロキシアルコールの
    存在下で追加的に行なわれる特許請求の範囲第(3)項記
    載の方法。
  5. 【請求項5】いかなる残存する固体物質の除去も過に
    より行なわれる特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  6. 【請求項6】該モノヒドロキシアルコールはtert−ブチ
    ルアルコールである特許請求の範囲第(4)項記載の方
    法。
  7. 【請求項7】該有機ジカルボン酸は約2〜8個の炭素原
    子を含有する脂肪族酸である特許請求の範囲第(4)項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】該有機ジカルボン酸はシユウ酸である特許
    請求の範囲第(3)項記載の方法。
  9. 【請求項9】該有機ジカルボン酸はシユウ酸である特許
    請求の範囲第(4)項記載の方法。
  10. 【請求項10】シユウ酸対沈殿固体中に含有された可溶
    化すべきモリブデンの重量割合は約0.2:1〜4:1
    である特許請求の範囲である特許請求の範囲第(9)項記
    載の方法。
  11. 【請求項11】モノヒドロキシアルコールはtert−ブチ
    ルアルコールであり、そしてポリヒドロキシアルコール
    はプロピレングリコールである特許請求の範囲第(10)項
    記載の方法。
  12. 【請求項12】該反応は約20℃〜130℃の範囲の温
    度で行なわれる特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  13. 【請求項13】該反応は約50℃〜100℃の範囲の温
    度で行なわれる特許請求の範囲第(12)項記載の方法。
  14. 【請求項14】モリブデンエポキシ化触媒の存在下有機
    ヒドロペルオキシドでオレフイン系化合物をエポキシ化
    する方法であつて、反応生成物混合物を一連の分別工程
    にかけることにより連続して留出物として未反応オレフ
    イン、アルキレンオキシド生成物及び副生成物アルコー
    ルを分離し、かくしてエポキシ化にて使用されたモリブ
    デン価の実質的全量を含有する重質有機液体使用済触媒
    釜残流を残存させる方法において、(i)該使用済触媒流
    からモリブデン含有固体を熱的に沈殿分離し、(ii)該熱
    的に沈殿された可溶化すべき固体中に含有されたモリブ
    デン1重量部当り少なくとも約0.2重量部の量で存在
    するペルオキシ化合物、モノヒドロキシアルコール、所
    望ならばポリヒドロキシアルコール及び2〜18個の炭
    素原子を含有する有機ジカルボン酸からなる混合物と接
    触させることにより該沈殿固体を可溶化して可溶性モリ
    ブデン組成物を生成させ、(iii)工程(ii)で得られた可
    溶化モリブデン組成物と共に残存するいかなる望ましく
    ない固体物質も除去し、次いで工程(iii)で得られた可
    溶化モリブデン組成物を該エポキシ化方法へ再循環する
    ことからなる工程により、このようなエポキシ化反応に
    おいて使用可能な安定触媒溶液の形態をした可溶性モリ
    ブデン組成物を再生し、該エポキシ化反応に再循環する
    ことを特徴とするオレフイン系化合物をエポキシ化する
    方法。
  15. 【請求項15】該有機ジカルボン酸はシユウ酸である特
    許請求の範囲第(14)項記載の方法。
  16. 【請求項16】該ペルオキシ化合物は有機ヒドロペルオ
    キシド、有機ペルオキシ酸及び過酸化水素からなる群か
    ら選択された一員である特許請求の範囲第(15)項記載の
    方法。
  17. 【請求項17】該ペルオキシ化合物はペルオキシ基が少
    なくとも1個のtert−炭素原子と直接結合している有機
    ペルオキシドである特許請求の範囲第(16)項記載の方
    法。
  18. 【請求項18】熱的に沈殿させたモリブデンの接触は約
    20℃から約130℃の間の温度で行なわれる特許請求
    の範囲第(14)項記載の方法。
  19. 【請求項19】該ペルオキシ化合物はペルオキシ基が少
    なくとも1個のtert−炭素原子と直接結合している有機
    ペルオキシドであり、該モノヒドロキシアルコールは約
    4〜10個の炭素原子を含有するtert−アルコールであ
    り、該ポリヒドロキシアルコールは2〜6個の炭素原子
    を含有するグリコールであり、そして該接触は50℃か
    ら約100℃の間の温度で行なわれる特許請求の範囲第
    (15)項記載の方法。
  20. 【請求項20】いかなる残存固体物質の除去も過によ
    り行なわれる特許請求の範囲第(19)項記載の方法。
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