JPH0622636B2 - 形状記憶特性を有するアクチュエーターを用いた流量制御装置 - Google Patents

形状記憶特性を有するアクチュエーターを用いた流量制御装置

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JPH0622636B2
JPH0622636B2 JP58224586A JP22458683A JPH0622636B2 JP H0622636 B2 JPH0622636 B2 JP H0622636B2 JP 58224586 A JP58224586 A JP 58224586A JP 22458683 A JP22458683 A JP 22458683A JP H0622636 B2 JPH0622636 B2 JP H0622636B2
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liquid
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tube
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    • A61M39/00Tubes, tube connectors, tube couplings, valves, access sites or the like, specially adapted for medical use
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/168Means for controlling media flow to the body or for metering media to the body, e.g. drip meters, counters ; Monitoring media flow to the body
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流量制御装置、特に、静脈注射用の点滴装置
などに於ける微小な流体流量を制御する装置、更に具体
的に言えば、そのような装置に於いて用いられる操作部
に関する。
静脈注射用の点滴装置は、患者に対して栄養物や薬物を
含む液体を投与する手段を提供するものであり、その場
合、患者に直接的に、しかもその内容物を患者に通常の
食物摂取手段で与える場合に生ずる手間を必要とせず
に、また往々にして有害な食物の制限を課することなく
供給する手段である。従って、このような点滴手段は、
外傷性患者の症状の管理や、昏睡状態或いは他の衰弱し
た患者に対する栄養物等の所定の管理下に於ける投与
や、或いはその他の様々な状況下に於ける加療のために
広く採用されているものであるから、点滴自体について
の説明はここでは省略する。
而して、このような点滴システムは、基本的には、患者
よりも高い位置に吊り下げられた注射液容器から内容液
を柔軟なチューブを通じて重力作用により流下させ、患
者の静脈に刺し入れた皮下注射針に導入するものであ
る。その流量を調節するための手段としては、典型的に
は、比較的原始的なローラクランプが用いられており、
看護婦若しくは付添人がこの手動式のローラクランプを
操作して、注射液容器から患者まで伸びるチューブを部
分的に閉塞し、所望の流量となるよう調整するようにな
っている。
流量調整のためローラクランプを操作する際には、液が
チューブ内を通過して患者に到達する途中の段階に於
て、液が容器から透明な滴注器(drop chamber)内に落
下するときの滴下率を看護婦が観察し、一定時間内の滴
下数を計測することによって、それぞれの目的に応じた
適切な流量となるように調節するものである。
然しながら、この調節方法は、最初の流量を所望の値に
設定することが困難であること、並びに、流量を長期間
に亙って一定に保つことは不可能に近いこと等の理由に
よってしばしば間違いを引き起こす。
特に、初期の流量を所望の値に設定するための作業の正
確性は、看護婦若しくは付添人の技量と注意力に依存し
ている許りでなく、現在の装置でどの程度細かな微調整
が容易になされ得るかという点に係っている。この観点
に立てば、比較的原始的なローラクランプによって正確
な流量調整を期待することは所詮不可能である。
更にまた、当初の流量を所望の値に設定し得たとして
も、この流量が1時間若しくはそれ以上の長時間に亙っ
て、再度確認したり調整し直したりすることなく一定に
維持されるか否かという点も甚だ疑問である。ローラク
ランプはその内部に挿通されたチューブを部分的に閉塞
することによって流量を調節するのであるが、このよう
なチューブの材料であるプラスチックは、時間が経つに
つれて次第に弛緩するものであるから、長時間のうちに
は必ず何らかの流量のドリフトが生じるのである。
要するに、従来の点滴装置に於いては、熟練した看護婦
が頻繁に流量のチェックを行う必要があること、そして
また、点滴装置が万一故障した場合には患者の健康に対
して重大な危険を及ぼしかねないこと等の理由で、何ら
かの良好且つ正確な流量調節手段が提供されることが望
まれてきたのである。
而して、1981年11月17日付でキャノン(Cannon)氏に対
して与えられた米国特許第4,300,552号には、注射液の
滴下量をモニタし、これを予めセットされたバルブの流
量と比較し、これに対応して、機械的なロータリー式の
バルブをステッピングモータを用いて調節することによ
り、流量を調整するよう構成した点滴装置が開示されて
いる。
また1981年5月8日付でジェンキンズ(Jenkins)氏に
対して与えられた米国特許第4,265,240号には、例えば
抗性物質に引き続いて生理食塩水を供給する場合の如
く、患者の静脈内に、2つ若しくはそれ以上の別種の注
射液を別々の容器から気泡等を混入させることなく系統
的に供給する点滴装置が開示されている。
また、1979年2月6日付でフェイサンデール(Faisandi
er)氏に対して与えられた米国特許第4,137,940号に
は、モータを駆動して、一対の圧縮部材の相互間の距離
を機械的に変更し、柔軟な点滴用チューブの圧縮量を制
御することにより滴下量を調節する流量制御装置が開示
されている。
更にまた1976年11月16日付でイートン(Eaton)氏に対
して与えられた米国特許第3,991,972号には、流路を形
成する柔軟なチューブの閉塞率をチューブ圧縮部材を用
いて変更する電気作動式のバルブが開示されている。閉
塞率の変更即ち流量の変更は、流量に応じてヒータ線へ
流す電流を変更し、このヒータ線の加熱に伴う長さの変
化をメカニカルな機構を用いて増幅し、この動きをチュ
ーブ圧縮部材に伝達することによって達成されるように
なっている。
而して、本発明に係る点滴用流量制御装置に於ては、実
際の流量をモニタするための光学的な滴下量検出センサ
と、上記モニタされた流量を予め設定された所望の流量
と比較するためのバッテリで作動し得るコンパクトな電
子回路とが設けられ、これにより、電気的に作動するバ
ルブを制御するための電気的な制御信号を発生せしめ、
注射液の通過する柔軟なチューブを上記電気信号に応じ
て押圧、閉塞し、これによって所望の滴下率が達成され
るように構成されている。
上記バルブの主要な作動部分は、形状記憶特性を有する
アクチュエータエレメントで構成されており、当該エレ
メントは、上記制御信号の変化に応動してその形状を変
化させ、この変化が上記柔軟なチューブを圧縮閉塞させ
るためのバルブとしての動作を発生させるようになって
いる。
本明細書中に開示した実施例では、閉塞具そのものがス
プリングとなっており、上記アクチュエータが、その閉
塞具を変形させるよう構成されている。上記閉塞具のス
プリング力は、これと反対方向の力が加わらない限り上
記チューブを完全に閉塞するのに充分な大きさである。
上記形状記憶性のアクチュエータエレメントは、上記ス
プリングに連結され、アクチュエータエレメントの所望
の形状変化が上記スプリングを引っ張り、これによっ
て、チューブを押圧している閉塞具の押圧量を変化させ
る。即ち、チューブの閉塞量は上記形状記憶性のアクチ
ュエータの動きに依存している。
而して、上記アクチュエータエレメントは、ここで開示
する実施例に於ては、単純な直線状の伸縮部材であり、
形状記憶特性を有する材料で作製され、その温度が当該
材料の遷移温度領域を通過しつゝ変化するとき、加熱の
場合には収縮し、冷却の場合には伸張するようになって
いる。従って、適宜に増幅された電気的制御信号を用い
れば、上記伸縮性材料の長さを制御できるのであり、上
記エレメントに所望の滴下率に対応する電流を通ずるだ
けで上記バルブを適正に作動させて流量制御を行うこと
ができるのである。即ち、上記電流を変化させると、ジ
ュール加熱によって上記エレメントの温度は変化し、上
記スプリング力に抗して様々に変化する力を生じるの
で、これに比例してバルブが開かれたり閉じられたりす
る。ここで開示する実施例に於ては、上記スプリング力
を有する部材は、上記形状記憶性のアクチュエータエレ
メントがその遷移温度以下にあって弱くて引き伸ばし易
い状態にあるときにこれを伸張させるに充分なスプリン
グ力を有している。上記アクチュエータエレメントに流
される電流によってその温度が上昇したときには、上記
アクチュエータエレメントはその形状記憶効果により次
第に強靭になり且つ短縮して、スプリング力を有する閉
塞具をチューブから引き離す。アクチュエータエレメン
トへの通電量が減少され、その温度が低下したときに
は、上記形状記憶性のエレメントは再び弱くなって、上
記スプリング力を有する部材により引き伸ばされ、これ
により閉塞具はチューブを圧迫して、バルブが閉じられ
る。
本発明に於て、形状記憶材料から成るエレメントを用い
たことは、加熱ワイヤから成るアクチュエータを利用し
た前記米国特許第3,991,972号の装置に比較した場合、
格段の改善であると云わねばならない。即ち、形状記憶
材料から成るアクチュエータは、発生する力のレベルが
同等であっても、加熱ワイヤに比べて数倍の伸縮量を有
し、従って、ワイヤの動きを増幅させるための機械的な
システムを用いることなく、直接的にバルブを駆動させ
得るものである。従って、本発明に係る制御装置は、上
記米国特許第3,991,972号のそれに比べて構成がより単
純であり、作動は正確であり、しかも応答性の点にも優
れている。更にまた、本発明に係る装置は、誤動作や故
障の原因となる可動部分が少なくて済む。
上記伸縮性のエレメントと閉塞具とは、両者とも点滴用
流量制御装置の使い捨て部分に設けるようにしても良
く、或いはまた、伸縮性のエレメントの方は電子回路を
内蔵する制御装置本体の側に収納し、これを単純な機械
的結合手段により使い捨て部分に設けた閉塞具と連結す
るようにしても良い。更にまた、一層望ましい実施例に
於ては、上記閉塞具と伸縮性のエレメントとを制御装置
本体の内部に設け、使い捨て部分のシステムをできるだ
け安価にするようにしても良い。
上記の最初の2つの構成に於ては、装置の使い捨て部分
を制御装置本体から取り外したときには、チューブは自
動的に完全に閉塞される。望ましい実施例に於ては、必
要に応じて注射液の流れを遮断するための通常のローラ
クランプも取り付けられる。すべての実施例に於て、電
源が消耗したり或いは装置のメインスイッチが切られた
場合には、液の流れは自動的に遮断されるように構成さ
れる。
バルブのすべての作動は、ペンライトに使用するような
小さな電池或いは再充電可能な小型の電池の如き小電力
で充分に機能し、装置全体に於ても、これを別途用意し
た特別の電源装置に接続したり商用電源に接続したりす
る必要はない。
上記の如き本発明の特徴、目的及び利点、並びに本発明
を実施する上で本発明者が最適と考える形態について
は、添付の図面を参照しつゝ以下に述べる望ましい実施
例或いはその他の変更実施例に関する詳細な説明によっ
て一層明確に理解されるであろう。
第1図は、本発明に係る点滴用の流量制御装置の一実施
例を示す外観図、 第2図は、本発明に係る点滴用の流量制御装置の電気回
路の一実施例を示すブロックダイアグラム、 第3図は、本発明に係る装置の要部の望ましい一実施例
を示す、第1図中3−3線に沿った一部破断分解図、 第4a図及び第4b図は、本発明に係る装置の別の実施例を
示す断面図、 第5図は、本発明に係る点滴用流量制御装置の一実施例
の分解斜視図、 第6図及び第7図は、本発明に係る装置に使用される形
状記憶材料の特性を示すグラフ、である。
而して、第1図は、静脈を通じて栄養液や薬液を体内に
注入するための本発明に係る点滴セットの全体構成を示
しており、点滴セットを支持するためのスタンド3に、
静脈注射用の液を入れたボトル状の液容器5が吊り下げ
られた状態を示している。注射液容器5は、図に於ては
ボトル状のものが示されているが、ボトルの代りに例え
ば柔軟なプラスチックで作製された使い捨てのバッグ
や、その他の適宜の容器であっても構わない。点滴セッ
トは、重力の作用によって液を流下させるものであるか
ら、容器5は、静脈を通じて容器内の内容物が投与され
るべき患者(図示せず)よりも上側に、そしてまた装置
全体の最も高い位置に吊り下げられる。
容器から患者へ伸びる使い捨て式の流量調節導管7は、
独立の閉じられた無菌の流路システムを形成しており、
容器から患者へ伸びる流路に沿って静脈注射液を導くよ
うになっている。静脈注射液と接触するすべての部品を
単独の使い捨てシステム若しくは使い捨て導管とするこ
とによって、製造段階で無菌状態を確保すれば、これを
使用する病院やその他の施設に於ては、点滴装置の各部
分品を消毒しなくても無菌状態が維持される。このよう
な構成であれば、消毒の手続のために高価な労働時間を
浪費する必要がなく、コストの削減を達成できる。更に
また、汚染の危険も確実に防止される。
導管7は例えばビニール樹脂等の基本的には柔軟なチュ
ーブ9で作製され、容器5から患者の近くまで容易に導
くことができる程度の充分な長さを有している。容器5
内の液体を導管7の入口即ち上流端に導くため、便利な
アタッチメント形式の透明な滴注器(drop chamber)11
が取り付けられる。チューブ9は滴注器11の下端から下
方向へ伸び、導管7の一部分を形成するバルブブロック
13内に挿通される。バルブブブロック13内に於ては、後
の説明で明らかにされる方法によって流量が制御され
る。
チューブ9は更に引き続いて下流方向へ伸び、皮下注射
器のアダプタ15に接続される出口点で終決する。アダプ
タ15は、使い捨ての導管7を、別の無菌のパッケージに
入れた標準寸法の皮下注射用の針(図示せず)に接続す
る役割を果す。
導管7内を流れる液体の流量をモニタするため、滴注器
11を囲繞する形で光学的な滴下量検出センサ17が設けら
れる。センサ17は、一対のランプとフオトセル、或いは
一対の発光ダイオードとフオトダイオードを内蔵してお
り、それらは滴注器11内を落下する液体の粒が、これら
一対のエレメントの間に形成される光路を遮断しつゝ通
過するとき、通常知られている如くパルス信号を発生す
るよう配置される。柔軟なコード19は、センサ17を電子
式の流量制御装置21に接続するためのものであり、セン
サ17の光源に電流を供給すると共に、得られた滴下信号
を制御装置21へ伝送する役割を果す。
本発明の基本的な目的は、流量を調節、制御することに
あり、その場合の流量のパラメータは、単位時間に送ら
れる注射液の量をディメンションとするものであるけれ
ども、本発明に係る実施例によって実際にモニタされ且
つ制御されるパラメータは、滴下率であり、この滴下率
は単位時間当たりの注射液の滴下の数をディメンション
とするものである。然しながら、これら2つのパラメー
タは、滴下する液の粒の体積というファクタの点で異な
っているだけであり、この体積は本発明の目的の範囲内
に於ては略一定と看做して良く、少なくとも時間によっ
て殆ど変化することのない程度のものと看做して差支え
のないものである。
制御装置21は、電源用バッテリー(図示せず)と、流量
を正確にモニタし且つ制御するために必要なエレクトロ
ニクス回路を含んでおり、流量の制御は他の図面を参照
して後に説明する如く、バルブブロック13を制御装置21
に結合することによって達成される。制御装置21には、
この他に、使用者或いは付添人のために必要な要素が幾
つか設けられており、それらとして、例えばオンオフス
イッチ23や、圧電式スピーカの如き音響アラーム25や、
6桁キーパッド(hex keypad)の如き流量設定入力器27
や、計測された流量を表示するための例えば液晶表示に
よるデジタル形式の読取り装置29等々が取り付けられて
いる。
次に、第2図により、本発明に係る流量制御装置で利用
される電気回路のブロックダイヤグラムに就いて説明す
る。
図には滴下信号発生器31が示されているが、これは、第
1図に示した滴下量検出センサ17に設けられた回路であ
る。このような滴下量検出センサから発生される信号
は、波形33に示される如く往々にして幾分凹凸のある波
形であるので、この波形33を、滴下数をカウントするの
に適した理想的な矩形波信号37に変換するための波形成
形回路35が設けられる。信号37は比較器及び信号処理装
置39へ入力される。
信号処理装置39は、クロック回路41からの出力及び第1
図中に示した6桁キーパッドその他の入力器27の如き滴
下量設定入力器42からの出力が入力される。比較器及び
信号処理装置39は、使用者が予め設定した滴下量若しく
は流量と、滴下数カウント信号37とを比較し、滴下量に
関する出力信号を滴下量ディスプレイ装置43に供給する
と共に、バルブ駆動回路45に対して電気的な制御信号を
供給する。流量を増加させる場合には、バルブ駆動回路
の出力電流を増加させ、流量を減少させる場合にはその
出力電流を減少させ、また流量を0にする場合には電流
を0若しくは0に近い値とする。
装置が故障して正確な流量を確保できなくなった場合に
は、信号処理装置39はアラーム47に対して警報信号を送
る。アラーム47の一例としては、例えば第1図に示した
音響アラーム25等が挙げられる。バルブ駆動回路45は信
号処理装置39からの制御信号を調整して、バルブブロッ
ク13内に設けられた流量制御バルブを駆動するのに適し
たバルブ制御信号を出力するものであり、通常は電流増
幅器も具備している。
本発明との関連に於ては、第2図に示したエレクトロニ
クス回路は、液容器5から患者まで伸びる一連の流路に
沿って流れる液体の流量をモニタする検出手段としての
機能と、モニタされた流量から、モニタされた流量と滴
下量設定入力器42に予め設定された流量との差に直接的
に関連してバルブ制御信号を導き出す制御手段としての
役割を備えている。このシステムの詳細は、米国特許第
4,137,940号に開示されているものと略同様である。
従って、バルブ駆動回路45からのバルブ制御信号出力
は、モニタされた流量と予め設定された流量との差に比
例しているけれども、例えば対数関係の如きその他の関
数関係に基づく信号も本発明の範囲に含まれるものであ
る。従って、本明細書中で使用されている「直接的に関
連して」という用語は、本明細書に関する限り、モニタ
された流量と予め設定された流量との間の不均衡を減少
させるような形態でバルブブロック13内の流量制御バル
ブを駆動せしめ得るあらゆる種類の関数関係を有する信
号を意味するものと解されねばならない。
第3a図、第3b図は、第1図に示した実施例装置の一部分
の望ましい構成、即ち第1図中矢符3−3で示した部分
を示している。特に、第3b図は、液容器5と患者との間
の流路の途中に配置された電気的に作動するバルブ手段
の詳細を示している。本発明に於ては、このようなバル
ブ手段は、第2図に示したバルブ駆動回路45から出力さ
れるバルブ制御信号に応動して、流路内を流れる液体の
流量を上記制御信号に直接的に関連して変更する役割を
果たす。
第3図に示す如く、バルブブロック13はモールド成形さ
れたプラスチック製のハウジング51を有し、また、例え
ば、図中、上方向若しくは下方向に回転させることによ
ってチューブ9を可変的に閉塞し得る親指操作式の遮断
ローラ53を有しており、必要に応じて手動で流量を調節
し得るようになっている。第3図に示す実施例に於て、
このローラ53に関する限り、従来から病院で広く用いら
れているローラクランプと異なるところがない。
然しながら、第3b図に示すバルブブロック13には、本発
明に係る自動的且つ連続的に流量をモニタし且つ制御す
る機構が設けられている。而して、バルブブロック13に
は、先ず、その下端から延び出る形で、バルブブロック
を制御装置本体に取り付けるときに利用するための舌状
の伸張部材55が形成される。伸張部材55には、図に示さ
れる如く、V字形若しくは鳩尾形をした一対の取付けレ
ール57(図ではその一方のみが示されている。)が伸張
部材の側面に沿って縦方向に延びる形で形成されてい
る。バルブブロック13は、上記レールを、制御装置本体
21側の凹部59内に、レールと適合するよう形成した溝61
内にきつく嵌め込むことにより制御装置本体21と結合さ
れるようになっている。
第3b図に示すように、凹部59内には、伸張部材55に沿っ
て伸びるチューブ9の一部を押圧、閉塞する機構が設け
られており、これにより流量が変更若しくは制御される
ようになっている。その場合、伸張部材55はチューブ9
を背後からしっかりと支える裏打ち部材としての役割を
果たすものである。而して、チューブの一部を押圧、閉
塞するために、それ自身スプリングである閉塞具63が停
止ピン65と共に設けられる。閉塞具63は、例えばベリリ
ウム銅やステンレススチール等の弾性材料を押抜き、曲
げ、折畳み等の一連の工程で処理することにより作製さ
れ、更に必要に応じて閉塞具63を手動でチューブ9との
接触から引き離すための親指操作式タブ67が形成され
る。閉塞具63には、更に、凸状の閉塞突起69が形成され
ており、これがチューブ9を押圧、閉塞して流量を制御
するようになっている。
停止ピン65は、閉塞具63を適度に湾曲させ保持し得る位
置に設けられ、閉塞具に反対方向の力が加わらないとき
には閉塞具がチューブを完全に閉塞し得るだけの充分な
力を生ずるような位置に配置される。本発明に於ては、
チューブ9を完全に閉塞する程度にきつく接触している
閉塞具63をチューブから引き離すために、形状記憶材料
で作製されたバルブアクチュエータエレメント71が設け
られ、これによりチューブの一部を閉塞している閉塞具
の閉塞率を可変的に変更し、流量の適切な調節を達成し
得るようになっている。
即ち、アクチュエータエレメント71は、形状記憶材料で
作製された1本のワイヤ、若しくは、望ましくは上記の
如きワイヤをループ状に形成し、閉塞具63を一巡するよ
うに張架せしめ、その両端は第3図中左側に設けられた
一対の電気接点(図示せず)に取り付けられるようにな
っている。いずれにしても、エレメント71は適宜の形状
記憶材料、即ち例えば商品名「ニチノール(Nitino
l)」として知られているニッケル・チタン合金の一種
で作製され、例えば直径0.005ないし0.010インチのもの
が使用される。
上記ニチノール合金の如き形状記憶材料は、2つの結晶
状態の間で遷移する性質を有する点に特徴を有し、その
2つの結晶状態とは、オーステナイト相とマルテンサイ
ト相であり、上記合金の温度がその遷移温度としての或
る特定の範囲を通過するときに2つの結晶状態の間で遷
移が行われるものである。更にまた、低い温度状態に於
てこれらの材料に与えられた変形は、高い温度の状態へ
遷移することによって実質的に完全に元の形状に復帰し
得るものである。
従って、アクチュエータエレメント71を、閉塞具63に取
り付ける前に、その温度の低いときのマルテンサイト相
の状態に於て引き伸ばすようにする。その後、オーステ
ナイト相に達する程度の高い温度に加熱すると、エレメ
ント71は当初の長さに復元し、その結果として閉塞具63
を徐々に引き動かし、これによってバルブ制御の作動を
行わせ得るものである。
制御信号に応動してアクチュエータエレメント71を遷移
させるために必要な熱は、第2図に示したバルブ駆動回
路45からの出力信号によって発熱せしめられる、エレメ
ントとは別個のセパレート形式の間接的なヒータを用い
て供給するようにしても良いけれども、本発明の一実施
例に於ては、このような加熱はエレメント71に直接通電
することによって一層効率良くなされ得るようになって
おり、その場合の加熱は電流の2乗に比例したジュール
加熱として行われるものである。
即ち、本発明に於ては、エレメント71の如き形状記憶材
料で作製されたバルブアクチュエータエレメントを、バ
ルブ駆動回路45からのバルブ制御信号に対応して加熱さ
せるための手段としては、バルブ駆動部材(アクチュエ
ータエレメント)の近くに配置され、バルブ制御信号電
流によって発熱せしめられるセパレート形式の間接的な
ヒータで構成しても良いし、或いはより単純には、バル
ブアクチュエータエレメントをバルブ駆動回路45の出力
端子と直接的、誘導的若しくは他の形式で電気的に結合
するような回路構成としても良い。
第4a図及び第4b図には、本発明に係る制御装置の別の実
施例が示されており、これらの実施例に於ては、前述の
実施例のものとは異なった形態のバルブブロック13′内
にバルブ構造の少なくとも一部分が内蔵された実施例が
示されている。本発明に係るこれらのバルブ構造は、バ
ルブブロック13′の断面図として示されている。それぞ
れの実施例に於て、チューブ9は、バルブブロック13′
の中央部を縦方向に延びる空洞49内に挿通されている。
第4a図及び第4b図に示すいずれの実施例に於ても、第3
図に示したものと同様のスプリング力を有する閉塞具6
3′が設けられている。また、前の実施例の場合と同様
に、停止ピン65′は、スプリング力を有する閉塞具63′
をチューブ9から引き離そうとする力が作用しない限
り、閉塞具63′がチューブ9を完全に閉塞するに充分な
力を発揮する程度に閉塞具を曲げる作用を果たしてい
る。また、第3a図に於ける親指操作式タブ67と同様のタ
ブ67′が設けられ、例えばこの制御装置の使用の準備段
階に於て、チューブ9を完全に閉塞している閉塞具63′
を手動でチューブから引き離すことを可能としている。
上記の如き引離しの操作が行われない限り、チューブ9
は閉塞具63′によって完全に閉塞されるので、このシス
テムに於て最適の流量を得るための制御を行なうには、
閉塞具63′をこれが完全にチューブを閉塞した状態にあ
る位置から次第に引き離すための何等かの手段が必要と
されることは明らかであろう。
而して、第4a図に示す実施例に於ては、上記の如き手段
として、引張り棒73が設けられている。この引張り棒73
の一端は閉塞具63′をループ状に囲繞する形で閉塞具6
3′に取り付けられており、またもう一方の一端は第4a
図中左方向へ伸び、バルブブロック13′に明けた開口部
をくぐり抜けて外部に伸び出たその先端部に於て膨らん
だ抓み部75を形成している。或いはまた、閉塞具63′
に、引張り棒73の如き形状の突出部材を製造の段階で直
接取り付けても良い。制御装置21内に設けられた適宜の
可動性のアクチュエータによって引張り棒73の一端75を
引くことにより、引張り棒73を図中左方向へ引き動かす
ことができる。
本発明によれば、上記の如き可動性のアクチュエータと
して、動き発生エレメントとしての形状記憶性エレメン
トを用い得るものであり、第4a図に示すような構成のバ
ルブ機構である場合には、当該エレメントは制御装置本
体21の内部に設けられるものである。然しながら、第4b
図に示す如く、上記の如き形状記憶性エレメントを、使
い捨て方式のバルブ機構の内部に設け、スプリング力を
有する閉塞具63′に対して直接的に作用するようにして
も良い。
即ち、第4b図に示す実施例は、第4a図に示したものと略
同様の構成であるが、閉塞具63′を引き動かしてバルブ
を次第に開かせる手段として、第3a図に於けるエレメン
ト71と同様の形状記憶性エレメント71′を利用し、これ
をバルブブロック内に設けている点で異なっている。エ
レメント71′は、1本のワイヤ若しくはループ状に曲げ
られたワイヤで良く、0.005ないし0.010インチの直径を
有し、形状記憶材料として知られている固有の特性を有
する材料で作製される。
第4b図中、エレメント71′は右方向に伸びたところで望
ましくはループ状に形成されて閉塞具63′を一巡し、左
端に於ては一対の電気接点77(そのうち一方だけが図示
され、他方は図示された接点77の背後に隠れている。)
が取り付けられている。第3図に示したものの場合と同
様に、上記ループに通電を行い、且つこの通電量を制御
することにより、この伸張可能なエレメントは伸び縮み
し、第2図に示した回路からの発熱用電流を制御するだ
けでバルブの作動を制御し得るものである。
同様に、第4a図に示すものに於ては、閉塞具63′に必要
不可欠の動きは、形状記憶材料で作製された伸縮性のエ
レメントを制御装置本体21内に設け、このエレメントの
動きを機械的手段により引張り棒73に伝達するように構
成する。
次に、第5図には、第4a図または第4b図に示したバルブ
ブロック13′を、これが作動し得るように制御装置21の
ハウジングに取り付けるための手段が示されている。即
ち、制御装置21のハウジングの側面には、バルブブロッ
ク13′を受容し得る対応した形状の凹部59が形成され、
凹部59の内面側壁にはV字形若しくは鳩尾形の溝61′が
形成されると共に、バルブブロック13′側には上記溝に
対応する形状の一対のレール57′が形成されて、上記溝
内にこのレールを嵌め込むことによって、制御装置21と
バルブブロック13′とがしっかりと結合されるようにな
っている。
制御装置21には、第4b図の実施例に示した電気接点77と
連結し得る一対の電気接点79が設けられる。図示するこ
とは省略するが、第4a図に示した実施例のバルブブロッ
クを使用する場合には、電気接点79の代わりに、引張り
棒の先端の抓み部75をしっかりと把持するための適宜の
公知の把持具を設けるものである。
第6図は、形状記憶材料として知られている種類の材料
の応力と変形量の関係を示す一般的な図表である。この
ような材料は、第6図中の特性曲線20で示されるような
低い温度に於けるマルテンサイト相の状態と、第6図中
の特性曲線18で示されているような高い温度におけるオ
ーステナイト相の状態との両特性を有することを特徴と
しており、この材料の温度がこれに固有の遷移温度の或
る特定の範囲内を通過するときに、これら2つの全く異
なった物理的特性の間で遷移するという特徴を有するも
のである。
特に、この種の材料は、その遷移温度以下に冷却されこ
れがマルテンサイト相の状態となったときに充分な応力
を加えて永続的な新しい形状に物理的に変形せしめられ
たとしても、これをその遷移温度以上に加熱したときに
は、上記マルテンサイト相状態に於てもたらされた上記
変形は取り消され、再び元の形状に復帰するものであ
る。即ち、変形された物体は、これが冷却されたり変形
させられたり或いは再加熱されたりする一連のサイクル
より全く以前に保有していた形状に容易に復元せしめら
れるものである。
本発明に於ては、第3a図に示すアクチュエータエレメン
ト71若しくは第4b図に示すアクチュエータエレメント7
1′の如きバルブアクチュエータエレメントを上記の如
き形状記憶材料で作製することにより、上記の如き形状
記憶材料の特性を特に有効に利用しようとするものであ
る。これらのエレメントを、それらが低い温度のマルテ
ンサイト相にあるときに引き伸ばしておき、その後これ
らをその遷移温度領域にまで加熱すれば、これらのエレ
メントは引き伸ばされる前の長さに収縮する。このよう
な動きは、既に述べた実施例に示されているような可変
的なチューブ締付けバルブを作動させるのに利用でき
る。
第6図は、上記の如き目的に使用される形状記憶材料の
応力に対する変形量の関係を示している。従って、若し
本発明に於ける前記アクチュエータエレメントが第6図
に示す如き特性を有する材料で作製され、その遷移温度
以下の温度に於て引き伸ばされたとすれば、その応力と
変形量の関係は、第6図中のマルテンサイト相と表示さ
れた特性曲線20に従うことになる。
即ち、アクチュエータエレメントを引き伸ばすことによ
りこれを変形させる場合、形状記憶材料はこれがその変
形が充分になり応力が取り除かれる点22に達するまで
は、その応力及び変形量はいずれも増加する。その後、
応力を0にすると、変形量は僅かな量だけ元へ戻り、当
該材料は点24で示されたような状態に達する。
その後、若しアクチュエータエレメントがその遷移温度
以上にまで再加熱され、当該材料がオーステナイト相に
遷移せしめられると、変形量は横座標軸(横座標軸は即
ち応力が0の状態の軌跡を示す。)に沿って減少し、こ
れがオーステナイト相の特性曲線に到達するまで復帰す
る。そして事実上全体的に機械的な強制力が全く作用し
ない原点にまで到達する。
然しながら、第3a図及び第4a図,第4b図に示されたスプ
リング力を有する閉塞具63または63′によって幾らかの
応力が加えられているため、応力と変形量の関係は特性
曲線18上の点26で示す位置に於て両者が平衡状態に達す
る。第6図に示す如く、点26は実際的には原点に極めて
近い位置にあり、従ってアクチュエータエレメントはそ
の当初の長さに到達するまで略完全に復元する。
次に、第7図について説明する。同図には、本発明のメ
カニズムのそれぞれ異なった温度ToないしTに於け
る伸張量に対する力の典型的な特性が示されている。温
度Toに於ては、直線状のアクチュエータエレメントを
その遷移温度以下即ちマルテンサイト相に保つような制
御電流が供給されるものと仮定する。然るときは、第4b
図中のワイヤ71′は閉塞具63′のスプリング力によって
完全に引き伸ばされた状態にあり、チューブ9は遮断さ
れている。温度Tに於ては、ワイヤ71′は、オーステ
ナイト相に変化し、従ってワイヤは最初の長さに復帰し
スプリング式の閉塞具63′を引き寄せ、これによりチュ
ーブ9は完全に開放される。中間の温度TないしT
の領域に於ては、ワイヤ71′の伸張量は線80に沿って次
第に減少し、チューブ9は図示された伸張量に対応して
遮断されたり或いは開放されたりする。バルブ駆動回路
45からの出力電流は、滴下量が所望の値と等しいときに
のみ一定に保たれる。
図示した実施例に於いては、いずれの場合も、直線状の
伸縮性アクチュエータエレメントを、反対方向に作用す
るスプリング力と組合せて使用したが、本発明はこのよ
うな構成に限定されるものではない。形状記憶材料で作
製されるアクチュエータエレメントを、その他の様々な
幾何学的形状にすることは当業者が容易に想到し得ると
ころである。例えば、マルテンサイト相とオーステナイ
ト相で異なった曲率半径を有する湾曲した形の形状記憶
性アクチュエータエレメントとすることも可能である。
また、これまでに示した実施例に於ては、アクチュエー
タエレメントが閉塞具を介して柔軟なチューブを締め付
けるような構成となっていたが、本発明はこれに限定さ
れるものでなく、アクチュエータエレメントが直接チュ
ーブに作用して必要な閉塞状態を確保し、流量の制御を
行うように構成しても良い。
又、閉塞具に就いて言えば、上記ではそれ自身単一のス
プリングから成るものを示したが、これは例えばチュー
ブを挟み閉塞する可動部材とその可動部材を支持するス
プリングとから成る複合部材で構成しても良いものであ
る。その場合、可動部材は、液の流れる柔軟な管路に作
用して、その液の流れを阻止する第1位置と、液の流通
を許す第2位置との間を往復移動し得るようスプリング
により支持され、スプリングは、その可動部材に、常時
その第2位置から第1位置へ向かう力を及ぼよう構成さ
れる。
更に望ましくは、そのスプリングは、一端が固定された
片持ちばねとして構成され、可動部材はその片持ちばね
の自由端に取り付けられ、アクチュエーターを形成する
形状記憶性エレメントは、その一端を片持ちばねの自由
端に隣接してその片持ちばねに連結される。
又、更に要すれば、単一スプリング型の閉塞具に於いて
も、複合型の閉塞具に於いても、その適宜の部位に更に
外力を加えるため補助のスプリングを設けることもあ
り、特に複合型の閉塞具に就いては、その片持ちのばね
の固定端と自由端との中間でその片持ちばねに更に外力
を加えるための手段を設けることが推奨される。
更にまた、直線状の伸縮性アクチュエータエレメントの
温度をその遷移温度領域にまで加熱したときに、上記エ
レメントが、反対方向に作用するスプリング力に抗しつ
ゝ収縮するのではなく、逆に、伸張してチューブを押圧
するように構成しても良い。従って、これらすべての変
更実施例は本発明の範囲内に含まれるものである。
更にまた、第7図は、応力が加わらない状態に於て、摂
氏60度ないし80度の範囲の遷移温度を有するニッケルと
チタンを主体とする二元若しくは三元合金で作製された
伸縮性エレメントを用いた典型的な流量制御装置の温度
に対する流量の関係を示している。特に、この種の合金
のうち本発明の目的に適したものは、原子百分率で49.5
ないし51.0%のニッケルを含む二元合金である。
閉塞具63が伸縮性エレメント71に及ぼす応力は、遷移温
度の範囲を略T=50℃からT=100℃の範囲にまで
広げる効果を有する。伸縮性エレメントの温度は、これ
を加熱するための電流に対して単調な関数に従って変化
するので、第2図に示した電気的なモニタ及び制御回路
によって、流量制御装置を可変的に調節して所望の流量
に導き得ることが理解できるであろう。
而して、温度と流量との間の関数は幾分奇妙な効果に依
存していることに着目すべきである。即ち、任意の流量
を得るための伸縮性エレメントの温度は、当該任意の流
量に達するまでエレメントを冷却していく場合よりも、
当該エレメントの温度を上記任意の流量になるまで加熱
していった方が高いのである。この効果を利用すること
により、電子的制御装置の構成を、低温状態から加熱し
て適切な温度に持ってゆくよりも、高温状態から冷却し
て適切な温度に持ってゆくように構成した方が、エレメ
ントの消費電流を少なくすることができるという利点を
得ることができる。このような方法によって、同じ流量
を、より低い温度のエレメント即ち少ない電流で達成で
きるから、所望の流量を得る場合に、ワイヤ状エレメン
トに供給する電力を少なくすることができるのである。
本発明者が実施してみたところによれば、伸縮性エレメ
ントとして1.5ないし2.0インチの長さの抵抗値約4Ωの
ニチノール線を用い、これに約150mAの電流を流した場
合、その消費電力は100mW以下であり、また滴下率制御
の正確性に関する誤差は5%よりも格段に良好であっ
た。
而して、上記の説明に於ては、本発明者が本発明を実施
する上で最良と考える形態に従った特定の実施例の幾つ
かについてのみ言及したが、本発明の構成はこれらに限
定されるものでなく、本発明の範囲内に於て様々な変更
が可能である。また、本発明は点滴用の流量制御装置と
して最も適しているが、本発明の基本構成は、その他の
分野に於ける比較的小流量の流量制御に広く利用し得る
ことも容易に理解できよう。従って、本発明の範囲は本
明細書の特許請求の範囲記載に基づいて定められなけれ
ばならない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る点滴用の流量制御装置の一実施
例を示す外観図、 第2図は、本発明に係る点滴用の流量制御装置の電気回
路の一実施例を示すブロックダイアグラム、 第3図は、本発明に係る装置の要部の望ましい一実施例
を示す、第1図中3−3線に沿った一部破断分解図、 第4a図及び第4b図は、本発明に係る装置の別の実施例を
示す断面図、 第5図は、本発明に係る点滴用流量制御装置の一実施例
の分解斜視図、 第6図及び第7図は、本発明に係る装置に使用される形
状記憶材料の特性を示すグラフ、である。 1……点滴セット 3……スタンド 5……液容器 7……導管 9……チューブ 11……滴注器 13……バルブブロック 15……アダプタ 17……滴下量検出センサ 19……コード 21……制御装置 23……オンオフスイッチ 25……音響アラーム 27……流量設定入力器 29……流量読取り装置 31……滴下信号発生器 33……滴下信号波形 35……波形成形回路 37……滴下数カウント信号波形 39……比較器及び信号処理装置 41……クロック回路 42……滴下量設定入力器 43……ディスプレイ装置 45……バルブ駆動回路 47……アラーム 49……空洞 51……ハウジング 53……遮断ローラ 55……伸張部材 57……レール 59……凹部 61……溝 63……閉塞具 65……停止ピン 67……親指操作式タブ 69……閉塞突起 71……アクチュエータエレメント 73……引張り棒 75……抓み部 77……電気接点 79……電気接点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静脈内へ注入すべき栄養液や薬液を、液容
    器(5)から、柔軟なチューブ(9)を通ってその出口端まで
    所定の流量で流下させるよう構成した点滴用の流量制御
    装置に於いて、 チューブ(9)内を流れる液の流量を検出する滴下量検出
    センサ(17)と、 滴下量検出センサ(17)により検出された液の流量と予め
    設定された流量との差に直接的に関連した電気的なバル
    ブ制御信号を発生する流量制御装置(21)と、 チューブ(9)に取り付けられ、流量制御装置(21)の発生
    するバルブ制御信号に応答し、そのバルブ制御信号の大
    きさに直接関連して流量を制御し得るバルブであって、 チューブ(9)を通る液の流れを阻止し得る閉塞具(63)
    と、 その温度が或る特定の遷移温度領域を通過せしめられた
    とき2つの異なった結晶相の間で遷移する固有の形状記
    憶特性を有する材料で作製され、遷移温度領域以上の温
    度において設定された第1の寸法によって決定される第
    1の物理的形状と、遷移温度領域以下の温度において設
    定された第2の寸法によって決定される第2の物理的形
    状とを有し、閉塞具(63)を作動させ得るよう閉塞具(63)
    に結合され、遷移温度領域内ではその温度に応じて第1
    及び第2の物理的形状の中間の形状に変形し、これによ
    り閉塞具(63)の位置を制御し、かつ、所定の限界値以下
    の温度に於いては閉塞具(63)をチューブ(9)を閉塞状態
    に保持し得る位置に保持すると共に、その限界値以上の
    温度に於いては閉塞具(63)をチューブ(9)を開通状態と
    し、チューブ(9)を通る液の流量を制御するアクチュエ
    ータエレメント(71)と、 アクチュエータエレメント(71)を加熱しその温度をバル
    ブ制御信号の大きさに直接関連して制御する装置と、 から成る点滴用の流量制御装置。
  2. 【請求項2】閉塞具(63)が、アクチュエータエレメント
    (71)の変形に直接的に関連してチューブ(9)を特定の部
    分で押圧閉塞し、それによってチューブ(9)内の液の流
    量を制御する特許請求の範囲第1項に記載の点滴用の流
    量制御装置。
  3. 【請求項3】アクチュエータエレメント(71)が上記2つ
    の結晶相のいずれか一方の状態にあるときには、閉塞具
    (63)がチューブ(9)を完全に閉塞し、アクチュエータエ
    レメント(71)が他の一方の結晶相の状態に遷移するとき
    には、閉塞具(63)がチューブ(9)をその完全な閉塞状態
    から次第に開放する特許請求の範囲第2項に記載の点滴
    用の流量制御装置。
  4. 【請求項4】アクチュエータエレメント(71)を加熱しそ
    の温度を制御する装置が、アクチュエータエレメント(7
    1)に電流を供給する電源と、その供給電流をバルブ制御
    信号の大きさに直接的に関連して変化させ、これにより
    上記アクチュエータエレメント(71)に生じるジュール熱
    をバルブ制御信号の大きさに直接的に関連して変化させ
    る電流供給装置である特許請求の範囲第1項ないし第3
    項の何れか一に記載の点滴用の流量制御装置。
  5. 【請求項5】閉塞具(63)が、アクチュエータエレメント
    (71)の或る一部分に対して、その相対的な移動の方向に
    スプリング力を作用させるようアクチュエータエレメン
    ト(71)に結合された特許請求の範囲第1項ないし第4項
    の何れか一に記載の点滴用の流量制御装置。
  6. 【請求項6】閉塞具(63)によってアクチュエータエレメ
    ント(71)に及ぼされる力が、アクチュエータエレメント
    (71)の温度がその遷移温度以上の温度から遷移温度以下
    の温度に変化するときに、その相対的な移動の方向に作
    用するよう構成された特許請求の範囲第5項に記載の点
    滴用の流量制御装置。
  7. 【請求項7】アクチュエータエレメント(71)は、特定の
    遷移温度以下の温度において長く伸長し、その遷移温度
    以上の温度範囲においては次第に短く収縮し、その長さ
    に直接関連してチューブ(9)を閉塞するように閉塞具(6
    3)と結合され、その遷移温度以下の温度においては閉塞
    具(63)がチューブ(9)を完全に閉塞し、遷移温度以上の
    温度範囲においては、閉塞具(63)がチューブ(9)をその
    閉塞状態から次第に開放するよう構成された特許請求の
    範囲第1項ないし第4項の何れか一に記載の点滴用の流
    量制御装置。
  8. 【請求項8】閉塞具(63)が、アクチュエータエレメント
    (71)に連結されたスプリングであり、そのスプリング力
    はチューブ(9)を閉塞する方向へ作用し、アクチュエー
    タエレメント(71)が、収縮するよう遷移したときにはそ
    の閉塞状態が解除されるように構成された特許請求の範
    囲第7項記載の点滴用の流量制御装置。
  9. 【請求項9】下記の構成要素(a)ないし(d)から成る、重
    力の作用で供給さる液体分配装置に使用する流量制御装
    置。 (a) 高所に設けた液槽から液体の利用場所へ、重力作
    用で液体を供給する柔軟な部材から成る管路。 (b) 上記管路に作用して、その液の流れを阻止する第
    1位置と、その液の流通を許す第2位置との間を往復移
    動し得る可動部材。 (c) 上記可動部材に、常時その第2位置から第1位置
    へ向かう力を及ぼす手段。 (d) 形状記憶特性を有し、第1温度から第2温度迄の
    全温度範囲にわたり、第1温度に於ける第1形状から第
    2温度に於ける第2形状へ、又はその逆に、全ての中間
    形状を通じて変形遷移する材料で製作され、上記両温度
    のうちの低い方の温度から高い方の温度へ遷移すると
    き、上記可動部材を、その第2位置から第1位置へ向か
    う力に抗して、液の流通を許す第2位置に向かって移動
    せしめるアクチュエータエレメント。
  10. 【請求項10】可動部材に力を及ぼす手段が、上記管路
    を閉じるため上記可動部材に力を及ぼすスプリング部材
    から成り、 上記アクチュエータエレメントが、一端が固定され、他
    の一端が上記可動部材連結された細いワイヤから成るこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第9項に記載の流量制御
    装置。
  11. 【請求項11】上記可動部材に力を及ぼす手段を構成す
    るスプリング部材が、一端が自由に移動し得るよう他の
    一端で固定された片持ちばねであり、 上記可動部材は、上記片持ちばねの自由端に設けられて
    おり、 上記アクチュエータエレメントを構成する細いワイヤ
    は、上記片持ちばねの自由端に隣接してその片持ちばね
    に連結されていることを特徴とする特許請求の範囲第10
    項に記載の流量制御装置。
  12. 【請求項12】上記片持ちのばねの固定端と自由端との
    中間でその片持ちばねに更に外力を加えるための手段を
    設けたことを特徴とする特許請求の範囲第11項に記載の
    流量制御装置。
  13. 【請求項13】下記の構成要素(a)ないし(c)から成る、
    重力の作用で供給さる液体分配装置に使用する流量制御
    装置。 (a) 高所に設けた液槽から液体の利用場所へ、重力作
    用で液体を供給する柔軟な部材から成る管路。 (b) 上記管路に作用して、その液の流れを阻止する第
    1位置と、その液の流通を許す第2位置との間を往復移
    動し得ると共に、常時その第2位置から第1位置へ向か
    うスプリング力を有する可動部材。 (c) 形状記憶特性を有し、第1温度から第2温度迄の
    全温度範囲にわたり、第1温度に於ける第1形状から第
    2温度に於ける第2形状へ、又はその逆に、全ての中間
    形状を通じて変形遷移する材料で製作され、上記両温度
    のうちの低い方の温度から高い方の温度へ遷移すると
    き、上記可動部材を、その第2位置から第1位置へ向か
    う力に抗して、液の流通を許す第2位置に向かって移動
    せしめるアクチュエータエレメント。
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