JPH06226030A - 通気性防水栓 - Google Patents

通気性防水栓

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JPH06226030A
JPH06226030A JP5020313A JP2031393A JPH06226030A JP H06226030 A JPH06226030 A JP H06226030A JP 5020313 A JP5020313 A JP 5020313A JP 2031393 A JP2031393 A JP 2031393A JP H06226030 A JPH06226030 A JP H06226030A
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幸一 藤原
Hiroki Kuwano
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、気体の流通抵抗が少なく、かつ気体
中に不用意に侵入した多量の水を、瞬間的に阻止すると
共に、気体の除湿を行なう小型の通気性防水栓を提供す
ることを目的とする。 【構成】本発明は、気体の吸入口2と排気口3を有する
定容積のフィルタ容器1と、該容器1内に充填された通
気性膨潤材料30からなる止水体300と、通気性吸水
材料10,11からなる吸水体100と、通気性除湿材
料からなる減湿体200とを具備し、吸水時に該止水体
300の膨張によって、該容器1内の通気部が閉塞され
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水の侵入を阻止する必
要がある、半導体産業や各種製造プラント等のガスを扱
う産業、並びに、水との接触で発火または発熱を起こす
危険のある禁水性物質(例えば、金属リチウム、金属ナ
トリウム等)を扱う研究開発分野、あるいは乾燥を必要
とする一般の実験室等、様々な分野で利用可能な通気性
防水栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種気体の除湿は、空調装置で行
なわれている冷却減湿装置による方法、5酸化リン、塩
化リチウム水溶液等の固体、あるいは液体の吸湿能を利
用して行なわれる吸収式減湿装置による方法、シリカゲ
ル、モレキュラシーブ等の固体の減湿剤を利用して行な
われる吸着剤使用減湿装置による方法がある。冷却減湿
装置は大がかりになる欠点がある。このうち、本発明の
代替方法と見なせる、吸収方法と吸着方法は、水の阻止
性能は吸収剤や吸着剤の性能に依存することは勿論であ
るが、使用される量によって決まるから、過剰の水が一
度に侵入した場合、除去できない欠点があった。従っ
て、多量の水が急激に侵入する場合、多量の吸収剤、吸
着剤が必要となり、例えば、本発明の適用対象の一つで
あるガスラインからの水の完全閉塞は困難であった。
【0003】上記方法とは別に、ガス中の水を分離する
方法として、ガス管路中に水溜めを設ける、いわゆるト
ラップを利用する方法もあるが、トラップの容積によっ
て除去可能な水の量に制限があった。また、トラップを
用いる方法は、飛沫状の水滴を除去できな欠点があっ
た。
【0004】一方、本発明に関わる、高吸水性ポリマー
を利用した分野として、紙おむつ、生理用品がある。高
吸水性ポリマーは自重の500倍から1000倍の吸水
力があり、水に溶解せず、加圧しても吸水した水を離脱
しない特徴がある。従来からの水を吸水する材料として
は、パルプ、脱脂綿等があるが、これらは吸水量が少な
く、圧力がかけると容易に水を吐き出す欠点がある。従
来材料である綿状パルプと高吸水性ポリマーを組み合わ
せることによって、おむつかぶれ、ムレ、モレの少な
い、おむつが開発され、現在、広く普及している。すな
わち、紙おむつの特徴は、一旦綿状パルプが尿を吸収し
た後、高吸水性ポリマーが綿状パルプ中の尿を吸収する
ことによって綿状パルプを乾かすことによって、おむつ
かぶれを少なくしている点にある。従って、尿の保水能
力は、使用される綿状パルプと高吸水性ポリマーの使用
量で決まることなる。生理用品もほぼ同様な仕組みであ
るが、薄型化のために、綿状パルプの使用量を少なくす
るか、綿状パルプに替えて、吸収シートを用いる方法を
取っている。
【0005】高吸水性ポリマーはデンプン/アクリルニ
トリルグラフト重合体、ポリビニールアルコール/ポリ
アクリル酸塩系、デンプン/ポリアクリル酸塩系、ポリ
アクリル酸塩系等があるが、現在紙おむつに使用されて
いるものは、後者のポリアクリル酸塩系が主流である。
例えば、日本触媒化学の「アクアリックCA」、三洋化
成の「サンウエット」、花王の「ワンダージェル」、製
鉄化学の「アクアキープ」、荒川化学「アラソープ」が
あげられる。
【0006】高吸水性ポリマーの、サニタリー以外の用
途としては、保水性を生かして、食品の鮮度維持用、バ
イオ・農園芸分野での土壌改良材等がある。また、ゲル
化する特徴を生かして、建築・土木分野では泥土・廃液
の固化等に利用されている。さて、高吸水性ポリマーは
吸水と共に、膨潤する性質を持っている。しかしなが
ら、上述の紙おむつ、生理用品は、いずれも、吸水性の
みを利用したものであり、膨潤性はむしろ装着感を損う
ため、水はたくさん吸水するが、膨潤はできるだけ少な
いものが好ましかった。もちろん、その構造上、高吸水
性ポリマーは自由に膨潤するにまかされ、膨潤を拘束す
るような構造にはなっていなかった。
【0007】以上説明した、各種の適用分野では、高吸
水性ポリマーの吸水速度、膨潤速度、ゲル化速度は問題
になるものの、例えば、サニタリー分野では、モレない
程度の速度で吸収すればよく、特段の性能は要求されな
かった。また、本発明で不可欠の通気性は問題とされな
かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、前述のようにト
ラップ、あるいは、乾燥剤を気体の流通路に設置する方
法が取られていた。しかしながら、トラップの場合は、
トラップ容積によって、また、乾燥剤の場合は、乾燥剤
の量によって、阻止できる水の量には限りがあった。
【0009】本発明の目的は、気体の流通抵抗が少な
く、かつ気体中に不用意に侵入した多量の水を、瞬間的
に阻止すると共に、気体の除湿を行なう小型の通気性防
水栓を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、紙おむつ等に使用されている高吸水性ポリ
マーの特性として、これまで利用されていない、膨潤性
に着目してなされたものである。
【0011】本発明の第1の手段は、気体の吸入口と排
気口を有する定容積の容器と、該容器内に充填された通
気性膨潤材料からなる止水体と、通気性吸水材料からな
る吸水体と、通気性除湿材料からなる減湿体とを具備
し、吸水時に該止水体の膨張によって、該容器内の通気
部が閉塞されることを特徴とするものである。
【0012】本発明の第2の手段は、前記止水体が、ビ
ニルアルコール/アクリル酸共重合体、アクリル酸ソー
ダ系重合体等の高吸水性ポリマーからなることを特徴と
するものである。
【0013】本発明の第3の手段は、前記吸水体が、
綿、ウール、パルプ等の動植物繊維、あるいは、アクリ
ル繊維、ガラスウール等の有機・無機の人工繊維からな
る親水性繊維集合体であり、塵埃フィルターを兼ね備え
たことを特徴とするものである。
【0014】本発明の第4の手段は、前記止水体が、通
気性吸水体によってサンドイッチされた構成を有するこ
とを特徴とするものである。
【0015】本発明の第5の手段は、前記減湿体が、通
気性吸水体中に分散された通気性膨潤材料から構成され
ることを特徴とするものである。
【0016】本発明の第6の手段は、前記減湿体が、通
気性膨潤材料と通気性固体除湿材料と通気性吸水材料と
から構成されることを特徴とするものである。
【0017】本発明の第7の手段は、前記減湿体が、シ
ート状の高吸水性ポリマーの集合体であることを特徴と
するものである。
【0018】
【作用】本発明は、正常時に気体の流れを妨げず、気体
の除湿をすると共に、水が侵入した異常時に、瞬時に水
を気体と共に阻止する栓の機能を有するものである。本
発明の防水機構のメカニズムは、通気性膨潤性材料から
なる止水体が、吸水時に定容積の容器内を膨潤すること
によって、通気部を塞ぎ、水の侵入を阻止するものであ
る。
【0019】通気性吸収材料からなる吸水体の作用は、
前記止水体が瞬間的に膨潤し、水の漏洩を阻止するため
の補助機能を分担するものである。すなわち、侵入した
水を、まず、吸水体で受けとめるバッファー効果を持た
せると共に、吸水した水を止水体へ効率的に受け渡す作
用を担う。さらに、吸水体は、止水体が完全に機能する
以前に排気口側へ漏洩した水を捕捉し、止水体に受け渡
す作用と共に、気体と共に止水体が飛散しないよう容器
内に保持する作用をも担うものである。また、吸水体は
減湿体を保持する役目も担うものである。
【0020】そして、減湿体は、膨潤材料の非常に優れ
た吸水能力を利用するものであり、従来の固体除湿材料
と併用することにより、気体の除湿性能を飛躍的に向上
することができる。なお、減湿体として使用される膨潤
材料は、吸水体中に分散され、吸水・膨潤後も通気性を
損なわないように配慮されている点が止水体と異なって
いる。このように、減湿体は気体中の湿度を低減させる
作用があるから、止水体が湿気を吸って徐々に通気性能
を低下させることが回避され、通気性防水栓の長寿命化
に有効である。
【0021】本発明の一つの実施態様として、容器内に
粒子状の止水体を充填し、その両側、すなわち、吸引口
側と排気口側に綿状パルプからなる吸水体を配置する方
法を取ることができる。この場合、止水体の粒子径は、
好ましくは100μm程度から数ミリ程度である。止水
体粒子の形状は球形あるいは不定形のいずれでも可であ
る。粒子径と形状は要求される通気性と閉塞特性により
調整される。一般的には、密に充填される程、例えば、
粒径分布が広く、最小粒径が小さな粒子を使用すれば、
通気性は低下するが、水の閉塞特性は向上する。
【0022】減湿体としては、スポンジ状あるいは繊維
状の吸水体の中に、粒子状の膨潤材料を散在させ、該膨
潤材料が湿気を吸って膨潤した後も、通気性を確保する
ようにすればよい。除湿性能をさらに向上するために
は、シリカゲル等の固体除湿材料を併用することが好ま
しい。
【0023】さて、通気性止水体材料としては、上述し
た高吸水性ポリマーの中から、特に吸水速度の早いもの
を使用することが望ましい。本発明者らは、市販の高吸
水性ポリマーを使用し、閉塞特性、通気性を調べた結
果、住友化学工業の「スミカゲル」が最も止水体として
優れていることを見い出した。例えば、S−50、N−
100のグレード品である。前者は平均粒径250μm
の球状粒子であり、ビニールアルコール/アクリル酸共
重合体である。後者は平均粒径200μmの顆粒状の粒
子であり、アクリル酸ソーダ重合体である。しかし、同
じポリアクリル酸塩系の高吸水性ポリマーでも、メーカ
が異なると、吸水速度が低く、水の漏洩を生じる場合が
あった。従って、本発明の目的には、吸水量のみなら
ず、吸水速度の高い、高吸水性ポリマーを用いるべきで
ある。これらの高吸水性ポリマーに通気性を付与する方
法としては、上述のように、粒子状あるいは繊維状の高
吸水性ポリマーの集合体を容器に充填し、粒子間あるい
は繊維間に存在する多数の気孔を利用する方法が好まし
い。あるいは、素材の高吸水性ポリマーを発泡させて、
通気性気孔付与処理を行なった、高吸水性ポリマー発泡
体を用いることも可能である。
【0024】通気性吸水体材料としては、和紙、綿状パ
ルプ、綿、ウール等の動植物繊維、あるいはアクリル繊
維、ガラスウール等の有機・無機の人工繊維からなる繊
維の集合体の中から、適宜選択使用することが出来る。
これらの繊維は親水処理、無発塵処理がなされているこ
とが望ましい。また、有効通気孔径を調節することによ
って、いわゆるプレフィルターとしての防塵フィルター
機能を付与することが出来る。本発明者らは、入手可能
な種々のプレフィルターを検討した結果、通気性の点
で、煙草の吸い口に使用されている、使い捨てフィルタ
ーが最も通気抵抗が少なく、吸水性も優れていることが
分かった。その反対に、エアベントや空気のプレフィル
ターとして一般に使用されている、ポリ弗化ビニリデン
あるいはPTFE等の疎水性メンブレンフィルターは、
0.45μmの孔径のものは通気抵抗が大きく、また、
吸水性が無いことから、本発明の目的には適当でなかっ
た。本発明の通気性防水栓は、侵入した水の量に関わら
ず、止水体で水の侵入を阻止するから、超小型の防水栓
が提供される。また、その構造は単純であり、構成材料
も極少量であるから安価な防水栓が提供できる。従っ
て、一度防水機能を果たした通気性防水栓は、使い捨て
ることが好ましい。
【0025】本発明の通気性防水栓は、防水栓としての
機能の他に、気体の乾燥効果も有している。前述したシ
リカゲル等の減湿吸着剤に比べ、膨潤性材料は体積当り
の吸水量が大きいため、除湿剤としての寿命が長い利点
がある。反面、単独では完全な除湿は困難であるから、
気体の乾燥を目的とする場合、例えば、シリカゲルの前
段に配置して、予備減湿剤として用いるとシリカゲルの
寿命が伸び、低湿度が確保される。
【0026】
【実施例】以下に図面を参照して本発明をより具体的に
記述するが、以下に示すものは本発明の一実施例にすぎ
ず、本発明の技術的範囲を何等制限するものではない。
【0027】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
を示す通気性防水栓の断面構造である。定容積の透明ア
クリル樹脂からなるフィルタ容器1は、吸入口2と排気
口3が設けられ、内部は密閉構造であり、内径7mmで
ある。内部は吸水体100と減湿体200と止水体30
0から構成され、図のように配置されている。吸水体1
00は吸水材料10として東京パイプ(株)製の商品名
「チルチルミチルミクロフィルタ」に使用されている有
機繊維からなる特殊加工繊維を取り出して使用した。本
吸水体は繊維の集合体であり、プレフィルタとしての塵
埃除去作用がある。また、吸水材料11として紙おむつ
に使用されているパルプを取り出して使用した。止水体
300は住友化学(株)製の商品名「スミカゲルN10
0」を膨潤材料30として使用し、0.1gをフィルタ
容器に軽く充填した。減湿体200は吸水材料11と膨
潤材料30とから構成され、パルプにスミカゲルN10
0を0.2g分散させて作製した。減湿体200は止水
体300と異なり、膨潤材料はパルプの中に分散され、
吸水して膨潤した後も膨潤材料は互いに接触しないよう
に配慮されているから、減湿体の部分で水が阻止される
ことは無い。このように減湿体を設けることによって、
気体の除湿が図られるから、湿った気体によって、止水
体が湿気を吸って徐々に閉塞しないようになっている。
そのため、減湿体が無い場合に比べ、通気性防水栓の長
寿命化が図られる。
【0028】本実施例の通気性防水栓の性能を調べるた
め、NEUBERGER社(独)製の製品名NMP30
(吸気量毎分2.5L、消費電力11.5W)のダイヤ
フラム型ガスサンプリングポンプを本実施例の通気性防
水栓に接続し、空気流量をフローメータで測定した結
果、毎分2Lの流量が確保でき、通気性が良好であるこ
とが確かめられた。そして、吸引口を水を入れたビーカ
に挿入したところ、瞬時に水は閉塞され、排気口には一
滴の水も侵入しなかった。本実施例の防水栓はフィルタ
容器が透明体であるから、内部の様子を観察することが
出来る。水の侵入実験後、通気性防水栓を肉眼で調べた
ところ、止水体は水を吸って白から透明色に変わってい
ること、止水体より前方の吸水体は水を含んでいるが、
止水体より後方の吸水体は変化が無いことが分かった。
このことから、止水体が水を瞬時に吸水・膨潤して、防
水栓として機能していることが確かめられた。
【0029】次に、本実施例の通気性防水栓の除湿性能
を調べた。除湿実験は、湿度97%に加湿した25℃の
空気を、本実施例の通気性防水栓に毎分0.5Lの流量
で流し、通気性防水栓の出口の湿度を湿度計で連続自動
記録することによって行なった。本実施例の場合、膨潤
材料30は、止水体300で0.1g、減湿体200で
0.2g使用されているから、全量で0.3g充填され
ていることになる。図2から60分後も湿度はほぼ80
%に保たれていることが分かる。
【0030】図3は比較対照であって、シリカゲル(関
東化学(株)製、Cat.No.37039−02、粒
径約3mmの粒状試料を使用)のみを本実施例のフィル
タ容器1に0.3gと0.5g充填し、図2と同一実験
条件で湿度変化を調べたものである。シリカゲルは乾燥
効果が強いため、実験開始時は相対湿度45%まで低下
するが、時間と共に湿度は上昇し、60分後には除湿効
果は無くなっている。充填量を変えても傾向は同じであ
る。図2と図3の比較から明らかなように、本実施例の
通気性防水栓は減湿効果が長く、湿度をほぼ一定にする
効果がある。その理由は、減湿体としては同じ重量0.
3gであるにも関わらず、シリカゲルに比べ、スミカゲ
ルの方が、粒径が約200μmと小さいため、(1)表
面積が大きいこと、また、(2)単位体積当りの吸水量
が自重の約1000倍と非常に大きいことによるもので
ある。
【0031】(実施例2)図4は本発明の第2の実施例
を示す通気性防水栓の断面構造である。内部構造が吸水
体100と減湿体200と止水体300から構成されて
いる点、並びに、フィルタ容器1は実施例1と同じであ
るが、内部の構成材料が異なっている。すなわち、吸水
材料10は実施例1と同じであるが、吸水材料12はマ
ルマン製煙草用「ソフトフィルター」に使用されてい
る、直径20μmの有機繊維であり、この繊維の中に、
膨潤材料として、住友化学(株)製商品名「スミカゲル
S50」を0.2g分散させ、減湿体200の一部を構
成している。減湿体200にはさらに、除湿材料50と
して、上述の比較対照材料として使用したシリカゲル
0.3gが充填されている。このように、本実施例は減
湿体200が2段階になっているのが特徴である。そし
て、止水体300は0.1gのスミカゲルS50からな
り、シリカゲルの後方に配置された吸水材料10と排気
口側の吸水材料10とでサンドイッチされている。31
は膨潤材料である。
【0032】本実施例の通気性防水栓の性能を、実施例
1で説明した方法で調べた結果、実施例1と同様に、瞬
時に水は閉塞され、排気口には一滴の水も侵入しなかっ
た。また、本実施例の通気性防水栓の除湿性能を調べた
結果が、図5で2段階方式として表示したものである。
実施例1,比較対照試料の除湿性能データである図2,
図3と図5とを比較すると、2段階方式の除湿性能が優
れていることが明らかである。その理由は、膨潤材料3
1を除湿材料として使用することにより、湿った気体中
の水分がまず、除かれ、次いでシリカゲルからなる除湿
材料50でさらに乾燥されることによるものと考えられ
る。このように、気体中の湿度を減湿体200で除くこ
とによって、止水体300が徐々に閉塞することが回避
され、通気性防水栓の寿命が伸びるので都合がよい。
【0033】(実施例3)図6は本発明の第3の実施例
を示す通気性防水栓の断面構造である。内部構造が吸水
体100と減湿体200と止水体300から構成されて
いる点、並びに、フィルタ容器1は実施例1と同じであ
るが、内部の構成材料、構成法が異なっている。すなわ
ち、吸水材料10は実施例1と同じであるが、吸水材料
13はガラスウールであり、この中に、スミカゲルN1
00を0.2gとシリカゲル0.3gを分散させ、減湿
体200を構成した。そして、止水体300は0.1g
のスミカゲルN100からなり、減湿体200の後方に
配置された吸水材料10と排気口側の吸水材料10とで
サンドイッチされている。膨潤材料30及び除湿材料5
0は実施例1と同じである。
【0034】本実施例の通気性防水栓の性能を、実施例
1で説明した方法で調べた結果、実施例1と同様に、瞬
時に水は閉塞され、排気口には一滴の水も侵入しなかっ
た。また、本実施例の通気性防水栓の除湿性能を調べた
結果が、図5で混合方式として表示したものである。実
施例1,比較対照試料の除湿性能データである図2,図
3と図5とを比較すると、膨潤材料、除湿材料を単独で
使用するよりも、混合方式の除湿性能が優れていること
が明らかである。
【0035】(実施例4)図7は本発明の第4の実施例
を示す通気性防水栓の断面構造である。内部構造が吸水
体100と減湿体200と止水体300から構成されて
いる点、並びに、フィルタ容器1は実施例1と同じであ
るが、内部の構成材料が異なっている。
【0036】すなわち、吸水材料10と膨潤材料30は
実施例1と同じであるが、減湿体200として(株)日
本触媒製の吸水性ポリマーシート(形番D−401)を
使用している点に特徴がある。このポリマーシートは高
吸収水性ポリマーと不織布が一体になったものである。
そして、本実施例では吸水性ポリマーシートを0.45
g短冊状に切断し、短い辺を棒状に巻き込んで、フィル
タ容器1に挿入した。気体は、吸水性ポリマーシート間
の間隙を流れる構造になっているから、通気性に優れて
いる。そのため、減湿体200が湿気を吸って膨潤した
際に、止水体300のように気体の流れを阻止すること
が生じにくい利点がある。
【0037】本実施例の通気性防水栓の性能を、実施例
1で説明した方法で調べた結果、実施例1と同様に、瞬
時に水は閉塞され、排気口には一滴の水も侵入しなかっ
た。また、本実施例の通気性防水栓の除湿性能を調べた
結果が図8である。除湿能は、図5で示した、シリカゲ
ルを併用する方式よりも劣るが、湿度は60〜70%の
範囲内に調湿されることが分かる。さらに低湿度が必要
であれば、本吸水性ポリマーシートにシリカゲル等の除
湿材料を上述の混合方式あるいは2段階方式で併用すれ
ばよい。
【0038】(比較対照例)実施例1と同じ構造で、膨
潤材料30のみをスミカゲルN100から、他社の架橋
ポリアクリル酸塩系の高吸水性ポリマーに替え、防水性
能を調べた結果、防水性能は不十分であり、排気口側へ
水が瞬時に侵入し、防水栓としての機能が確保されなか
った。従って、防水性能の向上のためには、膨潤速度が
重要である。以上説明した、止水体、減湿体に使用され
る膨潤材料、並びに除湿材料の種類、量はフィルターの
サイズ、フィルター寿命、使用目的によって最適な材料
選択、充填量が定められるべきものであるから、上述し
た実施例に限定されるものではなく、種々のバリエーシ
ョンが可能である。また、止水体、吸水体、除湿体の形
状は、上述した実施例に限らず、要求される通気性、除
湿性、閉塞特性を満たすものであれば、任意に選択する
ことができる。
【0039】また、通気性防水栓は使用にともなって、
湿気を吸い、主として、止水体の通気性能が劣化するこ
とは不可避である。しかし、その寿命は気体流量の減少
あるいは、吸入口と排気口の圧力差の上昇で知ることが
出来るから、使用目的に応じてガス配管中に、流量計あ
るいは圧力計を設置し、流量、圧力変化から、通気性防
水栓を適宜交換すればよい。
【0040】
【発明の効果】本発明の通気性防水栓は、侵入した水の
量に関わらず、止水体で水の侵入を阻止するから、超小
型の防水栓が提供される。また、その構造は単純であ
り、構成材料も極少量であるから安価な防水栓が提供で
きる。
【0041】本発明の通気性防水栓は、防水栓としての
機能の他に、気体の乾燥効果も有している。前述したシ
リカゲル等の除湿剤に比べ、膨潤性材料は体積当りの吸
水量が大きいため、除湿剤としての寿命が長い利点があ
る。
【0042】さらに、通気性吸水体は繊維の集合体であ
るから塵埃除去に効果がある。
【0043】本発明の通気性防水栓を、本発明者らが特
願平4−192380号「質量分析型ガス漏れ検知器」
として特許出願中のガスサンプリングヘッドに組み込み
使用したところ、ガスサンプリングヘッドからの水の吸
い込みを阻止することができ、質量分析型ガス漏れ検知
器の故障を未然に防止できた。
【0044】また、本発明の通気性防水栓を理化学実験
に用いられるアスピレータに接続して使用した結果、水
の逆流防止効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す通気性防水栓の断
面構造図である。
【図2】本発明の第1の実施例の除湿性能を調べた特性
図である。
【図3】比較対照例の除湿性能を調べた特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す通気性防水栓の断
面構造図である。
【図5】本発明の第2、第3の実施例の除湿性能を調べ
た特性図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す通気性防水栓の断
面構造図である。
【図7】本発明の第4の実施例を示す通気性防水栓の断
面構造図である。
【図8】本発明の第4の実施例の除湿性能を調べた特性
図である。
【符号の説明】
1…フィルタ容器、2…吸入口、3…排気口、10…吸
水材料、11…吸水材料、12…吸水材料、30…膨潤
材料、31…膨潤材料、50…除湿材料、100…吸水
体、200…減湿体、300…止水体。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体の吸入口と排気口を有する定容積の
    容器と、 該容器内に充填された通気性膨潤材料からなる止水体
    と、通気性吸水材料からなる吸水体と、通気性除湿材料
    からなる減湿体とを具備し、 吸水時に該止水体の膨張によって、該容器内の通気部が
    閉塞されることを特徴とする通気性防水栓。
  2. 【請求項2】 前記止水体が、ビニルアルコール/アク
    リル酸共重合体、アクリル酸ソーダ系重合体等の高吸水
    性ポリマーからなることを特徴とする請求項1記載の通
    気性防水栓。
  3. 【請求項3】 前記吸水体が、綿、ウール、パルプ等の
    動植物繊維、あるいは、アクリル繊維、ガラスウール等
    の有機・無機の人工繊維からなる親水性繊維集合体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の通気性防水栓。
  4. 【請求項4】 前記止水体が、吸水体によってサンドイ
    ッチされた構成を有することを特徴とする請求項1記載
    の通気性防水栓。
  5. 【請求項5】 前記減湿体が、吸水体中に分散された、
    通気性膨潤材料から構成されることを特徴とする請求項
    1記載の通気性防水栓。
  6. 【請求項6】 前記減湿体が、通気性膨潤材料と通気性
    固体除湿材料と通気性吸水材料とから構成されることを
    特徴とする請求項1記載の通気性防水栓。
  7. 【請求項7】 前記減湿体が、シート状の高吸水性ポリ
    マーの集合体であることを特徴とする請求項1記載の通
    気性防水栓。
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