JPH06225905A - 保護眼鏡 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 保護眼鏡において、全視野の内で、特に眩し
く感じる方向から到来する光の透過量のみを局所的に低
減し、視野内が均一な明るさで見えるようにして、目の
保護と同時に周囲の状況も容易に判断できるようにす
る。 【構成】 ドットマトリックス形の液晶板４a，４bを有
するとともに、この液晶板４a，４bに近接して撮像部６
a，６bが一体的に設けられる一方、この撮像部６a，６b
で撮像された画像から高輝度部分を解析する画像解析部
１４と、この画像解析部１４で解析された高輝度部分に
対応する液晶板４a，４bのドットの位置を求めてこれら
の各ドットにおける光透過量を決定する制御処理部１６
と、この制御処理部１６で決定された液晶板４a，４bの
各ドットを駆動するドット駆動部１８a，１８bとを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サングラスやゴーグル
などのように、外光から目を保護するために使用される
保護眼鏡に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、外光から目を保護するためのサン
グラスやゴーグルなどの保護眼鏡としては、ガラス部分
を全体的に着色することによって光の透過量を減少する
ようにしたものや、あるいは、いわゆるフォトクロミッ
クガラスを用い、これがある程度の光量を受けると自然
に着色して光透過量を低減するようにしたものが使用さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保護眼鏡においては、いずれの場合も、光の透過量が視
野の全体にわたってほぼ均一に減少されるために、眩し
く感じる方向以外の方向からの光も同時に弱められてし
まい、周囲の状況が分かりずらくなるという難点があ
る。

【０００４】たとえば、車を運転している際に、前を走
行している車体から反射した光や、夕日などが直接目に
入ってくるのを防ぐために、保護眼鏡をかけた場合、従
来のものでは、眩しい光は軽減されるものの、その方向
から外れた周囲の景色までも同時に暗くなってしまい、
他の走行車両の状況や道路標識などが見にくくなる。特
に、夜間において、対向車両のヘッドライトが眩しいと
きに、このような保護眼鏡を着用した場合には、ライト
の光が到来する方向からずれた景色が全く見えなくなっ
てしまい、極めて危険な状態となる。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、全視野の内で、特に眩しく感じる方向から
到来する光の透過量のみを局所的に低減し、視野内が均
一な明るさで見えるようにして、目の保護を図ると同時
に周囲の状況も容易に判断できるようにすることを課題
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、次の構成を採る。

【０００７】すなわち、本発明に係る保護眼鏡は、ドッ
トマトリックス形の液晶板を有するとともに、この液晶
板に近接して撮像部が一体的に設けられる一方、この撮
像部で撮像された画像から高輝度部分を解析する画像解
析部と、この画像解析部で解析された高輝度部分に対応
する液晶板のドットの位置を求めてこれらの各ドットに
おける光透過量を決定する制御処理部と、この制御処理
部で決定された液晶板の各ドットを駆動するドット駆動
部とを備えている。

【０００８】

【作用】上記構成において、液晶板を通して観察できる
視野内の映像は、同時に撮像部で撮像され、その画像信
号が画像解析部に送られる。画像解析部は、この撮像さ
れた画像から高輝度部分を解析し、続いて、制御処理部
は、この画像解析部で解析された高輝度部分に対応する
液晶板のドットの位置を求めてこれらの各ドットにおけ
る光透過量を決定し、その光透過量の制御信号をドット
駆動部に出力する。ドット駆動部は、この制御信号に基
づいて液晶板の必要な各ドットを駆動する。これによ
り、全視野の内で、特に眩しく感じる方向から到来する
光の透過量のみが局所的に低減され、視野内が均一な明
るさで見えるようになる。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の実施例に係る保護眼鏡の斜視
図、図２は保護眼鏡の具体的な構成図である。

【００１０】この実施例の保護眼鏡１は、サングラス形
式のものであって、眼鏡フレーム２に左右一対の液晶板
４a，４bが嵌め込まれている。これらの各液晶板４a，
４bは、液晶層の上下に透明電極列を交差させてなる液
晶セルを偏光板でサンドイッチして構成されたドットマ
トリックス形のものである。また、眼鏡フレーム２に
は、各液晶板４a，４bにそれぞれ近接して撮像部６a，
６bが一体的に固定されている。これらの各撮像部６a，
６bは、本例では小形のＣＣＤカメラからなり、その撮
像視野は、保護眼鏡１を装着した際に各液晶板４a，４b
を通して見える視野と略同一になるように設定されてい
る。

【００１１】そして、各液晶板４a，４bと撮像部６a，
６bとは、それぞれフレーム２の耳掛部を通したケーブ
ル８，１０を介して制御ユニット１２に接続されてい
る。

【００１２】この制御ユニット１２は、たとえば、衣服
のポケットなどに装着されるようになっており、両撮像
部６a，６bで撮像された画像から高輝度部分を解析する
画像解析部１４と、この画像解析部１４で解析された高
輝度部分に対応する各液晶板４a，４bのドットの位置を
求めてこれらの各ドットにおける光透過量を決定する制
御処理部１６と、この制御処理部１６で決定された各液
晶板４a，４bのドットを駆動するドット駆動部１８a，
１８bと、各部１４〜１８a，１８bの動作用の電源２０
とを備えている。

【００１３】上記構成において、この保護眼鏡１を装着
した場合、各液晶板４a，４bを通して観察できる視野内
の映像は、同時に両撮像部６a，６bで撮像され、その画
像信号がケーブル１０a，１０bを介して制御ユニット１
２内の画像解析部１４に送られる。画像解析部１４は、
この撮像された各画像から輝度の強度分布のデータを求
め、予め設定されたしきい値レベル以上の高輝度部分を
解析する。この解析データは、次段の制御処理部１６に
送られるので、制御処理部１６は、画像解析部１４で解
析された高輝度部分に対応する液晶板４a，４bのドット
の位置を求めてこれらの各ドットにおける光透過量を決
定する。そして、この光透過量の制御信号を各ドット駆
動部１８a，１８bに出力する。各ドット駆動部１８a，
１８bは、この制御信号に基づいて液晶板４a，４bの必
要な各ドットを駆動する。これにより、各液晶板４a，
４bは、その駆動されたドット位置(図２の液晶板４a，
４bの符号pで示す部分)の光透過量が減少されるので、
たとえば、強い光を発するある一つの光源Ｌに顔を向け
た場合、その光源Ｌの方向から到来する光の透過量のみ
が局所的に低減され、全視野内が均一な明るさとして見
えるようになる。

【００１４】なお、上記の実施例の保護眼鏡１は、身体
に装着されるサングラス形式のものにしているが、これ
に限定されるものではなく、たとえば、ゴーグル形式の
ものや、さらには、手に持って使用される柄付き眼鏡の
ような形式のものにも、本発明を広く適用することがで
きる。また、上記の実施例では、高輝度部分の判断の目
安となるしきい値は固定されたものとしているが、使用
時刻や装着者の目の具合に応じてしきい値レベルを適宜
調整できるようにすることも可能である。さらに、撮像
部６a，６bはカラー用のもとのとし、また、液晶板４
a，４bもカラー用のものを使用することもできる。この
場合には、液晶板４a，４Ｂによって特定の色調の光の
みを選択的に透過させることができるので、たとえば、
信号機の色を明確に識別できるので便利である。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、全視野の内で、特に眩
しく感じる方向から到来する光の透過量のみが局所的に
低減されるので、視野内が均一な明るさで見えるように
なる。したがって、眩しい光がなくなり目の保護を図れ
る一方、その方向から外れた周囲の景色はそのまま見る
ことができるため、たとえば、車の運転時には、他の走
行車両の状況や道路標識などの判断を誤ることがない。
しかも、顔の向きを変えれば、即座に眼鏡が透明にな
り、いちいち眼鏡を取り外す必要もなく極めて便利であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る保護眼鏡の斜視図であ
る。

【図２】図１の保護眼鏡の具体的な構成図である。

【符号の説明】

１…保護眼鏡、４a，４b…液晶板、６a，６b…撮像部、
１４…画像解析部、１６…制御処理部、１８a，１８b…
ドット駆動部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドットマトリックス形の液晶板を有する
   とともに、この液晶板に近接して撮像部が一体的に設け
   られる一方、 この撮像部で撮像された画像から高輝度部分を解析する
   画像解析部と、 この画像解析部で解析された高輝度部分に対応する液晶
   板のドットの位置を求めてこれらの各ドットにおける光
   透過量を決定する制御処理部と、 この制御処理部で決定された液晶板の各ドットを駆動す
   るドット駆動部と、 を備えることを特徴とする保護眼鏡。