JPH06225393A

JPH06225393A - 超音波変成装置

Info

Publication number: JPH06225393A
Application number: JP5242537A
Authority: JP
Inventors: Clemens Fiebiger; フィービガークレメンス; Karl Prestele; プレステレカール; Erhard Schmidt; シュミットエアハルト
Original assignee: Siemens AG
Current assignee: Siemens AG
Priority date: 1992-09-30
Filing date: 1993-09-29
Publication date: 1994-08-12
Also published as: EP0590193A1

Abstract

(57)【要約】【目的】外側の影響に抗して非感受性であり、かつ機
能を決定する音響的性質が良好に再現可能である音響適
合層。【構成】音響適合層は、厳密な周期的範囲の小ささに
基づいて拡散Ｘ線反射を生じるような種類の結晶度を有
し、外側の影響に抗して非感受性であり、殊に水吸収お
よび水透過性は、無視できるパラ結晶性炭素からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気音響変成部材およ
び音の通り道（Ｓｃｈａｌｌｗｅｇ）中に配置された少
なくとも１つの音響適合層を有する超音波変成装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】超音波工学においては、適合層を、音の
通り道中または音波発信方向および／または音波受信方
向中に、試験対象物の外で、種々の音響的インピーダン
スを有する２つの物質の境界面での反射を減少させるか
もしくは音波エネルギーをできるだけ損失を免れて、変
成部材から試験すべき媒体中へ伝達し、かつ戻らせるた
めに使用される。このためには、少なくとも１つの適合
層が、双方の物質の間に配置されている。実際には、適
合層は、電気音響変成部材の音響適合のために、試験対
象物に対して使用される。付加的に、音響受波器（ａｋ
ｕｓｔｉｓｃｈｅｒＳｕｍｐｆ）または減衰体は、直
接的にかまたは少なくとも１つの適合層を用いて、変成
部材に適合させてもよい。

【０００３】冒頭に記載された種類の超音波変成装置
は、米国特許第４７１７８５１号明細書に記載されてい
る。試験対象物または音響伝播媒体への電気音響変成部
材の音響適合のために、適合層は、変成部材の音響的イ
ンピーダンスと、試験対象物または伝播媒体の音響的イ
ンピーダンスの間にある音の通り道中に配置される。

【０００４】通常、適合層は、合成樹脂、例えばエポキ
シド樹脂からなるものであり、その中に、無機または金
属性の物質の最も小さい粒子が埋設されている。この場
合、適合層の音響的インピーダンスは、本質的に、付加
された粒子の量および材料に依存している。しかしなが
ら、全ての場合において、より大きな容量範囲に亘っ
て、合成樹脂中の粒子の均一な分布が達成されるもので
はない。このことによって、機能を決定する音響的性質
の再現可能性は、制限されている。更に、事情によって
は、不均質なものまたは支障のあるものを、甘受しなけ
ればならない。その上、多くの自体適当な樹脂は、外側
の影響に抗して感受性であり、殊に、該樹脂は、湿分の
作用の場合に膨潤する。このことによって、適合層の接
着面が剥離する危険が存在する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明に
は、外側の影響に抗して非感受性であり、かつ機能を決
定する音響的性質が良好に再現可能である音響適合層を
記載するという課題が課されている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題は、音響適合層
が、パラ結晶性炭素からなることによって解決される。
非晶質炭素とも呼称されるパラ結晶性炭素は、厳密な周
期的範囲の小ささに基づいて拡散Ｘ線反射を生じるよう
な種類の結晶度を有する。従って、該炭素は、Ｘ線非晶
質とも呼称される。パラ結晶性炭素は、外側の影響に抗
して非感受性であり、殊に水吸収および水透過性は、無
視してよい。

【０００７】十分に均質および孔のない構造によって、
機能を決定する音響的性質は、良好に再現可能である。
更に、パラ結晶性炭素は、導電性であり、この性質は、
変成部材の接触または遮断目的に使用することができ
る。前記物質の相対的に高い音速は、殊に５〜１０ＭＨ
ｚの程度での高い周波数の場合に、より大きな、即ち、
また、適合層のより良好に処理可能な厚さを生じる。

【０００８】有利な実施態様は、音響変成部材が、極性
化された圧電セラミックを包含することによって顕著で
ある。極性化された圧電セラミックは、３５ＭＲａｙｌ
の程度で相対的に高い音響的インピーダンスを有する。
音速およびパラ結晶性炭素の減衰は、狭い範囲で再現可
能であり、製造によって予め規定されている。前記の性
質に基づいて、約７ＭＲａｙｌの音響的インピーダンス
が生じた。これによって、該変成部材は、圧電セラミッ
ク性の音響変成部材を、１．５ＭＲａｙｌの程度での低
い音響的インピーダンスを有する媒体、例えば水または
体組織に適合することになる適合層に好適である。

【０００９】もう１つの有利な実施態様の場合には、医
学的使用のための電気音響変成部材が構成されている。
医学的使用とは、治療的並びに診断的使用のことであ
る。パラ結晶性炭素は、前記の適合問題のために、特に
有用な音響的性質を有し、造波抵抗および音速は、有用
な領域にある。殊に、パラ結晶性炭素の無視してよい僅
かな音減衰は、医学的使用にとって有利である。

【００１０】もう１つの有利な実施態様の場合には、音
響適合層は、変成部材の発信表面に直接的に隣接してい
る。この場合、圧電セラミックとパラ結晶性炭素との組
合せ物は、殊に、圧電セラミックおよびパラ結晶性炭素
の熱膨張係数は、ほぼ等しいので有利である。これによ
って、治療目的のための出力音波変成（Ｌｅｉｓｔｕｎ
ｇｓｓｃｈａｌｌｗａｎｄｌｅｒ）の場合に重要であ
る、変成装置の高い繰返し荷重強度（Ｗｅｃｈｓｅｌｌ
ａｓｔｆｅｓｔｉｇｋｅｉｔ）が生じた。

【００１１】付加的に、パラ結晶性炭素の導電性は、接
触および／または遮断のために使用される。

【００１２】もう１つの有利な実施態様の場合には、パ
ラ結晶性炭素は、ガラス状炭素である。ガラス状炭素
は、肉厚４ｍｍまでを有する種々の商品名で、多くの望
ましい形態で入手できる。

【００１３】２つの実施例を、以下の図面に基づき詳説
する。

【００１４】

【実施例】２つの実施例、図１記載の治療用超音波変成
装置並びに図２記載の診断用超音波変成装置の場合、ガ
ラス状炭素が使用されており、該ガラス状炭素は、マイ
チンゲン在（Ｍｅｉｔｉｎｇｅｎ）のシグリ社（Ｆｉｒ
ｍａＳｉｇｒｉ）のＳＩＧＲＡＤＵＲ−Ｋの名称また
は日本、東京在のトウカイカーボン社（Ｆａ．Ｔｏｋ
ａｉＣａｒｂｏｎＣｏ．，Ｌｔｄ．）の“グラッシ
ィカーボン（ＧｌａｓｓｙＣａｒｂｏｎ）”の名称
で製造され、かつ販売されている。１ｍｍの物質肉厚の
場合のグラッシィカーボンの音響適合層としての使用
のために重要な物質データは、以下の通りである：密度：１．５４ｇ／ｃｍ³ 音響的インピーダンス：７．２ＭＲａｙｌ音速：４．７ｋｍ／ｓ機械的品質：５００熱膨張係数：３．５ｐｐｍ／Ｋ固有の電気抵抗：５０Ｏｈｍ μｍ。

【００１５】図１には、断面図で、金属ケーシング２の
一部を記載し、該ケーシング中で、治療目的のための超
音波変成装置４は、開口部６に固定されている。この超
音波変成装置４は、電気音響変成部材８を包含してい
る。この電気音響変成部材８は、円形の圧電セラミック
ディスク１０からなり、該圧電セラミックディスクに
は、対向している平面で、それぞれ電極１２および１３
が備えられている。この圧電セラミックディスク１０
は、ほぼ３５ＭＲａｙｌの音響的インピーダンスを有し
ている。音波発信方向中で、変成部材８の高い音響的イ
ンピーダンスは、音響適合層１６を有する超音波伝播媒
体１４に適合されている。超音波伝播媒体１４として
は、本発明では、ほぼ１．５ＭＲａｙｌの音響的インピ
ーダンスを有する水を使用している。音響適合層１６
は、例えばＳＩＧＲＡＤＵＲ−Ｋの名称で販売されてい
るガラス状炭素からなる。音響適合層１６は、変成部材
８と同様に円形のディスクとして形成されている。

【００１６】適合層１６は、全面的に電気音響変成部材
８の電極１３と、導電的に、例えばハンダ付けまたは接
着によって結合している。

【００１７】音響適合層１６の直径は、本発明では、電
気音響変成部材８の直径よりも大きく、その結果、超音
波変成装置は、外側から、開口部６中で周囲に巡らされ
ている突起１８上に載置されていてよい。ガラス状炭素
は、水および気体に抗して不透過性であるので、適合層
１６の側面に配置された、シリコーン物質からなる縁部
充填材２０は、液状の超音波伝播媒体１４が、ケーシン
グ２の内部に入り込むことができるのを阻止するのに十
分である。

【００１８】音響適合層１６の導電性は、この適合層１
６が、直接的に、変成部材８に隣接している場合には、
電極の簡単な接触を可能にする。こうして、本発明で
は、音響適合層１６は、発信方向中に存在する電極１３
を、ケーシング２状に接触させるのに使用される。適合
層１６の載置面によって突起１８の下に形成されている
接触部２２は、ケーシング２への導電性の結合を形成し
ている。電気音響変成部材８に、励起信号を供給するこ
とができるようにするために、電気的接続部２４は、直
接的に、電極１２と結合し、かつ第２の電気的接続部２
６はケーシング２と結合しており、該ケーシングは、音
響適合層１６を介して、導電的に電極１３と結合してい
る。

【００１９】図２に長手方向の断面図で示された超音波
変成装置４の場合、電気音響変成部材８は、多数の同種
の互いに対応配置された圧電セラミック直方体からなる
変成器アレイ３０からなっている。このセラミック直方
体は、対向している面で、それぞれ電極１２および１３
が設けられている。電極１２は、それぞれ別個に電気的
接続部と結合している（図には記載されていない）。こ
うしてセラミック直方体から形成された素子変成器は、
別個に活性化でき、その結果、試験対象物３２は、電子
的に、超音波発信を用いる断層図の製造のために、試験
することができる。試験対象物、即ち体組織の音響イン
ピーダンスは、１．５ＭＲａｙｌの程度である。

【００２０】全ての素子変性器の電極１２は、減衰体３
４と結合しており、この減衰体は、素子変性器の短い漸
増および漸減を保証する。また、減衰体３４のために使
用された材料に応じて、減衰体３４は、ガラス状の炭素
からなる適合層に亘って、音響的に、変成器アレイ３０
の圧電セラミック材料に適合させることができる。

【００２１】変成器アレイ３０および試験対象物３２の
間の音の通り道中には、音響的に適合させるために、ガ
ラス状炭素からなる適合層１６が配置され、該適合層の
厚さは、適合層１６中の超音波の波長のほぼ４分の１で
ある。この適合層１６は、直接的に、電極１３と接着し
ており、付加的に共通の電気的信号供給を音響的に適合
させるために、発信面上で使用されている。薄い合成樹
脂層３６は、医学的診断の変性器の場合に、体組織への
もう１つの予想される幅広のバンドの適合を達成させる
ために適合層１６を被覆している。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、治療的の使用のための別個の変成器を
有する超音波変成装置を示す。

【図２】図２は、診断目的のための変成器アレイを有す
る超音波変成装置を示す。

【符号の説明】

２ケーシング、４超音波変成装置、６開口
部、８電気音響変成部材、１０セラミックディ
スク、１２，１３電極、１４カップリング媒
体、１６音響適合層、１８張出し部、２０
充填材、２４第１電気接続部、２６第２電気接
続部、３０変成器アレイ、３２試験対象物、
３４減衰体、３６合成樹脂層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者エアハルトシュミットドイツ連邦共和国エアランゲンホイヴァークシュトラーセ 20 アー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電気音響変成部材（８、３０）および音
の通り道中に配置された少なくとも１つの音響適合層を
有する超音波変成装置において、音響適合層（１６）が
パラ結晶性炭素からなることを特徴とする、超音波変成
装置。
【請求項２】音響変成部材（８、３０）は、極性化し
た圧電性セラミックを包含する、請求項１記載の超音波
変成装置。
【請求項３】電気音響変成部材（８）は、個別変成器
として構成されている、請求項１または２記載の超音波
変成装置。
【請求項４】電気音響変成部材（８）は、変成器アレ
イ（３０）として構成されている、請求項１または２記
載の超音波変成装置。
【請求項５】電気音響変成部材（８、３０）は、医学
的使用のために構成されている、請求項１から４までの
いずれか１項記載の超音波変成装置。
【請求項６】音響適合層（１６）は、直接的に、変成
部材（８、３０）の発信表面（１３）に隣接している、
請求項１から５までのいずれか１項記載の超音波変成装
置。
【請求項７】パラ結晶性炭素がガラス状炭素である、
請求項１から６までのいずれか１項記載の超音波変成装
置。