JPH06216121A - 装置保護膜 - Google Patents
装置保護膜Info
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- JPH06216121A JPH06216121A JP2182293A JP2182293A JPH06216121A JP H06216121 A JPH06216121 A JP H06216121A JP 2182293 A JP2182293 A JP 2182293A JP 2182293 A JP2182293 A JP 2182293A JP H06216121 A JPH06216121 A JP H06216121A
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- Japan
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- film
- silicon nitride
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- nitride film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】低応力な高耐湿性の装置保護膜の提供。
【構成】実施例として、半導体装置の基板上にプラズマ
CVD法によるSiN 膜を、組成比Si/N(この値をXとす
る)が化学量論組成比の0. 75より大きい範囲で、必
要な組成比Si/Nの値Xに対して、図1に示す直線 Y=1. 01×1022X + 0. 54×1022 で求められる水素結合量Y(cm-3)の±18%以内とな
る水素結合量をSiN 膜が含有するように形成すると、ほ
ぼ0 〜150MPaの低圧縮応力のSiN 膜が得られる。この構
成のSiN 膜は耐湿性が良く、強度もあるため保護膜とし
て適切である。
CVD法によるSiN 膜を、組成比Si/N(この値をXとす
る)が化学量論組成比の0. 75より大きい範囲で、必
要な組成比Si/Nの値Xに対して、図1に示す直線 Y=1. 01×1022X + 0. 54×1022 で求められる水素結合量Y(cm-3)の±18%以内とな
る水素結合量をSiN 膜が含有するように形成すると、ほ
ぼ0 〜150MPaの低圧縮応力のSiN 膜が得られる。この構
成のSiN 膜は耐湿性が良く、強度もあるため保護膜とし
て適切である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装置の保護として窒化シ
リコン膜(以下SiN 膜と記す)を有する保護膜、特に半
導体装置の保護膜に関する。
リコン膜(以下SiN 膜と記す)を有する保護膜、特に半
導体装置の保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、LSIなどの半導体装置におい
て最終保護膜としてSiN 膜が良く用いられている。これ
は特にこの膜の耐湿性、耐久性、絶縁性などの特性が他
の膜に比べて良好なためである。このため半導体装置上
にこのSiN 膜を成膜する方法として低温で形成可能なプ
ラズマCVD法によるSiN 成膜法が提案され利用されて
いる。この方法によるSiN 膜はその成膜条件によって上
記の特性を含め膜応力などの特性が大きく変化すること
が知られている(応用物理、第50巻第6号(1981)P638
「プラズマCVD技術と応用」(以下文献Aとする)、
または、A.K.Sinha et al,J.Electrochem. Soc. Vol.12
5,No.4 (1978) P601、または特開平2-148843号公報な
ど)。プラズマCVD法によるSiN 膜は一般に非晶質膜
である。一般に装置の最終保護膜として望ましいSiN 膜
の性質としては、ストレスが生じない、つまり膜内部の
応力が小さく機械的強度の強いこと、水分やアルカリ金
属(ナトリウムNaなど)に対して侵入阻止能力の大きい
こと、耐久性、耐熱性、電気的絶縁性に優れること、装
置の表面に馴染みが良い、などである。普通、SiN 膜に
耐湿性をもたせるためにはSiN 膜の元素組成の比Si/Nを
0. 75以上、すなわち化学量論組成よりもSiが多い組
成にする必要があるとされている。加えて半導体装置な
どのような微細配線の信頼性保持に対しては、SiN 膜の
クラックの発生防止も考慮すると、従来の実験によって
SiN 膜の圧縮応力が150MPa以下となる保護膜が望ましい
ことがわかっている。これは、SiN 膜の応力が大きな圧
縮応力であると配線を破壊し易いことが言われており、
好ましくないためである。プラズマCVD法は450 ℃以
下の温度で形成可能であり、Al配線とSi基板との反応を
抑制することができることから、文献Aによればこの方
法により初めて半導体に適用されるようになった経緯が
ある。
て最終保護膜としてSiN 膜が良く用いられている。これ
は特にこの膜の耐湿性、耐久性、絶縁性などの特性が他
の膜に比べて良好なためである。このため半導体装置上
にこのSiN 膜を成膜する方法として低温で形成可能なプ
ラズマCVD法によるSiN 成膜法が提案され利用されて
いる。この方法によるSiN 膜はその成膜条件によって上
記の特性を含め膜応力などの特性が大きく変化すること
が知られている(応用物理、第50巻第6号(1981)P638
「プラズマCVD技術と応用」(以下文献Aとする)、
または、A.K.Sinha et al,J.Electrochem. Soc. Vol.12
5,No.4 (1978) P601、または特開平2-148843号公報な
ど)。プラズマCVD法によるSiN 膜は一般に非晶質膜
である。一般に装置の最終保護膜として望ましいSiN 膜
の性質としては、ストレスが生じない、つまり膜内部の
応力が小さく機械的強度の強いこと、水分やアルカリ金
属(ナトリウムNaなど)に対して侵入阻止能力の大きい
こと、耐久性、耐熱性、電気的絶縁性に優れること、装
置の表面に馴染みが良い、などである。普通、SiN 膜に
耐湿性をもたせるためにはSiN 膜の元素組成の比Si/Nを
0. 75以上、すなわち化学量論組成よりもSiが多い組
成にする必要があるとされている。加えて半導体装置な
どのような微細配線の信頼性保持に対しては、SiN 膜の
クラックの発生防止も考慮すると、従来の実験によって
SiN 膜の圧縮応力が150MPa以下となる保護膜が望ましい
ことがわかっている。これは、SiN 膜の応力が大きな圧
縮応力であると配線を破壊し易いことが言われており、
好ましくないためである。プラズマCVD法は450 ℃以
下の温度で形成可能であり、Al配線とSi基板との反応を
抑制することができることから、文献Aによればこの方
法により初めて半導体に適用されるようになった経緯が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、より微細化
しつつある半導体装置の配線などに対しては、さらに低
応力な保護膜が求められている。SiN 膜は成膜条件によ
ってその特性が大きく変わり、必要とする性能を備える
ために成膜条件の組合せを試行錯誤で求めている状況に
ある。しかしながら、その中でも耐湿性が良いとされる
元素組成の比Si/Nが化学量論組成比の0. 75以上の場
合は成膜すると膜の応力が大きくなり、半導体装置に対
してストレスを生じてしまうという問題があり、前記の
文献類においても望ましい低応力の膜を形成するのに、
プラズマCVD法の成膜条件、即ちSiH4/NH3ガス流量
比、ガス流量、圧力、温度、高周波電力などを調整する
ことで可能であるとされているのみで、試行錯誤で条件
を求めていた。また、特開平3-129734号公報では、Si/N
比が0.65〜0.825 の範囲では応力が大きいという指摘が
あり、低応力にすることは知られていない。そのため必
要とするSi/N組成比に対して望ましい低応力の膜を形成
するには予め実験的に成膜条件を決めておかなければな
らないという手間があり、それにかかる時間とコストが
膨大なものになっているという問題があった。
しつつある半導体装置の配線などに対しては、さらに低
応力な保護膜が求められている。SiN 膜は成膜条件によ
ってその特性が大きく変わり、必要とする性能を備える
ために成膜条件の組合せを試行錯誤で求めている状況に
ある。しかしながら、その中でも耐湿性が良いとされる
元素組成の比Si/Nが化学量論組成比の0. 75以上の場
合は成膜すると膜の応力が大きくなり、半導体装置に対
してストレスを生じてしまうという問題があり、前記の
文献類においても望ましい低応力の膜を形成するのに、
プラズマCVD法の成膜条件、即ちSiH4/NH3ガス流量
比、ガス流量、圧力、温度、高周波電力などを調整する
ことで可能であるとされているのみで、試行錯誤で条件
を求めていた。また、特開平3-129734号公報では、Si/N
比が0.65〜0.825 の範囲では応力が大きいという指摘が
あり、低応力にすることは知られていない。そのため必
要とするSi/N組成比に対して望ましい低応力の膜を形成
するには予め実験的に成膜条件を決めておかなければな
らないという手間があり、それにかかる時間とコストが
膨大なものになっているという問題があった。
【0004】Si/N比が0. 75より大きい組成の場合、
膜には過剰のSi原子が存在し、それは本来窒素原子があ
るべき位置に入り込んでSi-Si 結合を形成している。し
かしながら、SiN 膜は非結晶構造であり、元々Si-N結合
ばかりではなくSi-Si 結合や未結合部分なども存在し、
さらにSi-H結合やN-H 結合も含んでいる。従って膜内の
各結合の量や分布状態によって内部応力は大きく変化す
る。この内部応力の発生機構は明らかにされていない
が、発明者等はSiN 膜内に存在するSi-Si 結合は圧縮応
力を発生させ、Si-H結合やN-H 結合(あわせて水素結合
と記す)は引張り応力を発生させることを実験的に見い
出した。このため発明者らは特定のSi/N組成比に対し
て、適量の水素結合を含有させることで応力のバランス
がとれることに着目して本発明を提案するに到った。
膜には過剰のSi原子が存在し、それは本来窒素原子があ
るべき位置に入り込んでSi-Si 結合を形成している。し
かしながら、SiN 膜は非結晶構造であり、元々Si-N結合
ばかりではなくSi-Si 結合や未結合部分なども存在し、
さらにSi-H結合やN-H 結合も含んでいる。従って膜内の
各結合の量や分布状態によって内部応力は大きく変化す
る。この内部応力の発生機構は明らかにされていない
が、発明者等はSiN 膜内に存在するSi-Si 結合は圧縮応
力を発生させ、Si-H結合やN-H 結合(あわせて水素結合
と記す)は引張り応力を発生させることを実験的に見い
出した。このため発明者らは特定のSi/N組成比に対し
て、適量の水素結合を含有させることで応力のバランス
がとれることに着目して本発明を提案するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の構成は、装置上に形成された素子や配線など
の機能的部分を、反応ガスのプラズマ化によって形成す
る窒化シリコン膜で保護している装置保護膜において、
その窒化シリコン膜を構成するシリコンと窒素との組成
比Si/N(この値をXとする)が化学量論組成比の0. 7
5より大きい範囲で、必要な組成比Si/NのXに対して、
上記の数1式で求められる水素結合量Y(cm-3)の±1
8%以内となる水素結合量を前記窒化シリコン膜が含有
することを特徴とする。望ましくはこの範囲は±13%
以内である。
め本発明の構成は、装置上に形成された素子や配線など
の機能的部分を、反応ガスのプラズマ化によって形成す
る窒化シリコン膜で保護している装置保護膜において、
その窒化シリコン膜を構成するシリコンと窒素との組成
比Si/N(この値をXとする)が化学量論組成比の0. 7
5より大きい範囲で、必要な組成比Si/NのXに対して、
上記の数1式で求められる水素結合量Y(cm-3)の±1
8%以内となる水素結合量を前記窒化シリコン膜が含有
することを特徴とする。望ましくはこの範囲は±13%
以内である。
【0006】
【作用】数1式で表される水素結合量を含有するSiN 膜
では、過剰なSiの存在、即ち大きな組成比Si/Nに応じて
発生する圧縮応力が、膜形成時に含有される相応量の水
素結合による引張り応力で相殺される。
では、過剰なSiの存在、即ち大きな組成比Si/Nに応じて
発生する圧縮応力が、膜形成時に含有される相応量の水
素結合による引張り応力で相殺される。
【0007】
【発明の効果】このように相応量の水素結合を含めてSi
N 膜を形成することにより、膜の中では水素原子が緩衝
材として存在してSi原子の圧縮応力を相殺し、耐湿性に
優れた低応力のSiN 膜の装置保護膜が実現する。
N 膜を形成することにより、膜の中では水素原子が緩衝
材として存在してSi原子の圧縮応力を相殺し、耐湿性に
優れた低応力のSiN 膜の装置保護膜が実現する。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。本発明の実施例として、半導体装置の基板上に
形成する最終保護膜としてのSiN 膜形成についてのべ
る。プラズマCVD法によるSiN 膜は、水素を含む非晶
質窒化シリコンなのでa-SiN:H 膜と書き表すことにす
る。装置としては通常のCVD装置で平行平板電極を持
つ真空容器が用いられる。この装置で反応ガスSiH4/NH3
/N2 =75〜150/50〜100/4500(SCCM)、プラズマ化のため
の高周波電力180 〜420W、温度200 〜420 ℃、圧力4.0
〜7.0Torr にて、SiH4/NH3の比を主に制御することによ
り所定のSi/N組成比を得て成膜する。図1に図5で示す
各成膜条件で形成したサンプルを示す(図1の1、2、
3)。
明する。本発明の実施例として、半導体装置の基板上に
形成する最終保護膜としてのSiN 膜形成についてのべ
る。プラズマCVD法によるSiN 膜は、水素を含む非晶
質窒化シリコンなのでa-SiN:H 膜と書き表すことにす
る。装置としては通常のCVD装置で平行平板電極を持
つ真空容器が用いられる。この装置で反応ガスSiH4/NH3
/N2 =75〜150/50〜100/4500(SCCM)、プラズマ化のため
の高周波電力180 〜420W、温度200 〜420 ℃、圧力4.0
〜7.0Torr にて、SiH4/NH3の比を主に制御することによ
り所定のSi/N組成比を得て成膜する。図1に図5で示す
各成膜条件で形成したサンプルを示す(図1の1、2、
3)。
【0009】図1は各成膜条件で形成したa-SiN:H 膜の
うち、0 〜150MPaの圧縮応力のもののSi/N組成比に対す
る水素結合量を示している。図1からわかるように、低
応力となるものはほぼ一直線上に並び、Si/N組成比に比
例しており、過剰Siの量に相応した水素結合量で応力が
相殺されることを示している。そこでこれらのデータに
よる回帰直線を求めると数1式で表された(相関係数0.
95、データ総数約40)。なお膜応力は、Si基板にa-SiN:
H 膜を形成し、その前後のSi基板の反りの量を測定して
得、水素結合量は赤外吸収スペクトル法(FT-IR 法)を
用いて定量化して得た(図3参照)。その定量化はW.A.
Lanford 等(J.Appl.Phys. Vol.49,No.4,P2473,April(1
978))によって提案されている手法を用い、
うち、0 〜150MPaの圧縮応力のもののSi/N組成比に対す
る水素結合量を示している。図1からわかるように、低
応力となるものはほぼ一直線上に並び、Si/N組成比に比
例しており、過剰Siの量に相応した水素結合量で応力が
相殺されることを示している。そこでこれらのデータに
よる回帰直線を求めると数1式で表された(相関係数0.
95、データ総数約40)。なお膜応力は、Si基板にa-SiN:
H 膜を形成し、その前後のSi基板の反りの量を測定して
得、水素結合量は赤外吸収スペクトル法(FT-IR 法)を
用いて定量化して得た(図3参照)。その定量化はW.A.
Lanford 等(J.Appl.Phys. Vol.49,No.4,P2473,April(1
978))によって提案されている手法を用い、
【数2】H結合量(cm -3) =(1.4 ×( N-H 結合の信号
値A×半値幅Δν)+(Si-H結合の信号値×半値幅)−
1.63)/(K×膜厚(cm))
値A×半値幅Δν)+(Si-H結合の信号値×半値幅)−
1.63)/(K×膜厚(cm))
【数3】K= 6.62×10-18 (cm) で求められる。Kは換算係数である。数2式のAの値は
図3で示されるように、信号のベースラインの強度I0
から信号ピーク値Iの大きさの比の対数を取ったもので
図3で示されるように、信号のベースラインの強度I0
から信号ピーク値Iの大きさの比の対数を取ったもので
【数4】A=log(I0 /I) と表され、真の信号高さを表している。また、半値幅Δ
νは信号強度が
νは信号強度が
【数5】I’=(I0 I)1/2 の値で示される信号ピークが半減した時の幅を示す。Si
-H結合に対しても同様にして求め、数2式を計算する。
-H結合に対しても同様にして求め、数2式を計算する。
【0010】なお、図1に屈折率の軸がSi/N組成比に対
応してあるのは、Si/N組成比の厳密な測定が高価な測定
装置を必要とするため、おもなデータ数点を精密測定
し、残りはSi/N組成比が屈折率にほぼ対応している(文
献Aによる)ことを利用してプロットしたためである。
応してあるのは、Si/N組成比の厳密な測定が高価な測定
装置を必要とするため、おもなデータ数点を精密測定
し、残りはSi/N組成比が屈折率にほぼ対応している(文
献Aによる)ことを利用してプロットしたためである。
【0011】さらに、図1において、Si/N組成比が約0.
83のあたりで直線からの偏差が大きいデータが得られて
いるため、Si/N組成比が0.83での膜応力に対して水素結
合量を求めたところ図2のようになった。この水素結合
量の分布はおおよそ1.18〜1.42×1022cm-3の範囲となっ
ており、数1式の回帰直線で示される値1.38×1022cm-3
に対してほぼ15%の偏差を示していることがわかっ
た。従って目的とする低応力の膜は数1式で表される水
素結合量値の±18%以内であればよいことが判明し
た。この場合、この範囲内で必ずしも圧縮応力となら
ず、わずかに引張り応力となるものも含まれるが、値が
充分小さいので差し支えない。しかし望ましい範囲は±
13%以内である。
83のあたりで直線からの偏差が大きいデータが得られて
いるため、Si/N組成比が0.83での膜応力に対して水素結
合量を求めたところ図2のようになった。この水素結合
量の分布はおおよそ1.18〜1.42×1022cm-3の範囲となっ
ており、数1式の回帰直線で示される値1.38×1022cm-3
に対してほぼ15%の偏差を示していることがわかっ
た。従って目的とする低応力の膜は数1式で表される水
素結合量値の±18%以内であればよいことが判明し
た。この場合、この範囲内で必ずしも圧縮応力となら
ず、わずかに引張り応力となるものも含まれるが、値が
充分小さいので差し支えない。しかし望ましい範囲は±
13%以内である。
【0012】次に膜内の応力の発生メカニズムについて
説明する。図4に分子の結合模型の様子が示してある。
SiN 膜内に含まれる各結合の結合長は図4(d) に示すと
おりで、SiN 膜の基本結合であるSi-N結合に比べてSi-S
i 結合の結合長が長いため、Si-N結合の中にSi-Si 結合
が含まれるとその余分なSi原子は周囲に圧縮を生じさせ
る(図4(b))と考えられ、逆に水素結合の場合は結合長
が短く、そこで結合が終端されるため周囲とのバランス
が崩れて引張り応力を発生させるものと考えられる(図
4(c))。従ってSi過剰なSiN 膜においては圧縮応力が過
剰になっており、これが下地の半導体装置などにストレ
スを与えるものと見なせる。そのため、引張り応力を膜
内に含ませることでマクロ的にこの圧縮応力を相殺する
ことが可能である。従って水素結合を適量含ませればよ
いことになる。なお、結合の中に含まれる反応性に富む
Siの未結合手の存在は膜の不安定な要因となるので、こ
れを水素結合させてしまうことが望ましく、Si未結合手
の存在量としては1017cm-3以下が望ましい。
説明する。図4に分子の結合模型の様子が示してある。
SiN 膜内に含まれる各結合の結合長は図4(d) に示すと
おりで、SiN 膜の基本結合であるSi-N結合に比べてSi-S
i 結合の結合長が長いため、Si-N結合の中にSi-Si 結合
が含まれるとその余分なSi原子は周囲に圧縮を生じさせ
る(図4(b))と考えられ、逆に水素結合の場合は結合長
が短く、そこで結合が終端されるため周囲とのバランス
が崩れて引張り応力を発生させるものと考えられる(図
4(c))。従ってSi過剰なSiN 膜においては圧縮応力が過
剰になっており、これが下地の半導体装置などにストレ
スを与えるものと見なせる。そのため、引張り応力を膜
内に含ませることでマクロ的にこの圧縮応力を相殺する
ことが可能である。従って水素結合を適量含ませればよ
いことになる。なお、結合の中に含まれる反応性に富む
Siの未結合手の存在は膜の不安定な要因となるので、こ
れを水素結合させてしまうことが望ましく、Si未結合手
の存在量としては1017cm-3以下が望ましい。
【0013】このように低応力のa-SiN:H 膜を形成する
のに数1式で示される量の水素を含有させることにより
目的に応じたSi/N組成比で形成できることが提供でき
た。
のに数1式で示される量の水素を含有させることにより
目的に応じたSi/N組成比で形成できることが提供でき
た。
【0014】本発明のSiN 膜は半導体装置の保護膜とし
て以外にも、光素子などの部品や微小な機械装置などの
保護膜としても効果がある。
て以外にも、光素子などの部品や微小な機械装置などの
保護膜としても効果がある。
【図1】本発明の実施例のa-SiN:H 膜に含まれるSi-H結
合量の範囲分布図。
合量の範囲分布図。
【図2】図1のSi/N組成比0.83における偏差を示すSi-H
結合量の範囲分布図。
結合量の範囲分布図。
【図3】水素結合量を測定する赤外吸収スペクトル法の
測定データチャート。
測定データチャート。
【図4】SiN 膜中に含まれる結合の分子模型図。
【図5】各サンプルの成膜条件一覧図。
1〜3 各成膜条件で形成した低応力なサンプルデー
タ。
タ。
Claims (1)
- 【請求項1】装置上に形成された素子や配線などの機能
的部分を、反応ガスのプラズマ化によって形成する窒化
シリコン膜で保護している装置保護膜において、 前記窒化シリコン膜を構成するシリコンと窒素との組成
比Si/N(この値をXとする)が化学量論組成比の0. 7
5より大きい範囲で、必要な前記組成比Si/NのXに対し
て、数1式 【数1】 Y=1. 01×1022X + 0. 54×1022 で求められる水素結合量Y(cm-3)の±18%以内とな
る水素結合量を前記窒化シリコン膜が含有することを特
徴とする装置保護膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182293A JPH06216121A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 装置保護膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2182293A JPH06216121A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 装置保護膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06216121A true JPH06216121A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=12065758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2182293A Pending JPH06216121A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 装置保護膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06216121A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005005280A (ja) * | 2002-05-21 | 2005-01-06 | Otb Group Bv | 半導体基板を不動態化する方法 |
US7504276B2 (en) | 2004-08-04 | 2009-03-17 | Denso Corporation | Micro device having micro system structure and method for method for manufacturing the same |
JP2017083187A (ja) * | 2015-10-23 | 2017-05-18 | 三菱電機株式会社 | 半導体圧力センサ |
-
1993
- 1993-01-14 JP JP2182293A patent/JPH06216121A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005005280A (ja) * | 2002-05-21 | 2005-01-06 | Otb Group Bv | 半導体基板を不動態化する方法 |
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US10906800B2 (en) | 2015-10-23 | 2021-02-02 | Mitsubishi Electric Cornoration | Semiconductor pressure sensor |
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