JPH06215713A - 電子顕微鏡の絞り装置 - Google Patents
電子顕微鏡の絞り装置Info
- Publication number
- JPH06215713A JPH06215713A JP808293A JP808293A JPH06215713A JP H06215713 A JPH06215713 A JP H06215713A JP 808293 A JP808293 A JP 808293A JP 808293 A JP808293 A JP 808293A JP H06215713 A JPH06215713 A JP H06215713A
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- JP
- Japan
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- diaphragm
- diaphragm plate
- plate
- electron beam
- function
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】クリーニングの頻度を改善すると共に絞り板を
絞り板としての機能とファラデーカップとしての機能を
兼ね備えた電子顕微鏡の絞り装置を提供すること。 【構成】絞り板は、上部絞り板2と下部絞り板4の二重
構造になっており、下部絞り板絞り穴9の穴径を上部絞
り板絞り穴8の穴径より大きくする。絞られた電子線3
は、下部絞り板4により軌道を阻害されることなく絞り
装置として作用する。また、この絞り穴は複数設けてあ
る。ファラデーカップとしての機能は、下部絞り板絞り
穴9の位置に電子線を吸収する物質6を設けることによ
り絞られた電子線3の電流値を電流計7で計測する。
絞り板としての機能とファラデーカップとしての機能を
兼ね備えた電子顕微鏡の絞り装置を提供すること。 【構成】絞り板は、上部絞り板2と下部絞り板4の二重
構造になっており、下部絞り板絞り穴9の穴径を上部絞
り板絞り穴8の穴径より大きくする。絞られた電子線3
は、下部絞り板4により軌道を阻害されることなく絞り
装置として作用する。また、この絞り穴は複数設けてあ
る。ファラデーカップとしての機能は、下部絞り板絞り
穴9の位置に電子線を吸収する物質6を設けることによ
り絞られた電子線3の電流値を電流計7で計測する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査電子顕微鏡におい
て電子線の開き角を調整する絞り装置に関するものであ
る。
て電子線の開き角を調整する絞り装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡においては、球面収差を
減少させるためにモリブデン等の薄膜からなる絞り板に
より電子線の開き角を調整している。従来この絞り板に
は、穴径の異なる複数の絞り穴が開いており穴の位置を
変えることで開き角の調整を行なっていた。つぎに絞り
板によって絞られた電子線は、対物レンズによって試料
表面上に焦点を結ぶ。従来、試料に照射される電流の測
定を行なうには、試料上部にファラデーカップと呼ばれ
る電流検出器を配置して電流を計測していた。
減少させるためにモリブデン等の薄膜からなる絞り板に
より電子線の開き角を調整している。従来この絞り板に
は、穴径の異なる複数の絞り穴が開いており穴の位置を
変えることで開き角の調整を行なっていた。つぎに絞り
板によって絞られた電子線は、対物レンズによって試料
表面上に焦点を結ぶ。従来、試料に照射される電流の測
定を行なうには、試料上部にファラデーカップと呼ばれ
る電流検出器を配置して電流を計測していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】絞り板の絞り穴の周辺
部には、電子線の衝撃により周囲の有機ガス分子が付着
して電子線の収束に悪影響を与え、非点収差が発生す
る。一般的に絞り穴は複数個開いているが同一径の穴は
ないためにしばしばクリーニングをしなければならない
という問題点があった。
部には、電子線の衝撃により周囲の有機ガス分子が付着
して電子線の収束に悪影響を与え、非点収差が発生す
る。一般的に絞り穴は複数個開いているが同一径の穴は
ないためにしばしばクリーニングをしなければならない
という問題点があった。
【0004】つぎに、ファラデーカップにおいては、検
出器を対物レンズと試料の間隙に配置しなければなら
ず、特に高分解能測定のために間隙を短くした時には、
検出器が入らなかったり破損する危険があるなどの問題
点があった。
出器を対物レンズと試料の間隙に配置しなければなら
ず、特に高分解能測定のために間隙を短くした時には、
検出器が入らなかったり破損する危険があるなどの問題
点があった。
【0005】本発明の目的は、同一穴径の絞り穴を複数
設けることによってクリーニングの頻度を改善すると共
に絞り板を二重構造にすることにより絞り板としての機
能とファラデーカップとしての機能を兼ね備えた電子顕
微鏡の絞り装置を提供することにある。
設けることによってクリーニングの頻度を改善すると共
に絞り板を二重構造にすることにより絞り板としての機
能とファラデーカップとしての機能を兼ね備えた電子顕
微鏡の絞り装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、絞り板に同一穴径の絞り穴を複数個設けた。
に、絞り板に同一穴径の絞り穴を複数個設けた。
【0007】また、絞り板を二重構造にし、下部絞り板
の穴径を上部絞り板の穴径より大きくすることにより上
部絞り板の絞り装置としての機能を損なわずにファラデ
ーカップとしての機能を持たせた。
の穴径を上部絞り板の穴径より大きくすることにより上
部絞り板の絞り装置としての機能を損なわずにファラデ
ーカップとしての機能を持たせた。
【0008】さらに、電流を検出するために下部絞り板
において、複数ある絞り穴の位置の1つに穴を開けずに
電子線を吸収する材質で構成することにより、上部絞り
板で絞られた電子線の電流を検出できるようにした。
において、複数ある絞り穴の位置の1つに穴を開けずに
電子線を吸収する材質で構成することにより、上部絞り
板で絞られた電子線の電流を検出できるようにした。
【0009】
【作用】複数個ある絞り穴により、絞り穴の1つが使用
不可能になっても絞り板を交換することなく他の絞り穴
を使用できるので、メンテナンス周期の長期化が計れ
る。
不可能になっても絞り板を交換することなく他の絞り穴
を使用できるので、メンテナンス周期の長期化が計れ
る。
【0010】また、下部絞り板は上部絞り板より絞りの
穴径が大きいので絞り板としての機能を損なわない。さ
らに、複数ある絞り穴の位置の1つに電子線を吸収する
材質を設けたため絞り穴の位置を変えるだけで容易にプ
ローブ電流を計測することができる。
穴径が大きいので絞り板としての機能を損なわない。さ
らに、複数ある絞り穴の位置の1つに電子線を吸収する
材質を設けたため絞り穴の位置を変えるだけで容易にプ
ローブ電流を計測することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図2により説
明する。図1は、本発明の絞り板の断面図である。図1
に示すように絞り板は、上部絞り板2と下部絞り板4の
二重構造になっており、下部絞り板の絞り穴9は、上部
絞り板の絞り穴8の穴径より大きい。コンデンサーレン
ズにより収束された電子線1は、上部絞り板2により電
子線3のように絞られ、試料10に照射される。このと
き電子線3は、下部絞り板4により軌道を阻害されるこ
となく、試料10に達することができる。以上により電
子線の開き角を調整する絞り装置としての効果を得られ
る。また、上部絞り板の絞り穴8と下部絞り板の絞り穴
9を複数設けることで電子線1により上部絞り板の絞り
穴8の周辺部にコンタミネーションが付着しても他の絞
り穴を使用することができる。また、下部絞り板の絞り
穴9の位置に電子線を吸収する物質6(例えば、炭素な
ど)を設けることにより、コンデンサーレンズにより収
束された電子線1は、上部絞り板2により電子線3のよ
うに絞られた後、電子線を吸収する物質に照射され、電
流計7で電流を計測することができる。この電流値は、
試料に照射される電流(プローブ電流値)と近似であ
る。以上、本発明によれば電子線の開き角を調整する絞
り装置としての機能に加えてプローブ電流検出器(ファ
ラデーカップ)としての機能を兼ねることができる。
明する。図1は、本発明の絞り板の断面図である。図1
に示すように絞り板は、上部絞り板2と下部絞り板4の
二重構造になっており、下部絞り板の絞り穴9は、上部
絞り板の絞り穴8の穴径より大きい。コンデンサーレン
ズにより収束された電子線1は、上部絞り板2により電
子線3のように絞られ、試料10に照射される。このと
き電子線3は、下部絞り板4により軌道を阻害されるこ
となく、試料10に達することができる。以上により電
子線の開き角を調整する絞り装置としての効果を得られ
る。また、上部絞り板の絞り穴8と下部絞り板の絞り穴
9を複数設けることで電子線1により上部絞り板の絞り
穴8の周辺部にコンタミネーションが付着しても他の絞
り穴を使用することができる。また、下部絞り板の絞り
穴9の位置に電子線を吸収する物質6(例えば、炭素な
ど)を設けることにより、コンデンサーレンズにより収
束された電子線1は、上部絞り板2により電子線3のよ
うに絞られた後、電子線を吸収する物質に照射され、電
流計7で電流を計測することができる。この電流値は、
試料に照射される電流(プローブ電流値)と近似であ
る。以上、本発明によれば電子線の開き角を調整する絞
り装置としての機能に加えてプローブ電流検出器(ファ
ラデーカップ)としての機能を兼ねることができる。
【0012】つぎに、図2に本発明のファラデーカップ
機能を備えた電子顕微鏡の絞り装置の断面図を示す。上
部絞り板2と下部絞り板4は、絞りおさえ板基板14と
絞りおさえ板12に挟まれ、取付けネジ11によって固
定される。さらに、上部絞り板2と下部絞り板4の間隙
に絶縁体13が挿入される。この絶縁体13によって上
部絞り板2と下部絞り板4は絶縁され、上部絞り板2
は、接地される。下部絞り板4は、絞りおさえ板基板1
4から電流計7に配線されている。
機能を備えた電子顕微鏡の絞り装置の断面図を示す。上
部絞り板2と下部絞り板4は、絞りおさえ板基板14と
絞りおさえ板12に挟まれ、取付けネジ11によって固
定される。さらに、上部絞り板2と下部絞り板4の間隙
に絶縁体13が挿入される。この絶縁体13によって上
部絞り板2と下部絞り板4は絶縁され、上部絞り板2
は、接地される。下部絞り板4は、絞りおさえ板基板1
4から電流計7に配線されている。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、絞り穴を複数個設ける
ことによりメンテナンス周期の長期化を計ることができ
る。また、絞り板を二重構造にすることにより電子線の
開き角を調整する絞り装置としての機能と共にプローブ
電流検出器(ファラデーカップ)としての機能を兼ねるこ
とができる。
ことによりメンテナンス周期の長期化を計ることができ
る。また、絞り板を二重構造にすることにより電子線の
開き角を調整する絞り装置としての機能と共にプローブ
電流検出器(ファラデーカップ)としての機能を兼ねるこ
とができる。
【図1】本発明実施例の絞り板の断面図である。
【図2】ファラデーカップ機能を備えた電子顕微鏡の絞
り装置の断面図である。
り装置の断面図である。
1…電子線、2…上部絞り板、3,5…電子線、4…下
部絞り板、6…電子線を吸収する物質、7…電流計、8
…上部絞り板の絞り穴、9…下部絞り板の絞り穴、10
…試料、11…取付けネジ、12…絞りおさえ板、13
…絶縁体、14…絞りおさえ板基板。
部絞り板、6…電子線を吸収する物質、7…電流計、8
…上部絞り板の絞り穴、9…下部絞り板の絞り穴、10
…試料、11…取付けネジ、12…絞りおさえ板、13
…絶縁体、14…絞りおさえ板基板。
Claims (5)
- 【請求項1】絞り板を二重構造にすることにより絞り板
としての機能とファラデーカップとしての機能を兼ね備
えたことを特徴とする電子顕微鏡の絞り装置。 - 【請求項2】請求項1の絞り板において、下部絞り板の
穴径を上部絞り板より大きくすることで上部絞り板の絞
り装置の機能を損なわずにファラデーカップとしての機
能を持たせることを特徴とする電子顕微鏡の絞り装置。 - 【請求項3】請求項1の絞り板において、上部,下部の
絞り板を絶縁することを特徴とする電子顕微鏡の絞り装
置。 - 【請求項4】請求項1の絞り板において、同じ穴径の絞
り穴を複数配置することにより絞り穴の1つが使用不可
能になっても絞り板を交換することなく他の絞り穴を使
用できることを特徴とする電子顕微鏡の絞り装置。 - 【請求項5】請求項4の下部絞り板において、複数ある
絞り穴の位置の1つに穴を開けずに電子線を吸収する材
質で構成することにより、上部絞り板で絞られた電子線
の電流を検出することを特徴とする電子顕微鏡の絞り装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP808293A JPH06215713A (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 電子顕微鏡の絞り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP808293A JPH06215713A (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 電子顕微鏡の絞り装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06215713A true JPH06215713A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=11683417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP808293A Pending JPH06215713A (ja) | 1993-01-21 | 1993-01-21 | 電子顕微鏡の絞り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06215713A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008010177A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Hitachi High-Technologies Corp | 環境制御型電子線装置 |
-
1993
- 1993-01-21 JP JP808293A patent/JPH06215713A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008010177A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-01-17 | Hitachi High-Technologies Corp | 環境制御型電子線装置 |
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