JPH062139Y2 - 透明容器に試薬を封入した簡易水質検査器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本案は、河川，水道，工場排水等の水質検査を行なう簡
易水質検査器に関する。

従来の技術 簡易水質検査器には、その一形式としてポリエチレン製
容器に試薬を封入したものがある。このものは出願人の
開発に係るもので、ピン等により容器に孔が明けられ、
内部の空気を絞り出して被検水に浸漬し、容器内に吸い
込まれた水と容器内の試薬との反応による発色の程度を
所定の時間後に観察するものである。

考案が解決しようとする課題 上記発色の程度は、別に準備された用紙に示される一連
の標準色中のどれに近いのか判断が行われるのである
が、被検要素としては種々のものがあり、それらに対す
る検査器も複数本ずつ準備されるので、試薬を異にする
検査器が誤って混在させられる恐れがある。また、標準
色用紙を片手に持って行う作業は非能率的である。本案
はこの点の解決を図ることを目的とする。

課題を解決するための手段 本案は、試薬を内部に封入されている器体が合成樹脂製
の透明容器とされ、使用に際しピン等により孔が明けら
れ、容器の内部の空気を絞り出して容器を被検水に浸漬
することにより被検水が容器内に採取される形式のもの
において、一連の変色標準色および被検要素名を表示す
る表示シートを容器の周面に沿わせ、この表示シートを
覆う透明な合成樹脂製フイルムを器体に接合させたこと
を特徴とする。

作用 一連の変色標準色は合成樹脂製（ポリエチレン製）の器
体上に表示しにくいものであるため、その表示に別につ
くられた表示シートが使用される。この表示シートは合
成樹脂フイルムにより覆われていて器体が被検水に浸漬
されるときに該シート上の標準色が汚染されないように
されている。

器体内に吸い込まれた被検水と器体に封入された試薬と
の反応による発色は所定の時間後に至近距離にある表示
シート上の一連の標準色と比較され、発色に近いものと
して選定された標準色に対してはサインペン等を使用し
て合成樹脂フイルム上にチェックマークがつけられる。
合成樹脂フイルムは採水場所および日時等の記載に利用
される。

実施例 第１図は本案による簡易水質検査器の斜視図で、この図
において、ＴＢは検査器の器体、ＴＭはそれに封入され
た試薬である。器体ＴＢは所定の長さに切断されたポリ
エチレン管の両端を溶着閉塞することにより作られる。

器体ＴＢの周面には第３図に示すごとく一連の変色標準
色ＣＳおよび被検要素名（例えば遊離塩素）を表示され
た表示シートＳＣＳが沿わされている。表示シートＳＣ
Ｓは透明な合成樹脂フイルムＣＦにより覆われ、この合
成樹脂フイルムＣＦは器体ＴＢに接合されている。接合
は、溶着法または接着剤を使用する方法による。

表示シートＳＣＳおよび合成樹脂フイルムＣＦを接合す
る工程は長尺のポリエチレン管を所定の寸法に切断しつ
つ行う連続工程の途中において行われる。

考案の効果 本案は試薬との反応により発色させられた水と一連の変
色標準色との間の距離を極度に短縮させて被検要素の濃
度を判断し易くする。更に、本案は水質検査器がどのよ
うな物質を被検要素とするかの点について誤認発生のお
それをなくし、検査器の供給，保管を容易にする効果を
もたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案による水質検査器の斜視図、第２図は第１
図のII−II線方向の横断面図、第３図は第１図および第
２図中の表示シートの一部を示す平面図、第４図は第１
図〜第３図の器体、表示シートおよび合成樹脂フイルム
を展開して示す横断面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】試薬を内部に封入されている器体が合成樹
   脂製の透明容器とされ、使用に際しピン等により孔が明
   けられ、容器の内部の空気を絞り出して容器を被検水に
   浸漬することにより被検水が容器内に採取される形式の
   ものにおいて、一連の変色標準色および被検要素名を表
   示する表示シートを容器の周面に沿わせ、この表示シー
   トを覆う透明な合成樹脂製フイルムを器体に接合させた
   ことを特徴とする、透明容器に試薬を封入した簡易水質
   検査器。