JPH06212187A - ワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールとの分離方法 - Google Patents

ワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールとの分離方法

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JPH06212187A
JPH06212187A JP2170893A JP2170893A JPH06212187A JP H06212187 A JPH06212187 A JP H06212187A JP 2170893 A JP2170893 A JP 2170893A JP 2170893 A JP2170893 A JP 2170893A JP H06212187 A JPH06212187 A JP H06212187A
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chain fatty
fatty acid
wax
acid
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JP2170893A
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Masaki Kawashima
正毅 川島
Katsuyuki Sugiyama
克之 杉山
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Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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Miyoshi Yushi KK
Miyoshi Oil and Fat Co Ltd
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    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワックスを構成する長鎖脂肪酸と高級アルコ
ールとの分離方法で、ワックスから高純度で高度に生成
された高級アルコール、長鎖脂肪酸を分離製造する。 【構成】 ワックスを構成する長鎖脂肪酸を低級アルコ
ールのエステルとし、非極性溶剤を用いて高級アルコー
ルと分別してワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールと
の分離を行い、非極性溶剤としてヘキサン、ヘプタン、
オクタンから選ばれた少なくとも1種を用い、ワックス
を構成する長鎖脂肪酸を低級アルコールのエステルとす
る反応を、加圧下におけるアルコリシスで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワックスの長鎖脂肪酸と
高級アルコールとの分離方法に関する。さらに詳しく
は、特にワックスから炭素数24以上の長鎖脂肪酸又は
その低級アルコールエステルおよび炭素数16〜36の
高級アルコールを、高純度にかつ容易に製造することの
できる、ワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールの分離
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素数24以上の長鎖脂肪酸またはその
誘導体は、物理的、化学的に多くの興味ある特性を持っ
ていることが近年判明しつつあり、プラスチック添加
剤、香粧品や情報関連分野における応用が注目されつつ
ある。このような長鎖脂肪酸は、ワックス中にエステル
の形で存在しており、良好な供給源と成り得るが、その
精製が困難であることも知られている。一方ワックスを
構成する高級アルコール、特に長鎖の高級アルコールは
健康食品の素材、植物成長促進剤等の種々の用途に応用
することができ、ワックス中の長鎖脂肪酸と高級アルコ
ールとを各々高純度に容易に得る方法、あるいはこれら
を分離する方法が要望されている。
【0003】従来、ワックスからそれを構成する脂肪酸
あるいは高級アルコールを製造する方法としては、ワッ
クスをけん化分解してアルカリ金属塩とし、水−非親水
性溶剤を用いて、長鎖脂肪酸のアルカリ塩を水相に、高
級アルコール、パラフィン等の不けん化物を溶剤相に抽
出する方法が、また高級アルコール等の不けん化物を得
る方法としては、ワックスを水不混和性有機溶媒中でけ
ん化し、アルカリ土類金属水酸化物を有機相に添加して
含まれる酸を除去する方法(特開平4−266998)
等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】天然ワックスを構成
する脂肪酸は一般に長鎖脂肪酸であり、従来の方法では
ワックスから長鎖脂肪酸及び高級アルコールの両者を高
純度に製造することは困難である。例えば、ワックスを
けん化分解して不けん化物を溶剤抽出する方法は、脂肪
酸の鎖長が長く、そのアルカリ塩の水に対する溶解性が
低いため良好な分離が望めない。一方ワックスを水不混
和性溶媒中でけん化し、けん化物を酸性化した後、アル
カリ土類金属水酸化物を有機相に添加して含まれる酸を
除去する方法は、アルカリ土類金属塩として加熱しなが
ら濾過するものであるが、濾過性が悪く、また濾過を加
熱下に行わなければならないと言う煩わしさがある。さ
らにいずれの方法においてもその工程が煩雑であると共
に、ワックスを構成する長鎖脂肪酸及び高級アルコール
の両者を共に高純度に得ることは困難であり、せいぜい
60〜80%の純度のものしか得られず、それに蒸留を
2〜5回繰り返すことによりようやく純度90〜95%
程度のものが得られる。
【0005】本発明は上記の点に着目し、なされたもの
で、天然ワックスから高純度な長鎖脂肪酸および高級ア
ルコールを、容易な方法で製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、ワックスを構成
する長鎖脂肪酸を低級アルコールのエステルとした後、
特定の溶剤の存在下に分別を行うことにより、容易に長
鎖脂肪酸と高級アルコールとを分離することができ、か
つ両者共純度高く得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0007】即ち本発明は、ワックスを構成する長鎖脂
肪酸を低級アルコールのエステルとし、非極性溶剤を用
いて高級アルコールとの分別を行い、ワックスの長鎖脂
肪酸と高級アルコールとに分離する方法であり、非極性
溶剤としてヘキサン、ヘプタン、オクタンから選ばれた
少なくとも1種を用いるワックスの長鎖脂肪酸と高級ア
ルコールとの分離方法、及びワックスを構成する長鎖脂
肪酸を低級アルコールのエステルとする反応が、加圧下
におけるアルコリシスであるワックスの長鎖脂肪酸と高
級アルコールとの分離方法である。
【0008】本発明に用いるワックスとしては、例えば
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスブ
ランワックス、まとうだいワックス、モンタンワックス
等の炭素数が24以上の長鎖脂肪酸を構成成分とする天
然ワックスが挙げられ、これらから選ばれた少なくとも
1種を用いることができる。
【0009】本発明において分離する炭素数が24以上
の長鎖脂肪酸としては、前記ワックスを構成する炭素数
が24以上の飽和脂肪酸が挙げられ、例えばテトラコサ
ン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン
酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸、トリアコンサン
酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリアコンタン酸、テト
ラトリアコンタン酸、ヘキサトリアコンタン酸、オクタ
トリアコンタン酸等が挙げられる。また、長鎖脂肪酸の
低級アルコールエステルとはこれら長鎖脂肪酸のメチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチル
エステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル等を言
う。
【0010】本発明において分離する高級アルコールと
しては炭素数16〜36のアルコールを言い、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ド
コサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オ
クタコサノール、ノナコサノール、ミリシルアルコー
ル、メリシルアルコール、ラクセリルアルコール、セロ
メリシルアルコール、テトラトリアコンタノール等が挙
げられる。
【0011】本発明の分離方法においては、まず上記ワ
ックスから、その構成成分である長鎖脂肪酸を低級アル
コールのエステルとする。長鎖脂肪酸の低級アルコール
エステル化は、ワックスを加水分解した後、低級アルコ
ールでエステル化反応を行う方法、又は低級アルコール
を用いて直接ワックスのアルコリシスを行う方法が挙げ
られる。これらの反応により、長鎖を含む各種脂肪酸の
低級アルコールエステル、高級アルコール、その他色
素、パラフィン等の不純物等を含有する混合物を得る。
【0012】前記のワックスを加水分解し低級アルコー
ルでエステル化反応を行う方法としては、例えばワック
スにメタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパ
ノール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の溶剤の存在下、塩酸、硫酸、酢酸
等の酸を用いて分解を行う酸分解法、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物を用いて
分解を行うアルカリ分解法、エステラーゼを用いて行う
酵素分解法等のいずれかの方法によりワックスを分解し
た後、必要により溶剤及び水を留去し、あるいはさらに
溶剤を添加し、これに硫酸、塩酸、パラトルエンスルホ
ン酸、三フッ化ホウ素、メタンスルホン酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のエステル化触媒及び低級ア
ルコールを加え、低級アルコールの還流下、1〜10時
間エステル化反応を行う方法が挙げられる。
【0013】又ワックスと低級アルコールとを用いたア
ルコリシス反応は、例えばワックスにヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶
剤、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、三フッ化ホ
ウ素、メタンスルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の触媒及び低級アルコールを加え、好ましくは
2〜25kg/平方cm、より好ましくは5〜20Kg
/平方cmの加圧下に、60〜200℃で1〜10時間
反応して行うことができる。ワックス中の長鎖脂肪酸の
低級アルコールエステルを製造する方法においては、前
記ワックスを加水分解した後で低級アルコールを用いて
エステル化反応を行う方法よりも、アルコリシスによる
方法の法が、容易であり、工程が簡略であるためより好
ましい。
【0014】前記エステル化反応及びアルコリシス反応
に用いる低級アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキ
サノール等が挙げられ、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールがより好ましい。
【0015】エステル化反応後、反応混合物を水洗する
ことにより過剰に存在する低級アルコール、触媒等を除
去することができる。反応混合物の水洗は、反応混合物
に対し、50〜90℃の水を1〜5重量倍加えて混合し
た後、静置し、水相を除去することにより行うことがで
き、通常1回のこの操作で、低級アルコール、触媒等を
除去することが出来るが、必要により、この操作を繰り
返すことができる。
【0016】次にワックスを構成する長鎖脂肪酸の低級
アルコールエステルと高級アルコールとの混合物を、非
極性溶剤を用いて、長鎖脂肪酸の低級アルコールエステ
ルと高級アルコールとに分別する。分別に用いる非極性
溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン及びキシレン等が挙げら
れ、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等がよりが好まし
い。また非極性溶剤の量は上記低級アルコールエステル
に対し、0.5〜30重量倍が好ましく、1〜10重量
倍がより好ましい。前記いずれかの方法で得られる長鎖
脂肪酸低級アルコールエステルと高級アルコールの混合
物に非極性溶剤を加え、50〜100℃に加熱して溶解
し、次いで35℃以下、より好ましくは15〜30℃に
冷却すると、高級アルコールを主成分とする結晶部と、
長鎖脂肪酸の低級アルコールエステルを主成分とする溶
液部とが現れ、これを分離して、結晶状の高級アルコー
ルと、長鎖脂肪酸の低級アルコールエステルの非極性溶
剤溶液が得られる。結晶と溶液を分離する方法としては
濾過、遠心分離、デカンテーション等を用いることがで
きる。1回のこの操作で十分な純度を有する溶液が得ら
れるが、さらに高純度のものが要望される時には、必要
によりこの操作を繰り返すことができる。
【0017】上記分別に用いる非極性溶剤は、長鎖脂肪
酸を低級アルコールのエステルとした後の混合物に添加
して分別を行うことができるが、またワックスに非極性
溶剤を添加しその存在下に低級アルコールとのアルコリ
シスを行い、必要により非極性溶剤の量を調整した後、
引き続いて分別を行うことができ、後者のほうが工程が
簡略でより好ましい。
【0018】本発明の分離方法において、高級アルコー
ルを主成分とする結晶部と、長鎖脂肪酸の低級アルコー
ルエステルを主成分とする非極性溶剤溶液とに分別し、
それぞれ高級アルコールを80%以上、長鎖脂肪酸の低
級アルコールエステルを90%以上の純度で含有する
が、ついでこれらを各々、常法により精製して、高級ア
ルコール、長鎖脂肪酸の低級アルコールエステルを高純
度なものとして得ることができ、またさらに長鎖脂肪酸
の低級アルコールエステルを加水分解して高純度の長鎖
脂肪酸が得られる。
【0019】例えば、長鎖脂肪酸の低級アルコールエス
テルは、得られた長鎖脂肪酸の低級アルコールエステル
の非極性溶剤溶液を、常圧もしくは減圧下に加熱して、
溶剤を除去し、次いで減圧下、初留を留去することによ
り炭素数24以上で純度の高い長鎖脂肪酸の低級アルコ
ールエステルを得ることができる。さらにこの長鎖脂肪
酸の低級アルコールエステルを常法に従い、蒸留、精
留、分留、極性溶剤を用いた再結晶、活性アルミナ、活
性シリカゲル、活性ゼオライト、活性炭等を用いた吸着
処理等による精製を行うことにより、さらにその純度を
上げることができ、炭素数ごとの単体長鎖脂肪酸の低級
アルコールエステルとすることもできる。
【0020】以上のようにして得られた混合の長鎖脂肪
酸の低級アルコールエステル、または単体長鎖脂肪酸の
低級アルコールエステルは常法に従い加水分解、例えば
酸分解法、アルカリ分解法、酵素分解法により分解を行
い高純度の長鎖脂肪酸混合物あるいは単体長鎖脂肪酸を
得ることができる。
【0021】高級アルコールは、分別で得られた結晶部
を常法に従い、蒸留、精留、分留、非極性溶剤を用いた
分別、活性アルミナ、活性シリカゲル、活性ゼオライ
ト、活性炭等を用いた吸着処理等の精製を行うことによ
り、その純度を上げることができ、また炭素数ごとの高
級アルコールエステルとすることもできる。
【0022】本発明の方法により、ワックスから、それ
ぞれ高純度で高度に精製された、高級アルコール、長鎖
脂肪酸及び長鎖脂肪酸の低級アルコールエステルを得る
ことができ、高級アルコールはプラスチック添加剤、化
粧品基剤、医薬品基剤、健康食品素材、植物成長促進剤
等に、長鎖脂肪酸はプラスチック添加剤、化粧品基剤、
記録材料素材等に、長鎖脂肪酸の低級アルコールエテル
等は可塑剤、潤滑基剤、化粧品基剤等に用いることがで
きる。
【0023】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらに
限定されない。
【実施例】
【0024】実施例1 ライスブランワックス1000g、ヘプタン3500
g、メタノール500g及び水酸化ナトリウム5gをオ
ートクレーブに仕込み、10kg/平方cm、130〜
140℃で3時間反応してワックスのメタノリシスを行
った。反応終了後、60〜80℃に冷却し、常圧に戻し
た後、エステル化反応混合物溶液に同温度の温水300
0gを加え、30分間混合した後、静置し、水相を分離
除去した。この水洗を合計2回行って、過剰に用いたメ
タノール、水酸化ナトリウムを除去した。水洗したエス
テル化反応混合物溶液を25℃に冷却し、生成した結晶
部と溶液部を濾過により分離した。結晶部はトルエン1
000gに溶解し、110〜120℃に加熱して、20
gの活性白土、2gの活性炭を加え、30分間撹拌後、
濾過し溶剤を除去して高級アルコール(HA−a)52
0gを得た。溶液相は2分し、一方は溶剤を留去して長
鎖脂肪酸のメチルエステル(ME−a)140gを得
た。他方は活性シリカゲル150gを充填したカラムに
通液し、1500ccのヘプタンを用いて充填層を洗浄
し、通過した液と洗浄液を合一し、ヘプタンを留去して
長鎖脂肪酸のメチルエステル(ME−a’)130gを
得た。次にME−a’130gに水酸化カリウム70
g、トルエン130g、メタノール140g、水15g
を加え、60〜70℃で3時間加水分解し、その後10
00ccの水と150gの12N塩酸を加え、酸性とし
た後、水相を除去し、トルエン溶液を洗浄した液が中性
になるまで、60〜80℃の温水で洗浄後、トルエン溶
液を20℃に冷却し、析出した結晶を濾別し、トルエン
を乾燥除去して長鎖脂肪酸(FA−a)100gを得
た。原料に用いたライスブランワックス、得られたHA
−a、ME−a、ME−a’、FA−aの酸価(A
V)、けん化価(SV)、水酸基価(OHV)を求め、
さらにその組成をガスクロマトフィーで測定し、その結
果を表1に示す。なお、AVは基準油脂分析試験法4.
4.1−81、SVは基準油脂分析試験法4.4.2−
81、OHVは基準油脂分析試験法2.4.9.2−8
3により求めた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 ライスブランワックス1500gに水酸化カリウム36
0g、トルエン160ml、エタノール1400ml及
び水200mlを加え、70〜80℃で3時間、加水分
解を行い、次に35%塩酸で酸性とした後、溶剤相を水
洗後、溶剤を留去し、これに三フッ化ホウ素4.2g及
びエタノール1290g還流温度下に5時間エチルエス
テル化反応を行った。反応終了後、エステル化反応混合
物溶液を水洗(同量の温水を用い、30分撹拌、静置、
水相の分離)を3回行い、未反応エタノールと触媒を除
去した。水洗後これにヘキサン4.5kgを加え、60
℃に加熱して溶液とした後、25℃に冷却し、生成した
結晶部と溶液相を濾過して分離した。結晶部からは溶剤
を乾燥除去して高級アルコール(HA−b)720gを
得た。また溶液相からはヘキサンを留去して長鎖脂肪酸
のエチルエステル(EE−b)430gを得た。得られ
たHA−bとEE−bの各分析値、組成を測定し、その
結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】比較例1 ライスブランワックス1000gに水酸化カリウム24
0g及び水1000mlを加え、80〜90℃で5時間
加水分解を行ったところ、反応系全体が著しいゲル状と
なり、これにヘキサン1000mlを加え、高級アルコ
ールを主成分とする不けん化物の抽出を試みたが、抽出
が行えなかった。
【0029】比較例2 ライスブランワックス1500gに水酸化ナトリウム3
60g、トルエン1600ml、エタノール1400m
l及び水200mlを加え、70〜80℃で5時間加水
分解後、塩化カルシウム700gを加え、複分解反応を
行ったところ、下層に塩化ナトリウムを含む水相、上層
に長鎖脂肪酸のカルシウム塩が懸濁した溶剤相が現れ
た。水相を分離後、溶剤相を加熱しながら濾過したが濾
過性が悪く、遠心分離にて3000r.p.mで長鎖脂
肪酸のカルシウム塩を沈降させ、溶剤相を分離した。得
られた溶剤相から溶剤を留去し、不けん化物(HA−
c)1100gを得た。また分離した溶剤不溶物は溶剤
を乾燥除去した後、濃塩酸で酸性とした、熱水にて洗浄
液が中性となるまで洗浄し、さらに乾燥して長鎖脂肪酸
(FA−c)180gを得た。得られたHA−c、FA
−cの酸価(AV)、けん化価(SV)、水酸基価(O
HV)を求めさらにその組成をガスクロマトフィーで測
定し、その結果を表3に示す。
【0030】実施例3 キャンデリラワックス1000g、メタノール500g
及び水酸化ナトリウム6gをオートクレーブに仕込み、
15kg/平方cm、150〜160℃で5時間反応し
てワックスのメタノリシスを行った。反応終了後、60
〜80℃に冷却し、常圧に戻した後、エステル化反応混
合物溶液に同温度の温水3000gを加え、30分間混
合した後、静置し、水相を分離除去した。この水洗を合
計2回行って、過剰に用いたメタノール、水酸化ナトリ
ウムを除去した。水洗したエステル化反応混合物溶液に
オクタン4000gを加えて溶解した後、30℃に冷却
し、生成した結晶部と溶液部を濾過により分離した。結
晶部はトルエン1500gに溶解し、110〜120℃
に加熱して、25gの活性白土、2.5gの活性炭を加
え、30分間撹拌後、濾過し溶剤を除去して高級アルコ
ール(HA−d)480gを得た。溶液相は溶剤を留去
して長鎖脂肪酸のメチルエステルを(ME−d)320
gを得た。原料に用いたキャンデリラワックス、得られ
たHA−d、ME−dの酸価(AV)、けん化価(S
V)、水酸基価(OHV)を求めさらにその組成をガス
クロマトフィーで測定し、その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明はワックスか
ら高純度の長鎖脂肪酸又はその低級アルコールエステル
および高級アルコールを容易に製造することのできる、
ワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールとの分離方法で
あり、ワックスを構成する長鎖脂肪酸を低級アルコール
のエステルとした後、特定の溶剤の存在下に分別を行う
ことにより、容易に長鎖脂肪酸の低級アルコールエステ
ルと高級アルコールとに分離し、高純度で高度に精製さ
れた、高級アルコール、長鎖脂肪酸低級アルコールエス
テル、長鎖脂肪酸等を得ることができる等の効果を発揮
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 11/00 2115−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワックスを構成する長鎖脂肪酸を低級ア
    ルコールのエステルとし、非極性溶剤を用いて高級アル
    コールとの分別を行うことを特徴とするワックスの長鎖
    脂肪酸と高級アルコールとの分離方法。
  2. 【請求項2】 非極性溶剤としてヘキサン、ヘプタン、
    オクタンから選ばれた少なくとも1種を用いることを特
    徴とする請求項1に記載のワックスの長鎖脂肪酸と高級
    アルコールとの分離方法。
  3. 【請求項3】 ワックスを構成する長鎖脂肪酸を低級ア
    ルコールのエステルとする反応が、加圧下におけるアル
    コリシスであることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のワックスの長鎖脂肪酸と高級アルコールとの
    分離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019077885A1 (ja) 2017-10-17 2019-04-25 日本精蝋株式会社 ゴム組成物用表面改質剤及びこれを含有するゴム組成物
KR102299290B1 (ko) * 2020-12-08 2021-09-08 주식회사 엘씨에스바이오텍 식물 유래 천연 왁스의 분획 방법

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