JPH06205940A - 多孔性金属酸化物セラミック体を使用してNOx をN2とH2O に還元する方法 - Google Patents

多孔性金属酸化物セラミック体を使用してNOx をN2とH2O に還元する方法

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JPH06205940A
JPH06205940A JP5255600A JP25560093A JPH06205940A JP H06205940 A JPH06205940 A JP H06205940A JP 5255600 A JP5255600 A JP 5255600A JP 25560093 A JP25560093 A JP 25560093A JP H06205940 A JPH06205940 A JP H06205940A
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dopant
metal
metal oxide
catalyst
porous
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JP5255600A
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Inventor
Marc A Anderson
エイ アンダーソン マーク
L Bischoff Brian
エル ビショッフ ブライアン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遷移金属と、NOx をN2とH2O に接触還元する
触媒ドーパント金属とを含む多孔性金属酸化物セラミッ
ク体を用いて、NOx をN2とH2O に還元する。 【構成】 前記遷移金属、及び前記触媒ドーパント金属
の各アルコキシドをそれぞれアルコールに溶解し、溶解
した両アルコキシドを混合し、強力に攪拌して、金属/
ドーパント混合アルコキシドを形成する。これを水に添
加して、金属水酸化物とドーパント水酸化物を含む懸濁
液を形成する。十分な量の硝酸を添加して、懸濁水酸化
物を解膠し、これを加熱し、還流して、金属酸化物とド
ーパント酸化物を含む安定なゾルを形成する。このゾル
を蒸留して、実質上全ての過剰アルコールを除去し、乾
燥してゲルを形成する。このゲルを400℃以上で加熱
して、遷移金属酸化物と触媒ドーパント酸化物を含む多
孔性金属酸化物セラミック体を調製する。気相のNOx
前記多孔性金属酸化物セラミック体にさらして、前記NO
x を多孔性セラミック体に吸着させ、吸着したNOx を触
媒によりN2とH2O に転化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック膜及び膜状
セラミック体の使用、特に、バナジウムをドープし、集
合的にNOx として知られる有害な窒素と酸素を含有する
化合物を、窒素ガス(N2)及び水(H2O )のような無害
な物質に還元する、粒状金属酸化物セラミック膜及びそ
の他のセラミック体の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】無機セラミック材料は、産業及び技術に
おいて、様々な工程や目的で用いられるが、中でも分
離、触媒、及び吸着が最も一般的である。このようなセ
ラミック材料は、多孔性により膜と呼ばれる平面層とし
て製造でき、あるいは焼結して、緻密なモノリシック
の、ガラス化又は固化したグラシン材料又はブロックと
することもできる。特に無機膜は、より頻繁に用いられ
ている有機膜よりも優れた点がいくつかある。無機膜
は、有機溶媒、塩素、及び極端なpHに対する耐性があ
る点で、有機膜より化学的に安定である。更に、無機膜
は有機膜に比べてより温度安定性が高く、生物分解及び
微生物分解に対する耐性がある。安定性が高いことか
ら、一定の孔径と孔径分布を有する無機セラミック膜
は、既知の大きさの分子の分離用にしばしば選ばれる。
無機金属酸化物セラミック材料は、孔径を正確に制御で
きること、及び望ましい物理的、化学的特性を材料に付
与することが可能なので、特に有用である。そのような
望ましい特性を有する金属酸化物材料の一例としては、
AndersonとKikkawa の米国特許第5,028,568号
明細書に記載のニオブで含浸した金属酸化物膜があり、
この膜はニオブなしの金属酸化物膜に比べて少なくとも
10倍大きい導電性を示す。慎重に孔径を制御すること
で、触媒反応に望ましい表面を有する金属酸化物材料を
得ることができる。例えば、Anderson、Tunesi、及びXu
の米国特許第5,035,784号明細書に開示の二酸
化チタン膜は、興味深い光触媒特性を有する。前記開示
の膜の細孔表面にあるチタンは、UV光照射により、ポ
リ塩化ビフェニル(PCB)のような複雑な有機分子
を、触媒作用により光崩壊させる。これら金属酸化物膜
の表面は多孔性なので、物理的な大きさ及び重さの等し
い材料の中で、比較的大きな有効表面積を有し、そのた
めより多くの触媒を基質に対して利用することができ
る。このようにして、より有効で効率的な光触媒工程
を、同じ大きさ又は容積の反応器または触媒表面積の範
囲内で行うことができる。
【0003】PCB及び他の有機物以外の有害化合物
も、無機分子の触媒作用により無害なものとすることが
できる。窒素酸化物NOとNO2 (集合的にNOx として知ら
れる)、及び硫黄酸化物SO2 とSO3 (SOX )は、そのよ
うな有害化合物のうちの二組である。煙突から排出され
るばい煙中に存在するこれらの有害分子は、酸性雨の主
たる前駆物質である。特に二酸化窒素NO2 は、大気中の
水分と反応して硝酸HNO3を生成する。一酸化窒素NOもま
た、通常の大気条件で容易にNO2 に酸化され、上述のよ
うにHNO3を形成するため、酸性雨の原因となる物質であ
る。同様に、三酸化硫黄SO3 は水と強力に反応し、硫酸
H2SO4 を形成する。大部分のSO3 は、O2存在下での、SO
2 からSO3 へのゆっくりとした転化により生成される。
幸い、O2ガス存在下でのNH3 と、V2O5の形のバナジウム
のような無機触媒により、窒素酸化物を無害なN2ガス及
びH2O に接触還元することができる。NOとNO2 の両方を
V2O5触媒上のNH3 により接触還元する化学現象について
は、Odenbrand らの"Catalytic Reduction of Nitrogen
Oxides: 1. The Reductionof NO", Applied Catalysi
s, 18: 335-352 (1985) 、及びOdenbrand らの"Catalyt
ic Reduction of Nitrogen Oxides: 2. The Reduction
of NO2", Applied Catalysis, 27: 363-377 (1986) に
記載されている。彼らの論文によれば、O2及びV2O5触媒
存在下でのNH3 によるNOとNO2 の還元は、反応条件、最
も顕著には温度に依存して、様々な化学式によりモデル
化されている。遊離酸素ガスは、明らかに触媒活性を維
持するための酸化剤として作用する。Odenbrand らが用
いたV2O5触媒は、均質共沈したSiO2-TiO2 結晶担体上に
塗布されていた。SiO2-TiO2 担体にNH4VO3を塗布して、
担体が20重量%のV2O5を含有し、V2O5が担体を単分子
層以上の厚さで覆った。多孔性の表面層は、約70%が
バナジウムであると測定された。NOx 分子を煙突の排気
から効率よく除去すれば、大気中でHNO3が形成される機
会は著しく減少するであろう。公知の接触還元薬剤の存
在と、それに付随する酸性雨による害から、接触還元に
より煙突の排気から反応物質を効率的に除去する市販の
触媒システムの開発が望まれる。先行技術に欠如してい
るのは、有害な窒素酸化物排気の効率的で大規模な接触
還元の達成を可能にする組成物である。所望の熱的、化
学的、機械的、及び生物学的安定性を有する透過型(flo
w-through)無機金属酸化物セラミック体は、この目的を
満たすであろう。それらの利点に加え、多孔性無機金属
酸化物セラミック体は、固体担体と比較して著しく表面
積が大きいことから、高い触媒活性を可能とするはずで
ある。更に、金属酸化物セラミック膜の分離能力もまた
有用であろう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明を要約すると、
NH3 とO2の存在下で、NOx 化合物をN2とH2O に効率よく
還元する、ゾル−ゲル法で調製した膜あるいは他のセラ
ミック体で、バナジア−チタニアを担持するもの、また
は担持しないものに関する発明である。開示した触媒が
膜状であるという特徴により、ガスを通過させ、有害な
反応体を膜の片側で捕集する一方、無害な生成物を膜の
反対側に逃がすことができる。本発明の目的は、NH3
よるNOとNO2 のN2とH2O への還元のための多孔性反応表
面を提供する触媒を含む、膜状及び他の形状の金属酸化
物セラミック体の創作を可能にすることにある。本発明
の他の目的は、ガス分離及び他の分離技術に利用可能な
材料を提供することにある。本発明のその他の目的、利
点、及び特徴は、以下の記載から自明となるであろう。
【0005】
【発明を解決するための手段】上述のように、集合的に
NOx と呼ばれるNOとNO2 は、煙突からの排気中にしばし
ば見出される。通常の大気条件の下で、どちらの化合物
も反応し、酸性雨の主成分である硝酸(HNO3)を形成す
る。煙突からの排気からNO及びNOx を除去すると、大気
中の硝酸の量は著しく減少し、その結果酸性雨の被害効
果も減少するであろう。NOx 還元の化学については周知
であり、例えば、五酸化バナジウム(V2O5)のような単
一触媒で、両化合物を無害な窒素ガス(N2)と水(H2O
)に還元することができることで示される。Odenbrand
らの前記文献(1985)及びOdenbrand らの前記文献(198
6)を参照。本発明は、吸着体及び触媒として作用する金
属酸化物セラミック体によるNOxの接触還元方法、及
び、該方法に使用する金属酸化物セラミック体の製造方
法を目的とする。遷移金属から形成される多くの金属酸
化物の望ましい属性の一つは、金属酸化物が、特定の化
学反応に望ましい触媒特性を有しうるということであ
る。触媒または吸着体として十分に機能するためには、
金属酸化物多孔性材料は、反応基質と触媒及び/又は吸
着体の間の広範囲な表面接触が可能な物理形状でなけれ
ばならない。金属酸化物多孔性材料は、工業規模の化学
反応における触媒として使用しうる、潜在的魅力のある
候補である。
【0006】金属酸化物材料は、多くの場合フィルム、
固体粒子、または結晶という形状で最も容易に入手可能
であるが、これらの物理形状はいずれも、触媒または吸
着体として使用する材料に望ましい大きな表面積を付与
しない。金属材料は、比較的多孔質の基質上に塗布でき
るが、安定でかつ取扱いが容易でしかも、触媒または吸
着体を反応基質に利用できる大きな表面積を有する物理
形状とすることは明らかに有利であろう。膜は、金属酸
化物セラミック体がとりうる物理形状の一つではある
が、唯一のものではない。多くの工業規模の化学反応で
使用される触媒または吸着体の典型的形状の一つは、ペ
レットである。そのようなペレットが十分な内部多孔性
を有していれば、そのようなペレットで満たされた反応
器を通過する蒸気または液圧滴は、許容範囲内であろ
う。そのようなペレットは工業的な触媒または吸着工程
でしばしば使用されるため、それらが既存の工業用途に
容易に受け入れられる形状で製造可能であるということ
は、どのような新開発の触媒または吸着体にとっても利
点となる。
【0007】金属酸化物セラミック体は、一般にゾル−
ゲル法により調製される。このような方法では、金属酸
化物をアルコールに溶解した金属アルコキシドのような
金属塩として工程に導入し、このアルコールは、反応器
中で高速で攪拌されている水に導入する。該金属アルコ
キシドを水に添加して、該金属酸化物を金属水酸化物に
加水分解する。粒子が解膠(peptizing) 工程中に獲得す
る電荷によると思われる、粒子が懸濁状態を維持する
(「ゾル」)傾向をもたらす酸を添加し、不溶金属水酸
化物を解膠する。この工程は帯電安定化の一つである。
安定化は、界面活性剤の添加により、立体的に達成する
ことも可能であろう。水中に作製したそのようなゾルを
次に脱水し、半固体材料である「ゲル」を作製できる。
そのようなゲルを更に脱水し、次に焼結すると、担持さ
れていない膜、多孔性ペレット、繊維として、または特
定の用途により、更に有孔または無孔の金属性または非
金属性の基質上に塗布した、担持された膜として成形す
ることの可能な耐久性のある硬質材料となる。触媒を混
合してセラミック体を調製する際に、反応体を触媒に付
与するのに利用できる有効な表面積が大きくなるよう
に、非常に小さな孔よりも比較的大きな孔が好ましい。
水:アルコキシド比、pH、アルコキシドの選択及び焼
結温度などの合成パラメータを慎重に制御することで、
粒度と孔径分布の両方を強力に制御できる。微視的構造
のモデルは、一般に球形の一連の粒子が焼結工程で相互
に融着し、多孔性セラミック材料を形成するというもの
であるので、ゾル中の粒子の大きさがセラミック体中の
粒子間の孔径を決定するはずである。本アプローチの背
景となる理論は、粒状体が、ゲル化工程の間に充填さ
れ、かつ焼結工程において融着して単一の材料を形成す
る、多数の離散した金属酸化物粒子から構成されるとい
うものである。従って、それらの粒子の充填密度が、最
終的に得られる物体の気孔率(porosity)を決定する。ゾ
ルのpHを調整し、ゾル状態での粒子の凝集の程度を制
御して、得られるセラミック材料の気孔率をある範囲内
に選択的に調整することができる。この手法により、結
果的に得られる材料の気孔率を、セラミック材料中の粒
子が密に充填した場合に得られる気孔率を越えて増大さ
せることが可能である。ここでの驚くべき発見は、製造
の間にセラミック体に直接混合されるにもかかわらず、
基質に対して完全に有効な状態に保たれた触媒を混合し
た、狭義ではあるが十分な大きさの孔径範囲を有する粒
状セラミック体を作製する工程を決定しうるということ
である。このような膜に触媒元素をドープすることも可
能である。米国特許第5,028,568号明細書のよ
うな先行技術では、所望のドーピング元素を固有に金属
酸化物セラミック膜に混合していた。触媒ドーパント金
属対バックグラウンド金属の比は、所望の水準の性能を
得る必要に応じて調整することができ、もちろん膜を構
成する金属自身が触媒作用を有する場合には、ドーパン
トを使用しなくてもよい。NOx を還元しうる触媒を塗布
した公知の結晶性構造物と比較して、そのような触媒セ
ラミック膜は取扱いがより容易で、より耐久性があり、
三硫化硫黄の汚染を受けにくい。更に多孔性セラミック
触媒体では、触媒材料の周囲のみではなく、中をガスが
通過することが可能である。このことにより、各触媒体
の表面積が著しく増加するだけでなく、特定の形態のセ
ラミック体が分離機能も果たすことも可能となる。
【0008】本発明の工程で用いる金属酸化物セラミッ
ク材料の有用性は、NOx を吸着し、接触還元する能力に
より引き出されるものであるから、これらの材料を触媒
または吸着体を必要とする既存の工業工程での使用に適
する形状で製造することが可能であることは利点であ
る。触媒または吸着体が一般に販売され、工業工程で利
用されている一般的な形状の一つはペレットなので、金
属酸化物セラミック材料をペレット形状で製造すること
は望ましい。ここで記載したような特定のゾルは、半固
体または粘稠形状の場合には、押出成形可能であること
が見出されている。ゾル−ゲル法によるゾルを部分的に
脱水し、粘稠ではあるが完全なゲル化材料とはせず、ゲ
ル化は開始しているが終了していない場合、そのような
部分的に固化したゲルを、適当なオリフィスを通して押
出成形して、任意の所望の大きさに切断し、成形し、再
成形することも可能な、引き伸ばされた形状を作製して
もよい。押出成形工程の間材料は半固体なので、ゲル化
工程が完了するまでの間形状を維持することが可能であ
れば、切断し成形した時の形状を維持することができ
る。換言すれば、ゲル化が開始して材料が半固体形状と
なった後に、押出または成形工程を開始する。これらの
材料は一般に物理形状を維持するので、他の成形操作も
可能である。成形工程が終了してしまえば、ゲル化が終
了するまで継続させ、形状を維持した固体ゲル材料を作
製することができる。これらの固体ゲル材料を、成形し
たゲルの形状を維持したセラミック材料に焼成し、焼結
またはガラス化することが可能である。この工程によ
り、円形などの所望の断面を有する連続押出成形物を作
製することができる。適切に焼成したそれらのペレット
は、形状を維持し、硬質で安定であり、工業用途で利用
されている任意の適当な反応器または容器に充填するこ
とができる。
【0009】ゾルを濃縮し、押出成形工程によってゲル
を押出成形することは、最終生成物の気孔率に影響する
とは思われない。従って、この方法を用いて、任意の形
状または大きさのセラミック体を調製することができ、
同時に触媒作用または吸着性を有しうる基質に対する高
いアクセシビリティを有する、非常に多孔質なセラミッ
ク体を得ることができる。ここで開示した方法を、特に
チタンとバナジウムの混合物の金属酸化物セラミック膜
について説明するが、チタンについて有効であることが
証明された方法は、珪素、アルミニウム、ニオブ及び他
の遷移金属の酸化物のような他の金属酸化物にも適用し
うることが、以前に他の当業者により説明されている。
従って、本発明の方法は他の金属にも利用可能である
が、チタンは金属酸化物セラミック膜を作製するのに有
用な金属の中でも、取扱いの比較的困難な金属のうちの
一つであると思われる。チタンはその触媒特性及び光触
媒特性から、金属酸化物体に使用しうる他の金属酸化物
と比較して、特に好都合である。同様に、NOx の還元触
媒として機能しうる他の金属も、開示した発明の工程に
有用であると考えられる。
【0010】
【実施例】実施例1 バナジアをドープしたチタニアのセラミック膜 一般に本発明の工程は、セラミック体に付着させるべき
各金属の個別のアルコキシドから混合アルコキシドを生
成することから始まる。該個別のアルコキシドを、当業
界で公知の手法を用いて、他の出発原料から調製する必
要があろう。まず、22.8ミリリットルのチタンエト
キシドを同体積のエタノールに加えた物を、1.2ミリ
リットルのバナジウムイソプロポキシドを同体積のイソ
プロパノールに加えた物と混合し、バナジウムとチタン
の混合アルコキシドを調製した。この混合物を24時
間、強力に攪拌した。得られたバナジウム−チタン混合
アルコキシドにおいて、バナジウム対チタンのモル比は
5:95(即ち、5%バナジウム)であった。次に、1
9.75ミリリットルの混合アルコキシド溶液を171
ミリリットルの水にゆっくりと添加し、チタン水酸化物
とバナジウム水酸化物の懸濁液を形成した。濃硝酸
(1.5ミリリットル)を添加し、該懸濁水酸化物を解
膠した。該懸濁液を加熱し、10時間還流して、安定な
バナジアをドープしたチタニアのゾルを形成した後、蒸
留により過剰なアルコールを該ゾルから除去した。該ゾ
ルを相対湿度56%において、ポリスチレン皿中で乾燥
し、ゲルとした。該乾燥ゲルを、最低でも400℃で4
時間加熱し、バナジウム対チタンのモル比が5:95で
あるバナジア−チタニア混合金属酸化物膜を得た。
【0011】吸着及び脱着用の自動窒素ガスマニホール
ドを用いて、セラミック体の平均孔径と表面積を決定し
た。ケルビンの等式を用い、円筒形の孔を仮定して、脱
着データから孔径を算出した。バナジア−チタニア混合
膜の、オングストローム単位で表した平均孔半径及び分
布は、合成の間のゲル焼成温度に伴い、図1に示すよう
に変化した。焼成温度525℃の場合、5%バナジアを
ドープしたチタニア膜は約25オングストロームの孔半
径を維持したのに対し、同じ膜を465℃で焼成した場
合には、平均孔半径は20オングストローム未満であっ
た。BET式を用いて、混合膜の表面積を決定した。焼
成温度の上昇に従って、表面積は減少した。5%バナジ
ウムをドープした膜について、膜の表面積を焼成温度の
関数として、図2に示した。バナジアをドープしたチタ
ニアの膜は、560℃を越える焼成温度においても40
2 /グラムを越える有用で大きな表面積を維持した。
【0012】実施例2 バナジアをドープしたチタニアのセラミック押出成形体 実施例1の半固体ゲルを加熱前に押出成形し、ポリスチ
レン皿中で形成した金属酸化物膜と外観上は同一の触媒
特性及び多孔性を有する、様々な形状及び大きさの三次
元的混合金属酸化物体を作製した。任意の適当な再成形
装置または工程を用いて、該半固体ゲルを再成形するこ
とができた。特に、該半固体ゲルを、圧力下で狭いオリ
フィスを通して押出成形することが可能であることを見
出した。これは、簡単なプラスチックシリンジを利用し
て、約8mmのオリフィス直径を有し、任意の所望の長
さに切断しうる、軽く固化したゲル化材料のチューブま
たはリボンを手動でシリンジ口から押し出して行った。
次に、成形し固化したソフトゲルを、実施例1と同様に
乾燥し焼成して、クラックフリーで、形状及び寸法安定
性があり、高度の気孔率を有するセラミック体を得た。
得られたセラミック体は乾燥工程の間に、焼結する前の
固化したソフトゲル材料の約半分に各寸法が収縮するも
のと考えた。
【0013】実施例3 膜触媒活性の評価 膜サンプルを粉砕し、触媒反応器に置いて、5%バナジ
ア−チタニア膜の触媒能力を測定した。粉砕した膜の触
媒特性は、おそらく同一組成の押出成形セラミック体と
同様であろうと考えた。反応体NO(400ppm)とNH
3 (400ppm)を触媒反応器に導入し、2種類の温
度で、NOの消失速度を測定した。224℃では、NOは膜
1グラム当たり1.12×1016分子/秒の速度で消失
した。255℃では、NOは4倍以上の4.673×10
16分子/グラム/秒の速度で消失した。第一に、1グラ
ムの膜が100平方メートルの表面積を有し、第二に、
有効な表面積のうち5%をバナジウムが専有していて、
最後に、膜が完全にバナジウムで覆われた場合、表面上
には1019のバナジウムサイトが存在するはずであると
仮定すると、バナジウム触媒がNO分子を還元する速度を
算出できた。上記の仮定を用いると、255℃での還元
速度は9.3×10-4(NO分子)/(バナジウムサイ
ト)/秒であった。この値は、250℃での値が3.3
×10-5から8.7×10-3の範囲であると報告されて
いる、膜ではない従来のTiO2担体上に担持されたバナジ
ウムの触媒速度と比較して、好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、異なる二つの焼結温度で調製した、本
発明の膜の孔径分布をプロットしたグラフである。
【図2】図2は、本発明の膜において、焼結温度の上昇
にしたがって減少する有効表面積をプロットしたグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 38/00 304 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NOx をN2とH2O に還元する方法であっ
    て、(1)遷移金属と、NOx をN2とH2O に接触還元する
    触媒ドーパント金属とを含む多孔性金属酸化物セラミッ
    ク体を調製する段階、(2)気相のNOx を前記多孔性金
    属酸化物セラミック体にさらす段階、(3)前記NOx
    多孔性セラミック体に吸着させる段階、(4)吸着した
    NOx を触媒によりN2とH2O に転化する段階、を含む方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法であって、前記調製
    段階(1)が、(a)前記遷移金属のアルコキシドをア
    ルコールに溶解する段階、(b)前記触媒ドーパント金
    属のアルコキシドをアルコールに溶解する段階、(c)
    溶解した遷移金属アルコキシドと溶解した触媒ドーパン
    ト金属アルコキシドを混合する段階、(d)混合物を強
    力に攪拌して、金属/ドーパント混合アルコキシドを形
    成する段階、(e)前記混合アルコキシドを水に添加し
    て、金属水酸化物とドーパント水酸化物を含む懸濁液を
    形成する段階、(f)十分な量の硝酸を添加して、懸濁
    水酸化物を解膠する段階、(g)前記懸濁水酸化物を加
    熱し、還流して、金属酸化物とドーパント酸化物を含む
    安定なゾルを形成する段階、(h)前記安定なゾルを蒸
    留して、実質上全ての過剰アルコールを除去する段階、
    (i)前記安定なゾルを乾燥して、ゲルを形成する段
    階、(j)前記ゲルを400℃以上で加熱して、遷移金
    属酸化物と触媒ドーパント酸化物を含む多孔性金属酸化
    物セラミック体を形成する段階、を更に含む方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法であって、前記ゾル
    乾燥段階(i)と前記ゲル加熱段階(j)の間に、前記
    乾燥ゲルを押出してセラミック体を形成する段階を加え
    た方法。
  4. 【請求項4】 前記遷移金属がチタンである、請求項1
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ドーパントがバナジウムである、請
    求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 バナジウム:遷移金属の比が5:95で
    ある、請求項5記載の方法。
JP5255600A 1992-12-24 1993-10-13 多孔性金属酸化物セラミック体を使用してNOx をN2とH2O に還元する方法 Pending JPH06205940A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US99644992A 1992-12-24 1992-12-24
US07/996449 1992-12-24

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0702997A1 (en) * 1994-09-23 1996-03-27 Ford Motor Company Limited Catalysts and method of making same
JP2008238069A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Babcock Hitachi Kk 排ガスの浄化装置及び排ガスの浄化方法,浄化触媒

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