JPH0620519B2 - 人工腎臓用選択分離膜 - Google Patents

人工腎臓用選択分離膜

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JPH0620519B2
JPH0620519B2 JP58020996A JP2099683A JPH0620519B2 JP H0620519 B2 JPH0620519 B2 JP H0620519B2 JP 58020996 A JP58020996 A JP 58020996A JP 2099683 A JP2099683 A JP 2099683A JP H0620519 B2 JPH0620519 B2 JP H0620519B2
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separation membrane
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哲之輔 国友
良忠 酒井
拓一 小林
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は血液浄化に用いられる選択分離膜に関するもの
であり、さらに詳しくは透析、過あるいは同時透析・
過によつて血液を浄化する人工腎臓用選択分離膜に関
するものである。
血液透析を中心とする人工腎臓治療によつて多くの腎不
全患者の命が救われるようになつて久しいが、今なお透
析患者の多くが種々の長期合併症に悩まされている。そ
れらの症状としては貧血、骨代謝障害、末梢神経症状な
どがある。このような症状の原因としては、その体内蓄
積が著しく認められる分子量数100から5,000の
いわゆる尿毒性中分子量物質が考えられており(Tran
s.Am.Soc.Artif.Intern.Org
ans,17,81(1971))、そのより良い除去
を目的に、透析膜よりも孔径の大きな膜を用いる血液
過法、あるいは同時透析・過法が試みられてきた。
血液過法とは、透析液を全く使用せず、膜両側に加え
られた圧力差のみで血液を過処理し、一方、過相当
分の生理的溶液を過器の上流側あるは下流側に注入す
ることにより、尿素などの低分子量代謝産物と前記の中
分子量物質との除去効率がほぼ同等となる方法である。
同時透析・過法とは、透析液を使用するとともに同時
に過も行ない、低分子量物質から中分子量物質までの
除去効率を血液透析法や血液過法よりも高めようとす
る方法である。これらの方法では、ポリメチルメタクリ
レート系膜、ポリアクリロニトリル系膜、ポリエーテル
スルホン系膜、セルロースアセテート系膜などが用いら
れており、これらの膜はアルブミン(分子量66,00
0)などの低分子量蛋白は透過させないように設計され
てきた(たとえば特開昭57−183856)。しか
し、このような血液過法や同時透析・過法では、前
記の諸合併症に関して若干の改善は認められるものの、
充分な改善を見るには至つていない。
一方、最近の研究によると、患者自身の腹膜を透析膜と
して利用し、2程度の腹膜透析液を一日に数回交換す
る連続的腹膜透析においては腹膜透析液中へ一日当り
3.6gないし20gの蛋白が漏出する(Nephron 28,2
18(1981))とともに、貧血などに対するより顕著
な改善効果が認められている(Advances in Peritoneal
Dialysis,311,Excerpta Medica,Amsterdom−Oxford−
Prinseton(1981))。
このような血液透析法、血液過法、同時過・透析
法、連続的腹膜透析法の状況を概観してみると、低分子
量蛋白までをある程度透過させる人工膜を用いて血液透
析、血液過、同時過・透析を行なえば、尿毒性中分
子量物質の除去効率が向上し、各種合併症に対してより
良い改善効果が期待され、実際、そのような試みも行な
われうようになつてきた(人工臓器、10,907(1
981))。
本発明者らは、このような効果を期待できる膜をどのよ
うに設計すべきかに鋭意検討を加えたところ、好ましい
最終特性は以外にも、通常は透過性能の劣化をもたらす
ものとして問題とされるところの、膜が血液と接触した
時に形成される血液成分付着層、および膜の孔サイズを
特定範囲内で積極的に形成させることで得られることを
見出した。
すなわち、本発明は、生理的食塩水を被処理液として用
いて測定した濾過係数に対する血液を被処理液として用
いて測定した濾過係数の比が50%以下で、かつアルブ
ミン透過率が0.5%ないし8%であって、ポリメチル
メタクリレート系、ポリアクリロニトリル系、ポリスル
ホン系およびセルロース誘導体から選ばれるポリマから
なることを特徴とする人工腎臓用選択分離膜である。
一般に膜が血液に接触した時に血液中の各種の血漿蛋白
や血球成分が膜に付着し、そのために膜の過性能が低
下する。生理的食塩水を被処理液として用いて測定した
過係数(液量/(過時間×過圧))に対する血
液を被処理液として用いて測定した過係数(同上:た
だし、過圧としては蛋白等の膜不透過成分による膠質
浸透圧を過圧から差引いた値を用いる)の比−これ
を、以下、血液接触時透水性能保持率という−が、通常
用いられている血液透析膜では50%を越え、この状態
では微小なサイズの孔が多数存在する状態に相当し、し
たがつて充分な尿毒性中分子量物質の除去が期待できな
い。それに対して、血液接触時透水性能保持率が50%
以下、さらに望ましくは35%以下で時間的に安定して
いる場合に、好適な尿毒性中分子量物質の透過状況が達
成されることが見出された。
さらに尿毒性中分子量物質を有効に透過させるためには
膜自体の孔のサイズを特定範囲に設定する必要があり、
アルブミン透過率(該膜に対して、1%アルブミン燐酸
緩衝水溶液を被処理液として用いて過を行なつた時
の、液中のアルブミン濃度の被処理液中のアルブミン
濃度に対する比)が0.5%ないし8%、さらに望まし
くは1%ないし6%である必要がある。アルブミン透過
率の下限については前述のように尿毒性中分子量物質の
有効な除去が期待される範囲に示すものであり、アルブ
ミン透過率の上限については、血液中にあつて栄養物や
代謝産物、有害物を運搬するという重要な役目を担つて
いるアルブミンの過量の喪失を制限するものであり、ア
ルブミン透過率が8%を越えるものを特に血液過法で
用いた場合には、たとえば20の液を得ようとした
時に約100gの蛋白を失なうことになり、低蛋白血漿
をもたらす懸念がある。膜面積、血液流量、過流量に
もよるが、アルブミン透過率が0.5%ないし3%の膜
は血液過法で、1%ないし6%の膜は同時過・透析
法で、2%ないし8%の膜は血液透析法で好適に用いる
ことができる。これらの場合に、連続的腹膜透析での蛋
白および尿毒性中分子量物質の排出と同様の排出状況が
実現される。
本発明の膜の材質としては、ポリメチルメクリレート
系、ポリアクリロニトリル系、ポリスルホン系およびセ
ルロース誘導体から選ばれるポリマが用いられる。血液
透析膜として常用されている再生セルロース膜では、本
発明の特定の血液接触時透水性能保持率および特定のア
ルブミン透過率という特性を付与することが困難であ
る。
上記の本発明の特性を得るには、たとえばポリメチルメ
タクリレート系重合体を膜素材として用いて中空糸状の
膜を製造する場合には、ポリマ濃度が15wt%ないし
25wt%になるようにジメチルスルホキシドなどの溶
媒に溶解する。この溶液を環状紡糸口金から吐出して中
空繊維を形成せしめた後、水を主体とした凝固浴に導い
て固化、脱溶媒を行なうに際し、凝固浴温度を12℃な
いし40℃とすることが好ましい。
膜モジユールの形態としては特に限定するものではない
が、たとえば中空繊維型や平膜層型が用いられる。
以下、本発明の効果を実施例をもつて具体的に説明す
る。
実施例1 グリニア試薬で重合したメタクリル酸メチル重合体12
部とラジカル重合法で得たメタクリル酸メチル重合体4
8部を210部のジメチルスルホキシドに溶解した紡糸
原液を環状紡糸口金の外側吐出孔より吐出し、内側に乾
燥窒素ガスを導入し中空繊維を形成した。この糸条を2
4℃の水中で凝固、脱溶媒させることによつて内径24
5μ、外径309μの中空繊維を得た。この中空繊維を
13,000本束ねて有効表面積2.0m2のモジユール
を作成し、牛血液(ヘマトクリツト値20%、総蛋白量
7.4g/dl)を用いて過実験を行なつた。血液流
量200ml/min、37℃における血液接触時透水性能
保持率は21%であつた。また、牛血清アルブミンFrV
の1%燐酸緩衝溶液(pH7.5、50mM−Phosphate、
150mM−NaCl)を用いて測定した被処理液流量200
ml/min、過流量30ml/min、37℃におけるアルブ
ミン透過率は3.9%であつた。さらに牛血漿(総蛋白
量6.9g/dl)を用いて透析実験を行なつたところ、
血漿流量200ml/min、透析液流量500ml/minにお
ける総蛋白の透析性能(クリアランス)は、過流量2
0ml/min、40ml/minの時に、それぞれ0.65ml/
min、0.80ml/minであつた。透析液中の蛋白分析に
おいては、透析液を東レ社製ダイアライザB1−100
を限外過装置として使用し濃縮し、次にクマシーブリ
リヤントブルー法(Anal.Biochem,79,544(1
977))にて分析した。
このモジユールを血液透析法にて臨床使用した。高速液
体クロマトグラフイー法で分子量2,000ないし4,
000に相当する血液中尿毒性中分子量物質の除去状況
を検討したところ、このモジユールでは3時間の透析に
より34%除去されたのに対して、通常の透析膜(血液
接触時透水性能保持率83%、アルブミン透過率0%)
を用いた3時間の透析では7%の除去に止まった。B1
−100で濃縮した透析排液を免疫電気泳動法で検討し
たところ、アルブミン、トランスフエリン、α−アン
チトリブシンおよび若干のγ−グロブリンが検出され
た。また、5時間の透析における透析排液中の蛋白量は
4.5gないし14gであつたが、この値は連続的腹膜
透析における蛋白漏出量に対応する。
実施例2 実施例1での紡糸原液ポリマ濃度を24%へ、凝固浴温
度を16℃で変更して製糸した中空繊維を13,000
本束ねたモジユールを作成した。実施例1と同様の方
法、条件にて得られたこのモジユールの血液接触時透水
性能保持率は29%、アルブミン透過率は1.2%であ
つた。
このモジユールを血液濾過法にて臨床使用した。5時間
で液を18得た例では、蛋白排出総量は11gであ
り、高速液体ウロマトグラフイーで分子量2,000な
いし4,000に相当する血液中尿毒性中分子量物質の
除去率は30%であつた。また、液の高速液体クロマ
トグラフイーパターンは、分子量2,000ないし4,
000以下の成分について、血液側のパターンとほとん
ど一致した。
実施例3 アセチル化度42%のジアセチルセルロース13部を8
7部のジメチルホルムアミドに溶解した紡糸原液を環状
紡糸口金の外側吐出孔より吐出し、内側にジメチルホル
ムアミド水溶液を導入することによつて中空繊維を形成
させた。この糸条を25℃の水中で凝固、脱溶媒させる
ことによつて、内径245μ、外径356μの中空繊維
を得た。この中空繊維を用いて有効表面積1.3m2のモ
ジユールを作成した。
実施例1と同様の方法、条件にて得られたことのモジユ
ールの血液接触時透水性能保持率は30%であり、アル
ブミン透過率は2.5%であつた。
このモジユールを用いて血液透析を行ない、透析排液を
東レ社製ダイアライザB1−Lを限外過装置として使
用して濃縮したところ、含まれる蛋白成分は、連続的腹
膜透析の排液を濃縮して得たサンプルのそれにほとんど
一致した。
実施例4 AMOCO社製ポリスルホン(P−3500)18重量
部をジメチルアセトアミド82重量部に溶解した紡糸原
液を、環状紡糸口金の外側吐出孔から吐出し、内側にジ
メチルアセトアミド水溶液を導入することによって中空
糸条を形成させた。この吐出糸条を30℃の水中で凝
固、脱溶媒させることによって、内径220μ、外径3
20μの中空繊維を得た。この中空繊維8,500本を
用いて、有効膜面積1.1mのモジュールを作成し
た。
実施例1と同様の方法および条件下で測定したこのモジ
ュールの血液接触時透水性能保持率は、7%であり、ア
ルブミン透過率は1.2%であった。
このモジュールを用いて血液透析を行ない、測定した回
収透析廃液の蛋白成分は、腹膜透析排液における蛋白成
分とほとんど一致した。
実施例5 ポリアクリロニトリル15重量部を、ジメチルスルホキ
シド85重量部に溶解した紡糸原液を、実施例1と同様
に環状紡糸口金の外側から吐出し、内部に窒素ガスを注
入しつつ、30℃の凝固浴中に導いて、凝固、脱溶媒を
行ない、中空繊維を得た。この内径302μ、外径36
5μの中空繊維2,400本を用いて、有効表面積0.
3mのモジュールを作成した。
このモジュールを用いて、実施例1と同様に測定した血
液接触時透水性能保持率は35%で、このときのアルブ
ミン透過率は、0.8%であった。
フロントページの続き 審判の合議体 審判長 竹内 浩二 審判官 山田 充 審判官 佐伯 義文 (56)参考文献 特開 昭49−108320(JP,A) 特開 昭50−128773(JP,A) 特開 昭57−42918(JP,A) 特開 昭55−148208(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理的食塩水を被処理液として用いて測定
    した濾過係数に対する血液を被処理液として用いて測定
    した濾過係数の比が50%以下で、かつアルブミン透過
    率が0.5%ないし8%であって、ポリメチルメタクリ
    レート系、ポリアクリロニトリル系、ポリスルホン系お
    よびセルロース誘導体から選ばれるポリマからなること
    を特徴とする人工腎臓用選択分離膜。
  2. 【請求項2】ポリメチルメタクリレート系ポリマからな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の人工
    腎臓用選択分離膜。
JP58020996A 1983-02-10 1983-02-10 人工腎臓用選択分離膜 Expired - Lifetime JPH0620519B2 (ja)

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JP58020996A JPH0620519B2 (ja) 1983-02-10 1983-02-10 人工腎臓用選択分離膜

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JPS59147602A JPS59147602A (ja) 1984-08-24
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS536249B2 (ja) * 1973-02-17 1978-03-06
JPS548470B2 (ja) * 1974-04-02 1979-04-16
JPS55148208A (en) * 1979-04-28 1980-11-18 Nippon Zeon Co Ltd Hollow fiber
JPS5742918A (en) * 1980-08-29 1982-03-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd Hollow cellulosic derivative fiber

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JPS59147602A (ja) 1984-08-24

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