JPH06203002A - ネットワーク処理装置 - Google Patents

ネットワーク処理装置

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JPH06203002A
JPH06203002A JP4349017A JP34901792A JPH06203002A JP H06203002 A JPH06203002 A JP H06203002A JP 4349017 A JP4349017 A JP 4349017A JP 34901792 A JP34901792 A JP 34901792A JP H06203002 A JPH06203002 A JP H06203002A
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JP
Japan
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value
signal
signal line
network
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JP4349017A
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Tomoo Aoyama
智夫 青山
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Hitachi Ltd
Hitachi Computer Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Computer Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】物質の物理化学量と生理活性量との間に線形関
係が見いだせないとき、両者の間の非線形な関係を求め
る。 【構成】化合物を物理化学的手段によって測定した値
は、信号線55を介して入力素子2に入力される。入力
素子2は、入力された観測量等をスケーリングする。情
報伝達手段5は、入力された信号値に内部のレジスタに
保持されている値を乗じ、シンク側に送出する。演算素
子3,4は、情報伝達手段5から送出される信号値の総
和をとり、その結果に動作関数を作用させ、作用後の結
果を次段に送出する。以上が、第1のネットワークのフ
ォワード方向の処理である。以下フィードバック方向の
処理について述べる。論理部6は、演算素子4の出力値
と教師データとの差の2乗を計算する手段であり、論理
部7は、論理部6の出力値の総和をとる手段である。信
号線75は、教師データが入力される。FD/HDは、
外部記憶手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】物質の複数種類の物理化学量と、
生理活性量との間の相関関係を求め、その相関関係にも
とづき、より目的に合致した物質の探索、その物質の化
学構造の予測等に関し、特に、医薬品開発、試薬、触媒
合成等の分野での応用装置を提供する
【0002】。
【従来の技術】物質の複数種類の物理化学的な測定量
(以下、単に「物理化学量」とも称する)と、生理活性
的な量(以下、単に「生理活性量」とも称する)との間
の相関関係を求めることは、「構造活性相関」と称され
る。従来では、かかる構造活性相関を計算する方法とし
て、統計学に基づく幾つかの方法が知られている。生理
活性量が、カテゴリーに区分される場合、ALS法(A
daptiveLeast−Squares meth
od:例えば、藤田稔夫編「構造活性相関とドラッグデ
ザイン」,化学増刊107号、化学同人、京都(198
6)、pp.103〜106等に記載されている)、ま
た、生理活性量が測定可能な量であるとき、重回帰分析
法(例えば、C.J.Brookes, I.G.Betteley, and S.M.Lox
ston, "Mathematics snd Statistics for Chemists",J.
Wiley & Sons.Ltd.,London1966.,石川馨,武田和久訳
「数学と統計学」,東京化学同人,東京(1973), pp.305
〜326等に記載されている)が、一般に良く用いられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、従来のALS
法、重回帰分析法においては、物質の有する複数種類の
物理化学量と、生理活性量との間の相関関係が、線形関
係を有する場合にのみ有効な方法である。重回帰分析法
においては、物理化学量と、生理活性量との間の相関関
係式が理論的な解析から判明していれば、その関係式
が、たとえ非線形であっても線形化して取り扱うことも
可能である。しかし、そのような場合は極めて少なく、
各種の化合物製造の現場等では、線形重回帰分析法が使
用されている。物理化学量と、生理活性量との間に、線
形の相関関係が存在するのは、物質濃度が希薄な場合で
あり、化合物を合成したり、薬物が生理活性を発生させ
る条件である場合は、両者の関係は殆ど非線形である。
このような場合に、線形近似を適用すると、解が求まら
なかったり、近似の程度を表わす決定係数が著しく低下
し、解析精度を低下せしめる事態も発生する。従って、
現実的な物質濃度で使用可能な非線形近似に基づいた、
物理化学量と、生理活性量との間の相関関係を求める手
段の提供が強く望まれていた。本発明の目的は、実用に
供せられる非線形近似の構造活性相関法を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、以下の手段が考えられる。
【0005】少なくとも1以上の入力素子を備える入力
部と、処理部と、少なくとも1以上の出力素子を備える
出力部を有して構成される装置であって、前記処理部
は、少なくとも1以上の演算素子と各々の演算素子を接
続する情報伝達媒体と、入力部と処理部を接続する情報
伝達媒体と、出力部と処理部を接続する情報伝達媒体を
備えて構成されるネットワーク装置において、各入力素
子は、与えられた物理化学量をある信号に変換する機能
を有し、各演算素子は、該信号に含まれる情報にもとづ
く統計情報を、予め定めている、少なくとも一回微分可
能な関数Fによって信号変換し、変換後の情報を出力信
号として出力部に送出する機能を有し、さらに、前記入
力素子、演算素子、および出力素子の任意の3つの素子
において、該3つの素子に介在する情報伝達媒体が、ソ
ースとなる手段の出力値にある数値を乗じて、該数値を
シンクとなる手段に伝える機能を有しており、前記出力
部から得られる出力信号が、前記物理化学量の変動量に
対応した、生理活性情報であるネットワーク処理装置で
ある。また、前記物理化学量は、分子屈折率、分子容、
HPLCのリテンション定数、イオン化ポテンシャル、
電子親和力、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペク
トル、双極子モーメント、置換基の疎水性指標、ファン
デワールス半径値、フィールド定数、タフトの立体定
数、置換基のSTERIMOLパラメータ、Swain
・Luptonの共鳴効果パラメータ、Hammett
定数、分子内の原子位置の核磁気共鳴シフト値、および
分子内のスピン密度を含む情報であることが好ましく、
さらに、前記生理活性情報は、L−1210白血病細胞
を接種したマウスの40%延命効果を表わす薬量(ME
D(Minimum effective dose))、L−1210白血病
細胞を接種したマウスの最大延命効果を表わす薬量(O
D(Optimal dose))、および化学治療法係数(CI(Che
motherapetic Index))を含む情報であることが好まし
い。また、上記ネットワーク処理装置において、各入力
素子に物理化学情報を与え、該物理化学情報に対応し
て、出力部が生理活性情報を、出力信号として出力する
構成も考えられる。
【0006】さらに、上記ネットワーク処理装置におい
て、さらにサブネットワーク処理部を具備し、該サブネ
ットワーク処理部は、前記ネットワーク装置の入力部と
共通の入力部と、処理部と、少なくとも1以上の出力素
子を備える出力部を有して構成される手段であって、該
処理部は、少なくとも1以上の演算素子と各々の演算素
子を接続する情報伝達媒体と、入力部と処理部を接続す
る情報伝達媒体と、出力部と処理部を接続する情報伝達
媒体を備えて、各入力素子は、与えられた物理化学量の
微小変動量をある信号に変換する機能を有し、各演算素
子は、該信号に含まれる情報にもとづく統計情報を、予
め定めている、少なくとも一回微分可能な前記関数Fの
微分関数F’によって信号変換し、変換後の情報を出力
信号として出力部に送出する機能を有し、さらに、前記
入力素子、演算素子、および出力素子の任意の3つの素
子において、該3つの素子に介在する情報伝達媒体が、
ソースとなる手段の出力値にある数値を乗じて、該数値
をシンクとなる手段に伝える機能を有しており、入力素
子に与えられた物理化学量の微小変動量に対応した、出
力の変化量を出力信号とするネットワーク処理装置も考
えられる。
【0007】加えて、上記ネットワーク処理装置におい
て、ある値による出力信号のグループ分けが可能であ
り、かつ、各グループの、少なくも2次元以上の多次元
空間における、ある方向での配置順序が決定されうると
予想されるとき、前記配置順序が実際に存在するか否か
を示す指標を出力する構成も考えられる。
【0008】さらに、上記のネットワーク処理装置にお
いて、ある値による出力信号のグループ分けを行い、か
つ、各グループの少なくも2次元以上の多次元空間にお
ける、ある方向での配置順序を決定し、前記配置順序の
規則性を示す指標を出力するネットワーク処理装置も考
えられる。
【0009】
【作用】まず、現実的な物質濃度で使用可能な非線形近
似に基づいた、物理化学量と、生理活性量との間の相関
関係を求める手段を創作する際、多くの問題が存在す
る。 第一に、非線形近似では、どのような現象を表わ
す関数を用いるべきかが不明なことである。その関数の
形はデータから求める必要がある。本発明では、まず、
非線形近似に基づいて、データにおける物理化学量から
生理活性量を計算する手段を提示する。かかる計算手段
は、ネットワーク構造(第一の手段であるネットワーク
構造)によって実現されうる。
【0010】第二にそのネットワーク構造から、物理化
学量と生理活性量との間の相関を計算する手段を提示す
る。この手段を実現するために、上記のネットワークと
は、独立に存在する第二の手段であるネットワーク構造
が必要となる。第三の手段として、第二の手段(第二の
ネットワーク)の概念を拡張し、第二のネットワーク構
造から、ある予測可能性が、実際に起こりうるものか否
かを示す量を計算する手段を提示する。この計算手段は
第二のネットワーク構造にて実現されうる。以上、三種
の具体的実現手段によって、現実的な物質濃度で使用可
能な非線形近似に基づいた、化合物のデザイン等に関す
る有用な指針を与える手段について説明していくことに
なる。以上が本発明にかかる手段の概要である。以下具
体的な実現手段について述べる。ネットワークを構成す
る主要部は次の通りである。第一の手段であるネットワ
ーク構造を構成するハードウエアは、入力素子、演算素
子、情報伝達媒体、制御部(処理部)等である。第2の
手段のネットワーク構造を構成する論理は、微分演算素
子とその処理部である。第3の手段の計算機構を構成す
る論理は、総和素子と、その処理部である。処理部は、
第2手段のそれに組込む形で実現しても良い。本発明に
おいては、組込んだ形式を採用する。さて、ネットワー
ク内で、情報は、情報が存在することを示すコマンド信
号と、情報の値そのものを示すデータ信号を有して構成
される。コマンド信号値は、例えば、0から1までの値
のみをとり、データ信号は、区間「−∞」から「+∞」
までの任意の実数値を複数のデータ信号によって近似的
に表現する。あるいは、論理的に同じであるが、例えば
コマンド信号が、データ信号が有効であると指示してい
る時間内において、データ信号線上に存在するパルス数
にもとづき、任意の実数値を定めて、これを用いてデー
タ信号にしても良い。入力素子、演算素子の出力信号値
を、区間(0,1)の実数値とする。
【0011】各素子を実際のハードウエアとして実現す
るため、かかる制限を設けるのである。この制限によっ
て、任意の実数値を取り得るデータを、区間(0,1)
内の値に変換する必要がある。この変換のことを、以下
「スケーリング」と称する。さて、第1の手段のネット
ワーク構造の作用について説明する。入力素子は、外部
から与えられる種々の物理化学的な観測量(以下「入力
データ」と称する)をある信号値に変換する。次に、演
算素子は、入力される信号に含まれる情報にもとづいた
統計的な情報を、少なくとも一回微分可能な関数Fによ
って変換し、変換後の情報を出力信号として送出する機
能と、該素子内に保持されているデータを上記関数の微
分形F’に作用させ、得られた結果を上記の入力信号に
乗じる機能を有している。情報伝達媒体は、入力素子と
演算素子間、あるいは、複数の演算素子間の情報のパス
であると同時に、ソースとなる素子からの出力値に「−
k」から「+k’」の間の任意の値(信号値変換係数)
を乗じ、該値をシンクとなる演算素子に伝える(具体的
なk,k’値については実施例において述べる)。な
お、情報伝達媒体の信号値変換係数を結合荷重値と称す
る。処理部は、入力素子との情報伝達媒体、複数の演算
素子と、該素子を接続する、情報伝達媒体、出力素子と
の情報伝達媒体等を有してネットワーク系を構成してお
り、該ネットワーク系の状態、ネットワーク系における
情報の流れを制御する手段である。例えば、CPU、R
OM、RAM等により実現されうる。処理部は、ネット
ワーク系を構成する各演算素子の出力信号を順次、次の
素子に伝達する。これを「フォーワード制御」と称す
る。逆に、最終シンクの演算素子から、入力素子の方向
に向けて、信号を逆伝搬させる制御も行う。これを「フ
ィードバック制御」と称する。ネットワーク系は、初
期、学習、完了の3状態をとり、初期→学習→完了の順
に遷移する。学習状態では、処理部はフォーワード、フ
ィードバックの2制御を交互に行う。全データに関し
て、ネットワークに学習状態を、各々一回だけとらせる
ことを、「一学習サイクル」と称する。ネットワーク系
の最終シンクとなる演算素子の出力信号が(以下「出力
データ」と称する)意味する情報を、生理活性情報に対
応させる操作は、このネットワークを使用するユーザに
任せられている。ユーザが生理活性情報に対応させた、
「望ましい」演算素子の出力信号のことを、以下「教師
信号」と称する。
【0012】なお、かかるネットワーク系を用いて、入
力データを出力データに変形する非線形関数を、学習と
いう情報伝達手段の信号値変換作用のために、最適にな
るように変換する方法については、例えば、Rumel
hartの総説(D.E.Rumelhart, J.L.McCleland, and
PDP Research Group, "Parallel Distributed Processi
ng", MIT press, Cambridge, Ma.(1986).等)に記載さ
れている。この方法は、バックプロパゲーション(ba
ck・propagation)と称されている。ba
ck・propagationでは、演算素子の信号変
換関数(以下「動作関数」と称する)を、いわゆるシグ
モイド(sigmoid)関数に限定するような誤解が
あるが、本発明においては、少なくとも一回微分可能な
関数を用いる。 具体的に、一回微分可能な関数を選定
する方法は、問題の対象の種類によって異なる。また、
情報伝達媒体の変換作用値k,k’の選択指針にも関係
する。詳細については、実施例において述べる。第2の
手段のネットワーク構造の作用について説明する。第2
の手段のネットワーク系は、複数の微分演算素子と、該
微分演算素子を接続する情報伝達媒体を有して構成され
る。このネットワーク系は、初期、実行、終了の3状態
をとり、初期→実行→終了状態の順に遷移する。微分演
算素子は、第1の演算素子の総和的な情報を、該素子か
らの分岐パスを介して受け取り、演算素子の動作関数の
微分動作関数によって信号を変換し、送出する。ここ
で、微分動作関数は、演算素子の動作関数の1回微分関
数と同じ関数形である。この信号は、第1の手段におけ
る情報伝達媒体と同様の情報伝達媒体を通って、次の微
分演算素子に入力される。第2の手段のネットワーク
は、第1のそれと、論理的に独立なネットワーク系であ
れば良く、ハードウエア量を削減するために、第1のネ
ットワークの情報伝達媒体を時分割して使用しても良
い。 第2の手段における処理部は、上記の微分演算素
子がネットワーク系の完了状態において有効になるよ
う、また、第1の手段の入力素子と出力信号を出力した
演算素子の任意の組について、有意義な微分信号伝達パ
スのみを動作させるように制御する。かかる制御法につ
いては、たとえば文献「T.Aoyama and H.Ichikawa, Che
m.Pharm.Bull.,39,372(1991). 青山智夫,市川紘「条件
付きバックプロパゲーション学習法」、情報処理学会,
数値解析研究会報告#37(1991)」に記載されて
いる。
【0013】第3の手段の総和素子は、第2のネットワ
ーク系の最終シンクの微分演算素子の出力信号を、教師
信号に従って絶対値の総和をとる。第3の手段の処理部
は、上記の出力信号のデコードを行ない、総和素子の制
御信号を生成するものである。 ネットワーク内の情報
の表現が、全実数値による空間であるのに対して、入力
素子、演算素子の出力値を(0,1)の区間に限定した
理由は、第一に、ネットワークの中の情報伝達過程を
「抑制」と「促進」の形に分離するため、第二に、ネッ
トワークの最終的な出力が、ユーザが任意に設定可能な
生理活性情報を表現する必要最小限の形式としたためで
ある。「1」という値は、特にこれでなければならない
というものではないが、それを否定する理由もなく、数
値計算時の便利のため「1」なる値を採用する。ネット
ワークの出力部が複数の素子から構成される場合、各素
子について、出力値が(0,1)の区間に限定されてい
るので、各々の成分は独立である必要がある。なお、か
かる制約によって、表現の一般性は失われない。
【0014】
【実施例】本発明にかかるネットワーク処理方式の一実
施例を示す。説明を具体的、かつ、簡略化にするため、
ネットワークの構造を、第1のネットワーク系が、{入
力素子,情報伝達媒体,演算素子,情報伝達媒体,演算
素子}を有して構成されるものとする。この構造は素子
部が3層になっているので、3層構造のニューラルネッ
トワークと称される。以下、ネットワークの動作を詳細
に説明する。入力素子が存在する部分を第1層、入力素
子の出力信号を伝達する情報伝達媒体と、該情報伝達媒
体に接続されている演算素子部を第2層、第2層の演算
素子の出力信号を伝達する情報伝達媒体と、該情報伝達
媒体に接続されている演算素子部を第3層と称すること
にする。なお、次の表記を用いるので定義しておく。
「Xp」は、入力データであり、添え字pは、入力デー
タ群{X}の一要素であることを示す。一つのXpにつ
いて、成分iが存在する。成分数は、単数のときもあ
り、複数のときもある。入力データについての式が、添
え字pによらず、各成分について適用できる場合、入力
データを、「Xi」と記載する。「yk」は、第2層の
演算素子の出力信号値である。「zj」は、第3層の演
算素子の出力信号値である。「tj」は、教師信号値で
ある。「vik」は、第2層の情報伝達媒体の結合荷重
値である。「wkj」は、第3層の情報伝達媒体の結合
荷重値である。「g」は、第2層の演算素子の動作関数
である。「g’」は、gの微分関数である。「f」は、
第3層の演算素子の動作関数である。「f’」は、fの
微分関数である。
【0015】第1に非線形近似に基づいて、与えられた
データにもとづき物理化学量から生理活性量を計算する
方法について説明する。
【0016】第1のネットワークにおいて、入力データ
は次の様に層中を伝搬する。 yk=g(ΣVik・Xi) (式1)(但し、Σはi
についての総和を意味する)。
【0017】Zj=f(ΣWkj・Yk) (式2)
(但し、Σはkについての総和を意味する)。
【0018】back・propagation学習方
程式は、 δWkj=−(zj−tj)・f’(zj)・yk・ε3 (式3) δVik=−(ΣWkj・(zj−tj)・f’(z
j))・g’(yk)・xi・ε2, (式4)(但し、
Σは、jについての総和を意味する) である。ここで、δは結合荷重の変化量であり、 yk=ΣVik・Xi(式5)(但し、Σは、iについ
ての総和を意味する) zj=ΣWkj・yk(式6)(但し、Σは、kについ
ての総和を意味する) さらに、ε1、ε2は、ともに正の小さな数である。通常
定数0.1から0.2の実数が採用されるが、入力デー
タ数の逆数に比例させる方法もある。ネットワークの初
期状態では、情報伝達媒体には、区間(−1,1)の一
様乱数値が、結合荷重値として設定されている。初期状
態から学習状態への遷移は、入力データの最後のデータ
が、ネットワークに入力されて、スケーリングが完了し
た時点である。ネットワークの学習状態では、上記の結
合荷重値Vik、Wkjが、back・propaga
tionアルゴリズムによって変化する。このアルゴリ
ズムでは、式1から式6を順次実行する。式1から式6
は、入力データの任意の添え字pについて成立する。ネ
ットワークの学習状態においては、pにかかわらず実行
順序は任意である。一般に、実行順序をハッシング(乱
数により順序入替えを行う)することが推奨されてい
る。学習状態において、 E=Σ(zj−tj)2 (式7)(Σは、jについて
の総和を意味する) なる量を定義する。Eが、あらかじめ設定しておいた値
(以下、しきい値:thresholdと称する)より
も小さくなった時、学習状態から完了状態へ遷移する。
【0019】ネットワークの完了状態では式3、式4は
実行されず、結合荷重Vik、Wkjは、変化しない。
完了状態では、第2のネットワーク系の初期状態から有
効状態への遷移の指示信号が生成される。第2のネット
ワーク構造から、物理化学量と生理活性量との間の相関
関係を計算する方法について説明する。ニューラルネッ
トワークの出力値を入力データ値について偏微分する。
式1、式5について、 δyk=ΣVik・δXi(但し、Σは、iについての
総和を意味する)、 δyk=g’(Yk)・δYk、(但し、Ykはここで
はベクトル量を表す) さらに、式2、式6について、 δZj=ΣWkj・δyk(但し、Σは、kについての
総和を意味する)、 δZj=f’(Zj)・δZjである。 ゆえに、3層のネットワークでは、 δZj=Σg’・(yk)・Vik・f’(Zj)・W
kj・δXi(式8)である。 式8は、各入力データXpについて成立する。もし、入
力、教師データ群に、ある関係が存在するのならば、
(δzj/δxi)を、pについての総和をとって、デ
ータ数で割った平均は、生理活性量zjと、物理化学量
Xiとの相関を表わす。以下、(δzj/δXi)の平
均値をニューラルネットワークの偏微分係数と称し、
(δzj/δXi)pを偏微分値と称する。この場合、
相関は偏微分係数という要素をもつベクトルとして表現
されうる。もし、複数の分類(クラスとも称する)を示
す教師データが存在して、ある一つのクラスに属する生
理活性量と物理化学量との相関関数が予想されるとき、
一つのクラスのXpについて、偏微分値の平均を計算す
ると、その係数が当該相関関係に対応する。一様乱数列
を{Xi}pとした場合で、式1から式6における学習
で、ニューラルネットの結合荷重値を決定し、偏微分係
数の計算が可能になる。このとき、あるクラスに属する
{Xi}の数が、十分大きいならば、 N~1Σ(δzj/δxi)p→0、である。
【0020】したがって、十分な量のサンプルにもとづ
けば、非線形な「あてはめ」(fitting)を行う
back・propagationであっても、2種類
の異質なデータ間の相関関係を計算できることになる。
以上の方法によって、任意のクラス、あるいは、データ
全体について、物理化学量と生理活性量との間の相関関
係を計算することが可能となる。また、式8は、第1の
手段のネットワークとは論理的に独立の、第2のネット
ワークが存在することを示す。次に、ネットワーク構造
を用いて、予測可能性を示す量(一種の指標)の計算法
について説明する。
【0021】予測可能であるということは、過去の経験
等にもとづき、なんらかの規則が抽出されていて、この
規則が未知の事象に適用可能であるという場合である。
本発明で言及している構造活性相関の予測では、規則=
相関が存在する範囲、あるいは、条件を決定することで
ある。この決定法を示すには、構造活性相関に使われる
データ形式について定義する必要がある。外部から与え
られネットワークに作用するデータの形式は、例えば次
の様になる。構造活性相関の分野では物理化学的な観測
量は実数値である。ここで、物理化学的な観測量として
は、例えば分子屈折率、分子容、HPLCのリテンショ
ン定数、イオン化ポテンシャル、電子親和力、赤外線吸
収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、双極子モーメン
ト、置換基の疎水性指標、ファンデワールス半径値、フ
ィールド定数、タフトの立体定数、置換基のSTERI
MOLパラメータ、Swain−Luptonの共鳴効
果パラメータ、Hammett定数、分子内の原子位置
の核磁気共鳴シフト値、分子内のスピン密度等が考えら
れる。生理活性値は、動物実験等で得られた観測量その
ものである場合と、その観測量を活性の強度に順序付け
て分類した1、2、3、…のような、正の整数値をと
る、一種の等級値の場合がある。前者の場合の構造活性
相関を、以下「QSAR」、後者の場合を「SAR」と
称することがある。また、前記生理活性情報とは、例え
ばL−1210白血病細胞を接種したマウスの40%延
命効果を表わす薬量(MED(Minimum effective dos
e))、L−1210白血病細胞を接種したマウスの最
大延命効果を表わす薬量(OD(Optimal dose))、およ
び化学治療法係数(CI)等の情報である。さて、ネッ
トワーク系の内部の情報を表わすデータ表現は次の様に
なる。入力素子は、入力される物理化学的な観測量を、
区間(0,1)の実数値に変換する。 この変換は、前
記スケーリングによる。
【0022】スケーリングでは、普通、区間(a,b)
の両端点を表すaおよびbに、所定の演算処理を施し
(0,1)の区間とすることができる。しかし、対象が
化学量論的な関係、(例えば、exp(−kx)に比例
する場合:kは、係数、xは物理化学量である)にある
とき、{Xi}pの代わりに{1nXi}p(但し、1
nは、自然対数)をスケーリングすることが望ましい。
この種の選択は、線形重回帰分析におけるほど重要な意
味を有しないが、計算精度を向上させるために、ユーザ
ーが行わなければならない。入力素子には、例えば、化
合物の置換基のような、ある特定の部分構造の存否を
「0」、「1」の値で表現したデータを入力することも
ある。この定数のことを、バイナリデスクリプタ(bi
nary−descriptor)、あるいはダミー定
数と称する。 1個の入力素子に定数値、「1」を入力
することは、学習速度向上のために推奨されている。常
時、定数値「1」をセットされる入力素子を、バイアス
ニューロンエレメント(bias−neuron−el
ement)と称する。第3層における演算素子には、
学習状態時、生理活性に関するデータが入力される。Q
SARの場合、前述のように観測値が入力されるので、
これを(0,1)区間の実数値に変換する。SARの場
合には、等級値を、最大の等級値における要素数を有す
る「0」、「1」要素から成るベクトルに変換する。本
発明では、等級値に相当する要素の値が、「1」で、他
が「0」のベクトルとする。ただし表現形式はこれに限
られない。SARの場合において、同じ活性等級値に属
する入力、教師データを1つのクラスに属するデータと
称する。QSARの場合、クラスは唯一である。本発明
では、第3層の演算素子に対して、学習状態で提示する
データは、上記の変換操作が施されているものとする。
変換操作は、スケーリングに関して言えば、入力素子の
それと同じであり、「0」、「1」要素から成るベクト
ル変換の場合に、データをデコードする。ここで、再び
ネットワークを使った予測可能性について説明を加え
る。SARの場合、偏微分値の入力は、入力データの変
化に対する等級値の変化と言う意味を有している。従っ
て、偏微分値の絶対値が大きなとき、あるクラスに属す
る1つのデータが、そのクラスの属するデータ集合の周
辺部に位置することを示している確率が高い。 第1の
手段のネットワークの学習状態で、いわゆるシミュレー
テッドアニーリング法を併用すると、この確率が高くな
る。また、学習データに乱数を付加し、一種の擾乱を学
習状態時に付加しても、前記確率は高くなる。このよう
に、上記の確率を種々の手段よって100%に近づける
ことは可能である。完了状態となった第1の手段のニュ
ーラルネットワークに、未知の化合物の物理化学的な観
測量を入力し、その生理活性等級を予測する場合、その
観測量と学習に用いたデータ群との幾何学的距離を計算
し、未知化合物がクラス集合のどの位置に存在するかを
判定する。その位置が集合の内部に存在するならば、ニ
ューラルネットワークの出力した等級値は信頼性があ
る。逆に、周辺部あるいは外部に存在するならば、その
等級値には信頼性がない。次に、ネットワークに与えた
データ集合そのものの性質について説明する。
【0023】偏微分値の絶対値に関して、入力の各成分
について絶対値をとった量Σ|δzj/δxi|≡Qj
iは、各入力データpについて定義できる。Qpji、
すなわち、平面{p,ji}上に、このQpjiを高さ
として表示した、3次元の図を考える。偏微分値の絶対
値は、クラスの周辺位置で大きくなるので、この図にお
ける標高の高い位置をたどれば、クラスの分布が呈する
外形がわかる。すなわち、あるクラスが、どのクラスと
隣合っているかがわかることになる。次にΣ’Qpji
×Qqji≡Rji、なる量を考える。ここでΣ’は、
2つのクラスに属するデータp,qについて総和をとる
ことを意味する。この量は、ネットワークに入力したデ
ータ種i,jについて、与えた等級分類データのクラス
が、どのような隣接関係にあるかを表わす。以下、R
を、インター・クラス・インテンシティ(inter−
class−intensity)と称する。かかるi
nter−class−intensityは、SAR
データの分類クラスの配置に順序性が成立しているかど
うか(かかる順序性は、データそのもののグレードに関
係する)を判定するために用いることが可能である。
【0024】さて、ハードウエア構成について説明す
る。図1に、第1の手段のネットワークの一実施例の構
成図を示す。本ネットワークは、制御部1、入力素子
2、演算素子3、4、情報伝達手段5(5a,5b)、
および論理部6を有して構成される。第2、3層の情報
伝達手段を区別して5a、5bのように記す。なお、上
記構成要素は、例えばCPU、ROM、RAM等によっ
て実現される。 信号線51から54は、それぞれ、入
力素子、第2層の演算素子、第3層の演算素子、第2手
段の制御部と制御部1を接続する手段であり、信号を伝
送するためのパスである。これらのパスは、複数の信号
線から構成されている。信号線55は、物理化学的な観
測量を入力素子2に伝えるためのパスである。信号線5
6、260、および、57、261は、それぞれ演算素
子3、4の処理の途中で生成される結果を、第二のネッ
トワークに伝えるためのパスである。信号線58は、第
一のネットワークの出力を外部に取り出すためのパスで
ある。 論理部6は、信号線75上の教師信号と、ニュ
ーラルネットワークの出力値の差、および、その2乗を
計算する手段であり、例えばCPU、ROM、RAM等
によって実現される。論理部7は、論理部6の出力値の
総和を計算する手段であり、例えばCPU、ROM、R
AM等によって実現される。制御部1は、第1のネット
ワークの状態を管理し、ネットワークに入力するデータ
も管理する。化合物を物理化学的手段によって測定した
値は、例えばA/D変換回路(アナログ・デジタル変換
器)によって、デジタル変換し、信号線55を介して入
力素子2に入力される。信号線55の複数の信号線は、
一つのデータの複数の測定値に対応している。複数のデ
ータは、例えば信号線55を時分割して入力される。A
/D変換は、既知の技術であり、図示していない。入力
素子2は、入力された観測量等をスケーリングする。ス
ケーリング処理は、2つのステップから成る。1つは、
ネットワークの初期状態で処理される全入力データをス
ケーリングするために必要なデータを生成する処理、も
う1つは、学習状態で実行される入力データをスケーリ
ングする処理である。
【0025】第1の処理が完了した時点で、入力素子
は、処理完了信号を信号線51を介して制御部1に送
る。これにより、ネットワークの状態は、初期状態から
学習状態になる。初期状態において、入力素子が複数の
信号線60上に送出する信号値には意味がなく、パリテ
ィのみ保証しておくだけでよい。該信号値は、学習状態
においては、区間(0,1)にスケールされた観測デー
タである。情報伝達手段5は、入力された信号値に内部
のレジスタに保持されている値を乗じ、シンク側に送出
する。ネットワークをアナログ信号を扱うように構成す
れば、この部分は、例えばオペアンプにて実現可能であ
る。もちろん、内部レジスタの値は、学習サイクル毎に
変化する。演算素子3、4は、情報伝達手段5から送出
される信号値の総和をとり、その結果に動作関数を作用
させ、作用後の結果を次段に送出する。以上が、第1の
ネットワークのフォワード方向の処理である。以下フィ
ードバック方向の処理について述べる。論理部6は、演
算素子4の出力値と教師データとの差の2乗を計算する
手段であり、論理部7は、論理部6の出力値の総和をと
る手段である。信号線75は、教師データが入力される
パスである。本発明では、論理部6を、演算素子3、4
と同じハードウエア構成にて、異なったマイクロプログ
ラムで実現する。制御部1は、第1のネットワークに入
力データを必要な回数だけ送出する機能を有する必要が
ある。そのために、信号線91、55を使用する。図1
のFD/HDは、フロッピーディスク、ハードディスク
等の外部記憶手段である。図2は、フィードバック方向
の処理を説明するための、図1を補完する図面である。
図2では各素子、信号線等の番号は図1と共通である。
ただし、フィードバック方向の処理に不必要な信号線
は、図示しない。図2において、信号線75を介して、
教師データが論理部6に入力され、演算素子4の出力値
との差、および、その2乗値が演算される。差の2乗値
は、信号線79を介して、論理部7に送られる。差の値
は、信号線81を介して、第3層の情報伝達手段5bに
送られる。信号線76、552は図1には描かれていな
い。論理部7では、第3層の論理部6での全ての出力値
の合計値が演算され、その結果が、信号線80を介し
て、制御部1に送られる。ここで式7を用いた処理が行
われる。情報伝達手段5a、5bと制御部1との間の信
号線77、78は、ネットワークの学習状態時におい
て、フォーワード、あるいは、フィードバック方向の処
理を区別するための信号を伝達する。この信号により、
情報伝達手段5a、5bでは、式1から式4によって、
結合荷重値を更新する。図3は、第2の手段のネットワ
ークの構成図である。微分演算素子10(図中では、1
0a、10bと記す)が備えられ、添字a、bは第2、
3層の区別のために用いる。5cは、第2のネットワー
クの情報伝達手段である。さらに、制御部20は、第2
のネットワークの制御論理部(CTL2)であり、付加
計算部11は、第3の手段の付加計算機構を実現する手
段である。信号線87、88は、CTL2が微分演算素
子を制御するパスであり、信号線89は、CTL2が付
加計算部11を制御するパスである。図4に、入力素子
の構成例を示す。
【0026】本素子部で入力データのスケーリング処理
を行う。論理素子101、103、104、106、1
08、109、112は、レジスタで構成され、論理素
子102、105は比較回路であり、論理素子107、
110、114はセレクタであり、論理素子111は演
算器、論理素子113は、スイッチング回路である。こ
れらは、例えば各種C−MOS、ROM、RAM、CP
U等によって実現されうる。さて、第1のネットワーク
の初期状態での入力素子の動作は次の通りである。
【0027】信号線55を介して、ネットワークに入力
される観測データがレジスタ101にセットされ、次
に、信号線150を介して比較回路102、105、セ
レクタ107に送られる。信号線51a、51bを介し
て、比較回路の動作を規定するコード信号が制御部1か
ら送られてくる。コード信号は(data throu
gh, operation(min), opera
tion(max), nooperation, e
nd}の5種である。「data through」で
は、レジスタ101上のデータが、レジスタ103、1
06に移される。比較回路102、105にはそれぞ
れ、コマンド「operation(min)」、「o
peration(max)」が送られる。「oper
ation(min)」は、レジスタ101とレジスタ
103に格納されたデータの大きさの比較を行い、小さ
い方をレジスタ103に格納する。コマンド「oper
ation(max)」は、レジスタ101とレジスタ
106に格納されたデータの大きさの比較を行い、大き
い方をレジスタ106に格納する。コマンド「end」
は、入力データの終わりを意味する命令である。これに
よって比較回路の動作が無効化される。以上の動作によ
り、レジスタ103、レジスタ106に入力データ群の
うちでの最小値、最大値が格納される。信号線51c、
51d上の信号は、「end」と同期して制御部1から
送られてくる信号であり、レジスタの条件設定、セレク
タの制御等を行う。これらの信号によって、レジスタ1
04、レジスタ108に入力データ群のうちの最小値、
最大値が格納される。演算器111に、信号線51eを
介して制御部1から送られてくる命令コードは、{in
verse signal,subtract,mul
tiply,reciprocal,nooperat
ion}の4種である。コマンド「inverse s
ignal」は符号を反転する命令、コマンド「sub
tract」は減算命令、コマンド「multipl
y」は乗算命令、コマンド「reciprocal」
は、逆数をとる命令、コマンド「nooperatio
n」は、何も処理をしない命令である。レジスタ10
4、レジスタ108に最小値、最大値が格納されると、
演算器111は、その差を演算し、結果をレジスタ10
9に格納する。次に、この結果は、再び演算器111に
よって逆数が取られ、その結果がレジスタ112に格納
される。この一連の演算処理に必要なセレクタ110、
セレクタ114、スイッチング回路113等の開閉制御
は、制御部1から信号線51f1、51f2、51f3
を介して送られる信号に基づき行われる。
【0028】レジスタ112のデータは、1/(Xmax
−Xmin)(Xmaxは、最大値、Xminは最小値を表す)を
意味し、該データは、ネットワークの学習状態での入力
データのスケーリング処理に使用される。レジスタ11
2のセットタイミングは、信号線51gを介して、制御
部1に報告される。この信号によって、第1のネットワ
ークの状態が初期状態から学習状態に遷移する。学習状
態での入力素子の動作は次のようになる。信号線55、
信号線150、セレクタ107を通って、レジスタ10
8に入力データが格納される。このデータは、レジスタ
104の最小値によって、演算器111で減算され、減
算結果は、レジスタ109に、書き込まれる。次に、レ
ジスタ109、レジスタ112内のデータは、乗算され
て、スケーリング処理が完了する。結果は、信号線60
上に送出される。
【0029】この一連の演算処理に必要なセレクタ11
0、セレクタ114、スイッチング回路113の開閉等
は、信号線51f1、51f2、51f3を介して送ら
れる制御信号の組み合わせに基づき行われる。次に、図
5に演算素子の構成例を示す。論理素子200、20
1、211は、セレクタ、論理素子202は、加算器、
論理素子204は、乗算器、論理素子205は、アドレ
ス加算器、論理素子206は、ROM、論理素子207
は、RAMである。本実施例では、Taylor展開に
よって演算素子の動作の計算、および、その一回微分値
を計算する。ROM206には、必要な展開係数が記憶
されており、RAMは、展開計算時の作業領域となる。
信号線51h、51i、51jは制御部1からのオーダ
{through,inverse・signal,a
dd,nooperation,reset},{th
rough,multiply,reciproca
l,square,nooperation,rese
t},{set function base,set
differential−function ba
se,address increment/decr
ement,reset,nooperation}を
伝える。ここで、コマンド「through」はデータ
をそのまま通過させる命令、コマンド「add」は、加
算命令、コマンド「reset」は、初期化命令、コマ
ンド「square」は2乗値を求める命令、コマンド
「set function base」は、最初の展
開係数のアドレスを決定する命令、「set diff
erential−function base」は、
微分関数に対する最初の展開係数のアドレスを決定する
命令、コマンド「address increment
/decrement」は、展開係数の格納アドレス値
を増加、減少させる命令であり、他のコマンドは、前述
の通りである。なお、パスF、Bは、それぞれフォワー
ド、フィードバック制御時に対応して、使用される。完
了状態では、パスFは信号線56/57、パスBは、信
号線250/251である。
【0030】図5において、フォーワード制御時にはパ
スF、フィードバック制御時にはパスBを介して演算素
子に、同層、または、後ろの層の情報伝達媒体からデー
タ信号が送られてくる。セレクタ200は、パスF、B
の選択、セレクタ201は、複数の情報伝達媒体のデー
タ信号を選択し、1つずつ加算器に送出する。このと
き、信号線250は選択されない。データ信号は、加算
器202によって総和演算され、結果が、レジスタ20
3に格納される。それ以後、加算器の動作は「noop
eration」となる。次に、フォーワード制御にお
いては、信号線51j上に、コマンド「setfunc
tion base」が制御部1から送られ、アドレス
加算器205による処理対象である動作関数のTayl
or展開項の最初の項のロケーションアドレスが与えら
れる。以後、信号線51j上に、コマンド「addre
ss increment」が送られ、必要な精度に対
応する展開項数の乗算結果がRAM207に書き込まれ
ていく。なお、ここではTaylor展開として、多項
式展開を考えている。フィードバック制御においては、
最初、コマンド「set differential−
function base」が送られてくる。その他
の計算制御は同じである。必要な項数だけの計算が行わ
れると、信号線51j上には、一連のコマンド「res
et,set function base/set
differential−function bas
e」が送られ、再度、コマンド「address in
crement」が送られる。ただし、RAM207の
書き込みは禁止され、読みだしのみが行われる。読み出
されたデータは、信号線250を介して、セレクタ20
1に送られる。一方、信号線51j上の、コマンド「r
eset」と同期して、加算器202、レジスタ203
もリセットされ、RAM207上のTaylor展開の
途中の結果を用いて総和計算が行われ、動作関数値、あ
るいは、その微分値が計算される。 演算結果は、スイ
ッチング回路208を経て、レジスタ209に格納さ
れ、次の層の情報伝達手段5に送られる。この結果は、
微分演算素子10にも送られる。 微分演算素子では、
完了状態で第2のネットワークを起動させるために、こ
の微分値をスタックする。この際使用される信号線は、
信号線56/57である。 第二手段のネットワークが
実行されている状態では、図1に示す情報伝達手段5a
内のRAMに保持されている結合荷重値が読み出され、
演算素子3を通り、信号線260を介して、図3に示す
微分演算素子10(10a、10b)に送られる。この
際、信号線260上の情報はVikである。次に、該情
報とスタックしておいた動作関数の微分値との乗算が行
われ、結果が、次層の微分演算素子に送られる。第二手
段のネットワークの情報伝達制御は、第1手段のフォー
ワード方向の処理と同じであるが、出力は、図5の信号
線76を介して行われるので、これを信号線56/57
に接続する必要がある。第二手段のネットワーク内に存
在する微分演算素子の中間的な出力を別のネットワーク
に送信する必要はないので、第二のネットワークの微分
演算素子の信号線56/57上の信号と信号線76上の
信号との論理ORをとる。図1、3の信号線56/5
7、260/261は、複数の信号線であるが、図では
一本の太い線で描いている。図3の付加計算部11は第
三手段の付加計算機構を実現するものである。図6に、
処理部(制御部)の構成例を示す。本実施例では、処理
部の動作をマイクロプログラムによって行う。マイクロ
プログラム制御を用いると、第1から第3手段の処理部
は、一種類の論理回路のみで構成が可能となる。処理部
の動作に必要な手段としては、命令を記憶する手段、実
行する命令のアドレスを指定する手段、次に実行する命
令を決定する手段である。これらの手段を使用して、次
の動作が行われることになる。オペランドデータをデコ
ードして、特定の信号線に送り出すこと、該送出処理を
任意の回数だけ繰り返すこと、ネットワーク内の情報を
判定してネットワークの状態を遷移させることである。
本実施例では、ネットワークの状態を保持する記憶手段
を備えず、マイクロプログラムの命令群で状態遷移を管
理する。論理素子301、302、303は、例えばR
OMで構成し、それぞれ、命令、オペランド、データを
記憶格納している。ROM1(301)およびROM2
(302)のアドレスは対応している。ROM1には各
種命令が格納され、および、ROM2にはオペランドが
格納されているため、両者は一対で読み出す必要があ
る。デコーダ304は、命令のためのデコーダ、デコー
ダ305は、オペランドデコーダである。また、論理素
子306は、アドレス加算器であり、論理素子308は
比較回路である。
【0031】図6中の論理回路がリセットされると、ア
ドレス加算器306がリセットされ、ROM1(30
1)の最初の命令アドレスを指す。信号線350を介し
て、命令がデコーダ304に送られ、解読される。命令
の種類は、「operanddecode and s
end」、「compare and address
set」、「inner logic operat
ion」、「nooperation」である。複数の
命令を同時に処理するため、図6に示す論理回路を複数
設けても良い。コマンド「compare and a
ddress set」は、比較およびアドレス設定命
令、「inner logic operation」
は、内部に存在する論理回路を起動させる命令である。
コマンド「operand decode and s
end」は、データを送り出す先の論理部によって、次
の様に細分される。「operand decode
and send to input logic」
は、オペランドをデコードし、該結果を入力用論理回路
へと送る命令、 「operand decode a
nd send to operation logi
c」は、オペランドをデコードし、該結果を動作する論
理回路へと送る命令、「operand decode
and send to transfer and
amp.logic」は、オペランドをデコードし、
該結果を増幅論理回路へと送る命令、「operand
decode andsend to diff,o
peration logic」は、オペランドをデコ
ードし、該結果を微分論理回路へと送る命令、「ope
rand decode and send to a
ccumulation logic」は、オペランド
をデコードし、該結果をアキュムレータ論理回路へと送
る命令、「operand decode and s
end to otherwise control
logic」は、オペランドをデコードし、該結果を他
の制御論理回路へと送る命令である。
【0032】上記コマンドは、さらに使用される論理部
を構成する論理素子によって細分化される。たとえば、
入力素子ならば、以下の表1に示すような命令が使用さ
れる。表1には、使用する図4に示す、パス番号も記載
した。
【0033】
【表1】
【0034】上記のマイクロ命令を使用して、入力素子
の動作を記述すると、以下の表2を得る。
【0035】
【表2】
【0036】初め全データの最大/最小値を求める。結
果はレジスタ104、108に書き込まれる(表2
(a))。さらに、求めた全データの最大/最小値から
スケール処理を行うためのデータをレジスタ104、1
12上に求める(表2(b))。次にレジスタ104、
112上のデータを使用して、全てのデータのスケーリ
ングを行う。最後にネットワークの状態を遷移させるト
リガー信号を信号線51gに送る(表2(c))。次
に、演算素子に使用するマイクロ命令を表3に示した。
表3には使用する図5に示したパス番号を併記した。
【0037】
【表3】
【0038】演算素子は一つの論理手段で、マイクロプ
ログラムを変更して、複数の処理を行う。それを表4か
ら表9に示した。以下の表4に記載されたプログラムで
は、情報伝達手段からの入力信号の総和をとり、RAM
内にそれを書き込む。さらに、このデータはフィードバ
ック動作のときにも引用される。次に、この値から動作
関数をTaylor展開して求める。さらに、結果をレ
ジスタ209にスタックし送出する。#0〜#nは、情
報伝達手段5が、(n+1)個存在することを示す。
【0039】
【表4】
【0040】以下、表5に演算素子フィードバック方向
処理マイクロプログラム(学習状態)を示す。演算素子
の入力信号値の総和からf’(z)を計算する。これに
後層の差分値(zj−tj)を乗じ、信号線76上に送
出する。すなわち、path 76=(zj−tj)
f’(z)と表現しうる。信号線56/57上には、
f’(z)が送出される。この情報は学習状態では不要
であるが、完了状態の微分演算素子10では必要であ
る。
【0041】
【表5】
【0042】以下、表6に演算素子を論理素子6として
動作させる場合のマイクロプログラムを記載する。ここ
では、(zj−tj)2を計算し、総和素子に出力す
る。信号線76は、論理素子6では信号線79である。
【0043】
【表6】
【0044】以下、表7に第3層の演算素子のフォーワ
ード方向処理マイクロプログラム(完了状態)を記載す
る。
【0045】
【表7】
【0046】さらに、表8には、演算素子を微分演算素
子として使用する場合のマイクロプログラムを記載す
る。動作は2段階で行われる。初め式8のg’(yk)
あるいはf’(zj)がスタックされ、次にパスB上の
VikあるいはWkjを使用して、Vik・g’(y
k)またはWkj・f'(zj)が求められる。2段階計
算の制御は制御部マイクロプログラムが行う。パスB上
にVikあるいはWkjを得るには情報伝達手段に対応
する制御部のマイクロプログラムが行う。学習状態につ
いては、表8(a)、完了状態については表8(b)に
記載する。
【0047】
【表8】
【0048】図1の総和素子7は論理素子6の出力値の
総和計算を行う素子である。従って演算素子3のマイク
ロプログラムを変更すれば対処が可能である。以下、表
9に、演算素子を総和素子7として使用する場合のマイ
クロプログラムを記載する。
【0049】
【表9】
【0050】図8は、図3の付加計算部11の構成例で
あり、第3手段の付加計算機構を実現している。付加計
算部11において、論理素子400、401はセレク
タ、論理素子402、403、408、411はレジス
タ、論理素子404は、比較回路、論理素子405は、
アドレスアダー、論理素子406は、RAM、論理素子
409は乗算器、論理素子410は、加算器である。
【0051】これらの論理素子は、例えばC−MOS、
ROM、RAM、CPU等の電子デバイスにて実現でき
る。信号線90上には、インデックス(i,j)に対応
した式8による演算の結果が送出されている(インデッ
クスiの選択は、制御部1のマイクロプログラムで行わ
れる)。信号線75上には、分類(例えば、活性等級)
を表わす教師データが送出されている。付加計算部11
を動作させる場合、まず調査対象の活性等級の値をレジ
スタ402にセットする。この値をpとする。次に、セ
レクタ400を作用させて、信号線90上の信号を順次
選択する。この時、セレクタ401も同期して作用さ
せ、信号線75上の信号を選択し、該選択された信号を
比較回路404でチェックし、調査対象の活性等級が存
在するときのみ、「1」なる信号を信号線451上に出
力せしめる。この信号は、アドレスアダー405のイン
クリメント(increment)信号に使用する。
【0052】このとき、例えば、アドレスアダーの初期
値は「0」、増分値は「2」が望ましい。レジスタ40
3では、与えられたデータの符号部分だけを「1」にす
る(すなわち、絶対値をとる)ために設置されている。
信号線90上の全信号を走査したとき、クラスpに属す
るQp,jiが、RAM406上にスタックされてい
る。
【0053】同様にして、クラスqについてもQq,j
iをRAM406上に、アドレス初期値のみ「1」に変
更してスタックする。次に、アドレスアダー405をリ
セットし、例えば、初期値「0」、増分値を「1」にし
て、RAM406に格納されている値を連続的に読み出
す。increment信号は、信号線89cを介して
制御部CTL2が、マイクロプログラムにより生成せし
める。このincrement信号と、論理的に同様な
信号は、信号線89dにも、制御CTL2から送出され
る。これにより、スイッチング回路407は、交互にレ
ジスタ408および信号線450を選択する。 乗算器
409によってQp,ji×Qq,jiが計算され、加
算器410によって総和が求められ、(p,q)間のi
nter−class−intensityが求められ
ることになる。さて、図6に示される処理部(制御部)
の別の種類の命令、「compareand addr
essset」命令について説明する。この命令はネッ
トワーク内に存在する、読み出すべき論理部の信号値に
よって、次の様に細分化される。「input logic」、す
なわち、論理を入力する(信号線51gを介する:図4
参照)、および「sum.logic 7」、すなわち、論理素子
7で総和処理を行うことである(信号線80を介する:
図1参照)である。入力素子からは、ネットワークの初
期→学習状態の遷移条件が、総和素子からは学習→完了
状態の遷移条件が検出されることになる。図6の制御部
の別の種類の命令、「inner logic operation 」命令に
ついて説明する。この命令は次の様に細分化される。
【0054】「selection path」、すなわち、パス(信
号線)を選択する命令、「compare between register30
7 and ROM3(address), & send to address-adder 30
6」、すなわち、レジスタ307およびROM3の内容
を比較し、比較結果をアドレス加算器へと出力する命
令、「initialize address−adder」、すなわち、アド
レス加算器を初期化する命令、「send ROM3(address) t
o address−adder」、すなわち、ROM3の内容である
アドレス値を、アドレス加算器へと出力する命令、「ad
dress−adder increment/decrement」、すなわち、ア
ドレス加算器の値に、1を増減する命令、「nooperatio
n」すなわち、なんの処理も行わない命令等がある。
【0055】これらの命令によって、処理部のROM内
のアドレスデータに関する増分量加算、減算、分岐(条
件分岐および無条件分岐)等の処理が可能となる。アド
レスアダーの値は、次に実行するマイクロ命令のROM
1、2内のアドレスの値を指す。デコーダ305は、コ
ードの解読と同時に、目的の論理素子に信号を送る働き
をする。信号線351、信号線352は、それぞれデコ
ードされたデータのコマンド、データ信号が目的の論理
部に送出されるパスをまとめて記載したものである。さ
て、処理部内部論理マイクロ命令の詳細を、以下の表1
0に示す。
【0056】
【表10】
【0057】ROM3内部のアドレスの割り付け法は、
任意であるが、一例を示せば次の様になる。オペレーシ
ョン・システム(OS)からのリクエストに対応するた
め、例えば以下のような命令群を与えれば良い。「0:e
ntry point address for controller of input-logic」
で、入力論理部の処理部のアドレスを設定する。「1:e
ntry point address for controller of arithmetic-lo
gic(forward,learning)」で、フォワード方向の学習の
ための算術演算処理部のアドレスを設定する。「2:ent
ry point address for controller of arithmetic-logi
c(feedback)」で、フィードバック方向の学習のための
算術演算処理部のアドレスを設定する。 「3:entry p
oint address for controller of arithmetic-logic(fo
rward,complete)で、フォワード方向の学習と、その完
了処理のための算術演算処理部のアドレスを設定する。
以下、同様にしてアドレスの割り付けを行っていけばよ
い。さらに、状態遷移のための定数を定めるために、以
下の命令を実行すれば良いい。「1000:end-signal-patt
ern of path 51g.」で、アドレス1000に信号線51g
に出力される終了信号のパターンを記憶しておく。「10
01:E(threshold) in order to judge eq.(7)」で、アド
レス1001に信式7の処理を行うための、しきい値E
を記憶しておく。以下、同様に状態遷移のための定数を
定めていけばよい。各ドライバの中で、分岐処理は、前
述のコマンド「compare between register307 and ROM
3, & send to address-adder306」によって行われる。
なお、分岐先のアドレスは、ドライバプログラムの中に
セットしておかなければならない。上記のマイクロ命令
を使用して、第1のネットワークの状態遷移に関するマ
イクロプログラムを、以下の表11に示す。
【0058】
【表11】
【0059】図7は、情報伝達手段5の構成図である。
図7において、論理素子500、論理素子502、論理
素子505は、スイッチ回路である、また、論理素子5
03は、セレクタ、論理素子501は、RAM、論理素
子504は、演算器である。パスIは、情報伝達手段を
初期化するとき使用するパスであり、処理部1に接続さ
れている。これを用いて、RAM内に式3、4のεおよ
びVik、Wkjの初期値を書き込む。RAM内には、
VikおよびWkjの値が保持されている。フォーワー
ド動作では、それらの値と、信号線60上のg(yk)
/f(zj)の積がとられ、信号線551上に送出され
る。フィードバック動作では、信号線76上に時分割さ
れて、送信される。(tj−zj)・f’(zj)、ま
たは、{ΣWkj・(tj−zj)・f’(zj)}・
g’(yk)と、RAM内に格納されたεとの積をとり
式3、式4に従ってVik、Wkjを修正する。演算器
504は、乗算、減算処理を行う。結果は、信号線55
2に送出される。第二のネットワークで用いられる情報
伝達手段では、フォーワード動作が行われるが、この場
合、信号線60は、信号線260になる。RAM内での
ε、Vik、およびWkjの格納領域の設定、各種処理
に必要な作業領域の割り付けは任意である。
【0060】信号線553は、第一のネットワーク内の
情報伝達手段の中に格納されている結合荷重値を、第二
のネットワーク内の情報伝達手段に転送するための信号
線である。情報伝達手段5の制御も、例えば、以下の表
12で示すようなマイクロプログラムで行えばよい。
【0061】
【表12】
【0062】以下、動作関数の選定基準について説明す
る。
【0063】入力素子数が2である場合を考え、一方の
入力素子に、ある関数値列{Φ(Xi)}、他方の入力
素子に定数「1」を与え、かつ、第3層の演算素子の動
作関数を、f(x)=xとした場合、ネットワーク系を
近似すると、 Φ(x)=const+ΣWkj・g(y)(constは、ある
定数である)、 y=ΣVik・Xi になる。これは、関数Φを基底関数gで近似して展開す
ることである。このことは、現象を表わす関数形に近い
ものを、「基底関数=動作関数」に選ぶことが望ましい
ことを示している。第3層の関数が一回微分可能な関数
の場合も、その関数が局所で異常な振る舞いをするもの
(例えば、不連続部を有する関数)でなければ、この性
質は変わらない。現象を表わす関数が不明でも、現象が
連続関数的なものか、不連続であるかの区別が可能なこ
とは多い。採用する関数には、定義される区間内のある
領域で、微分係数が0となる関数が望ましい。その性質
は、ネットワークのパターン非線形分離機能に関連して
いる。また関数値の範囲は、(0,1)区間にスケーリ
ングすることが望ましい。以上の事項を考慮すると、連
続的に変化する現象ならば、なだらかに値が変化する、
sigmoid関数、ベルンシュタイン多項式等が望ま
しい。部分的に不連続的ならば、どのような関数でも不
適当なのであるが、至るところ不連続部を有するような
関数(illegal function)は、化学、生物学的現象には
存在せず、一カ所のみ不連続部を有するような、比較的
扱いやすい現象を、なるべく近似的に扱うという意味で
は、局所gauss関数が望ましい。さて、構造活性相
関では、sigmoid関数が使用できるが、QSAR
では、より線形性の強い関数が望ましいことがある。こ
のような場合には、sigmoid関数の一部分を使用
するか、一般の線形関数とsigmoid関数の線形結
合を用いるのが良い。sigmoid関数を部分的に使
用したり、線形関数およびsigmoid関数の線形結
合を使用する場合、第3層の演算素子においては、何も
考慮する必要はないが、第2層では関数値が(0,1)
なる区間を越えないか否かをチェックしなければならな
い。もし、かかる区間を越える場合には、疲労付きba
ck・propagation(例えば、「T.Aoyama a
nd H.Ichikawa, Chem.Pharm.Bull.,39,372(1991).青山
智夫,市川紘「条件付きバックプロパゲーション学習
法」, 情報処理学会,数値解析研究会報告#37(1
991)」に記載されている)を適用すればよい。 情
報伝達媒体の変換作用値「k」、「k’」は、構造活性
相関においては、絶対値が「10」以上ならば、
「k」、「k’」を「∞(無限大)」にして扱っても問
題が無い。また、絶対値が区間の始点を表す値より小さ
ければ、疲労付きback・propagationが
必要である。「k」、「k’」値を小さくすることは、
sigmoid関数を部分的に使用することと等価であ
る。εは、back・propagationにおい
て、どれだけ極小解の方向に進むかを指示する係数であ
る。この値が小さいと解(式7の値が、「0」になるこ
と)に達する時間が増大する。逆に、大きいと式7の値
が振動したり、発散したりする。経験的には、0.1か
ら0.2の値が採用されている。sigmoid関数を
使用する場合には問題はないが、QSARにおいて、s
igmoid関数を部分的に使用することや、線形関数
とsigmoid関数の線形結合、あるいは「k」、
「k’」の値を小さくすると、動作関数の線形性のた
め、ネットワークのパターン非線形分離機能が不充分に
なる。これによって、式7の値は、「0」にはならず、
ある極小値以下にはならなくなる。これは線形重回帰分
析を考えてみれば理解できるでことである。つまり、あ
る極小値以下にならないために、データに含まれる誤差
を相殺して、背後にある関数形が計算できるのである。
以上述べてきたように、本実施例によれば、物質の単数
あるいは複数種類の物理化学量と、物質の化学反応に関
する測定量およびそれから派生する等級量(分類化され
た該分類の示すグレード)との間に、何らかの因果関係
が推定できるとき、2種類の量の間の関係を表わす関数
を自動的に求めうる装置を構成できる。
【0064】また、先にも述べたように、ここで物理化
学量とは、分子屈折率,分子容,HPLC(High Perfo
rmance Liquid Chromatography)のリテンション定数、
イオン化ポテンシャル、電子親和力、赤外線吸収スペク
トル、紫外線吸収スペクトル、双極子モーメント、置換
基の疎水性指標、ファンデワールス半径値、フィールド
定数、タフトの立体定数、置換基のSTERIMOLパ
ラメータ、Swain−Luptonの共鳴効果パラメ
ータ、Hammett定数、分子内の原子位置の核磁気
共鳴シフト値、分子内のスピン密度等をいう。あるい
は、広義には、複数の物質の混合比率、分子内の特定位
置の置換基の存否を表わすdummy定数、全原子数に
占める特定の原子の比率、原子間の特定の結合状態の
数、環状構造の有無を表わすdescriptor等も
含めて考えられる。さらに、前記生理活性情報は、L−
1210白血病細胞を接種したマウスの40%延命効果
を表わす薬量(MED(Minimum effective dose))、
L−1210白血病細胞を接種したマウスの最大延命効
果を表わす薬量(OD(Optimal dose))、および化学治
療法係数(CI(Chemotherapeutic Index))等の情報
を言う。 また、生理活性情報と物理化学測定量との関
係を表す関数Fは、生理活性情報=F(物理化学測定
量)、とその逆関数である、物理化学測定量=F~1(生
理活性情報)の2種類である。
【0065】装置に、予め予定して入力したデータ以外
のデータを与えたときにも、ある程度の正確さを有し
て、上記の関数関係は満足される。すなわち、未知の物
質の性質が推定できることになる。さらに、この装置か
ら2種類の量の間の因果関係を推定するための指標と、
推定機能の正確さに関係する量が得られる。因果関係の
推定指標は、入力データから解析的に正確に計算され
る。従って、この指標から、物質の性質を望ましいもの
にするためには、どのような置換基を導入したら良いか
といった情報が得られる。以上の処理によって、物質の
デザインが可能になる。
【0066】
【発明の効果】入力情報たる物理化学量の微小変化に対
応した、生理活性情報の微小変化が求まる。かかる関係
を得られることにより、ドラック・デザイン等に有効な
装置を提供できる。さらに、inter−class−
intensityによって、入力データの誤差がどの
程度、出力情報に影響を与えているかを判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一手段ネットワーク装置の構成図である。
【図2】学習状態の説明図である。
【図3】第二手段ネットワーク装置の構成図である。
【図4】入力素子の構成図である。
【図5】演算素子の構成図である。
【図6】処理部の構成図である。
【図7】情報伝達手段の構成図である。
【図8】図2における実施例の補助説明図である。
【符号の説明】
1…制御部、2…入力素子、3…演算素子、4…演算素
子、5(5a、5b、5c)…情報伝達手段、6…論理
部、7…論理部、10a…微分演算素子、10b…微分
演算素子、11…付加計算部、20…制御部、51…信
号線、51a…信号線、51b…信号線、51c…信号
線、51d…信号線、51e…信号線、51f1…信号
線、51f2…信号線、51f3…信号線、51g…信
号線、51l…信号線、51m…信号線、51n…信号
線、51o…信号線、51p…信号線、51h…信号
線、51i…信号線、51j…信号線、51k…信号
線、52…信号線、53…信号線、54…信号線、55
…信号線、56…信号線、57…信号線、58…信号
線、60…信号線、75…信号線、76…信号線、77
…信号線、78…信号線、78a…信号線、78b…信
号線、78c…信号線、78d…信号線、78e…信号
線、78f…信号線、 79…信号線、80…信号線、
81…信号線、87…信号線、88…信号線、89…信
号線、89a…信号線、89b…信号線、89c…信号
線、89d…信号線、89e…信号線、89f…信号
線、90…信号線、91…信号線、101…論理素子
(レジスタ)、102…比較回路、103…論理素子
(レジスタ)、104…論理素子(レジスタ)、105
…比較回路、106…論理素子(レジスタ)、107…
論理素子(セレクタ)、108…論理素子(レジス
タ)、109…論理素子(レジスタ)、110…論理素
子(セレクタ)、111…演算器、112…論理素子
(レジスタ)、113…論理素子(スイッチング回
路)、114…論理素子(セレクタ)、150…信号
線、155…信号線、200…論理素子(セレクタ)、
201…論理素子(セレクタ)、202…加算器、20
3…論理素子(レジスタ)、204…乗算器、205…
アドレス加算器、206…ROM、207…RAM、2
08…論理素子(スイッチング回路)、209…論理素
子(レジスタ)、210…論理素子(スイッチング回
路)、211…論理素子(セレクタ)、250…信号
線、251…信号線、260…信号線、261…信号
線、301…ROM1、302…ROM1、303…R
OM3、304…デコーダ、305…デコーダ、306
…アドレス加算器、307…レジスタ、308…比較回
路、350…信号線、351…信号線、352…信号
線、353…信号線、354…信号線、400…セレク
タ、401…セレクタ、402…論理素子(レジス
タ)、403…論理素子(レジスタ)、404…比較回
路、405…アドレスアダー、406…RAM、407
…スイッチング回路、408…論理素子(レジスタ)、
409…乗算器、410…加算器、411…論理素子
(レジスタ)、500…論理素子(スイッチ回路)、5
01…RAM、502…論理素子(スイッチ回路)、5
03…論理素子(セレクタ)、504…演算器、505
…論理素子(スイッチ回路)、550…信号線、551
…信号線、552…信号線、553…信号線、554…
信号線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1以上の入力素子を備える入力
    部と、処理部と、少なくとも1以上の出力素子を備える
    出力部を有して構成される装置であって、前記処理部
    は、少なくとも1以上の演算素子と各々の演算素子を接
    続する情報伝達媒体と、入力部と処理部を接続する情報
    伝達媒体と、出力部と処理部を接続する情報伝達媒体を
    備えて構成されるネットワーク装置において、 各入力素子は、与えられた物理化学量をある信号に変換
    する機能を有し、各演算素子は、該信号に含まれる情報
    にもとづく統計情報を、予め定めている、少なくとも一
    回微分可能な関数Fによって信号変換し、変換後の情報
    を出力信号として出力部に送出する機能を有し、さら
    に、前記入力素子、演算素子、および出力素子の任意の
    3つの素子において、該3つの素子に介在する情報伝達
    媒体が、ソースとなる手段の出力値にある数値を乗じ
    て、該数値をシンクとなる手段に伝える機能を有してお
    り、 前記出力部から得られる出力信号が、前記物理化学量に
    対応した、生理活性情報であることを特徴とするネット
    ワーク処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載において、前記物理化学量
    は、分子屈折率、分子容、High Performance liquid ch
    romatograpy(HPLC)のリテンション定数、イオン
    化ポテンシャル、電子親和力、赤外線吸収スペクトル、
    紫外線吸収スペクトル、双極子モーメント、置換基の疎
    水性指標、ファンデルワールス半径値、フィールド定
    数、タフトの立体定数、置換基のSTERIMOLパラ
    メータ、Swain・Luptonの共鳴効果パラメー
    タ、Hammett定数、分子内の原子位置の核磁気共
    鳴シフト値、および分子内のスピン密度を含む情報であ
    ることを特徴とするネットワーク処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載において、前記生理活性情報
    は、L−1210白血病細胞を接種したマウスの40%
    延命効果を表わす薬量(MED(Minimum effective do
    se))、L−1210白血病細胞を接種したマウスの最
    大延命効果を表わす薬量(OD(Optimal dose))、およ
    び化学治療法係数(CI(Chemotherapetic Index))を
    含む情報であることを特徴とするネットワーク処理装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のネットワーク処理装置にお
    いて、各入力素子に物理化学情報を与え、該物理化学情
    報に対応して、出力部が生理活性情報を、出力信号とし
    て出力することを特徴とするネットワーク処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載のネットワーク処理装置にお
    いて、さらにサブネットワーク処理部を具備し、該サブ
    ネットワーク処理部は、前記ネットワーク装置の入力部
    と共通の入力部と、処理部と、少なくとも1以上の出力
    素子を備える出力部を有して構成される手段であって、
    該処理部は、少なくとも1以上の演算素子と各々の演算
    素子を接続する情報伝達媒体と、入力部と処理部を接続
    する情報伝達媒体と、出力部と処理部を接続する情報伝
    達媒体を備えて、各入力素子は、与えられた物理化学量
    の微小変動量をある信号に変換する機能を有し、各演算
    素子は、該信号に含まれる情報にもとづく統計情報を、
    予め定めている、少なくとも一回微分可能な前記関数F
    の微分関数F’によって信号変換し、変換後の情報を出
    力信号として出力部に送出する機能を有し、さらに、前
    記入力素子、演算素子、および出力素子の任意の3つの
    素子において、該3つの素子に介在する情報伝達媒体
    が、ソースとなる手段の出力値にある数値を乗じて、該
    数値をシンクとなる手段に伝える機能を有しており、 入力素子に与えられた物理化学量の微小変動量に対応し
    た、出力の変化量を出力信号とすることを特徴とするネ
    ットワーク処理装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載のネットワーク処理装置にお
    いて、ある値による出力信号のグループ分けが可能であ
    り、かつ、各グループの、少なくも2次元以上の多次元
    空間における、ある方向での配置順序が決定されうると
    予想されるとき、前記配置順序が実際に存在するか否か
    を示す指標を出力することを特徴とするネットワーク処
    理装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載のネットワーク処理装置にお
    いて、ある値による出力信号のグループ分けを行い、か
    つ、各グループの少なくも2次元以上の多次元空間にお
    ける、ある方向での配置順序を決定し、前記配置順序の
    規則性を示す指標を出力することを特徴とするネットワ
    ーク処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245172A (ja) * 1996-03-08 1997-09-19 Sanyo Electric Co Ltd 被検査対象の投入方向判定方法
WO2020100310A1 (ja) * 2018-11-16 2020-05-22 良徳 若林 化合物設計支援方法、化合物設計支援装置、及びプログラム

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