JPH0620042Y2 - 温水ボイラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は多多段階燃焼室を備えるボイラーに関するもの
であり、特に熱効率を向上するために燃焼室を３段に構
成した温水ボイラーに於いて、上部の燃焼室煙筒を煙道
と垂直状に連結して熱効率の向上は勿論のこと、掃除が
甚だ容易な温水ボイラーに関するものである。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） 従来の温水ボイラーは、熱効率を向上させるために燃焼
室を２段階に構成することにより、熱効率を或る程度向
上させていたが煙道を介して排出される燃焼ガスには未
だ相当の熱量と不完全に燃焼したガスがそのまま大気中
に排出されるために、燃料の浪費は勿論のこと環境汚染
の問題が依然として残っていたのである。

だが、最近燃焼室を３段に構成して３段燃焼室を備える
ボイラーの問題点を解決したが、ジグザグ状の３段に構
成された燃焼室を掃除するのについては相当の問題点が
あったために、これを解決する方法として各燃焼室毎に
外部に清掃口を設置して掃除するようにした方式と、各
燃焼室の煙筒を煙道と垂直状に連結して、ここで上昇す
る燃焼ガスの流れを制御するバッフル板を挿設して、掃
除の際にはバッフル板を引き出して燃焼室を掃除するよ
うにした方式が提案されていた。しかし、前者の場合は
各燃焼室毎に別途に掃除口を設置するという製作上の難
点、及び掃除の際煙道側と各燃焼室を別途に掃除せねば
ならないという難点があったのであり、後者に於いては
熱効率が著しく低下する短所があった。

本考案は上記の如き従来の多段階燃焼室を備えるボイラ
ーのいろいろな問題点に鑑み、熱効率が優秀でありなが
ら亦煙道を介して燃焼室の掃除が容易な温水ボイラーを
提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る温水ボイラーは、ボイラー本体器壁内に、
火室、多段階燃焼室、煙筒および煙道からなる火室系統
と、この火室系統と本体器壁との間に形成される水室か
らなる温水ボイラーに於て、火室と２次燃焼室、２次燃
焼室と３次燃焼室をそれぞれ連結する煙筒（ａ）と煙筒
（ｂ）をジグザグ状に設置し、３次燃焼室と４次燃焼室
を連結する煙筒（ｃ）は、４次燃焼室を挟んで煙道に対
して垂直関係位置に設置し、かつ煙筒（ｃ）内に挿脱自
在なバッフル板を挿設して構成したものである。

（作用） このように、本考案に係る温水ボイラーは、火室と２次
燃焼室、２次燃焼室と３次燃焼室をそれぞれ連結する煙
筒をジグザグ状に設置すると共に、３次燃焼室と４次燃
焼室を連結する煙筒を、煙道に対して垂直関係位置に設
置し、かつ該煙筒内に挿脱自在なバッフル板を挿入した
ので、燃焼ガスがジグザグ状に上昇する。

（実施例） 以下、添付図面に従って、本考案の温水ボイラーの一実
施例について説明する。図は、本考案の一実施例を示す
温水ボイラーの縦断面図である。この温水ボイラーは、
ボイラー本体器壁１４内に、火室、多段階燃焼室、煙筒
および煙道からなる火室系統と、この火室系統と本体器
壁１４との間に形成される水室７からなるものである。

この火室系統は、火室１と、この火室１内で未燃焼であ
ったガスが燃焼する２次燃焼室２、３次燃焼室３、４次
燃焼室４と煙道５を主たる構成としてなるものである。

そして、火室１と２次燃焼室２並びに２次燃焼室２と３
次燃焼室３とをそれぞれ連結する煙筒ａ、ｂと、３次燃
焼室３と４次燃焼室４とを連結する煙筒ｃが設けられて
いる。さらに、この煙筒ｃは、４次燃焼室４を挟んで、
その上の煙道５に対して垂直関係の位置に設けられ、そ
の煙筒ｃ内には、燃焼ガス流を制御するバッフル板６が
設けられている。

また、前記の水室７の底部を介して、火室１内に開口し
たバーナー装着具８と、前記水室７に開口した暖房帰還
水流入口９と、給湯温水出口１０と、給湯冷却水流入口
１１が設けられている。そして、本体器壁１４には、保
温材２が内蔵され、図において１３は、基台である。こ
こで、煙筒ａ，ｂは互違いにジグザグ状に配設されてお
り、燃焼ガスがジグザグ状に上昇する。また、煙筒ｃ内
に配設されたバッフル板６は、挿脱自在に挿設されてい
る。

上記の如く構成された本考案の温水ボイラーの動作を説
明するとバーナー（図示省略）で発射された火炎が火室
１で１次的に燃焼し、水室７下端の火室１の周縁にある
水と熱交換をし、上部一方側に形成された煙筒ａを介し
て２次燃焼室２に上昇進入するようになる。

そのように２次燃焼室２に進入した燃焼ガスは燃焼室上
壁に当たって燃焼し、燃焼室壁面を介して水室と十分な
熱交換をしながら火室１と２次燃焼室２を連結する煙筒
ａと反対方向に形成された煙筒ｂを通って、その流れる
速度が鈍くなったまま３次燃焼室３に上昇進入するよう
になる。

即ち、燃焼ガスが火室１から３次燃焼室３までジグザグ
状に上昇進入される火室に形成された高い炉内圧と燃焼
ガスの流れる速度遅延により、燃焼ガスが再燃焼をしな
がら水室７と充分な熱交換をなすようになるのである。

３次燃焼室３に進入した高熱の燃焼ガスは３次燃焼室３
と４次燃焼室４を連結する煙筒ｃを介して上昇するので
あるが、上記煙筒ｃには燃焼ガスの上昇速度を遅延させ
るバッフル板６が挿設されて、その流れる速度が遅延さ
れながら不完全燃焼ガスの完全燃焼がなされて、水室と
十分な熱交換をしながら４次燃焼室４に上昇して再び水
室７と熱交換をしながら、煙道５を通って図示しない消
音器を経て微熱の燃焼ガスのみが、大気中に放出される
ようになるものであり、不完全燃焼ガスの大気放出が抑
制されて環境汚染問題が解決され得るのである。

一方、燃焼室を掃除する場合は煙筒ｃに挿設されたバッ
フル板６を取り出し、煙道５内に掃除道具を差し込んだ
後、煙筒ｃを通って３次燃焼室３の内壁に積層された煤
をきれいに掃除することができるものであり、又煙筒ｂ
内にも掃除道具を深く差し込んで、２次燃焼室２の掃除
も亦容易に実施し得るようになるのである。

（考案の効果） 以上詳細に説明した如く、本考案の温水ボイラーは、３
段階の燃焼室を備える温水ボイラーを構成するが、火室
１と２次燃焼室２を連結する煙筒ａと、２次燃焼室２と
３次燃焼室３を連結する煙筒ｂはジグザグ状に対向して
設置し、３次燃焼室３と４次燃焼室４を連結する煙筒ｃ
は４次燃焼室４を挟んで、その上の煙道５に対して垂直
関係の位置に設けられているので、煙道を介して３段に
構成された燃焼室を容易に掃除し得る長所が有り、ボイ
ラーの製作が簡便であり、暖房効率の向上を図ることが
できその実使用価値を一層向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の縦断面図である。 １……火室、２，３，４……燃焼室、５……煙道、６…
…バッフル板、ａ，ｂ，ｃ……煙筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボイラー本体器壁内に、火室、多段階燃焼
   室、煙筒および煙道からなる火室系統と、この火室系統
   と本体器壁との間に形成される水室からなる温水ボイラ
   ーに於て、火室と２次燃焼室、２次燃焼室と３次燃焼室
   をそれぞれ連結する煙筒（ａ）と煙筒（ｂ）をジグザグ
   状に設置し、３次燃焼室と４次燃焼室を連結する煙筒
   （ｃ）は、４次燃焼室を挟んで煙道に対して垂直関係位
   置に設置し、かつ煙筒（ｃ）内に挿脱自在なバッフル板
   を挿設したことを特徴とする温水ボイラー。