JPH06199722A - メチル−tert−ブチルエーテルの製造・回収方法 - Google Patents

メチル−tert−ブチルエーテルの製造・回収方法

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JPH06199722A
JPH06199722A JP5289606A JP28960693A JPH06199722A JP H06199722 A JPH06199722 A JP H06199722A JP 5289606 A JP5289606 A JP 5289606A JP 28960693 A JP28960693 A JP 28960693A JP H06199722 A JPH06199722 A JP H06199722A
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カイル・リー・プレストン
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 メタノールとtert−ブチルアルコールとの反
応生成物から、イソブチレン、メタノールおよびMTB
Eを含む軽質留分を取り出し、再循環イソブチレン画分
とともに反応させてイソブチレン転換生成物を形成し、
それを再循環イソブチレンとともに水と向流的に接触さ
せて水性イソブチレンを含む塔頂抽出物を得て、そのイ
ソブチレンを回収し、再循環させるMTBEの連続製造
法。 【効果】 副生するイソブチレンを循環させて、その転
換反応によってMTBEに転換させるとともに、MTB
Eを含む留分中に存在するメタノールを効率よく分離す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メチル−tert−ブチル
エーテル(MTBE)を製造、精製する方法に関する。
より詳細には、本発明は、tert−ブチルアルコール(T
BA)とメタノール(MeOH)からMTBEを製造
し、反応によって形成されたMTBEを精製する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,144,138号(Rao
ら)明細書(1979)は、エーテル化反応流出液から
MTBEを回収する方法であって、共沸蒸留によってM
eOH−エーテル共沸混合物塔頂留分を回収し、それを
水洗して純粋なエーテルラフィネートを得て、それを共
沸蒸留してエーテル−MeOH塔頂留分を得て、それを
水洗工程に再循環させることによる方法を開示してい
る。
【0003】MeOHとTBAからのMTBEの製造
は、S. V. Rozhkov らの、PrevrashchUglevodorodov, K
islotno-Osnovn. Geterogennykh Katal. Tezisy Dok
l., Vses. Konf., 1977, 150 (C. A. 92:58165y)に論
じられている。ここでは、TBAおよびMeOHは、K
U−2強酸性スルホポリスチレンカチオン交換体上で、
穏やかな条件のもとでエーテル化を受ける。この参考文
献は、このような方法の基本的なパラメータに関するデ
ータを含んでいる。
【0004】鉛やマンガンに基づく現在のガソリン添加
剤が段階的に排除されるにつれ、高オクタン価ガソリン
の配合成分としてMTBEがますます使用されてきてい
る。現在、MTBEを製造する工業的方法はすべて、カ
チオン性イオン交換樹脂を触媒とする、イソブチレン
(IBTE)とMeOHとの液相反応に基づいている。
【0005】容認しうるガソリン添加剤としてのMTB
Eの使用が拡大するにつれ、原料の入手可能性の問題が
大きくなっている。歴史的にみて、供給が制約となる原
料はIBTEである(Oil and Gas J., June 8, 1987,
p. 55 )。したがって、構成単位としてIBTEを必要
としないMTBE製造法が得られるならば、それは有利
であろう。TBAはイソブタンの酸化によって工業的に
容易に得られるため、MeOHとTBAとの反応によっ
てMTBEを製造する効率的な方法が得られるならば、
それは有利であろう。
【0006】MTBEを製造するためには、触媒の存在
においてMeOHをTBAと反応させることが公知であ
る。この目的のための多様な触媒が挙げられている。
【0007】米国特許第2,282,469号(Frolic
h )明細書は、リン酸を含浸させたけいそう土を含む触
媒上で、約79〜176℃(華氏175〜350度)で
MTBEを製造する方法を開示している。
【0008】特開昭57−7432号公報は、ゼオライ
トを使用して、第一級または第二級アルキル基を含むジ
アルキルエーテルを製造することを教示している。ゼオ
ライトは、多孔構造を有し、式 M2/nO・Al2O3・xSiO2・yH2O (式中、Mは、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
のカチオンまたは有機塩基のカチオンであり、nはカチ
オンの原子価であり、xおよびyは変数である)によっ
て示される。
【0009】米国特許第4,058,576号(Chang
ら)明細書は、5×10-10 mを越える孔径、および少
なくとも12のシリカ/アルミナ比を有する、ZSM−
5のようなペンタシル型アルミノケイ酸塩ゼオライトを
使用して、低級アルコールをエーテルとオレフィンとの
混合物に転換することを教示している。
【0010】米国特許第4,822,921号明細書
は、酸化チタンのような不活性担体にリン酸を含浸させ
たものからなる触媒の存在において、TBAとMeOH
とを反応させることによるMTBE製造法を開示してい
る。
【0011】米国特許第4,827,048号明細書
は、12−タングストリン酸または12−モリブドリン
酸のようなヘテロポリ酸を、酸化チタンのような不活性
担体に担持したものからなる触媒の存在において、TB
AとMeOHとを反応させることによるMTBE製造法
を開示している。
【0012】MeOHとTBAとの反応の際に形成され
る主な副生物のうちの二つは、水とIBTEである。M
eOHとMTBEは共沸混合物を形成し、この共沸混合
物は困難を伴わずには分解することができず、したがっ
て、精製されたMTBEを回収する際のMTBEからの
MeOHの分離は、深刻な問題を呈する。
【0013】米国特許第4,820,877号明細書で
は、石油精製所の燃料ガスを使用してMeOHを分離
し、蒸留塔の塔頂流に送り込むことにより、MTBEか
らのMeOHの分離を達成している。
【0014】米国特許第4,814,517号明細書で
は、シリカゲルを使用してMTBE流からMeOHを優
先的に吸着し、シリカゲルを定期的に再生することによ
り、MTBEからのMeOHの分離を達成している。
【0015】米国特許第4,798,674号明細書で
は、架橋ポリビニルアルコールまたは第四級アンモニウ
ムイオン樹脂の膜を使用することにより、MTBEから
のMeOHの分離を達成している。MeOHが優先的に
膜を透過し、供給原料液のMTBE濃度が増してゆく。
【0016】米国特許第4,759,850号明細書で
は、逆浸透により、MTBEからのMeOHの分離を達
成している。
【0017】米国特許第4,440,963号明細書で
は、2−メチルペンタンまたはフロン113のような薬
剤を加えて、MeOHとの共沸混合物を形成させること
により、MTBEからのMeOHの分離を達成してい
る。この共沸混合物を塔頂から回収して、MeOHを含
まないMTBE釜残生成物が得られる。
【0018】米国特許第4,144,138号明細書に
おいてRao らによって認識されているように、MeOH
をTBAと反応させると、副産物としてIBTEが形成
される。Rao によると、最初の共沸蒸留段階において、
イソブタンを非凝縮性の気体として反応生成物から分離
する。Rao は、再循環のために、純度によっては、イソ
ブタンの一部を反応生成物からフラッシュ蒸留してもよ
いことを教示している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Me
OHとTBAとの反応によって副生するIBTEを効果
的にMTBEに転換させて、MTBEの総合的な収率を
向上させる、MTBEを連続的に製造する方法を提供す
ることである。本発明のもうひとつの目的はMTBEを
含む留分よりMeOHを効率よく分離することを包含す
る、上記のMTBEの連続製造方法を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】MeOHをTBAとエー
テル化反応帯域で反応させて、主生成物であるMTBE
を形成するとき、IBTEが形成されることが見出され
た。
【0021】本発明によると、IBTEを、MTBEの
精製における抽出剤としてエーテル化反応帯域の下流側
に使用し、また、さらなるMTBEの製造における反応
体としてMeOHとともに使用する方法が得られる。
【0022】また、TBAをtert−ブチルヒドロペルオ
キシドから製造するとき、TBA反応生成物は、少量の
過酸化物汚染物、たとえばtert−ブチルヒドロペルオキ
シド、ジ−tert−ブチルペルオキシド(DTBP)およ
びアリル−tert−ブチルペルオキシドを含有するであろ
う。少量の過酸化物で汚染されたTBAをMeOHと反
応させてMTBEを形成するとき、この反応から生まれ
るエーテル化反応生成物は、過酸化物汚染物を含有する
であろう。
【0023】本発明のもう一つの実施態様によると、過
酸化物で汚染されたTBA供給原料を過酸化物分解反応
帯域に通し、その後でMTBE形成エーテル化反応帯域
に供給して、MTBEエーテル化生成物が過酸化物汚染
物を実質的に含まないようにする。
【0024】本発明のさらなる実施態様によると、過酸
化物で汚染されたTBA供給原料を過酸化物分解反応帯
域に通して、その中に含まれる過酸化物汚染物をほぼ完
全に分解し、次に、MeOHとともにMTBE形成エー
テル化反応帯域に供給して、IBTEを含有するが、過
酸化物汚染物を実質的に含まないMTBEであるエーテ
ル化生成物を形成し、副産物IBTEを、MTBEの精
製における抽出剤としてエーテル化反応帯域の下流側に
使用し、また、さらなるMTBEの製造における反応体
として使用する統合型方法が得られる。
【0025】本発明の好ましい実施態様によると、TB
AとMeOHからMTBEを連続的に製造する方法であ
って、 a)過酸化物で汚染されたTBA供給原料を、過酸化物
分解反応帯域に連続的に供給し、該帯域中で過酸化物汚
染物をほぼ完全に分解して、過酸化物を実質的に含まな
いTBA生成物を形成し; b)MeOHと、過酸化物を実質的に含まない該TBA
生成物を含む反応原料混合物を、TBA/MeOHをエ
ーテル化する触媒床を含むエーテル化反応帯域に連続的
に供給し、該帯域中で該反応原料混合物を反応させて、
未反応MeOH、未反応TBA、水、IBTEおよびM
TBEを含むエーテル化反応生成物を形成し; c)該エーテル化反応生成物を第一のMTBE蒸留帯域
に連続的に供給し、該帯域中でIBTE、MeOHおよ
びMTBEを含む軽質の第一留分と、MeOH、TBA
および水を含む重質の第二留分とに分離し; d)該第一留分および第一の再循環IBTE画分を含む
IBTE反応混合物を、固体樹脂である、IBTE/M
eOHをエーテル化する触媒を含むIBTE転換反応帯
域に連続的に供給し、IBTE反応混合物に含まれるI
BTEとMeOHとを部分的に反応させてIBTE転換
生成物を形成し; e)IBTE転換生成物および第二のIBTE再循環画
分を含む抽出供給原料混合物をMeOH抽出帯域に連続
的に供給し、該帯域中で該抽出原料混合物を水と向流的
に接触させて、IBTE、MTBEおよび少量の水を含
む塔頂抽出物と、MeOH、水および少量のMTBEを
含むラフィネートとを得て、 f)該抽出物を第二のMTBE蒸留帯域に連続的に供給
し、該帯域中でIBTEおよび水を含む軽質の第三留分
と、本質的にMTBEのみからなる重質の第四留分とに
分離し; g)該第三留分をデカンテーション分離帯域に連続的に
供給し、該帯域中でIBTE画分と水画分とに分離し; h)該IBTE画分の第一の部分を、第一のIBTE再
循環画分としてIBTE反応転換帯域に連続的に再循環
させ; i)該IBTE画分の第二の部分を、第二のIBTE再
循環画分としてMeOH抽出帯域に連続的に再循環させ
る各段階からなる方法が得られる。
【0026】本発明のもう一つの好ましい実施態様は、
TBAとMeOHからMTBEを連続的に製造する方法
であって、 b′)MeOHとTBAとの混合物を、TBA/MeO
Hエーテル化触媒床を含むエーテル化反応帯域において
連続的に反応させて、未反応MeOH、未反応TBA、
水、IBTEおよびMTBEを含むエーテル化反応生成
物を形成し; c′)該エーテル化反応生成物を第一のMTBE蒸留帯
域に連続的に供給し、該帯域中で、IBTE、MeOH
およびMTBEを含む軽質の第一留分と、MeOH、T
BAおよび水を含む重質の第二留分とに分離し; d′)該第一留分および第一の再循環IBTE画分を含
むIBTE反応混合物を、固体樹脂である、IBTE/
MeOHをエーテル化する触媒を含むIBTE転換反応
帯域に連続的に供給し、IBTE反応混合物に含まれる
IBTEとMeOHとを部分的に反応させてIBTE転
換生成物を形成し; e′)該IBTE転換生成物および第二のIBTE再循
環画分を含む抽出原料混合物をMeOH抽出帯域に連続
的に供給し、該帯域中で抽出原料混合物を水と向流的に
接触させて、IBTE、MTBEおよび少量の水を含む
塔頂抽出物と、MeOH、水および少量のMTBEを含
むラフィネートとを得て; f′)抽出物を第二のMTBE蒸留帯域に連続的に供給
し、該帯域中でIBTEおよび水を含む軽質の第三留分
と、本質的にMTBEのみからなる重質の第四留分とに
分離し; g′)該第三留分をデカンテーション分離帯域に連続的
に供給し、該帯域中で、IBTE画分と水画分とに分離
し; h′)該IBTE画分の第一の部分を、第一のIBTE
再循環画分としてIBTE反応帯域に連続的に再循環さ
せ; i′)該IBTE画分の第二の部分を、第二のIBTE
再循環画分としてMeOH抽出帯域に連続的に再循環さ
せることを含む方法からなる。
【0027】本発明の第三の好ましい実施態様による
と、第一のMTBE蒸留帯域からの重質の第二留分およ
びMeOH抽出帯域からのラフィネートをさらに処理し
て、その中に含まれるMTBEを回収し、その中に含ま
れるMeOHおよびTBAを再循環のために得るMTB
Eの連続製造法であって、 j)MeOH抽出帯域からのラフィネートを、第三のM
TBE蒸留帯域に連続的に供給し、該帯域中で、MTB
Eを含む軽質の第五留分と、水およびMeOHを含む重
質の第六留分とに分離し; k)該第六留分を第四のMeOH蒸留帯域に連続的に供
給し、該帯域中で、軽質の第七MeOH再循環留分と、
重質の第八留分とに分離し; l)重質の第二留分を第五の蒸留帯域に連続的に供給
し、該帯域中で、MeOHおよびTBAを含む軽質の第
九再循環留分と、重質の第十留分とに分離し; m)該第五留分をMeOH抽出帯域に連続的に供給し; n)該第七留分および該第九留分をエーテル化反応帯域
に連続的に供給する各段階を含む方法が提供される。
【0028】エーテル化反応触媒 本発明のMTBE製造・精製法によると、エーテル化触
媒床を含むエーテル化反応帯域を使用する。担持リン酸
型触媒のような多様なエーテル化触媒を、この目的に使
用することができる。好ましい触媒は、ジビニルベンゼ
ンで架橋されたスルホン化ポリスチレン樹脂のような、
スルホン酸樹脂エーテル化触媒である。
【0029】いかなる好適な固体樹脂エーテル化触媒
を、この目的に使用してもよい。たとえば、共重合ジビ
ニルベンゼンを約0.5〜20%含むジビニルベンゼン
架橋ポリスチレンマトリックスのようなスルホン化ポリ
スチレンのみから本質的になる強酸性イオン交換樹脂で
ある。この種の樹脂は、「Dowex 50」、「Nalcite HC
R」および「Amberlyst 15」のような種々の商品名のも
とで、製造、販売されている。この種の触媒の利用は、
たとえばRao の米国特許第4,144,138号明細書
に開示されている。
【0030】また、Frolich の米国特許第2,282,
469号明細書に開示されているようなリン酸を含浸さ
せたけいそう土、Knifton の米国特許第4,822,9
21号明細書に開示されているようなリン酸を含浸させ
た酸化チタン、12−タングストリン酸または12−モ
リブドリン酸のようなヘテロポリ酸を酸化チタンに担持
したものなどを使用してもよい。
【0031】また、特開昭57−7432号公報に開示
されているゼオライト、またはChang らの米国特許第
4,058,576号明細書に開示されているアルミノ
ケイ酸塩ゼオライトを使用してもよい。
【0032】従来技術に開示されているタイプのスルホ
ン酸樹脂エーテル化触媒の存在下に、MeOHをTBA
と反応させるときに使用する反応条件は、90〜140
℃の反応温度、0.2〜3.5MPa (30〜約500ps
ia)の圧力および毎時エーテル化触媒1容量部あたり原
料0.5〜20容量部の空間速度を包含する。
【0033】エーテル化反応 本発明によると、回収過程で得られ、上記に第一留分と
して規定され、IBTEとMeOHの両方を含有する留
分を、上述のように、固体樹脂エーテル化触媒と接触さ
せて、IBTEおよびMeOHの相当部分をMTBEに
転換する。
【0034】第一留分は、通常、IBTE5〜10重量
%、MTBE70〜80重量%およびMeOH10〜2
0重量%を含有するであろう。
【0035】第一留分の重量を基準にしてIBTEをさ
らに約1〜10重量%含むIBTE反応混合物を得るた
めに、第一留分と第一のIBTE再循環分からIBTE
反応混合物を製造する。このように、IBTE反応混合
物は、IBTE6〜15重量%、MTBE65〜75重
量%およびMeOH10〜20重量%を含むことができ
る。
【0036】これを、IBTE転換反応帯域において、
たとえば35〜130℃の温度、0.2〜3.5MPa
(30〜500psia)の圧力およびエーテル化触媒1容
量部あたり毎時第一留分0.5〜20容量部の空間速度
を包含する転換条件のもとで、固体樹脂エーテル化触媒
と接触させる。その結果、通常は、IBTE0〜10重
量%、MTBE75〜85重量%およびMeOH10〜
15重量%を含有するIBTE転換生成物が形成され
る。
【0037】過酸化物分解 MTBEの製造に使用されるTBA供給原料が、tert−
ブチルヒドロペルオキシド、DTBPおよびアリル−te
rt−ブチルペルオキシドのような過酸化物で汚染された
TBAであるとき、この供給原料をMTBEエーテル化
帯域に供給する前に、過酸化物汚染物をほぼ完全に除去
するための処理を加える。
【0038】tert−ブチルヒドロペルオキシドの熱分解
または接触分解によって、TBAを製造することは公知
である。また、tert−ブチルヒドロペルオキシドをプロ
ピレンと接触反応させてプロピレンオキシドおよびTB
Aを製造することも公知である。このようにしてtert−
ブチルヒドロペルオキシドから誘導されたTBA供給原
料は、過酸化物汚染物を含有するであろう。この方法で
製造された典型的な供給原料は、TBA95〜99重量
%および過酸化物汚染物2.0重量%未満を含有するで
あろう。
【0039】本発明によると、過酸化物で汚染されたT
BAを過酸化物分解反応帯域に供給し、そこで、過酸化
物を熱的および/または接触的にほぼ完全に分解する。
過酸化物汚染物が分解して、水およびTBAならびに痕
跡量の他の分解生成物、たとえばアセトンおよびギ酸メ
チルが形成される。
【0040】過酸化物を熱分解するとき、過酸化物で汚
染されたTBA供給原料を、100〜200℃の温度、
0.6〜3.5MPa (80〜500psia)の圧力および
反応器1容量部あたり毎時0.5〜50容量部の流量に
おいて、反応器の過酸化物分解反応帯域に連続的に通し
て、過酸化物を実質的に含まないTBA反応生成物を得
る。
【0041】あるいはまた、過酸化物汚染物を接触分解
してもよい。
【0042】多様な触媒をこの目的に使用することがで
きる。たとえば、米国特許第4,547,598号明細
書に開示されたホウ酸コバルト、Sanderson らの米国特
許第4,704,482号明細書に開示されたニッケル
/銅/酸化クロム触媒、Sanderson らの米国特許第4,
705,903号明細書に開示された鉄/銅/酸化クロ
ム/コバルト触媒、Sanderson らの米国特許第4,74
2,179号明細書に開示された、周期律表のVIB族も
しくはVIIIB族の塩基処理された水素化触媒、Sanderso
n らの米国特許第4,873,380号明細書に開示さ
れたニッケル/銅/クロム/バリウム触媒、Sanderson
らの米国特許第4,910,349号明細書に開示され
た金属フタロシアニン触媒、Sanderson らの米国特許第
4,912,266号明細書に開示された、イミダゾー
ルで活性化されたメチル金属フタロシアニン触媒、Sand
erson らの米国特許第4,912,267号明細書に開
示された、塩基で活性化された金属フタロシアニン触
媒、Sanderson らの米国特許第4,922,033号明
細書に開示された固形ルテニウム触媒ならびにSanderso
n らの米国特許第4,922,034号明細書に開示さ
れた活性化金属ポルフィン触媒がある。
【0043】過酸化物分解帯域に使用される転換条件
は、たとえば、100〜200℃の温度、0.6〜3.
5MPa (80〜500psia)の圧力および触媒1容量部
あたり毎時原料0.5〜20容量部の空間速度を含むこ
とができる。
【0044】過酸化物分解帯域からの流出液は、通常、
TBA95〜99重量%および過酸化物汚染物0.1重
量%未満を含むであろう。
【0045】反応および回収の好ましい実施態様 図面は、MTBEを製造、精製するための本発明の反応
および回収の手順を、慣用の設備を省いて示す概略図で
ある。
【0046】ここで図面を参照すると、本発明の方法を
実施するための好ましい方法を示す概略図が示されてい
る。図中、弁、ポンプ、温度制御センサ、圧力センサ、
加熱器、冷却器、流量制御装置、還流冷却器およびリボ
イラのような慣用の設備は省略した。
【0047】本発明によると、固体エーテル化触媒床を
含むエーテル化反応帯域10が設けられている。好適な
エーテル化触媒、たとえばジビニルベンゼンで架橋した
スルホン化ポリスチレンのみから本質的になる強酸性イ
オン交換樹脂(たとえばDowex 50、Nalcite HCR および
Amberlyst 15)のような、上述のタイプの固体樹脂エー
テル化触媒を使用することができる。他の例として、触
媒は、Knifton らの米国特許第4,822,921号明
細書に開示されているタイプのフルオロリン酸を担持し
た酸化チタン触媒または12−タングストリン酸もしく
は12−モリブドリン酸のようなヘテロポリ酸を酸化チ
タンのような不活性担体に担持したものであってもよ
い。
【0048】tert−ブチルヒドロペルオキシドの熱分解
または接触分解によってTBAを製造するとき、少量の
不純物が含まれる。たとえば、反応帯域10に供給され
る供給原料は、次の成分を含有するようになろう。
【0049】
【表1】
【0050】エーテル化反応帯域10に最初に供給され
るTBA供給原料が、上述のような、過酸化物で汚染さ
れたTBA供給原料であるとき、該TBA供給原料を、
まず、TBA供給ライン13により、たとえば100〜
200℃の温度、0.55〜3.45MPa (80〜50
0psia)の圧力および反応器1容量部あたり毎時0.5
〜20容量部の流量において、過酸化物分解帯域11、
たとえば過酸化物熱分解帯域11に供給して、過酸化物
を実質的に含まないTBA反応生成物を得る。過酸化物
汚染物が分解して、水およびTBAならびに痕跡量の他
の分解生成物、たとえばアセトンおよびギ酸メチルが形
成される。
【0051】過酸化物を実質的に含まないTBA反応生
成物は、吐出しライン17によって過酸化物分解帯域1
1から排出されてマニホールド12に達する。再循環M
eOHおよび再循環TBAを含有する再循環流112と
ともに、新鮮なMeOHがライン15によってマニホー
ルド12に連続的に供給される。ライン15、17およ
び112を介してマニホールド12に達するMeOHお
よびTBAの流量は、エーテル化反応帯域10に通じる
ライン14の中にモル過剰のMeOH、たとえばTBA
1モルあたり約1.1〜3モルのMeOHが存在するよ
うに調節する。
【0052】エーテル化反応帯域10の中で、原料混合
物を、0.2〜3.5MPa (30〜500psia)、より
好ましくは1.4〜2.1MPa (200〜300psia)
の圧力および30〜200℃、より好ましくは80〜1
40℃、さらに好ましくは90〜130℃の温度を含む
反応条件のもとに、スルホン酸樹脂エーテル化触媒のよ
うなエーテル化触媒床と接触させる。触媒が担持リン酸
タイプの触媒であるとき、反応温度は150〜190℃
の範囲にあることが適当である。
【0053】エーテル化反応帯域の中での接触時間は、
エーテル化触媒1容量部あたり毎時原料混合物0.5〜
20容量部、より好ましくはエーテル化触媒1容量部あ
たり毎時原料混合物1〜4容量部が、エーテル化反応帯
域10に供給されるようなものであることが好適であ
る。
【0054】エーテル化反応帯域10の中で、MeOH
はTBAと発熱反応を起こしてMTBEを形成し、それ
は、エーテル化反応帯域10からライン20によって排
出される反応生成物に含まれて、第一のMTBE蒸留帯
域30に達する。
【0055】具体例として、固体エーテル化触媒がAmbe
rlyst 15のようなスルホン酸樹脂であるとき、また、ラ
イン14によってエーテル化反応帯域10に供給される
原料混合物中のMeOH:TBAのモル比が約2:1以
内であり、反応を約100℃で、触媒1容量部あたり毎
時原料混合物約2.0容量部の供給速度において実施す
るとき、エーテル化反応生成物は、以下の表によって部
分的に示す組成を有することができる。
【0056】
【表2】
【0057】供給ライン20によって第一のMTBE蒸
留帯域30に供給されるエーテル化反応生成物を、該帯
域中で30〜100℃、好ましくは40〜80℃の液還
流温度;80〜115℃、好ましくは95〜105℃の
リボイラ温度;および0.1〜0.4MPa (15〜60
psia)の圧力を包含する蒸留条件のもとで分別蒸留す
る。この蒸留条件は、エーテル化反応生成物20の中の
MTBEの実質的すべてが、第一の蒸留帯域30からラ
イン32によって塔頂に運ばれるように選択したもので
ある。その結果、蒸留帯域30から塔頂に運ばれる第一
留分32は、実質的にすべてのIBTEおよび実質的に
すべてのMTBE、ならびに第一の蒸留帯域30に供給
されたMeOHのいくらかを含む。第一のMTBE蒸留
帯域34から排出された重質の第二留分は、MeOH、
TBAおよび水を含むであろう。
【0058】本発明によれば、供給ライン89によって
加えられる再循環IBTEと混合された第一留分32
は、マニホールド33および供給ライン35を介して、
Amberlyst 15スルホン化ポリスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体酸性イオン交換樹脂のような固体樹脂エーテ
ル化触媒床を含有するIBTE反応帯域40に供給され
る。好適には、ライン35の中の混合物は、第一留分1
00部あたり約2〜約15部の再循環IBTEを含有す
る。
【0059】IBTE転換帯域40に設定されるエーテ
ル化反応条件は、たとえば、35〜130℃、より好ま
しくは40〜70℃の温度;0.4〜3.4MPa (50
〜500psia)、より好ましくは1.0〜1.7MPa
(150〜250psia)の圧力;および固体樹脂エーテ
ル化触媒1容量部あたり毎時第一留分0.5〜4容量部
の空間速度を含む。その結果、第一留分32に含まれる
MeOHおよびIBTEの一部分がMTBEに転換され
る。通常、転換率は、IBTEを基準にして、約30〜
60重量%に達する。
【0060】その結果、IBTE転換帯域40にIBT
E転換生成物が形成され、ライン42によって排出され
て、MeOH溶媒抽出帯域50に送られる。典型的なI
BTE転換生成物の組成は、次の特徴を有することがで
きる。
【0061】
【表3】
【0062】本発明によると、IBTE転換生成物42
は、再循環ライン83によって供給される再循環IBT
Eとともに、マニホールド44に供給され、そこからラ
イン46を介してMeOH溶媒抽出帯域50に供給さ
れ、そこで、弁54によって制御される供給ライン52
によって溶媒抽出帯域50に導入される水と、向流的に
接触する。
【0063】MeOH溶媒抽出帯域50では、毎時抽出
原料混合物1部あたり水0.1〜0.3部、より好まし
くは毎時抽出原料混合物1部あたり水0.1〜0.2部
の水:抽出原料混合物の比を含む向流溶媒抽出のための
溶媒抽出条件が設定される。設定すべき抽出条件は、2
0〜60℃、より好ましくは30〜40℃の温度および
0.4〜3.4MPa (50〜500psia)、より好まし
くは0.4〜1.0MPa (50〜150psia)の温度を
含むことが適当である。
【0064】その結果、上澄み抽出物が形成され、これ
をライン60によってMeOH溶媒抽出帯域50から回
収する。ラフィネートは釜残供給ライン64によって溶
媒抽出帯域50から排出されて、第三のMTBE蒸留帯
域70に送られる。
【0065】第二のMTBE精製蒸留帯域62では、3
0〜60℃、より好ましくは40〜55℃の液還流温
度;100〜140℃、より好ましくは125〜135
℃のリボイラ温度;および0.5〜0.8MPa (70〜
120psia)、より好ましくは0.6〜0.7MPa (9
0〜110psia)の圧力を含む蒸留条件が設定されてい
て、これにより、第二の蒸留帯域62から排出された軽
質留分66と、本質的に生成物、すなわちMTBEのみ
からなる重質の第四留分68とが形成される。
【0066】第三留分66は、IBTEと水との混合物
を含み、デカンテーション帯域80に適宜に供給され、
そこで静置して上澄みIBTE相を形成することができ
る。この上澄みIBTE相は、ライン82によってデカ
ンテーション帯域から回収される。水は、水排出ライン
84によってデカンテーション帯域から排出され、系か
ら適宜にパージされる。好適には、ライン82のIBT
Eの一部は、第一のIBTE再循環画分として、マニホ
ールド86と、弁87によって制御されるライン89
と、マニホールド33と、ライン35とによってIBT
E転換反応帯域40に再循環され、ライン82のIBT
Eの別の一部は、第二のIBTE再循環画分として、弁
85によって制御される分岐ライン83を介してMeO
H溶媒抽出帯域50に再循環される。ライン82のIB
TEの10〜15重量%が第一のIBTE再循環画分と
してマニホールド86から排出され、90〜85重量%
が第二のIBTE再循環画分として排出される。
【0067】第三の蒸留帯域70に供給されるラフィネ
ート64は、MTBE、MeOHおよび水からなり、3
0〜90℃、より好ましくは50〜75℃の液還流温
度;80〜120℃、より好ましくは105〜115℃
のリボイラ温度;および0.1〜0.4MPa (15〜6
0psia)、より好ましくは0.3〜0.35MPa (40
〜50psia)の圧力を含む蒸留条件のもとで、適宜その
中で分別蒸留されて、MTBEを含む軽質の第五留分7
2が形成される。このMTBEを供給ライン46のマニ
ホールド44に供給して、MeOH溶媒抽出帯域50に
送ることが好適である。水とMeOHからなる重質の第
六留分は、ライン74によって第三の蒸留帯域70から
排出されて、第四の蒸留帯域90に送られる。該第四の
MeOH蒸留帯域90に供給された該第六留分は、30
〜80℃、より好ましくは60〜75℃の液還流温度;
100〜140℃、より好ましくは110〜120℃の
リボイラ温度;および0.1〜0.4MPa (15〜60
psia)、より好ましくは0.14〜0.2MPa (20〜
30psia)の圧力を含むことが好適である蒸留条件のも
とで、そこで分別蒸留されて、軽質の第七留分92を出
す。これをマニホールド93に供給し、そこからライン
112によってマニホールド12に供給して、供給ライ
ン14を介してエーテル化反応帯域10に再循環させる
ことが好適である。本質的に水のみからなる重質留分
が、第四のMeOH蒸留帯域からライン94によって排
出される。これをマニホールド95および水排出ライン
96を介して、系から排出することができる。
【0068】本発明によって第一のMTBE蒸留帯域3
0から排出された第二留分34は、第五のTBA回収蒸
留帯域100に供給され、その中で、35〜170℃、
より好ましくは140〜150℃の液還流温度;100
〜190℃、より好ましくは170〜180℃のリボイ
ラ温度;および0.1〜1.3MPa (15〜190psi
a)、より好ましくは0.75〜1.10MPa (110
〜160psia)の圧力を含む蒸留条件のもとで分別蒸留
されて、ライン102によって第五の蒸留帯域100か
ら排出され、マニホールド103に送られる第九留分
と、ライン106によって蒸留帯域100から排出さ
れ、マニホールド95によって水排出ライン96に送ら
れる第三の水分を含む重質の第十留分とに分けられる。
【0069】本発明の一実施態様によると、第九留分1
02をマニホールド103に供給し、弁116によって
制御される排出ライン118に通して供給マニホールド
12に送り、MeOHをマニホールド12から供給ライ
ン14を介してエーテル化反応帯域10に直接供給しう
る。マニホールド103からMeOH抽出帯域50への
供給マニホールド44に通じる、弁98によって制御さ
れる第二の分岐ライン120を設けており、第九留分1
02の全部または一部をマニホールド44に再循環しう
る。
【0070】
【発明の効果】本発明によって、副生するIBTEを循
環させることにより、該IBTEをMTBEに転換させ
て、MTBEの総合収率を向上させることが可能であ
る。さらに、本発明によって、MTBEを含む留分中に
存在して、MTBEとの共沸混合物を形成するために、
MTBE留分から除去するのが困難であったMeOH
を、容易に除去することが可能である。したがって、本
発明はMeOHとTBAから連続的にMTBEを合成す
る方法として、きわめて有用である。
【0071】
【実施例】本発明の範囲に限定を加えるためではなく、
それを例示するために記載する以下の具体的な実施例に
よって、本発明をさらに説明する。なお、部について述
べる場合、それはすべて重量部である。
【0072】本発明の好ましい実施態様によると、TB
A供給原料をライン13によって過酸化物分解帯域11
に連続的に供給し、そこで、100〜200℃の温度、
0.55〜3.45MPa (80〜500psia)の圧力お
よび反応器1容量あたり毎時供給原料0.5〜50容量
の流量を包含するDTBP熱分解条件のもとで熱処理し
て、過酸化物を実質的に含まないTBA反応生成物を得
る。
【0073】過酸化物で汚染された供給原料と、過酸化
物分解帯域11から排出された、過酸化物を実質的に含
まない反応生成物は、代表的には、次のような組成を示
した。
【0074】
【表4】
【0075】過酸化物を実質的に含まないTBA反応生
成物17を、新鮮なMeOH供給原料15および再循環
分112とともに、供給ライン14のMeOH:TBA
の供給比が2モル:1モルになるような量で、マニホー
ルド12に供給した。
【0076】供給混合物をライン14によってマニホー
ルド12から排出して、Amberlyst15触媒のような好適
なエーテル化触媒床を含むエーテル化反応帯域反応器1
0に送った。エーテル化反応帯域では、該供給原料を、
上述の反応条件のもとで、連続的にエーテル化反応の触
媒床に通して、次の組成を有する反応生成物を得た。
【0077】
【表5】
【0078】エーテル化帯域の反応生成物を、ライン2
0によって反応帯域10から排出して第一のMTBE蒸
留帯域30に送り、そこで留分20を、IBTE約6.
5重量%、MeOH約16.5重量%およびMTBE約
75重量%を含む軽質の第一留分32と、MeOH約3
7重量%、TBA約26.0重量%、水約26重量%、
イソプロパノール11重量%および他の成分約0.5重
量%を含む重質の第二留分とに分離した。
【0079】第一留分32を再循環IBTE89ととも
にライン34を介してIBTE転換帯域40に連続的に
供給し、そこで上述した転換条件のもとで、Amberlyst
15触媒のような固体樹脂エーテル化触媒と接触させて、
第一留分中のIBTEの約50重量%およびMeOHの
一部をMTBEに転換し、IBTE転換生成物を形成
し、これをライン42によってIBTE反応帯域から排
出した。このIBTE転換生成物は、次の組成を示し
た。
【0080】
【表6】
【0081】IBTE転換留分42およびIBTE再循
環分83を、マニホールド45から出るライン41によ
ってマニホールド44に供給した。IBTE混合物を、
再循環画分120および再循環画分72とともに、供給
ライン46によってマニホールド44から排出し、再循
環IBTEの1部あたりIBTE転換生成物約2部の比
で、MeOH抽出帯域50に導入した。水を、水供給ラ
イン52により、MeOH抽出帯域50の中のIBTE
およびIBTE転換生成物への水の比が、抽出原料混合
物1部あたり水0.1〜0.3部の範囲になるような量
で、MeOH抽出帯域50に供給した。
【0082】MeOH抽出帯域では、上述の抽出条件の
もとでIBTE転換生成物からMeOHを抽出して、I
BTEおよびMTBEからなる塔頂(抽出物)留分60
と、MeOHおよび水からなるラフィネート64とを得
た。
【0083】抽出物をライン60によって第二のMTB
E精製蒸留帯域62に供給し、そこで蒸留により、IB
TEおよび水を含む軽質の第三留分66と、本質的にM
TBEのみからなる重質の第四留分68とに分離した。
この重質の第四留分を、生成物として排出した。
【0084】第三留分66をデカンテーション分離帯域
80に供給し、そこで、それを沈着させ、IBTE画分
82と第一の水画分84とに分離し、この水画分を系か
ら排出した。
【0085】IBTE画分82を、第一留分32と混合
して適宜にIBTE転換帯域40に再循環させ、また、
MeOH抽出帯域への原料に再循環させた。
【0086】ライン89からの再循環IBTEの、代表
的には約2〜10部を、第一留分32からの塔頂生成物
100部と混合した。
【0087】ラフィネート64を第三のMTBE蒸留帯
域70連続的に供給し、そこで、MTBEを含む軽質の
第五留分72と、MeOHおよび水を含む重質の第六留
分74とに分離した。該留分74を第四のMeOH蒸留
帯域90に連続的に供給し、そこで、分留により、Me
OHを含む軽質の第七留分92と、水を含む第八留分と
に分離した。この第八留分をライン94によって排出し
た。本発明の好ましい実施態様によると、留分92を留
分118とともにライン112によって供給マニホール
ド12に供給した。
【0088】第一のMTBE蒸留帯域30からの第二留
分34を、第五のTBA回収蒸留帯域100に連続的に
供給し、そこで、MeOH、TBAおよび水からなる軽
質の第九留分102と、水を含む重質の第十留分106
とに分離した。この重質の第十留分をライン106によ
って排出し、ライン106の水を、ライン94の水とと
もに、マニホールド95から水排出ライン96を介し
て、系から適宜に排出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】MTBEを製造、精製するための本発明の反応
および回収の手順を、慣用の設備を省略して示す概略図
である。
【符号の説明】
10 エーテル化反応帯域 11 過酸化物分解帯域 30 第一のMTBE蒸留帯域 40 IBTE転換帯域 50 MeOH抽出帯域 62 第二のMTBE蒸留帯域 70 第三のMTBE蒸留帯域 80 デカンテーション分離帯域 90 第四のMeOH蒸留帯域 100 第五の蒸留帯域
フロントページの続き (72)発明者 レイ−ユ・ジュディ・ホワン アメリカ合衆国、テキサス、ヒュースト ン、セイジモア・ヒルズ 14834 (72)発明者 カイル・リー・プレストン アメリカ合衆国、テキサス、ヒュースト ン、エス・ブレイスウッド・ナンバー302 2601 (72)発明者 フェン−ラン・シュー アメリカ合衆国、カリフォルニア 92686、 ヨルバ・リンダ、マルダ・ストリート 17330

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールと過酸化物を実質的に含まな
    いtert−ブチルアルコールとの混合物を接触的に反応さ
    せて反応生成物を形成し、その反応生成物を、イソブチ
    レン、メタノールおよびメチル−tert−ブチルエーテル
    を含む軽質の第一留分と、メタノール、tert−ブチルア
    ルコールおよび水を含む重質の第二留分とに分離するメ
    チル−tert−ブチルエーテルの連続製造法であって、 第一留分と第一の再循環イソブチレン画分とを反応させ
    てイソブチレン転換生成物を形成し、それを、再循環イ
    ソブチレンとともに、メタノール抽出帯域に供給し、水
    と向流的に接触させて、水性イソブチレンを含む塔頂抽
    出物を得て、そのイソブチレンを回収し、再循環させる
    ことを特徴とするメチル−tert−ブチルエーテルの連続
    製造法。
  2. 【請求項2】 a)過酸化物で汚染されたtert−ブチル
    アルコール供給原料を、過酸化物分解反応帯域に連続的
    に供給し、該帯域中で過酸化物汚染物をほぼ完全に分解
    して、過酸化物を実質的に含まないtert−ブチルアルコ
    ール生成物を形成し; b)過酸化物を実質的に含まない該tert−ブチルアルコ
    ール生成物と、メタノールとを含む原料混合物を、エー
    テル化反応条件下に、tert−ブチルアルコール/メタノ
    ールをエーテル化する触媒床を含有するメチル−tert−
    ブチルエーテル形成エーテル化反応帯域に連続的に通し
    て、未反応メタノール、未反応tert−ブチルアルコー
    ル、水、イソブチレンおよびメチル−tert−ブチルエー
    テルを含むエーテル化反応生成物を形成し; c)該エーテル化反応生成物を第一のメチル−tert−ブ
    チルエーテル蒸留帯域に連続的に供給し、該帯域中で、
    イソブチレン、メタノールおよびメチル−tert−ブチル
    エーテルを含む軽質の第一留分と、メタノール、tert−
    ブチルアルコールおよび水を含む重質の第二留分とに分
    離し; d)該軽質の第一留分およびイソブチレン再循環画分を
    含む抽出原料混合物をメタノール抽出帯域に連続的に供
    給し、該帯域中で抽出原料混合物を水と向流的に接触さ
    せて、イソブチレン、メチル−tert−ブチルエーテルお
    よび少量の水を含む塔頂抽出物と、メタノール、水およ
    び少量のメチル−tert−ブチルエーテルを含むラフィネ
    ートとを得て; e)該抽出物を第二のメチル−tert−ブチルエーテル蒸
    留帯域に連続的に供給し、該帯域中で、イソブチレンお
    よび水を含む軽質の第三留分と、本質的にメチル−tert
    −ブチルエーテルのみからなる重質の第四留分とに分離
    し、 f)該第三留分をデカンテーション分離帯域に連続的に
    供給し、該帯域中でイソブチレン画分と水画分とに分離
    し; g)該イソブチレン画分の一部を再循環イソブチレン画
    分としてメタノール抽出帯域に連続的に再循環させる各
    段階からなる請求項1記載のメチル−tert−ブチルエー
    テルの連続製造法。
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