JPH06199298A - 駐機位置計測装置 - Google Patents

駐機位置計測装置

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JPH06199298A
JPH06199298A JP1670293A JP1670293A JPH06199298A JP H06199298 A JPH06199298 A JP H06199298A JP 1670293 A JP1670293 A JP 1670293A JP 1670293 A JP1670293 A JP 1670293A JP H06199298 A JPH06199298 A JP H06199298A
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JP
Japan
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image
marking
aircraft
shape
unit
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JP1670293A
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Hisashi Kurosaki
久 黒埼
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Nippon Signal Co Ltd
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Nippon Signal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 駐機位置計測装置を、空港エプロンの航空機
進入路中心線上の路面に設けられた所定形状のマーキン
グ(8) と、このマーキングを撮像する複数のTVカメラ
(100) と、各TVカメラからの映像信号を選択的に出力
する画像切換部(101) と、その出力映像信号を画像処理
するマーキング画像抽出部(104) と、航空機のノーズギ
アタイヤ(1a)により隠蔽されたマーキング形状に基づき
位置を算定する航空機位置計測部(105) とを含み構成す
る。 【効果】 極めて簡単なマーキングを地上設備とし、画
像処理の負担を大幅に軽減し、駐機のため進入してくる
航空機の位置計測精度の向上と信頼性の向上を実現す
る。また複数のTVカメラの画角を航空機の遠近に応じ
て適宜設定し適宜切替え使用することで、いたづらに分
解能の高い機材を用いることなく従前と同じ分解能の装
置で領域毎に一段と高い位置分解能を得て位置計測精度
を向上させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願各発明は、空港において航空
機がエプロンに進入し所定位置に正確に停止し駐機する
過程でパイロットに自機のエプロン上での位置を知らせ
る目的で画像処理技術を用いて該航空機の位置を自動的
に計測するための駐機位置計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】民間用航空機が空港において一般乗客を
乗降させるためには、航空機はエプロンに接近し、正確
にエプロンと適合した駐機位置に停止(駐機)しなけれ
ばならない。このため、航空機のパイロットには自機の
エプロンに対する姿勢(方位情報)及び目標駐機位置ま
での距離を正確に知らせなければならない。このために
は、地上の誘導員により一定の合図動作が行われること
もあるが、これに替え正確に駐機位置に停止できるよう
に、電子的計測装置を用いてパイロットに必要情報を提
供する装置(駐機位置計測装置)が使用されている。
【0003】図8は、上述装置に係る空港設備等を説明
するための空港エプロン部及び航空機の概観図である。
エプロンに進入した航空機1は旅客の乗降用に空港建物
2よりエプロンに張り出し屈曲した橋状通路3の先端部
に乗降口4を一致させて停止、駐機する。この駐機まで
の地上移動中には駐機位置計測装置が用いられ、航空機
の位置が計測され航空機正面で建物2の側面に取付けら
れた位置表示板5に表示されるので航空機の操縦士はこ
の情報を確認しつつ所定駐機位置に停止する。
【0004】図9(a)、(b)はこうした位置表示板
5の一例を示すもので図9(a)は、航空機が移動中の
表示内容の一例を示しており、地上側が認知している機
種名の表示5aと、現在の航空機の位置から所定停止位
置までの離間距離(残距離)を伝える表示5b、そして
同じく離間距離を視角的に表す停止線相当の表示5cと
これに順次接近して表示される矢印表示5dが発光ダイ
オードマトリクスで点灯表示されている。航空機が所定
位置に達すると、図9(b)に示すように停止線表示5
cと矢印表示5dの先端は一致して表示され、また離間
距離の替わりに停止すべき旨のメッセージ(例えばST
OP)5eが表示される。
【0005】このような従来の駐機位置計測装置とし
て、航空機に備えられた衝突防止灯を点灯させておき適
宜の撮像手段で得た当該航空機の映像を画像処理して衝
突防止灯までの距離を測定し(測距)て航空機の位置を
得る装置が知られている。図10は、エプロン部に進入
してくる航空機1を前方から見た様子を示している。上
記の撮像手段を用いる場合には航空機進入路を前方から
撮影した画像を監視して、図11(a)の監視画像範囲
内に図11(b)に示すように航空機が進入してきた場
合に画像処理をして衝突防止灯7を抽出し、その位置を
算定するようになっている。
【0006】この他の装置には、例えばセンサとして地
上にループコイルを埋設してこの上を通過する磁性体
(航空機)を検知するものがあり、ループコイルは誘導
表示線6に沿って路面下に適宜間隔でループコイルが埋
設され機体の通過を検知する。しかし、このループコイ
ルを用いる装置は地上に埋設物を固定的に設備しなけれ
ばならず、大規模な工事が必要であり又対象機種の変更
等に細かに対応することができない等の欠点がある。
【0007】ところで、従来の画像処理を用いるものは
単一のTVカメラで処理画像を得ているため、分解能が
不足し、計測した航空機位置の精度が充分でないという
難点があった。例えば、1画面が512×512画素の
標準的な装置を使用した場合、図11(b)に示すよう
な遠距離から極近距離までの広い範囲を含む画像を処理
した場合、衝突防止灯7の位置計測精度は分解能に対応
するから航空機が遠距離にある場合には、位置の分解能
は極めて低くなる。また、航空機が近距離となると位置
分解能は上がるが、駐機位置に正確に停止するためには
充分な分解能とは言えずより高い分解能(精度)が必要
とされていた。なお、安易に高分解能の装置を使用する
ことは現状ではコスト的に無理がある。
【0008】この問題に加えて、特に衝突防止灯を必要
とする画像処理による装置は、地上にても衝突防止灯の
点灯を義務づけなければならないし機種によらず衝突防
止灯の配設位置を統一しなければならず、また画像内の
他機の衝突防止灯や他の燈火を誤認する虞もあるという
問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、上述した
事情に鑑みて為されたものであって、画像処理技術を用
いた、簡易で計測精度が高くまた信頼性も高い新規な駐
機時の航空機位置を計測する駐機位置計測装置を新たに
提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明では駐機位置計
測装置を、空港エプロンの航空機進入路中心線上の路面
に設けられた所定形状のマーキングと、航空機進入路の
終端側より前記マーキングを含む画像を撮像する複数の
TVカメラと、各TVカメラからの映像信号が入力さ
れ、各映像信号を選択的に出力する画像切換部と、画像
切換部からの出力映像信号を画像処理して前記マーキン
グに対応する形状を抽出するマーキング画像抽出部と、
航空機進入時に航空機のノーズギアタイヤにより隠蔽さ
れたマーキング形状に基づきノーズギアタイヤの航空機
進入路上での位置より航空機の機種に応じた駐機適正位
置との離間距離を算定する航空機位置計測部とを含み構
成する。
【0011】
【作用】複数のTVカメラは、監視対象領域を分割した
夫々に割当てられた領域の所定形状のマーキングを含む
画像を撮像して映像信号を画像切換部へ入力する。画像
切換部は、航空機の進入につれ航空機を含む映像を順次
切換えて画像処理部へと出力する。これにより航空機の
遠近に応じて各TVカメラの画角を適宜設定すること
で、いたづらに分解能の高い装置を用いることなく従前
と同じ分解能の装置で領域毎に適切な計測精度を得るこ
とができる。
【0012】画像処理部のマーキング画像抽出部ではマ
ーキングに対応する画像を抽出し、抽出結果より航空機
位置計測部が航空機のノーズギアタイヤによるマーキン
グ形状の変化よりノーズギアタイヤの位置から航空機の
位置更には機種に応じた駐機適正位置との離間距離を算
定する。この離間距離は表示等の適宜手段により当該航
空機の操縦者に報知される。上述過程において、マーキ
ングとノーズギアタイヤの明度差或いは色相差が大きい
ことから、画像処理によるマーキング形状の抽出従って
ノーズギアタイヤの形状の抽出は極めて容易となる。
【0013】
【実施例】以下、本願発明を添附図面に示す実施例に基
づき詳しく説明する。本願発明では、地上設備として所
定のマーキングを設ける。実施例ではこのマーキングは
所定光学特性を有する。即ち、航空機のノーズギアタイ
ヤ(通常黒色)と明度差が大きい白色あるいは黄色等の
外観を呈するマーキング材を用いて、或いは航空機のノ
ーズギアタイヤ(通常黒色)や一般的な空港地上面やそ
の他の設備等の背景部が通常呈する色相とは充分異なる
色相(例えば赤色、緑色等)の外観色を呈するマーキン
グ材を用いて地表面に描かれている。
【0014】これらマーキングは、既に航空機が駐機用
のエプロンに進入するための進入路をガイドするために
従来から地表面に描かれていて航空機操縦士が目視して
利用する誘導用の所定幅の一本の直線(誘導表示線6)
の上に重ねて適宜塗料の塗布等により所定形状で描かれ
ており、例えば図2、図3で示す例ではマーキング8
は、前記誘導表示線6に重ねて同一方向に設けられた後
述所定幅の直線部8aと、この直線部8aに沿って複数
箇所で該直線部の両側に直交して延びるように設けられ
た所定長所定幅の張出部(8b1 〜8b5 )とを有する
ように設けられて(描かれて)いる。
【0015】次に、上述マーキング8とともに本願発明
を構成する画像処理装置の一実施例について説明する。
図1は、画像処理装置10の一例を示すブロック図であ
る。この画像処理装置10は、複数の画像入力部100(10
0A,100B,...)、各画像入力部からの出力映像信号が入力
される画像切換部101 、この画像切換部101 に後続する
画像記憶部102、記憶された画像を前処理する前処理部1
03 、前処理部103 の出力よりマーキング8に相当する
部分のみを抽出し2値画像に変換するマーキング画像抽
出部104と抽出されたマーキング画像に基づき航空機の
進入路上での位置を計測する航空機位置計測部105 とを
含み構成されている。
【0016】また、前記マーキング抽出部104 には航空
機条件入力部106 が接続されていて航空機の進入条件や
機種条件を入力する。また、進入条件で画像処理装置1
0の動作モード(後述)を切換えている。航空機位置計
測部105 の得た位置情報は航空機位置表示部107 により
表示され、航空機の操縦士はこの表示を航空機の誘導に
利用する。なお、必要に応じて装置の動作監視等の目的
でモニタ108 が付加される。
【0017】上記画像入力部100 は、複数のTVカメラ
及びこれに付帯する回路からなり、空港エプロンの航空
機進入路中心線に沿った監視対象領域を適宜分割した領
域に夫々に割当てられ、分担領域の所定形状のマーキン
グを含む画像を撮像して出力映像信号を後続する画像切
換部101 へ夫々送出する。解像度の点でITVカメラ
(工業用TVカメラ)を用いることが望ましい。
【0018】図2は、このようにして得られる映像信号
に対応する画像群の一例を模式的に示すもので、例えば
航空機進入路に沿って手前より順にF1、F2、F3の
各画像が得られる。F1〜F3の画像は航空機進入路に
沿って連続していることが望ましい。各画像におけるズ
ーム具合、即ち画角の大きさは一定である必要はなく、
さほど細かい位置分解能は不要な遠景に対応するF3は
広角気味に、一方駐機位置に近く細かい位置計測のため
高い位置分解能が必要となる最近景画像のF1は、画角
を小さく設定しノーズギアタイヤ1a部分を主体にズー
ムアップした画像としする。
【0019】画像切換部101 は、入力された各画像入力
部100 からの映像信号を、後述する航空機位置計測部10
5 からの制御信号により航空機の進入につれ航空機を含
む最適映像を順次切換えて画像処理部分へと出力する。
【0020】画像記憶部102 は、入力されたビデオ信号
をA/D変換して1フィールド(または1フレーム)分
の多値画像を記憶する部分で、ビデオ信号の輝度レベル
に応じた所定階調のデジタル値が一画面分記憶される。
この画像記憶部102 からの出力は前処理部103 へと送出
される。なお、この多値画像はモニタ108 にも出力され
ていて調整や監視のため用いられる。
【0021】前処理部103 は、記憶画像に対して濃度抽
出処理やエッジ抽出処理等を行い、マーキング部分の候
補領域を抽出して、後続するマーキング画像抽出部104
の処理に適した多値画像として出力する。
【0022】マーキング画像抽出部104 では、前処理さ
れ入力された多値画像に対して、ノイズ除去処理や連結
処理、ラベリング処理等の既知の画像処理を適切に行
い、真のマーキング部分に対応する部分とその他の部分
との2値画像に変換してマーキング部分を抽出する。即
ち、この回路部分からは現在見えているマーキング部分
に対応する画像部分とそれ以外の画像部分とが精密に分
別されて出力される。こうして得られた2値画像の例を
図3(a)、(b)、(c)に示す。なお、同図
(b′)は、(b)に対応した比較のための多値画像で
ある。
【0023】以上説明した画像処理装置10の作用につ
いて以下に更に詳細に説明する。図4は、この装置の処
理過程の一実施例を示すフローチャートである。なお、
予め空港エプロンの航空機進入路中心線上の所定位置
(路面上)に明度の高い所定形状のマーキングを施して
おく(S1)。そして、装置稼動時には、スポット前方
即ち航空機進入路の終端側より前述の複数のITVカメ
ラ(画像入力部100 )により前記マーキングを含む夫々
の所定領域を撮像する(S2)。
【0024】動作開始当初は、先ず最も遠景の映像F3
が画像切替部101 により選択されて、対応する映像信号
が画像記憶部102 に出力されている(S3)。入力は画
像記憶された後出力され、映像信号を画像処理して明度
差に基づき前記マーキングに対応する形状が抽出される
(S4)。即ち、記憶画像を基に、濃度抽出処理、エッ
ジ抽出処理等を行い、マーキング部分の候補領域を抽出
する等の前処理を行い、ついで前述処理された多値画像
に対し、ノイズ除去処理や連結処理、ラベリング処理等
の画像処理を行い、真のマーキング部分を抽出する。航
空機進入時処理中でなければ上述マーキング抽出画像を
比較用に記憶する(S5、S6)。なお、進入時処理中
であれば続いて後述過程(S10)を行う。
【0025】抽出したマーキング部分の形状を、以前に
得られた形状と比較し、略一致することを照査して自己
診断とする(S7)。なお、予め記憶してある設置調整
後の状態で得られるはずのマーキング形状と比較するよ
うにしても良い。ここで得られたマーキング形状が一定
の信頼性を維持していないと判断される場合には、TV
カメラのレンズの絞りを制御して照度変化に追従させ最
適状態の映像信号(画像)を得るように制御することも
できる。その他、マーキング形状が対応位置に得られな
い場合が生じると、異常出力を送出し点検をうながすよ
うにしても良い。
【0026】得られたマーキング形状が基準とするマー
キング形状に比べ概ね対応関係にあるが変化している場
合、具体的にはマーキング外縁内にノーズギアタイヤの
隠蔽により所定範囲以上の欠損部が検出される場合には
航空機の進入とする(S8、S9)。ノーズギアタイヤ
の検出は、例えば図3(b)に示されているようにマー
キングの直線部8aに対応する部分に欠落部があり、こ
の欠落部の下端が凹状を呈すること(直線部8aの上端
は凸状となる)を認識する等で容易に検出することがで
き、このような画像が得られる他の原因は考え難いため
信頼性は高い。
【0027】抽出されたマーキング画像の形状(概略形
状と前記欠損部の位置関係)に基づき航空機のノーズギ
ア(タイヤ)位置を検出して実際の地上面2次元座標に
変換して実際の進入路上での位置を算定する(S1
0)。
【0028】この位置算定は、例えば次のようにして行
われる(図3(b)参照)。上述したノーズギアタイヤ
に対応して得られる直線部8aの欠落部の最下端位置
(Lx)と、何れかのマーキングの張出部(8b1 〜8
5 )の下端位置(例えばL1 )との実際の地上面での
位置は幾何計算より容易に算出することができるから両
者の差(d)は、実際の地上面での距離として求められ
る。なお、この他にも予め画面を構成する各画素と地上
面位置との対応付けを行っておき、この対応関係をテー
ブルとして用いて、各画素(例えば上述両下端位置に対
応する画素群)の位置を求めることもできる。
【0029】そして、ノーズギアタイヤの位置と、係員
による入力等により別途得た計測中の当該航空機の機種
情報とに基づき、駐機適正位置との離間距離(停止位置
と現在位置との差)を算定する(S11)。なお、離間
距離は表示器により表示され、航空機操縦者は自機の位
置を的確に知ることができる。
【0030】位置算定結果が、より近景の次の画像(例
えばF2)に切替えるのに適正な位置に達した場合に
は、画像切替部101 でより近景の画像に切り替える(S
12、S13、S14)。切替え適正位置は、例えばノ
ーズギアタイヤに対応する映像が次の画像内でも得られ
る位置とすれば良く、稼動前のTVカメラの設定時に決
定しておく。以下、上述した位置計測、表示及び画像切
替等が繰り返される。
【0031】この様に、複数の画像を順に画像処理し
て、所定条件となると次のもっと近景の画像に順次切替
えていき、上述した(S3〜S14)の過程を繰り返
す。そして、もし切替後の画像が最近景画像であれば
(S12)駐機適正位置に達したかどうかを照査する
(S15)。
【0032】以降、S3〜S12及びS15の過程を繰
り返す。そして画像が最も近景画像(図3ではF1)に
切り替わった後、進行した航空機1 が駐機適正位置に達
すると停止を指示する表示(例えばSTOP)を行い
(S15、S16)待機動作(アイドリング)に移る。
なお、待機状態は、係員の操作等の所定条件でにより解
除され再動作する。
【0033】なお、以上説明した計測過程と平行してマ
ーキング欠損部(マーキングの隠蔽部)が時間経過に従
って連続的に移動していくことを検査確認することで、
計測中も自己診断処理を継続することができる。
【0034】以上説明した画像処理装置100 では、マー
キングの明度に着目しマーキングを抽出したが、マーキ
ングの色相に対応した装置としても良い。この場合の画
像処理装置20の実施例を第5図にブロック図で示す。
なお、各部に付した符号は図1と同等部分には同一符号
を付している。5図の画像処理装置20は、複数の画像
入力部200(200A,200B,...)、各画像入力部からの出力映
像信号が入力される画像切換部101 、この画像切換部10
1 に後続し色抽出部210 と色抽出画像記憶部からなる色
処理部203 、色処理部203 からの信号が入力され有色マ
ーキングに相当する部分のみを抽出し2値画像に変換す
るマーキング画像抽出部204 と抽出されたマーキング画
像に基づき航空機の進入路上での位置を計測する航空機
位置計測部105 とを含み構成されている。
【0035】この画像処理装置20は、先に挙げた画像
処理装置10と類似しているが、画像入力部200 及び、
(色抽出部210 と色抽出画像記憶部から構成される)色
抽出部203 が異なる。次に、この異なる部分について説
明する。
【0036】上記画像入力部200 は、カラーTVカメラ
及びこれに付帯する回路からなり、有色マーキング8を
含む画像を撮像してビデオ信号を後続する画像切替部10
1 に送出する部分である。解像度の点でITVカメラ
(工業用TVカメラ)を用いることが望ましい。
【0037】色処理部203 は、色抽出部210 とこれに後
続する色抽出画像記憶部220 とから成る。色抽出部210
は、前記画像切替部101 の出力が入力され画像上で設定
された特定の色相を持つ部分を抽出して2値化する部分
である。この色抽出部210 の細部構成の一例を図6に示
す。図6では、入力されたNTSC方式の複合映像信号
をRGBデコーダ211 で3原色に分解しR信号、G信
号、B信号を夫々得る。なお、R信号、G信号、B信号
を直接出力するカラーTVカメラを用いる場合にはRG
Bデコーダ211 を省略し、各信号を変換マトリクス回路
212 に直接入力する構成とすることができる。
【0038】各信号は変換マトリクス回路212 により夫
々Pr信号、Pb信号及びY信号に変換され適切な輝度
に調整された後A/D変換回路213Pr,213Pb,213Yで夫々
デジタル値化され、夫々対応する色抽出回路LUT(214
Pr,214Pb,214Y)で所定レベル範囲内であるか否かで2値
化されたのち、3つの画像メモリ221Pr,221Pb,221Yに夫
々格納される。
【0039】従って、ある画素が各色抽出回路LUT毎
に設定されたレベルの信号を含む場合(即ち3成分が特
定比率の場合で特定の色相であることに対応する)場合
のみ2値の一方が色抽出画像記憶部220 へと出力され、
結局1画面分の2値画像として記憶される。各画像メモ
リ221 からの出力は3入力ANDゲート222 を介して処
理に適した2値画像として後続するマーキング画像抽出
部204 へと出力される。なお、この時画像メモリを複数
ビット用意することで、複数色に対応させ該当部分を選
択的に抽出することも可能である。
【0040】マーキング画像抽出部204 では、前処理で
ある色抽出処理がなされた後入力された2値画像に対し
て、先の装置同様にノイズ除去処理や連結処理、ラベリ
ング処理等の既知の画像処理を適切に行い、真のマーキ
ング部分に対応する部分とその他の部分との2値画像に
変換してマーキング部分を抽出する。結局、この回路部
分からは現在見えている特定色相の色マーキング部分に
対応する画像部分とそれ以外の画像部分とが精密に分別
されて出力される。こうして得られた2値画像の例を図
7(a)に示す(図3(b)と同一結果である)。図7
(a′)に対応するカラー画像(多値画像)を示す。
【0041】なお、必要に応じては装置の動作監視のた
めにカラー画像記憶部202 とカラーモニタ208 が付加さ
れる。このカラー画像記憶部202 は、入力されたビデオ
信号をA/D変換して1フィールド(または1フレー
ム)分の多値画像を記憶する部分で、カラー画像をデジ
タル化して記憶する。このカラー画像記憶部202 からの
出力はカラーモニタ208 にも出力されていて調整や監視
のため用いられる。カラーモニタ208 では、前記マーキ
ング画像抽出部204 からの出力も入力されて重畳表示さ
れる。
【0042】以上説明した画像処理装置20の作用は先
に説明した装置のものと略同様であるが、繰り返し挙げ
るならば以下の点即ちマーキング材が特定の色相を持っ
ており、これに対応する色抽出部210 (画像前処理装
置)で適切にマーキングの色相に依存した処理を行うこ
とで、確実にマーキングの形状を抽出するようになって
いる点が異なっている。これらのマーキング及びマーキ
ング形状抽出のための画像処理部が異なるのみで、他の
部分の構成及び作用は、先に説明した実施例と全く同一
である。
【0043】即ち、装置は予め空港エプロンの航空機進
入路中心線上の所定位置(路面上)に所定色相、即ち空
港路面や誘導線又ノーズギアタイヤ等が呈する色相と異
なる色相例えば黄色、赤色等のマーキング材料を用いて
布設された所定形状のマーキングを構成要素とする。ま
た色相差に基づき前記マーキングに対応する形状を抽出
し、この形状を比較用に記憶する色処理部を具備した構
成となっている。
【0044】以上説明したように、本願発明によれば、
視認性の高いマーキング材料を採用し形状を工夫したマ
ーキングを用い、これを含む映像信号を得て所定画像処
理することで航空機の位置測定従って駐機位置計測に於
いて充分なS/N比の向上が図れることに加えて、撮像
対象領域を視野分割し複数の画像入力部で夫々撮像し適
切に切り替えて画像処理することで航空機の位置測定従
って駐機位置計測の分解能の向上が図れる。またマーキ
ングの形状を工夫し張出部を設けることで位置計測の精
度を高めている。
【0045】なお、本願両発明と併用して、埋め込み型
の燈火を保安上の要所(たとえば、駐機時停止位置)に
併設しこの部分を画像処理することで,位置精度の高い
透過型のセンサとして動作させるようにしても良い。こ
のようにすると、特に遠距離あるいは天候などによる低
視度等の悪条件下でも安定した動作が可能である。
【0046】その他、前述した本発明の基本的過程に加
えて、例えば航空機の存在しない期間に、定期的に画像
処理によって得られるマーキング形状を照査すること
で、装置の自己診断を実施してシステムの異常を発見す
ることができる。また、外界の照度変化に対応してカメ
ラのレンズ絞りを追従させて最適な画像を常に得るよう
に制御することもできる。更にカラー映像により色抽出
処理を行う場合には、日没時などに外光色自体が変化す
る場合この色変化に合わせて色抽出過程の微細な調整を
行い常に最適なマーキングの抽出画像を得る様に制御す
ることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の駐機位
置計測装置は、空港エプロンの航空機進入路中心線上の
路面に設けられた所定形状のマーキングと、このマーキ
ングを撮像するTVカメラと、その出力映像信号を画像
処理するマーキング画像抽出部と、航空機のノーズギア
タイヤにより隠蔽されたマーキング形状に基づき位置を
算定する航空機位置計測部とを含むことから、航空機の
位置を知るための画像処理の負担を大幅に軽減し、航空
機の進入時にそのノーズギアタイヤがマーキングを隠ぺ
いする位置を予め対応づけておいた地上座標として直接
計測することで計測精度の向上と信頼性の向上を可能と
する。なお、地上設備が極めて簡単なマーキングである
ため実施も容易である。
【0048】特に、TVカメラを複数とし、各TVカメ
ラからの映像信号をマーキング画像抽出部に対し選択的
に出力する画像切換部を有しているから、航空機の遠近
に応じて各TVカメラの画角を適宜設定することで、い
たづらに分解能の高い装置を用いることなく従前と同じ
分解能の装置で領域毎に適切な計測精度を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駐機位置計測装置を構成する画像処理
装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明による航空機進入時の航空機進入路に沿
って得られる各画像の一例を模式的に示す図である。
【図3】図2の各画像に対応する夫々のマーキング抽出
画像を示す図である。
【図4】本発明装置の作用の一例を示すフローチャート
である。
【図5】本発明の駐機位置計測装置を構成する画像処理
装置の他の一例を示すブロック図である。
【図6】図5に於ける色抽出部及び色抽出画像記憶部の
構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図5の装置で得られるマーキング抽出画像の一
例及び対応する多値画像を示す図である。
【図8】本発明に係る空港設備等を示す説明図である。
【図9】本発明に係る空港設備である表示器の一例を示
す説明図である。
【図10】駐機位置計測装置を説明するための進入路前
方から見た航空機を含む斜視図である。
【図11】夫々、駐機位置計測装置に係る進入路の撮像
画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…航空機、 1a…ノーズギアタイヤ、 6…航空機進入路、 8…マーキング、 100(100A、100B、…)…TVカメラ(画像
入力部)、 101…画像切替部、 104…マーキング画像抽出部、 105…航空機位置計測部、 200(200A,200B,…)…カラーTVカメラ
(画像入力部)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空港エプロンの航空機進入路中心線上の
    路面に設けられた所定形状のマーキング(8) と、 航空機進入路の終端側より前記マーキングを含む画像を
    撮像する複数のTVカメラ(100A,100B, …)と、 各TVカメラ(100) からの映像信号が入力され、各映像
    信号を選択的に出力する画像切換部(101) と、 画像切換部(101) からの出力映像信号を画像処理して前
    記マーキング(8) に対応する形状を抽出するマーキング
    画像抽出部(104) と、 航空機進入時に航空機のノーズギアタイヤ(1a)により隠
    蔽されたマーキングの形状に基づきノーズギアタイヤ(1
    a)の航空機進入路上での位置より航空機の機種に応じた
    駐機適正位置との離間距離を算定する航空機位置計測部
    (105) とを具備してなる駐機位置計測装置。
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