JPH06199217A - 車両用制動装置 - Google Patents

車両用制動装置

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JPH06199217A
JPH06199217A JP34929692A JP34929692A JPH06199217A JP H06199217 A JPH06199217 A JP H06199217A JP 34929692 A JP34929692 A JP 34929692A JP 34929692 A JP34929692 A JP 34929692A JP H06199217 A JPH06199217 A JP H06199217A
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JP
Japan
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brake
pressure
actuator
brake fluid
vehicle
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JP34929692A
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English (en)
Inventor
Masanori Yamamoto
真規 山本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はタイヤの横スリップを検出して自動
的に制動して横スリップを防止するよう構成した車両用
制動装置において、自動制動時に運転者がブレーキ操作
をしても、制動力が課題とならないようにすることを目
的とする。 【構成】 車両用制動装置は、車両走行時タイヤ(A
1)に生ずる横スリップを検出するスリップ検出手段
(A2)と、該タイヤ(A1)のブレーキ機構(A3)
に所定のブレーキ液圧を付与するアクチュエータ(A
4)と、該スリップ検出手段(A2)により横スリップ
発生が検出されたとき該アクチュエータ(A4)に制動
信号を出力する制御手段(A5)と、ブレーキペダルの
操作によって生じたマスタシリンダ(A6)のブレーキ
液圧と前記アクチュエータ(A4)により生じたブレー
キ液圧とを比較し、大きい方のブレーキ液圧と略同等の
ブレーキ液圧がブレーキ機構(A3)に供給されるよう
にする制動力調整手段(A7)とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用制動装置に係り、
特にタイヤの横スリップを検出して自動的に制動して横
スリップを防止するよう構成した車両用制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の制動装置は、運転者がブ
レーキペダルを踏み込むとその力がマスタシリンダによ
り油圧に変換されて各四輪のブレーキ機構に制動力を発
生させる構成となっている。さらに、近年、自動車の安
全性を高めるため、上記マニアル式の制動装置に電子制
御ブレーキシステムを組み合わせた制動装置が開発され
つつある。
【0003】この種の電子制御ブレーキシステムが組み
合わされた制動装置としては、例えば特開昭 62-253559
号公報にみられるような構成の装置がある。この公報の
車両用制動装置は、タイヤに限界値を越える横方向力が
働くと、自動車の走行状態が不安定になるので、その挙
動が現れると自動的に制動させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば自動車がコーナ
を走行しているときにタイヤが横スリップすると、運転
に熟練している運転者の場合、反射的にブレーキペダル
を踏んで減速させるように操作する。しかるに、上記電
子制御ブレーキシステムを組み合わせた車両用制動装置
においては、タイヤが横スリップすると電子制御ブレー
キシステムが作動して四輪の各ブレーキ機構で制動が行
われているのに、さらにブレーキペダルが踏まれるとマ
スタシリンダによりブレーキ液の液圧が増大することに
なる。 そのため、電子制御ブレーキシステムが搭載さ
れた自動車を運転する際に、運転者が横スリップを防止
しようとしてブレーキペダルを踏み込んでしまった場
合、ブレーキ力が過大となって必要以上に制動して急制
動状態となるといった問題がある。
【0005】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、タイ
ヤに伝達される制動力がブレーキペダルの操作によって
生じた制動力と電子制御ブレーキシステムにより生じた
制動力のうち大きい方の制動力と等しくなるように構成
された車両用制動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。
【0007】同図に示すように、本発明は、車両走行時
タイヤ(A1)に生ずる横スリップを検出するスリップ
検出手段(A2)と、該タイヤ(A1)のブレーキ機構
(A3)に所定のブレーキ液圧を付与するアクチュエー
タ(A4)と、該スリップ検出手段(A2)により横ス
リップ発生が検出されたとき該アクチュエータ(A4)
に制動信号を出力する制御手段(A5)とを有する車両
用制動装置において、ブレーキペダルの操作によって生
じたマスタシリンダ(A6)のブレーキ液圧と前記アク
チュエータ(A4)により生じたブレーキ液圧とを比較
し、大きい方のブレーキ液圧と略同等のブレーキ液圧が
前記ブレーキ機構(A3)に供給されるようにする制動
力調整手段(A7)を備えてなることを特徴とする。
【0008】
【作用】ブレーキペダルの操作によって生じたマスタシ
リンダ(A6)のブレーキ液圧と前記アクチュエータ
(A4)により生じたブレーキ液圧とを比較し、大きい
方のブレーキ液圧と略同等のブレーキ液圧が前記ブレー
キ機構(A3)に供給されるため、横スリップの発生に
運転者がブレーキペダルを踏み込んでもブレーキ力が過
大にならず、ブレーキ力が適正化されて横スリップの発
生時の制動を安全に行える。
【0009】
【実施例】図2乃至図4に本発明になる車両用制動装置
の一実施例を示す。
【0010】各図中、1はブレーキペダル、2はバキュ
ームブースタ、3はブレーキペダル1の踏込力やバキュ
ームブースタ2の倍力作用に応じたブレーキ圧を発生す
るマスタシリンダ、4はブレーキ液を蓄えるリザーバ、
5と6はマスタシリンダ3あるいは他の圧力源からのブ
レーキ圧を受けて従動輪W1 ,W2 を制動するブレーキ
機構のホイールシリンダ、7と8は同様に駆動輪W3
4 を制動するブレーキ機構のホイールシリンダであ
る。
【0011】マスタシリンダ3と従動輪W1 ,W2 のホ
イールシリンダ5,6との間には、アンチスキッド制御
時にホイールシリンダ5,6のブレーキ圧を調整する油
圧ユニット27が配置されている。この油圧ユニット2
7は、制御弁10,11と逆止弁12,13とダンパ1
4とポンプ15とから構成されている。制御弁10,1
1はホイールシリンダ5,6をマスタシリンダ3及びポ
ンプ15の吐出側に連絡する増圧モードと、ホイールシ
リンダ5,6をダンパ14に連絡する減圧モードと、各
連絡を遮断する保持モードとに切り換え可能である。
尚、ポンプ15は図示しない電動モータにより駆動され
る。
【0012】一方、マスタシリンダ3と駆動輪W3 ,W
4 のホイールシリンダ7,8との間にも、制御弁20,
21と逆止弁22,23とダンパ24とポンプ25とか
らなるアンチスキッド制御用油圧ユニット28が配置さ
れている。尚、制御弁20,21は前述した制御弁1
0,11と同様に切り換え可能であり、トラクション制
御時にも作動する。
【0013】トラクション制御油圧ユニット29は、第
1〜第3の切換弁30,31,32、電動モータ33、
ポンプ34、逆止弁35、アキュムレータ36及びリリ
ーフ弁37によって構成されている。
【0014】第1の切換弁30は、マスタシリンダ3と
制御弁20,21の間及びマスタシリンダ3とアキュム
レータ36との間に配置され、両者間を開閉する。第2
の切換弁31は、一端がポンプ34及びアキュムレータ
36に接続され、他端が第1の切換弁30と制御弁2
0,21とを結ぶ管路に接続されている。又、配管Aは
マスタシリンダ3とアキュムレータ36側との圧力をホ
イールシリンダ7,8側に伝える。
【0015】又、第3の切換弁32は、一端がダンパ2
4に接続され、他端がリザーバ4に接続されている。ポ
ンプ34は電動モータ33に駆動されることによって、
リザーバ4から吸入されたブレーキ液を高圧化して逆止
弁35を介して吐出する。アキュムレータ36はポンプ
34で吐出されたブレーキ液を高圧のまま蓄えておく。
リリーフ弁37はポンプ34の吐出圧又はアキュムレー
タ36内の圧力が所定値以上に上昇した際に開弁し、ブ
レーキ液の一部をリザーバ4に逃がして最高圧力を規定
する。
【0016】38は圧力センサで、アキュムレータ36
から吐出されたブレーキ液の圧力を検出する。39はプ
ロポーショニングバルブで、マスタシリンダ3の液圧
(入力液圧)がある一定値(折点液圧)になったとき、
ホイールシリンダ7,8側(出力側)のブレーキ液をマ
スタシリンダ3のブレーキ液と分離し、その後の出力液
圧上昇を入力液圧上昇より小さい比率に抑える液圧制御
バルブである。
【0017】40は各種入力信号に基づいて各制御弁1
0,11,20,21及び切換弁30〜32等を制御す
るマイクロコンピュータからなるコントロールユニッ
ト、41はコントロールユニット40からの指令に応じ
た指令電流を出力するドライバ、42は後述するように
電子制御ブレーキシステムのアクチュエータ、43はア
キュムレータ36からのブレーキ液を高圧のまま蓄えて
おくアキュムレータ、44はマスタシリンダ3とアクチ
ュエータ42から液圧が供給されるチェンジバルブ(制
動力調整手段)である。
【0018】図3に示すように、アクチュエータ42
は、高圧ポート51,低圧ポート52及び制御圧ポート
53を備えたハウジング54内の弁孔55にスプール5
6が摺動可能且つ液密に嵌合されている。スプール56
にはソレノイド57の磁気的な制御力が加えられる一
方、スプール56の一端面から軸方向に延在したリアク
ションロッド58の先端が大気に臨むよう突出する。そ
のため、リアクションロッド58の断面積と、弁孔55
内の液圧との積の大きさを有する流体反力がスプール5
6に加えられる。
【0019】従って、スプール56は、その流体反力と
ソレノイド57の磁気的な制御力との差に応じて移動す
る。その結果、制御圧ポート53はスプール56の移動
位置により高圧ポート51と低圧ポート52とに選択的
に連通する。制御圧ポート53の液圧は、このスプール
56の動作によりソレノイド57の励磁電流の大きさに
対応する圧力値に制御され、チェンジバルブ44に供給
される。
【0020】尚、スプール56の外周面と弁孔55の内
周面との片側クリアランスは極小さくされており、リア
クションロッド58の外周面とリアクションロッド孔5
9の内周面との間はOリング60によってシールされて
いる。
【0021】前述したチェンジバルブ44は、マスタシ
リンダ3からのブレーキ液圧とアクチュエータ42から
のブレーキ液圧とを比較し、大きい方の液圧をホイール
シリンダ5〜8に供給する。図4に示すように、チェン
ジバルブ44は、従動輪W1,W2 側のブレーキ圧を切
り換える切換機構44aと、駆動輪W3 ,W4 側のブレ
ーキ圧を切り換える切換機構44bとを有する。
【0022】61はシリンダ本体、62a,62bはシ
リンダ本体61に穿設されたシリンダ孔、63a,63
bはこれらシリンダ孔62a,62bの右端側開口を閉
塞する蓋、64a,64bはこれらシリンダ孔62a,
62b内に嵌装されたピストンで、蓋63a,63bと
ピストン64a,64bの間には夫々液圧室Sa,Sb
が形成されている。この液圧室Sa,Sbは蓋63a,
63bに設けられた通孔65a,65b、導入口66
a,66b等を経てマスタシリンダ3に連通されるとと
もにシリンダ孔62a,62b側壁に設けられた送出口
67a,67bを経て夫々従動輪W1 ,W2 側のホイー
ルシリンダ5,6、駆動輪W3 ,W4 側のホイールシリ
ンダ7,8に連通されている。
【0023】68a,68bは上記ピストン64a,6
4bと蓋63a,63bの間に夫々装着された復帰バネ
で、ピストン64a,64bはこのバネ力により背面に
穿設されたストッパ69a,69bが各シリンダ孔62
a,62bの後壁に係止されて止まり、各ピストン64
a,64bの背面には液室Sc,Sdが形成されてい
る。この液室Sc,Sdは連通孔77を介して相互に連
通され、導口70を経て前述されたアクチュエータ42
に連通されている。
【0024】71a,71bは上記蓋63a,63bの
通孔65a,65bを開閉する開閉弁で、夫々キャップ
72a,72bに案内される。又、開閉弁71a,71
bの弁杆73a,73bの後端部はピストン頭部に取付
けられたキャップ74a,74bを貫通してこれに係合
され、図4に示すピストン64a,64bの復帰位置で
開閉弁71a,71bはキャップ74a,74bに引か
れて通孔65a,65bを開くようになっている。
【0025】75a,75bは各開閉弁71a,71b
とキャップ72a,72bの間に設けられた押圧バネで
ある。
【0026】又、ピストン64a,64bの復帰位置で
は、開閉弁71a,71bが開かれているので、液圧室
Sa,Sbはマスタシリンダ3の各油圧回路の通路とな
る。そのため、マスタシリンダ3の作動力は各液圧室S
a,Sbを経て各ホイールシリンダ5〜8に伝達され
る。
【0027】ここで、前述したアクチュエータ42が作
動した場合、各ピストン64a,64bはその背面に加
えられた液圧により図4中右方向に移動する。このとき
開閉弁71a,71bは閉じており、マスタシリンダ3
と各ホイールシリンダ5〜8との間を遮断する。アクチ
ュエータ42からの液圧により各ピストン64a,64
bが右方向に移動すると、液圧室Sa,Sbのブレーキ
液を送出口67a,67bから各ホイールシリンダ5〜
8に送出し、各ホイールシリンダ5〜8にアクチュエー
タ42からの圧力とほぼ等しい圧力を加えることができ
る。
【0028】又、アクチュエータ42からの液圧を緩め
れば、各ピストン64a,64bは復帰バネ68a,6
8bのバネ力により復帰位置に戻るので、再び開閉弁7
1a,71bが開き、マスタシリンダ3と各ホイールシ
リンダ5〜8とは連通される。
【0029】又、マスタシリンダ3とアクチュエータ4
2とがほぼ同時に作動し、マスタシリンダ3を先に緩め
た場合は、液圧室Sa,Sbの液圧により開閉弁71
a,71bが閉じてマスタシリンダ3により各ホイール
シリンダ5〜8に供給されたブレーキ液が残るが、アク
チュエータ42からの液圧を緩めるとともにバネ68
a,68b及びピストン64a,64bの端面に加わる
液圧室Saの液圧によりピストン64a,64bが復帰
し、復帰位置において開閉弁71a,71bが開くの
で、上記マスタシリンダ3により供給されたブレーキ液
も元に復帰し完全に制動が緩められる。
【0030】従って、上記構成のチェンジバルブ44に
おいては、コントロールユニット40からの指令により
アクチュエータ42が作動しているときに運転者がブレ
ーキペダル1を踏み込んだ場合、マスタシリンダ3から
の液圧が開閉弁71a,71bに作用することになる。
この場合、開閉弁71a,71bはピストン64a,6
4bの作動により図4中右方向の液圧とマスタシリンダ
3の作動による左方向の液圧とを受けることになり、圧
力差に応じて移動する。即ち、アクチュエータ42によ
る液圧の方が大きい場合は、開閉弁71a,71bが閉
じてアクチュエータ42による液圧が各ホイールシリン
ダ5〜8に供給される。しかし、マスタシリンダ3の作
動による液圧の方が大きい場合は、開閉弁71a,71
bが開いてマスタシリンダ3による液圧が各ホイールシ
リンダ5〜8に供給される。
【0031】よって、マスタシリンダ3とアクチュエー
タ42とが同時に作動しても両方の液圧が加算されて各
ホイールシリンダ5〜8に供給されるのではなく、いず
れか大きいほうの液圧のみが選択されて各ホイールシリ
ンダ5〜8に供給される。そのため、各ホイールシリン
ダ5〜8に過大な制動力が発生することがなく、急制動
状態となることが防止され、走行安定性が高められてい
る。
【0032】又、タイヤの横スリップが発生しない状態
でブレーキペダル1が踏み込まれたときは、アクチュエ
ータ42が非作動であるので、マスタシリンダ3からの
ブレーキ液圧のみがチェンジバルブ44を介して各ホイ
ールシリンダ5〜8に供給される。
【0033】尚、本実施例では、上記チェンジバルブ4
4によりマスタシリンダ3又はアクチュエータ42から
のブレーキ液圧を選択する制動力選択手段が構成されて
いるため、構成が簡略化されており、製造コストを安価
に抑えられる。
【0034】ここで、上記構成とされた装置のトラクシ
ョン制御について説明する。
【0035】トラクション制御の場合、従動輪W1 ,W
2 側の油圧ユニット27は作動しない。車両の加速時に
車速センサ16、操舵角検出センサ17、ヨーレイト検
出センサ18からの各検出信号v,θ,γに基づいて駆
動輪W3 ,W4 が横スリップ状態に近づいたことをコン
トロールユニット40が判断すると、コントロールユニ
ット40は、先ず第1〜第3の切換弁30,31,32
を図2中他方位置に切り換えるとともにモータ33を駆
動する。
【0036】その結果、マスタシリンダ3とホイールシ
リンダ7,8との連通は遮断され、ポンプ34とアキュ
ムレータ36とによって高圧のブレーキ液が第2の切換
弁31及び制御弁20,21を介してホイールシリンダ
7,8に至り、駆動輪W3 ,W4 に制動力が作用して駆
動輪W3 ,W4 の過度の加速スリップが抑制される。
【0037】駆動輪W3 ,W4 の車輪速度が減少して加
速スリップが抑制されるとコントロールユニット40が
判断すると、制御弁20,21が減圧モードに切り換え
られ、ホイールシリンダ7,8のブレーキ液は第3の切
換弁32を介してリザーバ4に排出されて、ホイールシ
リンダ7,8内の液圧が低下し、駆動輪W3 ,W4 の制
動力が弱まり、車輪速の過度の低下が防止される。
【0038】又、車輪速が中庸状態に回復すると、コン
トロールユニット40は制御弁20,21を保持モード
に切り換え、ホイールシリンダ7,8内のブレーキ液の
出入を停止してブレーキ圧を一定に保つ。
【0039】そして、再び駆動輪W3 ,W4 が過度のス
リップ領域に近づけば、コントロールユニット40は制
御弁20,21を増圧モードに切り換えてアキュムレー
タ36及びポンプ34からホイールシリンダ7,8に高
圧ブレーキ液を供給し、駆動輪W3 ,W4 のスリップ量
の増加を抑制する。
【0040】このような動作を繰り返すことにより、駆
動輪W3 ,W4 の過度のスリップを抑制し、車両の安定
性と加速性を確保することができる。
【0041】尚、アキュムレータ36内の圧力は圧力セ
ンサ38によって常時モニタされ、その圧力が下がり過
ぎるとポンプ34によって加圧されることにより、アキ
ュムレータ36内の圧力は予め所定圧(10MPa)以
上に調整される。
【0042】次にアンチスキッド制御時の作動を説明す
る。
【0043】コントロールユニット40は、車速センサ
46〜49の信号に基づいて駆動輪W3 ,W4 の加減速
度やスリップ率を演算し、その演算結果に基づいてロッ
ク傾向にあるか否かを判定して各制御弁10,11,2
0,21及びポンプ15,25の作動を制御する。
【0044】先ず、ブレーキペダル1の踏み込みによ
り、ホイールシリンダ5〜8内の圧力が上昇し、制動が
開始される。そして、例えば従動輪W1 ,W2 の減速度
がやや大の場合は、制御弁10,11を保持モードに切
り換えてホイールシリンダ5,6の圧を一定に保ち、そ
の状況下で従動輪W1 ,W2 がロック傾向にあるか否か
を判定し、ロック傾向にある場合は制御弁10,11を
減圧モードに切り換えるとともにポンプ15のモータを
起動させる。
【0045】これにより、ホイールシリンダ5,6内の
ブレーキ液がダンパ14側に逃がされ、ホイールシリン
ダ5,6内の圧が低下し、従動輪W1 ,W2 の速度が復
帰する。同時に、ダンパ14内のブレーキ液はポンプ1
5によってマスタシリンダ3と制御弁10,11とを結
ぶ配管Bに戻される。
【0046】そして、再び制御弁10,11を保持モー
ドに切り換えその状況下で従動輪W 1 ,W2 のスリップ
率を演算し、スリップ率が大であれば制御弁10,11
を減圧モードにして従動輪W1 ,W2 の制動力を弱め、
スリップ率が小の場合は制御弁10,11を増圧モード
にして制動力を強める。
【0047】以下、制御弁10,11を適宜に切り換え
てスリップ率を最適値付近に制御する。アンチスキッド
制御が終了すると、ポンプ15は停止され、制御弁1
0,11は増圧モードに戻される。尚、駆動輪W3 ,W
4 がロック傾向になった場合も、前述した従動輪W1
2 と同様にアンチスキッド制御が実行される。
【0048】次に上記制動装置におけるコントロールユ
ニット40が実行する横スリップ抑制処理につき説明す
る。
【0049】コントロールユニット40では、例えばコ
ーナ走行時に次のような演算手法1により車両横方向の
危険度Y1 の演算を行う。
【0050】図5は車速vと操舵角θ当たりのヨーレイ
ト(ヨー角速度)の比との関係を示すマップである。図
6は車両横方向の危険度Y1 とブレーキ液圧Pとの関係
を示すマップである。図7はブレーキ液圧Pとアクチュ
エータ42に設けられたソレノイド57の電流iとの関
係を示すマップである。
【0051】図5乃至図7に示す各マップは、予め計測
されてコントロールユニット40のメモリ(図示せず)
に記憶されている。又、コントロールユニット40に
は、車速センサ16、ステアリングホイール(図示せ
ず)の操舵角θを検出する操舵角検出センサ17、車両
に発生するヨーレイトを検出するヨーレイト検出センサ
18からの各検出信号v,θ,γが入力される。
【0052】本実施例では、上記操舵角θと車速vに基
づいて目標ヨーレイトγ* を演算する。即ち、コーナ走
行時の車両横方向の危険度Y1 は、車速センサ16から
の車速検出信号及び操舵角検出センサ17からの操舵角
検出信号が入力されると、図5に示す操舵角当たりの目
標ヨーレイト−車速マップより求められる。
【0053】そして、コントロールユニット40は次式
(1)により上記操舵角θと車速vに基づいて目標ヨー
レイトγ* を演算する。 Y1 =v|γ* −γ| …(1) 尚、危険度Y1 は車速vとヨーレイト差γ* −γとの積
により加速度のディメンションで表せる。
【0054】又、図6に示す危険度−ブレーキ液圧マッ
プにより車両横方向の危険度Y1 に対して車両を減速さ
せるためのブレーキ液圧Pが求まる。そして、図7に示
すブレーキ液圧−電流マップによりアクチュエータ42
においてブレーキ液圧Pを発生させるのに必要なソレノ
イド57の電流値iが求まる。
【0055】図8は上記電子制御ブレーキシステムを有
する車両用制動装置を電子制御で作動させる際、コント
ロールユニット40が実行する上記一連の処理のフロー
チャートである。
【0056】同図中、コントロールユニット40は、ス
テップS1(以下「ステップ」を省略する)で初期設定
を行う。次のS2で、車速センサ16により検出された
車速検出信号vが読み込まれ、且つ操舵角検出センサ1
7により検出された操舵角検出信号θが読み込まれる
と、S3に進み前述した図5に示すマップより目標ヨー
レイトγ* を決定する。
【0057】続いて、S4でヨーレイト検出センサ18
によりヨーレイト検出信号γが読み込まれると、S5に
進み上記式(1)に基づいて車両横方向の危険度Y1
演算する。この危険度Y1 に基づいて前述した図6に示
すマップよりブレーキ液圧Pを求める。
【0058】さらに、S7に進み、前述した図7に示す
マップよりブレーキ液圧Pを発生させるのに必要なアク
チュエータ42への電流iを求める。そして、S8でこ
の電流iがアクチュエータ42のソレノイド57に出力
されるようにドライバ41に指令を出力する。従って、
アクチュエータ42はソレノイド57の駆動力に応じた
液圧をチェンジバルブ44に供給する。
【0059】尚、コントロールユニット40は、上記S
1〜S8の処理を所定時間間隔で繰り返し実行する。
【0060】このようにして、電子制御ブレーキシステ
ムが作動して、前述したアクチュエータ42のブレーキ
液圧がチェンジバルブ44及び制御弁10,11,2
0,21を介してホイールシリンダ5〜8に供給され車
両が減速される。よって、タイヤの横スリップ発生が上
記演算により検出されると、自動的に各タイヤに制動力
が付与されて横スリップの発生が防止される。
【0061】上記式(1)の演算手法1の変形例として
は、例えば次のような演算手法2〜4を用いても良い。
【0062】〔演算手法2〕次式(2)に基づいて横加
速度Gyとヨーレイトγ,車速vから車両横方向危険度
2 を演算する。 Y2 =|Gy−vγ| … (2) 尚、車両走行時の横加速度Gyは横加速度センサ26に
より検出されてコントロールユニット40に入力され
る。
【0063】〔演算手法3〕次式(3)に基づいて前述
した危険度Y1 に車両の運動エネルギEを掛けて危険度
3 を演算する。 Y3 =Y1 ×E … (3) 上記式(3)の運動エネルギEは車速とヨーレイトから
次式(4)に基づいて演算できる。 E=(mv2 +Iγ2 )/2 … (4) 尚、mは車両質量、Iはヨー慣性モーメントである。
【0064】〔演算手法4〕次式(5)に基づいて前述
した危険度Y2 に車両の運動エネルギEを掛けて危険度
4 を演算する。 Y4 =Y2 ×E … (5) コントロールユニット40は、上記演算手法2〜4を用
いて危険度を演算した場合も前述した図8のフローチャ
ートの処理と同様な処理を実行する。
【0065】尚、上記実施例では、図4に示すようなチ
ェンジバルブ44を使用したが、これに限らず、例えば
マスタシリンダ3からの液圧とアクチュエータ42から
の液圧とを比較するような構成とされたスプール弁をマ
スタシリンダ3とホイールシリンダ5〜8との間の油圧
系路に設ける構成としても良い。
【0066】又、マスタシリンダ3からの液圧とアクチ
ュエータ42からの液圧との双方がブレーキ機構に供給
されるようにし、横スリップ発生時に定められるアクチ
ュエータ42によって付与されるべき液圧がマスタシリ
ンダ3からの液圧より高い場合には、アクチュエータ4
2によって付与されるべき液圧を前記横スリップ発生時
に定められた液圧とマスタシリンダ3からの液圧との偏
差分とする一方、横スリップ発生時に定められるアクチ
ュエータ42によって付与されるべき液圧が、マスタシ
リンダ3からの液圧以下である場合には、アクチュエー
タ42によって付与されるべき液圧を零とするようにし
ても良い。
【0067】又、上記実施例では、トラクション制御を
行う構成を一例として挙げたが、これに限らず、トラク
ション制御を行わない電子制御ブレーキシステムにも本
発明を適用できるのは勿論である。
【0068】又、上記実施例では、バキュームブースタ
タイプのブレーキシステムを一例として説明したが、こ
れに限らず、例えばマスタシリンダで発生した液圧を大
気圧と圧縮空気圧との圧力差を利用して増圧するハイド
ロリックエアブースタタイプ等にも適用できるのは勿論
である。
【0069】
【発明の効果】上述の如く、本発明になる車両用制動装
置は、ブレーキペダルの操作によって生じたマスタシリ
ンダのブレーキ液圧とアクチュエータにより生じたブレ
ーキ液圧とを比較し、大きい方のブレーキ液圧と略同等
のブレーキ液圧が前記ブレーキ機構に供給されるため、
横スリップの発生時に運転者がブレーキペダルを踏み込
んでもブレーキ力が過大にならず、ブレーキ力が適正化
されて横スリップの発生時の制動を安全に行える等の特
長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明になる車両用制動装置の一実施例の油圧
回路を示す構成図である。
【図3】電子制御によるブレーキ液圧を発生させるアク
チュエータの縦断面図である。
【図4】マスタシリンダからのブレーキ液圧とアクチュ
エータからのブレーキ液圧とを比較していずれか一方を
選択するチェンジバルブの縦断面図である。
【図5】車速vと操舵角θ当たりのヨーレイト(ヨー角
速度)の比との関係を示すマップである。
【図6】車両横方向の危険度Y1 とブレーキ液圧Pとの
関係を示すマップである。
【図7】ブレーキ液圧Pとアクチュエータに設けられた
ソレノイドの電流iとの関係を示すマップである。
【図8】車両用制動装置を電子制御で作動させる際、コ
ントロールユニットが実行する処理のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブスータ 3 マスタシリンダ 4 リザーバ 5〜8 ホイールシリンダ 10,11,20,21 制御弁 15,25 ポンプ 30 第1の切換弁 31 第2の切換弁 32 第3の切換弁 36 アキュムレータ 38 圧力センサ 39 プロポーショニングバルブ 40 コントロールユニット 41 ドライバ 42 アクチュエータ 43 アキュムレータ 44 チェンジバルブ 46〜49 車速センサ 56 スプール 57 ソレノイド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両走行時タイヤに生ずる横スリップを
    検出するスリップ検出手段と、該タイヤのブレーキ機構
    に所定のブレーキ液圧を付与するアクチュエータと、該
    スリップ検出手段により横スリップ発生が検出されたと
    き該アクチュエータに制動信号を出力する制御手段とを
    有する車両用制動装置において、 ブレーキペダルの操作によって生じたマスタシリンダの
    ブレーキ液圧と前記アクチュエータにより生じたブレー
    キ液圧とを比較し、大きい方のブレーキ液圧と略同等の
    ブレーキ液圧が前記ブレーキ機構に供給されるようにす
    る制動力調整手段を備えてなることを特徴とする車両用
    制動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010173471A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用ブレーキ装置の制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010173471A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用ブレーキ装置の制御装置

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