JPH06198138A - 同位体濃縮酸性溶液のインベントリーの算出装置 - Google Patents

同位体濃縮酸性溶液のインベントリーの算出装置

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JPH06198138A
JPH06198138A JP5255768A JP25576893A JPH06198138A JP H06198138 A JPH06198138 A JP H06198138A JP 5255768 A JP5255768 A JP 5255768A JP 25576893 A JP25576893 A JP 25576893A JP H06198138 A JPH06198138 A JP H06198138A
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JP
Japan
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solution
tank
isotope
molecular weight
high temperature
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Application number
JP5255768A
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English (en)
Inventor
Jr Albert J Impink
アルバート・ジョゼフ・インピンク・ジュニア
Joseph A Battaglia
ジョゼフ・アントニー・バッタグリア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CBS Corp
Original Assignee
Westinghouse Electric Corp
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D59/00Separation of different isotopes of the same chemical element
    • B01D59/28Separation by chemical exchange
    • B01D59/30Separation by chemical exchange by ion exchange

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ループ間の切換が単一のアナライザにより監
視される1つのサンプル採取点を用いて達成される2ル
ープ方式での同位体濃縮酸性溶液のインベントリーの算
出装置を提供する。 【構成】 本発明の装置は、2つのイオン交換器10
3、104に結合された高温タンク109及び低温タン
ク108を備え、第1の弁123〜126の操作により
高温タンク溶液を一方のイオン交換器へ、低温タンク溶
液を他方のイオン交換器へ送給する。第2の弁127〜
130の操作によりイオン交換器からの流れを高温又は
低温タンクに送る。高温タンクの上流側に配置したアナ
ライザ107はサンプルを分析して低及び高分子量の同
位体の含量を求める。コンピュータ163は、アナライ
ザ107からの出力等に応じて種々の値を計算し、その
結果に基づいてループの切換信号が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、系統内で相互に接続可能な2
つの流路を利用した熱的に駆動される交換プロセスによ
る同位体の分離に関し、特に、同位体の分離を促進する
ために流路間に切り換わるように動作可能な単一の質量
分析計を用いた同位体分離に関するものである。
【0002】
【発明の背景】ホウ素11(B−11と略称する)に対
しホウ素10(B−10と略称する)を19.8:80.
2の原子パーセントで含有する天然ホウ酸溶液が原子力
発電プラントにおいて制御流体として用いられている。
B−10同位体は中性子捕獲能力を有するところから核
反応に関与することは知られている。19.8:80.2
を上回るB−11対B−10の原子パーセントを有する
B−10濃縮ホウ酸溶液は、現在、原子炉冷却材として
は用いられていない。その理由は、原子炉級の天然ホウ
酸溶液は、ホウ素0.45Kg(1ポンド)当たり米国
ドルで、1.00ドルの費用しか掛からないのに対し
て、B−10濃縮溶液はB−10のグラム当たり米国ド
ルで3.00ドルもの費用を要するからである。従っ
て、費用の掛からないプロセスを用いてホウ素含有生成
物中のB−10を濃縮することができれば、これは非常
に有利なことである。
【0003】例えば、物理的或は化学的プロセス又はこ
れ等の2つのプロセスの組み合わせを用いる等により、
通常のホウ素化合物のB−10含量を増加する方法とし
て多くの方法が知られている。これ等の方法には、ホウ
素化合物の蒸留、溶媒抽出及びイオン交換が含まれる。
【0004】濃縮B−10を製造するための熱的に駆動
されるイオン交換装置及び方法が、特開平05ー096
134号公報に詳述されている。この公報には、等しい
流量を有する2つの切換可能な流路を通してホウ素溶液
を流すことによりB−10含量を富化する、即ち、濃縮
する方法及び装置が開示されている。このシステムは、
高温タンク及び低温タンクと、加熱器及び冷却器と、2
つの樹脂含有イオン交換器A及びBとを備えている。以
下に、低温タンクから開始されるこのプロセスに関し説
明する。
【0005】低温タンクに源を発する流路において、ホ
ウ素溶液は低温タンクから流出し加熱器へと流入し、し
かる後、イオン交換器Bに流入する。初期においては、
加熱されたホウ酸溶液が、イオン交換器B内の樹脂を通
る際にB−10を主に脱着する。次いで、イオン交換器
B内で樹脂との相互作用により、B−10が程度の差こ
そあれ濃縮され、加熱されたホウ酸溶液は高温タンク内
に流入する。低温タンクのループにおける流れの開始と
同時に、高温タンク内のホウ酸溶液は、冷却器に流入
し、しかる後、イオン交換器Aに流入する。初期には、
冷却されたホウ酸溶液中のB−10が主にイオン交換器
A内の樹脂に蓄積される。イオン交換器A内の樹脂との
相互作用の結果として、ホウ素、特にホウ素10が若干
欠乏したこの溶液は、次いで低温タンク内に流入する。
このプロセスは、所定の切換点が生起するまで続けられ
る。この切換点に達すると、システム内の弁位置は、加
熱されたホウ酸溶液がイオン交換器Aを通り、他方、冷
却されたホウ酸溶液がイオン交換器Bを通流するように
切り換えられる。このようにホウ酸溶液流路を周期的に
切り換えるこのプロセスは、以後、循環的に続けられ、
このプロセスはB−10の濃縮に殆ど貢献しなくなるま
で連続的に繰り返される。最終的な結果として、高温タ
ンク及び低温タンク双方に濃縮されたホウ素が得られ
る。
【0006】切換を行うべき時点を知るためには、イオ
ン交換器A及びB並びに高温及び低温タンク間の関係を
理解しなければならない。既に述べたように、加熱され
たホウ酸溶液がイオン交換器A或はBを通流する際に
は、最初に、B−10含有イオンが主に溶出され、その
結果として、高温タンクに流入する溶液においては、B
−11に対しB−10の同位体比が増加する。初期にお
いては、冷却されたホウ酸溶液中のB−10含有イオン
が主にイオン交換器A或はBのいずれかに設けられてい
る樹脂に蓄積し、その結果、低温タンクに流入する溶液
中のB−11対B−10の同位体比は減少する。時間の
経過に伴い、イオン内のB−11対B−10の同位体比
は、上述の関係を反転し始め、B−11対B−10比は
高温イオン交換器内で減少し低温熱交換器内で増加す
る。その理由は、樹脂からのB−10の主たる移動或は
樹脂に対するB−10の主たる移動が減少し、その結
果、高温イオン交換器を流出する高温溶液内のB−11
対B−10の同位体比が漸次減少し、低温イオン交換器
の出口における低温溶液では上記同位体比が漸次増加す
るからである。従って、高温イオン交換器から流出する
高温溶液内のB−11対B−10の同位体比が高温タン
クにおける対応同位体比と実質的に同じになった時点で
切換を行うべきである。
【0007】前述の公報における切換時点は、質量分析
計のような2つのホウ素同位体アナライザを使用するこ
とにより決定されている。その場合、一方のアナライザ
はイオン交換器A及び高温タンクに交互に接続され、他
方のアナライザはイオン交換器B及び高温タンクに交互
に接続される。特定のプロセス要件に起因し所定の期間
1つのアナライザだけしか作用しない(即ち、1つのア
ナライザだけしか加熱溶液の測定を行わない)。例え
ば、イオン交換器Aに接続されたアナライザが有効であ
る場合には、このアナライザは、イオン交換器Aの出口
及び高温タンク内のB−10:B−11比を交互に算出
する。イオン交換器Bに接続されているアナライザが作
動している場合には、このアナライザが、イオン交換器
Bの出口及び高温タンク内のB−10:B−11比を決
定する。
【0008】上記の構成において、作動アナライザ即ち
オンラインのアナライザが、イオン交換器A又はBから
のホウ素含量を測定し、しかる後、直ちに高温タンク内
のホウ素含量を測定するように切り換えられる。この2
ループのシステムにおいては2つのアナライザが要求さ
れるので、これ等のアナライザは、正確で且つ一貫した
切換が生起することを保証するために互いに校正する必
要がある。言うまでもなく、この校正という要件は、シ
ステムの保守に要する運転停止時間及び運転費用を増大
する。
【0009】従って、2ループのホウ素同位体濃縮シス
テムの運転を改良する計装及び制御方式の必要性が存在
する。
【0010】
【発明の概要】本発明は、上述した必要性を満足するよ
うに設計された改良型の計装及び制御方式を提供するも
のである。特に本発明は、ループ間の切換が単一のアナ
ライザにより監視される1つのサンプル採取点を用いて
達成される2ループ方式での濃縮ホウ素の生成方式に関
するものである。
【0011】本発明によれば、イオン交換が行われる温
度で、低分子量の同位体部分と高分子量の同位体部分と
を有する水溶性弱酸性溶液を形成することができる元素
の同位体濃縮酸性溶液を生成するための装置が提案され
る。この装置は、(a)それぞれが上記低分子量の同位
体部分及び高分子量の同位体部分の蓄積容量に関し温度
依存性を有する少なくとも2つのイオン交換器と、
(b)双方ともに流路が上記イオン交換器に結合されて
いる高温溶液を収容する高温タンク及び低温溶液を収容
する低温タンクと、(c)上記高温タンク溶液を上記イ
オン交換器のいずれかに選択的に向け且つ上記低温タン
ク溶液を上記イオン交換器の一方に選択的に向けるため
の第1の弁手段と、(d)上記イオン交換器からの流れ
を上記高温タンク又は低温タンクのいずれかに選択的に
向けるための第2の弁手段と、(e)上記イオン交換器
の上流側に位置する低温タンク溶液を加熱するための加
熱手段及び上記イオン交換器の上流側に位置する高温タ
ンク溶液を冷却するための冷却手段と、(f)上記高温
タンクの上流側に位置する溶液からサンプルを採取して
該サンプルを分析し上記低分子量及び高分子量の同位体
部分の含量を求めるためのサンプル採取手段と、(g)
下記の値を計算する、即ち、(i)上記サンプル採取手
段から受信した低分子量及び高分子量の同位体部分の含
量の値に基づき上記高温タンク内の低分子量及び高分子
量の同位体部分の含量の推定値、(ii)上記高温タンク
中の濃縮された低分子量の同位体部分の推定値、(iii)
上記高温タンクに流入する濃縮された低分子量の同位体
部分の実際値、及び(iv)高温タンクに流入する濃縮さ
れた低分子量の同位体部分の実際値及び上記高温タンク
内の濃縮された低分子量の同位体部分の推定値に基づく
切換信号を、計算するための計算手段とを含む。
【0012】本発明は、添付図面を参照しての以下の詳
細な説明から一層明瞭に理解されるであろう。
【0013】
【好適な実施例の説明】以下の説明において、全図面を
通し、同じ参照文字もしくは数字は同じ或は対応の部分
を指すものとする。また、以下の説明において、「前
方」、「後方」、「左方」、「右方」、「上方」、「下
方」及び同様の術語は限定的な意味に解釈されてはなら
ないことを述べておく。
【0014】
【概説】水溶性弱酸性溶液を形成することが可能でしか
もイオン交換に必要な温度では水溶液内で完全には解離
することができない元素の同位体の濃縮は、当該元素の
高温及び低温の酸性溶液をイオン交換床を通して交互に
流すことにより達成される。異なる同位体を含有する分
子の質量移動特性性並びにこれ等の分子の温度依存イオ
ン交換樹脂脱着及び吸収に起因し、低分子量の同位体の
脱着もしくは脱離が若干多く生じ、それにより、低分子
量の同位体に富む溶液が生成される。尚、同位体のイオ
ン交換と称する場合、イオン交換プロセスは、溶液中に
これ等の同位体を含有する分子に対して実施されるもの
であることを留意されたい。
【0015】このプロセスは、ホウ素、ケイ素、リン、
ヒ素、アンチモンその他の陰イオン交換温度で弱酸性溶
液を形成する遷移元素での使用に適応することができ
る。好適な元素は、ホウ素であり、目標はB−10同位
体に関しホウ酸溶液の同位体濃縮である。尚、本明細書
で用いる術語(B−10)は10個の核種を有するホウ
素同位体を定義するものであり、術語(B−11)は1
1個の核種を有するホウ素同位体を定義するものであ
る。天然ホウ酸(NBA)溶液は、B−11同位体に対
しB−10同位体を19.8:80.2の原子パーセント
で含有している。或るホウ酸溶液のB−11同位体に対
するB−10同位体の比が19.8:80.2を越える場
合には、該ホウ酸溶液は濃縮されていると称される。こ
のような溶液が濃縮ホウ酸(EBA)溶液である。同位
体濃縮装置及びプロセスをホウ酸溶液におけるホウ素の
濃縮と関連して説明するが、本発明の適用はホウ素に制
限されるものではない。
【0016】図面、特に図1を参照すると、EBA溶液
を発生する原料溶液を用いたEBA(濃縮ホウ酸)生成
システムが示してある。原料溶液は、NBA(天然ホウ
酸)溶液としても良いし或はEBA(濃縮ホウ酸)溶液
としても良い。しかし、NBA溶液の方が好ましい。E
BAの最終生成物は、プロセスの終了時に低温タンク1
08及び高温タンク109双方に得られる。
【0017】ホウ酸溶液の濃縮は次のようにして達成さ
れる。
【0018】高温タンク109及び低温タンク108に
はホウ酸溶液が充填されている。2つのイオン交換器1
03及び104並びにこれ等のイオン交換器内に収容さ
れている陰イオン樹脂、好ましくは強塩基陰イオン樹脂
は、NBA供給管路115、120を介してNBA供給
タンク113から供給されるNBA溶液で飽和されてい
る。尚、濃縮すべき出発溶液は天然ホウ酸溶液であって
も良いし或はB−10同位体が既に或る程度濃縮されて
いる溶液とすることができる。しかし、好ましい出発溶
液はNBA溶液である。
【0019】濃縮プロセスは、イオン交換器104を介
して低温タンク108から溶液を高温タンク109に循
環することにより開始される。同時に、高温タンク10
9内に存在する溶液はイオン交換器103を経て低温タ
ンク108へと循環される。これは、弁123、12
6、129、及び130を開き、そして弁124、12
5、127、128を閉じることにより達成される。低
温タンク108からの溶液は低温タンク・ポンプ110
及び蓄熱形熱交換器112を介して循環される。この蓄
積型熱交換器112は、高温タンク109からの溶液と
低温タンク108からの溶液との間において効率的に熱
エネルギー交換を行うように動作する。溶液は、次いで
加熱器101のような溶液を加熱するための加熱手段を
通流し、続いて、イオン交換器104中を流れて高温タ
ンク109に流入する。このようにして、初期において
は、B−10同位体を含有する分子が、B−11同位体
を含有する分子を上回ってイオン交換器104内の樹脂
から脱離され、高温タンク109内にB−10濃縮ホウ
酸溶液が生成される。同時に、高温タンク109内の溶
液は、高温タンク・ポンプ111により高温タンク10
9から蓄熱形熱交換器112へと送られ、更に、冷却器
102のような溶液を冷却するための冷却手段内に流入
し、次いでイオン交換器103を通流して低温タンク1
08内に流入する。このようにして、溶液からホウ酸
が、イオン交換器103内の樹脂に吸着される。初期に
おいては、B−10同位体を含有する分子の方が、B−
11同位体を含有する分子を上回ってイオン交換器10
3内の樹脂により吸着される。2つのイオン交換器10
3及び104における質量流量は互いに等しく且つ高温
タンク109及び低温タンク108内の液位が比較的一
定に留どまるようにフローパターンのサイクル中一定に
保持するのが有利である。
【0020】イオン交換段階前に低温タンク溶液を加熱
し高温タンク溶液を冷却するために他のプラント形態も
採用し得る。例えば、高温タンク溶液或は低温タンク溶
液との熱交換段階において、任意のプロセスのプラント
系からの蒸気を利用することが可能である。このような
技術設計上の選択は本システムにおいて容易に採用する
ことができる。図1に示すように、本発明の好適な実施
例において、加熱器101及び冷却器102と共に用い
られる低温タンク108、高温タンク109及び蓄熱形
熱交換器112等の構造は、工学上の1つの選択例に過
ぎない。
【0021】加熱器101から流出する際の加熱溶液の
好適な温度範囲は、約120〜160°F(49〜71
℃)であり、特に、好ましくは約140°F(60℃)
である。また、冷却器102から流出する際の冷却溶液
の好適な温度範囲は、約35〜70°F(1.7〜21
℃)であり、最も好ましくは50°F(10℃)であ
る。
【0022】イオン交換器103及び104を経て送給
すべき溶液を加熱するための上限温度は用いられる樹脂
により制限される。温度が高くなるとホウ酸塩イオンの
溶離が増すので、樹脂が許容する最大温度が有利であ
る。また、イオン交換器103及び104を経て送給さ
れる溶液を冷却するための低温度の限界は、溶液の凍結
可能性により制限される。温度が低くなればホウ酸塩イ
オンの蓄積が高まるので可能最低の温度が有利である。
【0023】イオン交換器からの溶出液並びに低温タン
ク溶液及び高温タンク溶液のB−10濃度が図2及び図
3に相対濃度単位で示してある。図2には、高温溶液が
循環するイオン交換器からの溶出液のB−10同位体濃
度及び高温タンク109内のB−10同位体濃度が示さ
れている。B−10同位体の顕著な脱着は、時間の関数
として溶出液のB−10同位体濃度における上昇により
示されている。B−11同位体に対するB−10同位体
のこの脱着の増加は時間が進むに伴い終局的には減少す
る。
【0024】図3には、低温溶液が循環するイオン交換
器からの溶出液のB−10同位体濃度及び低温タンク1
08内のB−10同位体濃度が示されている。比較的濃
縮されたホウ酸の初期ピークは、2つのイオン交換器1
03及び104間で高温及び低温溶液の流れが周期的に
切り換えられるという事実により生ずるものである。従
って、実際上、この初期ピークは先行の高温溶液循環段
階からの残留溶液に起因するものである。
【0025】上述の循環パターンは、周期的に反転もし
くは切り換えられ、それにより各タンクからの流れは他
方のイオン交換器に向けられる。この切換は、“スイッ
チオーバ比(switchover ratio)”の値によって規制さ
れる。ここで、スイッチオーバ比は、高温タンク109
内の溶液のB−10:B−11比で除した高温イオン交
換器溶出液のB−10:B−11比として定義される。
この量は次式で表される。
【数1】
【0026】好適なスイッチオーバ比は図2において点
Pで示してある。スイッチオーバ比が約1.0に落ちる
時にフローパターンの反転が生ずるようにするのが好ま
しい。
【0027】図1を参照するに、スイッチオーバもしく
は切換は、先に閉じていた弁124、125、127、
128を開き、そして先に開いていた弁123、12
6、129及び130を閉じることにより達成される。
低温タンク108の溶液は低温タンク・ポンプ110に
より取り出されて蓄熱形熱交換器112を介して加熱器
101に送られ、その流れは、イオン交換器103を経
て高温タンク109へと向けられる。このようにして、
B−10ホウ素同位体を含有する分子は、イオン交換器
103において、ホウ素のB−11同位体を含有する分
子より多く樹脂から熱的に脱着される。同時に、高温タ
ンク109の溶液は高温タンク・ポンプ110により取
り出されて蓄熱形熱交換器112を流れ、冷却器102
を経てイオン交換器104に流入し次いで低温タンク1
08へと向けられる。このようにして、イオン交換器内
104ではホウ酸が樹脂により吸着され、B−10同位
体を含有する分子の方が、B−11同位体を含有する分
子を上回って脱着される。この場合にも、2つのイオン
交換器を流れるホウ酸の質量流量は近似的に等しく且つ
このフローパターン中、一定に保持するのが好ましい。
【0028】上述の反転フローパターンは、先に定義し
たスイッチオーバ比が1.0を越えて上昇する間続け、
そして好ましくはスイッチオーバ比が1.0近傍に落ち
るまで続ける。しかし、効率が或る程度は減少はする
が、図2に点Pで示すスイッチオーバ比1.0の前又は
後で流れを反転するのがプロセス的には有利である。イ
オン交換器103及びイオン交換器104を経る高温タ
ンク109及び低温タンク108からの流れのこの切換
プロセスは、EBA溶液内のB−10:B−11ホウ素
同位体の比が所望のレベルに達するまで続けられる。イ
オン交換器103及び104内の樹脂に残留する物質に
より実際上濃縮が最早や改善されなくなった時には、樹
脂に、ホウ酸の交換用溶液を満たすことができる。この
交換用溶液はNBA溶液としても或はEBA溶液とする
こともできるが、NBA溶液の方が好ましい。
【0029】図1及び図4を参照するに、弁123、1
24、125、126、127、128、129及び1
30(第1及び第2の弁手段)は全てプロセス制御装置
105によって制御される。このプロセス制御装置10
5は、スイッチオーバ点に達すると、弁123、12
4、125、126、127、128、129及び13
0を開弁及び閉弁する機能を果たす。プロセス制御装置
105は、ディジタル・コンピュータ(計算手段)16
3からの信号の受信に応答して上記スイッチオーバを行
い、この場合、スイッチオーバ点の計算は、アナライザ
(サンプル採取手段)107で行われるホウ素含量分析
に基づいて行われる。
【0030】
【計装及び制御】上の説明に徴し、次に、本発明に従い
スイッチオーバもしくは切換信号を発生するための新規
な計装及び制御方式について説明する。
【0031】再び図1及び図4を参照するに、高温タン
ク109の上流側のホウ素溶液のサンプル採取のために
アナライザ107が設けられる。好適なB−10ホウ素
同位体アナライザ107は、例えば、米国カリフォルニ
ア州サンジョーズ所在のフィニガン・マット(Finnigan
MAT)社から市販品として入手可能な“ThermionicQuad
rupole Mass Spectrometer THQ”のような質量分析計で
ある。アナライザ107は、パイプ153を介して高温
タンク109の上流側でホウ素溶液からサンプルを採取
して、例えば、溶液グラム当たりの同位体のグラム数
で、溶液の絶対B−10及びB−11含量を求めて、こ
の情報をディジタル・コンピュータ163に含まれる遅
延補償器165に伝送する。アナライザ107によりB
−10及びB−11含量が一旦決定されると、このサン
プルはパイプ152を介してイオン交換器104の出口
に戻される。遅れ補償器165の機能については追って
詳細に説明する。ディジタル・コンピュータ163は、
遅れ補償器165から得られるホウ素−10及びホウ素
−11濃度に基づいて、高温タンク109内に流入する
溶液内のB−10濃縮度と、高温タンク109内の推定
B−10濃縮度とを比較する。高温タンク109内にお
けるB−10濃縮度を得る(式5参照)ために、ディジ
タル・コンピュータ163は、高温タンク109の上流
側で採取したサンプルに基づいて高温タンク109内の
B−10及びB−11濃度を予測もしくは推定するため
の一連の計算(式3及び式4参照)を実行する。次いで
ディジタル・コンピュータ163は、高温タンク109
内に流入する溶液のこの推定されたB−10及びB−1
1濃度から高温タンク109内のB−10濃度を推定す
る(式5参照)。高温タンク109内に流入する溶液内
のB−10濃縮度を求めるためにディジタル・コンピュ
ータ163は、アナライザ107で測定されたB−10
及びB−11を互いに重み付けされた関係に置くための
計算(式2)を行う。
【0032】高温タンク109に流入する溶液のB−1
0濃縮度に関して、ディジタル・コンピュータ163は
次式(式2)に対する入力として、溶液からアナライザ
107により測定されるB−10及びB−11濃度を用
いて、高温タンクに流入する溶出液におけるB−10濃
縮度を求める。
【数2】
【0033】次いで、溶出液におけるB−10濃縮度の
計算値は比較器170に供給され、そこで、後述のよう
に高温タンク109におけるB−10濃縮度と比較され
る。
【0034】高温タンク109におけるB−10濃縮度
と関連して、ディジタル・コンピュータ163は、高温
タンク109におけるB−10濃縮度を求めるために一
連の計算を行う。先ず、ディジタル・コンピュータ16
3は、(式3)を用いて高温タンク109におけるB−
10濃度を推定し且つ(式4)により高温タンク109
におけるB−10濃度を推定する。
【数3】
【数4】
【0035】F(溶出液)は、高温タンク109に対す
る流入及び流出ホウ酸溶液の質量流量である。B−10
(計算値)及びB−11(計算値)は、高温タンク10
9における2つのホウ素同位体の計算質量部分(溶液グ
ラム当たりの同位体グラム数)である。
【0036】次に、ディジタル・コンピュータ163
は、(式3)及び(式4)からそれぞれ算出されたB−
10及びB−11の値を互いに重み付けされた関係で用
いて、高温タンク109におけるB−10濃縮度を求め
る。この重み付けされた関係は次式で表される。
【数5】
【0037】上の(式5)で表される高温タンク109
内のB−10濃縮度は次いで比較器170に供給され
る。この比較器170は、高温タンク109内のB−1
0濃縮度と、高温タンク109に流入する溶液のB−1
0濃縮度とを比較する。高温タンク109に流入する溶
液のB−10濃縮度が高温タンク109内のB−10濃
縮度より小さいか又はそれに等しい場合には、比較器1
70は、プロセス制御装置105に対して流路切換指令
信号を発生する。
【0038】サンプルを採取する時点と、ディジタル・
コンピュータ163がその計算を実行する時点との間に
は、時間遅延が生ずる。例えば、ディジタル・コンピュ
ータ163が高温タンク109内のB−10濃縮度及び
高温タンク109に流入する溶液中のB−10濃縮度を
計算している間、採取され分析されるサンプルは更に流
路を進行してしまっている。この遅延を考慮するため
に、本発明の計装及び制御方式では、それ自体当該技術
分野で周知の遅延補償器165を用いることができる。
この遅延補償器もしくは補償回路165では、サンプル
がいずれかのイオン交換器から流れるのに要する時間
と、流れが高温タンクに達する時間との間の時間遅延が
考慮される。別の実施態様として、溶液がプロセス配管
系を介して高温タンクの入口に流れるのに要する時間並
びに測定及び計算のための時間遅延が等しくなるように
該プロセス配管系(図示せず)を構成することができ
る。
【0039】図4を参照するに、内部的に相互に校正す
る目的で、高温タンク109における計算B−10及び
B−11濃度を検証するための方法及び装置を得ること
が可能である。これと関連して、高温タンク109から
の溶液をサンプル採取することができるように付加的な
配管175が設置されている。イオン交換器或は熱交換
器を経る流れが存在しない時に、アナライザ107は配
管175を介して高温タンク109から溶出液のサンプ
ルを採取して、実際のB−10及びB−11濃度を決定
する。次いでディジタル・コンピュータ163は測定し
た質量濃度を用いて高温タンク109内の推定B−10
及びB−11濃度を比較する。
【0040】本発明の思想及びそれに伴う多くの利点は
上の説明から理解されるであろう。また、本発明の精神
及び範囲から逸脱することなく或はその実質的利点を損
なうことなく形態、構成及び配列に関し種々の変更が可
能であろう。従って、ここに述べた実施態様は、本発明
の好適もしくは例示的な実施例に過ぎないと理解された
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従い、単一のホウ素アナライザを用
いてある量の濃縮ホウ酸溶液を発生するのに用いことが
できる代表的なプラント形態を模式的に示すプロセス・
フローダイヤグラムである。
【図2】 高温、即ちホウ素脱着イオン交換床からの溶
出液中の時間依存ホウ素−10同位体部分を示すグラフ
である。
【図3】 低温、即ちホウ素蓄積イオン交換床からの溶
出液中の時間依存ホウ素−10同位体部分を示すグラフ
である。
【図4】 本発明による切換点を決定するための方法及
び装置を詳細に図解するプロセス・フローダイヤグラム
の部分図である。
【符号の説明】
101…加熱手段(加熱器)、102…冷却手段(冷却
器)、103、104…イオン交換器、107…サンプ
ル採取手段(アナライザ)、108…低温タンク、10
9…高温タンク、123、124、125、126…第
1の弁手段(弁)、127、128、129、130…
第2の弁手段(弁)、163…計算手段(ディジタル・
コンピュータ)。
フロントページの続き (72)発明者 ジョゼフ・アントニー・バッタグリア アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ピッ ツバーグ、ベヴィングトン・ロード 222

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量の同位体部分と高分子量の同位
    体部分とを有する水溶性弱酸性溶液をイオン交換が行わ
    れる温度で形成することができる元素の同位体濃縮酸性
    溶液のインベントリーを算出するための装置であって、 a) 前記低分子量の同位体部分及び前記高分子量の同
    位体部分の蓄積容量に関し温度依存性を有する少なくと
    も2つのイオン交換器と、 b) 該イオン交換器に流体連絡していて、高温タンク
    溶液を収容する高温タンク及び低温タンク溶液を収容す
    る低温タンクと、 c) 前記高温タンク溶液を前記イオン交換器のいずれ
    かに選択的に向け且つ前記低温タンク溶液を前記イオン
    交換器のいずれかに選択的に向けるための第1の弁手段
    と、 d) 前記イオン交換器からの流れを前記高温タンク及
    び前記低温タンクの1つに選択的に向けるための第2の
    弁手段と、 e) 前記イオン交換器の上流側に位置して前記低温タ
    ンク溶液を加熱するための加熱手段と、 f) 前記イオン交換器の上流側に位置して前記高温タ
    ンク溶液を冷却するための冷却手段と、 g) 前記高温タンクの上流側に位置する溶液からサン
    プルを採取し、前記低分子量の同位体部分及び前記高分
    子量の同位体部分の含量を求めるため前記サンプルを分
    析するサンプル採取手段と、 h) 下記の値、即ち、(i) 前記サンプル採取手段
    から受信した前記低分子量の同位体部分及び前記高分子
    量の同位体部分の量から、前記高温タンクにおける前記
    低分子量の同位体部分及び前記高分子量の同位体部分の
    量の推定値、(ii) 前記(i)項での計算結果に基づ
    いて、前記高温タンクにおける前記低分子量の同位体部
    分の濃縮度の推定値、(iii) 前記高温タンクに流入す
    る溶液中の前記低分子量の同位体部分の濃縮度の実際
    値、及び(iv) 前記高温タンクに流入する溶液中の前
    記低分子量の同位体部分の濃縮度の前記実際値と、前記
    高温タンクにおける前記低分子量の同位体部分の濃縮度
    の前記推定値に基づいて、切換信号、を計算するための
    計算手段と、 を含む同位体濃縮酸性溶液のインベントリーの算出装
    置。
JP5255768A 1992-10-13 1993-10-13 同位体濃縮酸性溶液のインベントリーの算出装置 Pending JPH06198138A (ja)

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US07/960,493 US5265135A (en) 1992-10-13 1992-10-13 Instrumentation and control scheme for implementing a boron isotopic enrichment process

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