JPH06188492A - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JPH06188492A
JPH06188492A JP2493593A JP2493593A JPH06188492A JP H06188492 A JPH06188492 A JP H06188492A JP 2493593 A JP2493593 A JP 2493593A JP 2493593 A JP2493593 A JP 2493593A JP H06188492 A JPH06188492 A JP H06188492A
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昌樹 葛本
Yuji Takenaka
裕司 竹中
Junichi Nishimae
順一 西前
Kenji Yoshizawa
憲治 吉沢
Taku Yamamoto
卓 山本
Masato Matsubara
真人 松原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の周波数領域で、容易に高効率のレーザ
励起を行うことができるレーザ装置を得る。 【構成】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を
有するレーザ励起用の放電空間4の矩形断面内で斜め方
向に放電を発生させるように構成する。また、放電空間
4内でその矩形断面と直交する光軸方向に対して斜め方
向に放電を発生させるように構成する。 【効果】 任意の周波数の電源により高効率のレーザ発
振器が実現でき、このため、低コストで使い勝手のよい
レーザ装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザ発振効率の向
上を図ったレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図69は、例えば雑誌SPIE(The So
ciety of Photo-Optical Instrumenta-tion Engineers
)Vol.1276 CO2 Lasers and Application (1990) pp.1
8−28,Fig.1 に記載された従来の導波路型炭酸ガスレー
ザ装置を示す斜視図である。図において、1,2は放電
励起用の一対の金属電極、3はその一方の金属電極1に
接続されたRF電源(励起電源)、10,20は前記金
属電極1,2の対向面に密着されて離間対向する一対の
誘電体板であり、これらの誘電体板10,20は例えば
セラミックスから成っている。
【0003】4は前記誘電体板10,20間に発生する
矩形状の放電空間であり、レーザ媒質となるCO2 −H
e−N2 の混合ガスが充填される。5,6は電極冷却水
の出入方向を示す矢印、7は全反射鏡(共振器ミラ
ー)、8はレーザビーム取出し側の反射鏡(共振器ミラ
ー:output coupler)、9はレーザビーム、21aおよ
び21bは一方の金属電極1に設けられた電極冷却水の
取入口および吐出口であり、他方の金属電極2にも同様
の取入口および吐出口(共に図示せず)が設けられてい
る。
【0004】次に動作について説明する。一方の金属電
極1をRF電源3に、且つ、他方の金属電極2をアース
に接続すると、放電空間4にレーザを励起するためのR
F放電が発生する。その放電エネルギーは、反射鏡7,
8で構成された光共振器によって光エネルギーに変換さ
れ、レーザビーム9として一方の反射鏡8側から出力さ
れる。炭酸ガスレーザでは、レーザ下準位のエネルギー
レベルが低いため、ガス温度が上昇すると、下準位密度
が増加し、レーザ発振効率が低下する。このため、レー
ザガスの冷却能力がレーザ発振効率を決定する大きな因
子となる。ここで、矩形状をなした放電空間4の断面に
おける長辺(長さw)と短辺(ギャップ長d)の比w/
dはアスペクト比と呼ばれ、レーザ媒質となるガス冷却
の観点から検討すると、アスペクト比が等しい場合、同
様の冷却能力をもつことが導かれる。すなわち、同様の
電力を投入した場合、アスペクト比が等しければ、ガス
温度も等しくなる。従って、高い電力を投入するには、
該投入時のガス冷却が充分に行われるようにアスペクト
比を大きく設定すればよい。さらに、高い電力密度が要
求されるレーザ励起のためには、短辺dを小さく設定す
る必要がある。
【0005】図70は矩形放電空間4の断面における短
辺の長さdに対するガスの冷却能力を示した特性図であ
る。図中実線は、ガス組成He−N2 −CO2 =80−
10−10(%;容積比,モル分率)において、ガス温
度が摂氏250度になる電力密度を示す。短辺dの長さ
を短くすればするほど、ガスの冷却能力は高くなること
がわかる。
【0006】一方、前記短辺(ギャップ長)dを短く設
定すると、レーザ光の伝搬過程における損失aが増大す
る。この場合の矩形導波路におけるEHnmモードの伝搬
損失aは次式で表わすことができる。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】ここで、λはレーザ波長、εおよびε0
それぞれレーザ波長に対する比誘電率、真空中の誘電率
(0.8854×10-11 CV-1-1)を示し、unm
各モードの次数に対する係数である。ただし、明細書中
では比誘電率のことを単に誘電率と表現している。
【0010】この式から、誘電体材料にAl23(アル
ミナ)、レーザ波長として炭酸ガスレーザの波長(10.6
μm)としたときのギャップ長dと伝搬損失aの関係を
計算した結果を図71に示す。この結果、伝搬損失aは
ギャップ長d-3に比例して増加する。ガスの冷却能力と
光の伝搬損失を考慮して、通常の導波路型炭酸ガスレー
ザ装置では、1.5≦d≦2.5(mm)の範囲で使用さ
れることが多い。ただし、高出力のため、誘電体の長さ
を長くすると、当然伝搬損失は増加することとなり、こ
のため、高出力化するにはギャップ長dを大きくする必
要がある。
【0011】図72はギャップ長(短辺の長さ)d=2
mmの条件で、炭酸ガスレーザの出力に与える電源周波
数の影響を実験的に調べた結果である。電源周波数の増
大と共にレーザ出力は劇的に増大することが確認され
る。この原因については以下に説明する。
【0012】図73はギャップ長2mm、ガス組成CO
2 −N2 −He=10−10−80、ガス圧力80To
rrの条件で、ギャップd方向の電界分布を電源の周波
数を変えて計算した結果である。図中、Zは電界方向の
距離を示し、Z=0はギャップ中央部、Z=1.0(m
m)は誘電体板との境界を示す。図より明らかなよう
に、電源周波数の増大と共に電界の高い領域は減少して
おり、レーザ励起に適した低電界領域が増大しているこ
とが確認できる。従って、図73に示したように電源周
波数を高くすると低電界領域が増加し、レーザの励起効
率は向上することとなる。
【0013】この電界分布の変化は放電の維持機構によ
り説明できる。一般に電子のギャップ間走行時間teと
電源の半周期の時間tsの関係によって放電の維持機構
は大別される。即ち、陽極に向かってドリフトしてきた
電子が陽極に衝突するような場合には、電子数およびエ
ネルギーの損失が大きいため、この損失に見合うだけの
エネルギーを電界が与えなければならず、高電界領域は
広くなる。これは電子のギャップ間走行時間よりも、電
源の半周期の時間が長い場合に相当する。逆に電子走行
時間に比べ、電界の変化が早い場合には、陽極に向かっ
てドリフトしてきた電子が陽極に到着する前に電極の極
性が反転するため、電子は押し戻され壁に衝突すること
はない。従ってこの場合、電子数およびエネルギーロス
が少ないため、高電界領域は狭くてよい。
【0014】条件によっても異なるが、図72で示した
ような条件では、電子のドリフト速度は107 cm/s
程度であり、ギャップ走行時間は、te=0.2cm/
107 cm/s=2x10-8secとなる。この時間が
半周期に対応する臨界周波数は100MHzである。従
って、100MHz以下の周波数では、図73に示した
ように高電界領域が広くなり、図72に示したようにレ
ーザ励起効率が低下する。
【0015】ところで、図69に示す従来の導波路型炭
酸ガスレーザ装置は、矩形の放電空間4から、高集束の
レーザビームを発生させるためにハイブリッド共振器を
使用している。すなわち、ハイブリッド共振器は、矩形
放電空間4の短辺d方向にレーザ光が誘電体板10,2
0で反射しながら伝搬される導波路共振器として動作
し、長辺方向には不安定型共振器として動作する。導波
路共振器を採用する場合、導波路(誘電体板10,2
0)端と共振器ミラー(反射鏡7,8)との間隔(Lv
m)を広く設定すると、共振器から光が逃げ出す率が高
くなるので、レーザビームの出力効率が低下する。この
光が逃げ出す損失は(Lvm)3/2 に比例することが知
られている。例えば、波長10.6μm(CO2 レー
ザ)、ギャップ長d=2mmの条件では光の逃げ出す損
失を小さく抑えるために、Lvm=10mm程度に狭く
設定する必要がある。
【0016】従って、放電電力を増加するために印加電
圧を上昇させると、主放電空間だけでなく、図74に示
すように光共振器ミラー8に向う放電41が発生する。
この場合、図75に示すように、共振器ミラーに放電す
ると、主放電部にエネルギーが投入されず、レーザ励起
効率が低下する(図75中の点Psはミラーへの放電開
始電力を示す)。
【0017】また、誘電体板10,20の端部角部と金
属電極1,2が近くに存在すると、図76に示すように
誘電体板10,20の端部角部の電界強度が高くなり、
この部分に放電42が集中し易くなる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ装置は以
上のように構成されているので、高出力導波路型レーザ
を得るために誘電体の長さを長くしたい場合、冷却の観
点からギャップ長dを短く設定する要求がある一方、光
の伝搬損失の観点からはギャップ長dを長く設定する要
求があり、全く矛盾した要求となって実現不可能であ
る。また、上記式(1),(2)より、レーザ波長に対
する誘電率εを小さく設定すれば、伝搬損失aを減少さ
せることが予想されるが、現実には低誘電率材料は焼結
が困難で製作できないことが多い。さらに、後述のよう
に、この方式で用いられる誘電体は導波路面としての性
質だけでなく、耐電圧等放電用キャパシタとしての機能
が要求されるため、これらの条件を満たす材料は極く限
られていた。
【0019】また、従来のCO2 レーザ装置の場合、レ
ーザ励起における最適な周波数が150MHz近傍であ
るが、この周波数は、日本の電波法ではその使用が制限
されているために、汎用装置とする場合の大きな問題と
して残されている。また、そのようなRF電源は高価で
あり、RF電源とレーザ負荷とのマッチングも困難であ
るなど問題は山積状況である。
【0020】さらに従来の導波路型炭酸ガスレーザ装置
では、上述のように放電電力を増加するために印加電圧
を上昇させると、主放電空間だけでなく共振器ミラーに
向う放電41や誘電体板10,20の端部に集中した放
電42が発生するので、レーザ装置の安定性を損なうと
いう問題点があった。
【0021】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、請求項1〜請求項5の発明
の目的は、例えば日本の電波法で認許されている周波数
領域、あるいは電波漏洩対策が容易な低周波領域におい
ても、高効率に且つ容易にレーザを励起できるレーザ装
置を得ることを目的とする。
【0022】請求項6〜請求項10の発明は、上記請求
項1〜請求項5の発明と同様の目的を達成し、さらに、
放電開始をスムーズに行うことができるレーザ装置を得
ることを目的とする。
【0023】請求項11〜請求項25の発明は、上記請
求項1〜請求項5の発明の場合と同様に、電波法で認許
されている周波数領域、あるいは電波漏洩対策が容易な
低周波領域においても、高効率に且つ容易にレーザを励
起できるレーザ装置を得ることを目的とする。
【0024】請求項26〜請求項30の発明は、高電圧
印加時にも光共振器ミラーへの放電、または誘電体板の
端部での放電の集中を抑えることができる安定したレー
ザ装置を得ることを目的とする。
【0025】請求項31〜請求項34の発明は、上記請
求項1〜請求項5の発明の場合と同様に、電波法で認許
されている周波数領域、あるいは電波漏洩対策が容易な
低周波領域においても、高効率に且つ容易にレーザを励
起できるレーザ装置を得ることを目的とする。
【0026】請求項35〜請求項40の発明は、非励
起、非冷却空間での光吸収効果を小さく抑えることがで
きるようにして、高出力領域においても高効率にレーザ
を出力できるレーザ装置を得ることを目的とする。
【0027】請求項41〜請求項45の発明は、レーザ
光励起空間を作り、さらにプリズムやホールディングミ
ラー等のレーザビームを立体的に折り返す手段を設ける
ことによって、レーザ光励起空間を直列につないだとき
と同等の効果が得られ、しかも、装置の小型化およびコ
ストダウンが図れるレーザ装置を得ることを目的とす
る。
【0028】請求項46〜請求項50の発明は、放電の
ための条件を満たした上で、光の伝搬損失を小さく抑え
ることができる高出力のレーザ装置を得ることを目的と
する。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレ
ーザ装置は、長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面
を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空間
の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り出
すレーザ装置において、前記放電空間の矩形断面内で斜
め方向に放電を発生させるように構成したものである。
【0030】請求項2の発明に係るレーザ装置は、長辺
と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ励
起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面と
直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置にお
いて、前記放電空間内で前記矩形断面と直交する光軸方
向に対して斜め方向に放電を発生させるように構成した
ものである。
【0031】請求項3の発明に係るレーザ装置は、長辺
と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ励
起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面と
直交する方向にレーザビームを取り出し、且つ、前記矩
形断面の短辺方向に熱流を発生させてガスの冷却を行う
ようにしたレーザ装置において、放電励起用の電極を複
数備えているものである。
【0032】請求項4の発明に係るレーザ装置は、長辺
と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ励
起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面と
直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置にお
いて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてガス
の冷却を行うと共に、前記矩形断面の長辺方向に放電を
発生させるように構成したものである。
【0033】請求項5の発明に係るレーザ装置は、放電
励起用の電極を有し、この電極の静電容量に分布を設け
ることにより、斜め方向の放電を実現するように構成し
たものである。
【0034】請求項6の発明に係るレーザ装置は、長辺
と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ励
起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面と
直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置にお
いて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてガス
を冷却し、且つ、前記矩形断面内で短辺方向に予備放電
を発生させると共に、斜め方向に主放電を発生させるよ
うに構成したものである。
【0035】請求項7の発明に係るレーザ装置は、長辺
と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ励
起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面と
直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置にお
いて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてガス
を冷却し、且つ、前記矩形断面に直交する面内で短辺方
向に予備放電を発生させると共に、斜め方向に主放電を
発生させるように構成したものである。
【0036】請求項8の発明に係るレーザ装置は、前記
請求項6または請求項7における予備放電および主放電
を同一電源からのエネルギーで発生させ、前記予備放電
および主放電に投入されるエネルギーを予備放電用の静
電容量および主放電用の静電容量で設定するものであ
る。
【0037】請求項9の発明に係るレーザ装置は、前記
請求項8の予備放電用の静電容量を主放電用の静電容量
の1/10以下にしたものである。
【0038】請求項10の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項8の主放電を電極間で放電させ、前記予備放電
を電極と電極に誘電材料を介して接続された導電部材間
で放電させることにより、主放電用の静電容量および予
備放電用の静電容量の大きさを設定するものである。
【0039】請求項11の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項3において、矩形断面の短辺方向に熱流を生じ
させてガスを冷却し、且つ、前記矩形断面に対して対向
する電極に同相の交流電圧を印加するようにしたもので
ある。
【0040】請求項12の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項1の矩形放電空間に対向し電極の一部に相の異
なる電圧を印加するようにしたものである。
【0041】請求項13の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項3の矩形放電空間に対向した一方の電極を電気
的に浮かせるか、接地させたものである。
【0042】請求項14の発明に係るレーザ装置は、交
流電圧の印加で放電空間に放電を発生させてレーザを励
起するレーザ装置において、前記放電空間に誘電体を配
設して前記放電空間を複数の放電空間に分割し、前記分
割された複数の放電空間で励起された放電エネルギーを
レーザ光に変換するようにしたものである。
【0043】請求項15の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項14において、金属板の表面に誘電体層を被覆
して放電表面が形成された誘電体を放電空間に配設した
ものである。
【0044】請求項16の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項14または請求項15の放電空間に配設された
誘電体を冷却するようにしたものである。
【0045】請求項17の発明に係るレーザ装置は、同
軸上に配設された外管と内管とで囲まれたドーナツ状の
円環断面で放電を生成し、前記外管の内周および内管の
外周がレーザビームの導波路として利用され前記円環断
面に直交する方向にレーザビームを取り出すガスレーザ
装置において、前記外管を誘電体で形成すると共に、そ
の外管の外周に交流電圧を印加する2個以上の電極を配
設したものである。
【0046】請求項18の発明に係るレーザ装置は、同
軸上に配設された外管と内管とで囲まれたドーナツ状の
円環断面で放電を生成し、前記外管の内周および内管の
外周がレーザビームの導波路として利用され前記円環断
面に直交する方向にレーザビームを取り出すガスレーザ
装置において、前記外管を誘電体で形成すると共に、交
流電圧を印加する2個以上の電極を前記外管の外周にて
前記レーザビームの出射方向に並設したものである。
【0047】請求項19の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項17または請求項18における内管を導体で形
成したものである。
【0048】請求項20の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項17または請求項18における内管を誘電体で
形成したものである。
【0049】請求項21の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項17または請求項18における内管を、導体で
形成された筒体の外周に誘電体層を被覆して構成したも
のである。
【0050】請求項22の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項21における筒体を接地したものである。
【0051】請求項23の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項17乃至22における外管の外周に、電圧を印
加する電極および電気的に浮かした導電部材を互い違い
に配設し、それらの電極および導電部材を冷却するよう
に構成したものである。
【0052】請求項24の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項17乃至22における内管を冷却するようにし
たものである。
【0053】請求項25の発明に係るレーザ装置は、対
向した2枚以上の平板により放電空間を構成し、これら
の平板をレーザビームの導波路として使用するものであ
る。
【0054】請求項26の発明に係るレーザ装置は、互
いの光反射表面が対向して配設された一対の誘電体の光
反射面の反対側の面に電極を配設し、前記電極に交流電
圧を印加して前記光反射表面の間に存在するガス中でレ
ーザ励起を行うレーザ装置において、前記電極の長さお
よび幅を前記誘電体の長さおよび幅より、それぞれ5m
m以上短く設定したものである。
【0055】請求項27の発明に係るレーザ装置は、電
極の幅を光共振器で決定されるレーザビームの幅と等し
く設定したものである。
【0056】請求項28の発明に係るレーザ装置は、互
いに対向して配設された一対の前記光反射面間の距離を
一定に保つために前記光反射面間の電極から張出した部
分に挟持されたスペーサをレーザビームに対する不燃性
材料で形成したものである。
【0057】請求項29の発明に係るレーザ装置は、前
記請求項28におけるスペーサをセラミック等の絶縁体
で形成したものである。
【0058】請求項30の発明に係るレーザ装置は、前
記スペーサを金属材料で形成したものである。
【0059】請求項31の発明に係るレーザ装置は、放
電励起用の電極を柔軟性のある絶縁物でモールドしたも
のである。
【0060】請求項32の発明に係るレーザ装置は、3
相以上の多相交流電源を用いたものである。
【0061】請求項33の発明に係るレーザ装置は、互
いに隣合う複数の放電励起用電極を有し、これらの電極
に位相の異なる交流電圧を印加するように構成したもの
である。
【0062】請求項34の発明に係るレーザ装置は、互
いに隣合う電極間に電気的に浮かせるか、または接地さ
れた冷却管を配置したものである。
【0063】請求項35の発明に係るレーザ装置は、長
辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ
励起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面
と直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置に
おいて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてレ
ーザガスを冷却し、且つ、前記レーザビームが通過する
非放電部分のレーザガスを冷却するガス冷却手段を有し
ているものである。
【0064】請求項36の発明に係るレーザ装置は、非
放電部分の炭酸ガス濃度を放電部の炭酸ガス濃度より低
くなるように構成したものである。
【0065】請求項37の発明に係るレーザ装置は、長
辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ
励起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面
と直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置に
おいて、レーザ光の反射面として用いる誘電体板よりも
金属電極を短く設定し、共振器ミラーと金属電極との間
に冷却機能を有する冷却管を電気的に浮かせるか、もし
くは接地させた状態に配設したものである。
【0066】請求項38の発明に係るレーザ装置は、長
辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ
励起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面
と直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置に
おいて、共振器ミラーとレーザ出力窓との間に、ビーム
径の3倍以内の開口を有するレーザガス冷却用の冷却管
を配設したものである。
【0067】請求項39の発明に係るレーザ装置は、長
辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ
励起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面
と直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置に
おいて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてレ
ーザガスを冷却し、且つ、前記レーザビームが通過する
非放電部分に強制的にガス流を発生させ、前記レーザガ
スの温度上昇を抑えるように構成したものである。
【0068】請求項40の発明に係るレーザ装置は、長
辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断面を有するレーザ
励起用の放電空間を備え、この放電空間の前記矩形断面
と直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置に
おいて、前記矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてレ
ーザガスを冷却するガス冷却手段を有すると共に、前記
放電空間の両側面にガス漏れ防止の側板を設け、該側板
のほぼ中央部からレーザガスを供給し、且つ、前記放電
空間内のガス圧がほぼ一定になるように真空排気する構
成にしたものである。
【0069】請求項41の発明に係るレーザ装置は、レ
ーザ励起用の放電空間を有し、かつ線対称軸が2つ以上
となるように前記放電空間を配置し、この放電空間の断
面に直交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置
において、立体的なビーム折り返し手段を用いて前記放
電空間の断面内を通過するレーザビームを一つにつなげ
たものである。
【0070】請求項42の発明に係るレーザ装置は、複
数の長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形放電空間を有
し、かつ、線対称軸が少なくとも2つ以上となるように
前記矩形放電空間断面を配置し、この放電空間断面に直
交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置におい
て、立体的なビーム折り返し手段を用いてそれぞれの前
記放電空間の断面内を通過するレーザビームを一つにつ
なげたものである。
【0071】請求項43の発明に係るレーザ装置は、複
数の長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形放電空間を有
し、かつ、多角形状に前記矩形放電空間断面を配置し、
この放電空間断面に直交する方向にレーザビームを取り
出すレーザ装置において、立体的なビーム折り返し手段
を用いてそれぞれの前記放電空間の断面内を通過するレ
ーザビームを一つにつなげたものである。
【0072】請求項44の発明に係るレーザ装置は、複
数の固体レーザ媒質を有し、かつ、線対称軸が少なくと
も2つ以上となるように前記固体レーザ媒質断面を配置
し、この固体レーザ媒質断面に直交する方向にレーザビ
ームを取り出すレーザ装置において、前記放電空間断面
の長辺方向から熱を取りガス冷却を行うと共に、立体的
なビーム折り返し手段を用いてそれぞれの前記固体レー
ザ媒質断面内を通過するレーザビームを一つにつなげた
ものである。
【0073】請求項45の発明に係るレーザ装置は、複
数の固体レーザ媒質を有し、かつ、多角形状に前記固体
レーザ媒質断面を配置し、この固体レーザ媒質断面に直
交する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置におい
て、前記放電空間断面の長辺方向から熱を取りガス冷却
を行うと共に、立体的なビーム折り返し手段を用いてそ
れぞれの前記固体レーザ媒質断面内を通過するレーザビ
ームを一つにつなげたものである。
【0074】請求項46の発明に係るレーザ装置は、レ
ーザ光の波長に対する誘電率の異なる複数の材質で構成
された誘電体を光反射面として用いる放電励起導波路型
のガスレーザ装置において、前記誘電体は、放電励起用
の金属電極側が高誘電率材料で、且つ、放電プラズマ側
が低誘電率材料で構成されているものである。
【0075】請求項47の発明に係るレーザ装置は、前
記誘電体における金属電極側の高誘電率材料層を厚く、
且つ、放電プラズマ側の低誘電率材料層を薄く形成した
ものである。
【0076】請求項48の発明に係るレーザ装置は、前
記高誘電率材料を誘電体基板とし、この誘電体基板に低
誘電率材料を溶射、もしくはコーティングしたものであ
る。
【0077】請求項49の発明に係るレーザ装置は、前
記低誘電率材料としてBeO(ベリリア)を用いたもの
である。
【0078】請求項50の発明に係るレーザ装置は、前
記低誘電率材料としてAIN(窒化アルミ)を用いたも
のである。
【0079】
【作用】請求項1の発明におけるレーザ装置は、放電空
間の矩形断面内で斜め方向に放電することにより、実効
的なギャップ長を長く設定できる。このため、放電維持
のための高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度
が低くなってレーザ励起効率が高くなる。
【0080】請求項2の発明におけるレーザ装置は、放
電空間の矩形断面に直交する面内で斜め方向に放電する
ことにより、請求項1の発明と同様に実効的なギャップ
長が長く設定されるので、放電維持のための高電界領域
の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなってレーザ
励起効率が高くなる。
【0081】請求項3の発明におけるレーザ装置は、放
電励起用の電極を複数備えていることにより、前記請求
項1および請求項2の発明と同様に、実効的なギャップ
長を長く設定でき、このため、放電維持のための高電界
領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなってレ
ーザ励起効率が高くなる。
【0082】請求項4の発明におけるレーザ装置は、矩
形断面の長辺方向に放電を発生させることにより、放電
空間を形成するギャップ長が長く設定されるので、請求
項1〜3の発明の場合と同様に、放電維持のための高電
界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなって
レーザ励起効率が高くなる。
【0083】請求項5の発明におけるレーザ装置は、電
極の静電容量に分布を設けたことにより、斜め方向の放
電を実現するので、1つの金属を用いて、長辺方向から
全面を一度に有効に冷却できる。
【0084】請求項6の発明におけるレーザ装置は、放
電空間の矩形断面内で短辺方向に予備放電を発生させる
と共に、斜め方向に主放電を発生させることができるの
で、先ずギャップ長が短い短辺方向に予備放電が発生
し、この予備放電で発生する紫外線や荷電粒子により、
過電圧を印加することなくスムーズに主放電を発生させ
ることができる。
【0085】請求項7の発明におけるレーザ装置は、放
電空間の矩形断面に直交する面内で短辺方向に予備放電
を発生させると共に、斜め方向に主放電を発生させるこ
とができるので、請求項6の発明と同様に先に発生した
予備放電により過電圧を印加することなくスムーズに主
放電を発生させることができる。
【0086】請求項8の発明におけるレーザ装置は、予
備放電および主放電を同一電源からのエネルギーで発生
させ、予備放電および主放電に投入されるエネルギーを
静電容量で設定するので、レーザ装置の簡素化が図れ
る。
【0087】請求項9の発明におけるレーザ装置は、予
備放電用の静電容量を主放電用の静電容量の1/10以
下としたので、レーザ励起効率を低下させず、予備放電
の役割を充分に果たすことができる。
【0088】請求項10の発明におけるレーザ装置は、
主放電を電極間で放電させ、予備放電を電極に誘電材料
を介して接続された導電部材間で放電させることによ
り、主放電用の静電容量および予備放電用の静電容量の
大きさを設定するので、レーザ装置の簡素化を図ること
ができる。
【0089】請求項11の発明におけるレーザ装置は、
放電空間の矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせてガス
を冷却し、且つ、前記矩形断面に対して対向する電極に
同相の交流電圧を印加するので、実効的なギャップ長が
長く設定され、放電維持のための高電界領域の割合が減
少し、平均的な電界強度が低くなり、レーザ励起効率が
高くなる。
【0090】請求項12の発明におけるレーザ装置は、
矩形放電空間に対向し電極の一部に相の個となる電圧を
印加するので、請求項11の発明と同様に、実効的なギ
ャップ長が長く設定され、放電維持のための高電界領域
の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなり、レーザ
励起効率が高くなる。
【0091】請求項13の発明におけるレーザ装置は、
矩形放電空間に対向した一方の電極を電気的に浮かせる
か、接地させたことにより、請求項11の発明と同様
に、実効的なギャップ長が長く設定され、放電維持のた
めの高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低
くなり、レーザ励起効率が高くなる。
【0092】請求項14の発明におけるレーザ装置は、
誘電体が配設された放電空間を複数に分割し、その複数
の放電空間でそれぞれ励起された放電エネルギーをレー
ザビームに変換するので、電界方向の放電特性を変化さ
せずに、放電維持のために必要な高電界領域とレーザ励
起に有効な放電領域を分離することができる。したがっ
て、高効率のレーザ励起が可能となる。
【0093】請求項15の発明におけるレーザ装置は、
金属板の表面に誘電体層を被覆して放電表面が形成され
た誘電体を放電空間に配設したので、誘電体の熱伝導効
率が高くなり、誘電体の冷却効率が向上する。
【0094】請求項16の発明におけるレーザ装置は、
放電空間に配設された誘電体を冷却するので、高効率の
ガス励起が可能となる。
【0095】請求項17の発明におけるレーザ装置は、
外管を誘電体で形成すると共に、外管の外周に交流電圧
を印加する複数の電極を配設したことによって、ドーナ
ツ状の円環部が放電空間として利用されるので、実効的
なギャップ長が長くなる。これによって、放電維持のた
めの高電界領域の割合が減少して平均的な電界強度が低
くなり、レーザ励起効率が高くなる。
【0096】請求項18の発明におけるレーザ装置は、
外管を誘電体で形成すると共に、交流電圧を印加する複
数の給電電極を外管の外周にレーザビームの出射方向に
並設したので、放電維持のための高電界領域の割合が減
少して平均的な電界強度が低くなり、レーザ励起効率が
高くなる。
【0097】請求項19の発明におけるレーザ装置は、
内管を導体で形成したので、給電電極近傍での放電集中
が緩和されて、より拡散敵な放電を実現できる。
【0098】請求項20の発明におけるレーザ装置は、
内管を誘電体で形成したので、給電電極近傍での放電集
中が緩和されて、より拡散敵な放電を実現できる。
【0099】請求項21の発明におけるレーザ装置は、
導体で形成された筒体の外周に誘電体層を被覆したもの
が内管となっているので、筒体内に水冷用の水を流した
場合に誘電体層が破壊しても水漏れを防止できる。
【0100】請求項22の発明におけるレーザ装置は、
導体から成る内管用の筒体が接地しているので、低い電
圧で放電空間全体に放電を拡下ることができる。
【0101】請求項23の発明におけるレーザ装置は、
外管の外周に電圧を印加する電極および電気的に浮かし
た導電部材を互い違いに配設し、この電極および導電部
材を水冷したので、放電空間内のレーザガスを効率よく
冷却することができる。
【0102】請求項24の発明におけるレーザ装置は、
内管を水冷したので、放電空間内のレーザガスを効率よ
く冷却することができる。
【0103】請求項25の発明におけるレーザ装置は、
対向した2枚以上の平板により放電空間を構成し、前記
平板がレーザビームの導波路として使用されるので、短
辺方向に自由伝搬が許されないような波長の光でも導波
路的に伝搬することにより使用できるようになる。
【0104】請求項26の発明におけるレーザ装置は、
電極の長さおよび幅を誘電体の長さおよび幅より、それ
ぞれ5mm以上短く設定したので、光共振器ミラー方向
に発生する放電を阻止すると共に、前記誘電体の端部の
電界集中を防止して誘電体の端部に発生する放電を阻止
することができる。
【0105】請求項27の発明におけるレーザ装置は、
電極の幅を光共振器で決定されるレーザビームの幅と等
しく設定したので、放電エネルギーを有効に光エネルギ
ーに変換することができる。
【0106】請求項28の発明におけるレーザ装置は、
互いに対向して配設された一対の光反射面間の電極から
張出した部分にスペーサを挟持し、このスペーサをレー
ザビームに対する不燃性材料で形成したので、レーザビ
ームの放電に影響を与えることなく光反射面間を一定に
保つことができ、さらに、レーザビームの回折等でレー
ザビームの光軸の外側に発生するレーザビームを遮断す
ることができる。
【0107】請求項29の発明におけるレーザ装置は、
スペーサをセラミック等の絶縁体で形成したので、放電
に影響を与えることなくレーザビームの回折等でレーザ
ビームの光軸の外側に発生するレーザビームを遮断する
ことができる。
【0108】請求項30の発明におけるレーザ装置は、
スペーサを金属材料で形成したことにより、レーザ装置
のコスト低減を図ることができる。
【0109】請求項31の発明におけるレーザ装置は、
放電励起用の電極を柔軟性のある絶縁物でモールドした
ので、前記請求項28の発明の場合と同様に、レーザビ
ームの放電に影響を与えることなく光反射面間を一定に
保つことができ、さらに、レーザビームの回折等でレー
ザビームの光軸の外側に発生するレーザビームを遮断す
ることができる。
【0110】請求項32の発明におけるレーザ装置は、
3相以上の多相交流電源を用いたので、実効的ギャップ
長が長く設定され、放電維持のための高電界領域の割合
が減少し、平均的な電界強度が低くなって、レーザ励起
効率が高くなる。
【0111】請求項33の発明におけるレーザ装置は、
互いに隣合う複数の放電励起用電極に位相の個となる交
流電圧が印加されるので、請求項32の発明の場合と同
様に、実効的ギャップ長が長く設定され、放電維持のた
めの高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低
くなって、レーザ励起効率が高くなる。
【0112】請求項34の発明におけるレーザ装置は、
互いに隣合う電極間に冷却管を電気的に浮かせるか又は
接地させて配置したので、請求項32の発明の場合と同
様に、実効的ギャップ長が長く設定され、放電維持のた
めの高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低
くなって、レーザ励起効率が高くなる。
【0113】請求項35〜請求項40の発明におけるレ
ーザ装置は、反転分布の生じていない非励起空間におい
て、ガス温度が上昇しなくなり、光吸収係数を低い値に
抑えることができ、レーザ取り出し効率が高くなる。
【0114】請求項41の発明におけるレーザ装置は、
複数個のレーザ光励起空間を直列につないだ時と同等の
効果を奏するので、それぞれのレーザ光励起空間で増幅
されたレーザビームは、レーザビームを立体的に折り返
して一つにつながり、あたかも一つのレーザ光励起空間
内で増幅されたかのようになる。従って、レーザ装置か
ら出射されるレーザビームも複数ではなく一つとなり、
装置の小型化およびコストダウンが図れる。
【0115】請求項42および請求項43の発明におけ
るレーザ装置は、複数個の矩形放電空間を直列につない
だ時と同等の効果を奏し、アスペクト比の大きな矩形放
電空間を作ることができ、レーザガスの冷却能力を高め
ることができる。従って、それぞれの矩形放電空間内で
増幅されたレーザビームは、これを立体的に折り返す手
段で一つにつながり、あたかも一つの矩形放電空間内で
増幅されたかのようになる。このため、レーザ装置から
出射されるレーザビームも複数ではなく一つとなり、装
置の小型化およびコスト低減化が容易となる。
【0116】請求項44および請求項45の発明におけ
るレーザ装置は、レーザビームが固体レーザ媒質空間内
で増幅され、増幅されたレーザビームは、立体的に折り
返されて一つにつながり、あたかも一つの固体レーザ媒
質空間内で増幅されたかのようになる。従って、固体レ
ーザ装置から出射されたレーザビームも複数ではなく一
つとなり、装置の小型化およびコストダウンが図れる。
【0117】請求項46〜請求項50の発明におけるレ
ーザ装置は、放電の基礎特性を決定する誘電体層には、
光の伝搬損失を考慮する必要がなく、誘電率が高く、耐
電圧の高い従来材料を使用できる。さらに、導波路面は
低誘電率材料で構成されているため導波路損失も小さく
なる。従って、長い誘電体を用いた場合も光の伝搬損失
は小さい値に抑えることができ、高出力の導波路型レー
ザ装置を実現できる。
【0118】
【実施例】実施例1.図1はこの発明の実施例1による
レーザ装置の要部断面図であり、図69と同一または相
当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この
実施例1によるレーザ装置は、長辺と短辺の長さの比が
3以上の矩形断面を有するレーザ励起用の放電空間4が
誘電体板10,20の相互間に形成され、その放電空間
4の矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り出す
もので、その基本構成は図69に示した従来例の場合と
同様である。しかし、この発明では、誘電体板10,2
0に厚み分布を設けることによって電極の静電容量に分
布を設け、上記放電空間4の矩形断面内で放電が斜め方
向に発生するように構成されている。この場合、例えば
図1のように誘電体板10,20の非対向面側に凹状の
溝部をそれぞれ形成すれば、それらの溝部が薄肉部で他
が厚肉部となった誘電体板10,20が得られることに
より、これらの誘電体板10,20は上述のように厚み
分布が設けられたものとなる。なお、この実施例1にお
いても、上記誘電体板10,20に密着された金属電極
1,2は冷却水が通されて冷却されており、レーザガス
は上記誘電体板10,20間の短辺方向に生じた熱流を
介して冷却される。
【0119】次に実施例1の動作について説明する。金
属電極1,2に交流高電圧を印加すると、放電空間4に
放電が発生する。このとき、放電エネルギーは静電容量
に比例して注入されるため、誘電体板10,20のそれ
ぞれに施された適当な厚み分布によって、放電空間4の
矩形断面内では図1に符号DCで示すような斜め方向の
放電が発生する。本発明者らの実験によれば、同一の誘
電体材料で厚み分布を設ける場合、その誘電体材料の薄
肉部と厚肉部の厚みの比を1:3以上に設定しておけ
ば、上記放電空間4の矩形断面内では主に斜め方向の放
電が発生することが確認された。
【0120】この実施例1によれば、誘電体板10,2
0の薄肉部分のピッチ(図中符号p)を選択することに
よって、等価的な放電ギャップ長を任意に設定できる。
このため、電源周波数によって最適化することができ
る。すなわち、低い電源周波数で使用する場合には、上
記ピッチpを長くとればよい。
【0121】ギャップ長2mmの条件においてp=5m
mと15mmにおけるレーザ出力の電源周波数依存性を
調べた結果を図2と図3に示す。図2のP=5mmの条
件下では電源周波数が150MHzと13.56MHz
における励起効率はほぼ等しくなり、また、図3のp=
15mmの条件下では、100kHzの励起効率も等し
くなり、低周波領域でのレーザ励起効率の改善が確認さ
れた。よって、この実施例1のような斜め放電により、
等価的な放電ギャップ長を長く取れば、より低周波の電
源を使用した場合にも、高効率のレーザ励起が可能とな
ることがわかる。
【0122】実施例2.図4はこの発明の実施例2によ
るレーザ装置の要部断面図であり、この実施例2では、
誘電率の低い誘電体板101,201で金属電極1,2
をモールドしており、これによって、さらに高い電圧印
加が可能となり、高出力化を実現できることが確認され
た。
【0123】実施例3.図5に示す実施例3では、誘電
体板10,20に異なる誘電体102,202を積層し
て、段差のある誘電体層を形成しており、上記実施例1
と同様の効果が得られる。この場合、誘電体102,2
02を誘電体板10,20に比べて誘電率の低い材料で
形成すれば、誘電体102,202の厚みを薄くして、
ガス冷却に係る熱伝導効果を高めることもできる。
【0124】実施例4.また、図6に示すように電源の
中点をアースに接地し、金属電極1,2にそれぞれ極性
の反転する電圧(位相が互い180゜ずれた電圧)を印
加すれば、金属電極1,2からアースまでの絶縁距離を
短く設計でき、コンパクトなレーザ発振器が製作でき
る。
【0125】実施例5.上記実施例1では光軸に直交す
る放電空間4の矩形断面内における斜め放電の効果につ
いて説明したが、図7に示すように、光軸方向に斜め放
電を生起させても実施例1と同様の効果が得られる。
【0126】実施例6.上記各実施例では、静電容量の
分布によって放電を斜め方向に発生させるケースについ
て述べたが、例えば図8のように誘電体板10,20を
介して対向する金属電極1と2、および金属電極11と
22を短絡し、隣合う金属電極1と11および金属電極
2と22の間に高電圧を印加すれば、放電は電位の異な
る斜め向いの電極間(つまり金属電極1と22間および
金属電極2と11間)、および隣合う電極間(つまり金
属電極1と11間および金属電極2と22間)で生じ、
これまでの各実施例と同様の効果が得られる。つまり、
放電を誘電体板10,20に対して斜め方向に発生させ
ることができれば、低周波の電源を使用した場合にも高
効率なレーザ励起が可能となる。
【0127】実施例7.図9はこの発明の実施例7によ
るレーザ装置の要部断面図であり、このレーザ装置の基
本的構成は図69に示した従来例と同様である。ただ
し、この実施例7では、図示のように金属電極1,2が
放電空間4の矩形断面の長辺方向に配置され、放電が放
電空間4の長辺方向に発生するように構成されている。
また、誘電体板10,20は冷却されており、レーザガ
スはそれらの誘電体板10,20を介して冷却される。
【0128】放電空間4は上記実施例1と同様、長辺と
短辺の比(アスペクト比)が3以上に設定されているた
め、放電の方向を短辺方向から長辺方向に変化するだけ
で、ギャップ長を3倍以上に長くすることができる。こ
の構成により、電界強度がレーザ励起に最適な状態とな
って高効率のレーザ励起を実現できる。
【0129】この実施例7によるレーザ装置を用いて、
図72の条件と同様の発振実験を行った結果を図10に
示す。これによれば、低周波領域におけるレーザ励起効
率は改善されていることがわかる。さらに、アスペクト
比を増加すれば、レーザ励起効率は電源周波数にほぼ依
存しなくなる。
【0130】実施例8.なお、上記実施例では金属電極
1,2に交流電圧を印加した場合について示したが、こ
の実施例8を示す図11のように、金属電極111,2
21の周囲をガラス等の誘電体103,203で包囲し
た構成としてもよく、この場合も上記実施例7と同様の
効果が得られる。
【0131】実施例9.この実施例9では、上記実施例
7の構成において、図12に示すように、直流電源31
を用いて直流グロー放電でレーザを励起する構成として
いる。この場合、直流電源31は陰極ピン電極112と
陽極222に接続される。このような構成としても上記
実施例7と同様の効果が得られる。
【0132】実施例10.この実施例10では、上記実
施例7と上記実施例9とを合せた構成としている。すな
わち、図13に示すように、直流電源31による長辺方
向の電力の半分以下のエネルギーを供給する放電を、R
F電源3によって短辺方向に発生させる構成としてい
る。これによって、長辺方向の放電を容易にし(過電圧
を加えなくても放電が発生し)、また、放電を安定させ
ることができる。
【0133】なお、上記各実施例では、CO2 レーザを
例にして説明したが、この発明は、CO2 レーザと同様
に低エネルギー電子で励起することが必要とされるCO
レーザ等の他のレーザ装置にも適用できる。
【0134】実施例11.図14はこの発明の実施例1
1によるレーザ装置の要部断面図であり、図において、
1,2は金属電極、13,23は金属角パイプであり、
これらの金属角パイプ13,23の内部には冷却水が流
通するようになっている。複数の金属電極1,2は分割
して交流電源3に接続され、放電空間4を介してそれぞ
れ互い違いに配置されている。
【0135】さらに、金属電極1,2の対向面間には、
それぞれ電気的に浮いた状態の金属角パイプ13,23
が配置されている。そして、金属電極1,2および金属
角パイプ13,23はそれぞれ冷却されており、放電空
間4内のレーザガスは誘電体板10,20を介して冷却
される。また、上記金属電極1,2および金属角パイプ
13,23は全体が誘電材料15,25でモールドされ
ており、これらの誘電材料15,25は沿面放電を防止
する。なお、図14において、上記実施例1〜11と同
一類似部材については同一符号を付して説明を省略す
る。
【0136】次に実施例11の動作について説明する。
金属電極1,2に交流高電圧を印加すると、放電空間4
に予備放電となる短辺方向の放電44が発生し、さらに
電圧を高くしていくと斜め方向の主放電45が発生す
る。この現象を図15に示す電極システムの等価回路に
より説明すると、上記主放電(プラズマ抵抗R1 )45
は金属電極11 から誘電体板10の静電容量C1 を介し
て電源3に接続され、更に、主放電45は誘電体板20
の静電容量C1 、金属電極2を介して電源3に接続され
る。一方、予備放電(プラズマ抵抗R2 )44が金属角
パイプ13を介して金属電極1に接続される場合、予備
放電44は誘電体板10の静電容量C1 、金属角パイプ
13、誘電材料15の静電容量C2 を介して金属電極1
に接続される。他方、予備放電44が金属電極2を介し
て金属角パイプ23に接続される場合、予備放電44は
誘電材料15の静電容量C2 を介して金属電極2に接続
される。これにより、予備放電44は金属角パイプ13
と金属電極2間および金属電極1と金属角パイプ23間
で発生する。
【0137】この場合、短辺方向では等価的なギャップ
長が短いので、非常に低い電圧で予備放電44が開始す
る。さらに、この予備放電44で発生した紫外線または
荷電粒子により、放電場が弱電離状態となり、比較的低
い電圧で主放電45に点火される。
【0138】予備放電の有無による投入電力特性の違い
を示す図16において、実線EX.11は予備放電44
がある場合の投入電力特性であり、点線は予備放電44
がない場合の投入電力特性である。予備放電のない場
合、一旦高い電圧(過電圧)を印加して初めて主放電4
5が点火され、突然、高エネルギーが放電場に注入され
る。しかし、予備電離機構を付加して予備放電44を発
生させた場合には、主放電45がスムーズに点火され、
従来見られた制御不能な領域を除くことができる。
【0139】ところで、予備放電44は等価的なギャッ
プ長が短い放電であるため、予備放電44に投入する電
力を大きくすると、従来の技術で述べたように100M
Hz以下の電源周波数ではレーザの励起効率が低くなる
欠点がある。本発明者らは、予備放電44に投入する電
力を主放電45に投入する電力の10%以下に設定する
ことによって、レーザ励起効率を低下させずに、予備放
電の役割を充分に果たすことを見出した。
【0140】この場合、図15に示すように、予備放電
44,主放電45ともに放電エネルギー(電力)は各放
電に対応する誘電体の静電容量C1 ,C2 に比例して注
入されるため、予備放電44に対応する誘電体の静電容
量を主放電45の静電容量の10%以下に設定すること
により、予備放電44に投入する電力を主放電45に投
入する電力の10%以下にすることができる。
【0141】実施例12.図17はこの発明の実施例1
2によるレーザ装置の斜視図である。上記実施例11で
は放電空間4の矩形断面内で光軸と直交する方向に斜め
方向の主放電45と予備放電44を発生させる場合につ
いて述べたが、この実施例12では、光軸方向に斜めの
主放電45と予備放電44を発生させるように構成して
おり、この場合であっても同様の効果が得られる。ただ
し図17では、主放電45のみを示して予備放電44は
省略した。また、誘電体モールドも図示していない。
【0142】実施例13.上記実施例11および実施例
12では、予備放電44および主放電45ともに同一電
源で電力を供給する場合について述べたが、この実施例
13では、図18に示すようにそれぞれ別個の電源3,
32を設けて、別々にエネルギーを供給するように構成
しており、この場合でも同様の効果が得られる。
【0143】実施例14.図19はこの発明の実施例1
4によるレーザ装置の斜視図である。この実施例14に
よるレーザ装置は、金属電極1,2の長さ寸法および幅
寸法が、誘電体板10,20の長さ寸法および幅寸法よ
りもそれぞれ5mm以上短く設定されている点で、図6
9に示した従来のレーザ装置と相違する。
【0144】この実施例14では、金属電極1,2の長
さ寸法および幅寸法が、上述のように、誘電体板10,
20の長さ寸法および幅寸法よりも5mm以上短いた
め、放電電力の増加時(印加電圧の増加時)にあって
も、誘電体板10,20の端部の電界集中による放電4
2の集中(図76参照)を未然に防止することができ
る。
【0145】一方、図74に示す光共振器ミラー8に向
う放電41の発生も、印加電圧に大きく依存する。以
下、その放電41について説明する。実施例14におい
て、ギャップ長をd、誘電体板10,20と光共振器ミ
ラー8との距離をLwm、金属電極1,2と誘電体板1
0,20との長さの差をLとおき、放電開始電圧をV
* 、印加電圧波高値をVopとすると、光共振器ミラー8
と金属電極1,2間の距離(Lwm+L)の設計基準は次
式(3)で設定される。 L+Lwm≧(Vop/V* )d・・・・・・・・・(3) (Vopは調節可能な変数で、V* ,dは固定値)本発明
者らによれば、式(3)を満足する条件下では、光共振
器ミラー8への放電41が発生しないことが実験的に実
証されている。また、放電電力Wdは、電源周波数f、
放電部の誘電体静電容量Cにより次式(4)で結ばれ
る。 Wd=πfCV* (Vop 2 −V*21/2 ・・・・(4) (C,fは固定値)従って、(3),(4)式から明ら
かなように、大きな放電電力を投入する場合には(Lwm
+L)を大きく設定すればよい。これにより、光共振器
ミラー8と金属電極1,2間の距離(Lwm+L)を大き
く設定すれば、印加電圧を増加させても光共振器ミラー
8に向う放電41の発生を阻止することができる。
【0146】実施例15.図20(A)はこの発明の実
施例15によるレーザ装置の平面図、図20(B)は図
20(A)のA−A線断面図である。この実施例15で
は、金属電極1,2の幅Wを光共振器で決定されるレー
ザビームが通過する幅とほぼ等しくした構成としてお
り、これにより、放電エネルギーを有効に光エネルギー
に変換することが可能となる。
【0147】実施例16.図21(A)はこの発明の実
施例16によるレーザ装置の平面図、図21(B)は図
21(A)のB−B線断面図である。この実施例16で
は、金属電極1,2の幅Wが誘電体板10,20の幅
W’よりも短いことを利用して、上記金属電極1,2が
存在しない誘電体板10,20間にスペーサ16,17
を配設した構成としており、誘電体板10,20の表面
(光反射面)間の距離を一定に保つことができる。これ
により、レーザビームの放電に影響を与えることなくギ
ャップ間隔を一定に保持できる。さらに、このスペーサ
16,17をレーザビームに対して不燃性材料で構成す
ることにより、レーザビームの回折光もしくは共振器の
ミスアライメントのために、正規光軸以外で発生するレ
ーザビームを遮断することができる。
【0148】ここで、上記スペーサ16,17をセラミ
ックスのような絶縁物で構成すれば、放電には全く影響
を与えることなく、上記目的を達成できる。
【0149】また、上記スペーサ16,17を金属で構
成すれば、安価に製作できる。この場合、スペーサ部で
多少ピンチした放電が観測されるが、本発明者らによれ
ば、レーザ特性には影響ないことが確認された。
【0150】実施例17.図22はこの発明の実施例1
7によるレーザ装置の側面図であり、図において、1
a,2aは導電性部材、10a,10b,20a,20
bは誘電体板である。これらの誘電体板10a,10
b,20a,20bは、金属板に誘電体層を被覆したも
ので、熱伝導率が高く冷却効率が向上する。誘電体板1
0aは誘電体板10に対向し、かつ、誘電体板20aは
誘電体板20に対向してそれぞれ配設されている。ま
た、誘電体板10b,20bも互いに対向して配設され
ている。そして、誘電体板10a,10b間および誘電
体板20a,20b間には、それぞれ導電性部材1aお
よび導電性部材2aが挟持されていて、導電性部材1
a,2aは電気的に浮かされている。これにより、放電
空間4は放電空間4a,4b,4cに3分割され、ま
た、導電性部材1a,2aおよび金属電極1,2は水冷
状態に維持されている。なお、図22において、図19
に示した実施例14と同一類似部材については同一符号
を付して説明を省略する。
【0151】次に上記実施例17の動作について説明す
る。この実施例17のレーザ装置は、放電空間4が4
a,4b,4cに3分割され、また、金属電極1,2お
よび導電性部材1a,2aが水冷されているので、上記
放電空間4a,4b,4cに発生したレーザガスが効率
よく冷却され、その冷却効果が向上する。一方、放電を
維持するための高電界部分は金属電極1,2の近傍に現
われるので、放電空間4bはレーザ励起に適した低電界
領域となる。従って、低周波電源を用いた場合も、放電
空間4bに注目すれば冷却能力に優れ、高効率の励起が
可能となる。そして、低周波電源の効率は高周波の電源
効率より高いので、放電単位長さ当りに取り出されるレ
ーザ出力は、高周波で励起したものと同程度となる。す
なわち、放電空間4a,4cに投入された放電エネルギ
ーは損失となるが、低周波電源の効率は高周波の電源効
率よりも高いので、レーザ装置全体としては高周波の励
起効率と同等に設計することが可能である。さらに、レ
ーザビームの光路を折り返して放電空間4a,4cのエ
ネルギーを取り出す構成にすれば、より高効率のレーザ
装置を得ることができる。
【0152】実施例18.上記実施例17では、導電性
部材1aの両端部に誘電体板10a,10bを設け、ま
た、導電性部材2aの両端部に誘電体板20a,20b
を設けて放電空間4a,4b,4cに3分割したが、こ
の実施例18では、図23に示すように、放電空間4
a,4b,4cの中に誘電体板10c,20cを所定間
隔で配設した構成としており、これだけでも同様の効果
を得ることができる。ただし、この場合には誘電体板1
0c,20cを冷却する必要があるので、熱伝導率の高
い材料を選定する必要がある。
【0153】実施例19.また、上記実施例17では、
金属電極1,2は誘電体で被覆したが、この実施例19
では図24に示すように誘電体で被覆しない金属電極1
9,29を使用している。このときは、金属電極19,
20からの放電4d,4fの発生位置を確定するため、
金属電極19,29の先端は尖らせたほうがよい。な
お、4eは放電空間である。
【0154】上記実施例17〜19ではCO2 レーザを
例にとって説明したが、この発明はCO2 レーザと同様
に低エネルギー電子での励起が必要とされるCOレーザ
など他のレーザにも適用可能である。
【0155】実施例20.図25はこの発明の実施例2
0によるレーザ装置の斜視図である。図において105
は円筒状の外管、205は円筒状の内管であり、これら
の外管105および内管205は誘電体板を円筒状に形
成したもので、その両者は同軸上に配設されている。外
管105と内管205の間には放電空間4が形成されて
いるので、この放電空間4は円筒状(ドーナツ状の断
面)に形成されている。そして、外管105の外周に交
流電源3と接続された金属電極1,2が配置されてい
る。また、内管205は導体で形成され、さらに電気的
に浮かされた状態で水冷されている。さらに、内管20
5と外管105の間隔(放電ギャップ:d)は2mmに
設定されている。
【0156】次に上記実施例20の動作について説明す
る。金属電極1,2に交流高電圧を印加すると、放電空
間4に放電が発生する。この放電により、放電空間4に
存在するガスが励起されて、放電空間4の両端近傍に配
置された光共振器ミラー7,8によりレーザビーム9と
して外部に取り出される。このとき、内管205の外面
および外管105の内面はレーザビームの導波路として
作用する。
【0157】そして、印加電圧が低い場合、図26
(A)に示すように金属電極1,2の近傍でのみ放電が
発生するが、図19等に示す平板電極と比較すると、等
価ギャップ長が2倍になるので、高効率の励起が可能と
なる。一方、印加電圧を上昇すると、図26(B)に示
すように、放電が放電空間4全体に拡がるので、等価ギ
ャップ長の長い良好なレーザ励起が可能となる。
【0158】実施例21.上記実施例20において、図
27に示すように、金属電極1,2の他に複数の金属電
極1b,2bを加えると、各電極に加える電圧はより低
くても、放電が全域に拡外筒るという効果がある。
【0159】実施例22.上記実施例20および21で
は、同一の電源を用いた場合について述べたが、これに
限らず、各電極を別の電源に接続してもよく、さらに、
図28に示すように多相(この場合は三相)電源33を
用いても同様の効果が得られる。なお、図25〜図28
において、内管205を誘電体で構成すると、金属電極
近傍の放電の集中は緩和され、より拡散的な放電を実現
できる。
【0160】実施例23.さらに、図29に示すよう
に、金属管121の外周に誘電体層122を被覆した複
合管を内管として使用し、金属管121の中に冷却水を
流せば、万一、誘電体層が破壊しても水漏れの心配はな
い。また、図29においては、中点接地電源34を使用
して、金属管121を接地しているため、放電は更に低
い電圧で放電空間4全体に拡がった。
【0161】実施例24.上記実施例20において、図
30に示すように、外管105の外周で、金属電極1,
2が設けられていない部分に、電気的に浮かした冷却機
能を持つ金属123,124を金属電極1,2と互い違
いに配置したところ、より有効に放電空間4内のレーザ
ガスが冷却された。
【0162】実施例25.上記実施例20〜24では、
円筒状の放電空間4の半径方向へ放電が発生する場合に
ついて述べたが、これに限らず、図31に示すように、
レーザビームの出射方向に複数に分割された電極10
6,107を設けても、これらの実施例と全く同様の効
果が得られた。
【0163】すなわち、光軸方向に放電を発生させるこ
とにより、ギャップ長gを任意に設定することができる
ので、低周波の電源を使用しても高効率のレーザ励起が
可能となる。この場合、放電空間4の円環断面上の放電
の均質性は優れている。
【0164】また、この実施例25では単一のRF電源
3を使用したが、複数の電源や、図28に示すような多
相電源33をしようしてもよい。
【0165】実施例26.内管205は、上記実施例2
0〜25に示すように、金属、誘電体、または金属表面
に誘電体をコーティングしたものを使用してもよい。特
に、図32に示すように中点接地電源34を使用して、
内管を接地しておくと、金属電極106,107,10
8,109と金属内管121の間で放電が開始した場
合、印加電圧の上昇と共に放電領域が拡がっていくの
で、過電圧を必要とせず実用的である。特に、金属内管
121と誘電体板122で被覆されている場合には、放
電は更に均質で、効果が大きい。また、上記実施例20
〜26ではCO2 レーザについて説明したが、これに限
らず、低エネルギー電子で励起することが必要とされる
COレーザなど他のレーザにも適用可能である。
【0166】実施例27.図33はこの発明の実施例2
7によるレーザ装置の斜視図であり、図において、70
はレーザビーム取出用の反射鏡8側に配置された大気遮
蔽窓としてのレーザビーム出力窓であり、この出力窓7
0は前記反射鏡8から離して設置されている。従って、
前記反射鏡8と前記出力窓70との間はレーザビーム9
が通過する非放電部分(非励起部)となっており、この
非放電部分にはレーザガス冷却手段としての冷却ダクト
711が配置されている。この冷却ダクト711は中央
部に矩形開口を有しており、この矩形開口の長辺および
短辺の長さは、前記冷却ダクト711を通過するレーザ
ビームの長辺および短辺のそれぞれの3倍以下に設定さ
れている。
【0167】また、この実施例27では、金属電極1,
2の長さ寸法を誘電体板10,20の長さ寸法よりも短
く設定し、該誘電体板10,20の長手方向両端側を前
記金属電極1,2の長手方向両端より反射鏡7,8側に
延出させている。従って、金属電極1,2と反射鏡7,
8との間も非放電部分(非励起部)となっており、これ
らの非放電部分には、電気的に浮かすか、もしくは、接
地された冷却機能を有する冷却管712,713および
714,715がレーザガス冷却手段として配置されて
いる。
【0168】ここで、一般に、反射鏡8と出力窓70と
を離した配置とすることにより、レーザビームを自然伝
搬し出力窓70位置でのビーム径を増大することができ
る。図33において、反射鏡8と出力窓70とを単に離
しただけの構成で、何らのレーザガス冷却手段も有して
いない従来のレーザ装置のレーザ発振特性を図35に示
す。図35で明らかなように、低出力域では放電電力と
共にレーザ出力はリニアに延びていく。しかし、レーザ
出力500W程度の位置で一旦出力の飽和現象が観測さ
れ、さらに入力を増すと再びレーザ出力が増大すること
が確認された。ただし、飽和後のレーザ出力の傾き(効
率)は飽和前の傾きに比較して低いことが判った。出力
が飽和する光強度は炭酸ガス濃度に大きく依存し、炭酸
ガス濃度が低いほど出力飽和が発生し難いことが明らか
になった。
【0169】この現象は、詳細に検討した結果、非励起
・非冷却空間での炭酸ガスのレーザ光吸収による出力の
飽和現象であることが判明した。すなわち、前記出力の
飽和現象は、励起されておらず(反転分布が形成されて
おらず)、且つ、冷却されていない空間、例えば図33
における放電空間4と反射鏡7,8との間、あるいは反
射鏡8と出力窓70との空間における光吸収効果による
ものである。
【0170】そこで、炭酸ガスの光吸収係数とガス温度
の関係を図36に示す。この図36で明らかなように、
ガス温度の上昇と共に光吸収係数は増加し、やがて飽和
することが判る。すなわち、非励起空間において、炭酸
ガスがレーザビームのエネルギーを吸収することによ
り、ガス温度の上昇を誘発し、さらに、前記エネルギー
の吸収量が増加するという過程が繰り返される。この過
程では、入力を増加しても光吸収量が増加するため、レ
ーザ出力は増加せず、やがてガス温度が600K程度に
なると、光吸収係数は増加しなくなる。
【0171】このように、従来のレーザ装置では、特に
高いレーザ出力時における非励起空間・非冷却空間での
光吸収効果が増大し、この光吸収効果によってレーザ出
力の飽和現象が発生したり、発振効率が低くなるなどの
問題点があった。
【0172】しかるに、この実施例27では、上述のよ
うに、レーザビームの通過路における非放電部分(反射
鏡8と出力窓70との間、および、金属電極1,2と反
射鏡7,8との間)にレーザガス冷却手段(冷却ダクト
711および冷却管712,713,714,715)
を設けたことにより、反転分布が生じていない非放電部
分(非励起空間)では、光吸収による入熱はあるが、そ
の冷却が充分に行われるため光吸収効果を小さく抑える
ことができ、これによって、ガス温度上昇も小さくな
る。従って、光吸収係数が低い値に抑えられ、高効率の
レーザ出力が可能となる。
【0173】図34は実施例27によるレーザ発振特性
を示す図であり、この図からも明らかなように、実施例
27によれば、図35で見られたようなレーザ出力の飽
和現象や発振効率の低下は全く観測されず、高効率レー
ザ装置が得られる。
【0174】実施例28.図37はこの発明の実施例2
8によるレーザ装置の斜視図であり、この実施例28で
は、ガス流発生手段として小形のブロア等を設置し、非
励起部に矢印で示すようなガス流150,160を強制
的に発生させ、このガス流150,160によって非励
起部でのレーザガスの温度上昇を抑えるようにしたので
あり、これによっても実施例27の場合と同様の効果が
得られる。
【0175】実施例29.図38はこの発明の実施例2
9によるレーザ装置の斜視図であり、この実施例29で
は、誘電体板10,20間に形成されている放電空間4
の両側面に、レーザガスの漏れを防止する側板51,5
2を設けている。また、これらの側板51,52の中腹
部にはガス流通孔51a,52a(但し51aのみを図
示)を設けている。そして、ガス流通孔51a,52a
から矢印170,180で示すようにレーザガスを放電
空間4内に供給流入させ、該放電空間4内のガス圧力が
一定化するように真空ポンプ(図示せず)で常時排気す
る構成としている。
【0176】このように構成すると、放電空間4の中央
部から反射鏡7,8に向ってガス流が発生するため同様
の効果が得られる。この場合、放電空間4において、炭
酸ガスは電子衝突を受け次式のように一酸化炭素と酸素
に解離する。 CO2 +e→CO+O2 /2 このため、放電空間4では炭酸ガス濃度が高く、非励起
空間では炭酸ガス濃度が低いといった理想的な状況が得
られるという絶大の効果がある。なお、非励起部に低温
ガスが流入するという点から捉えると、図38のレーザ
ガスの流れ(矢印170,180)を逆向きにしてもよ
い。すなわち、非励起部から放電空間4にレーザガスを
導入し、電極中央部(前記側板51,52のガス流通孔
51a,52a)からレーザガスを排出させる構成とし
ても有意義である。このように実施例29では放電によ
る炭酸ガスの解離現象を利用して励起空間と非励起空間
の炭酸ガス濃度に差をつける場合について説明したが、
要するに非励起空間の炭酸ガス濃度を低く抑えれば同様
の効果が得られるのである。
【0177】実施例30.図39は、この発明の実施例
30による導波路型CO2 レーザ装置を示す斜視図であ
る。この実施例30では、互いに対向する平板状の一対
の金属電極1,2と、これらの金属電極1,2の対向面
に密着されて相互間で矩形断面の放電空間4を形成する
誘電体板10,20とを1ユニットとし、その4つのユ
ニットU1,U2,U3,U4を断面多角形状(断面四
角形状)に配置した構成としている。このような構成と
することにより、前記4つのユニットU1〜U4のそれ
ぞれに形成された4つの放電空間4a〜4dの各矩形断
面は多角形状(断面四角形状)に配置された状態となっ
ている。なお、この実施例30において、前記各ユニッ
トU1〜U4のそれぞれ一方の金属電極1は励起電源
(RF電源)3に接続され、且つ、それぞれの放電空間
4a〜4dには従来と同様に混合ガスが充填される。
【0178】また、この実施例30において、前記放電
空間4a〜4dの長手方向の両端開口側に対向配置され
た反射鏡7,8は、それぞれが折曲線7a,8aを介し
て適当な角度に折曲形成された一連の折曲鏡板部71,
72および81,82から成り、それらの折曲方向が9
0゜異なるように配置した構成となっている。
【0179】さらに詳しく述べると、図39の導波路型
CO2 レーザ装置のレーザビームのビーム光路を示す図
40において、L1,L2は前記放電空間4a,4b,
4c,4dで囲繞されてビーム光路を形成する空間断面
の中心点を通る2本の線対称軸であり、この線対称軸L
1,L2の何れか1本と前記反射鏡7,8の折曲線7
a,8aが一致し、且つ、それらの折曲線7a,8aの
向きが90゜異なるように前記反射鏡7,8を配置して
いる。
【0180】ここで言う線対称軸L1,L2とは、或る
線に対して前記空間断面が左右対称になるものを意味す
る。例えば、図40において、点線を放電空間4a,4
b,4c,4dの断面配置とした場合、その放電空間断
面を前記線対称軸L1またはL2の部分で折り曲げる
と、折り曲げられた放電空間断面が全く重なり合って一
致する線を言う。
【0181】上述のように折曲形成された反射鏡7,8
において、レーザビーム取出し側の反射鏡8には図39
に示すように矩形状のレーザビーム出射口83が設けら
れている。
【0182】なお、図40において、9aは前記放電空
間4a,4b,4c,4d内に存在しているレーザビー
ムであり、図39において、9は前記レーザビーム出射
口83から出射されるレーザビームである。
【0183】次に動作について説明する。いま、図40
において、一方の反射鏡8における上方の折曲鏡板部8
1の黒点Pから下向き矢印方向に反射されて進行するレ
ーザビーム9aは、下方の折曲鏡板部82で他方の反射
鏡7の片方の折曲鏡板部71方向に折り返し反射され
る。次いで、その折曲鏡板部71から、これに連なる他
方の折曲鏡板部72側に向って横方向に折り返し反射さ
れた後、その折曲鏡板部72で前記一方の反射鏡8の下
方折曲鏡板部82に向って折り返し反射され、この下方
折曲鏡板部82では上方折曲鏡板部81方向に向って折
り返し反射される。そして、その下方折曲鏡板部81で
は前記他方の反射鏡7の一方(図中で左側)の折曲鏡板
部72方向に折り返し反射され、この折曲鏡板部72で
は他方(図中で右側)の折曲鏡板部71方向に折り返し
反射された後、この折曲鏡板部71から前記黒点Pに戻
るように折り返し反射される。
【0184】即ち、一方の反射鏡8では、他方の反射鏡
7からの入射レーザビーム9aを上下方向に折り返し反
射し、他方の反射鏡7では前記一方の反射鏡8からの入
射レーザビーム9aを左右方向に折り返し反射すること
となる。従って、片方の反射鏡7で折り返され、再び、
もう片方の反射鏡8方向に反射されたレールに9aの光
路は、前述のように折り返し反射される前のレーザビー
ムの光路とは異なり、同一の光路を逆戻りするようなこ
とはない。また、前記一方の反射鏡8に戻ってきたレー
ザビーム9aは黒点Pとは別の位置(黒点Pを有する折
曲鏡板部81とは折曲鏡板部82)にあり、その位置か
ら再び上方(折曲鏡板部81)に折り返され、他方の反
射鏡7の折曲鏡板部72方向に折り返し反射される。こ
の折曲鏡板部72に達したレーザビーム9aは、折曲鏡
板部71方向に折り返し反射され、次いで、この折曲鏡
板部71で別の反射鏡8の折曲鏡板部81方向に折り返
し反射されることによって前記黒点Pに戻ってくる。
【0185】このように、レーザビーム9aは一つのビ
ーム光路としてつながっており、前記反射鏡7,8間を
往復する4つのビーム光路がそれぞれ矩形断面の放電空
間4a〜4dで形成されていることによって、前記レー
ザビーム9aは増幅されることとなる。
【0186】以上要するに、この実施例30による導波
路型CO2 レーザ装置では、4つの放電空間4a〜4d
の矩形断面を四角形状に配置し、且つ、折り返し反射鏡
7,8を用いたことにより、前記放電空間4a〜4dの
それぞれの内部でレーザビーム9aを増幅でき、しか
も、その増幅されたレーザビーム9aを立体的に一つの
レーザビームとして取り扱うことができ、装置の小型化
が図れると共に、誘電体板10,20の素材であるセラ
ミック板を各ユニットU1〜U4毎に分割して使用でき
るのでコスト低減も図れる。
【0187】実施例31.図41はこの発明の実施例3
1による導波路型CO2 レーザ装置を示す断面図、図4
2は図41のレーザビームのビーム光路を示す斜視図で
ある。前記実施例30では、4つのユニットU1〜U4
をそれぞれの放電空間4a〜4dの矩形断面が四角形状
となるように配置したが、この実施例31では、5つの
ユニットU1〜U5を用いて、それらの放電空間4a〜
4eの矩形断面を五角形状に配置したものである。
【0188】この実施例31の動作は前記実施例30の
場合と同様であるが、レーザビーム9aのビーム光路は
前記実施例30の場合とは異なって、図42中の矢印で
示すビーム光路となり、同様の作用効果が得られる。
【0189】実施例32.図43はこの発明の実施例3
2による導波路型CO2 レーザ装置を示す断面図、図4
4は図43の斜視図、図45は図44のレーザビームの
ビーム光路を示す斜視図である。この実施例32では、
6つのユニットU1〜U6を用いて、それらの放電空間
4a〜4fの矩形断面を六角形状に配置したものであ
り、レーザビーム9aのビーム光路は、図45中の矢印
で示すビーム光路となり、同様の作用効果が得られる。
【0190】即ち、前記実施例30,31,32は、矩
形断面をなした複数の放電空間を断面多角形状に配置
し、折り返し型の反射鏡7,8でレーザビーム9aを立
体的に折り返し反射させて複数回往復させるようにし、
折り返し反射されるレーザビーム9aが全ての放電空間
内を通って増幅されることにより、一つのビーム光路と
して取り扱うことができるようにしたことを特徴とす
る。従って、前記放電空間は、多角形状に配置できる個
数であればよく、その個数は限定されるものでない。
【0191】実施例33.図46はこの発明の実施例3
3による導波路型CO2 レーザ装置の要部断面図、図4
7は図46のレーザビームのビーム光路を示す斜視図で
ある。この実施例33では、2つの直交する線対称軸L
1,L2の交点を中心として4つの放電空間4a〜4d
の矩形断面を放射方向に等間隔で配置した構成としてい
る。このような構成とすることにより、図47に矢印で
示すレーザビーム9aのビーム光路が得られる。従っ
て、前記実施例30の場合と同様の作用効果が得られ
る。なお、前記線対称軸L1,L2とは、前記実施例3
0(図40)で述べたことと同様のことを意味する。
【0192】実施例34.図48はこの発明の実施例3
4による導波路型CO2 レーザ装置の要部断面図であ
る。前記実施例33では、4つの放電空間4a〜4dの
矩形断面を放射方向に等間隔で配置したが、この実施例
34では、5つの放電空間4a〜4eの矩形断面を放射
方向に等間隔で配置した構成としており、この場合に得
られるレーザビームのビーム光路は図42に示した光路
と同様になり、従って、同様の作用効果が得られる。
【0193】実施例35.図49はこの発明の実施例3
5による導波路型CO2 レーザ装置の要部断面図であ
る。この実施例35では、6つの放電空間4a〜4fの
矩形断面を放射方向に等間隔で配置した構成としてお
り、従って、この場合においても、同様の作用効果が得
られる。なお、前記実施例33〜35では、4つ〜6つ
の放電空間を放射状に配置した場合について説明した
が、その放電空間の個数は限定されるものでなく、要
は、少なくとも2つ以上の線対称軸が得られるように複
数の放電空間の矩形断面を放射状に配置したものであれ
ばよい。
【0194】実施例36.図50はこの発明の実施例3
6によるレーザ装置の斜視図であり、基本構成は前記実
施例30の場合と同様である。ただし、この実施例36
では、前記実施例30における平板状の金属電極1,2
に代えて棒状(ロッド状)の金属電極1a,2aおよび
1b,2bを使用している。すなわち、この実施例36
では、互いに対向する平板状の一対の誘電体板10,2
0を1つのユニットとし、その4つのユニットU1〜U
4をそれぞれの放電空間4a〜4dの矩形断面が四角形
状となるように配置し、それらの放電空間4a〜4dの
それぞれの両側長辺方向に前記4本の棒状金属電極1
a,2aおよび1b,2bを沿わせて配置した構成とし
ている。
【0195】このような構成とすることにより、矩形断
面の放電空間4a〜4dのそれぞれの長辺方向に放電が
発生する。この場合においても前記誘電体板10,20
は冷却されていることにより、レーザガスはそれらの誘
電体板10,20を介して冷却される。従って、前記実
施例30の場合と同様の効果が得られる。なお、この実
施例36では、4つの放電空間4a〜4dがある場合に
ついて説明したが、その個数は限定されるものでない。
【0196】実施例37.図51はこの発明の実施例3
7による固体レーザ装置の斜視図である。この実施例3
7による固体レーザ装置は、スラブ型固体レーザ媒質を
レーザ光励起媒質とし、そのレーザ媒質が例えばYAG
(Y3-X NdX Al512)から成り、その形状がスラ
ブ状であるYAGスラブレーザ装置である。図におい
て、41a〜41dはスラブ形状のYAG結晶からなる
4つの固体素子であり、これらの固体素子41a〜41
dは断面四角形状に配置されている。42a〜42eは
前記固体素子41a〜41dをそれぞれ励起するための
光源である。これらの光源42a〜42eは、前記固体
素子41a〜41dのそれぞれの表面長手方向に沿って
配置された外部光源42a〜42dと、前記固体素子4
1a〜41dで囲まれている空間部の中心部に配置され
た内部光源42eとからなっている。
【0197】3a〜3eは前記光源42a〜42eを点
灯させる電源、7,8は折り返し反射型の反射鏡であ
り、これらの反射鏡7,8は前記実施例30の場合と同
様にビーム折り返し方向を90度異ならせて配置されて
いる。83はレーザビーム出射口、9はそのレーザビー
ム出射口83から出射されるレーザビームである。この
実施例37の動作は前記実施例30の場合とほぼ同様で
あり、YAGスラブレーザ装置内に設けられた4つの前
記固体素子41a〜41dで増幅されたレーザビームを
反射鏡7,8で複数回折り返し反射させることにより、
立体的に一つにつながったビーム光路を形成している。
【0198】従って、前記レーザビーム出射口83から
は一つのレーザビーム9が出射されることとなり、前記
反射鏡7,8の役割は前記実施例30の場合と全く同様
である。なお、この実施例37では、4つの固体素子4
1a〜41dを断面四角形状に配置した場合について説
明したが、その固体素子の数は限定されるものでなく、
要するに断面多角形状に配置できる固体素子の数であれ
ばよく、何れの場合でも前記実施例30と同様の効果が
得られると共に、レーザの高出力化が図れる。
【0199】実施例38.図52はこの発明の実施例3
8による固体レーザ装置の固体レーザ媒質の配置図であ
る。この実施例38では、少なくとも2つの線対称軸L
1,L2が得られるように4つの固体素子41a〜41
dを断面十字形状に配置した構成としており、この場合
においても同様の効果が得られる。
【0200】実施例39.図53はこの発明の実施例3
9による固体レーザ装置の固体レーザ媒質の配置図であ
る。この実施例39では、6つの固体素子41a〜41
fを用いて、これらを2つの線対称軸L1,L2の交点
を中心として放射状に等間隔で配置した構成としてお
り、前記実施例37の場合と同様の効果が得られる。
【0201】実施例40.図54はこの発明の実施例4
0による固体レーザ装置の斜視図である。この実施例4
0では、前記実施例37における平板状の固体素子41
a〜41dをロッド状の固体素子51a〜51dに置換
したものであり、その他の構成は前記実施例37と同様
であり、従って、作用効果も同様である。なお、この実
施例39においても固体素子の数は限定されるものでな
い。
【0202】実施例41.図55はこの発明の実施例4
1による導波路型CO2 レーザ装置の要部を示す斜視図
である。前記実施例30〜33の導波路型CO2 レーザ
装置では、複数の矩形放電空間を有するものについて説
明したが、この実施例41では、一つの放電空間4を断
面円形状に形成している。即ち、この実施例41では、
金属電極1,2と誘電体板10,20のそれぞれを円形
管状とし、それらを同心多重管状に配置した構成とする
ことにより、前記円形状の誘電体板10,20間に一つ
の円形放電空間4を形成し、その軸方向両端側に前記実
施例30〜33の場合と同様の反射鏡7,8を配置した
ものであり、同様の効果が得られる。
【0203】実施例42.図56はこの発明の実施例4
2による導波路型CO2 レーザ装置の要部を示す斜視図
である。この実施例42では、前記実施例40における
一つの放電空間4を楕円形状に形成したものであり、従
って、この場合も同様の効果が得られる。
【0204】実施例43.図57はこの発明の実施例4
3による固体レーザ装置の斜視図である。前記実施例3
7〜39では、複数のスラブ形状の固体素子を有する固
体レーザ装置について説明したが、この実施例43で
は、一つの固体素子41を円形管状に形成したものであ
り、その他の構成は実施例37(図51)と同様であ
る。このように一つの円形環状の固体素子41を有する
固体レーザ装置であっても同様の効果が得られる。
【0205】実施例44.図58はこの発明の実施例4
4による固体レーザ装置の要部を示す斜視図である。こ
の実施例44では、前記実施例42における一つの放電
空間4を楕円形状に形成したものであり、従って、この
場合も同様の効果が得られる。
【0206】実施例45.図59はこの発明の実施例4
5による導波路型CO2 レーザ装置の要部を示す断面図
であり、その基本構成は従来例(図69)と同様であ
る。この実施例45では、誘電体板10,20をそれぞ
れが誘電率の異なる二種の誘電材層611,612およ
び621,622で形成している。この二種の誘電材層
611,612および621,622は電気絶縁性の接
着材層で結合されていても、導電性の材料で結合されて
いてもよい。この場合、金属電極1,2側は高誘電率材
料(誘電率εH )で形成された高誘電率誘電体層61
1,621とし、導波路側(放電側)は低誘電率材料
(誘電率εL )で形成された低誘電率誘電体層612,
622として構成されている。そして、高誘電率誘電体
層611,621の厚み(tH )は低誘電率誘電体層6
12,622の厚み(tL )よりも厚く(tH >tL
設定されている。この実施例45の動作は図69に示し
た従来装置の場合と基本的に同様であり、金属電極1,
2に交流高電圧を印加すると、放電空間4に発生した放
電によってレーザ励起が行われる。このとき、レーザビ
ームが反射する導波路面には低誘電率誘電体層612,
622が形成されているため、上記式(1)より理解で
きるように光の伝搬損失は小さく抑えられる。
【0207】次に電気的特性について述べると、正弦波
電圧を印加したとき、放電空間4に投入されるエネルギ
ー:放電電力Wdが次式(5)で与えられる。
【0208】
【数3】
【0209】ここで、fは電源周波数、V* は放電電
圧、Vopは印加電圧波高値を示す。また、Cd は誘電体
板10,20の静電容量を表す。図59に示すように複
合材料(静電容量CH,CL )で誘電体板10,20を構
成する場合の静電容量は次式のようになる。
【0210】
【数4】
【0211】また、静電容量Cは、誘電体板10,20
の面積Sと厚みtおよび比誘電率εにより、
【数5】
【0212】となるので、上述のように、高誘電率誘電
体層611,621の厚み(tH )を低誘電率誘電体層
612,622の厚み(tL )よりも充分に厚く(tH
>tL)設定しておけば、式(7)より、 CL >>CH ・・・(8) となり、式(6),(8)より実効静電容量Ceff は高
誘電率誘電体層611,621材料の容量CH にほぼ一
致(CtH=CtL)することがわかる。すなわち、高誘電
率誘電体層611,621の上に低誘電率誘電体層61
2,622をのせても、その厚みが大きくなれば、電気
的特性は変化なく、同様の放電特性が得られる。このよ
うに導波路型レーザ装置において、誘電体板10,20
に要求される機能、すなわち、放電に関する電気的性能
と光伝搬に関する光学的性能をそれぞれの誘電体板1
0,20層に機能分担したため、従来のこの種の装置に
使用することができなかった焼結困難な低誘電率材料
や、熱歪みに弱く厚板が製作できなかった材料が使用可
能となり、使用材料の裕度が非常に広くなる。
【0213】実施例46.前記実施例45では、低誘電
率誘電体層612,622を充分薄くする場合について
開示したが、使用する電源周波数が充分に大きい場合、
上記(5)式より明らかなように、非常に低い電圧でも
高い電力の投入が可能となり、この場合には誘電体板1
0,20に電気的特性はあまり要求されない。このよう
な条件下で用いる場合、低誘電率誘電体層612,62
2を高誘電率誘電体層611,621に比べて充分に薄
くする必要はなく、図60に示すように、高誘電率層6
11,621の厚みと低誘電率誘電体層612,622
の厚みとをほぼ等しくしてもよく、また、その厚み関係
が逆転していてもよい。
【0214】実施例47.前記実施例45,46では、
2枚の誘電体材料を重ねてしようする場合について言及
したが、図61に示すように、高誘電率誘電体層61
1,621の表面に低誘電率誘電体層612,622を
容射して形成してもよい。もちろん、溶射以外の方法で
低誘電率材料をコーティングしても同様の効果が得られ
る。
【0215】実施例48.波長10.6μmの炭酸ガス
レーザの場合、低誘電率誘電体層612,622として
用いる材料は、BeO(ベリリア)あるいは、AIN
(窒化アルミ)が有望である。
【0216】実施例49.前記実施例45〜48ではC
2 レーザ装置について説明したが、導波路型レーザ装
置にも適用できることは勿論である。
【0217】実施例50.図62はこの発明の実施例5
0によるレーザ装置の断面図であり、基本構成は従来例
(図69)と同様である。この断面図はレーザ光軸方向
から見た図であるが、光軸に直交する方向から見て同様
に構成になっていてもよい。図において、511〜51
3および521〜524は個々に分割された給電電極で
あり、これらの金属電極1において、互いに隣合う給電
電極511と512、512と513、521と52
2、522と523は、それぞれ極性または電圧位相の
異なる電圧が印加され、且つ、放電空間4に対向した給
電電極511と521、512と522、513と52
3には同相の電圧が印加されるように構成されている。
【0218】また、レーザガスの冷却を高めるため、前
記給電電極511と512と513の相互間、および5
21と522と523の相互間には、電気的に浮かせた
冷却管141〜143および144〜146がそれぞれ
配設されており、これらは給電管と共に冷却されてい
る。レーザガスは誘電体板10,20を介して前記冷却
管141〜146により冷却される。さらに、放電空間
4以外の放電破壊を防止するために、前記給電電極51
1〜514および521〜524は誘電体110,12
0でモールドされている。すなわち、前記給電電極15
11〜514および521〜524に交流高電圧を印加
すると、極性の異なる隣合った給電電極(例えば511
と512)間で、放電空間4の長手方向に放電が発生
し、このとき、前記放電空間4以外の部分でも沿面放電
等が生じることがあるため、前記各給電電極511〜5
14および521〜524を誘電体110,120でモ
ールドしたのである。ここで用いる誘電体110,12
0の材料には、絶縁性に優れ(耐電圧5kV/mm以
上)、有機物の発生が少なく、さらに、硬化後の柔軟性
を持つことが要求されるので、この用途にはシリコン系
の充填材が最も適している。この実施例50の構成によ
れば、前述のように放電の実効ギャップ長を長く設定す
ることが極めて容易である。
【0219】すなわち、互いに隣合う給電電極511〜
514および521〜524の相互間隔を大きく設定す
ることによって、目的は達成される。このように、給電
電極の間隔を任意に設定できるため、使用する電源周波
数によって最適化することができる。すなわち、低い電
源周波数で使用する場合には、金属電極1の間隔を長く
設定すればよい。ただし、金属電極1の間隔がある程度
長くなるとガスの冷却効率が低下するが、図62に示す
ように隣合う金属電極の間には冷却管141〜146が
配置されていることにより、より効果的である。なお、
前記冷却管141〜146は上述のように電気的に浮か
せてもよく、また、設置してもよい。
【0220】ギャップ長2mmの条件において、前記給
電電極511〜514および521〜524の相互間隔
が5mmと15mmにおけるレーザ出力の電源周波数依
存性を調べた結果が図63および図64である。5mm
(図63)の場合、150MHzと13.56MHzの
励起効率はほぼ用しくなり、また、15mm(図64)
では、100KHzの励起効率も等しくなり、低周波領
域でのレーザ励起効率の改善が確認される。
【0221】実施例51.前記実施例50では、放電空
間4に対向する給電電極511と521、512と52
2、513と523に同相の電圧を印加する場合につい
て説明したが、図65に示すように対向する片側の給電
電極525は分割されている必要はなく、設置されてい
ても、また電気的に浮かせておいてもよい。
【0222】実施例52.この実施例52では、図66
に示すように、放電空間4に対向する給電電極の一部
(図では511と521)に相の異なる電圧を印加する
と、非常に低い電圧で給電電極511,521間に放電
444が発生し他の放電の開始を容易にすると共に、放
電の安定性を向上できることが確認された。これは放電
444から発生した荷電粒子もしくは紫外線による空間
の予備電離効果によるものと推測される。なお、給電電
極511もしくは521の何れかが接地している場合に
も同様の効果が得られる。
【0223】実施例53.この実施例53では、図67
に示すように多相電源300を用いて、隣合う金属電極
に印加する電圧の移動を変えるようにしており、このよ
うにすれば、前記実施例50〜53に述べた構成と同様
の効果を奏する。ここでは、4相電源の例を示したが、
もちろん3相もしくはその他の多相電源を用いてもよ
い。
【0224】実施例54.この実施例53では図68に
示すように複数の電源310,311,312を使用し
ており、この場合も同様の効果が得られる。
【0225】実施例55.前記実施例50〜54では、
CO2 レーザ装置について説明したが、同様に低エネル
ギーで励起することが必要とされるCOレーザ等の他の
ガスレーザにも適用できるものである。
【0226】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、放電空間の矩形断面の短辺方向に熱流を生じさせて
ガス冷却を行うと共に、前記矩形断面内で斜め方向に放
電を発生させるように構成したので、任意の周波数の電
源により高効率のレーザ発振器が実現でき、低コストで
使い勝手のよいレーザ装置を得ることができるという効
果がある。
【0227】請求項2の発明によれば、放電空間の矩形
断面の短辺方向に熱流を生じさせてガス冷却を行うと共
に、前記矩形断面に直交する面内で斜め方向に放電を発
生させるように構成したので、請求項1の発明と同様の
効果が得られる。
【0228】請求項3の発明によれば、放電励起用の電
極を複数備えている構成としたので、実効的なギャップ
長を長く設定でき、このため、放電維持のための高電界
領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなってレ
ーザ励起効率が高くなるという効果がある。
【0229】請求項4の発明によれば、放電空間の矩形
断面の長辺方向に放電を発生させ、その放電空間を形成
するギャップ長が長く設定される構成としたので、請求
項1〜3の発明の場合と同様に、放電維持のための高電
界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなって
レーザ励起効率が高くなるという効果がある。
【0230】請求項5の発明によれば、電極の静電容量
に分布を設け、斜め方向の放電を実現する構成としたの
で、1つの金属を用いて、長辺方向から全面を一度に有
効に冷却できるという効果がある。
【0231】請求項6の発明によれば、放電空間の矩形
断面内で短辺方向に予備放電を発生させると共に、斜め
方向に主放電を発生させる構成としたので、先ずギャッ
プ長短い短辺方向に予備放電が発生し、この予備放電で
発生する紫外線や荷電粒子により、過電圧を印加するこ
となくスムーズに主放電を発生させることができるとい
う効果がある。
【0232】請求項7の発明によれば、放電空間の矩形
断面に直交する面内で短辺方向に予備放電を発生させる
と共に、斜め方向に主放電を発生させる構成としたの
で、請求項6の発明と同様に先に発生した予備放電によ
り過電圧を印加することなくスムーズに主放電を発生さ
せることができるという効果がある。
【0233】請求項8の発明によれば、予備放電および
主放電を同一電源からのエネルギーで発生させ、予備放
電および主放電に投入されるエネルギーを静電容量で設
定する構成としたので、レーザ装置の簡素化が図れると
いう効果がある。
【0234】請求項9の発明によれば、予備放電用の静
電容量を主放電用の静電容量の1/10以下としたの
で、レーザ励起効率を低下させず、予備放電の役割を充
分に果たすことができるという効果がある。
【0235】請求項10の発明によれば、主放電を電極
間で放電させ、予備放電を電極に誘電材料を介して接続
された導電部材間で放電させることにより、主放電用の
静電容量および予備放電用の静電容量の大きさを設定す
る構成としたので、レーザ装置の簡素化を図ることがで
きるという効果がある。
【0236】請求項11の発明によれば、放電空間の矩
形断面の短辺方向に熱流を生じさせてガスを冷却し、且
つ、前記矩形断面に対して対向する電極に同相の交流電
圧を印加する構成としたので、実効的なギャップ長が長
く設定され、放電維持のための高電界領域の割合が減少
し、平均的な電界強度が低くなり、レーザ励起効率が高
くなるという効果がある。
【0237】請求項12の発明によれば、矩形放電空間
に対向し電極の一部に相の個となる電圧を印加する構成
としたので、請求項11の発明と同様に、実効的なギャ
ップ長が長く設定され、放電維持のための高電界領域の
割合が減少し、平均的な電界強度が低くなり、レーザ励
起効率が高くなるという効果がある。
【0238】請求項13の発明によれば、矩形放電空間
に対向した一方の電極を電気的に浮かせるか、接地させ
た構成としたので、請求項11の発明と同様に、実効的
なギャップ長が長く設定され、放電維持のための高電界
領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低くなり、レ
ーザ励起効率が高くなるという効果がある。
【0239】請求項14の発明によれば、誘電体が配設
された放電空間を複数に分割し、その複数の放電空間で
それぞれ励起された放電エネルギーをレーザビームに変
換する構成としたので、電界方向の放電特性を変化させ
ずに、放電維持のために必要な高電界領域とレーザ励起
に有効な放電領域を分離することができる。従って、高
効率のレーザ励起が可能になるという効果がある。
【0240】請求項15の発明によれば、金属板の表面
に誘電体層を被覆して放電表面が形成された誘電体を放
電空間に配設したので、誘電体の熱伝導効率が高くな
り、誘電体の冷却効率が向上するという効果がある。
【0241】請求項16の発明によれば、放電空間に配
設された誘電体を冷却する構成としたので、高効率のガ
ス励起が可能になるという効果がある。
【0242】請求項17の発明によれば、外管を誘電体
で形成すると共に、外管の外周に交流電圧を印加する複
数の電極を配設し、ドーナツ状の円環部が放電空間とし
て利用される構成としたので、実効的なギャップ長が長
くなる。これによって、放電維持のための高電界領域の
割合が減少して平均的な電界強度が低くなり、レーザ励
起効率が高くなるという効果がある。
【0243】請求項18の発明によれば、外管を誘電体
で形成すると共に、交流電圧を印加する複数の給電電極
を外管の外周にレーザビームの出射方向に並設した構成
としたので、放電維持のための高電界領域の割合が減少
して平均的な電界強度が低くなり、レーザ励起効率が高
くなるという効果がある。
【0244】請求項19の発明によれば、内管を導体で
形成した構成としたので、給電電極近傍での放電集中が
緩和されて、より拡散敵な放電を実現できるという効果
がある。
【0245】請求項20の発明によれば、内管を誘電体
で形成した構成としたので、給電電極近傍での放電集中
が緩和されて、より拡散敵な放電を実現できるという効
果がある。
【0246】請求項21の発明によれば、導体で形成さ
れた筒体の外周に誘電体層を被覆したものが内管となる
構成としたので、筒体内に水冷用の水を流した場合に誘
電体層が破壊しても水漏れを防止できるという効果があ
る。
【0247】請求項22の発明によれば、導体から成る
内管用の筒体を接地した構成としたので、低い電圧で放
電空間全体に放電を拡下ることができるという効果があ
る。
【0248】請求項23の発明によれば、外管の外周に
電圧を印加する電極および電気的に浮かした導電部材を
互い違いに配設し、この電極および導電部材を水冷する
構成としたので、放電空間内のレーザガスを効率よく冷
却することができるという効果がある。
【0249】請求項24の発明によれば、内管を水冷す
る構成としたので、放電空間内のレーザガスを効率よく
冷却することができるという効果がある。
【0250】請求項25の発明によれば、対向した2枚
以上の平板により放電空間を形成し、前記平板がレーザ
ビームの導波路として使用される構成としたので、短辺
方向に自由伝搬が許されないような波長の光でも導波路
的に伝搬することにより使用できるという効果がある。
【0251】請求項26の発明によれば、電極の長さお
よび幅を誘電体の長さおよび幅より、それぞれ5mm以
上短く設定した構成としたので、光共振器ミラー方向に
発生する放電を阻止すると共に、前記誘電体の端部の電
界集中を防止して誘電体の端部に発生する放電を阻止す
ることができるという効果がある。
【0252】請求項27の発明によれば、電極の幅を光
共振器で決定されるレーザビームの幅と等しく設定した
構成としたので、放電エネルギーを有効に光エネルギー
に変換することができるという効果がある。
【0253】請求項28の発明によれば、互いに対向し
て配設された一対の光反射面間の電極から張出した部分
にスペーサを挟持し、このスペーサをレーザビームに対
する不燃性材料で形成した構成としたので、レーザビー
ムの放電に影響を与えることなく光反射面間を一定に保
つことができ、さらに、レーザビームの回折等でレーザ
ビームの光軸の外側に発生するレーザビームを遮断する
ことができるという効果がある。
【0254】請求項29の発明によれば、スペーサをセ
ラミック等の絶縁体で構成したので、放電を影響を与え
ることなくレーザビームの回折等でレーザビームの光軸
の外側に発生するレーザビームを遮断することができる
という効果がある。
【0255】請求項30の発明によれば、スペーサを金
属材料で形成したので、レーザ装置のコスト低減を図る
ことができるという効果がある。
【0256】請求項31の発明によれば、放電励起用の
電極を柔軟性のある絶縁物でモールドした構成としたの
で、前記請求項28の発明の場合と同様に、レーザビー
ムの放電に影響を与えることなく光反射面間を一定に保
つことができ、さらに、レーザビームの回折等でレーザ
ビームの光軸の外側に発生するレーザビームを遮断する
ことができるという効果がある。
【0257】請求項32の発明によれば、3相以上の多
相交流電源を用いた構成としたので、実効的ギャップ長
が長く設定され、放電維持のための高電界領域の割合が
減少し、平均的な電界強度が低くなって、レーザ励起効
率が高くなるという効果がある。
【0258】請求項33の発明によれば、互いに隣合う
複数の放電励起用電極に位相の個となる交流電圧が印加
される構成としたので、請求項32の発明の場合と同様
に、実効的ギャップ長が長く設定され、放電維持のため
の高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低く
なり、レーザ励起効率が高くなるという効果がある。
【0259】請求項34の発明によれば、互いに隣合う
電極間に冷却管を電気的に浮かせるか又は接地させて配
置した構成としたので、請求項32の発明の場合と同様
に、実効的ギャップ長が長く設定され、放電維持のため
の高電界領域の割合が減少し、平均的な電界強度が低く
なり、レーザ励起効率が高くなるという効果がある。
【0260】請求項35〜請求項40の発明によれば、
反転分布の生じていない非励起空間において、ガス温度
が上昇しなくなり、光吸収係数を低い値に抑えることが
できる構成としたので、レーザ取り出し効率が高くなる
という効果がある。
【0261】請求項41の発明によれば、複数個のレー
ザ光励起空間を直列につないだ時と同等の効果を奏する
構成としたので、それぞれのレーザ光励起空間で増幅さ
れたレーザビームは、レーザビームを立体的に折り返し
て一つにつながり、あたかも一つのレーザ光励起空間内
で増幅されたかのようになる。従って、レーザ装置から
出射されるレーザビームも複数ではなく一つとなり、装
置の小型化およびコストダウンが図れるという効果があ
る。
【0262】請求項42および請求項43の発明によれ
ば、複数個の矩形放電空間を直列につないだ時と同等の
効果を奏し、アスペクト比の大きな矩形放電空間を作る
ことができる構成としたので、レーザガスの冷却能力を
高めることができる。従って、それぞれの矩形放電空間
内で増幅されたレーザビームは、これを立体的に折り返
す手段で一つにつながり、あたかも一つの矩形放電空間
内で増幅されたかのようになる。このため、レーザ装置
から出射されるレーザビームも複数ではなく一つとな
り、装置の小型化およびコスト低減化が容易になるとい
う効果がある。
【0263】請求項44および請求項45の発明によれ
ば、レーザビームが固体レーザ媒質空間内で増幅され、
増幅されたレーザビームは、立体的に折り返されて一つ
につながる構成としたので、あたかも一つの固体レーザ
媒質空間内で前記レーザビームが増幅されたかのように
なる。従って、固体レーザ装置から出射されたレーザビ
ームも複数ではなく一つとなり、装置の小型化およびコ
ストダウンが図れるという効果がある。
【0264】請求項46〜請求項50の発明によれば、
放電の基礎特性を決定する誘電体層には、光の伝搬損失
を考慮する必要がない構成としたので、誘電率が高く、
耐電圧の高い従来材料を使用できる。さらに、導波路面
は低誘電率材料で構成されているため導波路損失も小さ
くなる。従って、長い誘電体を用いた場合も光の伝搬損
失は小さい値に抑えることができ、高出力の導波路型レ
ーザ装置を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図2】図1のレーザ装置におけるピッチp=5mmの
条件下でのレーザ励起効率を示す特性図である。
【図3】図1のレーザ装置におけるピッチp=15mm
の条件下でのレーザ励起効率を示す特性図である。
【図4】この発明の実施例2によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図5】この発明の実施例3によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図6】この発明の実施例4によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図7】この発明の実施例5によるレーザ装置の斜視図
である。
【図8】この発明の実施例6によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図9】この発明の実施例7によるレーザ装置の要部断
面図である。
【図10】図9のレーザ装置における電源周波数とレー
ザ励起効率を示す特性図である。
【図11】この発明の実施例8によるレーザ装置の要部
構成図である。
【図12】この発明の実施例9によるレーザ装置の要部
構成図である。
【図13】この発明の実施例10によるレーザ装置の要
部断面図である。
【図14】この発明の実施例11によるレーザ装置の要
部断面図である。
【図15】図14のレーザ装置の電気的な等価回路図で
ある。
【図16】図14のレーザ装置の投入電力特性を示すグ
ラフ図である。
【図17】この発明の実施例12によるレーザ装置の斜
視図である。
【図18】この発明の実施例13によるレーザ装置の側
面図である。
【図19】この発明の実施例14によるレーザ装置の斜
視図である。
【図20】図20(A)はこの発明の実施例15による
レーザ装置の平面図である。図20(B)は図20
(A)のA−A線断面図である
【図21】図21(A)はこの発明の実施例16による
レーザ装置の平面図である。図21(B)は図21
(A)のB−B線断面図である
【図22】この発明の実施例17によるレーザ装置の側
面図である。
【図23】この発明の実施例18によるレーザ装置の側
面図である。
【図24】この発明の実施例19によるレーザ装置の側
面図である。
【図25】この発明の実施例20によるレーザ装置の斜
視図である。
【図26】図26(A)は図25のレーザ装置における
印加電圧が低い場合の放電状態を示す動作説明図であ
る。図26(B)は図25のレーザ装置における印加電
圧が高い場合の放電状態を示す動作説明図である。
【図27】この発明の実施例21によるレーザ装置の断
面構成図である。
【図28】この発明の実施例22によるレーザ装置の断
面構成図である。
【図29】この発明の実施例23によるレーザ装置の断
面構成図である。
【図30】この発明の実施例24によるレーザ装置の断
面構成図である。
【図31】この発明の実施例25によるレーザ装置の断
面構成図である。
【図32】この発明の実施例26によるレーザ装置の斜
視図である。
【図33】この発明の実施例27によるレーザ装置の斜
視図である。
【図34】図33のレーザ装置のレーザ発振特性を示す
グラフ図である。
【図35】図33のレーザ装置と対比する従来のレーザ
装置のレーザ発振特性を示すグラフ図である。
【図36】レーザ装置における炭酸ガスの光吸収係数と
ガス温度の関係を示すグラフ図である。
【図37】この発明の実施例28によるレーザ装置の斜
視図である。
【図38】この発明の実施例29によるレーザ装置の斜
視図である。
【図39】この発明の実施例30によるレーザ装置の斜
視図である。
【図40】図39のレーザ装置のレーザビーム光路図で
ある。
【図41】この発明の実施例31によるレーザ装置の断
面図である。
【図42】図41のレーザ装置のレーザビーム光路図で
ある。
【図43】この発明の実施例32によるレーザ装置の断
面図である。
【図44】図43のレーザ装置の斜視図である。
【図45】図44のレーザビーム光路図である。
【図46】この発明の実施例33によるレーザ装置の矩
形放電空間の配置図である。
【図47】図46のレーザビーム光路図である。
【図48】この発明の実施例34による導波路型CO2
レーザ装置の要部断面図である。
【図49】この発明の実施例35による導波路型CO2
レーザ装置の要部断面図である。
【図50】この発明の実施例36によるレーザ装置の斜
視図である。
【図51】この発明の実施例37による固体レーザ装置
の斜視図である。
【図52】この発明の実施例38による固体レーザ媒質
の配置図である。
【図53】この発明の実施例39による固体レーザ装置
の固体レーザ媒質の配置図である。
【図54】この発明の実施例40による固体レーザ装置
の斜視図である。
【図55】この発明の実施例41による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す斜視図である。
【図56】この発明の実施例42による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す斜視図である。
【図57】この発明の実施例43による固体レーザ装置
の斜視図である。
【図58】この発明の実施例44による固体レーザ装置
の要部を示す斜視図である。
【図59】この発明の実施例45による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図60】この発明の実施例46による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図61】この発明の実施例47による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図62】この発明の実施例50による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図63】図62のレーザ装置の電極間隔が5mmの条
件における特性図である。
【図64】図62のレーザ装置の電極間隔が15mmの
条件における特性図である。
【図65】この発明の実施例51による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図66】この発明の実施例52による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図67】この発明の実施例53による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図68】この発明の実施例54による導波路型CO2
レーザ装置の要部を示す断面図である。
【図69】従来の導波路型CO2 レーザ装置を示す斜視
図である。
【図70】図69にCO2 レーザ装置における放電空間
とレーザ励起効率の関係を示すグラフ図である。
【図71】図69のCO2 レーザ装置におけるギャップ
長と冷却能力を示すグラフ図である。
【図72】図69のレーザ装置における励起電源周波数
とレーザ励起効率の関係を示すグラフ図である。
【図73】図69のレーザ装置における励起電源周波数
と電界分布の関係を示すグラフ図である。
【図74】図69のレーザ装置における共振器ミラーへ
向う放電の説明図である。
【図75】図69のレーザ装置における共振器ミラーに
向う放電が発生したときの発振特性図である。
【図76】図69のレーザ装置における誘電体端部に発
生する放電の説明図である。
【符号の説明】
1,2,11,22,106,107,111,221
金属電極 3 電源 4a,4b,4c 放電空間 7,8 反射鏡(ビーム折り返し手段) 9 レーザビーム 10,10a,10b 誘電体板 13,23 金属角パイプ 15,25 誘電材料 16,17 スペーサ 20,20a,20b 誘電体板 44 予備放電 45 主放電 105 外管 110,120,122 誘電体 112 陰極ピン電極 121 金属内管 123,124 金属(導電部材) 141〜146,711〜715 冷却管 150,160,170,180 ガス流 205 内管 222 陽極 300 多相電源 511〜514,521〜525 給電電極 611,621 高誘電率誘電体層 612,622 低誘電率誘電体層 C1 静電容量 C2 静電容量
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8934−4M H01S 3/04 G (72)発明者 吉沢 憲治 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 山本 卓 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 松原 真人 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出すレーザ装置において、前記放電空間の矩形断面内で
    斜め方向に放電を発生させるように構成したことを特徴
    とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出すレーザ装置において、前記放電空間内で前記矩形断
    面と直交する光軸方向に対して斜め方向に放電を発生さ
    せるように構成したことを特徴とするレーザ装置。
  3. 【請求項3】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出し、且つ、前記矩形断面の短辺方向に熱流を発生させ
    てガスの冷却を行うようにしたレーザ装置において、放
    電励起用の電極を複数備えていること特徴とするレーザ
    装置。
  4. 【請求項4】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に熱
    流を生じさせてガスの冷却を行うと共に、前記矩形断面
    の長辺方向に放電を発生させるように構成したことを特
    徴とするレーザ装置。
  5. 【請求項5】 放電励起用の電極を有し、この電極の静
    電容量に分布を設けることにより、斜め方向の放電を実
    現するように構成したことを特徴とする請求項1記載の
    レーザ装置。
  6. 【請求項6】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に熱
    流を生じさせてガスを冷却し、且つ、前記矩形断面内で
    短辺方向に予備放電を発生させると共に、斜め方向に主
    放電を発生させるように構成したことを特徴とする請求
    項1記載のレーザ装置。
  7. 【請求項7】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形断
    面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電空
    間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取り
    出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に熱
    流を生じさせてガスを冷却し、且つ、前記矩形断面に直
    交する面内で短辺方向に予備放電を発生させると共に、
    斜め方向に主放電を発生させるように構成したことを特
    徴とする請求項2記載のレーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記予備放電および主放電は同一電源か
    らエネルギーが供給され、前記予備放電および主放電に
    投入されるエネルギーを予備放電用の静電容量および主
    放電用の静電容量で設定することを特徴とする請求項6
    または7記載のレーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記予備放電用の静電容量は主放電用の
    静電容量の1/10以下であることを特徴とする請求項
    8記載のレーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記主放電を電極間で放電させ、前記
    予備放電を電極と電極に誘電材料を介して接続された導
    電部材間で放電させることにより、主放電用の静電容量
    および予備放電用の静電容量の大きさを設定することを
    特徴とする請求項8記載のレーザ装置。
  11. 【請求項11】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に
    熱流を生じさせてガスを冷却し、且つ、前記矩形断面に
    対して対向する電極に同相の交流電圧を印加することを
    特徴とする請求項3記載のレーザ装置。
  12. 【請求項12】 矩形放電空間に対向し電極の一部に相
    の異なる電圧を印加することを特徴とする請求項11項
    記載のレーザ装置。
  13. 【請求項13】 矩形放電空間に対向した一方の電極を
    電気的に浮かせるか、接地させたことを特徴とする請求
    項3項記載のレーザ装置。
  14. 【請求項14】 交流電圧の印加で放電空間に放電を発
    生させてレーザを励起するレーザ装置において、前記放
    電空間に誘電体を配設して前記放電空間を複数の放電空
    間に分割し、前記分割された複数の放電空間で励起され
    た放電エネルギーをレーザ光に変換することを特徴とす
    るレーザ装置。
  15. 【請求項15】 前記放電空間に配設された誘電体は金
    属板の表面に誘電体層を被覆して放電表面を形成したこ
    とを特徴とする請求項14記載のレーザ装置。
  16. 【請求項16】 前記放電空間に配設された誘電体を冷
    却することを特徴とする請求項14または15記載のレ
    ーザ装置。
  17. 【請求項17】 同軸上に配設された外管と内管とで囲
    まれたドーナツ状の円環断面で放電を生成し、前記外管
    の内周および内管の外周がレーザビームの導波路として
    利用され前記円環断面に直交する方向にレーザビームを
    取り出すガスレーザ装置において、前記外管を誘電体で
    形成すると共に、その外管の外周に交流電圧を印加する
    2個以上の電極を配設したことを特徴とするレーザ装
    置。
  18. 【請求項18】 同軸上に配設された外管と内管とで囲
    まれたドーナツ状の円環断面で放電を生成し、前記外管
    の内周および内管の外周がレーザビームの導波路として
    利用され前記円環断面に直交する方向にレーザビームを
    取り出すガスレーザ装置において、前記外管を誘電体で
    形成すると共に、交流電圧を印加する2個以上の電極を
    前記外管の外周にて前記レーザビームの出射方向に並設
    したことを特徴とするレーザ装置。
  19. 【請求項19】 前記内管は導体で形成されていること
    を特徴とする請求項17または18記載のレーザ装置。
  20. 【請求項20】 前記内管は誘電体で形成されているこ
    とを特徴とする請求項17または18記載のレーザ装
    置。
  21. 【請求項21】 前記内管は、導体で形成された筒体の
    外周に誘電体層を被覆して構成されていることを特徴と
    する請求項17または18記載のレーザ装置。
  22. 【請求項22】 前記筒体は接地されていることを特徴
    とする請求項21記載のレーザ装置。
  23. 【請求項23】 前記外管の外周には、電圧を印加する
    電極および電気的に浮かした導電部材が互い違いに配設
    され、それらの電極および導電部材が冷却されるように
    構成したことを特徴とする請求項17乃至22の何れか
    1項記載のレーザ装置。
  24. 【請求項24】 内管を冷却することを特徴とする請求
    項17乃至22の何れか1項記載のレーザ装置。
  25. 【請求項25】 対向した2枚以上の平板により放電空
    間を構成し、これらの平板がレーザビームの導波路とし
    て使用されることを特徴とする請求項1乃至4、14、
    17、18の何れか1項記載のレーザ装置。
  26. 【請求項26】 互いの光反射表面が対向して配設され
    た一対の誘電体の光反射面の反対側の面に電極を配設
    し、前記電極に交流電圧を印加して前記光反射表面の間
    に存在するガス中でレーザ励起を行うレーザ装置におい
    て、前記電極の長さおよび幅を前記誘電体の長さおよび
    幅より、それぞれ5mm以上短く設定したことを特徴と
    する請求項1乃至4、14、17、18の何れか1項記
    載のレーザ装置。
  27. 【請求項27】 前記電極の幅を光共振器で決定される
    レーザビームの幅と等しく設定したことを特徴とする請
    求項26記載のレーザ装置。
  28. 【請求項28】 互いに対向して配設された一対の前記
    光反射面間の距離を一定に保つために前記光反射面間の
    電極から張出した部分に挟持されたスペーサをレーザビ
    ームに対する不燃性材料で形成したことを特徴とする請
    求項27記載のレーザ装置。
  29. 【請求項29】 前記スペーサはセラミック等の絶縁体
    で形成されていることを特徴とする請求項28記載のレ
    ーザ装置。
  30. 【請求項30】 前記スペーサは金属材料で形成されて
    いることを特徴とする請求項28記載のレーザ装置。
  31. 【請求項31】 放電励起用の電極を柔軟性のある絶縁
    物でモールドしたことを特徴とする請求項1、2、3、
    17、18の何れか1項記載のレーザ装置。
  32. 【請求項32】 3相以上の多相交流電源を用いたこと
    を特徴とする請求項1、2、3、17、18の何れか1
    項記載のレーザ装置。
  33. 【請求項33】 互いに隣合う複数の放電励起用電極を
    有し、これらの電極に位相の異なる交流電圧を印加する
    ように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、1
    7、18の何れか1項記載のレーザ装置。
  34. 【請求項34】 互いに隣合う電極間に電気的に浮かせ
    るか、または接地された冷却管が配置されていることを
    特徴とする請求項33記載のレーザ装置。
  35. 【請求項35】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に
    熱流を生じさせてレーザガスを冷却し、且つ、前記レー
    ザビームが通過する非放電部分のレーザガスを冷却する
    ガス冷却手段を有していることを特徴とするレーザ装
    置。
  36. 【請求項36】 前記非放電部分の炭酸ガス濃度が放電
    部の炭酸ガス濃度より低くなるように構成したことを特
    徴とする請求項35記載のレーザ装置。
  37. 【請求項37】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、レーザ光の反射面として用
    いる誘電体板よりも金属電極を短く設定し、共振器ミラ
    ーと金属電極との間に冷却機能を有する冷却管を電気的
    に浮かせるか、もしくは接地させた状態に配設したこと
    を特徴とするレーザ装置。
  38. 【請求項38】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、共振器ミラーとレーザ出力
    窓との間に、ビーム径の3倍以内の開口を有するレーザ
    ガス冷却用の冷却管を配設したことを特徴とするレーザ
    装置。
  39. 【請求項39】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に
    熱流を生じさせてレーザガスを冷却し、且つ、前記レー
    ザビームが通過する非放電部分に強制的にガス流を発生
    させ、前記レーザガスの温度上昇を抑えるように構成し
    たことを特徴とするレーザ装置。
  40. 【請求項40】 長辺と短辺の長さの比が3以上の矩形
    断面を有するレーザ励起用の放電空間を備え、この放電
    空間の前記矩形断面と直交する方向にレーザビームを取
    り出すレーザ装置において、前記矩形断面の短辺方向に
    熱流を生じさせてレーザガスを冷却するガス冷却手段を
    有すると共に、前記放電空間の両側面にガス漏れ防止の
    側板を設け、該側板のほぼ中央部からレーザガスを供給
    し、且つ、前記放電空間内のガス圧がほぼ一定になるよ
    うに真空排気する構成にしたことを特徴とするレーザ装
    置。
  41. 【請求項41】 レーザ励起用の放電空間を有し、かつ
    線対称軸が2つ以上となるように前記放電空間を配置
    し、この放電空間の断面に直交する方向にレーザビーム
    を取り出すレーザ装置において、立体的なビーム折り返
    し手段を用いて前記放電空間の断面内を通過するレーザ
    ビームを一つにつなげたことを特徴とするレーザ装置。
  42. 【請求項42】 複数の長辺と短辺の長さの比が3以上
    の矩形放電空間を有し、かつ、線対称軸が少なくとも2
    つ以上となるように前記矩形放電空間断面を配置し、こ
    の放電空間断面に直交する方向にレーザビームを取り出
    すレーザ装置において、立体的なビーム折り返し手段を
    用いてそれぞれの前記放電空間の断面内を通過するレー
    ザビームを一つにつなげたことを特徴とするレーザ装
    置。
  43. 【請求項43】 複数の長辺と短辺の長さの比が3以上
    の矩形放電空間を有し、かつ、多角形状に前記矩形放電
    空間断面を配置し、この放電空間断面に直交する方向に
    レーザビームを取り出すレーザ装置において、立体的な
    ビーム折り返し手段を用いてそれぞれの前記放電空間の
    断面内を通過するレーザビームを一つにつなげたことを
    特徴とするレーザ装置。
  44. 【請求項44】 複数の固体レーザ媒質を有し、かつ、
    線対称軸が少なくとも2つ以上となるように前記固体レ
    ーザ媒質断面を配置し、この固体レーザ媒質断面に直交
    する方向にレーザビームを取り出すレーザ装置におい
    て、前記放電空間断面の長辺方向から熱を取りガス冷却
    する行うと共に、立体的なビーム折り返し手段を用いて
    それぞれの前記固体レーザ媒質断面内を通過するレーザ
    ビームを一つにつなげたことを特徴とするレーザ装置。
  45. 【請求項45】 複数の固体レーザ媒質を有し、かつ、
    多角形状に前記固体レーザ媒質断面を配置し、この固体
    レーザ媒質断面に直交する方向にレーザビームを取り出
    すレーザ装置において、前記放電空間断面の長辺方向か
    ら熱を取りガス冷却する行うと共に、立体的なビーム折
    り返し手段を用いてそれぞれの前記固体レーザ媒質断面
    内を通過するレーザビームを一つにつなげたことを特徴
    とするレーザ装置。
  46. 【請求項46】 レーザ光の波長に対する誘電率の異な
    る複数の材質で構成された誘電体を光反射面として用い
    る放電励起導波路型のガスレーザ装置において、前記誘
    電体は、放電励起用の金属電極側が高誘電率材料で、且
    つ、放電プラズマ側が低誘電率材で構成されていること
    を特徴とするレーザ装置。
  47. 【請求項47】 前記誘電体は、金属電極側の高誘電率
    材料層が厚く、且つ、放電プラズマ側の低誘電率材料層
    が薄く形成されていることを特徴とする請求項46記載
    のレーザ装置。
  48. 【請求項48】 前記高誘電率材料を誘電体基板とし
    て、この誘電体基板に低誘電率材料が溶射、もしくはコ
    ーティングされていることを特徴とする請求項46また
    は47記載のレーザ装置。
  49. 【請求項49】 前記低誘電率材料としてBeO(ベリ
    リア)を用いたことを特徴とする請求項46,47,4
    8の何れか1項記載のレーザ装置。
  50. 【請求項50】 前記低誘電率材料としてAIN(窒化
    アルミ)を用いたことを特徴とする請求項46,47,
    48の何れか1項記載のレーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009026854A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Komatsu Ltd 極端紫外光源用ドライバレーザ
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JP2016502764A (ja) * 2012-12-06 2016-01-28 トルンプフ レーザー− ウント ジュステームテヒニク ゲゼルシャフトミット ベシュレンクテル ハフツングTRUMPF Laser− und Systemtechnik GmbH 拡散冷却方式ガスレーザ装置および拡散冷却方式ガスレーザ装置での放電分布の調整方法
KR20190031796A (ko) * 2017-09-18 2019-03-27 국방과학연구소 위성형 유연 플라즈마 발생장치

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