JPH06181358A - レーザ光制御装置 - Google Patents

レーザ光制御装置

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JPH06181358A
JPH06181358A JP5068691A JP6869193A JPH06181358A JP H06181358 A JPH06181358 A JP H06181358A JP 5068691 A JP5068691 A JP 5068691A JP 6869193 A JP6869193 A JP 6869193A JP H06181358 A JPH06181358 A JP H06181358A
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光一 日塔
Tadashi Yoshida
正 吉田
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成彦 向井
Katsuhiko Nakahara
克彦 中原
Takayuki Shibano
隆之 芝野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザ光の一部をモニタしてレーザ線質を補正
し、補償することで、レーザ光を効率よく有効的に再利
用し、エネルギ利用効率を向上させたレーザ光制御装置
を提供するものである。 【構成】レーザ光制御装置は、レーザ光が反応媒質14
を伝播することにより変化する波面、強度、偏光等のレ
ーザ線質を、元の状態または次の伝播に最適状態となる
ように調節制御するレーザ光制御装置において、前記反
応媒質に入力されるレーザ光の光強度を補償するレーザ
増幅装置31と、反応媒質中を伝播されたレーザ光の一
部をサンプリングしてレーザ線質をモニタする光モニタ
系28と、この光モニタ系28にて検出されたレーザ線
質情報に基づいてレーザ線質を調節制御し、補償する透
過型補償光学系33とを有する光学モジュール25を備
えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光の線質を調節制
御し、補償するレーザ光の制御装置に係り、特にレーザ
光を光吸収媒質中で効率的に伝送したり、反応媒質と相
互作用させるためにレーザ光を制御し、補償するレーザ
光制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光を光伝播させて光反応
や光制御を行なう装置では、レーザ光が光吸収媒質や光
反応媒質中を伝播される際、セルフフォーカシングやセ
ルフスティープニングによりパルス波形やエネルギフル
エンス、波面や位相等のレーザ線質が乱れ、レーザ光を
効率的に利用できない場合が生じる。この種の光反応お
よび光制御装置では、レーザ光を有効利用することが、
システム全体のエネルギ効率を向上させ、その経済性を
向上させる上で極めて重要である。
【0003】従来の光反応および光制御装置において、
レーザ光が反応媒質(光吸収媒質、光反応媒質)中を伝
播する場合、レーザ光は反応媒質での光吸収や散乱によ
りレーザ光強度であるフルエンスが低下するとともに、
共鳴・近共鳴効果のために、レーザパルスの時間遅れや
パルス波形、波面、位相の乱れ等のレーザ線質の低下を
来して、次第に目的とするレーザ光の強度および線質が
得られず捨てられている。
【0004】光伝播における位相変化については、例え
ば凸レンズのような位相物体が空間にあるとすると、屈
折率の高い中央部では、光路長(幾何学的距離と屈折率
との積)が長いので、位相物体を光が通過する場合、中
央部の位相は周辺部に較べて遅れる。同様に、光が大気
中を通過する場合においても、空気中の水蒸気の密度や
温度等により位相ずれが生じる。光ファイバを通して光
を伝播させる場合にも同様に位相ずれが生じる。
【0005】さらに、レーザ光を反応媒質(反応物質)
に照射させて反応媒質中の分子や原子と相互作用を生じ
させる場合、光反応や金属の同位体分離等における反応
媒質中の光伝播についても同様に位相ずれが生じる。
【0006】このように、光伝播後の光の位相変化に対
して乱された光の波面を補正する光学系を補償光学系と
いい、この補償光学系は天文学の分野で既に利用されて
いる。地上からの天体観測では大気の揺ぎによる位相変
化の影響を避けることができない。天体からの光は、大
気により光の波面が乱され、望遠鏡の像面で回析限界像
を形成しなくなる。この補償光学系は、大気によって乱
された光の波面を実時間で補正して地上にて回析限界像
を得るようにしたシステムである。
【0007】天文学の分野において用いられる補償光学
系は、大気によって乱された光の波面を波面センサによ
って検出し、この検出波面情報を基に可変形鏡を制御
し、光の波面の補正を行なうものである。大気は時間的
に変動するため、実時間での補正には高速の光制御シス
テムが必要になる。
【0008】補償光学系に用いられる可変形鏡はディフ
ォーマブルミラーと呼ばれ、種々のタイプが提案されて
おり、多くの場合、圧電素子(ピエゾ素子)がミラー駆
動に用いられる。圧電素子を用いたディフォーマブルミ
ラーは、アダプティブオプティックス(Adaptive Optic
s )に適用される。アダプティブオプティックス1は図
12に概念図を示すように、平面波から遅れた位相部分
を波面センサ2で検出して検出波面情報を光制御システ
ム3に入力し、この光制御システム3でディフォーマブ
ルミラー4を作動制御して、波面の乱れた入力位相を補
正し、出力位相が平面波となるように補償している。こ
の波面補償のために、アダプティブオプティックス1で
は、例えば平面波から遅れた位相部分に対してディフォ
ーマブルミラー4を他の部分に対して凸にし、光が反射
された時に位相遅れが相殺できるように構成されてい
る。符号5はビームスプリッタである。
【0009】アダプティブオプティックス1では、波面
における位相ずれを補償する例を示したが、レーザ光の
偏位光における位相ずれの場合には、直線偏光であった
ものが楕円偏光となる。従来、レーザ光の偏光調整には
複屈折結晶を用いた位相板、いわゆるソレイユバビネ位
相差板が使用される。この位相基板は、複屈折結晶の厚
さで正常光線と異常光線との屈折率の差、すなわち、伝
播速度の差を利用して偏光の調整を行なっている。
【0010】また、レーザ光のパルスタイミングについ
て考察すると、複数波長のパルスレーザ光が媒質中の特
定な原子や分子に照射されると、この原子や分子に特定
波長のパルスレーザ光が吸収され、光励起等の光反応を
生じさせる。特に原子や分子が複数波長のパルスレーザ
光の照射により段階的に励起し、光反応を起こす場合に
は、各段階での励起タイミングが長距離伝播によりずれ
ることがある。
【0011】このレーザ光のパルスタイミングのずれに
ついては、励起過程における共鳴効果もしくは近共鳴効
果が大きく影響されると言われており、主に基底レベル
である下位段側のレーザ光のパルスタイミングが他の段
(エネルギレベル)のパルスタイミングより遅れる傾向
にある。
【0012】また、レーザ出力に関しては、特定の原子
や分子の励起により吸収されたり、反応媒質により散乱
したりして出力低下し、使用可能なレーザ出力が得られ
ないレーザ光は、使用不可能なレーザ光として捨てられ
る。反応媒質中の伝播距離はレーザ出力の低下を考慮し
て規定される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ光制御装
置においては、レーザ光強度であるフルエンスの低下や
レーザ光線質の低下のために、基準量の光反応を達成で
きなくなったレーザ光は捨てられるが、捨てられるレー
ザ光でも相当のフルエンスが残されている。このフルエ
ンスを有効に利用できれば、エネルギ効率を向上させる
ことができ、新たに充分なフルエンスを持つ別のレーザ
光発生装置を設ける必要がない。
【0014】また、レーザ光を反応媒質中で伝播させ、
信号等を伝播させる目的に使用する場合、反応媒質中で
の光吸収や散乱によるレーザ光媒質低下により誤った情
報が伝播されるおそれがある。
【0015】さらに、レーザ光が反応媒質中を伝播する
ことにより、フルエンスの低下やレーザ光線質の低下が
生じたとき、例えばアダプティブオプティックスで波面
補正を行なっているが、このアダプティブオプティック
スではディフォーマブルミラーを用いているため、ミラ
ー設置上の制約を受けたり、ミラー反射されたレーザ光
路を採用するため、レーザ光路を曲げなければならず、
設置場所をとり、大きな設置スペースを必要とする。
【0016】また、アダプティブオプティックスでは、
ディフォーマブルミラーの駆動に圧電素子(ピエゾ素
子)を用いているため、機械的駆動部分が必要となり、
応答速度の点で問題があったり、パルスレーザ光のよう
に、1パルス当りの駆動時間の短かいものには、対応で
きないおそれがあった。
【0017】さらに、ディフォーマブルミラーにモザイ
ク鏡を採用した場合には大きさの制約を受け、小さなモ
ザイク鏡では圧電素子の大きさ等による制約を受け、あ
まり小さくできない。また、大きなモザイク鏡ではミラ
ーの大きさや重量の点で圧電素子での駆動が困難になる
問題があった。
【0018】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、レーザ光の一部をモニタしてレーザ線質を補正す
ることで、レーザ光を効率よく有効的に再利用し、エネ
ルギ利用効率を向上させたレーザ光制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0019】本発明の他の目的は、透過型補償光学系の
応答特性を向上させる一方、大きさや設置場所によるス
ペース的な制約を受けないレーザ光制御装置を提供する
にある。
【0020】本発明のさらに他の目的は、光学モジュー
ルの前後でレーザ光のパルス波形やパルスタイミング、
エネルギフルエンス、波面、位相等のレーザ線質を補正
し、調節制御して補償できるレーザ光制御装置を提供す
るにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係るレーザ光制
御装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に
記載したように、レーザ光が反応媒質中を伝播すること
により変化する波面および偏光等のレーザ線質を、元の
状態または次の伝播に最適状態となるように調節制御す
るレーザ光制御装置において、レーザ光の波面および偏
光等のレーザ線質をモニタする光モニタ系と、この光モ
ニタ系からの検出モニタ信号によりレーザ線質の補正を
行なう透過型補償光学系とを有するものである。
【0022】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るレーザ光制御装置は、請求項1の記載内容に
加えて、請求項2に記載したように、透過型補償光学系
は電気光学素子を備えたものである。
【0023】さらに、本発明に係るレーザ光制御装置
は、上述した課題を解決するために、請求項3に記載し
たように、レーザ光が反応媒質中を伝播することにより
変化する波面、強度、偏光等のレーザ線質を、元の状態
または次の伝播に最適状態となるように調節制御するレ
ーザ光制御装置において、前記反応媒質に入力されるレ
ーザ光の光強度を補償するレーザ増幅装置と、反応媒質
を伝播されたレーザ光の一部をサンプリングしてレーザ
線質をモニタする光モニタ系と、この光モニタ系にて検
出されたレーザ線質情報に基づいてレーザ線質を調節制
御し、補償する透過型補償光学系とを有する光学モジュ
ールを備えたものである。
【0024】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係るレーザ光制御装置は、請求項3の記載
内容に加えて、請求項4に記載したように、光学モジュ
ールは複数個が直列状に整列配置された多段モジュール
構造に構成されたり、また、請求項5に記載したよう
に、初段の光学モジュールには複数波長のレーザ光を発
生させるレーザ装置と、発生した複数波長のレーザ光を
波長合成させる波長合成装置を設けたり、さらに、請求
項6に記載したように、光学モジュールは透過型補償光
学系の下流側からレーザ光の一部をレーザ増幅器の上流
側にフィードバックさせるフィードバック安定化回路を
備えたものである。
【0025】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係るレーザ光制御装置は、請求項3の記載内容に
加えて、請求項7に記載したように、透過型補償光学系
は、レーザ波長に対し透明で複数に分割されたマルチ電
極を有する電気光学素子と、この電気光学素子の各電極
に電圧を独立して印加可能な二次元マトリックス電圧制
御回路とから構成したり、さらに、請求項8に記載した
ように、透過型補償光学系は、並列制御型レーザ光制御
システムで構成され、このレーザ光制御システムは反応
媒質を伝播したレーザ光を光学素子により各波長毎のレ
ーザ光に分割し、分割された特定波長のレーザ光の波
面、位相やパルスタイミングを調節制御するレーザ光制
御機構に案内し、調節制御されたレーザ光を光学素子を
用いて光軸合成したり、また、請求項9に記載したよう
に、透過型補償光学系は、直列制御型レーザ光制御シス
テムで構成され、このレーザ光制御システムは、複数の
レーザ光制御機構を直列に配置し、各レーザ光制御機構
は波長毎に異なる非線形光学素子を備えた電気光学素子
でそれぞれ構成されたものである。
【0026】一方、本発明に係るレーザ光制御装置は、
上述した課題を解決するために、請求項10に記載した
ように、レーザ光を反応媒質内に伝播させて反応媒質と
光反応させ、光反応されたレーザ光のレーザ線質を調節
制御するレーザ光制御装置において、レーザ光が伝播さ
れる反応媒質を複数の光反応モジュールに分割し、各光
反応モジュール毎に所要のパルス状のレーザ光を供給す
るレーザ装置を設け、このレーザ装置から供給されるレ
ーザ光を前段の光反応モジュールからの残余レーザ光と
光学合成系で合成させる一方、前記残余レーザ光のレー
ザパルスが前段の光反応モジュールを離れる時刻および
レーザ線質を予測して次段の光反応モジュールに対応す
るレーザ装置を制御する作動制御手段を設けたものであ
る。
【0027】
【作用】このレーザ光制御装置においては、レーザ光の
一部をサンプリングしてレーザ線質をモニタする光モニ
タ系と、この光モニタ系からの検出モニタ信号により透
過型補償光学系でレーザ線質を補正し、反応媒質を伝播
されたレーザ光のレーザ線質を元の状態あるいは次の伝
播に最適な状態となるように調節制御し、補償したの
で、反応媒質に伝播されたレーザ光を有効的に再利用で
き、エネルギ利用効率を向上させることができる。
【0028】その際、補償光学系を透過型とすることに
より、設置スペース上の制約を受けることが少なく、ま
た透過型補償光学系に電気光学系を備えることにより、
機械的構造部材を必要とせず、速い応答特性が得られ、
パルスレーザ等にも対応できる。
【0029】従来のレーザ光制御装置では、光吸収媒質
を伝播されたレーザ光は、フルエンスの低下やレーザ線
質の低下のため、レーザ光(信号とする場合も含め)を
効率的に伝送させたり、また反応媒質をレーザ光と相互
作用させる場合には、直ちに捨てられ、効率的にレーザ
光が利用されていなかった。特に光反応を目的とするレ
ーザ光のパルスタイミングや、レーザフルエンスが低下
したものは捨てられいる。しかし、反応媒質と伝播され
たレーザ光は光反応の目的には達しないものの未だ相当
量のフルエンスを残しており、レーザ線質を補正した
り、少し補償することで使用可能となる。タイミングの
ずれ等はタイミング調整をすることでかなり効率的に再
利用できるようになる。
【0030】このレーザ光制御装置は、各光学モジュー
ル毎にレーザ発生装置を備えるのを不要とすることがで
き、反応媒質を伝播されたレーザ光の一部をサンプリン
グしてレーザ線質をモニタし、透過型補償光学系でレー
ザ線質を補正し、調節制御して補償することで、再利用
可能なレーザ光とすることができ、装置全体のエネルギ
効率を大幅に向上させ、コストを大幅に低減することが
可能である。
【0031】このレーザ光制御装置では透過型補償光学
系を用いることができ、この透過型補償光学系の採用に
より、従来のアダプティブオプティックスのようなミラ
ー構造と異なりレーザ光に対して透明なマルチ電極を用
いた電気光学素子を用いることができる。また、電気光
学素子の電極は、任意のパターンに作成でき、かなり小
さなものから大きなものまで作成できる。
【0032】また、このレーザ光制御装置においては、
多段構造の光学モジュールの前後に、透過型補償光学系
やレーザ増幅装置またはレーザ装置をそれぞれ設けたの
で、次段の光学モジュール(光反応モジュール)に入力
されるレーザ光のパルス波形やパルスタイミング、エネ
ルギフルエンス、波面や位相等のレーザ線質を調節制御
して補償でき、次段の光学モジュールで使用するに最適
なエネルギ線質に調整できるので、エネルギの利用効率
を大幅に向上させることができる。
【0033】一方、このレーザ光制御装置は、1つの光
反応モジュールで反応媒質(物質蒸気)との反応に供さ
れたレーザ光は、反応媒質での光吸収によりフルエンス
が低下すると共に、光速に加え分散交換に起因するレー
ザパルスの時間の遅れ、セルフティープニング効果に起
因するパルス時間波形の急峻化、セルフフェーカシング
効果に起因するビーム断面フルエンス分布の変化等のレ
ーザ線質の低下を来す。
【0034】そこで前段の光反応モジュールの途中から
レーザ光をサンプリングして得られるレーザパルスの時
間遅れや、パルス波形や波面の乱れ等レーザ線質に係わ
る情報を処理し、あるいは事前の理論計算により、光反
応モジュールをレーザパルスが離れる時間とレーザ線質
を適切に予測する作動制御手段(光モニタ系)で、次段
の光反応モジュールのためのレーザ装置のパルスタイミ
ングを調整し、あるいは発振モードまたは光学系をセル
フスティープニング効果やセルフフォーカシング効果に
起因するレーザ線質の低下を補償する方向にレーザ装置
を調節制御することにより、レーザ光利用効率を向上さ
せるようにしたものである。
【0035】
【実施例】以下、本発明に係るレーザ光制御装置の一実
施例について添付図面を参照して説明する。
【0036】図1は、本発明に係るレーザ光制御装置の
基本システムを示す原理図であり、図中符号10は複数
波長λ1 ,λ2 ,…λn のレーザ光を出力するレーザ装
置であり、このレーザ装置10から出力されたレーザ光
は波長合成装置11により光軸合成される。波長合成装
置11は全反射ミラー12およびダイクロイックミラー
13を組み合せたもので、波長合成されたレーザ光は光
吸収媒質や光反応媒質等の反応媒質14に案内される。
【0037】反応媒質14の出力側位置には、レーザ光
を調節制御し、レーザ線質を補償する透過型補償光学系
15が設置されており、この透過型補償光学系15によ
る補償前のレーザ光はビームスプリッタ16および全反
射ミラー12等の光学素子を介して光モニタ系17にて
サンプリングされ、光モニタ系17はレーザ光の波面や
偏光、エネルギフルエンス等のレーザ線質をサンプリン
グし、モニタしている。光モニタ系17にてモニタされ
たレーザ線質検出情報は光モニタ信号aとしてビーム制
御機構である透過型補償光学系15に入力され、この透
過型補償光学系15を作動制御するようになっており、
この透過型補償光学系15にて補償されたレーザ光はビ
ームスプリッタ16により光モニタ系17に案内され、
再確認される。
【0038】この透過型補償光学系15では図2に概念
的に示すように、電気光学素子20がレーザ光制御機構
として備えられる。この電気光学素子20はレーザ波長
に対して透明な一対の基板21a,21bと、両基板2
1a,21bの内面にそれぞれ塗布あるいは蒸着等によ
り形成されたレーザ波長に対して透明な電極22,23
と、上記両基板21a,21b間に、電圧に対して屈折
率が異なる媒質として介装される非線形光学素子24と
から構成される。
【0039】基板21a,21bはガラス、石英、結晶
等で形成される一方、電極22,23は非線形光学素子
24の一側に設けられる正の電極(プラス電極、陽極)
23とその他側に設けられる負の電極(マイナス電極、
陰極)22とからなり、両電極22,23間に電圧差を
作用させることによりレーザ光の位相をコントロールす
るようになっている。非線形光学素子24には例えばシ
リコン系オイルあるいはLiNbO3 やLiTaO3
の非線形光学結晶がある。
【0040】図2に示す電気光学素子20の例では、正
の電極23を上下に数分割、例えば2分割し、正の電極
23a,23b間に電位差を付与することにより、非線
形光学素子24の内部に屈折率分布を作ってレーザ光の
位相差を補正できるようにしている。
【0041】今、反応媒質14を伝播する前のレーザ光
の波面が、図2に示す符号αに示すように一様であると
し、伝播中に一部(図2において上部)のレーザ光が屈
折率が異なる反応媒質14を通過すると、レーザ光の伝
播速度は幾何学的距離と屈折率の積の分だけ遅くなって
位相差が生じ、レーザ光の伝播後波面βは乱れる。
【0042】そこで、透過型補償光学系15の電気光学
素子20の双方の正の電極23a,23b間に電位差を
作り、非線形光学素子24の内部に位相ずれを起こして
いる伝播後波面βと逆位相の屈折率分布を作り、位相差
をキャンセルする。この電気光学素子20により伝播後
波面βを調節制御して補償し、補償後波面γが伝播前の
元の状態であるフラットな波面に戻すことができる。
【0043】さらに、レーザ光の偏光についても、非線
形光学素子24の結晶光軸を偏光に合せ、正常光線と異
常光線との比率を変えることで、電気的に変える屈折率
と合せ、偏光における位相も調整することができる。す
なわち、電気光学素子20に所要の電圧を印加させるこ
とにより、反応媒質14を伝播されたレーザ光の偏光を
補正し、補償することができる。
【0044】この電気光学素子20は、波長に対する屈
折率の異なる非線形光学素子24を数種類用いて直列に
順次並べ、レーザ光の波長毎にコントロールすること
で、レーザ光の伝播による時間パルスタイミングのずれ
を補正することもできる。
【0045】図3は、透過型補償光学系を採用した本発
明に係るレーザ光制御装置の好適実施例を示す概念図で
ある。
【0046】このレーザ光制御装置は、レーザ光が伝播
される部分をレーザ光の光吸収および散乱等の反応媒質
14とし、全反応媒質を伝播する部分を複数個、例えば
1,2,…nのn個に分割し、複数の独立した光学モジ
ュール25から構成したものである。複数の光学モジュ
ール25は直列状に整列配置されて多段モジュール構造
に構成される。光学モジュール25は例えば光反応モジ
ュールである。
【0047】初段の光学モジュール25の上流側には、
複数波長λ1 ,λ2 ,…λn のレーザ光を発生させるレ
ーザ装置10と、このレーザ装置10から出力された複
数波長のレーザ光の波長合成を行なう波長合成装置11
が設けられている。この波長合成装置11で波長合成さ
れたレーザ光の一部はビームスプリッタ27を介して光
モニタ系28にてサンプリングされ、この光モニタ系2
8にてパルス波形、パルスタイミング、エネルギフルエ
ンス、波面、位相等のレーザ媒質がモニタされる。
【0048】また、光学モジュール25は、光吸収媒質
や光反応媒質等の反応媒質にレーザ光が伝播されるよう
に形成されるレーザ光伝播光路30と、反応媒質に入力
されるレーザ光の光強度(フルエンス)を補償するレー
ザ増幅装置31と、反応媒質を透過したレーザ光のパル
ス波形、パルスタイミング、エネルギフルエンス、波面
および位相等のレーザ線質をビームスプリッタ27を介
してサンプリングし、モニタする光モニタ系28と、こ
の光モニタ系28にて検出されたレーザ線質情報に基づ
いて作動制御される透過型補償光学系33とから基本的
にモジュール構成される。透過型補償光学系33はレー
ザ光制御機構を構成し、レーザ光のレーザ線質を調節制
御し、反応媒質14を伝播することにより変化するレー
ザ線質を、元の状態または、次段の光学モジュール25
に対して最適なレーザ線質となるように調節制御され
る。
【0049】光学モジュール25には、光モニタ系28
にて検出されたレーザ線質情報を前段の光学モジュール
25の透過型補償光学系33に入力される予測理論補償
系35を備え、この予測理論補償系35にて事前の予測
計算により1つの光学モジュール25を伝播されるレー
ザ光のレーザ線質はの劣化等を予測し、補償するように
なっている。
【0050】また、光学モジュール25には、透過型補
償光学系33の下流側からフィードバック安定化回路3
6が分岐されており、このフィードバック安定化回路3
6はレーザ増幅装置31に上流側から入力される。この
フィードバックループにより光学モジュール25内での
レーザ光の変化に対してレーザ光の伝播や光反応を安定
化させている。
【0051】レーザ増幅装置31は反応媒質14の入力
側に設置されるレーザ増幅器としての色素レーザ増幅器
37と、この色素レーザ増幅器37を励起させるための
励起レーザ装置38とを備えている。色素レーザ増幅器
37は、レーザ光の複数波長に対応した複数の増幅器が
光軸合成されて直列状に設けられており、複数の増幅器
にレーザ光を通すことにより、各波長のレーザ出力をそ
れぞれ増加させている。各波長に対する増幅器は、対象
とする波長以外のレーザ光は単に素通りさせ、増幅させ
ないようになっている。
【0052】なお、レーザ光の出力低下を補償する色素
レーザ増幅器37は、波長合成されているレーザ光をダ
イクロイックミラーやプリズム等の光学素子により分岐
させて波長毎に独立させた上で、各波長に適したレーザ
増幅器により各々の波長毎にレーザ出力を増加させる図
示しないレーザ増幅装置を構成し、このレーザ増幅装置
でレーザ出力補償を行なうようになっている。このレー
ザ増幅装置ではレーザ出力補償された各波長毎のレーザ
光を再度ダイクロイックミラーまたはプリズム等の光学
素子を用いて波長合成させ、次の光学モジュール25に
入射されるように各レーザ増幅器を並列設置されるよう
になっている。
【0053】ところで、このレーザ光制御装置に用いら
れる透過型補償光学系33には、レーザ光の断面で均一
波面とし、光伝播あるいは光反応に適した位相とするた
め、マルチ型電極構造の電気光学素子40が備えられ
る。
【0054】この電気光学素子40は、プラスおよびマ
イナスの各電極は、図4に示すようにレーザ波長に対し
て透明なマルチ電極41,42で形成されており、各マ
ルチ電極41,42は二次元マトリックス電圧制御回路
43を介して光モニタ系28に接続され、この光モニタ
系28で検出されたレーザ線質情報(光モニタ信号)を
入力して作動制御されるようになっている。透過型補償
光学系33は電気光学素子40と二次元マトリックス電
圧制御回路43を組み合せて構成され、レーザ光制御機
構を構成している。
【0055】前記マルチ電極41,42は、図5
(A),(B)にマルチ電極のパターン例を示すよう
に、例えば49角型パターンあるいは37円型パターン
で構成されている。このマルチ電極41,42は、基板
21a,21bに透明電極を塗布または蒸着した後、任
意のパターンでエッチング処理することにより作成さ
れ、かなり小さなものから大きなものまで容易に製作で
きるようになっている。
【0056】この透過型補償光学系33におけるレーザ
光の波面コントロールは、光モニタ系28から出力され
るレーザ媒質情報の光モニタ信号を二次元マトリックス
電圧制御回路43に入力させることにより行なわれる。
この電圧制御回路43では、レーザ光の入射波面βに対
応してマルチ電極41,42に送る電圧を個々の電極毎
にコントロールすることで、非線形光学素子40内に屈
折率分布を形成し、この非線形光学素子40を通過する
レーザ光の波面を補償し、次段の光学モジュール25に
送られるレーザ光の波面γが元の波面状態あるいは最適
な波面状態となるようにセットされる。
【0057】図6は、レーザ光の波面だけでなく偏光全
体が変化している場合に適用される電気光学素子40の
具体例を示すもので、図4に示す基板21bに代え、結
晶の厚さをコントロールできるソレイユバビネ位相板4
5が用いられる。
【0058】ところで、レーザ光が多波長で、特に各波
長帯域が離れている場合には、反応媒質14中での屈折
率の揺ぎは波長によって異なるため、反応媒質14を通
過した後の波面や偏光状態も、波長毎に異なることにな
る。
【0059】図7および図8は、このような場合に適用
される透過型補償光学系33を備えたレーザ光制御シス
テムを示すものである。図7は、ダイクロイックミラー
13でレーザ光を波長毎に分離し、レーザ光の各波長毎
にレーザ光の波面や偏光等の位相を各別に補償したり、
またパルス時間タイミングを補正する並列制御型のレー
ザ光制御システム48であり、図8は、レーザ光の波面
および偏光のモニタを波長毎に行ない、波長毎に異なっ
た非線形光学素子の電気光学素子40を用いるようにし
た直列制御型のレーザ光制御システム49である。
【0060】しかして、これらのレーザ光制御システム
48,49は従来のアダプティブオプティックスのよう
なミラー構造と異なり、レーザ光に対して透明な多極電
極を有する電気光学素子40を用いているため、機械的
な構造部材を必要とせず、パルスレーザ等にも対応でき
る速い応答特性が得られる。
【0061】また、レーザ光伝播光路30内に透過型レ
ーザ光制御機構として設置できるため、スペースファク
タの点において優れているとともに、伝播光路30の光
軸に対する角度を決めれば、偏光についても制御するこ
とができる。
【0062】なお、このレーザ光制御装置の実施例にお
いては、偏光を図6に示すソレイユバビネ位相板45に
より補正する場合について説明したが、例えば図8に示
す電気光学素子40のうちの1つを、偏光を変えるため
に用い、これにより偏光を補正するようにしてもよい。
【0063】また、実施例においては、マルチ電極4
1,42がプラス側もマイナス側もレーザ光に対して透
明である場合について説明したが、例えばプラス側のマ
ルチ電極42をミラータイプとして全反射ミラータイプ
とすることにより、反射型の電気光学素子を構成するこ
ともできる。
【0064】図7および図8のレーザ光制御システム4
8,49に用いられる透過型補償光学系33は非線形光
学素子(光学結晶)がマルチ電極で接続されたマルチ電
極型電気光学素子40で構成される。
【0065】図9は本発明に係るレーザ光制御装置の第
3実施例を示すものである。
【0066】この実施例に示されたレーザ光制御装置
は、各光学モジュール50毎にレーザ装置51を備えて
いる構成が、図3に示すレーザ光制御装置と基本的に相
違する。
【0067】このレーザ光制御装置は、直列接続された
多段、図示例では例えば3段の光学モジュールとしての
光反応モジュール50を有し、各光反応モジュール50
の両端部、すなわち反応媒質の両側に光学系52a,5
2bを備えている。各光反応モジュール50には必要な
パルス状レーザ光を入力させるレーザ装置51がそれぞ
れ設けられる。前段の光反応モジュール50からの残余
レーザ光は、次段の光反応モジュール50に入力される
が、その際、対応するレーザ装置51から出力されるレ
ーザ光と光学合成系54により合成されて入力される。
【0068】一方、各光反応モジュール50には、光反
応モジュール50(レーザ光伝播光路55)の途中でレ
ーザ光の一部をサンプリングし、モニタする光モニタ系
56が情報処理系として設けられている。光モニタ系5
6は次段のレーザ装置51の作動制御手段を構成してい
る。レーザ装置51にはレーザ増幅器や光モニタ系56
の光モニタ信号により作動制御されるレーザ光制御機構
57が備えられる。
【0069】光モニタ系56は、次段の光反応モジュー
ル50に伝播されるレーザ光に対して、レーザパルスの
時間遅れやパルス波形、波面の乱れ等のレーザ線質を測
定し、レーザ線質情報を処理したり、また、事前の理論
計算により光反応モジュール50内を伝播するレーザ光
の波長毎のパルスタイミングやレーザ線質を適切に予測
し、レーザ光制御機構57の作動制御を行なっている。
レーザ光制御機構57は図3に示す透過型補償光学系3
3に対応するものであり、例えば各レーザ装置51に組
み込まれている。光学系52a,52bに組み込んでも
よい。
【0070】光モニタ系56は、光反応モジュール50
をレーザパルスが離れる時刻とレーザ線質とを適確に予
測するようになっており、この予測値に基づき、レーザ
装置51のパルスタイミングを調整したり、あるいは発
振モードまたは光学系を、セルフスティープニング効果
やセルフフォーカシング効果に起因するレーザ線質の低
下を補償する方向に調整するようになつぃる。
【0071】次に、このレーザ光制御装置の作用を説明
する。
【0072】このレーザ光制御装置は図3に示すレーザ
光制御装置と同様、レーザ光が伝播される光吸収媒質、
光反応媒質等の反応媒質を複数の光反応モジュール50
に分割し、各光反応モジュール50毎に必要なレーザ光
を供給するレーザ装置51を設置する。
【0073】そして、前段の光反応モジュール50の残
余レーザ光を次段の光反応モジュール50に供給するた
めに、残余レーザ光を次段で発生したレーザ光と混合さ
せ、光軸合成する。
【0074】このとき、前段の光反応モジュール50の
レーザ光伝播光路55を伝播されるレーザ光の一部を光
モニタ系56でサンプリングし、レーザパルスの時間遅
れやパルス波形、波面の乱れ等のレーザ線質情報をモニ
タする。また、光モニタ系56では、事前の理論計算に
より、光反応モジュール50をレーザパルスが離れる時
間とレーザ線質を予測し、次段の光反応モジュール50
のレーザ装置51からの出力レーザ光のパルスタイミン
グや発振モードあるいは光学系52a,52bを調整
し、レーザ光の利用効率を向上させるようにしたもので
ある。
【0075】レーザ光は1つの光反応モジュール50の
反応媒質内を伝播されることにより、反応媒質と光反応
せしめられるが、この反応によるレーザ線質の変化とし
て、(a)反応媒質の光吸収や散乱によるフルエンスの
低下、(b)光速に加え分散効果に起因するパルスの時
間遅れ、(c)セルフスティープニング効果に起因する
パルス時間波形の急峻化、(d)セルフフォーカシング
効果に起因するビーム断面フルエンス分布(横モード分
布)の変化、(e)波面の位相変化、等である。
【0076】このうち、(a),(b),(c)はレー
ザパルスの主として時間波形に関するものであり、これ
らによるパルス波形の変化の一例を図10に示す。
【0077】図10は、1つの光反応モジュールの入
口、中間点、出口におけるレーザパルスの変化の様子を
模式的に示すもので、(a)の反応媒質の吸収だけなら
フルエンス(レーザ強度)が低下しながら光速cで伝播
するレーザパルス60は、実際には(b)の反応媒質と
の相互作用による分散効果のため、レーザパルス61の
ように伝播遅れを生じる。さらに、このレーザパルス6
1に(c)のセルフスティープニング効果に起因するパ
ルス時間波形の急峻化が加わると、符号62で示すよう
な出口パルスの残余レーザ光となって光反応モジュール
から出てくる。
【0078】残余レーザ光中のこのレーザパルス62
は、既に反応媒質の電離あるいは解離を引き起こすこと
はできないが、このレーザパルス62とレーザ装置51
で発生させたレーザパルス63とを、光学合成系54で
合成することにより、図11に示すように、再び反応媒
質の電離あるいは解離を充分に達成するフルエンスを持
ったレーザパルス64が得られる。そこで、このレーザ
パルス64を次段の光反応モジュール50に送り込む。
【0079】この際、レーザ装置51の波形およびパル
スタイミングを、前段の光反応モジュール50内のレー
ザ光伝播光路の途中でレーザ光の一部をサンプリングし
て得られるレーザパルスの時間遅れやパルス波形等に関
するレーザ線質情報を、光モニタ系56で処理し、この
処理により得られた情報を基に、最大の電離量あるいは
解離量が得られるよう、レーザ装置51を適切に制御す
る。
【0080】以上の操作を、各段の光反応モジュール5
0の出口で行ない、合成されたレーザ光を次段の光反応
モジュール50に送り込む。
【0081】次に、レーザ光のパルタスタイミング調整
について説明する。
【0082】1つの光反応モジュール50をレーザ光が
伝播するとき、光反応モジュール50の入口部と出口部
で反応媒質の存在によりレーザ光はある波長だけタイミ
ング的に遅くなることがある。
【0083】タイミングが遅れたレーザ光がそのまま次
段の光反応モジュール50に入力されると、さらにタイ
ミングが遅くなり、他のレーザ光の波長に対してタイミ
ングのずれが生じる。
【0084】このため、1つの光反応モジュール50を
通過した時点で次段の光反応モジュール50に入る前
に、レーザ光のパルスタイミングを揃えるために、例え
ば、図7および図8に示すようなレーザ光制御システム
48,49を介装させる。
【0085】図7に示す並列制御型レーザ光制御システ
ム48では、レーザ光をダイクロイックミラー13ある
いはプリズム等の光学素子で各波長毎に分離し、タイミ
ングが早い波長に対して遅れている波長よりもレーザ光
制御機構33である電気光学素子40の光路長を長く
し、タイミングを送らせ、光学素子で再合成させること
で、レーザ光のタイミングを揃えるようになっている。
【0086】また、直列制御型レーザ光制御システム4
9では、図8に示すように、レーザ光制御機構33であ
る電気光学素子40を直列配置し、レーザ光を同軸合成
のままでタイミング調整を可能としたもので、タイミン
グの早いレーザ光の波長に対してタイミングの遅いレー
ザ光の波長より屈折率の大きなかつ透過率の優れた媒質
(非線形光学素子)をレーザ光伝播光路内に設置するこ
とによりレーザ光のパルスタイミング調整が可能にな
る。
【0087】1つの光反応モジュール50内での光反応
を考えた場合、レーザ光のタイミングがずれ易い出口付
近では、光反応を起こさなくなる。
【0088】この出口付近で光反応が生じるようにする
ためには、タイミングが遅くなる波長のレーザ光を、他
の波長のレーザ光より早く入れればよいが、この場合に
は光反応モジュール50の入口側で光反応が生じなくな
る。
【0089】光反応モジュール50の入口側から出口側
まで均一に光反応を起こさせることは、タイミングの遅
くなる波長のレーザ光に対して、他の波長のレーザ光よ
り光反応モジュール50に早く入れたり、同時に入れた
り、あるいは遅く入れたり、レーザ光の波長に対応する
関数を採って供給タイミングをコントロールすること
で、可能となる。例えば、速く伝播する波長のレーザ光
に対しては、一定周期のパルス間隔とし、遅くなる波長
のレーザ光に対しては、関数、例えばSin関数でパル
ス間隔を調整すると、あるレーザパルスは入口側で光反
応し、他のレーザパルスは中間位置で光反応し、残りの
レーザパルスは出口側で光反応させることが可能とな
る。
【0090】このレーザ光制御装置では、従来捨てられ
ていた残余レーザ光を再利用してエネルギの有効利用を
図ることができる。残余レーザ光のエネルギは、設計思
想や装置全体の詳細にもよるが、入射時の50〜90%
に達するエネルギが未使用のまま残っている。したがっ
て、レーザ光制御装置全体として、50〜90%のレー
ザエネルギを未利用のまま捨てていることになる。この
エネルギを部分的にでも(例えば10〜30%程度で
も)有効に利用できれば、装置全体のエネルギ効率を大
幅に向上させことが可能となる。
【0091】また、前記実施例においては、補正すべき
レーザ線質の変化として、(a)蒸気物質の吸収による
フルエンスの低下、(b)光速に加え分散効果に起因す
るパルスの時間遅れ、(c)セルフスティープニング効
果に起因するパルス時間波形の急峻化、(d)セルフフ
ォーカシング効果に起因するビーム断面フルエンス分布
(横モード分布)の変化、(e)波面の位相変化につい
ても、レーザ光制御機構に補償光学系を設置することに
より、(a),(b),(c)の場合と同様に、レーザ
線質を補正することができる。
【0092】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係るレーザ
光制御装置においては、レーザ光の一部をサンプリング
してレーザ線質をモニタする光モニタ系と、この光モニ
タ系からの検出モニタ信号により透過型補償光学系でレ
ーザ線質を補正し、反応媒質を伝播されたレーザ光のレ
ーザ線質を元の状態あるいは次の伝播に最適な状態とな
るように補正して調節制御し、補償したので、反応媒質
に伝播されたレーザ光を有効的に再利用でき、エネルギ
利用効率を向上させることができる。
【0093】その際、補償光学系を透過型とすることに
より、設置スペース上の制約を受けることが少なく、ま
た透過型補償光学系に電気光学系を備えることにより、
機械的構造部材を必要とせず、速い応答特性が得られ、
パルスレーザ等にも対応できる。
【0094】従来のレーザ光制御装置では、光吸収媒質
を伝播されたレーザ光は、フルエンスの低下やレーザ線
質の低下のため、レーザ光(信号とする場合も含め)を
効率的に伝送させたり、また反応媒質をレーザ光と相互
作用させる場合には、直ちに捨てられ、効率的にレーザ
光が利用されていなかった。特に光反応を目的とするレ
ーザ光のパルスタイミングや、レーザフルエンスが低下
したものは捨てられいる。しかし、光反応の目的には達
しないものの未だ相当量のフルエンスを残しており、レ
ーザ線質を補正したり、少し補償することで使用可能と
なる。タイミングのずれ等はタイミング調整をすること
でかなり効率的に再利用できるようになる。
【0095】このレーザ光制御装置は、各光学モジュー
ル毎にレーザ発生装置を備えるのを不要とすることがで
き、反応媒質を伝播されたレーザ光の一部をサンプリン
グしてレーザ線質をモニタし、透過型補償光学系でレー
ザ線質を補正し、調節制御して補償することで、再利用
可能なレーザ光とすることができ、装置全体のエネルギ
効率を大幅に向上させ、コストを大幅に低減することが
可能である。
【0096】このレーザ光制御装置では透過型補償光学
系を用いることができ、この透過型補償光学系の採用に
より、従来のアダプティブオプティックスのようなミラ
ー構造と異なりレーザ光に対して透明なマルチ電極を用
いた電気光学素子を用いることができる。また、電気光
学素子の電極は、任意のパターンに作成でき、かなり小
さなものから大きなものまで作成できる。
【0097】また、このレーザ光制御装置においては、
多段構造の光学モジュールの前後に、透過型補償光学系
やレーザ増幅装置またはレーザ装置をそれぞれ設けたの
で、次段の光学モジュール(光反応モジュール)に入力
されるレーザ光のパルス波形やパルスタイミング、エネ
ルギフルエンス、波面や位相等のレーザ線質を調節制御
して補償でき、次段の光学モジュールで使用するに最適
なエネルギ線質にレーザ光を調整できるので、エネルギ
の利用効率を大幅に向上させることができる。
【0098】一方、このレーザ光制御装置は、1つの光
反応モジュールで反応媒質(物質蒸気)との反応に供さ
れたレーザ光は、反応媒質での光吸収によりフルエンス
が低下すると共に、光速に加え分散交換に起因するレー
ザパルスの時間の遅れ、セルフティープニング効果に起
因するパルス時間波形の急峻化、セルフフェーカシング
効果に起因するビーム断面フルエンス分布の変化等のレ
ーザ線質の低下を来す。
【0099】そこで前段の光反応モジュールの途中から
レーザ光をサンプリングして得られるレーザパルスの時
間遅れや、パルス波形や波面の乱れ等レーザ線質に係わ
る情報を処理し、あるいは事前の理論計算により、光反
応モジュールをレーザパルスが離れる時間とレーザ線質
を適切に予測する作動制御手段で、次段の光反応モジュ
ールのためのレーザ装置のパルスタイミングを調整し、
あるいは発振モードまたは光学系をセルフスティープニ
ング効果やセルフフォーカシング効果に起因するレーザ
線質の低下を補償する方向にレーザ装置を調節制御する
ことにより、レーザ光利用効率を向上させるようにした
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ光制御装置の一実施例を示
す概念的な原理図。
【図2】図1のレーザ光制御装置に備えられる透過型補
償光学系として電気光学素子を用いた概念図。
【図3】本発明に係るレーザ光制御装置の好適実施例を
示す概念図。
【図4】本発明のレーザ光制御装置に備えられる透過型
補償光学系の一例を示す図。
【図5】(A)および(B)は透過型補償光学系の電気
光学素子に採用されるマルチ電極のパターン例を示す
図。
【図6】透過型補償光学系の他の例を示す図。
【図7】透過型補償光学系を備えた並列制御型レーザ光
制御システムを示す図。
【図8】透過型補償光学系を備えた直列制御型レーザ光
制御システムを示す図。
【図9】本発明に係るレーザ光制御装置の第3実施例を
示す図。
【図10】(A)および(B)は複数波長を有するパル
スレーザ光が伝播中の反応媒質により光反応し、パルス
時間波形やパルスタイミングが変化する様子を示す図。
【図11】1つの光反応モジュールからの残余レーザ光
とレーザ装置から供給されるレーザ光の合成状態を示す
図。
【図12】従来のアブタティブオプティックスを示す概
念図。
【符号の説明】
10,51 レーザ装置 11 波長合成装置 14 反応媒質 15,33 透過型補償光学系(レーザ光制御機構) 17,28 光モニタ系 20 電気光学素子 22,23 電極 24 非線形光学素子(光学結晶) 25 光学モジュール 30,55 レーザ光伝播光路 31 レーザ増幅装置 35 予測理論補償系 36 フィードバック安定化回路 37 レーザ増幅器(色素レーザ増幅器) 38 励起レーザ装置 40 電気光学素子 41,42 マルチ電極 43 二次元マトリックス電圧制御回路 45 ソレイユバビネ位相板 48 並列制御型レーザ光制御システム 49 直列制御型レーザ光制御システム 50 光学モジュール(光反応モジュール) 51 レーザ装置 52a,52b 光学系 55 レーザ光伝播光路 56 光モニタ系(作動制御手段) 57 レーザ光制御機構(透過型補償光学系)
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 克彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 芝野 隆之 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光が反応媒質中を伝播することに
    より変化する波面および偏光等のレーザ線質を、元の状
    態または次の伝播に最適状態となるように調節制御する
    レーザ光制御装置において、レーザ光の波面および偏光
    等のレーザ線質をモニタする光モニタ系と、この光モニ
    タ系からの検出モニタ信号によりレーザ線質の補正を行
    なう透過型補償光学系とを有することを特徴とするレー
    ザ光制御装置。
  2. 【請求項2】 透過型補償光学系は電気光学素子を備え
    た請求項1記載のレーザ光制御装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光が反応媒質を伝播することによ
    り変化する波面、強度、偏光等のレーザ線質を、元の状
    態または次の伝播に最適状態となるように調節制御する
    レーザ光制御装置において、前記反応媒質に入力される
    レーザ光の光強度を補償するレーザ増幅装置と、反応媒
    質中を伝播されたレーザ光の一部をサンプリングしてレ
    ーザ線質をモニタする光モニタ系と、この光モニタ系に
    て検出されたレーザ線質情報に基づいてレーザ線質を調
    節制御し、補償する透過型補償光学系とを有する光学モ
    ジュールを備えたことを特徴とするレーザ光制御装置。
  4. 【請求項4】 光学モジュールは複数個が直列状に整列
    配置された多段モジュール構造に構成された請求項3記
    載のレーザ光制御装置。
  5. 【請求項5】 初段の光学モジュールには複数波長のレ
    ーザ光を発生させるレーザ装置と、発生した複数波長の
    レーザ光を波長合成させる波長合成装置を設けた請求項
    3または4記載のレーザ光制御装置。
  6. 【請求項6】 光学モジュールは透過型補償光学系の下
    流側からレーザ光の一部をレーザ増幅器の上流側にフィ
    ードバックさせるフィードバック安定化回路を備えた請
    求項3記載のレーザ光制御装置。
  7. 【請求項7】 透過型補償光学系は、レーザ波長に対し
    透明で複数に分割されたマルチ電極を有する電気光学素
    子と、この電気光学素子の各電極に電圧を独立して印加
    可能な二次元マトリックス電圧制御回路とから構成され
    た請求項3記載のレーザ光制御装置。
  8. 【請求項8】 透過型補償光学系は、並列制御型レーザ
    光制御システムで構成され、このレーザ光制御システム
    は反応媒質を伝播したレーザ光を光学素子により各波長
    毎のレーザ光に分割し、分割された特定波長のレーザ光
    の波面、位相やパルスタイミングを調節制御するレーザ
    光制御機構に案内し、調節制御されたレーザ光を光学素
    子を用いて光軸合成させた請求項3記載のレーザ光制御
    装置。
  9. 【請求項9】 透過型補償光学系は、直列制御型レーザ
    光制御システムで構成され、このレーザ光制御システム
    は、複数のレーザ光制御機構を直列に配置し、各レーザ
    光制御機構は波長毎に異なる非線形光学素子を備えた電
    気光学素子でそれぞれ構成された請求項3記載のレーザ
    光制御装置。
  10. 【請求項10】 レーザ光を反応媒質内に伝播させて反
    応媒質と光反応させ、光反応されたレーザ光のレーザ線
    質を調節制御するレーザ光制御装置において、レーザ光
    が伝播される反応媒質を複数の光反応モジュールに分割
    し、各光反応モジュール毎に所要のパルス状のレーザ光
    を供給するレーザ装置を設け、このレーザ装置から供給
    されるレーザ光を前段の光反応モジュールからの残余レ
    ーザ光と光学合成系で合成させる一方、前記残余レーザ
    光のレーザパルスが前段の光反応モジュールを離れる時
    刻およびレーザ線質を予測して次段の光反応モジュール
    に対応するレーザ装置を制御する作動制御手段を設けた
    ことを特徴とするレーザ光制御装置。
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