JPH06180394A - 放射性廃棄物の圧縮処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】放射性廃棄物を圧縮して得られた圧縮物を収納
容器２に収納する圧縮処理方法において、収納容器２の
内径に比べて外径が小さい圧縮用容器３に放射性廃棄物
１をいったん収納した後、プレス部内径が収納容器２の
内径よりも小さい圧縮プレス装置６を用いて、圧縮用容
器３ごと放射性廃棄物１を圧縮する。 【効果】縦絞り、３軸圧縮などの特殊な機構を備えた圧
縮プレスを使用することなく、放射性廃棄物の圧縮処理
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、原子力関連施設から発
生する放射性廃棄物の圧縮方法に係り、特に、金属や保
温材などの圧縮減容可能な廃棄物に対して好適な放射性
廃棄物の圧縮処理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】原子力発電所などから発生する放射性廃
棄物のうち、金属配管，フィルタ，保温材などのいわゆ
る雑固体廃棄物は、現在ドラム缶などの容器に収納して
保管されている。また将来的には、容器内に収納した廃
棄物を固化処理して、地中に建設したコンクリートピッ
ト内に埋設することが考えられている。保管または埋設
する廃棄物本数を低減するために、これら雑固体廃棄物
をプレスして圧縮減容することが既に行われている。具
体的には、プロシーディング オブ １９９１ジョイン
ト インターナショナル ウエイスト マネジメント
コンファレンス（Proc. １９９１ Joint Inter. Waste
Management Conf., Vol.１, pp４７５−４７９ (１９９
１) ）に示されているように、ドラム缶に充填した廃棄
物を高圧プレスで圧縮した後、複数の圧縮体を新たなド
ラム缶に収納する。この際、ドラム缶サイズの圧縮体
を、再び、ドラム缶に収納できるよう、圧縮に当って
は、ドラム缶の径（太さ）を絞る工夫（いわゆる縦絞
り）をしたり、３軸圧縮プレスを使用したりしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した縦絞りなどの
工夫は極めて有効であるが、圧縮用プレスに縦絞りなど
特殊な機構が必要となり、装置の複雑化、ひいてはコス
トアップを避けられない。

【０００４】本発明の目的は、縦絞りなどの特殊な工夫
が不要な放射性廃棄物の圧縮方法を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的は、圧縮体を収
納する容器の内径に比べて外径が小さい容器内に放射性
廃棄物をいったん収納した後、圧縮体を収納する容器の
内径に比べて外径が小さい圧縮体を作成可能なプレスを
用いて放射性廃棄物を圧縮することにより達成される。

【０００６】

【作用】圧縮体を収納する容器の内径に比べて外径が小
さい容器内に放射性廃棄物をいったん収納した後にこれ
を圧縮する場合には、圧縮用プレスに外径の増加が一定
の許容値以下(具体的には、最終的な圧縮体の外径が圧
縮体収納容器の内径以下)になるようなストッパさえ設
けておけば良く、縦絞りなどの特殊な機構は不要にな
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１と図２を用いて
説明する。図１には、放射性廃棄物の圧縮処理の流れを
示すが、原子力発電所から発生した金属配管，保温材な
どの雑固体廃棄物１はドラム缶などの収納容器２に収納
して保管されていた。この収納容器２から雑固体廃棄物
１を取り出し、圧縮用容器３に雑固体廃棄物１を詰め換
えた。この詰め換えの際には、圧縮用容器３に雑固体廃
棄物１をそのまま充填しても良いし、充填効率をあげる
ために雑固体廃棄物１に切断などの前処理を行った後に
充填しても良い。図２には本発明で用いた圧縮用容器３
の概略構造の一例を示すが、容器本体４と天蓋５からな
る。その特徴は、圧縮用容器３の外径(５３０mmφ)がド
ラム缶の内径(５６７±３mmφ)よりも小さい点にある。
ただし、ここでいうドラム缶とは、JIS Z 1600に規定さ
れた２００リットル規模の容器、またはこれと同等のも
のをさす。容器本体４に天蓋５を取り付けた圧縮用容器
３は、次に、高圧プレス６にセットした。ここで、本実
施例で用いた高圧プレス６のプレス部は通常用いられて
いるシリンダとピストンから構成される１軸圧縮プレス
で、プレス部の内径は５４０mmであった。その後、雑固
体廃棄物を充填した圧縮用容器３は、高圧プレス６によ
り１５００トンで圧縮された。その結果、外高８６０mm
の圧縮用容器３は高さ２２０mm，外径５４０mmの円柱形
径の圧縮物７に減容された。同様にして作成した圧縮物
７は、３個まとめて１本のドラム缶８に収納し圧縮処理
を終了した。以上の操作により、縦絞りなどの特殊な機
構を備えたプレスを用いなくとも廃棄物をドラム缶に収
容可能な形状に圧縮できた。なお、圧縮物７の収納に使
用するドラム缶８には新品を用いることができるのは当
然であるが、圧縮処理する前に雑固体廃棄物を保管して
いた収納容器２がドラム缶である場合にはこの使用済み
ドラム缶を再利用することも可能である。この場合に
は、空きドラム缶の発生を抑制できるとの長所がある。
また本発明の対象となる放射性廃棄物には、ゴム手袋な
どの燃焼物，金属配管，保温材，フィルタ等が考えられ
るが、この説明から明らかなように特に対象廃棄物が限
定されるものではない。

【０００８】このように圧縮処理を終了した廃棄物はそ
のまま保管することもできるが、ドラム缶８内の空隙部
分にセメントなどの固型化材を充填し、いわゆる固型化
処理を行うことも可能である。また本実施例では収納容
器２に収納して保管していた雑固体廃棄物１を処理した
が、原子力発電所の定期検査の際に発生する雑固体廃棄
物１をそのまま圧縮用容器３に充填し、これを圧縮処理
することも可能である。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、圧縮用プレスに縦絞り
などの特殊な機構を設けることなく、放射性廃棄物を圧
縮減容することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例で用いた圧縮処理のフローの説明図。

【図２】実施例で用いた圧縮用容器の構造を示す説明
図。

【符号の説明】

１…雑固体廃棄物、２…収納容器、３…圧縮用容器、６
…高圧プレス、７…圧縮物、８…ドラム缶。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原子力施設から発生する放射性廃棄物を圧
   縮して得られた圧縮物を収納容器に収納する圧縮処理方
   法において、前記収納容器の内径に比べて外径が小さい
   圧縮用容器に前記放射性廃棄物をいったん収納した後、
   前記圧縮用容器ごと前記放射性廃棄物を圧縮することを
   特徴とする放射性廃棄物の圧縮処理方法。
2. 【請求項２】請求項１において、前記圧縮用容器ごと前
   記放射性廃棄物を圧縮するに際し、圧縮に用いるプレス
   装置のプレス部の内径が前記収納容器の内径よりも小さ
   い放射性廃棄物の圧縮処理方法。
3. 【請求項３】請求項１または２において、前記圧縮用容
   器の外径が５７０mm以下である放射性廃棄物の圧縮処理
   方法。
4. 【請求項４】請求項２において、前記プレス部内径が５
   ７０mm以下である放射性廃棄物の圧縮処理方法。
5. 【請求項５】請求項１，２，３または４において、前記
   収納容器として使用済みドラム缶を使用する放射性廃棄
   物の圧縮処理方法。