JPH06180126A - 蓄熱暖房装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 夜間電力で蓄熱材を加熱し、その熱エネルギ
ーを暖房する時間帯に必要な都度取り出すようにすると
ともに、蓄熱量が不足となった場合に昼間電力用ヒータ
ーによる追いだき装置を設けた暖房システムにより、電
気暖房のランニングコストの低減をはかる。 【構成】 下部に夜間電力用ヒーター１による下部加熱
部２と、上部に昼間電力用ヒーター４による上部加熱部
５と、中間部に蓄熱部を有する缶体３に熱媒体を充填
し、循環ポンプ１１により放熱部１４へ循環させるとと
もに、放熱部１４へ送る熱媒体を所定の温度に保つよう
に上記缶体３の上部加熱部と循環戻りの熱媒体を混合す
る混合弁９を設け、深夜電力による蓄熱、および従量電
灯による追い焚きができる蓄熱暖房装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱暖房装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】床面等に電気ヒーターを設け、床からの
輻射熱によって暖房をする床暖房は室内の空気をかき回
わさず、しかも垂直方向の温度分布が良いため、室温を
比較的低めに設定することが出来るので空気が乾燥しに
くく頭寒足熱の理想的な暖房といわれ普及してきた。

【０００３】一方このような電気床暖房は比較的電気設
備容量が大きくなり、使用者の経済的負担もさることな
がら電力供給側にとっては昼間時間帯での使用が中心と
なり、電力需要の昼夜間のアンバランスの大きな要因に
なるため、深夜の時間帯における電力料金を割り引くな
どの制度を設けて比較的電力需要の少ない深夜時間帯へ
の移行による平準化をはかってきた。そのため深夜の時
間帯に蓄熱して昼間時間帯は電力の供給をすることなく
床暖房が使用できるよう、蓄熱式床暖房装置が多く使用
されるようになってきた。

【０００４】床下に設置した電気ヒーターの上部または
下部に密着して蓄熱効果のあるコンクリートや潜熱蓄熱
材等を配設し、深夜電力または第２深夜電力、あるいは
時間帯別電灯の契約を結び、専ら夜間の一定時間帯だけ
電力の供給を受けることにより電力料金の割引を受ける
いわゆる夜間電力により、深夜時間帯に上記蓄熱材に熱
を蓄え、電気ヒーターへの通電が停止した昼間時間帯に
も放熱を継続するようにしたものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし従来の蓄熱式床
暖房は図４に示すように床下地４５の上に一定間隔で配
設された根太４６の間に平板状の容器に所定の温度で相
変化をする潜熱蓄熱材を充填した蓄熱板４２を敷設し、
その上にパネル状の電気ヒーター４０をおき、さらにそ
の上に上記と同仕様の蓄熱板４１を配設し、その上部に
木質フローリング４３等で床仕上げをした構成のために （１）電気ヒーターと蓄熱材を重ねて床下に配設するた
め床高が高くなる。 （２）蓄熱材の重量のため床構成材の強度が必要。 （３）夜間電力により、蓄熱材に蓄熱中も床表面から無
駄な放熱をしているうえ、もっとも放熱量が必要な夕方
から夜にかけての時間帯には床温度が低下している場合
がある。 （４）蓄熱材からの放熱は停止したり、調節したりでき
ないためつぎの深夜電力通電時間まで放熱を継続させる
ための多量の蓄熱材が必要。 （５）いったん蓄熱した熱は全て放熱するので春先など
急に暖かくなるとかえって熱すぎる。 （６）厳寒季などの気温が低い時期に、暖房途中で蓄熱
量が無くなり暖房効果が無くなってしまう。等のような
課題があった。

【０００６】本発明は上記の課題を解決するもので深夜
電力と昼間電力を利用した蓄熱材による暖房装置を提供
することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の蓄熱暖房装置は、下部に深夜電力の供給を受
ける深夜電力用ヒーターを有する下部加熱部と、上部に
従量電灯契約によって供給を受ける昼間電力用ヒーター
と温度検知器を有する上部加熱部と、またそれぞれの前
記加熱部に挟まれた中間部に蓄熱部を有し、液状の熱媒
体を充填した缶体と、外部に設けた放熱部よりの戻り管
と前記缶体の下部加熱部の間に配設した循環ポンプと、
前記缶体の上部加熱部よりの循環路と循環ポンプの吐出
部よりのバイパス管へそれぞれ接続され、双方の熱媒体
を混合して適温の熱媒体として上記放熱部へ供給する混
合弁とそれらを順次接続する循環路と、昼間電力用ヒー
ターのインターロックリレーおよび温度表示器を備えた
制御装置よりなる構成としたものである。

【０００８】また時間帯別電灯契約の電源接続口を有
し、夜間時間帯に通電する深夜電力用ヒーターを有する
下部加熱部と、夜間以外の時間帯に通電する昼間電力用
ヒーターと温度検知器を有する上部加熱部と、それらの
ヒーターへの通電を切り替えるタイマーおよび温度表示
器を備えた制御装置よりなる構成としたものである。

【０００９】

【作用】本発明の蓄熱暖房装置は上記した構成によっ
て、混合弁によって放熱部へ送り出す熱媒体の温度は調
節できるため実際の循環温度より高い温度で蓄熱するこ
とが出来、より多くの熱量を取り出すことが出来、循環
ポンプの運転によってのみ熱の取り出しが行われる。ま
た暖房運転時に熱媒体温度が低下すると昼間電力用ヒー
ターへの通電を行い、不足した暖房エネルギーを補充す
る。

【００１０】

【実施例】以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明
する。

【００１１】図１は本発明の蓄熱暖房装置を用いた床暖
房システムの一実施例である。図２はこの実施例の制御
ブロック図である。両図中において共通部分は同一番号
を付している。図１において水などの熱媒体を充填した
缶体３の下部加熱部２に内設した夜間電力用ヒーター１
は図２に示すように深夜電力または第２深夜電力の供給
を受ける夜間電力２２によってインターロックリレー２
３を介し、温調接点２７に接続、加熱される。夜間電力
用ヒーター１の通電により加熱部２から対流により缶体
３内の熱媒体は加温蓄熱され、所定の温度に達すると温
度センサー７の信号により、温調回路２８が温調接点２
７を開き、夜間電力用ヒーター１への通電は停止する。
上部加熱部５から循環路８を経由し、混合弁９の一方の
入り口９Ａへ接続されさらに混合弁９の出口９Ｃから暖
房往管１０を経て暖房用放熱部１４の一方の配管口１４
Ａへ、また他の配管口１４Ｂからは循環ポンプ１１を経
て前記缶体３の下部加熱部１へ接続され、さらに前記循
環ポンプ１１の吐出口と前記混合弁９のもう一方の入り
口９Ｂはバイパス管１３によって接続されている。これ
らの経路は全て前記熱媒体が充填されている。混合弁９
は前記放熱部１４へ供給するのに最も適した温度になる
ように入り口９Ａおよび入り口９Ｂからの熱媒体の混合
比を自動的に調節して混合弁９の出口９Ｃから放熱部１
４へ供給している。

【００１２】放熱部１４を循環した熱媒体は放熱によっ
て温度が下がり再び循環ポンプ１１、バイパス管１３を
経て混合弁９の入り口９Ｂへ戻るが、熱媒体の温度が混
合弁９の設定温度より低い場合入り口９Ａ側から蓄熱部
の高温の熱媒体が供給され出口側９Ｃの設定温度を維持
するようになる。このように夜間電力により缶体３にお
いて加熱され蓄熱された熱媒体によって循環ポンプ１１
を運転することにより、放熱部１４へ循環し暖房用熱エ
ネルギーとして放熱される。また暖房が不要の場合は前
記循環ポンプ１１を停止することにより簡単に放熱を止
めることが可能である。

【００１３】夜間電力による蓄熱が完了し、夜間電力の
供給時刻が過ぎると、インターロックリレー２３により
接点２４が閉じる。

【００１４】暖房運転を行い缶体３の蓄熱量が減少して
くると熱媒体の温度が下がり、温度センサー７の信号に
より、温調回路２８が温調接点２６を閉じると同時に表
示装置２９にその温度を表示する。熱媒体の温度が低下
した時さらに暖房運転を継続して行いたい場合、追い焚
きスイッチ２５を閉じると、常時供給されている従量電
灯２１より供給されている電力により缶体３の上部加熱
部５に内設された昼間電力用ヒーター４に通電され上部
加熱部５の熱媒体を加熱することにより継続して暖房エ
ネルギーを供給することができる。

【００１５】図３は本発明の他の実施例の制御ブロック
図である。図中に付した番号において図１と共通部分は
同一番号を付してある。図１の缶体３の下部加熱部２に
内設された夜間電力用ヒーター１には図３に示す時間帯
別電灯３１によって供給を受ける電力によりタイマー３
２で現在時刻を確認し、割引料金となる深夜時間帯には
タイマー接点３３は下側に倒れ、温調接点３６に接続、
加熱されている。夜間電力用ヒーター１の通電により加
熱部２から対流により缶体３内の熱媒体は加温蓄熱さ
れ、所定の温度に達すると温度センサー７の信号によ
り、温調回路３７が温調接点３６を開き、夜間電力用ヒ
ーター１への通電は停止する。深夜時間帯における蓄熱
が完了し、深夜時間帯の時刻が過ぎると、タイマー接点
３３は上側に倒れる。

【００１６】夜間蓄熱した熱エネルギーにより暖房運転
を行い、缶体３の蓄熱量が減少してくると熱媒体の温度
が下がり、温度センサー７の信号により、温調回路３７
が温調接点３５を閉じると同時に表示装置３８にその温
度を表示する。熱媒体の温度が低下した時さらに暖房運
転を継続して行いたい場合、追い焚きスイッチ３４を閉
じると、タイマー接点３３によって供給されている電力
により缶体３の上部加熱部５に内設された昼間電力用ヒ
ーター４に通電され上部加熱部５の熱媒体を加熱するこ
とにより継続して暖房エネルギーを供給することができ
る。

【００１７】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
の蓄熱暖房装置は上記した構成によって、夜間電力用ヒ
ーターへの電力の供給によって缶体内に配設した蓄熱材
に熱を蓄えておき、循環ポンプによって熱媒体を循環さ
せるとともに上部加熱部に内設した昼間電力用ヒーター
により、不足した熱エネルギーを即時に補充し、床下へ
設置した放熱部より放熱する床暖房システムを構成する
ことにより、床下に電気ヒーターと潜熱蓄熱材よりなる
蓄熱板を設置する従来の蓄熱床暖房装置と比べて （１） 床下への蓄熱材の設置は必要ないため床高は高
くならず重量も軽い。 （２） 混合弁によって適温の熱媒体が供給されるため
実際の循環温度より高い温度で蓄熱することが出来るた
め、より多くの熱量を取り出すことが出来る。 （３） 循環ポンプの運転によってのみ熱の取り出しが
行われるため無駄がなく、必要な蓄熱量も比較的少なく
なる。 （４） 表示器に表示した熱媒体の温度により、暖房運
転時に手動スイッチの操作をすることによって昼間電力
用ヒーターで不足した暖房エネルギーを補充することが
できるため総合のランニングコストは若干高くなるもの
の缶体容量の小型化が可能になる。

【００１８】さらに深夜電力または第２深夜電力の使用
によって蓄熱し、夜間時間帯以外は従量電灯による追い
焚きを行うため電力料金はもっとも安い。そして時間帯
別電灯によって蓄熱および追い焚きを行うため電源工事
が１系統だけで良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の蓄熱暖房装置の構成図

【図２】同実施例の制御ブロック図

【図３】本発明の他の実施例の制御ブロック図

【図４】従来の蓄熱床暖房装置の断面図

【符号の説明】

１ 夜間電力用ヒーター ２ 下部加熱部 ３ 缶体 ４ 昼間電力用ヒーター ５ 上部加熱部 ７ 温度センサー ９ 混合弁 １１ 循環ポンプ １３ バイパス管 １４ 放熱部 １５ 膨張タンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に深夜電力の供給を受ける夜間電力用
   ヒーターを有する下部加熱部と、上部に従量電灯契約に
   よって供給を受ける昼間電力用ヒーターと、温度センサ
   ーを有する上部加熱部と、またそれぞれの前記加熱部に
   挟まれた中間部に蓄熱部を有し、液状の熱媒体を充填し
   た缶体と、外部に設けた放熱部よりの戻り管と前記缶体
   の下部加熱部の間に配設した循環ポンプと、前記缶体の
   上部加熱部よりの循環路と循環ポンプの吐出部よりのバ
   イパス管へ入り口側がそれぞれ接続され、双方の熱媒体
   を混合して適温の熱媒体として出口側より上記放熱部へ
   供給する混合弁とそれらを順次接続する循環路と、昼間
   電力用ヒーターのインターロックリレー、および温度表
   示器を備えた制御装置よりなる蓄熱暖房装置。
2. 【請求項２】時間帯別電灯契約の電源接続口を有し、夜
   間時間帯に通電する深夜電力用ヒーターを有する下部加
   熱部と、夜間以外の時間帯に通電する昼間電力用ヒータ
   ーと温度センサーを有する上部加熱部と、それらのヒー
   ターへの通電を切り替えるタイマー、および温度表示器
   を備えた制御装置よりなる請求項１記載の蓄熱暖房装
   置。